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2001.

急性脳卒中後の体位、仰臥位vs.頭部挙上/NEJM

 急性脳卒中後の治療24時間における患者の体位を、仰臥位とした場合と、30度以上の頭部挙上とした場合について、障害のアウトカムに差は認められなかった。オーストラリア・George Institute for Global HealthのCraig S. Anderson氏らが、急性虚血性脳卒中患者のアウトカムが、脳灌流を増加させる仰臥位にすることで改善するかどうかを検討したHead Positioning in Acute Stroke Trial(HeadPoST試験)の結果、報告した。急性脳卒中後の体位について、仰臥位は脳血流の改善に寄与するが、一方で誤嚥性肺炎のリスクがある。また、ガイドラインはあいまいで、臨床現場ではさまざまな体位がとられている。NEJM誌2017年6月22日号掲載の報告。9ヵ国の急性脳卒中患者約1万1,000例を対象に検討 HeadPoST試験は、9ヵ国(英国、オーストラリア、中国、台湾、インド、スリランカ、チリ、ブラジル、コロンビア)で実施された実用的クラスター無作為化クロスオーバー試験。18歳以上の脳内出血(クモ膜下出血を除く)を含む急性脳卒中患者1万1,093例(85%が虚血性脳卒中)を登録し、仰臥位(背部は水平で顔は上向き)で治療を行う群(仰臥位群)と、頭部を30度以上挙上し上体を起こした姿勢で治療を行う群(頭部挙上群)のいずれかに、入院施設単位で無作為に割り付けた。指定された体位は、入院直後に開始し24時間続けられた。 主要アウトカムは90日後の障害の程度で、修正Rankinスケール(スコアの範囲:0~6、スコアが高いほど障害の程度が大きく、6は死亡)を用いて評価した。体位の違いで、機能障害のアウトカムや有害事象に有意差はない 脳卒中発症から割り付け指定の体位を開始するまでの時間の中央値は、14時間であった(四分位範囲:5~35時間)。仰臥位群は、頭部挙上群より24時間体位維持率が有意に低かった(87% vs.95%、p<0.001)。一方で、酸素飽和度や血圧、他の治療管理面について、両群間に有意差は確認されなかった。 比例オッズモデルによる検討で、両群の90日後の修正Rankinスケールスコアの分布は同等であった(仰臥位群の頭部挙上群に対する修正Rankinスケールスコア分布差の未補正オッズ比:1.01、95%信頼区間:0.92~1.10、p=0.84)。90日以内の死亡率は、仰臥位群7.3%、頭部挙上群7.4%であった(p=0.83)。重篤な有害事象の発現率も、それぞれ14.3%、13.5%、肺炎は3.1%、3.4%で、両群間で有意差は認められなかった。 なお、著者は、本研究で肺炎の発現率が低かったことについて、挿管中などのハイリスク患者が除外されたことや、嚥下障害のスクリーニングプロトコルが使用されたことなどを挙げている。

2002.

アミロイドβ蛋白が高いと認知機能低下リスクが高い/JAMA

 認知機能が正常でも、アミロイドβ蛋白値が高い人は正常値の人に比べ、認知機能低下リスクが高いことが示された。中央値3.1年の追跡調査の結果、アミロイドβ蛋白値が高い群で、ミニメンタルステート検査(MMSE)など3つの認知機能のスコアについて有意な低下が認められたという。米国・南カリフォルニア大学のMichael C. Donohue氏らが、認知機能の正常な445例を対象に、探索的データ解析を行い明らかにしたもので、JAMA誌2017年6月13日号で発表した。アミロイドβ蛋白値に応じて正常群とアミロイド上昇群に分けて分析 研究グループは2005年8月23日~2016年6月7日にかけて、国際プロジェクト「アルツハイマー病神経画像戦略(Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative:ADNI)」に参加する米国およびカナダの83施設で、認知機能が正常な445例についてアミロイドPET検査またはヒト脳脊髄液分析でアミロイドβ蛋白値を測定し、追跡調査を行った。 被験者をベースラインのアミロイドβ蛋白値に応じて、正常群(243例)とアミロイド上昇群(202例)に分け、認知機能低下リスクとの関連を分析した。 主要評価項目は、複合的な認知機能尺度のPreclinical Alzheimer Cognitive Composite(PACC:ベースライン時標準化zスコア計は4、認知機能低下とともにスコアも低下)、ミニメンタルステート検査(MMSE:最低点0~最高点30)、臨床的認知症重症度判定尺度(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes[CDR-SB]:最高0点~最低18点)、ロジカルメモリの遅延再生検査(Logical Memory Delayed Recall[LMDR]:story unit数が最低0~最高25)のスコアだった。 被験者の平均年齢は74.0歳、平均教育年数は16.4年、女性は52%だった。アミロイドβ蛋白値の上昇群でいずれの認知機能スコアも有意に悪化 追跡期間中央値は3.1年(四分位範囲:2.0~4.2年、最長10.3年)。ベースラインの平均PACCスコアは0.00、平均MMSEスコアは29.0、CDR-SBは0.04、LMDRは13.1だった。 アミロイド上昇群は正常群に比べ、4年後の認知能力スコアは低かった。具体的に、アミロイド上昇群と正常群の平均スコア差は、PACCが1.51点(95%信頼区間[CI]:0.94~2.10、p<0.001)、MMSEが0.56点(95%CI:0.32~0.80、p<0.001)、CDR-SBが0.23点(95%CI:0.08~0.38、p=0.002)だった。LMDRスコアについては、両群で有意差はなく、平均スコア差は0.73(95%CI:-0.02~1.48、p=0.056)だった。 結果について著者は、「所見の臨床的重要性が不明である」として、各評価尺度で示された差の臨床的重要性に関する評価と、より長期にわたる関連性を調べる必要があるとまとめている。

2003.

