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ニボルマブ、食道がん第III相試験でOS延長(ATTRACTION-3)/小野薬品

 小野薬品工業株式会社は、2019年1月9日、ニボルマブ(商品名: オプジーボ)について、フルオロピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法に不応または不耐となった切除不能な進行または再発食道がん患者を対象に実施した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(ATTRACTION-3:ONO-4538-24/CA209-473)の最終解析において、ニボルマブ群が化学療法群(ドセタキセルまたはパクリタキセル)と比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な延長を示したと発表。 ニボルマブは、切除不能な進行または再発食道がんにおいて、腫瘍細胞のPD-L1発現を問わない集団全体においてOSの有意な延長を示した世界で初めての免疫チェックポイント阻害薬となる。なお、本試験の結果については、今後、関連学会にて公表する予定とのこと。

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再入院削減プログラム、死亡率を増大?/JAMA

 米国のメディケア受給者では、再入院削減プログラム(Hospital Readmissions Reduction Program:HRRP)により、心不全および肺炎による入院患者の退院後30日以内の死亡率がむしろ増加することが、米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのRishi K. Wadhera氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年12月25日号に掲載された。HRRPは、「患者保護ならびに医療費負担適正化法(ACA)」の下で2010年に成立し、2012年からは、メディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)に、心不全、急性心筋梗塞、肺炎患者の30日再入院率が予想を上回った病院に対し制裁金を課すことが求められている。その成果として、HRRPはこれらの疾患による再入院率を抑制することが示されたが、死亡率への影響は知られていなかった。公布、施行の前後で死亡率の変化を評価 研究グループは、HRRPと患者死亡率の変化との関連をレトロスペクティブに評価するコホート研究を行った(Richard A. and Susan F. Smith Center for Outcomes Research in Cardiologyの助成による)。 2005年4月1日~2015年3月31日の期間に、心不全、急性心筋梗塞、肺炎で入院した65歳以上の出来高払いのメディケア受給者を調査の対象とした。HRRP公布前の2005年4月~2007年9月を第1期、2007年10月~2010年3月を第2期とし、HRRP公布後の2010年4月~2012年9月を第3期、HRRP施行後の2012年10月~2015年3月を第4期とした。 主要アウトカムは、心不全、急性心筋梗塞、肺炎で入院した後の、退院から30日以内の逆確率重み付け法で補正した死亡率(退院後死亡率)とし、再入院なしの死亡、再入院ありの死亡、再入院ありの非死亡、再入院なしの非死亡に分けて検討した。また、初回入院から45日以内の死亡率(入院後死亡率)を疾患別に評価した。心筋梗塞患者では公布後に死亡率低下 コホートには、832万6,688件の心不全、急性心筋梗塞、肺炎による入院が含まれた。このうち、794万8,937件(平均年齢79.6[SD 8.7]歳、女性53.4%、白人85.6%)が退院時に生存していた。心不全による入院が約320万件、急性心筋梗塞による入院が約180万件、肺炎による入院は約300万件であり、退院後30日以内の死亡はそれぞれ27万517件、12万8,088件、24万6,154件であった。 心不全患者では、退院後30日死亡率がHRRP公布前の時期には増加していた(第1期から第2期までに0.27%増加)。このベースライン時の動向と比較して、HRRPの公布(第2期から第3期までに0.49%増加、第1期から第2期と第2期から第3期の変化の差:0.22%、p=0.01)およびその施行(第3期から第4期までに0.52%増加、第1期から第2期と第3期から第4期の変化の差:0.25%、p=0.001)により、30日死亡率は有意に上昇した。 急性心筋梗塞患者の退院後30日死亡率は、HRRP公布後(公布前は0.18%増加、公布後は0.08%低下、変化の差:-0.26%、p=0.01)には有意に低下したが、施行後の変化は有意ではなかった(施行後は0.15%増加、変化の差:-0.03%、p=0.69)。また、肺炎患者の退院後30日死亡率は、HRRP公布前はほぼ安定していた(第1期から第2期に0.04%増加)が、公布後(0.26%増加、変化の差:0.22%、p=0.01)および施行後(0.44%増加、変化の差:0.40%、p<0.001)にはそれぞれ有意に増加した。 心不全および肺炎患者の死亡率の増加は、主として退院後30日以内に再入院せずに死亡した患者のアウトカムと関連していた。また、3つの疾患とも、HRRP公布前の動向と比較して、入院後45日死亡率の増加とは関連を認めなかった。 著者は、「試験デザインおよび入院後45日以内の死亡率とHRRPに有意な関連がないことを考慮すると、退院後30日死亡率の増加は施策の帰結かという問題を理解するためには、さらなる検討を要する」としている。

