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DES留置後、DAPT3ヵ月+P2Y12阻害薬単剤vs.DAPT12ヵ月/JAMA

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)で薬剤溶出ステント(DES)を留置した患者において、3ヵ月間の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)+P2Y12阻害薬単剤療法は、12ヵ月間のDAPTと比較し、主要心・脳血管イベント(MACCE:全死因死亡、心筋梗塞または脳卒中の複合エンドポイント)の発生に関して非劣性であることが検証された。韓国・成均館大学校のJoo-Yong Hahn氏らが、同国の33施設で実施した非盲検無作為化非劣性試験「SMART-CHOICE試験」の結果を報告した。これまで、PCI後の短期間DAPT+P2Y12阻害薬単剤療法に関するデータは限定的であった。JAMA誌2019年6月25日号掲載の報告。DES留置患者約3,000例で、12ヵ月時の主要心・脳血管イベントを評価 研究グループは、PCIでDESを留置した患者2,993例を、アスピリン+P2Y12阻害薬3ヵ月間、その後P2Y12阻害薬単剤療法(P2Y12阻害薬単剤群、1,495例)、またはアスピリン+P2Y12阻害薬12ヵ月間(DAPT群、1,498例)のいずれかに無作為に割り付けた。登録は2014年3月18日に開始され、2018年7月19日に追跡調査が完了した。 主要評価項目は、PCI実施後12ヵ月時点でのMACCE(非劣性マージンは1.8%)、副次評価項目はMACCEの個別のイベントおよび出血(BARC出血基準のタイプ2~5)であった。 無作為化された2,993例(平均年齢64歳、女性795例[26.6%])のうち、2,912例(97.3%)が試験を完遂した。治験プロトコールの順守率はP2Y12阻害薬単剤群で79.3%、DAPT群で95.2%であった。P2Y12阻害薬単剤群、DAPT群に対して非劣性、出血は42%低下 12ヵ月時点で、MACCEはP2Y12阻害薬単剤群で42例、DAPT群で36例に認められた(2.9% vs.2.5%、群間差:0.4%、片側95%信頼区間[CI]:-∞~1.3%、非劣性のp=0.007)。副次評価項目は、全死因死亡(21例[1.4%]vs.18例[1.2%]、ハザード比[HR]:1.18、95%CI:0.63~2.21、p=0.61)、心筋梗塞(11例[0.8%]vs.17例[1.2%]、HR:0.66、95%CI:0.31~1.40、p=0.28)、脳卒中(11例[0.8%]vs.5例[0.3%]、HR:2.23、95%CI:0.78~6.43、p=0.14)のいずれも有意差はなかった。 出血の発現頻度は、P2Y12阻害薬単剤群がDAPT群と比較して有意に低かった(2.0% vs.3.4%、HR:0.58、95%CI:0.36~0.92、p=0.02)。 著者は、非劣性マージンが比較的広く検出力が不足している可能性や、非盲検試験で対象が低リスク集団であったことなどを指摘し、「他の集団でさらなる検証が必要である」とまとめている。

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脳損傷急性期の15%は行動反応なくとも脳活動あり/NEJM

 急性脳損傷患者の15%で、運動指令に対する行動反応はなくても、脳波測定(EEG)では指令に反応を示す記録がみられ、脳が活性化していることが明らかになった。米国・コロンビア大学のJan Claassen氏らが、脳損傷患者を対象に、音声による運動指令に反応する脳活動と予後への影響を検証した前向き試験の結果を報告した。臨床的に無反応な患者において、体を動かすよう声掛けをした際に脳活動を示す脳波が検出される場合がある。そのような認知と運動の解離が、脳損傷後の数日間にみられる割合や予後についての重要性は、これまで十分に解明されていなかった。NEJM誌2019年6月27日号掲載の報告。無反応患者を対象に、声による運動指令に対する脳活動を脳波で確認 研究グループは、2014年7月~2017年9月の期間に、1施設の集中治療室で、さまざまな原因による急性脳損傷があり、音声による運動指令に無反応な患者(痛み刺激部位を特定できる患者や、視覚刺激で凝視または追視できる患者を含む)を前向きに連続登録した。 「手を動かして」という指令に対する脳活動を、機械学習を応用したEEGにより検出。また、12ヵ月時点の機能アウトカムを、Glasgow Outcome Scale-Extended(GOS-E:スコア範囲1~8、高いほうが良好であること示す)で評価した。15%の認知と運動の解離を認めた患者のうち、半数で解離が解消 脳損傷後の期間中央値4日の時点で、無反応患者104例中16例(15%)でEEGによる脳活動が検出された。これら16例中8例(50%)、ならびに脳活動が検出されなかった88例中23例(26%)は、退院前には指令に従うことができるまでに改善した。 12ヵ月時のGOS-Eスコアが4以上(8時間独力で機能することを意味する)であったのは、脳活動が検出された患者で44%(7/16例)、検出されなかった患者で14%(12/84例)であった(オッズ比:4.6、95%信頼区間:1.2~17.1)。 なお、著者は、さまざまな原因(心停止、脳内出血、頭部外傷または硬膜下血腫、クモ膜下出血)による脳損傷患者を対象としたこと、12ヵ月時の追跡調査は電話によるもので直接行っていないこと、鎮静が交絡因子である可能性などを挙げて、結果については限定的だとしている。

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経口GLP-1受容体作動薬の心血管安全性を確認(解説:吉岡成人氏)-1070