抗うつ薬はアルツハイマー病リスクを高めるのか

 アルツハイマー病(AD)は神経変性疾患であり、高齢者の記憶、思考、行動に対し、臨床的に明白で観察可能な障害を示す。アポリポ蛋白E(ApoE)ε4のような感受性遺伝子は、長期間AD診断のリスク増加と関連している。また、うつ病とAD発症リスク増加との関連を示唆する研究も報告されている。さらに、これまでの調査の知見より、高齢者に対する向精神薬使用において、混合効果も示唆されている。米国・フロリダ国際大学のShanna L. Burke氏らは、抗うつ薬の使用がうつ病や最終的なAD発症の危険性に与える影響について検討を行った。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2017年5月31日号の報告。 国立アルツハイマー病センターのデータを活用して、認知障害のない1万1,443例を評価、検討した。うつ病、ApoE、AD診断、抗うつ薬使用の関連性を調査するため、生存分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・認知機能が正常な8,732例を対象に、調査を行った。・抗うつ薬使用者の間で、ほとんどの場合、危険性は統計学的に有意ではなかった。・1つのジェネリック医薬品は、保護的効果を示した(p<0.001)。・最近のうつ病(2,083例、p<0.001)、生涯うつ病(2,068例、p<0.05)、ApoEε4キャリア(2,470例、p<0.001)は、AD発症との間に統計学的に有意な関係が認められた。 著者らは「この知見は、抗うつ薬使用に関連するメカニズムが、最終的なADの危険性を減少させる可能性があることを示唆している。さらに、うつ病、ApoEε4、AD診断との関連を補強している。本研究は、うつ病などの潜在的に修正可能な心理社会的リスク因子を標的とすることにより、ADリスクを低下させる目的で介入を検討する、新たな文献に寄与するであろう」としている。■関連記事認知症者への向精神薬投与は死亡率を高めているかたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能1日1時間のウオーキングで認知症リスク低下:東北大

2004.

ザシキワラシ伝説とレビー小体病の関係【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第93回

ザシキワラシ伝説とレビー小体病の関係 写真. 座敷童(Wikipediaより) ええっと…ザシキワラシって、あのザシキワラシですよね。家人にいたずらを働き、見た者には幸運が訪れる、家に富をもたらす、などの伝承があるそうです。私、見たことないです。佐々木喜善の語りを書き起こした柳田國男の『遠野物語』に、奥州ザシキワラシの話があります。この話とレビー小体病の幻覚に類似点があるかどうか検討したのが、この論文です。はて?どういうことでしょう。 駒ヶ嶺朋子ほか.Lewy小体病における幻覚とザシキワラシとの類似点-民俗学史料への病跡学的分析の試み-神経内科. 2016;84:513-519.遠野物語の発祥である遠野地方で55話、遠野以外の奥州の23話の説話に、105例のザシキワラシの逸話が挙げられていました。105例のうち、その細かい記述があったのは61例でした。そして、61例のうち、ザシキワラシを経験したものが記載されていたのは52例でした。これらを睡眠中と覚醒中に分けて調べました(説話の記載を参考に著者が抽出選定)。52例のうち、35例が覚醒中、16例が睡眠中の経験だったそうです。ザシキワラシの姿が見られたのは34例で、声だけが聞こえたものが18例、気配しかなかったものが3例でした。これらの多くが座敷など、暗い環境で観察されたそうです。睡眠中のザシキワラシ経験では、9例(56%)でくすぐられるなどの触覚体験を伴っていました。著者は、こうしたザシキワラシ伝説の中には、実はレビー小体病の症例が含まれているのではないかと考察しています。共通点として、暗い環境下での幻覚、睡眠中の触覚体験、寝床の枕や布団の散らかりなどが挙げられています。インデックスページへ戻る

2005.

飲酒は適量でも認知症のリスク要因/BMJ

 アルコール摂取は、たとえ適量であっても海馬の萎縮など脳に悪影響があることを、英国・オックスフォード大学のAnya Topiwala氏らが、30年にわたるWhitehall II研究のデータを用いた縦断研究の結果、報告した。今回の結果は、英国における最近のアルコール摂取制限を支持し、米国での現在の推奨量に異議を唱えるものだという。これまで、大量飲酒はコルサコフ症候群、認知症、広範囲の脳萎縮と関連するとされる一方、少量のアルコール摂取は認知機能障害の予防と関連があるとの研究報告がされていたが、適度なアルコール摂取が脳に与える影響を検証した研究はほとんどなかった。BMJ誌2017年6月6日号掲載の報告。30年追跡したWhitehall II研究から、550例を対象に追跡終了時にMRIを実施 研究グループは、英国の一般公務員を対象としたWhitehall II研究(1985~2015年)に登録され第11期(2011~12年)の調査に参加した6,306例の中から1,380例を無作為に抽出し、このうちimaging substudyへの参加に同意し安全に脳MRI検査を実施できる550例(CAGEスクリーニング質問票2点未満の非アルコール依存者、Whitehall II研究開始時の平均年齢43.0±5.4歳)を対象として、試験終了時(2012~15年)に脳MRI検査を実施し、30年にわたって前向きに収集されたアルコール消費に関するデータを用いて1週間のアルコール摂取量と認知機能について解析した。 550例のうち、画像データ不良あるいはアルコール摂取や認知機能等に関するデータ不備の23例は、解析から除外された。主要評価項目は、海馬萎縮、灰白質密度、白質微細構造などの脳構造評価と、研究期間中の認知機能低下や、画像撮影時の認知能力などの脳機能である。適度のアルコール摂取でも海馬萎縮のリスクが3倍 追跡調査期間中である30年間のアルコール摂取量が多いほど海馬萎縮のリスクが上昇し、摂取なし群(週1未満単位、1単位はアルコール8g)との比較において、週30単位以上のアルコール摂取群が最もリスクが高かった(オッズ比[OR]:5.8、95%信頼区間[CI]:1.8~18.6、p≦0.001)。また、適度なアルコール摂取群(週14~21単位)であっても、右側海馬萎縮のリスクが3倍に上昇し(OR:3.4、95%CI:1.4~8.1、p=0.007)、少量摂取群(週1~7未満単位)についても予防的効果は認められなかった。 アルコール摂取量の多さは、脳梁微細構造の違いや、言語流暢性の急激な低下とも関連していた。一方で、MRI検査時点の認知能力や、意味流暢性または語想起の経年的な変化との関連は確認されなかったという。 なお、今回の結果について著者は、観察研究の結果であり、アルコール摂取量は自己申告であるなど、研究の限界に留意が必要だとしている。

