日本語でわかる最新の海外医学論文|page:520

日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」Webサイトに 「キラリ☆女性医師!若手特別版~私たちの今とこれから!~」を開設

 日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」Webサイトでは、これから糖尿病専門医をめざそうとする若手医師からの寄稿記事を掲載するコーナーとして「キラリ☆女性医師!若手特別版~私たちの今とこれから!~」を開設している。  同Webサイトでは2015年4月に「キラリ☆女性医師!」コーナーを開設し様々な立場の女性医師からの声を掲載しているが、「もっと若手の先生の声を」という意見・要望に応えるべく新たに設置された。

閉経後ホルモン療法、5年以上で乳がんリスク増大/Lancet

 先進国の平均体重の女性では、閉経後ホルモン療法(MHT)を50歳から5年間受けた場合の50~69歳における乳がんリスクの増加は、エストロゲン+プロゲスターゲン毎日投与では約50人に1人であり、エストロゲン+プロゲスターゲンの月に10~14日投与では70人に1人、エストロゲン単独では200人に1人であるとの調査結果が、英国・オックスフォード大学のValerie Beral氏らCollaborative Group on Hormonal Factors in Breast Cancerによって示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年8月29日号に掲載された。MHTの種類別の乳がんリスクに関する既報の知見には一貫性がなく、長期的な影響に関する情報は限定的だという。

CABGが3枝病変には有益?SYNTAX試験の10年死亡率/Lancet

 冠動脈3枝病変および左冠動脈主幹部病変の治療において、第1世代パクリタキセル溶出ステントを用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と冠動脈バイパス術(CABG)では、10年間の全死因死亡に差はなく、3枝病変患者ではCABGの生存利益が有意に大きいが、左冠動脈主幹部病変患者ではこのような利益はないことが、オランダ・エラスムス大学のDaniel J F M Thuijs氏らが行ったSYNTAX試験の延長試験であるSYNTAXES(SYNTAX Extended Survival)試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年9月2日号に掲載された。SYNTAX試験は、de-novo 3枝および左冠動脈主幹部病変患者における第1世代パクリタキセル溶出ステントを用いたPCIとCABGを比較する非劣性試験であり、最長5年のフォローアップでは、全死因死亡率はPCIが13.9%、CABGは11.4%(p=0.10)と報告されている。

内臓脂肪を減らす「スマート和食」、そのメカニズムとは

「和食(Washoku)」が、日本の伝統的な食文化として、ユネスコの無形文化遺産に登録されたのは2013年。その健康効果には世界的に注目が集まっているが、ヒトの内臓脂肪蓄積に与える影響やメカニズムについては不明である。  今回、坂根 直樹氏(京都医療センター 臨床研究センター 予防医学研究室長)、高瀬 秀人氏(花王株式会社 生物科学研究所)らの研究グループは、日本の伝統に基づく食事が、内臓脂肪面積あるいはGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)分泌に及ぼす効果を調査した。Nutrition journal誌2019年9月2日号の報告。

糖尿病と認知症リスク~メタ解析

 糖尿病と認知機能障害や認知症リスクとの関連については、明らかになっていない点が残っている。中国・青島大学のMei Xue氏らは、これらの関連について、さまざまな側面から検討を行った。Ageing Research Reviews誌オンライン版2019年8月17日号の報告。  2019年6月までのプロスペクティブ研究をPubMedより検索した。相対リスク(RR)の推定には、変量効果モデルを用いた。それぞれのメタ解析の信頼性を評価し、メタ回帰分析およびサブグループ解析を実施した。

高用量ビタミンD補充に関する検討:わが国の現状には参考にならない(解説:細井 孝之 氏)-1112

ビタミンDは骨代謝のみならず、免疫系などにも作用する重要なビタミンである。血中25水酸化ビタミンD濃度はビタミンDの充足度を反映する指標であり、日本内分泌学会が基準値を定め、その測定は最近骨粗鬆症にも保険適用となった。一方で、いまだにビタミンD不足(血中濃度30ng/mL以下)の方は非常に多く、少なくとも成人の食事摂取基準における1日摂取量の目安である5.5μgを確保したいところである。なお、骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版では1日10~20μgの摂取を推奨している。

不眠症患者の疲労に関連する因子

 不眠症患者では一般的に疲労が認められるが、臨床症状との関連についてはあまり知られていない。韓国・成均館大学校のSeog Ju Kim氏らは、不眠症患者の疲労と臨床症状との関連について調査を行った。Journal of Psychiatric Research誌2019年10月号の報告。  スタンフォード大学睡眠医学センターを受診した患者を対象に、不眠重症度指数(ISI)、不眠症状アンケート(ISQ)、疲労重症度尺度(FSS)、エプワース眠気尺度(ESS)、こころとからだの質問票(PHQ-9)を実施した。

