神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

アメフト選手は死亡時のCTE有病率が高い/BMJ

 慢性外傷性脳症(CTE)は、反復的な頭部への衝撃を高頻度に受けたコホートにみられる神経変性疾患であり、CTEは死後の神経病理学的評価に基づいてのみ確定診断が可能とされる。米国・ハーバード大学のDaniel H. Daneshvar氏らは、2016~21年に死亡した同国のナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の元選手の少なくともほぼ4分の1が、死亡時にCTEに罹患しており、脳提供者では生前の記録に基づく認知症の頻度が高く、認知症はステージIVのCTEと関連することを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年8月25日号で報告された。

「軽度な幻覚」はDLBとADの早期鑑別のバイオマーカーとなりうるか

 アルツハイマー型認知症(AD)とレビー小体型認知症(DLB)の早期鑑別は、とくに認知機能プロファイルの重複が大きい初期段階において、依然として課題となっている。疾患ごとに治療方針が異なるため、ADとDLBの正確な診断の重要性はますます高まっている。スペイン・Hospital San Vicente del RaspeigのMarina Ruiz Pinero氏らは、初期のADとDLBの臨床的、神経心理学的、知覚的特徴を比較し、とくに「軽度な幻覚」に焦点を当てて、両疾患の鑑別における診断的有用性を評価した。Journal of Alzheimer's Disease誌2026年9月号の報告。

降圧薬による認知症リスクの低下、ARB vs.Ca拮抗薬~日本人大規模データ

 降圧薬の「種類」の違いが、血圧低下とは独立して認知症リスクに影響するかについては、十分に明らかになっていなかった。今回、統計数理研究所/総合研究大学院大学の野間 久史氏らが実施した65歳以上を対象とした標的試験エミュレーションの結果、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の新規開始はカルシウム拮抗薬(CCB)の新規開始に比べて、認知症、とくに血管性認知症のリスクが低いことが示された。Alzheimer’s & Dementia誌2026年8月号に掲載。  本研究では、19自治体の医療・健診情報を統合した約505万人の大規模医療データベースであるLIFE Studyの2014年4月~2024年9月のデータから、新規にARBまたはCCBによる高血圧治療を開始した65歳以上の認知症ではない成人を対象に、標的試験エミュレーションによりARB開始群とCCB開始群の認知症リスクを比較した。

食事のタイミングと日本人の認知症リスクとの関係~LIFE研究

 食事のタイミングと認知症についてのエビデンスは限られている。九州大学の川口 健悟氏らは、深夜の夕食および朝食抜きと、認知症の発症との関連を検討した。GeroScience誌オンライン版2026年7月28日号の報告。  本研究には、2016年4月~2021年3月の19自治体におけるレセプトデータを含むLIFE研究(Longevity Improvement & Fair Evidence Study)のデータが用いられた。深夜の夕食(就寝前2時間以内の夕食を週3回以上)および朝食抜き(週3回以上)については、健康診断時に評価し、「あり」または「なし」として解析した。

レカネマブ、実臨床でも安全性は臨床試験とおおむね一致

 Sally Osmerさんは、最先端のアルツハイマー病治療薬レカネマブ(商品名:レケンビ)による治療を受ける機会があることを知り、迷わず受け入れた。Osmerさんはアルツハイマー病の家族歴があり、74歳のときに早期アルツハイマー病と診断された。診断当初、彼女は特に症状を自覚していなかったが、画像検査と遺伝子検査から診断が確定したという。Osmerさんは、「アルツハイマー病と診断されたときは、とてもショックを受けた。体は健康なのに脳はゆっくりと衰えていくと考えると、とても怖い。ただ、早期に発見できたのは幸運だったし、治療を開始できたことも嬉しく思っている」と話している。

スタチンとARBの併用で認知症リスクは低下するのか

 高血圧と脂質異常症は、認知症の修正可能な危険因子であり、スタチンと降圧薬の併用は保護的な効果をもたらす可能性がある。しかし、特定の薬剤の組み合わせに関するエビデンスは依然として限られている。オーストラリア・タスマニア大学のEyayaw Ashete Belachew氏らは、アンジオテンシンII(Ang-II)産生を増加させる降圧薬(Ang-II産生促進薬)とスタチンの併用と、Ang-II産生を減少させる降圧薬(Ang-II産生抑制薬)とスタチンの併用を、認知症リスクとの関連について比較検討した。International Journal of Geriatric Psychiatry誌2026年8月号の報告。

アルツハイマー病と強く関連したのは、高血圧より低血圧?

 アルツハイマー病(AD)と関連する心血管疾患(CVD)のサブタイプが特定され、最も強く一貫した関連が見られたのは低血圧であったという研究結果が、「Journal of the American Heart Association(JAHA)」6月16日号に掲載された。  米ミシガン工科大学のAili Toyli氏らは、UKバイオバンク(対象者50万2,133人)とAll of Us研究プログラム(対象者28万7,011人)という2つの大規模なバイオバンクにおいて、ADと11種類のCVDサブタイプとの関連を検討した。

日本人片頭痛患者の特徴と治療パターンが判明~OVERCOME研究

 片頭痛が個人の生活に及ぼす負担は、その人の背景と関連している。しかし、日本においては、年齢、性別、就労状況、収入、家族の介護といった要因と患者報告アウトカム(PRO)や片頭痛の治療パターンとの関連に関するエビデンスは限られている。大分・おおば脳神経外科・頭痛クリニックの大場 さとみ氏らは、日本における片頭痛の疫学・治療・ケアに関する観察研究であるOVERCOME(Japan)第2回研究のデータを用い、人口統計学的サブグループごとの片頭痛による負担および治療薬の使用状況について解析を行った。Pain and Therapy誌オンライン版2026年7月14日号の報告。

認知症のない期間、高血圧・糖尿病・喫煙の3因子で13年短縮

 高血圧、糖尿病、喫煙といった血管リスク因子は認知症や早期死亡に関連することが知られているが、これらが重複した際、認知症を発症せずに過ごせる期間(認知症のない生存期間)がどれほど短縮するのかは明らかでなかった。中国・清華大学のJiaqi Hu氏らの研究グループは、米国の大規模な動脈硬化リスクコミュニティ研究の解析から、中年期における血管リスク因子の蓄積が認知症のない生存期間を最大12.6年短縮させることを明らかにした。Neurology Open Access誌2026年9月号に掲載。  本研究では、米国4地域で実施された「Atherosclerosis Risk in Communities(ARIC)研究」の参加者のうち、55歳時点で認知症がない1万2,409例(平均年齢56.2歳、女性56.0%)を対象に前向きコホート研究を行った。

閉塞性睡眠時無呼吸、記憶力低下・認知症リスクと関連

 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、本人の記憶機能低下や認知症リスクと関連する可能性が示された。モナシュ大学(オーストラリア)のGabriel Abdelmessih氏らは、2,795人の40~70歳の成人を対象とする研究を行い、OSAと、記憶力低下や認知症リスクとの関連性を調査した。その詳細がアルツハイマー病協会発行の「Alzheimer's & Dementia」に6月29日付で掲載された。  研究の結果、OSAを有する参加者は、OSAがない参加者と比べて記憶機能が低下していた。特に、治療を受けていないOSA患者では記憶成績の低下が認められた一方、治療を受けているOSA患者ではOSAがない人との間に有意な差は認められなかった。