日本語でわかる最新の海外医学論文|page:365

オミクロン株亜種BA.2、短期間で再感染の可能性/デンマーク国立血清研究所

 現在、世界で最も優勢になっている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株は、変異の違いにより、いくつかの亜種に分類されている。日本ではBA.1と呼ばれる亜種が主流だが、BA.1より感染力が高いBA.2は「ステルスオミクロン」とも呼ばれ、英国や南アフリカ、ノルウェーなどで増加しており、日本国内でも感染が確認されている。デンマーク国立血清研究所は2月22日付のリリースで、BA.2の再感染に関する研究結果を発表した。同研究所が実施した全ゲノム解析の調査によると、まれではあるものの、オミクロン株のBA.1既感染者がBA.2に比較的短期間のうちに再感染し、とくにワクチン未接種の若年者に多く見られるという。

ダロルタミド、転移前立腺がんのOS延長/NEJM

 転移を有するホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)の治療において、標準治療であるアンドロゲン除去療法(ADT)+ドセタキセルに、経口アンドロゲン受容体阻害薬であるダロルタミドを併用すると、プラセボの併用と比較して、全生存期間が有意に延長し、有害事象の発現は増加しないことが、米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのMatthew R. Smith氏らが実施した「ARASENS試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2022年2月17日号で報告された。

低リスク者を48時間以内に同定、新型コロナ予後予測モデル/BMJ

 単一施設のデータに基づいて構築された予測モデルを用いて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者のうち低リスク例を48時間以内に同定して早期退院を促すことで、データの共有なしに他施設でも良好な病床日数の削減効果が得られる可能性があることが、米国・ミシガン大学のFahad Kamran氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年2月17日号で報告された。  研究グループは、電子健康記録データを用いて、医療施設間で共有できるCOVID-19患者の臨床的な悪化を正確に予測する簡便で移転可能な機械学習モデルを開発し、その妥当性を検証する目的で後ろ向きコホート研究を実施した(米国国立科学財団[NSF]などの助成を受けた)。

南アフリカ、オミクロン株流行前にIgG抗体陽性者が7割以上/NEJM

 南アフリカ共和国ハウテン州では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)B.1.1.529(オミクロン株)が優勢の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大前に、潜在的なSARS-CoV-2血清陽性が州全体に広がっていたことが確認され、オミクロン株感染増加とCOVID-19による入院や死亡は関連していないことが示されたという。南アフリカ共和国・ウィットウォーターズランド大学のShabir A. Madhi氏らが、ハウテン州で実施した血清疫学調査の結果を報告した。オミクロン株は、2021年11月25日に世界で初めてハウテン州で確認され、オミクロン株が優勢となったCOVID-19第4波以前のハウテン州におけるSARS-CoV-2 IgGの血清陽性率に関するデータが必要とされていた。NEJM誌オンライン版2022年2月23日号掲載の報告。

「医学系研究をわかりやすく伝えるための手引き」成果発表シンポジウム開催【ご案内】

 2022年3月24日、日本医療研究開発機構の研究開発推進ネットワーク事業が作成している「医学系研究をわかりやすく伝えるための手引き」について、成果発表を行うためのシンポジウムが開催される。  国民が健康な生活を送り、医学系研究を促進するためには、研究者と一般市民の間にある研究に関する理解のギャップを減らすことが重要だ。しかし、医学系研究の理解には業界特有の用語の難解さや、研究に関する知識が一般的でないことを認識しておかなければ、研究者と情報の受け手側との間にコミュニケーションギャップが生じてしまう。

複雑性PTSD診断におけるICD-11導入後の期待

 複雑性PTSDはICD-11で初めて定義された疾患であり、PTSD診断の特徴であるトラウマ的症状に加え、自己組織化の障害(感情調節障害など)が認められる疾患である。デンマーク・オールボー大学のAshild Nestgaard Rod氏らは、複雑性PTSDの診断に対するICD-11の臨床的有用性について、調査を行った。European Journal of Psychotraumatology誌2021年12月9日号の報告。  ICD-11に含まれる国際的なフィールド調査、構成および妥当性の分析をレビューし、診断方法、国際トラウマアンケート(ITQ)、国際トラウマインタビュー(ITI)を調査した。複雑性PTSDと境界性パーソナリティ障害(BPD)の治療、臨床的関連性の違いを明らかにするため、独立した分析を実施した。複雑性PTSD治療への影響は、既存のガイドラインと臨床ニーズを参照し、検討した。