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高カロリーなのはファストフードだけではない/BMJ

 外食のエネルギー量は、フルサービス食およびファストフード食のいずれもきわめて高く、むしろファストフード食のほうが低い傾向があり、これは広範な地域でみられる現象で、世界的な肥満の下支えとなっている可能性が、米国・タフツ大学のSusan B. Roberts氏らの調査で明らかとなった。肥満の有病率は多くの国で増加し続けている。大規模にチェーン展開しているレストランの栄養情報によると、ファストフードは世界的な肥満の最も重要な寄与因子とされるが、他の形式のレストランの食事については、エネルギー量の測定データがなく、肥満への寄与の程度はほとんど知られてないという。BMJ誌2018年12月12日号(クリスマス特集号)掲載の報告。世界6都市223種の外食を調査 研究グループは、5ヵ国のフルサービスおよびファストフードのレストランの、注文数の多い食事のエネルギー量を測定し、米国と比較する横断的調査を行った(研究資金の一部として米国農務省の助成を受けた)。 6ヵ国の主要都市(ブラジルのリベイラン・プレト、中国の北京、フィンランドのクオピオ、ガーナのアクラ、インドのバンガロール、米国のボストン)で無作為に選出された111店のフルサービス(接客係が給仕し、店内で着席して食事を摂る)およびファストフード(カウンターで供され、店内または店外で食事を摂る)のレストランで提供される223種(フルサービス食:136種、ファストフード食:87種)の一般的な食事の代表サンプルを用いてエネルギー量を測定した。フィンランドでは、5つの職場の社員食堂で提供される10種の食事も含まれた。当該レストランで注文の多い食事を観察単位とし、食事のエネルギー量の測定にはボンブ熱量計が用いられた。米国より低いのは中国のみ 米国と比較して、レストランの食事のエネルギー量の加重平均値が低かったのは、中国だけであった(719kcal[95%信頼区間[CI]:646~799] vs.1,088kcal[1,002~1,181]、p<0.001)。 分散モデル分析では、ファストフード食のエネルギー量はフルサービス食よりも33%低かった(p<0.001)。フィンランドでは、社員食堂の食事がフルサービスやファストフードレストランよりもエネルギー量が25%低かった(平均880[SD 156]kcal vs.1,166[298]kcal、p=0.009)。 多元配置分散分析では、国、レストラン形式、食事の食材数、重量は、食事のエネルギー量を予測した(R2=0.62、p<0.001)。フルサービス食の94%、ファストフード食の72%が、600kcal以上であった。 モデル解析では、中国を除くと、現在のフルサービス食またはファストフード食を毎日1食摂ると、追加食や飲み物、間食、前菜、デザートを摂らなくても、あまり体を動かさない女性に求められる1日のエネルギー量の70~120%が供給される可能性が示唆された。 著者は、「一般的な思い込みに反し、ファストフード食のエネルギー量は、フルサービスのレストランの食事よりも3割以上も低かった」とまとめ、「高エネルギーのレストランの食事は、世界的な肥満蔓延の重大な寄与因子であり、公衆衛生的介入における影響力の大きい標的として妥当である」と指摘している。

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Dr.長尾の胸部X線クイズ 上級編

第1回 画像だけでは気付けない 第2回 異常がありすぎる写真、どう絞る? 第3回 肺紋理が濃く見える、その理由は? 第4回 撮影条件の違いを乗り越える 第5回 覚えておきたいあのサイン 第6回 その所見がなぜあるか俯瞰的に考える 症例写真クイズで読影腕試し!上級編は、専門医も迷う12症例に挑戦しましょう。超難問を読みこなすコツは、「病歴」と所見を組み合わせるスキル。専門医がどうX線写真を読んでいるのか?1問5分のクイズの中で思考のプロセスと読影の勘所をつかんでください!第1回 画像だけでは気付けない 1問目は、画像だけなら肺炎を疑う所見ですが、正解は別にあります。ヒントになる病歴に抜歯。専門医も迷う超難問を読みこなすコツは、病歴×所見×過去との比較。上級編12症例でこれらを組み合わせる読み方を練習していきましょう!第2回 異常がありすぎる写真、どう絞る?肺自体が小さく見えるとき、まず線維化を伴う間質性肺炎を疑いますが、間質性肺炎の既往があれば、別の鑑別疾患を挙げるべきかもしれません。たくさんの所見が見える画像から、今何に注目すべきか、フォーカスしていく方法を学びましょう。第3回 肺紋理が濃く見える、その理由は? 肺紋理が濃く見えるとき、どんな疾患を疑いますか?今回の2問を読み解く鍵は、肺紋理。なぜこの線が見えるのか原理から理解していれば、パっと鑑別を挙げられます。X線読影に欠かせない重要な肺紋理を、鑑別に活かすポイントを伝授します。第4回 撮影条件の違いを乗り越える 胸部X線写真を撮るのは、病院だけではありません。ポータブル写真など、決して撮影条件がよいとは言えない写真でも、きっちり重要な所見を読みこなすコツを伝授します。第5回 覚えておきたいあのサイン 今回は、この所見が見えたら一発で診断できるというサインを紹介。ただし、そのサインだけに頼ると見落とすこともあるので油断は禁物。ピットフォールまで教えます。第6回 その所見がなぜあるか俯瞰的に考える 専門医も判断に迷う症例には落とし穴がたくさん。画像所見に引きずられても、主訴に注目が行き過ぎても、原因にたどり着けません。画像所見、主訴、どちらも冷静に評価し、俯瞰的に原因検索ができる読影スタンスを身に付けましょう!

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病院の水系による感染症の解析と克服は難しい課題である(解説:吉田敦氏)-995

