不妊治療中、男性はコーヒーの飲み過ぎに注意

提供元:ケアネット

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公開日:2025/03/28

 

 不妊治療中カップルの男性におけるコーヒー、紅茶、蒸留酒の摂取量と生児出生確率が逆相関していた一方、ビールでは正相関がみられたことが、米国・ハーバード公衆衛生大学院のAlbert Salas-Huetos氏らの研究で示された。Andrology誌2025年3月号に掲載。

 これまでの飲料と生殖に関する健康との関係を調べた研究は相反する結果が得られている。今回、男性343人から採取した精液896サンプルについて、女性が妊娠する前の男性の飲料摂取量と精液の質との関係を調べた。714周期(子宮内人工授精306周期、体外受精408周期)の生殖補助医療を受けた296人の男性とそのパートナーの女性を対象に、飲料摂取量と生殖補助医療によるアウトカム(受精、着床、臨床的妊娠、全/臨床的流産、生児出生)との関係を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・カフェイン入り飲料、アルコール入り飲料、砂糖入り飲料、人工甘味料入り飲料の摂取は、精液の質パラメータや、生殖補助医療を受けたカップルにおける受精、着床、臨床的妊娠、生児出生とは関連していなかった。
・飲料別に検討したところ、体外受精サイクルを受けたカップルにおいて、カフェイン入りコーヒー/紅茶の摂取量と生児出生確率が逆相関していた。摂取量の最低三分位と最高三分位における調整生児出生確率(95%信頼区間[CI])は、カフェイン入りコーヒーで0.49(0.38~0.61)と0.33(0.24~0.43)、カフェイン入り紅茶で0.49(0.33~0.51)と0.31(0.22~0.41)であった。蒸留酒でも0.45(0.37~0.53)と0.32(0.25~0.41)と同様の傾向がみられた。
・一方、ビールでは摂取量が多いほど生児出生確率が高く、最低四分位と最高四分位における調整生児出生確率(95%CI)は、0.32(0.23~0.42)と0.51(0.39~0.62)であった。

(ケアネット 金沢 浩子)