内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:179

モデルナ追加接種用2価ワクチン候補、2倍以上の中和抗体価を確認

 米国・モデルナ社は4月19日付のプレスリリースで、同社初の追加接種用2価ワクチン候補(mRNA-1273.211)が、オミクロン株を含むすべての変異株に対し、同社の承認済みのワクチン(mRNA-1273、商品名:スパイクバックス筋注)と比較して優れた中和抗体価を示したことを発表した。ワクチン効果の優越性は、追加接種の6ヵ月後も維持されたという。なお、mRNA-1273.211の忍容性および安全性は、承認済みのmRNA-1273追加接種(50μg)とほぼ同様であった。本研究は、査読前論文のオンライン・アーカイブである「Research Square」※2022年4月15日号1)にも掲載された。 ※今後、審査によっては論文内容が修正される場合あり

カロリー制限ダイエット、摂食時間制限ありvs.なし/NEJM

 肥満患者において、摂食時間を午前8時~午後4時の8時間に制限する時間制限食をカロリー制限に追加しても、1日の摂取カロリー制限と比較し、1年間の体重、体脂肪および代謝リスク因子の減少に関して効果は認められないことが示された。中国・南方医科大学のDeying Liu氏らが無作為化臨床試験の結果を報告した。これまで、体重減少における時間制限食の長期的な有効性および安全性は明らかにされていなかった。NEJM誌2022年4月21日号掲載の報告。

長生きをしたい人、とりわけ認知症がない状態で長生きをしたい人へ(解説:岡村毅氏)

老若男女が知りたいことにはっきりと答えてくれる優等生的な論文である。遺伝子は変えようがないが生活習慣は変えられる。どう変えると、認知症がない状態で長生きができるかを調べ、驚きの結果を報告している。変えうる生活習慣とは、(1)食べ物、(2)知的活動、(3)身体活動、(4)喫煙、(5)飲酒である。単純化して見てみよう。食べ物は当然マインド食である。MIND(Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay)食とは、この論文のラストオーサーのラッシュ大学の博士らがシカゴで開発した有名な食事法であるからここでも使われている。野菜や果実や豆腐が推奨される。上位40%が○(丸)となる。知的活動は読書、美術館、カードゲーム、ボードゲーム、クロスワード、パズル等のことである。こちらも上位40%が○となる。身体活動はウォーキング、ガーデニング、体操、自転車、水泳である。週150分以上で○となる。1日30分弱でよいのである。喫煙については、今吸っていなければ○だ。飲酒は、1日当たり男性は30g以下、女性は15g以下が○だ。缶ビールなら2本あるいは1本である。

医師が考える適正年収、満足度の目安は2千万円超え?/1,000人アンケート

 ケアネットでは、3月10日(木)に会員医師1,000人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で、自身の業務内容・仕事量に見合うと思う適正年収について尋ねたところ、実際の年収が2,000万円未満の医師(76%)では、適正年収は「現状より高い金額」が妥当だという回答が過半数を占めた。実年収が2,000万円以上の医師(24%)は、「現状と同額」または「現状より低い金額」という回答が6割以上を占めた。全体の35%が、自身の考える適正年収は2000万円以上と回答した。

不眠症治療に対するプライマリケア患者の好み

 睡眠障害は、プライマリケアにおいて一般的に認められる。主な治療オプションには、不眠症に対する薬物療法および認知行動療法が挙げられる。そして、ベストプラクティス・ガイドラインでは、治療に対する協調的意思決定アプローチが推奨されている。米国・バージニア・コモンウェルス大学のElliottnell Perez氏らは、プライマリケア患者の人口統計学的および臨床的特徴に基づいた不眠症治療に対する好みの違いについて、検討を行った。Clinical Therapeutics誌オンライン版2022年3月28日号の報告。

日本からもこういう情報が欲しい!(解説:後藤信哉氏)

新型コロナウイルス感染禍は2年以上持続している。テレビのニュースでは各県の新規感染者数が発表される。日本のような小さな国で、各県、揺らぎの大きい毎日の感染報告者数を発表されても正直何もわからない。科学の世界では数値情報が必須である。世界の誰とも共有できるように、科学的方法に基づいて数値をまとめてほしい。北欧諸国は日本と同様に比較的サイズの小さい国である。社会主義的傾向があるのでNational Databaseが充実している。本研究は新型コロナウイルス発症日を起点として、発症前の時期と静脈血栓症、肺塞栓症、重篤出血イベントの発症リスクを示している。ウイルス感染であるため、感染後ウイルスは増殖するが、免疫により駆逐される。新型コロナウイルスは血管内皮にも感染して血栓リスクを増加させるとされているが、リスクの増加はいつまでも持続するわけではない。血栓イベント予防を目指してヘパリンなどの抗血栓薬を使用するのが一般的なので重篤な出血合併症も増えると想定される。

