高齢者うつ病患者への運動療法は有効 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/09/17 高齢者ではうつ病の罹患率が高いが十分な治療が行われていない。そのため、治療戦略として運動を提唱することは、公衆保健上の優先課題である。英国のBridle氏らは高齢者の抑うつ症状に対する運動療法の効果を評価した。Br J Psychiatry誌2012年9月号の報告。 高齢者のうつ病と運動に関する無作為化比較試験のシステマティックレビューとメタ解析を実施した。その際、参加者の適格性を決定するうつ病の抽出条件によって、治療効果が変化するかどうかについても評価した。基準を満たした報告は9報、メタ解析は7報で行った。 主な結果は以下のとおり。 ・運動は、うつ病重症度の低下と有意な関連があった(標準化平均差[SMD]= -0.34、95%Cl: -0.52 ~ -0.17)。これは、参加者の適格性が、臨床診断(SMD= -0.38、95%Cl: -0.67 ~ -0.10)や症状のチェックリスト(SMD= -0.34、95%Cl: -0.62 ~ -0.06)によって判定されたかどうかとは関わりがなかった。 ・これらの結果は感度分析においても、同様に有意であった。 ・高齢者うつ病患者のうつ症状の重症度を低下させるために、患者ごとにカスタマイズされた運動療法は有効であると考えられる。 関連医療ニュース ・ゲームのやり過ぎは「うつ病」発症の原因か?! ・認知症を予防するには「体を動かすべき」 ・高齢者のQOL低下に深く関わる「うつ」 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Bridle C, et al. Br J Psychiatry. 2012 Sep; 201: 180-185. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] FUS-ALSの治療、jacifusenが有望/Lancet(2025/06/09) 軽症~中等症COVID-19、40種の薬物療法を比較/BMJ(2025/06/09) 胃がん周術期、FLOTにデュルバルマブ上乗せでEFS改善(MATTERHORN)/ASCO2025(2025/06/09) 統合失調症とうつ病における幻聴の違いは(2025/06/09) 進行尿路上皮がん1次治療、EV+ペムブロリズマブによるCR・PR症例の探索的解析結果(EV-302/KEYNOTE-A39)/ASCO2025(2025/06/09) 乳がん内分泌療法に伴うホットフラッシュにelinzanetantが有効(OASIS-4)/ASCO2025(2025/06/09) がん患者のワクチン接種率を上げるカギは医療者からの勧め/日本がんサポーティブケア学会(2025/06/09) 好奇心は加齢に伴い減退する?(2025/06/09)