日本人肺がんのオシメルチニブ1次治療耐性を探る/ASCO2019

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 オシメルチニブはEGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において重要な選択肢である。しかし、同薬の耐性機構に対する報告は少ない。近畿中央呼吸器センターの田宮 朗裕氏らは、日本人NSCLC患者におけるオシメルチニブ1次治療の耐性機構を明らかにするため前向き観察研究を開始する。試験の概要を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)にて発表した。

 対象は1次治療としてオシメルチニブ投与を予定している非扁平上皮NSCLC患者で、予定症例数は180例。被験者からはオシメルチニブ投与前に血液、組織サンプルを採取する。血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を用いた超高感度次世代シークエンス(NGS)を、治療前、治療3ヵ月後、12ヵ月後、PD後に実施してオシメルチニブ耐性関連遺伝子変異を分析する。

主要評価項目
・オシメルチニブ治療前とPD時のオシメルチニブ耐性関連遺伝子変異の発現および発現率(ctDNAを用いた超高感度NGSによる)

副次評価項目
・組織DNAを用いたNGSによるオシメルチニブ耐性遺伝子の発現および発現率(組織サンプルがある場合)
・超高感度NGSによるctDNA中のオシメルチニブ耐性関連遺伝子の量を検知する方法の分析
・超高感度NGSによる、オシメルチニブ投与3ヵ月後と12ヵ月後の耐性関連遺伝子の発現および発現率
・ctDNAを用いた超高感度NGSおよび組織DNAを用いたNGSの感度と特異度
・オシメルチニブ治療後3ヵ月、12ヵ月における耐性関連遺伝子の背景、疾患増悪に影響する因子の分析

筆頭著者 近畿中央呼吸器センター 田宮 朗裕氏へのインタビュー
この試験の背景と概要について教えていただけますか。
 オシメルチニブはEGFR変異陽性NSCLCの1次治療のスタンダードですが、その耐性についての知見は少なく、昨年のESMO2018でのFLAURA試験の結果くらいしか報告がないと思います。われわれは、日本国立病院機構の前向き観察研究としてこの研究を開始しました。前向き研究として結果がでるようにサンプルサイズを180例に設定し、本年(2019年)5月から登録を開始しています。
 遺伝子解析はEGFRALKBRAFといったメジャーな変異に加え、180のマイナー変異についても行います。また、組織DNAを採取しているケースではctDNAとのconcordanceも検証します。さらに、可能であれば治療後3ヵ月、12ヵ月、PD後のデータから、早期に起こる耐性と後から起こる耐性の違いも調べてみたいと思っています。

(ケアネット 細田 雅之)

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