経口GLP-1受容体作動薬 日本では未発売の製剤であるが、GLP-1受容体作動薬であるリラグルチドと構造が類似した週1回注射製剤セマグルチド(商品名:Ozempic)は、2型糖尿病患者の心血管イベントを抑止することがすでに確認されている(Holman RP, et al. N Engl J Med. 2017;377:1228-1239.)。また、セマグルチドには経口製剤があり(吸収促進剤により胃粘膜でのセマグルチドの分解を阻害し、胃粘膜細胞間隙から薬剤が吸収される製剤)、1日1回の経口投与によって注射製剤と同等のHbA1c低下作用と体重減少作用が示されている(Davies M, et al. JAMA. 2017;318:1460-1470.)。今回、経口セマグルチドの承認申請前に実施する心血管系に対する安全性を評価する試験の結果が公表された(Husain M, et al. N Engl J Med. 2019 Jun 11. [Epub ahead of print])。経口セマグルチドの心血管系に対する安全性検証試験 心血管疾患ないしは慢性腎臓病を合併した50歳以上、ないしは、心血管イベントのリスクを持った60歳以上の2型糖尿病3,183例を対象に、経口セマグルチドまたはプラセボを標準治療に追加する二重盲検、プラセボ対照試験である。 主要評価項目を心血管死、非致死性心筋梗塞、または非致死性脳卒中の最初の発現までの時間に関する複合アウトカムとしている。追跡期間(中央値16ヵ月)中に、延べ137件のイベントが発生し、経口セマグルチドのプラセボに対するハザード比は0.79(95%信頼区間:0.57~1.11)であり、非劣性が確認された。個々のイベントについては、心血管死、非致死性脳卒中はセマグルチド投与群で減少傾向であったが、非致死性心筋梗塞の発症については差がなかった。試験薬の中止に至った有害事象の発現頻度はセマグルチド群11.6%、プラセボ群6.5%であり、最も多いのは消化器症状による中止であった。観察期間中における網膜症やその関連疾患および悪性腫瘍の発生頻度は、それぞれ、セマグルチド群7.1%、2.6%、プラセボ群6.3%、3.0%であった。心血管安全性は確認できた 欧米のガイドラインでは、心血管リスクの高い2型糖尿病患者には、比較的早い段階からのSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬の使用が推奨されている。今回の試験でも経口セマグルチドはHbA1cを1.0%、体重を4.2kg減少させ(プラセボ群:0.3%、0.8kg)、糖尿病治療薬としての有用性が再認識された。 今回、確認できたのは、心血管系の安全性についてである。一部の報道では『心血管死・全死亡が半減』などと過大な解釈が行われているが、主要評価項目である複合アウトカムには差がなく、非致死性心筋梗塞や非致死性脳卒中も減少していない。観察期間の中央値が16ヵ月と短い期間に心血管死のみが減少していることの理由も不明であり、経口セマグルチドが心血管イベントの抑止に対して有効な薬剤なのかどうか、今後の展開が期待される。

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非日常の大阪【Dr. 中島の 新・徒然草】(279)

二百七十九の段 非日常の大阪皆さん御存じのとおり、先週末、6月28日(金)、29日(土)の2日間、大阪ではG20大阪サミットが開催されました。世界20ヵ国の首脳に加え、国際連合や国際通貨基金(IMF)の代表なども加わり、合計37の国と機関の参加です。要人警護のために、全国の警察から3万人ともいわれる応援があり、街中は警官だらけという異様な光景でした。せっかくなので、大阪で体験した非日常の1週間を振り返ってみましょう。 6月21日(金)1週間前というのに、すでにあちこちに赤色灯を回した警察車両が目立つようになりました。京都方面から名神高速で大阪に来た人によると、1車線はズラッと警察車両で占められていたとのことです。他府県からの応援の車だったのでしょう。病院では繰り返しアナウンスがありました。G20当日と前後合わせて4日間は、市内のあちこちで通行止めになるので、車の使用は極力避けましょう、という趣旨のものです。10メートルごとに検問が行われるとか、100メートル進むのに1時間はかかるとか、善悪よりも損得を優先する大阪人に車をあきらめさせるような噂も流れていました。 6月25日(火)夜、轟音をとどろかせて伊丹空港に大型機が降りてきた、とのことです。目撃した人の話によると、音が異様に大きく、ライトの位置がずいぶん高い飛行機だったとか。なんでもこの飛行機は米軍の大型輸送機C17で、大統領専用車両「ビースト」を降ろした後、離着陸の門限21時を無視して悠々と離陸していったのだそうです。 6月26日(水)G20開幕前々日。そろそろ各国の人たちが現地入りし始めるということで、赤色灯を回した警察車両が常時視界に入ってきます。たまたま乗ったタクシーの運転手によれば、市内の主要ホテル周辺の道路は、断続的に通行が規制されて通れたものじゃないとのことでした。G20の4日間は仕事にならないので、会社全体が休みになる予定だとか。 6月27日(木)いよいよG20前日、大阪の街がゴーストタウン化するのかと思いきや、普通に素人の車が走っていました。これはちょっとびっくりです。でもそれ以上に赤色灯の車だらけ! 視界には常時10台以上の警察車両が目に入ってきます。阪神高速道路の出入り口はすべて3~4台のパトカーで閉鎖され、要人が乗っていそうな車列だけが通されていました。 6月28日(金)いよいよG20当日。なんと、車で外来に病院にやってきた患者さんがいました! 「正月みたいに空いていましたわ」と大喜び。大阪市内の学校も休校になっているので、地下鉄も普段より空いていたということです。道路脇には警察車両だらけ、歩道も警官だらけ。そして大阪名物の路上駐車が一掃されています。たまに路駐している車があると思いきや、いかつい兄ちゃんたちが乗り込みました。覆面パトカーのようです。ときおり赤色灯を回しながら何台もの警察車両が隊列を組んでやってくるのは、まるで映画の一場面のようでした。これだけ警官の数が多いと、交通事故、酔っ払い、ケンカもほとんどなく、救急外来も平和そのものです。 6月29日(土)やはり、自分の目で道路状況を見なくては気持ちがおさまりません。本来なら休日ですが、病院の行事があったので車で出勤しました。確かに道はガラガラです。周囲を走っている車は、一見普通のセダンやバンであっても、すぐに警察車両とわかりました。というのは、他府県ナンバー、スモークの窓ガラス、そして制限速度順守で、誰がどうみても素人ではありません。尋常ではないオーラを感じるのか、ゆっくり走っていても煽る車は皆無です。病院に近づくにつれ道路上の車の数が増え、ついに谷町四丁目交差点の手前で前後左右、10台ほどの名古屋ナンバーと尾張小牧ナンバーに囲まれてしまいました。ほんとに1時間100メートルみたいなペースでしか進まなくなったので、裏道を抜けようとしましたが、あちこちに白い大型の伸縮フェンスがあって迂回の連続。このフェンスと大勢の警官、何台ものパトカーは、ふいに登場するのでびっくりさせられます。ようやく病院の駐車場に車を停めることができたので、ちょっと周囲を歩いてみました。大阪城周辺のいくつかの空き地には警察車両(大型人員輸送車)がびっしり駐車していましたが、簡易トイレも一緒に設置されているのには警察の苦労がしのばれました。そんなものものしい警戒の中でも事情を知らない、というか、空気を読まない外国人観光客がゾロゾロと大阪城公園に入って行きます。ま、非日常の中の日常といったところでしょうか。阪神高速道路は完全に封鎖されており、全く車が走っていません。ちょうどいい機会なので上から写真を撮ってみましたが、1台も車が走っていない高速道路は、まるでサーキットみたいな風景でした。もっぱら要人の移動に使われているようです。普段は混み過ぎて「阪神低速道路」などと悪口を言われていますが、空いてさえいれば大阪市内のどこでも瞬時に移動可能です。あとは要人の宿泊するホテルと最寄の出入り口の間の一般道だけ確保すればいいわけですから、この仕組みを考えた人はえらいですね! というわけで、大変な1週間が無事終了し、日常生活が戻ってきました。タクシーの運転手曰く、「もうこんな風景、生きている間に見られないでしょうねえ」私も同感です。最後に1句市民より 警官多けりゃ 事件なし

