日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1062

葉酸、ビタミンB12の摂取はがん・総死亡率などを増加:ノルウェー虚血性心疾患患者調査

 ノルウェーの虚血性心疾患患者を対象に行った調査で、葉酸とビタミンB12の摂取ががんの発症率・死亡率と、総死亡率の増加につながることが報告された。これまでの研究で、葉酸摂取と大腸がんリスク増加との関連は示されていたが、他のがんとの関連は明らかにされていない。報告はノルウェーHaukeland大学病院心臓病部門のMarta Ebbing氏らの調べによるもので、JAMA誌2009年11月18日号で発表された。なおノルウェーでは、葉酸を強化した食品は販売されていないという。

米国成人のLDL-C高値有病率は減少傾向、2005~2006年は21%

20歳以上の米国成人で、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)高値の人の割合は、1999~2006年の間減少傾向にあり、2005~2006年の割合は21.2%であることが報告された。米国疾病対策センター(CDC)のElena V. Kuklina氏らの研究で明らかになったもので、冠動脈性心疾患の発症リスクにかかわらず同有病率を調べた研究結果は珍しいという。JAMA誌2009年11月18日号で発表されている。

病院のスタッフ証や研修の修了証として、オリジナルピンバッジはいかが?

株式会社デザインアンドデベロップメントのブランドで、オーダーメイド専門のピンズ(ピンバッジ)メーカー「PINS FACTORY(ピンズファクトリー)」では、個人医院から大学病院まで、スタッフ間あるいは患者とのコミュニケーションツールとして、業務中に身に付けられるピンズを製作する機会が増えているという。

タケプロン カプセル15/OD錠15、NSAIDs投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の発症抑制の効能追加申請

武田薬品工業株式会社は25日、消化性潰瘍治療剤「タケプロンカプセル15」「タケプロンOD錠15」(一般名:ランソプラゾール)について、厚生労働省に「非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の発症抑制」の効能追加申請を行ったと発表した。

「ABILIFY」小児の自閉性障害による易刺激性の治療の効能をFDAより追加承認取得

大塚製薬株式会社は19日(米国東部時間)、「ABILIFY」(一般名:アリピプラゾール、aripiprazole)の「小児(6~17歳)の自閉性障害による易刺激性(攻撃性、自傷行為、かんしゃく、気分の易変性を含む)の治療」の追加適応に対する承認をFDAから取得したと、25日に報告した。

イギリスで2000年に実行された救命救急医療改革の成果は?

2000年、イギリス保健省は救命救急医療改革の提唱を支持し、ベッド数を35%増やすための資金を投入した。その結果、治療プロセスや患者転帰(死亡リスク)が大幅に改善したといわれている。ロンドン大学公衆衛生・熱帯医学校のAndrew Hutchings氏らの研究グループは、2000年後半にイギリス全土を対象に始まった救命救急医療改革を評価するため、時系列で費用対効果の分析を行った。BMJ誌2009年11月14日号(オンライン版2009年11月11日号)より。

貧困とアテローム硬化症増加の関係

虚血性心疾患は社会経済的に恵まれた地域よりも貧困な地域に多い。この健康格差は、現に認知されている心血管の「古典的」リスクファクターでは十分に説明できず、「新興」リスクファクターが同定されつつある。英国・グラスゴー王立病院血管生化学部のKevin A Deans氏らは、貧困と頸動脈エコーによるアテローム硬化症指標(内膜中膜厚とプラークスコア)との関連、そして健康格差が古典的な心血管リスクファクターで説明できるのか、あるいは新興リスクファクターで説明されるのか、住民ベースの横断調査を行った。BMJ誌2009年11月14日号(オンライン版2009年10月27日号)より。

ICU収容の人工呼吸器装着患者、毎日の胸部X線検査は本当に必要か?

集中治療室(ICU)に収容され人工呼吸器を装着されている患者に対する胸部X線検査は、病態により必要に応じて施行しても治療の質や安全性を損なうことはないため、従来のように毎日ルーチンに行う必要はないことが、フランス国立保健医学研究所(INSERM)のGilles Hejblum氏らが実施したクラスター無作為化試験で判明した。米国放射線医学会(ACR)は、人工呼吸器装着患者には毎日のルーチン検査として胸部X線を施行し、必要に応じてさらなる検査を行うよう勧告しているが、患者の病態に応じて施行すれば十分との意見もあるという。ルーチン検査には、危機的病態における誤診を発見して対処できる、検査の可否を判断する必要がないという利点があるが、不要な放射線被曝やコストの面では必要に応じた検査のほうが有利と言える。Lancet誌2009年11月14日号(オンライン版2009年11月5日号)掲載の報告。

糖尿病は、食事/運動療法により長期にわたり予防しうる:DPPアウトカム試験

食事/運動療法による生活習慣の改善やメトホルミン(商品名:メルビン、グリコランなど)投与による糖尿病の予防効果は、10年が経過しても維持されることが、「糖尿病予防プログラム(DPP)(http://www.bsc.gwu.edu/dpp/index.htmlvdoc)」の長期フォローアップ(DPPアウトカム試験;DPPOS)の結果から明らかとなった。DPP無作為化試験の2.8年のデータでは、糖尿病発症リスクの高い成人において、強化ライフスタイル介入(7%の減量と週150分以上の中等度~高度の身体活動の達成とその維持)により糖尿病発症リスクがプラセボに比べ58%低下し、メトホルミンの投与では31%低下することが報告されている。Lancet誌2009年11月14日号(オンライン版2009年10月29日号)掲載の報告。

認識されずに治療されなかった疾患 ~社交不安障害の新たな治療選択肢~

11月18日、丸ビルコンファレンススクエア(東京都千代田区)において「社交不安障害※(Social Anxiety Disorder:SAD)」についてのメディアセミナー(グラクソ・スミスクライン株式会社主催)(演者:山田和夫医師 東洋英和女学院大学 人間科学部 教授/和楽会横浜クリニック院長)が開催された。その内容をレポートする。

職場での不快な咳、8割以上が“早く病院に行って治療して欲しい”と思っている

 ファイザー株式会社が19日に発表した調査結果によると、職場での不快な咳、8割以上が“早く病院に行って治療して欲しい”と思っており、44.5%が3日以内に受診、一方で4人に1人は1週間以上様子見している実態が明らかになったという。この調査は、同社が2009年10月10日に、15歳以下の子供を持つ20代~40代の会社員男女600人(男女 20代、30代、40代/各100人)を対象に、職場での咳への意識と感染対策の状況に関するインターネット調査を実施したもの。  今回の職場での咳への意識に関する調査によって、主に次のことが明らかになったという。

中高年の口臭に特有な成分とは?

 ライオン株式会社は、東京医科歯科大学大学院健康推進歯学分野 川口陽子教授と共同で、口臭成分と口腔内状況との関連について研究を行っている。20日、中高年の口臭を調べた結果、特徴的で不快なニオイの原因は、“足の不快なニオイ”で知られている「イソ吉草酸」などの揮発性低級脂肪酸であることを明らかにしたと発表した。さらに、「イソ吉草酸」の量は加齢により増加し、口臭の官能評価値とも有意に関連性があることを臨床試験において確認したと報告した。