デキサメタゾン1日投与の制吐効果は?/Oncologist

 化学療法誘発性悪心・嘔吐(CINV)の予防に用いられるデキサメタゾンについて、投与日短縮法の制吐効果が明らかにされた。松下記念病院の岡田優基氏らは、パロノセトロン併用下でのデキサメタゾンの適切な投与期間について、個々の患者データに基づいたメタ解析を行った。Oncologist誌オンライン版2019年6月19日掲載の報告。  研究グループは、中等度催吐性リスク化学療法またはアントラサイクリン+シクロホスファミドを含む化学療法を受ける化学療法未治療の成人患者を対象に、パロノセトロン+デキサメタゾンday1(d1群)とパロノセトロン+デキサメタゾンday1~3(d3群)のCINVに対する効果を比較検討した無作為化臨床試験について、PubMedおよびMEDLINEを用いて検索するとともに手作業でも検索し、システマティックレビューを行った。

GABAA受容体を標的とした新規抗うつ薬の展望/NEJM

 GABAA受容体に対する選択的ポジティブアロステリックモジュレーターのSAGE-217を14日間連日経口投与した結果、プラセボと比較して15日目のうつ症状が改善したが、有害事象の頻度はSAGE-217群で多かった。米国・Sage TherapeuticsのHandan Gunduz-Bruce氏らが、大うつ病性障害(うつ病)患者を対象とした第II相二重盲検比較試験の結果を報告した。うつ病の発症にGABAの神経伝達障害が関与していることが示唆されているが、大うつ病治療におけるSAGE-217の有効性および安全性は不明であった。NEJM誌2019年9月5日号掲載の報告。

静脈瘤治療、5年後のQOLと費用対効果を比較/NEJM

 静脈瘤治療5年後の疾患特異的QOLは、フォーム硬化療法に比べ血管内レーザー焼灼術あるいは手術のほうが良好であり、費用対効果の確率的モデルで1QALY獲得の支払い意思額(willingness-to-pay)の閾値を調べたところ、2万ポンド(2万8,433ドル)でレーザー焼灼術の支持する割合が最多となることが示されたという。英国・グラスゴー大学のJulie Brittenden氏らが、静脈瘤治療とQOLおよび費用対効果との関連を評価した多施設共同無作為化比較試験「Comparison of Laser, Surgery, and Foam Sclerotherapy trial:CLASS試験」の5年時における主要解析の結果を報告した。血管内レーザー焼灼術と超音波ガイド下フォーム硬化療法は、一次性静脈瘤の治療に対する外科手術の代替療法として推奨されてきたが、長期的な相対的有効性についてはこれまで不明であった。NEJM誌2019年9月5日号掲載の報告。

痛くなってからでは遅い帯状疱疹

 帯状疱疹は、60歳以降が好発年齢といわれており、強い痛みと残存する神経痛が患者のQOLに大きな影響を及ぼす。水痘として感染したウイルスによるが、一度感染してしまったウイルスを排除する術は今のところなく、ワクチンで予防することが高齢での発症・重症化を防ぐ唯一の手段となる。  2019年8月27日、武田薬品工業が「帯状疱疹の診療・予防の最新動向」をテーマに、都内にてセミナーを開催した。最新の帯状疱疹診療にはどのようなポイントがあるのだろうか。

PD-1阻害薬による免疫関連肺臓炎はNSCLC患者の予後を悪化させる

 PD-1阻害薬の免疫関連有害事象の1つである肺臓炎は、時に致命的となることが知られるが、予後にどの程度影響するのかは明らかになっていない。名古屋大学大学院医学部の富貴原 淳氏らは、PD-1阻害薬の投与を受けた非小細胞肺がん(NSCLC)患者を後ろ向きに解析し、免疫関連肺臓炎(IRP)の発症と予後の関係を検討した。Clinical Lung Cancer誌オンライン版2019年8月1日号掲載の報告。  研究グループは、2016年1月~2018年3月の間に、PD-1阻害薬(ニボルマブまたはペムブロリズマブ単剤療法)を用いた再発/進行NSCLC患者について、後ろ向きに解析した。

化学療法誘発性悪心嘔吐に対するオランザピン5mgの追加効果(J-FORCE)/日本がんサポーティブケア学会

 オランザピンは化学療法誘発性悪心嘔吐(CINV)に対して有効であるが、国際的に使用されている用量10mgでは過度の鎮静が懸念されている。NCCNやMASCC/ESMOの制吐療法ガイドラインでは、5mgへの減量について言及しているもののエビデンスはない。わが国では、標準制吐療法へのオランザピン5mgの上乗せ効果を検証した3つの第II相試験が行われ、その有効性が示唆されている。そこで、シスプラチン(CDDP)を含む化学療法に対する標準制吐療法へのオランザピン5mg上乗せの有用性の検証を目的としたプラセボ対照二重盲検無作為化第III相J-FORCE試験が行われた。その結果を第4回日本がんサポーティブケア学会学術集会において、静岡県立静岡がんセンターの安部 正和氏が発表した。