 医療関連感染の中で、水を介した感染症を生じる微生物として、レジオネラや緑膿菌が有名である。しかしながらこの他にもアシネトバクターやステノトロホモナスといったブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌や非結核性抗酸菌が知られており、院内・施設内の水道・水系を介してこれらが集団発生した例も報告されている。今回、11年にわたり単一施設で分離され続けていたブドウ糖非発酵菌Sphingomonas koreensisが、院内の水系を介していたことが、全ゲノム解析を含む詳細な分子疫学的解析によって明らかにされた。なおSphingomonasは細胞壁にスフィンゴ脂質を含むことから本邦の薮内 英子らによって属として提唱されたもので、現在127菌種が含まれる1)。またS. koreensisは2001年に新種として発表されたが、これまで感染例として報告されたのは髄膜炎などごく少数にすぎない2,3)。 本検討では最終的に、患者の血液などから分離された菌株と、病室の流しの蛇口・水から採取した菌株が、きわめて近縁であることが明らかになった。さらには、シンクを分解して内部のバイオフィルムと汚れをぬぐい、その中の本菌のメタゲノム解析を行ったところ、同一のシンクであっても、本菌の複数のクローンの構成割合は、経時的に変化していることが判明した。病院に供給されている水道水からは本菌は検出されず、院内の水系・配管設備内の汚染が原因と判断し、院内供給水の塩素濃度を上げ、さらに温水の水温管理を行ったところ、本菌による感染症の発生と、臨床検体からの分離は認められなくなった。 新築した病院であっても、配管を介した水系感染は生じうる。一方で塩素濃度の低下と温水設備での水温の低下が、院内のレジオネラ感染症の発生と、病室の手洗い水からの分離に相関したという報告もある4)。ただし病院の配管は複雑であり、水系感染の究明と対策実行、実際の効果の確認までには相当の時間と非常に大きな手間がかかっていた。配管延長は長距離にわたり、その中のどこが汚染されているのかを把握するのは容易でないうえ、現実として、配管を広く交換するなど、病院の設備自体をどの程度まで改変できるかという課題も大きい。 本報告でさらに強調されるべきことは、Sphingomonas属のような環境水系に存在しやすい菌が多年にわたって臨床検体から検出されていたことを受けて(造血幹細胞移植患者が12例中9例を占めた)、環境分離株・過去の分離株まで含むゲノム解析の必要性に気付き、さらに環境中のメタゲノム解析までうまくなしえたことであろう。本研究で得られた知見は、感染症診断や治療そのものに直結するものとは異なり、また水系感染症の制御に有効な新たな感染対策の手法を提示するものではないが、われわれが日常気付きにくい現実の中にこのような事象が存在し、それがどのように医療関連感染に関与してくるかについて、重要性を垣間見せてくれたように思える。■参考文献はこちら1)LPSN:Genus Sphingomonas(2019年1月9日閲覧)2)Lee JS, et al. Int J Syst Evol Microbiol. 2001;51:1491-1498.3)Marbjerg LH, et al. J Clin Microbiol. 2015;53:1028-1030. 4)中村 麻子ほか. 日本環境感染学会誌. 2018;33:193-202.

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成育基本法が成立中 薬剤師は何を求められるのか【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第9回

2018年12月8日、「成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律1)」が成立したことはご存じでしょうか。この法律は、「成育基本法」という略称で呼ばれています。一般的に「基本法」とは、国の重要な制度や政策などの基本方針を示した法律といわれています。また、憲法の理念を反映させるために憲法と個別の法律の間をつなぐものと位置付けられ、基本法を受けて個別の法律を作るなどの施策がとられることもあります。成育基本法は、「出生に始まり、新生児期、乳幼児期、学童期及び思春期の各段階を経て、おとなになるまでの一連の成長」(成育基本法第二条第1項)である「成育」に関する基本方針を示したものであり、目的として以下のように定められています。成育基本法(目的)第一条 この法律は、次代の社会を担う成育過程にある者の個人としての尊厳が重んぜられ、その心身の健やかな成育が確保されることが重要な課題となっていること等に鑑み、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、成育医療等の提供に関する施策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体、保護者及び医療関係者等の責務等を明らかにし、並びに成育医療等基本方針の策定について定めるとともに、成育医療等の提供に関する施策の基本となる事項を定めることにより、成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦(以下「成育過程にある者等」という。)に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策を総合的に推進することを目的とする。この目的を見ると、「成育医療等の提供に関する施策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体、保護者及び医療関係者等の責務等を明らかにし、」とありますので、薬剤師も内容を知っておきたいところです。条文に明記された医療関係者の責務は2つ「成育医療等」とは、「妊娠、出産及び育児に関する問題、成育過程の各段階において生ずる心身の健康に関する問題等を包括的に捉えて適切に対応する医療及び保健並びにこれらに密接に関連する教育、福祉等に係るサービス等をいう。」(成育基本法第二条第2項)とされています。また、「医療関係者等の責務」(成育基本法第七条)には薬剤師が対象として明記されており、「国及び地方公共団体が講ずる成育医療等の提供に関する施策に協力し、成育過程にある者の心身の健やかな成育並びに妊産婦の健康の保持及び増進に寄与するよう努めるとともに、成育医療等を必要とする者の置かれている状況を深く認識し、良質かつ適切な成育医療等を提供するよう努めなければならない」と、2つの事項が定められています。要するに、子供の健やかな成育と、妊産婦の健康の保持・増進への寄与などが求められていると考えられます。さらに、第三条では「高度化する成育過程にある者等の需要に適確に対応した成育医療等が切れ目なく提供されるよう、当該施策相互間の連携及びこれと関連する施策との連携を図りつつ、総合的に推進されなければならない」(成育基本法第三条第2項)とも定められており、従来の政策(児童福祉法、母子保健法など)と今後制定される政策を連携させ、「成育医療等」を切れ目なく提供することが期待されています。今後この成育基本法に基づいて、具体的な施策がとられていくことになると思いますが、薬剤師も医療機関や地域との連携などにおいて、重要な役割を担っていくと考えられます。一度条文に目を通してみてはいかがでしょうか。なお、医療に関する基本理念を明示する「医療基本法」を制定しようとする動きもあるようですが、成立までには至っていません。興味がある方は調べてみるのもいいかもしれません。参考資料1)衆議院 成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律案

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第21回 在宅医療の本質を3つのキーワードで理解しよう【週刊・川添ラヂオ】

動画解説今回は地域包括ケアシリーズの第2弾として、在宅医療の本質を考えるための3つのキーワードであるリハ、ICF(国際生活機能分類)、CGA(高齢者総合機能評価)についてお話しします。リハを単なる身体機能訓練だと思っていませんか?リハビリテーションの本来の意味は「その人らしい人生を再構築すること」。それを実現するためにチームで患者さんの生活状況、症状を正しく評価することが大切です。

