日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1061

イギリスの直近20年のダウン症児出生数の傾向

高年齢出産はダウン症児が産まれるリスクが高いが、イギリスでは2001年のUK National Screening Committeeの全妊婦に対する出産前スクリーニング受診の勧告などで、現在は1990年代初期に比べると出産前スクリーニングの利用が増えており、2007~2010年の勧告では、出産前スクリーニングにより陽性率3%未満、検出率は75%になるだろうとしていた。そこでロンドン大学クイーン・メアリー校のJoan K Morris氏らは、その実際を明らかにするため、イギリスNational Down Syndrome Cytogenetic Registerを解析しダウン症児数と出産前診断の傾向を解析した。BMJ誌2009年11月21日号(オンライン版2009年10月26日号)掲載より。

ドラッグストアで市販薬購入時、薬剤師や販売員に「相談しない」人は7割近く

マイボイスコム株式会社は2日、『ドラッグストアの利用』に関するアンケート調査をインターネット上で実施し、2009年11月1日~5日に13,808件の回答を集め、結果を発表した。ドラッグストアで市販薬を購入する際に薬剤師や販売員に「あまり相談しない」「全く相談しない」人が7割近くを占めることがわかった。

高血圧症治療薬「COZAAR」の高用量投与により総死亡および心不全による入院リスクが減少する

米国メルク社は、11月にオーランドで開催された第82回米国心臓協会(AHA: American Heart Association)学術集会において、高血圧症治療薬「COZAAR(一般名:ロサルタンカリウム錠)」の高用量投与による試験「HEAAL(Heart failure Endpoint evaluation of the A-II-Antagonist Losartan)」の結果を発表した。日本法人である万有製薬株式会社が2日に公表した。

再発白血病に対する治験で遺伝子治療を開始

タカラバイオ株式会社は2日、同社が国立がんセンター中央病院にて進めているHSV-TK遺伝子治療(開発コード:TBI-0301)の治験(第I 相臨床試験)において、1日に第1例目の被験者への遺伝子導入細胞の投与が行われたと発表した。体外遺伝子治療の治験において遺伝子導入細胞の投与が行われるのは国内で初めてだという。同治験は、非盲検試験で行い、被験者数は9例を予定している。

血圧上昇は予防可能な若年死の主要リスク因子、中国の場合

中国の一般人口においては、血圧の上昇が、予防可能な若年死の主要リスク因子であることが、アメリカTulane大学保健医療・熱帯医学科のJiang He氏らが実施したコホート研究で明らかとなった。2000年の調査では世界の高血圧罹患者数は9億7,200万人(世界人口の26.4%)で、2025年にはこれが60%増加して15億6,000万人に達すると予測される。しかも、この数値には心血管疾患リスクを増大させることがわかっている高血圧前症は含まれず、いくつかの国の調査では成人の30%以上が高血圧前症とされる。中国では、高血圧に起因する死亡の実態はよくわかっていないという。Lancet誌2009年11月21日号(オンライン版2009年10月6日号)掲載の報告。

成人喘息、遺伝子型の違いでLABA+ICSの効果に差はない:LARGE試験

成人の中等度喘息の治療では、β2アドレナリン受容体遺伝子型の違いによって長時間作用型β2刺激薬(LABA)と吸入コルチコステロイド(ICS)の併用療法の効果に差はないことが、Harvard大学医学部Brigham and Women’s病院のMichael E Wechsler氏ら国立心肺血液研究所(NHLBI)喘息臨床研究ネットワークの検討で明らかとなった。β2アドレナリン受容体の16番目のアミノ酸の遺伝子型がアルギニンのホモ接合体(B16 Arg/Arg)の喘息患者は、グリシンのホモ接合体(B16 Gly/Gly)の患者に比べLABA+ICS併用療法の効果が劣ることが報告されていた。Lancet誌2009年11月21日号掲載の報告。

花粉症情報webサイト『花粉症*ナビ』リニューアルオープン

協和発酵キリン株式会社は1日、自社webサイト内にある花粉症情報サイト『花粉症*ナビ』(http://www.kyowa-kirin.co.jp/kahun/)をリニューアルオープンした。今回のリニューアルでは、2010年春の日本全国スギ・ヒノキ花粉飛散予測の情報を公開したほか、メインコンテンツである「花粉症の基礎知識」の情報構成を整理し、「最近のスギ花粉の飛散量」や「症状とQOL(生活の質)の関係」についての情報を追加。またセルフチェックページ「どんなタイプの花粉症?」をよりわかりやすく刷新した。

「健康管理支援サービス」の実証実験を開始

株式会社野村総合研究所(NRI)は1日、民間企業6社からなる「家庭内情報プラットフォーム検討会(以下、検討会)」に参加し、総務省「ユビキタス特区」事業におけるインターネット上の個人向け健康管理支援サービス「健康絵日記へるぼ(http://www.health-log.jp/)」 の実証実験を同日より開始したと発表した。NRIは、検討会の代表機関として、同サービスの事業計画、サービス内容の検討、実証実験の運営管理等を担当している。