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理想の年収額は2,000万円以上

 ケアネットでは、5月30日(木)~6月3日(月)に会員医師1,000人(各年代200人ずつ)を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で、自身の業務内容・仕事量に見合うと思う年収額について尋ねたところ、現在の年収帯と同じ年収帯を回答する医師が多かった。また、全年収別で最も回答数が多かった年収帯は2,000~2,500万円(46%)であった。 実年収と自身の考える適正年収についての質問では、600万円未満では「現状と同額と回答」と「現状より高い金額を回答」がほぼ拮抗していたものの、600万円~2,000万円までの各項目では、「現状より高い金額を回答」が6割以上を占め、2,000万円以上から現状と同額またはそれより低い金額と回答する会員医師が約6割以上を占めた。 年代別では、35歳以下では1,400~1,600万円(16%)という回答が最も多かったが、36歳以上では各年代とも2,000~2,500万円という回答が最多であった(36~45歳:22%、46~55歳:23%、56~65歳:22%、66歳以上:14%)。 上記のほか、男女別、病床数別、勤務先別、診療科別で集計したグラフについても、以下のページで発表している。

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統合失調症における抗精神病薬減量モデル~パイロット研究

 精神科医と統合失調症患者は、再発することを恐れ、抗精神病薬の減量をためらっているのではないか。このようなジレンマの克服を目的とし、米国・ニューヨーク州立大学バッファロー校のChisa Ozawa氏らは、個々の患者のドパミンD2受容体占有率に対応した経口投与量を算出するモデルを開発した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2019年6月10日号の報告。 本パイロット研究では、リスペリドンまたはオランザピンの単剤治療で臨床的に安定している統合失調症患者35例を対象に、減量群(17例)または維持群(18例)にランダムに割り付けた。減量群では、モデルを使用してランダムに収集した血漿濃度から算出したトラフ値D2占有率65%に対応するよう、抗精神病薬の減量を行った。 主な結果は以下のとおり。・投与量は、減量群においてリスペリドン4.2±1.9mg/日から1.4±0.4mg/日へ、オランザピン12.8±3.9mg/日から6.7±1.8mg/日へ減量した。維持群では、リスペリドン4.3±1.9mg/日、オランザピン15.8±4.6mg/日であった。・試験完了患者は、減量群で12例(70.5%)、維持群で13例(72.2%)であった(p=0.604)。臨床的な悪化が認められ脱落した患者は、減量群で3例(18.8%)であったが、維持群では認められなかった。・両群間で陽性・陰性症状評価尺度PANSSスコアの変化に有意な差は認められなかったが、臨床全般印象度(CGI-S)の陽性症状サブスコアで差が認められた(減量群:0.4±0.7、維持群:-0.1±0.7、p=0.029)。 著者らは「本モデルを用いた抗精神病薬の減量戦略は、脱落率の点では維持群と同等であったが、安全性の観点については、さらなる検討が必要である」としている。

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FoundationOne CDx、エヌトレクチニブのコンパニオン診断として承認/中外

 中外製薬は、2019年6月27日、遺伝子変異解析プログラムFoundationOne CDx がんゲノムプロファイルに関し、ROS1/TRK阻害剤エヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)のNTRK融合遺伝子陽性の固形がんに対するコンパニオン診断としての使用目的の追加について、6月26日に厚生労働省より承認を取得したと発表。FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルは、NTRK融合遺伝子(NTRK1、NTRK2、NTRK3遺伝子と他の遺伝子の融合遺伝子)を検出することにより、エヌトレクチニブの適応判定補助を行う。エヌトレクチニブは、成人および小児の NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんに対する治療薬として本年6月18日に承認を取得している。 本プログラムは、米国のファウンデーション・メディシン社 により開発された、次世代シークエンサーを用いた包括的ながん関連遺伝子解析システムである。患者の固形がん組織から得られたDNAを用いて、324の遺伝子における置換、挿入、欠失、コピー数異常および再編成などの変異等の検出および解析、ならびにバイオマーカーとして、マイクロサテライト不安定性の判定や腫瘍の遺伝子変異量の算出を行う。また、国内既承認の複数の分子標的薬のコンパニオン診断として、適応判定の補助に用いることが可能である。FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル、コンパニオン診断の適応 [EGFRエクソン19 欠失変異及びエクソン21 L858R変異]  がん種:非小細胞肺がん  関連する医薬品:アファチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ [EGFRエクソン 20 T790M変異]  がん種:非小細胞肺がん  関連する医薬品:オシメルチニブ [ALK融合遺伝子]  がん種:非小細胞肺がん  関連する医薬品:アレクチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ [BRAF V600Eおよび V600K変異]  がん種:悪性黒色腫  関連する医薬品:ダブラフェニブ、トラメチニブ、ベムラフェニブ [ERBB2コピー数異常(HER2遺伝子増幅陽性)  がん種:乳がん トラスツズマブ [KRAS/NRAS野生型]  がん種:直腸・結腸がん  関連する医薬品:セツキシマブ(遺伝子組換え)、パニツムマブ(遺伝子組換え) [NTRK1/2/3融合遺伝子]  がん種:固形がん  関連する医薬品:エヌトレクチニブ