2006.

既存の抗生物質は多発性硬化症を病初期の段階で押さえ込めるか?(解説:森本 悟 氏)-686

 多発性硬化症(Multiple sclerosis:MS)は若年成人に発症し、重篤な神経障害を来す、中枢神経系の慢性炎症性脱髄性疾患である。根本的治療は確立されていないが、インターフェロンβなどの治療薬による再発予防が身体機能障害の進行の抑止に重要とされている。 また、一般に炎症性脱髄性疾患を示唆する中枢神経病巣を呈する状態が24時間以上続く急性発作で、それ以前には脱髄性疾患を示唆する発作がないものをclinically isolated syndrome(CIS)と称す。CIS患者のうち38~68%程度が、2回目のエピソードを発症しMSと診断されるが、必ずしもMSに進展しないうえに、MSの治療薬には重篤な副作用が報告されているため、いつの段階で治療を開始するべきか長らく議論されている。 このような背景から、CISの段階でMSへの進展を抑制できる効果が高く、重篤な副作用が少ない治療法が望まれている。本研究は、もともと抗生物質として広く使用されており、安価で比較的副作用の少ないミノサイクリンにMSの進展を遅らせる効果があると報告した。 CISと診断されて180日以内にミノサイクリンを100mg内服し続けた群とプラセボ群を比較したrandomized controlled trialであるが、ミノサイクリン群とプラセボ群で登録患者数に差があること、MSの予後不良因子とされている男性がプラセボ群で多い傾向にあること、登録時の造影病変がプラセボ群で有意に多い(造影病変の存在は疾患活動性が高いことを示唆する)ことは留意すべきである。 統計処理において、造影病変の「数」を調整しているが、プラセボ群で6ヵ月以内に再発した症例のうち、登録時に造影病変を有していた症例の割合が記載されていないため、疾患活動性の差が結果に与えた影響は否定できない。また、CISからMSへは数ヵ月後に進展する症例もあれば、20年以上経過してから進展する症例もあり、その中央値は約2年と報告されている。本研究では6ヶ月時点での再発がミノサイクリン群でわずかな有意差をもって少なかったが、24ヵ月後にはその差はなくなっていた。本研究は症例数が少なく観察期間も短いため、臨床的に有用と判断するにはさらなるデータの蓄積が必要と考える。

2007.

認知症者への向精神薬投与は死亡率を高めているか

 認知症高齢者によく用いられる向精神薬は、死亡率の上昇と関連しているといわれている。これまでの研究では、このリスクに関する性差は調査されていない。スウェーデン・ウメオ大学のJon Brannstrom氏らは、認知症高齢者における抗精神病薬、抗うつ薬、ベンゾジアゼピンの使用と2年間の死亡率との関連を分析し、性差に関する調査を行った。BMC pharmacology & toxicology誌2017年5月25日号の報告。 4つのコホート研究より抽出された、合計1,037例の認知症高齢者を2年間追跡調査した(女性:74%、平均年齢:89歳)。往診および診療記録よりデータを収集した。ベースライン薬剤使用の継続と死亡との関連を分析するため、Cox比例ハザード回帰モデルを用いた。複数の交絡因子を評価し、調整した。主な結果は以下のとおり。・すべての集団からのデータを含む完全に調整されたモデルでは、ベースラインの向精神薬使用と2年間の死亡率の増加は関連していなかった。・有意な性差は、抗うつ薬使用に関連する死亡率で認められ、男性では保護的であったが(ハザード比[HR]:0.61、95%信頼区間[CI]:0.40~0.92)、女性ではそうではなかった(HR:1.09、95%CI:0.87~1.38)。・性別による作用は、ベンゾジアゼピン使用の分析において有意であり、女性よりも男性で死亡リスクが高かった。 著者らは「認知症高齢者におけるベースライン時の向精神薬の継続的使用は、複数の交絡因子で調整した分析において、死亡率の増加と関連が認められなかった。抗うつ薬およびベンゾジアゼピンの使用に関連する死亡リスクに性差が認められ、性別の影響についてさらに調査する必要がある」としている。■関連記事 せん妄ケアの重要性、死亡率への影響を検証 アルツハイマー病患者へのベンゾジアゼピン使用と肺炎リスク うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

2008.

持続性の痛みが記憶力低下を速める?

