内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:178

花粉症患者はコロナによる嗅覚・味覚障害が悪化しやすい

 花粉症患者では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染時の嗅覚・味覚障害のリスクが高く、その回復も遅いことが、中国・西安交通大学のJingguo Chen氏らの調査によって明らかになった。Laryngoscope investigative otolaryngology誌2023年2月号掲載の報告。急な嗅覚障害や味覚障害の発現は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予測因子と考えられている。しかし、慢性副鼻腔炎や喘息、季節性アレルギー、アレルギー性鼻炎などを有する患者では、SARS-CoV-2に感染する前にすでに併存疾患の影響によって嗅覚障害や味覚障害が生じている可能性があり、それらによる評価が効果的ではないことがある。

抗精神病薬とプロラクチンレベル上昇が骨折リスクに及ぼす影響

 抗精神病薬による治療が必要な患者は、骨粗鬆症関連の脆弱性骨折を含む骨折リスクが高いといわれている。これには、人口統計学的、疾患関連、治療関連の因子が関連していると考えられる。インド・National Institute of Mental Health and NeurosciencesのChittaranjan Andrade氏は、抗精神病薬治療と骨折リスクとの関連を調査し、プロラクチンレベルが骨折リスクに及ぼす影響について、検討を行った。The Journal of Clinical Psychiatry誌2023年1月30日号掲載の報告。

今後の医師のマスク着用意向は?/医師1,000人アンケート

 新型コロナウイルス感染症対策として、これまで屋内では原則マスク着用、屋外では原則マスク不要とされてきたが、2023年3月13日よりマスクの着用は個人の判断が基本となった。CareNet.comでは、医師のプライベートにおけるマスク着用意向を探るため、会員医師1,000人を対象に『今後のマスクの着用意向に関するアンケート』を実施した。その結果、大多数の医師がマスクの着用基準が個人判断になることに賛成であり、プライベートでマスクを外したい医師と外したくない医師がほぼ半数であることが明らかとなった(2023年3月2日実施)。

冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン、11年ぶりに改訂/日本循環器学会

 『2023年改訂版 冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン』が第87回日本循環器学会年次集会の開催に合わせ発刊され、委員会セッション(ガイドライン部会)において、藤吉 朗氏(和歌山県立医科大学医学部衛生学講座 教授)が各章の改訂点や課題について発表した。  本ガイドライン(以下、本GL)は日本高血圧学会、日本糖尿病学会、日本動脈硬化学会をはじめとする全11学会の協力のもと、これまでの『虚血性心疾患の一次予防GL(2012年改訂版)』を引き継ぐ形で作成された。

日本人の認知症リスクに対する喫煙、肥満、高血圧、糖尿病の影響

 心血管リスク因子が認知症発症に及ぼす年齢や性別の影響は、十分に評価されていない。大阪大学の田中 麻理氏らは、喫煙、肥満、高血圧、糖尿病が認知症リスクに及ぼす影響を調査した。その結果、認知症を予防するためには、男性では喫煙、高血圧、女性では喫煙、高血圧、糖尿病の心血管リスク因子のマネジメントが必要となる可能性が示唆された。Environmental Health and Preventive Medicine誌2023年号の報告。対象は、ベースライン時(2008~13年)に認知症を発症していない40~74歳の日本人2万5,029人(男性:1万134人、女性:1万4,895人)。

動脈硬化は睡眠が不規則な人ほど発症する可能性が高かった

 睡眠不足や不規則な睡眠というのは心血管疾患や2型糖尿病などの発症に関連しているが、アテローム性動脈硬化との関連性についてはあまり知られていない。そこで、米国・ヴァンダービルト大学のKelsie M. Full氏らは睡眠時間や就寝タイミングとアテローム性動脈硬化との関連性を調査し、45歳以上の場合に睡眠不足や不規則な睡眠であるとアテローム性動脈硬化の発症リスクを高めることを示唆した。Journal of the American Heart Association誌2023年2月21日号掲載の報告。

「QOL」という言葉にある医師と患者のギャップ

 3月16日(木)に、「医学系研究をわかりやすく伝えるための手引き」シンポジウムがオンラインで開催される。シンポジウムに先立って、本プロジェクトの主任研究員である井出 博生氏と山田 恵子氏が、成果の一端を2週にわたって報告する。第2回は山田氏が、「QOL」という言葉を例に医師と患者の間にある認識のギャップについて解説する。  QOL(Quality of life)。医師のみなさんは、普段から当たり前に使っている言葉の一つだと思います。しかし、真に意味するところは、患者さんに正しく伝わっているでしょうか。

2022年11月以降の中国・北京における新型コロナウイルス流行株の特徴(解説:寺田教彦氏)

本研究は2022年1月から12月までに収集された新型コロナウイルスサンプルについて、次世代シーケンサーを用いた遺伝子解析結果を報告している。本研究結果からは、2022年11月14日以降の中国・北京における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行時の主流はBA.5.2とBF.7で、新規亜種は検出されなかったことが報告された(「北京では22年11月以降、新たな変異株は認められず/Lancet」、原著論文Pan Y, et al. Lancet. 2023;401:664-672.)。

レムデシビル、コロナ入院患者の死亡リスクを低減/ギリアド

 ギリアド・サイエンシズ(日本)は3月6日付のプレスリリースにて、入院後2日以内の抗ウイルス薬レムデシビル(商品名:ベクルリー)投与により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院患者において、重症度にかかわらず死亡率および再入院率が低下したことを示すデータが、50万人超のリアルワールド試験から得られたことを発表した。死亡率の低下は、免疫不全者の集団においても認められた。米国本社が2月21日に英語で発表したものの邦訳版。本結果は2月19~22日に米国・シアトルで開催された第30回レトロウイルス・日和見感染症会議(Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections)にて発表された。

3月13日以降のマスク、濃厚接触者は7日間着用を推奨/厚労省

 厚生労働省は2023年3月7日、自治体・医療機関向けの事務連絡「B.1.1.529系統(オミクロン株)が主流である間の当該株の特徴を踏まえた感染者の発生場所毎の濃厚接触者の特定及び行動制限並びに積極的疫学調査の実施について」を一部改正した。2023年2月10日に発表された「マスク着用の考え方の見直し等について」に基づき、2023年3月13日よりマスクの着用は、個人の判断を基本とすることとなるが、濃厚接触者については7日間のマスク着用が推奨されることとなった。