ニボルマブ+イピリムマブの食道扁平上皮がん1次治療、CHMPで推奨/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年2月25日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、PD-L1発現1%以上の切除不能な進行・再発または転移のある食道扁平上皮がん(ESCC)の成人患者の1次治療薬として、ニボルマブとイピリムマブの併用療法の承認を推奨したことを発表した。

コロナ禍の生活変化の第1位は「毎日のストレス」/アイスタット

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染増加により、約3年にわたり私たちの生活には、さまざまな制約が発生した。これにより、私たちの日常生活に大きな変化は起こったのであろうか。  株式会社アイスタットは2月18日に全国アンケートを行った。アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員30~69歳の300人が対象。 調査概要 形式:WEBアンケート方式 期日:2022年2月18日 対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(30~69歳/全国)を対象

難治性院外心停止、体外心肺蘇生法vs.標準的蘇生法/JAMA

 難治性院外心停止(OHCA)患者において、心停止状態での早期搬送/体外循環式心肺蘇生法(ECPR)/侵襲的診断と治療から成るケアバンドルは、標準的な蘇生法と比較して、180日後の神経学的アウトカム良好での生存率を改善しないことが、チェコ・カレル大学のJan Belohlavek氏らが実施した単施設無作為化臨床試験「Prague OHCA試験」の結果、示された。OHCAはアウトカムが不良であり、心停止状態での搬送/ECPR/即時侵襲的戦略の有益性については不明であった。JAMA誌2022年2月22日号掲載の報告。

新型コロナ既感染者、ワクチン接種1回で再感染を予防/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した患者は、BNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)を少なくとも1回接種することにより再感染のリスクが有意に低下することを、イスラエル・Clalit Health ServicesのAriel Hammerman氏らが、同国半数超の国民が加入する健康保険データを基に解析し、報告した。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染リスクは、COVID-19から回復した患者では著明に減少するが、獲得免疫の持続期間は不明である。現在のガイドラインでは回復した患者へのワクチン接種が推奨されているが、このようなケースでのワクチンの有効性に関するデータは限られていた。NEJM誌オンライン版2022年2月16日号掲載の報告。

抗凝固薬の使用は十分に慎重に!(解説:後藤信哉氏)

DOACは出血合併症が少ないと喧伝される。しかし、心房細動の脳卒中予防をワルファリンと比較した4つのDOAC開発試験では、いずれも年間2~3%に重篤な出血合併症を惹起している。対照群がPT-INR 2-3を標的としたワルファリン療法であったこと、PT-INRの計測が精度の低いPOC deviceであったこと、実臨床で多用される0.5mgの錠剤が必ずしも供与されなかったこと、などの各種条件の結果、DOAC群の出血合併症リスクはワルファリン群よりも低かった。しかし、DOACは決して出血合併症の少ない薬剤ではない。年率2~3%の重篤な出血イベントはむしろ副作用の多い薬剤ともいえる。

がん治療中の薬剤性間質性肺疾患、診断・治療における専門家の推奨/JCO

 抗がん剤は薬剤性間質性肺疾患の主な原因であり、原因薬剤としてブレオマイシン、エベロリムス、エルロチニブ、トラスツズマブ デルクステカン、免疫チェックポイント阻害薬などが挙げられる。薬剤性間質性肺疾患の特定と管理は難しく、抗がん剤によって引き起こされる間質性肺疾患の診断と治療に関する具体的なガイドラインは現在存在しない。今回、イタリア・IOV-Istituto Oncologico Veneto IRCCSのPierfranco Conte氏らの学際的グループが、公表文献と臨床専門知識に基づいて、がん患者の薬剤性間質性肺疾患の診断と治療における推奨事項を作成した。ESMO Open誌2022年2月23日号に掲載。