 米国・カリフォルニア大学のElizabeth L. Whitlock氏らによる約1万人の高齢者の縦断的なコホート研究により、持続性の痛みが記憶力低下の加速と認知症リスクの増加に関連することがわかった。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2017年6月5日号に掲載。 本研究は、米国の代表的なHealth and Retirement Study(HRS)における地域在住の高齢者1万65人へのインタビューによるコホート研究である。参加者は、2000年に62歳以上であり、1998年および2000年に痛みと認知機能に関する質問に回答した。データ分析は2016年6月24日~10月31日に実施。1998年と2000年のインタビューの両方で、中等度または重度の痛みがしばしばあると回答した参加者を「持続性の痛み」を有するとした。主要アウトカムは、2000~12年の神経心理学的テストの結果と情報提供者および代理人のインタビューから推定された記憶スコアと認知症確率であった。 主な結果は以下のとおり。・適格であった1万65人のうち、60%が女性であり、ベースライン時の年齢の中央値は73歳(四分位範囲:67~78歳)であった。・ベースラインにおいて、参加者の10.9%に持続性の痛みが影響し、抑うつ症状が重く、日常生活活動(動作)の制限が大きかった。・共変量の調整後、持続性の痛みがある参加者は、痛みのない参加者と比較して、9.2%(95%CI:2.8~15.0%)のより急速な記憶力低下がみられた。この記憶力低下の加速は、10年後に薬剤管理ができなくなる相対リスクが15.9%高くなり、自分自身で財務管理ができなくなる相対リスクが11.8%高くなることを意味する。・調整後の認知症確率は、持続性の痛みがある参加者では7.7%(95%CI:0.55~14.2%)速く増加し、これは10年後の認知症確率の絶対的増加が2.2%になることを意味する。

2009.

せん妄ケアの重要性、死亡率への影響を検証

 認知症入院患者は、せん妄リスクが高いが、認知症に併発したせん妄(delirium superimposed on dementia:DSD)が患者アウトカムに及ぼす影響については、あまり知られていない。ブラジル・サンパウロ大学のThiago J. Avelino-Silva氏らは、高齢者入院患者におけるDSDと院内死亡率および12ヵ月間の死亡率との関連を調査した。PLOS medicine誌2017年3月28日号の報告。 本研究は、サンパウロ大学付属病院の老人病棟で実施したコホート研究である。対象は、2009年1月~2015年6月までの60歳以上の急性疾患入院患者1,409例。主な変数と指標は、認知症、認知症の重症度(IQCODE[Informant Questionnaire on Cognitive Decline in the Elderly]、CDR[臨床的認知症尺度])、せん妄(CAM[Confusion Assessment Method])とした。主要アウトカムは、院内死亡までの時間および退院した場合では12ヵ月間での死亡までの時間とした。入院時に高齢者総合的機能評価を実施し、死亡または退院時に追加の臨床データを収集した。症例は、認知症単独群、せん妄単独群、DSD群、非認知症/せん妄(どちらも有しない)群の4群に分類した。非認知症/せん妄群を比較のための対照群として定義した。多変量解析では、交絡因子(社会人口学的情報、病歴および身体検査データ、機能および栄養状態、多剤併用など)を調整したCox比例ハザードモデルを用いて実施した。 主な結果は以下のとおり。・全体として、女性の比率は61%、認知症は39%、平均年齢は80歳であった。・認知症単独群が13%、せん妄単独群が21%、DSD群が26%であった。・院内死亡率は、非認知症/せん妄群で8%、認知症単独群で12%、せん妄単独群で29%、DSD群で32%であった(ピアソンのχ2検定:112、p<0.001)。・独立して院内死亡率と関連していたのは、DSD群(ハザード比[HR]:2.14、95%信頼区間[CI]:1.33~3.45、p=0.002)とせん妄単独群(HR:2.72、95%CI:1.77~4.18、p<0.001)であった。・認知症単独群では、院内死亡率と統計学的に有意な関連は認められなかった(HR:1.69、95%CI:0.72~2.30、p=0.385)。・退院後に死亡した24%の患者における12ヵ月死亡率は、いずれの群においても関連が認められなかった(DSD群[HR:1.15、95%CI:0.79~1.68、p=0.463]、せん妄単独群[HR:1.05、95%CI:0.71~1.54、p=0.810]、認知症単独群[HR:1.19、95%CI:0.79~1.78、p=0.399])。・本検討の限界として、アウトカムに対するせん妄の期間や重症度の影響を検討していない。 著者らは「DSD群およびせん妄単独群では、高齢入院患者の予後が不良だった。認知症との併発にかかわらず、せん妄は院内死亡率の予測因子として重要であることを認識すべきである」としている。■関連記事 認知症者のせん妄、BPSDにより複雑化 せん妄に対する薬物治療、日本の専門家はどう考えているか 認知症にならず長生きするために

2010.

日本人の脳卒中予防に最適な身体活動量~JPHC研究

 欧米人より出血性脳卒中が多いアジア人での身体活動量と脳卒中の関連についての研究は少ない。わが国の多目的コホート研究であるJPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study、主任研究者:津金昌一郎氏)で、脳卒中予防のための身体活動の最適レベルを検討したところ、日本人では過度の激しい活動は出血性脳卒中の予防に有益ではなく、不利益にさえなる可能性があることが示唆された。今回の結果から、脳卒中予防には中等度の活動による中等度の身体活動量が最適であろうとしている。Stroke誌オンライン版2017年6月5日号に掲載。 本研究では、心血管疾患やがんの既往がない50~79歳の日本人7万4,913人を2000~12年に追跡調査した。各身体活動の運動強度指数MET(metabolic equivalent of task)に活動時間をかけたMET・時を合計して1日当たりの身体活動量を求めた。 主な結果は以下のとおり。・69万8,946人年の追跡期間中、出血性脳卒中1,007例(脳実質内出血747例、くも膜下出血260例)、虚血性脳卒中1,721例(非塞栓性梗塞1,206例、塞栓性梗塞515例)を含めた合計2,738例の脳卒中が報告された。・MET・時/日の第2または第3四分位で、脳卒中全体(ハザード比[HR]:0.83、95%信頼区間[CI]:0.75~0.93)、脳実質内出血(HR:0.79、95%CI:0.64~0.97)、くも膜下出血(HR:0.78、95%CI:0.55~1.11)、非塞栓性梗塞(HR:0.78、95%CI:0.67~0.92)のリスクが最も低かった。一方、塞栓性梗塞は第4四分位でリスクが最も低かった(HR:0.76、95%CI:0.59~0.97)。・3次スプラインのグラフでは、最低レベルから5~10 MET・時/日(50パーセンタイル)のプラトーまで、脳卒中リスクの急激な減少(30%減少)を示した。・全身体活動量と出血性脳卒中との関連は、激しい活動での上昇のためにU型またはJ型を示したが、虚血性脳卒中ではL型を示した。

