日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1139

ユリーフ 米国での承認取得

キッセイ薬品工業株式会社(代表取締役社長 神澤陸雄)は10月9日、同社が創製し、米国ワトソン社(Watson Pharmaceuticals, Inc.)に技術導出した前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬シロドシン(日本製品名:ユリーフ、米国予定製品名:RAPAFLOTM〔ラパフロ〕)について、ワトソン社が米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得したと発表した。

テルミサルタン、有意な予後改善効果はない:TRANSCEND試験

アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)テルミサルタンは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬に不耐用な心血管疾患患者で良好な耐用性を示すものの有意な予後改善効果はないことが、カナダMcMaster大学のSalim Yusuf氏らTRANSCEND試験の研究グループによって報告された。ACE阻害薬は主要な心血管イベントを抑制するが患者の約20%は耐用性がない。不耐用のおもな原因は咳嗽で、特に女性やアジア人に不耐用例が多いという。Lancet誌2008年9月27日号(オンライン版2008年8月31日号)掲載の報告。

新開発のbiolimus溶出ステント、従来ステントと同等の有用性示す

冠動脈ステント留置術が適用とされる慢性安定性冠動脈疾患や急性冠症候群では、新たに開発された生体分解性ポリマー製のbiolimus(高脂溶性の半合成シロリムス・アナログ)溶出ステントが、従来の耐久性ポリマー製のシロリムス溶出ステントと同等の安全性および有効性を示すことが、ヨーロッパで実施された無作為化試験で明らかとなった。生体分解性ポリマー製biolimus溶出ステントは初期研究で有望な結果が報告されていた。スイスBern大学病院循環器科のStephan Windecker氏が、Lancet誌2008年9月27日号(オンライン版2008年9月1日号)で報告した。

経皮的冠動脈インターベンション施術は薬剤溶出性ステントに軍配:大規模長期試験結果

 急性心筋梗塞への経皮的冠動脈インターベンション(PCI)における、薬剤溶出性ステント(DES)とベアメタルステント(BMS)の使用に関する大規模長期比較研究の報告。ハーバード大学付属ブリガム&ウィメンズ病院(米国)のLaura Mauri氏らによるもので、「DESはBMSより2年死亡率、血行再建術再施行率ともに低かった」と報告している。NEJM誌2008年9月25日号にて掲載。

脳梗塞発症3~4.5時間後のrt-PA静注療法は有効だが……

急性期脳梗塞に対し唯一承認された治療法は、rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法だが、発症から3時間以上経過した後の投与については、有効性と安全性が確立されていなかった。ドイツ・ハイデルベルク大学のWerner Hacke氏らECASS(European Cooperative Acute Stroke Study)研究グループは、発症後3~4.5時間に投与されたrt-PAの有効性と安全性を検証した結果、「臨床転帰は改善するが、症候性頭蓋内出血を伴う所見が高頻度にみられる」と報告した。NEJM誌2008年9月25日号より。

薬物治療開始血圧値、降圧目標値ともに年々低下傾向 -「ケアネット 高血圧白書2004-2008」より-

ケアネットが提供するサービスに利用登録している医師(ケアネット会員医師)に対する「高血圧症に関する医師の治療意識」に関する5年間におよぶ調査結果より、薬物治療開始血圧値、降圧目標値ともに年々低下傾向にあることが明らかになった。

UPLIFT発表!チオトロピウムは心血管疾患のリスクを増大させない

10月5日、欧州呼吸器学会議(ERS2008)において、COPDのファーストライン治療として用いられる長時間作用型抗コリン薬の大規模試験UPLIFT(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)の結果が発表された。その中で、呼吸機能を4年間継続して有意に改善するとともに、有意な死亡率の低下が初めて認められたと報告された。