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入院患者の不眠症治療における催眠鎮静薬減量のための薬剤師介入

 多くの患者において入院は不眠症の原因となり、通常は対症療法で治療が行われる。しかし、催眠鎮静薬の誤った使用は、とくに高齢入院患者において合併症と関連している。この合併症には、めまい、転倒、過鎮静が含まれる。このような潜在的な危険性のため、とくに高齢者においては、不眠症に対する催眠鎮静薬の広範な使用は、多くの病院で推奨されていない。サウジアラビア・King Abdulaziz University Faculty of PharmacyのAisha F. Badr氏らは、処方パターンの検討および評価を行い、地域病院における日々の薬剤師介入を通じた催眠鎮静薬の使用最適化について検討を行った。Saudi Pharmaceutical Journal誌2018年12月号の報告。 本研究は、前後比較研究として催眠鎮静薬の使用や合併症発症などについて、薬剤師による介入前と介入後で比較を行った。催眠鎮静薬の使用に関するデータを2ヵ月間レトロスペクティブに収集し、分析のために100例の患者サンプルをランダムに選択した。2ヵ月間のフォローアップでは、薬剤師1名が日々の処方を検討し、必要に応じて不要薬の中止や催眠鎮静薬の新規処方の勧告を行った。介入前後における結果は、患者の人口統計学的要因の違い、複数の催眠鎮静薬の処方、合併症の記録について比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・薬剤師の介入により、97例の患者の25%が催眠鎮静薬を中止した。・複数の催眠鎮静薬を投与されている患者数は、介入後のほうが介入前よりも有意に少なかった(15例 vs.34例、p=0.0026)。・合併症の発生率は、介入前後で有意な差は認められなかった(過鎮静:p=0.835、転倒:p=0.185、せん妄:p=0.697)。 著者らは「救命救急を除く入院患者において、催眠鎮静薬の使用は広まっている。また、多くの患者が複数の催眠鎮静薬を服用している可能性もあり、潜在的な問題が蓄積する可能性がある。薬剤師介入により、催眠鎮静薬を処方されている入院患者の25%が使用を中止し、複数の催眠鎮静薬使用患者も有意に減少した。入院患者に対する不必要な催眠鎮静薬の使用を避け、薬剤師によるモニタリングが最適化されるよう、さらなる努力を行うべきである」としている。■関連記事ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は不眠症におけるデュアルオレキシン受容体拮抗薬とその潜在的な役割に関するアップデートメラトニン使用でベンゾジアゼピンを簡単に中止できるのか

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自分の動脈硬化病変を見せられると生活習慣病が改善する(解説:佐田政隆氏)-994

 急性心筋梗塞は、狭心症を生じるような高度の冠動脈の動脈硬化病変が進行して完全閉塞することで生じると従来考えられていた。しかし、最近の研究によると、6~7割の急性心筋梗塞の原因は、軽度な内腔の狭窄しか来さない動脈硬化病変の破裂やびらんに起因する急性血栓性閉塞であるとされている。急性心筋梗塞は発症してしまうと突然死につながる怖い病気であるが、その多くは前兆がなく、発症を予知することは困難である。 ヒトの動脈硬化は、従来考えられていたよりかなり早期に子供の頃から始まり、生活習慣病のコントロールが悪いと無症状のうちに進行して、突然心血管イベントを誘発することが多くの研究で示されている。そこで、将来の心筋梗塞の発症を防ぐためには、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病のコントロールや禁煙といった1次予防が重要である。しかし、多くの人は、食事などの生活指導、運動指導、場合によっては薬物療法を行っても、現在は痛くも痒くもないため、アドヒアランスは悪く改善に結びつかない。 そこで、現場の先生方にお尋ねすると、発症してしまうと突然死になることを話したり、実際の頸動脈エコーでプラークの存在を見せるなど、工夫を凝らしておられる経験をお聞きする。しかし、どのような生活指導、服薬指導が効果的であるのか、エビデンスがないのが現状であった。 このスウェーデンで約3,500例を対象に1年追った、オープンラベルの無作為化比較試験では、介入群では、頸動脈の中膜複合体や無症候性のプラークといった頸動脈エコー所見を、血管年齢を色分けするわかりやすい図を用いて説明して、看護師が電話で理解していることを確認した。一方、対照群では通常の方法で生活指導、服薬指導をした。1年後のフラミンガム・リスクスコア(FRS)と、欧州のSCORE(systematic coronary risk evaluation)は、介入群で有意に改善していた。生活習慣の改善もあったと思われるし、服薬のアドヒアランスも向上したと思われる。 やはり、無症状でも自分の動脈硬化が思いのほか進行しているのを見せつけられると、生活習慣病治療へのモチベーションが上がると思われる。日本では、日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のために、40~74歳までの人を対象に特定健診が行われて、特定保健指導が行われている。しかし、必ずしも効果を上げているとは言えない。生活習慣病に有効に介入することで、心筋梗塞の発症はもっと低下させることができるはずである。今回の研究などが積み重なって、有効な1次予防の方法が確立することを期待する。