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HIV感染リスク、避妊法間で異なるのか?/Lancet

 安全で避妊効果が高い3種類の避妊法(メドロキシプロゲステロン酢酸筋注デポ剤[DMPA-IM]、銅付加子宮内避妊器具[銅付加IUD]、レボノルゲストレル[LNG]インプラント)について、HIV感染リスクの差は実質的には認められないことが、米国・ワシントン大学のJared M. Baeten氏らEvidence for Contraceptive Options and HIV Outcomes(ECHO)試験コンソーシアムによる、アフリカ4ヵ国12地点で行われた無作為化多施設共同非盲検試験の結果、明らかにされた。これまでの観察研究や実験研究で、一部のホルモン避妊薬、とくにDMPA-IMは女性のHIV感染性を増す可能性が示唆されていたが、今回の試験において、対象集団のHIV感染率は3群ともに高かった。著者は、「アフリカの女性への避妊サービス提供では、併せてHIV予防を行うことが必須であることが明示された」と述べ、「今回の結果は、3種類の避妊法へのアクセス継続および増大を支持するものであった」とまとめている。Lancet誌オンライン版2019年6月13日号掲載の報告。DMPA-IM vs.銅付加IUD vs.LNGインプラントの3つの方法を比較 研究グループは、アフリカ大陸サハラ以南のHIV感染率の高い地域に居住し効果的な避妊を希望する女性における、DMPA-IM、銅付加IUD、LNGインプラントの3つの方法を比較する検討を行った。 試験は、エスワティニ(1地点)、ケニア(1)、南アフリカ共和国(9)、ザンビア(1)の4ヵ国12地点で行われた。包含対象は、効果的な避妊を希望する16~35歳のHIV血清陰性の女性で、試験避妊法(DMPA-IM、銅付加IUD、LNGインプラント)に対する医学的な禁忌がなく、過去6ヵ月間にいずれの試験避妊法も行っていないと申告し、いずれかの試験避妊法を18ヵ月間受けることに同意した者とした。 被験者は、DMPA-IM群(150mg/mLを3ヵ月ごと)、銅付加IUD群、LNGインプラント群に無作為に1対1対1の割合で割り付けられた(無作為化ブロックは15~30、試験地点で層別化)。割り付けにはオンライン無作為化システムが用いられ、各地点で試験スタッフによって無作為化が行われた。 主要評価項目は、修正intention-to-treat(ITT)集団(登録時にHIV陰性であり少なくとも1回のHIV検査を受けている、無作為化された全被験者)におけるHIV感染症の発生であった。安全性の主要評価項目は、18ヵ月時点の試験終了受診までに報告されたあらゆる重篤な有害事象、または結果として試験避妊法が中断となったあらゆる有害事象で、登録・無作為化された全被験者について評価した。各避妊法の100人年当たり感染率、4.19 vs.3.94 vs.3.31 2015年12月14日~2017年9月12日に、7,830例が登録され、7,829例が無作為化を受けた(DMPA-IM群2,609例、銅付加IUD群2,607例、LNGインプラント群2,613例)。7,715例(99%)が修正ITT集団に包含された(DMPA-IM群2,556例、銅付加IUD群2,571例、LNGインプラント群2,588例)。 フォローアップ期間1万409人年中に9,567例(92%)が試験避妊法を受け、HIV感染症は397例で発生した(100人年当たり3.81[95%信頼区間[CI]:3.45~4.21])。それぞれDMPA-IM群は143例(36%、100人年当たり4.19[95%CI:3.54~4.94])、銅付加IUD群138例(35%、3.94[3.31~4.66])、LNGインプラント群116例(29%、3.31[2.74~3.98])であった。 修正ITT解析におけるDMPA-IM群のHIV感染のハザード比(HR)は、銅付加IUD群との比較において1.04(96%CI:0.82~1.33、p=0.72)、LNGインプラント群との比較においては1.23(0.95~1.59、p=0.097)であった。また、銅付加IUD群の同HRは、LNGインプラント群との比較において1.18(0.91~1.53、p=0.19)であった。 試験期間中に12例が死亡した。6例がDMPA-IM群、5例が銅付加IUD群、1例がLNGインプラント群であった。 重篤な有害事象の発現は、DMPA-IM群49/2,609例(2%)、銅付加IUD群92/2,607例(4%)、LNGインプラント群78/2,613例(3%)であった。結果として試験避妊法が中断となった有害事象の発現は、DMPA-IM群109例(4%)、銅付加IUD群218例(8%)、LNGインプラント群226例(9%)であった(DMPA-IM群vs.銅付加IUD群のp<0.001、DMPA-IM群vs.LNGインプラント群のp<0.001)。 懐妊は255例で報告され、内訳はDMPA-IM群61例(24%)、銅付加IUD群116例(45%)、LNGインプラント群78例(31%)であった。なお、そのうち181例(71%)が試験避妊法中断後の懐妊であった。

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心筋梗塞疑いへの高感度トロポニン検査値、どう読み解く?/NEJM