2011.

ミノサイクリンは多発性硬化症進展リスクを抑制するか/NEJM

 初回の局所性脱髄イベント(clinically isolated syndrome:CIS)の発症後は、多発性硬化症への進展リスクが増大する。カナダ・カルガリー大学/フットヒルズ医療センターのLuanne M. Metz氏らは、CIS発症時にミノサイクリン投与を開始すると、6ヵ月時にはこの進展リスクが抑制されたが、24ヵ月時には効果は消失したとの研究結果を、NEJM誌2017年6月1日号で報告した。テトラサイクリン系抗菌薬ミノサイクリンは免疫調節特性を持ち、予備的なデータでは多発性硬化症への活性が示され、2つの小規模な臨床試験で有望な成果が提示されている。副作用として発疹、頭痛、めまい、光線過敏症がみられるものの、安全性プロファイルは良好とされ、まれだが重篤な合併症として偽脳腫瘍や過敏症症候群があり、長期の使用により色素沈着が生じる可能性があるという。カナダの142例が対象のプラセボ対照無作為化試験 研究グループは、脱髄イベントから多発性硬化症への進展リスクに及ぼすミノサイクリンの効果を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験を実施した(カナダ多発性硬化症協会の助成による)。 初回CISの発現から180日以内の患者が、ミノサイクリン(100mg、1日2回)を経口投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。治療は、多発性硬化症の診断が確定するか、無作為割り付けから24ヵ月のいずれかまで継続した。 主要評価項目は、無作為割り付けから6ヵ月以内の多発性硬化症(2005年版McDonald診断基準で診断)への進展とした。副次評価項目は、無作為割り付けから24ヵ月以内の多発性硬化症への進展、そして6ヵ月および24ヵ月時のMRI上の変化(T2強調MRI上の病巣の体積、T1強調MRI上の新たに増強された病巣[増強病巣]の累積数、個々の病巣の累積合計数[T1強調MRI上の新規増強病巣、およびT2強調MRI上の新規病巣と新たに増大した病巣])などであった。 2009年1月~2013年7月に、カナダの12の多発性硬化症クリニックで142例が登録され、ミノサイクリン群に72例、プラセボ群には70例が割り付けられた。さらなる試験で検証を ベースライン(CIS発症時)の全体の平均年齢は35.8(SD 9.2)歳、68.3%が女性であった。脊髄病巣(ミノサイクリン群:34.7%、プラセボ群:51.4%、p=0.04)およびMRI上の増強病巣数≧2(9.7 vs.25.7%、p=0.04)がミノサイクリン群で少なかったが、これ以外の因子は両群に差はなかった。 6ヵ月以内にミノサイクリン群の23例、プラセボ群の41例が多発性硬化症を発症した。6ヵ月以内の多発性硬化症への進展の未補正リスクは、ミノサイクリン群が33.4%と、プラセボ群の61.0%に比べ有意に低かった(群間差:27.6%、95%信頼区間[CI]:11.4~43.9、p=0.001)。ベースラインの増強病巣数で補正すると、進展リスクの差は18.5%(95%CI:3.7~33.3)と小さくなったが、有意な差は保持されていた(p=0.01)。 副次評価項目である24ヵ月時の進展の未補正リスクには、有意差は認めなかった(ミノサイクリン群:55.3% vs.プラセボ群:72.0%、群間差:16.7%、95%CI:-0.6~34.0、p=0.06)。 6ヵ月時のMRI関連の副次評価項目は3項目とも、未補正ではミノサイクリン群がプラセボ群よりも有意に良好であり、補正後も有意差は保持された。これに対し、24ヵ月時は、未補正ではミノサイクリン群がいずれも有意に良好であったが、補正後は有意な差はなくなった。 有害事象の頻度は、ミノサイクリン群がプラセボ群に比べて高かった(86.1 vs.61.4%、p=0.001)。とくに発疹(15.3 vs.2.9%、p=0.01)、歯の変色(8.3 vs.0%、p=0.01)、めまい(13.9 vs.1.4%、p=0.005)には有意な差がみられた。4例(両群2例ずつ)に臨床検査で検出された一過性のGrade 3/4の有害事象が、4例(ミノサイクリン群:1例、プラセボ群:3例)に5件の重篤な有害事象が認められた。 著者は、「これらの結果は、事前に規定された6ヵ月時の未補正リスクの25%の絶対差を満たし、補正すると差は縮小したものの有意差は保持されており、MRI関連の転帰も良好であったが、この差は24ヵ月時までは持続しなかった」とまとめ、「さらなる試験による検証が求められる」と指摘している。

2012.