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全医師必携【Dr.倉原の“俺の本棚”】第13回

【第13回】全医師必携少し昔話をしましょう。私は洛和会音羽病院というところで初期研修を受けたのですが、総合診療科や救急が非常に活発で、抗菌薬の勉強についても、良い意味でとても厳格でした。私たちは毎日のように救命センターの端でGram染色をして、お気に入りのスライドは検査科で固定してもらって自分のデスクにコレクションしていました※。スライドを入れるケースまで買ったりして、昆虫標本を集める子供のような目をしていました。私の医師人生で、一番感染症にアツかったのがあの頃かもしれません。青春。※…あれって今やったら怒られるんじゃないかな、知らんけど。『抗菌薬の考え方、使い方 ver.4』岩田 健太郎/著. 中外医学社. 2018私がレジデントの頃、感染症といえば岩田 健太郎先生でした(今でも圧倒的にそうなのですが)。岩田先生の『Dr.岩田の感染症アップグレード-抗菌薬シリーズ-』(ケアネットDVD)はレジデント同士で奪い合いながら全部見ました。岩田先生の素晴らしいところは、医学書を教科書ではなく読み物にしたところなのです。それまでの医学書は堅苦しくて読みづらいものばかりでした。しかし岩田先生の本は、レジデントにとって親しみやすい口語体で書かれており、研修医時代は『抗菌薬の考え方、使い方』の第1版と第2版を非常に重宝しました。隅々まで読んで、ボロボロにしました。今や、『抗菌薬の考え方、使い方』も第4版(ver.4)になりました。ひえー、私も歳を取りました。Gram染色なんて、もうほとんどしていませんし(技師さんがテキパキやってくれるので…)、感染症診療も呼吸器感染症に偏っており、他臓器感染症の診療とはやや疎遠になりつつあります。それでも、感染症診療のベーシックな部分は忘れたくないと思い、『抗菌薬の考え方、使い方』は毎版読ませていただいているのです。読むたびに新しい発見があります。私のような「岩田感染症」で育った中堅医師は多いでしょう。そして、このシリーズのおかげで、現在の日本の感染症診療があると言っても過言ではないのです。逆にこの本がなかったら、日本の感染症診療はどうなっていたことか!手に取るとわかりますが、第4版(ver.4)はものすごく分厚いです。だって500ページ以上あるんですから。すべての医師が読むべき一冊ですよ。『抗菌薬の考え方、使い方 ver.4』岩田 健太郎/著出版社名中外医学社定価本体4,000円+税サイズA5判刊行年2018年

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日本におけるアリピプラゾールの経口剤と持効性注射剤の併用期間に関する分析

 アリピプラゾール長時間作用型持効性注射剤(LAI)の導入にあたっては、導入開始後2週間のアリピプラゾール経口剤との併用が推奨されている。しかし、2週間以上の併用を行う場合も少なくない。そこで、藤田医科大学の波多野 正和氏らは、アリピプラゾールLAIと経口剤との併用期間の違いについて検討を行った。Human psychopharmacology誌オンライン版2018年11月27日号の報告。 本検討は、症例対照研究として実施した。アリピプラゾールLAI導入と併用したアリピプラゾール経口剤の処方プロファイルを調査し、12週間のフォローアップ期間中における臨床経過を評価した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者121例中、アリピプラゾールLAIと経口剤との併用期間が2週間以上であったのは58例(47.9%)であった。・両群間における、治療失敗(何らかの原因による精神医学的入院またはアリピプラゾールLAI治療中止と定義)の割合に有意な差は認められなかったが、アリピプラゾール経口剤を2週間以上投与した群では、2週間投与群と比較し、ベンゾジアゼピン追加投与が少なかった(調整オッズ比:0.055、95%信頼区間:0.0060~0.50、p<0.01)。 著者らは「本結果は、薬物動態を考慮したアリピプラゾール経口剤とLAIの柔軟な併用期間を支持しているが、さらなる研究が必要である」としている。■関連記事経口アリピプラゾール前処置後の統合失調症患者における持効性注射剤の有効性統合失調症のLAI切替、症状はどの程度改善するのか統合失調症患者に対するアリピプラゾール持効性注射剤切り替え~ドイツにおけるコスト比較

19853.

使用率75%、米国の腫瘍専門医はNGSをどう使う?

 米国の腫瘍専門医はどのように次世代シークエンス(NGS)検査を用いているのか。主要施設の腫瘍専門医を対象にした米国国立衛生研究所(NHI)の共同研究が、JCO Precision Oncology誌2018年11月13日号に発表された。 この研究は、2017年に全国的に代表されるがん専門医のサンプルに郵送された、がん治療における精密医学の全国調査のデータを使用し、解析された(n=1,281、協力率=38%)。 主な結果は以下のとおり。・治療方針決定のために12ヵ月以内に、NGS検査を利用した腫瘍専門医は75.6%であった。・使用しているNGSの数は、28.2%の腫瘍専門医が1種、31.7%が2種、23.3%が3種、16.7%が4種以上、と回答した(商業用11種、非商業用1種の中から選択)。・使用している臨床像については、34.0%の腫瘍専門医が進行・難治性、28.2%が希少がん、29.1%が原発不明がん、と回答した。・使用目的については、33.5%の腫瘍専門医がFDAの承認治療への指針、29.1%が臨床試験の適格性の判断、17.5%がFDAの承認外使用の決定のため、と回答した。・NGS検査の結果が治療推奨を提供する頻度は、26.8%の腫瘍専門医がしばしば(often)、52.4%が時には(sometimes)、20.8%がまれに(rarely)、と回答した。・NGS検査を使用する可能性が高かった腫瘍専門医は、50歳未満の腫瘍学者、月に50人超の患者を診察する、などであった。