 心筋梗塞を示唆する症状を呈する救急受診患者への高感度トロポニン検査のデータから、より正確に診断・予後情報を読み解くためのリスク評価ツールが、ドイツ・ハンブルグ大学心臓センターのJohannes T. Neumann氏らにより開発された。同検査データは、心筋梗塞である確率と、その後30日間のアウトカムの推定に役立つ可能性が示されていた。今回開発されたリスク評価ツール(「救急受診時[1回目]の高感度トロポニンIまたはトロポニンT値」「その後2回目採血までの同値の動的変化値」「2回の採血の間隔」を統合)は、それら診断・予後の推定に有用であることが示されたという。NEJM誌2019年6月27日号掲載の報告。診断・予後能が高い検査値・変化値・検査間隔の組み合わせを探る 研究グループは、心筋梗塞を示唆する症状を呈する救急部門の受診患者を登録した15の国際コホートにおいて、受診時(1回目)およびその後早期または後期(2回目)に、高感度トロポニンI値または高感度トロポニンT値を測定した。複合的な高感度トロポニンカットオフ値の組み合わせについて、開発・検証デザイン法を用いて診断および予後のパフォーマンスを評価した。 これらのデータを基に、指標の心筋梗塞およびその後30日間の心筋梗塞の再発または死亡のリスクを推定するリスク評価ツールを開発した。6ng/L未満、45~120分後の絶対変化4ng/L未満なら、99.5%心筋梗塞ではない 2万2,651例(開発データセット群9,604例、検証データセット群1万3,047例)における、心筋梗塞の有病率は15.3%であった。 1回目の高感度トロポニン検査値が低値で、2回目までの同値の絶対変化が小さい場合は、心筋梗塞である確率は低く、心血管イベントの短期的リスクは低いことと関連していた。たとえば、高感度トロポニンI値6ng/L未満、2回目採血が45~120分後(早期群)で絶対変化は4ng/L未満の場合、心筋梗塞の陰性適中率は99.5%であり、その後30日間の心筋梗塞または死亡のリスクは0.2%であった。なお、全被験者のうち56.5%が、低リスク群に分類された。 これらの所見は、拡大検証データセットにおいても確認された。

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第16回 カラダにいい油を使うための基本 保存方法【実践型!食事指導スライド】

第16回 カラダにいい油を使うための基本 保存方法医療者向けワンポイント解説「油は無色透明で常温にずっと置いていても変化しない」と思っている方は多くいます。実際には賞味期限もあり、空気や光などによって酸化が進みます。食用植物油脂の酸化レベルについては、「食用植物油脂の日本農林規格」(農林水産省)の規格があります。(図)食用植物油脂の酸価規格一覧表画像を拡大するIOC(International Olive Council:国際オリーブ協会)では、オリーブオイルの酸度*に対する規定があり、エキストラバージンオリーブオイルは、酸度が0.8%以下、精製オリーブオイルは酸度0.3%以下、オリーブオイル(国内でピュアオリーブオイルと呼ばれるもの)は酸度1%以下とされています。また、即席めんについても日本農林規格によるとフライめんの酸価*2は1.5以下となっています。また、『食品、添加物等の規格基準』(昭和34年厚生省告示第370号)では、「即席めん類(めんを油脂で処理したものに限る)は、めんに含まれる油脂の酸価が3を超え、又は過酸化物価が30を超えるものであってはならない」とされています。こうした規格のある油脂ですが、購入までの経路や自宅での保管方法によって酸化は進んでいきます。酸化した油脂は、体内で細胞を傷つけ、過酸化脂質を作る原因となります。カラダにいい油を選ぶことも大切ですが、油脂の酸化を抑えることも、食用油の上手な使い方になります。*:酸度(%):国際オリーブ協会(IOC)の規格。オリーブオイル100g中の遊離脂肪酸の割合*2:酸価(mg):油脂1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するために必要な水酸化カリウム量のmg数◆油脂の酸化原因1)酸素に触れる空気に触れることで、酸素と油脂が結合して酸化していきます。ふたをきちんと閉めていない、または容器の中に空気が十分にある状態、密閉容器ではなく栓がコルクなどの場合は、酸化が進みやすくなります。2)光に当てる太陽の光だけではなく、蛍光灯の光でも酸化が促進します。日中に日当たりのよいキッチンはもちろん、室内に常に置かれている状態では酸化が進みます。3)加熱をする高い温度で加熱をし続ければ、より酸化速度が早くなります。また、揚げ油などを繰り返し使うことで酸化が進むだけではなく、油の粘性が増し、新しい油よりも多くの油脂を揚げ物に付着させてしまう原因にもなります。室内への常置による温度変化も酸化原因のひとつです。4)水分水分や異物を含むことでも酸化は進みます。香り付けや味付けに、にんにくやローズマリー、唐辛子などの食材を加えた加工油などは早めに使うことが大切です。5)保存容器金属イオンも油脂の酸化を促進させます。銅、鉄、マンガン、クロム、ニッケル、コバルトなど。ステンレス製のものは日光や酸素を遮断しやすく、最近ではオリーブオイルなどに多く採用されています。家庭ではどのように食用油を保存するべきか1)冷蔵庫に保存する光が当たらず常に低温に保てる冷蔵庫は、食用油を保存するのに最適です。食用油脂の場合、開封前は棚の中など冷暗所にしまい、開封後は冷蔵庫への保存がオススメです。2)色付きの油は遮光瓶を選ぶオリーブオイルやグレープシードオイルなど、クロロフィルなどの色がある油は、光によってより酸化が進みやすくなります。遮光瓶に入った油脂を買う、透明のボトルの場合にはアルミ箔を巻くことで紫外線をある程度遮断することができます。3)加熱を繰り返さない揚げ油をこして何度も繰り返し利用する方も多いですが、加熱を繰り返すことで、酸化は進みます。こした油が透明になったとしても中の食品カスなど不純物が取り除かれただけであり、酸化状態は戻りません。揚げ油は、長時間の高温は避けること、なるべく毎回新しい油を利用することがオススメです。酸化スピードを見た場合、エキストラバージンオリーブオイルは最初の酸度は高めですが、長時間にわたって、酸度が上がりづらいことが実験でわかっています。揚げ物に、エキストラバージンオリーブオイルなどもオススメです。