60歳未満の降圧薬服用者、血圧高いと認知症リスク高い

 血圧と認知症の関係については相反する疫学研究結果が報告されている。今回、ノルウェー科学技術大学HUNT研究センターのJessica Mira Gabin氏らが、認知症診断の最大27年前まで(平均17.6年)の血圧と認知症について調査したところ、60歳以上では収縮期血圧と認知症が逆相関を示したが、60歳未満の降圧薬使用者では収縮期血圧や脈圧の上昇とアルツハイマー病発症が関連していた。Alzheimer's research & therapy誌2017年5月31日号に掲載。 本研究では、ノルウェーのNord-Trondelag郡における1995~2011年の認知症発症データを収集し、専門家パネルが診断を検証した。さらに、このデータを被験者の個人識別番号を用いて、1984~86年(HUNT1)および1995~97年(HUNT2)に実施された大規模な住民健康調査であるNord-Trondelag Health Study(HUNT研究)データと結び付けた。HUNT研究の参加者2万4,638人のうち579人がアルツハイマー病、またはアルツハイマー病と血管性の混合型認知症、または血管性認知症と診断された。 主な結果は以下のとおり。・60歳以上においては、年齢、性別、教育およびその他の関連する共変量を調整後、認知症全体、アルツハイマー病/血管性の混合型認知症、アルツハイマー病では収縮期血圧との逆相関が一貫して認められたが、血管性認知症では認められなかった。・この結果は、降圧薬の使用にかかわらず、HUNT1とHUNT2の両方で観察された。・60歳未満の降圧薬服用者では、収縮期血圧および脈圧とアルツハイマー病との間に有害な関連がみられた。

2013.

認知症予防に柑橘類は効果的か:東北大

 いくつかの実験的な生物学的研究では、柑橘類が認知症予防効果を有していることが報告されている。東北大学のShu Zhang氏らは、柑橘類摂取と認知症との関連をコホート研究で調査した。The British journal of nutrition誌オンライン版2017年5月19日号の報告。 ベースライン調査では、日常の柑橘類摂取(2回以下/週、3~4回/週、ほぼ毎日)および他の食品の摂取に関するデータはFFQを用いて収集し、他の共変量データは自己報告アンケートより収集した。認知症発症に関するデータは、日本の介護保険データベースより収集した。柑橘類の摂取に応じた認知症のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)は、多変量調整Coxモデルを用いて評価した。主な結果は以下のとおり。・1万3,373例における5.7年間の認知症発症率は、8.6%であった。・認知症発症の多変量調整HRは、柑橘類を2回以下/週摂取した群と比較して、3~4回/週群で0.92(95%CI:0.80~1.07、p trend=0.065)、ほぼ毎日群で0.86(95%CI:0.73~1.01、p trend=0.065)であった。・フォローアップの最初の2年間で認知症を発症した患者を除いた後でも、この逆相関関係は維持された。・多変量HRは、柑橘類の摂取が2回以下/週を1.00(参照値)とした場合、3~4回/週で0.82(95%CI:0.69~0.98、p trend=0.006)、ほぼ毎日で0.77(95%CI:0.64~0.93、p trend=0.006)であった。 著者らは「交絡因子で調整後においても、柑橘類の摂取が頻繁であれば、認知症発症リスクが低いことが示唆された」としている。■関連記事 魚を食べると認知症は予防できるのか 認知症予防、毎日の野菜・果物摂取が大切 「歯は大切に」認知症発症にも影響:久山町研究

2014.

長門流 認定内科医試験BINGO! 総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.3

第9回 血液第10回 循環器第11回 神経第12回 総合内科/救急 認定内科医試験に向けた全3巻の実践講座の第3巻です。重要ワードは「頻出」。長年試験問題を分析し続けている長門先生が、実際の試験問題に近い予想問題を作成し、頻出ポイントをテンポよく解説します。もちろん最新のガイドラインのアップデートにも対応。各科目で試験に問われやすいポイントを押さえていますので、認定内科医試験はもちろん、総合内科専門医試験を受ける先生方も確実に得点アップにつながります。年々難しくなっているといわれる内科系試験。このDVDでぜひ合格を勝ち取ってください。第9回 血液血液領域の中心はなんといっても白血病です。染色の特徴や検査データ、予後因子をしっかり確認しておきましょう。また、貧血に関する問題も例年多く出題されています。この番組で頻出ポイントをチェックして、効率よく勉強を進めてください。第10回 循環器循環器の領域では、弁膜症や心筋梗塞などの主要疾患はもちろん、高血圧や感染性心内膜炎の問題も毎年出題されています。長年試験問題を分析し続けている長門先生だからこそわかる頻出ポイントを確認して、得点アップにつなげましょう。第11回 神経神経の領域では、「脳卒中治療ガイドライン2015」からの出題が予想されます。後期高齢者の降圧目標や脳卒中のリスク因子は必ず押さえておきましょう。また、認知症スクリーニング検査の点数で認知症の有無を判定させる問題も毎年出題されています。長門流の予想問題を通して、試験の「出るところ」を確認してください。第12回 総合内科/救急総合内科/救急は出題数は少ないですが、確率統計に関する計算のように毎年出題される問題があるので、確実に点を取れるようにしておきましょう。また「心肺蘇生ガイドライン2015」と「日本版敗血症診療ガイドライン2016」からの出題も予想されます。全13科目の「頻出」「ポイント」「アップデート」のすべてがわかるこの番組で効率的に勉強し、ぜひ合格を勝ち取ってください。

2015.

