帝王切開は子どもの成長に影響しない?

帝王切開(CD)で生まれた子どもと、長期的な健康や発達における悪影響との間には有意な関連はないとする研究結果が報告された。0.5~9歳までの全原因入院、肥満、発達マイルストーン(発達がどこまで進んでいるかという指標)といったさまざまな評価項目で有意な関連は認められなかったという。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野の松本尚美氏らによるこの研究結果は、「Scientific Reports」に1月20日掲載された。 出産方法は長期的に見た場合、子どもの健康と発達に影響を及ぼすことが示唆されてきた。CDは、母子の安全確保のため、ある特定の臨床的状態のときに実施される。しかしながら、この外科的介入が子どもの身体的成長、認知発達、慢性疾患のリスクなどさまざまな側面に及ぼす潜在的な影響については現在も議論が続いている。松本氏らは、「日本産科婦人科学会周産期登録(PRN)データベース」にリンクされた「21世紀出生児縦断調査」を利用して、CDと子どもの健康および発達との関連を調査した。