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IV期でも積極的な局所治療を?―オリゴメタ症例に対する治療戦略【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第8回

第8回 IV期でも積極的な局所治療を?―オリゴメタ症例に対する治療戦略1)Palma DA, et al. Stereotactic ablative radiotherapy versus standard of care palliative treatment in patients with oligometastatic cancers (SABR-COMET): a randomised, phase 2, open-label trial. Lancet. 2019;393:2051-2058.2)P Iyengar, et al. Consolidative radiotherapy for limited metastatic non-small-cell lung cancer: a phase 2 randomized clinical trial. JAMA Oncol. 2018 Jan 11.[Epub ahead of print]3)Gomez DR, et al. Local Consolidative Therapy Vs. Maintenance Therapy or Observation for Patients With Oligometastatic Non-Small-Cell Lung Cancer: Long-Term Results of a Multi-Institutional, Phase II, Randomized Study. J Clin Oncol. 2019;37:1558-1565.IV期NSCLCに対する局所治療(放射線照射や外科切除)は症状緩和が主な目的のため、無症状の時点で積極的に考慮される事はなかった。しかし近年、腫瘍量の少ない「オリゴメタ」に対する早期の局所治療が生存期間延長に寄与するのでは?という報告が相次いでいる。最近の主要な報告を概説する。1)についてSABR-COMET試験は欧州を中心に行われた無作為化第II相試験(SABR vs.経過観察)。「オリゴ」の定義は、転移巣が5つ以下(1臓器3個以下)で、全ての転移巣にSABR可能なもの。脳転移症例は除外されている。SABRは30-60Gy/3-8frs、状況によって単回照射も許容された。照射前後4週間の化学療法は休止が必須とされた。99例が登録され、乳がん・大腸がん・肺がんが各18例。16例登録された前立腺がんについては、14例がSABR群と偏りが大きい。登録症例の約80%は転移巣1~2個と、腫瘍量はかなり少なそう。主要評価項目であるOSはSABR群41ヵ月 vs.観察群28ヵ月と有意にSABR群で良好であった。PFSも12ヵ月 vs.6.0ヵ月とSABR群で良好であった。QOL評価としてFACT-Gが用いられているが、両群で有意差はなし(QOLが同等であった、というよりはFACT-GがQOL指標として適切でなかった可能性がある)。SABR群における治療関連死が3例(4.5%)に生じている(肺臓炎・肺膿瘍など)。2)について米国単施設における無作為化第II相試験(SABR vs.経過観察)。NSCLCのみ(遺伝子変異陽性例は除く)を対象とし、プラチナ併用後の維持療法にSABR追加の有無を比較している。免疫治療は含まれていない。「オリゴ」の定義は転移巣が5つ以下(肺・肝臓の転移は3個以内)とされ、未治療もしくは活動性の脳転移は不適格とされている。SABRは単回照射(21-27Gy)、26.5-33Gy/3frs、30-37.5Gy/5frs。状況によって、45Gy/15frsなども許容された。29例登録時点で有効中止となった(当初目標は36例)。主要評価項目であるPFSはSABR群9.7ヵ月 vs.3.5ヵ月。OSは未報告。治療関連死は認めなかったが、SABR群の4例(約30%)でgrade 3の有害事象を認めている(2例は呼吸器関連との事だが、詳細な情報は不明)。3)について米国を中心とした3施設での無作為化第II相試験。2016年にLancet Oncology誌に報告された内容のアップデート。NSCLCのみを対象とし、遺伝子変異陽性例は許容されている。「オリゴ」の定義は、転移巣が3つ以下。脳転移は既治療であれば適格。照射もしくは外科切除は無作為化時点で残存するすべての病変(原発巣を含む)に行われた。局所治療として外科切除を含んでいる点が前述した2つの試験と異なる。本試験も49例が無作為化された時点で有効中止となった(当初目標は94例)。主要評価項目であるPFSはSABR群14.2ヵ月 vs.4.4ヵ月。今回のアップデートで報告されたOSは41.2ヵ月 vs.17.0ヵ月。遺伝子変異以外の臨床背景(転移個数、初回化学療法の効果、N因子、脳転移の有無)はOSに影響せず。SABR群で4例(17%)がgrade 3以上の治療関連有害事象を発症している(食道炎2例(ともに入院が必要)、脾臓への照射に伴う貧血1例、肋骨骨折1例)。解説このところ、オリゴメタに対する臨床試験が立て続けにBig Journalに掲載されており、ニッチな対象ながら注目を集めている。ただ、いずれも様々な問題点を孕んでおり、現時点で日常臨床を変えるには至っていないというのが正直なところである。最も重要なポイントは「オリゴメタ」の定義・介入内容が試験によってまちまちであること。ちょうどJournal of Thoracic Oncology誌にオリゴメタに関するシステマティックレビューが掲載されているが(GiajLevra N, et al. J Thorac Oncol.2019 Jun 10. [Epub ahead of print])、この中でも定義の明確化(転移個数、臓器辺りの転移数のみならず、縦隔リンパ節の取り扱いも試験によって異なるとの事)が問題点として挙げられている。次に、これらはいずれも第II相試験であること、2)、3)は早期有効性中止となった試験ではあるが、主要評価項目はいずれもPFSであったことが挙げられる。1)はOSを主要評価項目としているものの、試験治療群に予後の良い前立腺がんが偏っていたり、乳がん、NSCLCについてもそのサブタイプが明確にされていないなどの問題がある(学会発表の際には前立腺がんを省いた解析が行われているようであるが、論文でははっきりしない)。最後に、IV期NSCLCでこの治療戦略を臨床導入する上での懸念事項を挙げる。IV期NSCLCの治療成績は近年、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤の導入によって飛躍的に向上した。今回紹介したオリゴメタに対する試験治療の成績は、これら新規薬剤の影響をほぼ受けていないにも関わらず非常に良好であり注目に値する。一方で、あくまで症状緩和・延命が最終目標であるにも関わらず、肺臓炎をはじめとする有害事象の増加は認容性に疑問を残す(新規薬物療法の多くが毒性が比較的軽いことと対照的)。進行期肺がんにおける積極的な局所治療はこれまでさまざまな点で失敗してきた。進展型SCLCでは予防的全脳照射は定期的な頭部画像検査に劣るという結果であったし(Takahashi T, et al. Lancet Oncol.2017; 18:663-671.)、III期NSCLCにおける化学放射線療法で検討された線量増加は、第II相試験では非常に有望視されたにも関わらず第III相試験では無効中止という結果に終わった(RTOG0617試験)。とくに放射線治療に関しては、参加施設が大幅に拡大される第III相試験においてこういった状況が得てして起こりうるようである。オリゴメタに対する局所治療戦略を成功させるためには、臨床医の納得しうる対象集団の定義づけ・適切な対照群設定(ランダム化)が重要と思われる。なお海外では既に第III相試験が開始されており、この結果が今後の標準治療を決めるのみならず、対象集団の定義についても重要な方向性を示すと思われる。