60歳以上の4回目ファイザー製ワクチン、感染・発症予防効果は/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するBNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の4回目接種は、4ヵ月以上前に受けた3回目接種と比較して、接種後30日までのCOVID-19関連アウトカムの改善に有効であることが示された。イスラエル・Clalit Research InstituteのOri Magen氏らが、同国の半数超の国民が加入する健康保険データを基に解析して報告した。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のB.1.1.529(オミクロン株)による感染が拡大するとともに、COVID-19ワクチンのブースター接種(3回目接種)後の免疫減弱が示されており、いくつかの国では高リスク者への4回目接種が開始されている。NEJM誌オンライン版2022年4月13日号掲載の報告。

健康的な生活習慣で平均余命延長、認知症期間も増えず/BMJ

 健康的な生活習慣は男女とも平均余命の延長と関連しており、65歳以降の人生でアルツハイマー型認知症のない期間の割合が高いことが、米国・ラッシュ大学医療センターのKlodian Dhana氏らによる住民を対象としたコホート研究の結果、示された。健康的な生活習慣がアルツハイマー型認知症のリスク低下ならびに平均余命の延長に関連していることはこれまでも知られていたが、平均余命が延びればそれだけ高齢者が増加し、加齢とともに認知症のリスクは高まるため、むしろ全体の認知症は増加する可能性がある。そのため、生活習慣の改善による平均余命の延長が、アルツハイマー型認知症を有する期間に与える影響について理解する必要があった。著者は、「今回の解析による平均余命の推定は、医療専門家、政策立案者、その他ステークホルダーが将来の医療サービス等を計画するのに役立つだろう」とまとめている。BMJ誌2022年4月13日号掲載の報告。

小児期および青年期におけるオミクロン株に対するファイザー製ワクチン(BNT162b2ワクチン)の予防効果(解説:寺田教彦氏)

本研究は、小児におけるファイザー製ワクチン(BNT162b2ワクチン)のオミクロン株に対する有効性を評価した論文である。まず、本邦と海外での現況を確認する。本邦における5~11歳の新型コロナウイルスワクチン接種は、2022年(令和4年)1月21日より薬事承認されている。これは、オミクロン株が流行する前のデルタ株でのデータで、5~11歳でも、16~25歳と同程度に抗体価が上昇し、有効性が評価できたことを根拠としている。ただし、小児におけるオミクロン株の感染状況が確定的ではなかったことと、オミクロン株の小児における発症予防効果・重症化予防効果に関するエビデンスも十分ではなかったため、小児については努力義務の規定は適用せず、今後の最新の科学的知見を踏まえて引き続き議論することが適当とされていた。また、本コメント執筆時点での海外情勢としては米国やカナダ、フランスでは小児に対して接種を推奨、英国やドイツは重症化リスクが高い小児や重症化リスクのある者と同居や接触がある場合などで接種を推奨している。

片頭痛予防に対する抗CGRP抗体中断3ヵ月後の治療再開効果

 抗CGRP(受容体)モノクローナル抗体(mAb)による片頭痛の予防的治療に成功し治療を中断すると、その後、片頭痛の頻度は増加することが報告されている。ドイツ・シャリテー-ベルリン医科大学のBianca Raffaelli氏らは、片頭痛治療を再開した場合の症状の経過を評価するため、検討を行った。The Journal of Headache and Pain誌2022年3月30日号の報告。  対象は、3ヵ月の休薬期間後に同じ抗CGRP mAbで治療を再開した片頭痛患者。頭痛に関するデータを、以下の4回の受診時に収集した。(1)最初のmAb治療を開始する前の4週間(ベースライン)、(2)最初のmAb治療を中断する前の4週間、(3)休薬期間の13~16週目、(4)治療再開後の9~12週目。アウトカムは、観察期間全体における1ヵ月当たりの片頭痛日数(MMD)、1ヵ月当たりの頭痛日数(MHD)、1ヵ月当たりの急性頭痛薬の使用日数(AMD)、頭痛による日常生活への支障度尺度(HIT-6)スコア、それぞれの変化とした。