2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症リスクとの関連

 大地震は極度のストレスを引き起こし、認知機能に悪影響を及ぼす可能性がある。新潟大学の中村 和利氏らは、2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症との関連について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2019年8月19日号の報告。  本研究は、10~12年フォローアップを行ったレトロスペクティブコホート研究である。対象者は、2004年新潟県中越地震後に年次健康診断を行った40歳以上の小千谷市民(2005年6,012人、2006年5,424人、2007年5,687人)。Kessler Psychological Distress Scale(K10)を用いて心理的苦痛を評価し、K10スコアが10以上を心理的苦痛ありと定義した。

遺伝子検査活用のプライマリPCI、出血を2割減/NEJM

 プライマリ経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行う患者において、CYP2C19遺伝子検査に基づく経口P2Y12阻害薬の治療は、チカグレロルまたはプラスグレルを投与する標準治療に対して、12ヵ月時点の血栓イベントに関して非劣性であり、出血の発現頻度は有意に低減したこと(ハザード比:0.78)が示された。オランダ・St. Antonius HospitalのDaniel M. F. Claassens氏らが、2,488例を対象に行った無作為化非盲検評価者盲検化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年9月3日号で発表した。

糖尿病の安定CADに、チカグレロル+アスピリンは有益か?/NEJM

 心筋梗塞または脳卒中の既往歴のない安定冠動脈疾患を有する50歳以上の2型糖尿病患者において、チカグレロル+アスピリンの併用はアスピリン単剤と比べて、虚血性心血管イベントの発生が有意に減少したことが示された。一方で、大出血の発生は併用群で有意に増大した。フランス・パリ大学Bichat病院のP. Gabriel Steg氏らが、患者1万9,220例を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年9月1日号で発表した。これまでに同患者集団において、チカグレロル+アスピリンの併用が、アウトカムを改善するか否かは明らかになっていなかった。

日本人NAFLD患者の種々のがん予測に亜鉛測定が有用

 血清亜鉛(Zn)濃度の低下は肝性脳症や味覚異常など、さまざまな疾患に影響することが報告されている。しかしながら、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)患者における関連はほとんど報告されていない。今回、名古屋大学消化器内科学の伊藤 隆徳氏らは、血清中のZn濃度と総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比(BTR:molar ratio of total branched-chain amino acid to tyrosine)が、NAFLD患者の予後と関係することを明らかにした。著者らは、「血清中のBTRおよびZn濃度が、それぞれNAFLD患者の肝細胞がん(HCC)および他臓器がんの発生予測に有用」とコメントしている。Nutrition&Cancer誌オンライン版2019年8月21日号掲載の報告。

D-Indexに基づくFNの抗真菌治療/日本がんサポーティブケア学会

 好中球減少期間の長い高リスク治療では、広域抗菌薬不応患者の発熱性好中球減少症(FN)に経験的抗真菌治療(EAT)が推奨されるものの、過剰治療の問題が残る。そのため、バイオマーカーや画像所見に基づく抗真菌薬の先制治療が試みられるようになった。しかし、先制治療では深在性真菌症の増加が懸念されている。そこで好中球減少の深さと持続期間を面積で評価するD-Indexによる早期抗真菌治療(DET)を考案し、EATとの無作為比較試験(CEDMIC試験)を実施した。その結果を第4回日本がんサポーティブケア学会学術集会において自治医科大学附属さいたま医療センターの木村 俊一氏が発表した。

統合失調症患者の洞察力がうつ、QOL、自殺に及ぼす影響

 統合失調症患者の半数以上が、生涯に自殺を試みる。より良い洞察力は、機能により良い影響をもたらすが、自殺企図の増加とも関連している。洞察力と自殺企図との関連を明確にするため、フランス・ベルサイユ大学のMickael Ehrminger氏らは、構造方程式モデリングを用いて検討を行った。Journal of Clinical Medicine誌2019年8月10日号の報告。  統合失調症スペクトラム障害患者の洞察力、QOL、うつ、自殺企図を、ベースラインおよび12ヵ月後の時点で測定を行った。これらの関連は、クロルプロマジン換算量、陽性症状、陰性症状、一般精神病理によりコントロールした潜在差スコアモデルを用いて調査した。

日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」Webサイト に「ジェンダーフリーな職場づくり推進室」を公開中

 日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」Webサイトでは、男女共同参画について各施設でどのような取り組みが行われているかを紹介するコーナーとして「ジェンダーフリーな職場づくり推進室」を公開している。  同コーナーでは第1回として 「京都大学医学部附属病院における取組(稲垣 暢也 氏)」、第2回として「北海道大学病院における取組(渥美 達也 氏)」の記事を掲載しており、以下関連リンクより閲覧可能。