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ビンダケル:世界初のトランスサイレチン型心アミロイドーシス治療薬

ATTR-心アミロイドーシスとは?トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-心アミロイドーシス)は、4量体タンパク質であるトランスサイレチン(TTR)が加齢や遺伝変異により単量体に解離して変性し、形成されるアミロイド線維が心筋に沈着することで不整脈や心不全を引き起こす疾患である。その正確な患者数はわかっていないが、拡張障害心不全を発症している患者の10%以上が罹患しているという報告もある。さらに、ATTR-心アミロイドーシスの発症・進展は老化との関連が明らかになっており、超高齢化社会においては患者数の増加が予想されている。有効な治療法は開発されておらず、対症療法しか行われていなかった。そのような状況の中、2019年3月、世界初のATTR-心アミロイドーシスの治療薬として、ビンダケル(一般名:タファミジスメグルミン)が承認された。TTR-FAPの末梢神経障害進行抑制治療薬としてはすでに承認ビンダケルは血漿中に4量体として存在するTTRに結合して単量体への解離を抑制し、安定化させることで、アミロイド線維の形成や組織への沈着を抑制する。2013年から、難治性神経疾患であるトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(TTR-FAP)の末梢神経障害の進行抑制の治療薬として発売されていた。ATTR-心アミロイドーシス患者の全死亡および心血管事象関連の入院を減少ATTR-心アミロイドーシス患者を対象としたATTR-ACT試験において、タファミジスメグルミンは、全死亡および心血管事象に関連する入院の減少に対して有効性を示した。ATTR-ACT試験は多施設国際共同、二重盲検プラセボ対照・無作為化3群間比較臨床で行われた。ATTR-心アミロイドーシス患者441例を対象に、1日1回80mgまたは20mgのタファミジスメグルミンを経口投与し、有効性、安全性および忍容性をプラセボと比較評価した。その結果、タファミジスメグルミン投与群では、プラセボ群と比較して、30ヵ月間の全死亡と心血管事象に関連する入院頻度が有意に減少した(p=0.0006)。さらに、タファミジスメグルミン投与群ではプラセボ群と比較して、全死亡(30ヵ月時の生存割合)と1年当たりの心血管事象に関連する入院頻度ハザード比はそれぞれ0.70(95%信頼区間:0.51~0.96)、0.68(95%信頼区間:0.56~0.81)と、どちらも有意に減少することが認められた。ATTR-心アミロイドーシスに対するビンダケルの投与条件ATTR-心アミロイドーシスに対してビンダケルを投与する場合には、適正使用の観点から患者要件、医師要件、施設要件が定められ、これらすべての要件を満たすことがビンダケル投与の条件とされている。2019年6月の時点では、これらの要件を満たす施設は、数十施設と予想されている。今後のATTR-心アミロイドーシス診療への期待従来、ATTR-心アミロイドーシスは診断をしても有効な治療法がなく、関心が高いとはいえない疾患であった。しかしビンダケルの登場により、医療者の関心は確実に高まりつつある。そして、まったく新しいATTR-心アミロイドーシス診療が始まることが期待されている。

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イベニティ:骨吸収抑制作用と骨形成促進作用を併せ持つ骨粗鬆症治療薬