新型インフルに6割が「不安」、妊婦では9割近くも ワクチンの負担額は8割が「高い」と感じている

インターワイヤード株式会社は1日、同社が運営するネットリサーチサービス「ディムスドライブ」で、『新型インフルエンザに関するアンケート』を行い、新型インフルエンザの予防や不安度、ワクチン接種等についてまとめ、結果を発表した。

少ないX線量でも高画質を実現 富士フイルムから「CALNEO MT」発売

富士フイルム株式会社は26日、X線照射面側から光信号を読み取る、同社独自の間接変換方式FPD(フラットパネルディテクタ)を搭載したデジタルX線画像診断装置「CALNEO」シリーズの新ラインアップとして、臥位撮影台に組み合わせ可能な「FUJIFILM DR CALNEO MT」を開発したと発表した。「CALNEO MT」と専用の昇降型フローディング撮影台「SUD-F」は、富士フイルムメディカル株式会社から12月1日より販売開始している。

がんなどの病変の有無を検査する、スクリーニングに適した経口内視鏡を発売

オリンパスメディカルシステムズ株式会社は1日、胃や食道など上部消化管の検診などに使用されるスクリーニングに適した経口内視鏡の新製品として「EVIS LUCERA上部消化管汎用ビデオスコープOLYMPUS GIF TYPE PQ260」(以下、「GIF-PQ260」)を、12月17日から国内で販売開始すると発表した。海外地域(イギリス、中国、韓国、台湾、シンガポール等)は各国の法規制に対応でき次第、順次販売を予定している。

「包括的眼科検診」のすすめ 受けたことがない人は70%以上

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニーは27日、眼科検診に対する考えや受診率、視力に対する意識の調査を目的に、グローバル規模で実施した「日本を含む世界13カ国における眼科検診の実態調査-2008 Global Eye Exam Study」の中から、日本における眼科検診の実態について発表した。

食人習慣で蔓延したクールー病、生き残った患者で獲得されていたプリオン病耐性因子

 南太平洋の島国パプアニューギニアの高地の、極めて限定された地域で見られる致死的流行性のプリオン病としてクールー病(現地語で「震える」の意味)がある。いわゆる狂牛病と同じく病因は伝染性タンパク質で、石器時代から続く同部族内の死者の脳を食べる風習が感染ルートであることが解明されている。事実、クールー病の出現率は食人習慣の中断以来、着実に低下した。なお、食人習慣は儀礼的な意味があり女性と子どもにのみ課せられてきたもので、疾病発症もほとんどが成人女性と男女の子どもで見られていた。本論は、英国ロンドン大学校のSimon Mead氏らの研究グループによる、過去の食人葬参加者を含む3,000例以上を対象とした、プリオン遺伝子および臨床評価と系統学的評価の報告。NEJM誌2009年11月19日号より。

2型糖尿病・CKD患者への貧血治療薬darbepoetin alfa投与はリスクが上回る

貧血症が、2型糖尿病と慢性腎臓病(CKD)患者の心血管および腎臓イベントの、リスク増加と関連することは知られているが、貧血治療薬darbepoetin alfaの、これら患者の臨床転帰に対する効果は十分検討されていない。米国ブリガム&ウィメンズ病院循環器部門のMarc A. Pfeffer氏らは、被験者約4,000名を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照試験「TREAT」にて、その効果について検討した。NEJM誌2009年11月19日号(オンライン版2009年10月30日号)より。

乳幼児のロタウイルス胃腸炎予防ワクチンを国内で承認申請

グラクソ・スミスクライン株式会社は30日、11月27日付で、ロタウイルス胃腸炎予防ワクチン(海外での製品名:Rotarix)の承認申請を行ったと発表した。申請したワクチンは、乳幼児のロタウイルス胃腸炎の早期予防を目的として使用される2回接種の経口ワクチンで、ロタウイルスに対するワクチンの承認申請は国内初となる。また、同社にとってこのワクチンは10月に承認になった子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス」、10月16日に申請した新型A(H1N1)インフルエンザワクチンに続くワクチンとなる。

新規経口抗血小板PAR-1阻害剤SCH 530348の第III相試験TRA-2゜P-TIMI 50への被験者登録完了

2009年11月13日(米国東部時間)、Merck & Co,Inc, Whitehouse Station, N.J, U.S.Aは、検討が進められている抗血小板プロテアーゼ活性化受容体1(PAR-1)阻害剤SCH 530348の第III相無作為化二重盲検プラセボ対照国際試験であるTRA-2゜P-TIMI 50試験への被験者登録が完了したことを発表した。この試験は、Thrombolysis in Myocardial Infarction(TIMI)研究グループにより実施されていて、目標症例数である26,000名以上に達したとのこと。27日、統合会社のシェリング・プラウ株式会社が報告した。