違法な美白化粧品の迅速検出法を開発

提供元:ケアネット

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公開日:2013/08/13

 

 EU市場では昨年、インターネット上のいわゆる“闇市場”と呼ばれる購入サイト上に違法化粧品が氾濫する事態が生じた。その大半を占めたのが、美白化粧品であったという。ベルギー国立保健科学研究所のB. Desmedt氏らは、流通する美白化粧品が合法なものか違法なものかを迅速に検出するため、新たに超高速液体クロマトグラフィー‐ダイオードアレイ検出法(UHPLC-DAD)というスクリーニング法を開発し検証を行った。その結果、12分間で詳細な成分の同定が可能であることが示されたという。Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis誌2013年9月号(オンライン版2013年5月4日号)の掲載報告。

 氾濫していた違法な美白化粧品には、EUの現行の化粧品に関する法律(Directive 76/768/EEC)で規制されている、ハイドロキノン、トレチノイン、コルチコステロイドなど複数の違法な活性成分が含まれていた。それらは、局所ばかりでなく全身性に毒性作用をもたらすことから、EU市場では禁止成分の対象とされている。

 Desmedt氏らは、市場統制のために、多様な違法成分を迅速に検出できる新たなスクリーニング法を開発し検証を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・開発・検証したのは、UHPLCの手法を用いたスクリーニング法であった。
・同スクリーニング法によって、主要な違法成分(ハイドロキノン、トレチノイン、6つの皮膚外用性コルチコステロイド)と合法的な美白成分を検出可能なだけでなく、合法成分(コウジ酸、アルブチン、ニコチンアミド、サリチル酸)の濃度や適用に関する制限についても検出可能であった。また、これらを12分間で定量化することも可能であった。
・スクリーニング法は、ISO-17025準拠の検証要件に即した「トータルエラー」アプローチに基づき実効性が確認された。
・検証において、クリーム、ローション、石鹸など多様なコスメティック商品が考慮すべき対象であることが明らかになった。

(ケアネット)