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子供がいる米国女医、職場内差別を経験/BMJ

 米国・カリフォルニア大学のMeghan C. Halley氏らが実施した大規模な質的研究の結果、子供を持つ女性医師は、母親ゆえに、頻繁で持続的な、時には露骨な差別を経験していることが明らかになった。そうした母親差別の経験は、他の専門職の女性らの報告と合致する一方で、医師研修に特有の側面もあること、また母親差別を助長する同僚(medical profession)が存在することも示唆されたという。先行研究で、女性医師の3分の2以上が性的な差別を、また女性臨床研究医の3分の1はセクシャルハラスメントを経験しているという報告はあったが、母親ゆえの差別あるいはその後の医師としてのキャリアへの影響に関するデータは限られていた。今回の結果を受けて著者は、「医学・医療分野における母親差別の影響を緩和するためには、出産・育児休暇、保育への取り組みの構造的な変化が必要である」と見解を述べている。BMJ誌2018年12月12日号(クリスマス特集号)掲載の報告。Facebookグループで調査、差別の経験についての回答を自由記述形式で 研究グループは、子供がいるために受けた差別の経験を自身の言葉で報告することを目的に、米国の子供を持つ女性医師のオンラインコミュニティであるFacebookグループ「Physician Moms Group」において、子供を持つ女性医師の健康と福祉に関するオンライン調査を行った。 調査期間は2016年6月17日~8月末で、調査を完遂した参加者は計5,782人であった。同調査では、人口統計学的情報、身体的健康、リプロダクティブ・ヘルス、差別の経験、職場の変更の可能性、および燃え尽き症候群などに関する質問が含まれた。差別に関しては、「職場で次のような差別を経験したことがありますか(当てはまるものをすべて選択してください)」という質問に続き、経験を自由記述式で回答してもらった。研究グループは今回、この回答で得られた自由記述を分析した。報酬の不平等、昇進機会の制限など、さまざまな差別が明らかに 差別に関する自由記述は1,009人から得られ、3人の分析者がグラウンデッド・セオリー法を用いてデータを定性分析した。最終分析には、女性または母親ゆえの差別とは無関係の記述(62例)を除く947人の記述が含まれた。 参加者は、母親ゆえのさまざまな差別経験を鮮明に記述していた。特定された重要な問題は、差別意識に基づく仕事への期待(同僚より高いレベルが求められる)、報酬の不平等(同レベルの男性医師より報酬が低く、無償労働が多い)、昇進機会の制限、妊娠中および出産後の支援不足、ワークライフバランスの困難さなどであった。加えて参加者の記述から、母親差別の潜在的ないくつかの構造的誘因が示されるとともに、こうした母親差別は、その医師自身、キャリア、家族、ヘルスケアシステムに影響を及ぼすことが示唆された。 なお、著者は、調査への参加は自主的なもので回答が偏っている可能性があることや、差別によって専門職をすでに辞していた場合は差別感の度合いが過小評価されているといった点で、結果は限定的であると述べている。

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集団感染発生の多剤耐性菌、温床は院内配管/NEJM

 スフィンゴモナス・コリエンシス(Sphingomonas koreensis)は、米国国立衛生研究所(NIH)臨床センターのインフラに時間と空間を超えて持続的に存在し、医療関連感染症を引き起こすヒト日和見病原体であることを、米国・国立ヒトゲノム研究所のRyan C. Johnson氏らがゲノム疫学調査で突き止めた。病院内の配管システムは、頻度は低いものの入院患者が感染する可能性がある日和見感染病原体の温床として知られている。今回の調査は、2016年に発生したスフィンゴモナス種細菌の集団感染を受けて行われた。NEJM誌2018年12月27日号掲載の報告。臨床分離株の全ゲノムDNAシークエンス解析を実施 研究グループは、2006~16年にNIH臨床センターにおいて同定された多剤耐性S. koreensisの臨床分離株について、全ゲノムDNAシークエンス解析を行った。 病院のインフラ内の定着場所を特定する目的で、病室の流し台から得たS. koreensisを培養して全ゲノムシークエンス解析およびショットガンメタゲノミクスシークエンス解析を実施し、他の施設で得た臨床分離株ならびに環境分離株と比較した。集団感染で同定された分離株6株中4株は、99.92%の遺伝子相同性 2016年の集団感染で同定された患者6例から得たS. koreensis分離株のうち、2株は関連がなかったが、4株は99.92%を超える遺伝子相同性が認められ、抗菌薬に対する多剤耐性が示された。また、保存されていたNIH臨床センターにおけるスフィンゴモナス臨床分離株を後ろ向きに解析した結果、過去10年間にクローン株が断続的に出現していたことが明らかとなった。さらに、S. koreensis分離株で同定された固有の一塩基変異から、院内の配管における定着場所が特定された。 他施設のS. koreensis臨床分離株は、NIH分離株とは遺伝的に異なっていたことから、微生物培養ならびに詳細なゲノム解析の結果に基づき院内の改善戦略が進められた。

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フルオロキノロン系薬に大動脈瘤・解離に関する使用上の注意改訂指示

 フルオロキノロン系抗菌薬の添付文書について、2019年1月10日、厚生労働省より使用上の注意の改訂指示が発出された。フルオロキノロン系抗菌薬と大動脈瘤および大動脈解離との関連性を示唆する疫学研究や非臨床試験の文献が報告されたことによるもので、改訂の概要は以下のとおり。1.「慎重投与」の項に、「大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子(マルファン症候群等)を有する患者」を追記する。2.「重要な基本的注意」の項に、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導する旨、上記 1.にて追記する患者では、必要に応じて画像検査の実施も考慮する旨を追記する。3.「重大な副作用」の項に「大動脈瘤、大動脈解離」を追記する。■該当薬剤の一般名(商品名:承認取得会社)・モキシフロキサシン塩酸塩(アベロックス:バイエル薬品)・トスフロキサシントシル酸塩水和物(オゼックス:富士フイルム富山化学、トスキサシン:マイラン EPD、ほか)・レボフロキサシン水和物(クラビット:第一三共、ほか)・シタフロキサシン水和物(グレースビット:第一三共、ほか)・シプロフロキサシン塩酸塩水和物(シプロキサン:バイエル薬品、ほか)・シプロフロキサシン(シプロキサン:バイエル薬品、ほか)・メシル酸ガレノキサシン水和物(ジェニナック:富士フイルム富山化学)・プルリフロキサシン(スオード:MeijiSeika ファルマ)・オフロキサシン(タリビッド:第一三共、ほか)・ノルフロキサシン(バクシダール:杏林製薬、ほか)・塩酸ロメフロキサシン(バレオン:マイラン EPD)・パズフロキサシンメシル酸塩(パシル:富士フイルム富山化学、パズクロス:田辺三菱製薬)