1日1時間のウオーキングで認知症リスク低下:東北大

 認知症の1次予防において、成人期の身体活動の長期的変化の影響は、これまで検討されていなかった。東北大学の遠又 靖丈氏らは、中年期以降の歩行時間の変化と高齢者の認知症との関連について検討を行った。Age and ageing誌オンライン版2017年5月5日号の報告。 大崎市在住の65歳以上で障害のない日本人6,909例を対象に、コホート研究を行った。1994年と2006年に自己報告アンケートを用いて、1日当たりの歩行時間を個別に評価した(0.5時間未満、0.5~1時間、1時間以上)。この2時点における3つのカテゴリを基に、対象者は歩行時間の変化に応じて9群に分類された。認知症に関するデータは、対象者を5.7年間追跡調査(2007年4月~2012年11月)した公的な長期介護保険(LTCI)データベースより検索した。認知症の多変量調整後のハザード比(HR)を推定するため、Coxモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・5.7年間の認知症発症率は、9.2%であった。・歩行時間が最も短い群(1994年と2006年の2時点ともに0.5時間未満)と比較して、最も長い群(2時点ともに1時間以上)は、認知症発症リスクが有意に低く、多変量調整後のHRは0.72(95%CI:0.53~0.97)であった。 著者らは「これらの結果は、中年期以降の高レベルな身体活動を維持することが、高齢期における認知症予防のための重要な戦略であることを示唆している」としている。■関連記事 認知症にならず長生きするために 認知症になりやすい職業は 歩くスピードが遅くなると認知症のサイン

2016.

日本のてんかんセンター、術後精神疾患に対する強みと課題:愛知医大

 てんかん手術後の精神医学的課題は、大きな問題として知られているが、てんかんセンターによるこれら課題の実際の認識は、まだ明らかにされていない。愛知医科大学の郷治 洋子氏らは、日本全国のてんかんセンターによる精神医学的評価と介入の使用に関して調査した。Epilepsy & behavior誌オンライン版2017年4月12日号の報告。 2016年初めに、てんかん手術前後の精神医学的評価、手術後の精神医学的介入、てんかん手術に関連する精神医学的課題に対処するための今後の計画に関するアンケートを、全国てんかんセンター協議会(JEPICA)の全メンバーに郵送した。アンケートは、24項目で構成した。日本のほとんどの主要なてんかんセンターは、JEPICAに含まれており、2016年に31センターを擁していた。そのうち24センター(77%)がアンケートに回答した。 主な結果は以下のとおり。・精神科医がてんかん手術ユニットの一部に組み込まれていると回答したのは、17センター(70.8%)であった。・この17センターは手術前に精神医学的評価を行っており、評価者が精神科医であったのは8センター(33.3%)、心理士11センター(45.8%)であった。・少なくとも感受性の高い患者に対して、手術後の精神疾患発症リスクを手術前に日常的に説明していたのは23センター(95.8%)であった。・手術後の精神疾患例は16センター(66.7%)で認められ、最も一般的だったのがうつ病(41.7%)であり、次いで不安(33.3%)、精神障害(25.0%)、心因性非てんかん発作(8.3%)であった。 著者らは「日本のてんかんセンターの強みは、ほぼすべてのJEPICAメンバーが手術後の精神疾患に対し深刻な懸念を抱いており、患者に対し精神的有害事象リスクを事前に説明していることである。一方、いくつかのてんかんセンターは小規模で、てんかんユニットを担当する精神科医の意欲に対する依存はもとより、精神症状評価のための標準化された方法が欠如している。てんかん手術に関連する精神医学的課題に関して、てんかんセンター間における、診断および治療上の有意なギャップにつながったと考えられる」としている。■関連記事 てんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化 てんかん患者の自動車運転、世間の意識は:愛知医大 世界のてんかん研究を解析、有病率に影響を与える要因は

2017.

親の発症年齢で認知症リスクが異なる

 認知症と家族歴について、オランダ・エラスムス医療センターのFrank J. Wolters氏らがコホート研究で調査したところ、親が80歳未満で認知症と診断された被験者では認知症リスクが高く、またこれらの被験者では診断時年齢と親の診断時年齢の間に強い相関が示された。Neurology誌2017年4月25日号に掲載。 著者らは2000~02年、ロッテルダム研究において、認知症ではない被験者の親の認知症歴を調査した。2015年まで、認知症リスクと親の認知症歴との関連性を調査し、人口統計、心血管リスク因子、既知の遺伝的リスクバリアントについて調整した。さらに、親の病歴とMRIでの神経変性および血管疾患のマーカーとの関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・2,087人(平均年齢64歳、女性55%)のうち407人(19.6%)が、親のいずれか(診断時平均年齢79歳)に認知症歴があった。・平均12.2年間の追跡期間中、142人の参加者が認知症を発症した。・親の認知症歴は、既知の遺伝的リスク因子とは独立して認知症リスクと関連し(ハザード比[HR]:1.67、95%信頼区間[CI]:1.12~2.48)、親がより若い年齢で診断されていた場合にリスクが高かった(80歳未満で診断された場合のHR:2.58、95%CI:1.61~4.15、80歳以上で診断された場合のHR:1.01、95%CI:0.58~1.77)。・親が80歳未満で認知症を診断されていた場合は、被験者の診断時の年齢が親の診断時の年齢と強い相関が示された(r=0.57、p=0.001)が、80歳以上で診断された場合は有意ではなかった(r=0.17、p=0.55)。・脳MRIで認知症が認められなかった1,161人の被験者において、親の認知症歴は、脳灌流の低下および白質病変および微小出血の負荷の大きさと関連していた。・認知症リスクおよびMRIマーカーは、家族歴が父親か母親で差がなかった。

2018.