胆道がんの術後補助化学療法にS-1が有用(JCOG1202)/日本臨床腫瘍学会

 S-1による術後補助化学療法は胃がん、膵がんにおいて有用性が示され、日本における標準療法となっている。このS-1術後補助化学療法が胆道がんにおいても有用であるかを見たJCOG1202試験の結果を、第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)で戸高 明子氏(静岡県立静岡がんセンター 消化器内科)が発表した。 胆道がんに対してS-1術後補助化学療法が標準治療になる[JCOG1202:ASCOT試験] ・対象:根治切除術が行われた胆道がん患者(PS0~1) ・試験群:手術単独群と術後補助化学療法群(S-1を40mg/m2、1日2回、4週内服し2週休薬を1コースとして計4コース)に1対1で無作為に割り付け ・評価項目: [主要評価項目]全生存期間(OS) [副次評価項目]無再発生存期間(RFS)、完了率、安全性  S-1術後補助化学療法が胆道がんにおいても有用であるかを見たJCOG1202試験の主な結果は以下のとおり。 ・2013年9月~2018年6月に国内38施設から440例が登録され、手術単独群に222例、術後補助化学療法群に218例が組み入れられた。 ・主要評価項目の3年生存割合は、手術単独群67.6(61.0~73.3)%に対し、術後補助化学療法群は77.1(70.9~82.1)%、ハザード比 0.694(95%信頼区間:0.514~0.935、p=0.008)であり、術後補助化学療法群の優位性が示された。全サブグループで同様の結果となった。 ・副次評価項目のRFSは、手術単独群50.9(44.1~57.2)%に対し、術後補助化学療法群は62.4(55.6~68.4)%、ハザード比 0.797(0.613~1.035)であり、術後補助化学療法群の優位性は示されなかった。 ・術後補助化学療法群の完了率は72.5%、有害事象としては軽度の骨髄抑制、下痢、疲労、食欲不振、皮疹などが多く認められたが、Grade3以上は1~3%程度であり、認容性は良好であった。  戸高氏は「本結果によって、根治切除術を受けた胆道がんに対し、S-1による術後補助化学療法が標準治療になると考えられる。有効性が示されなかったRFSにおいても生存曲線の差異は認められ、長期追跡が必要だ。根治切除後も再発リスクが高い胆道がんにおいて、術後補助化学療法の有用性が立証されたのは大きな一歩であり、S-1は日本で既に多くのがん種に広く用いられており、提供体制もスムーズだろう」とした。

NAFLDを併存する糖尿病患者の重症低血糖リスクは?

 2型糖尿病と併存する肝硬変では低血糖が起こりやすいことが知られているが、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)ではどうなのだろうか。今回、韓国・延世大学校医療院のJi-Yeon Lee氏らの研究によって、2型糖尿病患者におけるNAFLDと重症低血糖との関連が調査された。その結果、2型糖尿病を有するNAFLD患者は、肥満かどうかにかかわらず、救急搬送または入院を必要とする重症低血糖のリスクが26%増加することが報告された。2月23日、JAMA Network Openに掲載。

ニボルマブ+化学療法による非小細胞肺がん術前補助療法がFDA優先審査対象に/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年2月28日、米国食品医薬品局(FDA)が、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者の術前補助療法として、化学療法との併用療法によるニボルマブの生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理し、優先審査対象に指定したことを発表した。  今回の申請は、第III相試験であるCheckMate -816試験の結果に基づいたもの。

精神科入院患者へのベンゾジアゼピン使用に対するCOVID-19の影響

 オーストラリア・Cumberland HospitalのNancy Zaki氏らは、COVID-19が急性期精神医学においてベンゾジアゼピンの使用増加に影響を及ぼすかについて、検討を行った。Australasian Psychiatry誌オンライン版2022年2月10日号の報告。  2019~20年の2年間にわたり、2つの急性期精神科入院患者ユニットにおけるベンゾジアゼピン使用率を評価した。同時期における経口アトルバスタチン使用率を比較対象として使用した。  主な結果は以下のとおり。 ・2020年の総入院患者数は減少したものの、2020年4月~12月のベンゾジアゼピン使用量は、2019年の同時期と比較し、有意な増加が認められた。 ・パンデミックの制限が緩和された後、使用量はさらにピークを迎えていた。これは、救急でのメンタルヘルス症状および急性期精神科入院の割合の高さによるものであると考えられる。 ・COVID-19による退院制限も、喫煙のさらなる制限につながっていた。  著者らは「COVID-19パンデミックにより、ベンゾジアゼピン使用は増加した。パンデミックが急性の精神医学的症状に及ぼす影響を理解するためには、より多くの研究が求められる」としている。