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高齢者未治療CLLに対するイブルチニブの有用性~化学免疫療法との比較~(解説:大田雅嗣 氏)-992

 イブルチニブ(ibrutinib:以下IBR)はブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬である。BTKは非受容体型チロシンキナーゼTecファミリーの1つで、B細胞のアポトーシス制御、B細胞の成熟・分化、活性化、細胞接着や遊走などB細胞の生存に関与し1)、慢性リンパ性白血病(CLL)細胞の細胞表面から核内遺伝子へ増殖シグナルを伝達する。BTK阻害薬はこの増殖シグナルをブロックすることで抗腫瘍効果を発揮する2)。 オハイオ州立大学からの報告(米国、カナダ219施設による共同研究)で、イブルチニブが未治療高齢者CLLに有用であることを従来の化学免疫療法と比較した第III相試験の結果としてNEJM誌に12月1日発表した3)。イブルチニブは2016年、未治療CLLの治療薬として米国FDAが認可したが、わが国では2016年5月、再発・難治性CLLに対する薬剤として薬価収載、その後2018年7月に未治療CLLに対しても保険適用となった。 従来欧米では65歳以上の高齢者CLLの治療として、chlorambucilとオビヌツズマブとの併用療法、あるいはベンダムスチン(B)とリツキシマブ(R)との併用が有用であるとされてきた。一方IBRに関しては治療抵抗性CLLでの有効性(無増悪生存期間PFSの中央値52ヵ月)4)、CLL初期治療で奏効例での2年PFSの割合が89%であったこと5)、初発CLLでchlorambucilとの比較試験での有用性6)が明らかになっているものの、これまでIBR単剤と化学免疫療法との比較はなされていなかった。またIBRにリツキシマブを加えた場合の上乗せ効果も議論となっており7)、今回の比較試験が組まれた。 2013年12月~2016年5月に新たに診断された65歳以上の未治療CLL 547例をB+R、IBR単独、IBR+Rの3群にランダムに1:1:1に割り付け、エンドポイントとして無増悪生存期間PFS、全生存期間OSを評価、また血液毒性、非血液毒性につき解析した。PFSはB+R群のみ中央値38ヵ月に達し、IRB、IBR+R群は中央値に達せず、2年推定PFSはB+R群で79%、IBR 87%、IBR+R 88%で、B+R群で有意に劣ったものの、IBR単独群とIBR+R群では有意差を認めなかった。2年OSでは3群間に有意差を認めなかった。Grade3以上の血液毒性はB+R群で高率であったものの、Grade3以上の非血液毒性はIBRあるいはIBR+R群で多かった。とくに発熱性好中球減少症、高血圧が有意に高率であった。30日以内の早期死亡もIBRあるいはIBR+R群で多かった。結論は治療効果の有用性でIBRあるいはIBR+R群が優っていたが、リツキシマブの上乗せ効果はみられなかったとされた。さらに予後不良因子とされているdel(17p)、del(11q)症例でのサブ解析でも、IBRあるいはIBR+R群でのPFSの優位性が示された。しかしながら観察期間がまだ短く、治療研究全体の評価のためには長期のフォローが必要と考えられた。 わが国では初発CLLに対してはフルダラビン(F)単独、F+エンドキサン、B単独、IBR単独療法が保険適用となっている。Rの併用はSLLでは可能である。欧米で通常用いられているchlorambucilはわが国では長らく未承認薬であり、分子標的薬である抗CD20抗体オファツムマブ、抗CD25抗体アレムツズマブも再発・難治例に使用が制限されている。日本におけるいわゆる“drug lag”の問題は解決していくべきだが、わが国では発症頻度が低く高齢者に多いCLLにおいて、いかに手持ちの治療薬を効果的に使っていくか検討すべき課題は多い。 余談だがIBRがマウス虚血脳モデルで、好中球のカスパーゼ-1活性化を媒介するインフラマソームの活性化を阻害することがわかり、虚血性脳梗塞の分子標的治療薬となりうることが示されており8)、BTK阻害薬のターゲットの多様性について注目していきたい。■参考文献1)Maas A, et al. Dev Immunol. 2001;8:171-181.2)Woyach JA, et al. Blood 2014;123:1207-1213.3)Woyach JA, et al. N Engl J Med. 2018;379:2517-2528.4)O'Brien S, et al. Blood 2018;131:1910-1919.5)Barr PM, et al. Haematologica 2018;103:1502-1510.6)Burger JA, et al. N Engl J Med. 2015;373:2425-2437.7)Burger JA, et al. Blood. 2018 Dec 7. [Epub ahead of print]8)Ito M, et al. Nat Commun. 2015;6:7360.