脳卒中リスク因子の年齢別パターン

 脳卒中の血管リスク因子について、ユトレヒト大学のAllard J. Hauer氏らが脳卒中サブタイプ別・年齢別に調査した結果、主な心血管リスク因子を有する割合の年齢別パターンがサブタイプにより異なることが示された。Journal of the American Heart Association誌2017年5月8日号に掲載。 本研究は、多施設共同の大学病院ベースでのコホート4,033例における研究である。大動脈アテローム性動脈硬化症または小血管疾患または心原性による虚血性脳卒中患者、自然発症脳出血患者、動脈瘤性くも膜下出血患者(計5サブタイプ)が有していた血管リスク因子(男性、非白人、肥満、高血圧症、高脂血症、糖尿病、喫煙、家族歴)を調査し、55歳未満、55~65歳、65~75歳、75歳以上の4群で各リスク因子を有する患者の割合を計算した。また基準年齢群(虚血性脳卒中および脳出血では65~75歳、動脈瘤性くも膜下出血では55~65歳)と比較した平均差と95%CIを計算した。 主な結果は以下のとおり。・55歳未満の患者は、非白人が有意に多く(とくに自然発症脳出血および動脈瘤性くも膜下出血患者)、喫煙頻度が最も高かった(動脈瘤性くも膜下出血患者で最も顕著)。・55歳未満の大動脈アテローム性動脈硬化症または小血管疾患による虚血性脳卒中患者は、心原性の虚血性脳卒中患者よりも、高血圧症、高脂血症、糖尿病の頻度が高かった。・全体として、高血圧症、高脂血症、糖尿病の頻度は、すべての脳卒中サブタイプで年齢とともに増加したが、喫煙は年齢とともに減少した。・年齢にかかわらず、大動脈アテローム性動脈硬化症/小血管疾患による虚血性脳卒中患者で、修正可能なリスク因子の累積が最も顕著であった。

2019.

うつ病は認知症のリスクファクター or 初期マーカー

 うつ病は、認知症のリスクファクターとして知られているが、この関係が原因であるかはわかっていない。オーストラリア・西オーストラリア大学のO. P. Almeida氏らは、うつ病に関連する認知症が抗うつ薬使用により減少するか、うつ病への曝露と認知症が発症した時間との関係性を調査した。Translational psychiatry誌2017年5月2日号の報告。 71~89歳の健常男性4,922例を対象に14年間の縦断的研究を行い、うつ病歴、現在のうつ病、うつ症状の重症度に関連する情報を収集した。抗うつ薬の使用、年齢、教育、喫煙、病歴(糖尿病、高血圧、冠状動脈性心疾患、脳卒中)についても収集した。フォローアップ期間中の認知症発症および死亡は、西オーストラリア州データ連携システムによって確認した。 主な結果は以下のとおり。・うつ病であった男性は682例であった(過去:388例、現在:294例)。・8.9年間のフォローアップ期間中、認知症を発症したのは903例(18.3%)、認知症でなく死亡したのは1,884例(38.3%)であった。・過去および現在うつ病を有している男性の、認知症のサブハザード比(SHR)は、それぞれ1.3(95%CI:1.0~1.6)、1.5(95%CI:1.2~2.0)であった。・抗うつ薬の使用は、このリスクを減少させなかった。・認知症のSHRは、うつ症状のない男性と比較して、うつ症状の疑い例1.2(95%CI:1.0~1.4)、軽度~中等度うつ症状例1.7(95%CI:1.4~2.2)、重度うつ症状例2.1(95%CI:1.4~3.2)であった。・うつ病と認知症は、フォローアップ期間の最初の5年間のみで関連が認められた。 著者らは「うつ病歴のある高齢者は、認知症発症リスクが高い。しかし、うつ病は認知症の修正可能なリスクファクターというよりも、初期認知症のマーカーである可能性が高い」としている。関連医療ニュース 65歳未満での抗うつ薬使用、認知症増加と関連 抑うつ症状は認知症の予測因子となりうるのか たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

2020.

認知症にならず長生きするために

 フランス・共同研究ユニット(UMR)のLeslie Grasset氏らは、スポーツ習慣例で紹介されている、死亡と認知症のいくつかの疫学的指標に対するリスク因子の影響を分析した。PLOS ONE誌2017年4月17日号の報告。 PAQUID試験より得られた65歳以上の非認知症者3,670例を、22年間追跡調査した。スポーツ習慣は、ベースライン時に記録した。認知症(DSM-III-R基準)および死亡は、来院時ごとに評価した。認知症および死亡リスク、確率、平均寿命に関する結果は、Illness-Deathモデルを用いて分析した。主な結果は以下のとおり。・非認知症者743例(20.2%)が、定期的なスポーツ習慣に参加していた。・フォローアップ中、スポーツ習慣を有する高齢者では、死亡率が低かったが、認知症の割合は同様であった。・調整モデルでは、スポーツ習慣を有する高齢者は、認知症リスク低下(HR:0.84、0.72~1.00)、非認知症者の死亡リスク低下(HR:0.61、0.51~0.71)を示したが、両スポーツグループともに、認知症による死亡リスクは同様であった。・認知症なしで生存する確率は、スポーツ習慣を有する高齢者で高く、死亡率は低かった。・認知症でない平均寿命は、スポーツ習慣を有する高齢者では3年長かったが、認知症者では、平均寿命は同様であった。 著者らは「認知症よりも死亡を予防するのに有効な保護因子による予防措置は、認知症にならず寿命を延ばすことができる。たとえ認知症の発症リスクが低下したとしても、認知症の症例数は変わらない。この動態は、高齢者のための医療、社会サービスの必要性を予測するうえで重要である」としている。関連医療ニュース 長生きしても認知症にならないためにできること 認知症になりやすい職業は 米国の認知症有病率が低下、その要因は

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