心停止後昏睡、抗けいれん治療併用で転帰改善は?/NEJM

 心停止後昏睡患者において、律動的および周期的な脳波活動を48時間以上抑制する抗けいれん治療を標準治療に併用しても、標準治療のみと比較して3ヵ月後の神経学的アウトカム不良の割合に有意差は認められないことが、オランダ・トゥウェンテ大学のBarry J. Ruijter氏らが実施した医師主導型無作為化非盲検(評価者盲検)臨床試験「TELSTAR試験」の結果、示された。心停止後昏睡患者において、律動的および周期性の脳波パターンを治療することにより転帰が改善するかどうかは明らかになっていなかった。NEJM誌2022年2月24日号掲載の報告。

KRAS G12C変異陽性肺がんの新しい治療選択肢、ソトラシブ/日本臨床腫瘍学会

 2022年、KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対する2次治療の新たな選択肢として承認されたソトラシブについて、日本臨床腫瘍学会メディカルセミナーにて、愛知県がんセンターの藤原 豊氏が解説した。  肺がん、とくに肺腺がんには多くの遺伝子変異がある。今回ソトラシブが適応となるKRAS G12C変異は日本における扁平上皮非小細胞肺がんの4.1%程度であり、男性、喫煙者に多いことがわかっている。  KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対する従来の初回標準治療は、免疫チェックポイント阻害薬と細胞障害性抗がん剤の併用である。しかし、KRAS変異陽性の場合、陰性に比べて細胞障害性抗がん剤の効果が乏しく、とくに2次治療での効果は限定的であり、新しい治療選択肢が望まれていた。

オミクロン株臨床像の更新ほか、診療の手引き7.0版/厚労省

 2月28日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第7.0版」を公開し、全国の自治体に通知を行った。  今版の主な改訂点は以下の通り。 ■診療の手引き7.0版の主な改訂点 【1 病原体・疫学】 ・変異株について更新 ・国内と海外の発生状況を更新 【2 臨床像】 ・(特にオミクロン株の知見に関して)臨床像を更新 ・重症化リスク因子を更新 ・ワクチンによる重症化予防効果を追加 ・国内小児例の臨床的特徴・重症度、小児における家庭内感染率を更新 ・小児多系統炎症性症候群(MISC)について更新  経過、小児重症COVID19 registryの報告を追加・更新 ・妊婦例の特徴について更新  日本産婦人科学会の調査を更新、新たな知見およびCOVIREGI JPの結果を追加

5~11歳の新型コロナ重症度、インフルやRSウイルスと比較すると?

 新型コロナワクチン接種の対象が5~11歳に拡大されたが、この年代の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症度は、同年代のインフルエンザやRSウイルス感染症と比較すると高いのか、低いのか。米国医療研究品質局(AHRQ)のWilliam Encinosa氏らは、米国の11州での入院患者データを用いて分析した横断研究の結果を、JAMA Pediatrics誌オンライン版2022年2月21日号リサーチレターに報告した。  米国で5~11歳に対するファイザー社の新型コロナワクチンの緊急使用許可が出された2021年10月までに、この年齢層の小児でSARS-CoV-2感染と診断されたのは180万人、死亡者は143人で、入院は8,000人以上だった。本研究では米国内の11州1,333病院における、2021年第1四半期(1~3月)のCOVID-19、COVID-19による小児多系統炎症性症候群(MIS-C)、インフルエンザ、RSウイルス感染症による入院患者データを調査。COVID-19流行期には感染者が少なかったため、インフルエンザとRSウイルスについては10年間の平均的な感染者数であった2017年第1四半期のデータも用いられた。