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心房細動は待つのではなく見つけに行く時代(解説:矢崎義直 氏)-993

 心房細動は最もメジャーな不整脈の1つであるが、無治療だと塞栓症のリスクが高く、とくに心原性脳梗塞は重症化し死亡率も高い。心房細動を早期に診断し、適切な抗凝固療法を行うことが重要であるが、症状のない心房細動も多く、定期的な通常の心電図検査では検出が困難なこともある。そこで、心房細動のスクリーニングとして長時間の心電図モニタリングが可能なシステムの開発が進んでいる。 mSToPS試験(mHealth Screening to Prevent Strokes trial)は自己装着型の2週間記録可能なパッチ型心電計を使用し、心房細動の新規検出率を検討した。対象は年齢が75歳以上、もしくは高血圧や糖尿病などのリスクを1つ以上持った55歳以上の男性か65歳以上の女性とし、過去に心房性不整脈の既往があれば除外した。被験者の募集はAetnaやMedicareなどの医療保険システムに登録されている対象者に、郵便もしくはeメールで試験参加を勧誘した。オンラインで同意が得られれば試験に登録され、患者データなどはネット経由で得るという、登録が完全にデジタル化された新しい試みと言える。この方法により、通常の治験登録よりも登録時間を短縮でき、コストも抑えられ、普段治験とは疎遠なpopulationにもアプローチでき、よりリアルワールドに近い対象を選出できるという利点がある。 最終的に2,659例(平均年齢72.4歳、38.6%が女性)が選出され、パッチ型心電計を早期に装着する群(先行開始群)と4ヵ月遅らせて装着する群(遅延開始群)に無作為に割付をした。登録後4ヵ月の時点では、先行開始群が遅延開始群と比較し、心房細動の検出率が有意に高かった(3.9% vs.0.9%、絶対差:3.0%、95%信頼区間:1.8~4.1%)。また、この先行開始群と遅延開始群を合わせた症例の中で合計30分以上パッチ型心電計を使用し、解析ができた1,738例(全体の65.4%)を1年間フォローした。これらとマッチさせたコホート群3,476例と心房細動の検出率を比較しところ、パッチ型心電計使用群の方が、心房細動を多く検出した(6.7/100人年 vs.2.6/100人年、絶対差:4.1、95%信頼区間:3.9~4.2)。そのほか、パッチ型心電計使用群で抗凝固薬開始率、循環器科外来受診率が高かったが、心房細動による救急外来受診や入院率に差はなかった。 本試験の結論として、パッチ型心電計は心房細動発症のハイリスク群において、心房細動の検出に有用である事が示された。このように今後、長時間心電図モニタリングにより早期の心房細動の診断が可能となり、適切な治療が行われれば、脳梗塞や死亡率の減少など、clinical outcomeの改善も期待される。 一方、長時間心電図モニタリングにはまだ課題も残されている。1つは、心電計の装着率の問題である。本試験中にパッチ型心電計を少しも使用しなかった症例が917例、全体の34.5%に及ぶ。また心電計を装着した症例のうち40例がパッチによる皮膚炎を起こし、うち32例が装着中止を余儀なくされている。モニタリング期間は長ければ長いほど、当然心房細動の検出率は上がってくるが、アドヒアランスの問題も念頭に置かなければならない。 また、本試験では、長時間のモニタリングのおかげで、通常の心電図検査では到底捉えることのできなかったであろう短い持続時間の心房細動が多く検出されている。何分以上、もしくは何時間以上持続した心房細動を塞栓症のリスクと考えるかまだ明確な答えはない。 このように長時間心電図モニタリングならではの課題もあるが、その症例の塞栓症のリスク、出血のリスク、年齢、心房細動の持続時間を考慮し、抗凝固療法の適応を決める必要がある。

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目標達成の方法【Dr. 中島の 新・徒然草】(254)

二百五十四の段 目標達成の方法皆さま、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。さて、ここ数年間、目標を立てずに過ごしてきた私ですが、今年は目標を立ててみようかと思っています。というのは、ネットで「目標達成の方法」といった内容の記事を読んで、「なるほど! これなら僕にもできるかも」と思ったからです。残念ながら元の記事がどこにあったのか、今となっては分かりません。が、記憶の範囲で再現してみましょう。(1)目標は具体的に決める。数字で示すことができればなお良い。漠然と「もう少し痩せよう」とか「英語が上手になりたいなあ」と思っても、それだけではなかなか頑張れません。「6ヵ月間で体重を6キロ減らす」とか「字幕なしで洋画の内容を理解する」とか、具体的に決めておくことが達成のコツなのだそうです。(2)短期的な目標に分割するまず最初の1ヵ月にどこまで達成するか、確かにそれも大切ですね。上記の例であれば、「1月末までに1キロ痩せる」「1ヵ月で『トロン・レガシー』を字幕なしで完全に聞き取れるようになる」といったところ。脂肪を毎日30グラムずつ減らせばちょうど1ヵ月で1キロになる、というのはあちこちのダイエット記事にも紹介されています。(3)方法を決めること痩せようとすれば、カロリーのインを減らしアウトを増やすというのが大原則ですが、その方法が問題です。学生時代のように倒れるまでトレーニングした後に大食いをするというわけにはいきません。私の場合、インを減らすほうがアウトを増やすよりも簡単なので、それぞれの力の入れ具合は、「控えめな食事が7割で、毎日の運動が3割」と考えています。もう少し具体的には「朝昼晩は腹七分目で間食なし」「毎日4,000歩の散歩。もし雨が降ったり寒かったりして散歩ができないときは、Wii Sports Resort のピンポンやチャンバラを30分間プレーして代用する」などとすればいいかもしれません。ちなみにWiiのピンポンもチャンバラも30分もやると結構ヘトヘトになります。とりあえず1ヵ月間、頑張ってみましょう。果たして思った通りにいきますでしょうか。まずは新年最初の1句目標は 細かく短く 具体的

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