30回の節目、日本臨床内科医会総会を開催

提供元:ケアネット

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公開日:2013/04/16

 

 4月14日、一般社団法人 日本臨床内科医会(会長:猿田 享男氏)は、第30回となる総会を東商ホール(東京・千代田区)にて開催した。当日は、全国より1000名を超える会員が参集し、企画されたさまざまなセッションに参加した。

 初めに総会として、今回の会頭である菅原 正弘氏(東京内科医会会長)などの挨拶や各種決議、報告、表彰式が行われた。

 次に、「医療を取り巻く最近の話題」をテーマに、今村 聡氏(日本医師会副会長)が「医療と消費税」をテーマにミニレクチャーを行った。レクチャーでは、2014年に消費税が引き上げられることに鑑み、現在の診療報酬からの手当てでは、医療機関の持ち出しが多くなってしまうことから「今後も医師会として政府に対応を働きかけていく」と述べた。続いて、嶋田 丞氏(日本臨床内科医会副会長)が、「在宅医療を取り巻く話題」として、高齢社会の中でいかに地域の臨床医が、医療と介護を両立させ、地域住民の健康を守るかを説明した。その後、司会の清水 惠一郎氏(日本臨床内科医会常任理事)も交え鼎談となり、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、医師の裁量権の動向、地域包括ケアシステムの在り方、総合医専門医制度の在り方など多岐にわたる問題を話し合った。

 午後には特別講演(1)として「『心臓バイパス手術』の最前線」をテーマに天野 篤氏(順天堂大学大学院医学研究科心臓血管外科学教授)が、自身の専門領域である「心臓バイパス手術」について、オン・オフポンプでの手術成績の違いやどのようなリスク患者での予後の成績が良いかなど、海外のエビデンスと自験例を交えて講演を行った。

 続いて、特別講演(2)として「特定健診の5年間の評価と今後の方向性」をテーマに永井 良三氏(自治医科大学学長)が、2008年より導入された「特定健診・特定保健指導」について5年の成果を振り返るとともに、次の5年について講演を行った。世界の潮流が、NCD(非感染性疾患)への対応にシフトしている今、生活習慣病の予防に主眼をおいて定められたのが「特定健診・特定保健指導」であり、とくに「高齢者は受診率が上がると、医療費を抑えることができた」と解説した。そして、健康寿命の延長、非肥満者の疾病予防、COPDなどの肺疾患への対応など「第二次国民健康づくり運動」の概要について説明し、講演を終えた。

■日本臨床内科医会
■第27回 日本臨床内科医学会

(ケアネット 稲川 進)