世界初の製造販売承認を取得イベニティは、骨形成促進作用を持つヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤であり、2019年1月、骨折の危険性の高い骨粗鬆症の治療薬として、世界に先駆けて日本で製造販売の承認を取得した。骨粗鬆症治療における課題骨粗鬆症による脆弱性骨折は、世界的に増加しており、高齢化の進展にともない今後も増え続けると予測されるが、骨粗鬆症の診断や治療は十分に普及していない。とくに骨折を起こした患者の多くが、診断や治療を受けていないと推測されている。適切な治療を受けなければ、これらの患者は将来、痛みをともない日常生活に支障を来す骨折のリスクが残る。イベニティのdual effectと簡便性スクレロスチンは骨細胞から分泌され、骨芽細胞による骨形成を抑制するとともに、破骨細胞による骨吸収を刺激する。イベニティは、スクレロスチンに結合してこれを阻害することで、骨形成促進と骨吸収抑制の両方の作用を発揮する(dual effect)。これにより、海綿骨と皮質骨の骨量が急速に増加して骨密度(BMD)が増加し、骨の構造と強度が向上して骨折リスクが低下すると考えられている。また、本薬の用法用量は、1ヵ月に1回210mg(シリンジ2本)、12ヵ月間皮下注と従来の骨形成促進薬と比較して簡便な点も特徴である。テリパラチドと比較して新規椎体骨折を有意に抑制イベニティの重要な第 III 相臨床試験として、FRAME試験、STRUCTURE試験、ARCH試験などが挙げられる。FRAME試験は、閉経後骨粗鬆症女性患者7,180例を対象にイベニティを12ヵ月間投与した後デノスマブを12ヵ月投与する群と、プラセボを12ヵ月投与した後デノスマブを12ヵ月投与する群を比較した。その結果、新規椎体骨折の発生率は、12ヵ月時(イベニティ群0.5% vs. プラセボ群の1.8%、p<0.001)および24ヵ月時(0.6% vs. 2.5%、p<0.001)のいずれにおいても、イベニティ群が有意に低かった。STRUCTURE試験は、ビスホスホネート薬による治療経験のある閉経後骨粗鬆症女性患者436例を対象に、イベニティを月1回投与する群と、テリパラチド1日1回12ヵ月間投与する群を比較した。その結果、大腿骨近位部の骨密度は、6ヵ月時(イベニティ群2.3% vs. テリパラチド群 -0.8%、p<0.001)および12ヵ月時(2.9% vs. -0.5%、p<0.001)のいずれにおいても、イベニティ群が有意に高かった。なお、骨折の危険性の高い閉経後骨粗鬆症患者を対象に、イベニティもしくはアレンドロネートを12ヵ月間投与した後、両群ともにアレンドロネートによる継続治療を行ったARCH試験では、12ヵ月時点の「重篤な心血管系有害事象」の発現率が、アレンドロネート単独群で1.9%、イベニティ群で2.5%と不均衡が認められている。そのため、イベニティの使用にあたっては、ベネフィットとリスクを十分に理解した上で、適応患者の選択が重要と考えられている。今後の骨粗鬆症診療への期待骨形成促進作用と骨吸収抑制作用のdual effectを特徴とする本薬の登場により、骨粗鬆症の治療は大きく変化することが予想されている。とくに骨折の既往のある骨粗鬆症の患者において、次の骨折を起こすリスクを軽減する可能性があり、期待を集めている。今後は、骨粗鬆症の最適な治療戦略を確立するために、イベニティ+デノスマブ維持療法など、さまざまなアプローチの検討が進められると考えられる。

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キムリア:CAR-T細胞療法

国内初のCAR-T細胞療法が登場国内初のキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)療法として、2019年3月、キムリア(一般名:チサゲンレクルユーセル)が承認された。対象疾患は、再発または難治性のCD19陽性B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)およびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。アンメット・ニーズが高い再発・難治性 ALL / DLBCL急性リンパ芽球性白血病(ALL)は、小児がんの中で最も高頻度にみられ、本邦における患者数は約5,000例であり、このうち約20%が再発する。再発・難治性B細胞性ALL(B-ALL)の治療では、化学療法、放射線療法、同種造血幹細胞移植などが行われるが、これらが無効となった場合の予後は不良である。また、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、本邦の非ホジキンリンパ腫の約30〜40%を占め、患者数は約21,000例と推定される。患者の約3分の1は1次治療が奏効せず、再発・難治性へと移行し、2次治療以降は自家造血幹細胞移植かサルベージ化学療法しかなく、移植が適応外または移植後1年以内の再発・難治性例の予後は不良である。B-ALL・DLBCL診療におけるキムリアの役割キムリアは、個々の患者のT細胞を遺伝子導入により改変し、体内に戻すことで、CD19を細胞表面に発現するB細胞性の腫瘍(B-ALL、DLBCL)を認識して攻撃するがん免疫細胞療法である。患者のT細胞の採取には、白血球アフェレーシスと呼ばれる血液濾過法が用いられる。採取されたT細胞は、がん細胞などの表面に発現しているCD19抗原を特異的に認識するように、遺伝子導入によって改変される(CAR-T細胞)。CAR-T細胞は、患者血液内で増殖するため、継続的な投与を必要とせず、投与は1回のみである。B-ALLにおける全寛解率/DLBCLにおける奏効率を達成承認の根拠となったのは、2つの国際多施設共同第II相試験(ELIANA試験、JULIET試験)である。ELIANA試験の対象は、再発・難治性のCD19陽性B-ALLの小児/若年成人患者であった。主要評価項目の全寛解率(完全寛解[CR]または血球数回復が不十分な完全寛解[CRi])は、中間解析時で82.0%(41/50例、98.9%信頼区間[CI]:64.5〜93.3%)、主解析時では寛解達成例における寛解持続期間の中央値は未到達(追跡期間中央値: 9.92か月)であり、持続する寛解が得られている。最も頻度が高い副作用はサイトカイン放出症候群(CRS)(77%、58/75例)で、重篤なCRS は 63%(47/75例) に発現したが、CRSによる死亡例はなかった。JULIET試験の対象は、再発・難治性のCD19陽性DLBCLの成人患者。主要評価項目の奏効率(完全奏効[CR]または部分奏効 [PR])は、中間解析時で58.8%(30/51例、99.06%CI: 39.8〜76.1%)、追加解析時では奏効例における奏効持続期間の中央値は未到達(追跡期間中央値: 13.9か月)であり、持続する奏効が得られた。最も高頻度の副作用はCRS(58%、57/99例)で、重篤なCRSは29%(29/99例)に認めたが、死亡例はなかった。今後のB-ALL・DLBCL診療への期待本薬は、治療選択肢が少なく、予後不良な再発・難治性CD19陽性B-ALL・DLBCLの新たな治療戦略として期待される。製造元のノバルティス社は、B-ALLとDLBCLを合わせて、最大で年間約250例の患者を想定している。

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コラテジェン:ヒト肝細胞増殖因子遺伝子治療薬

国内初の遺伝子治療薬が承認コラテジェン(一般名:ベペルミノゲン ペルプラスミド)は、ヒト肝細胞増殖因子(HGF)遺伝子治療薬であり、国内初の遺伝子治療薬である。2019年3月、「標準薬物治療の効果が不十分で、血行再建術が難しい慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症・バージャー病)における潰瘍の改善」を効能・効果とする再生医療等製品として承認を得た。慢性動脈閉塞症におけるアンメットニーズ閉塞性動脈硬化症は、下肢動脈の狭窄、閉塞により血流障害を来たし、歩行時の足のしびれや痛みなどさまざまな症状を引き起こす。バージャー病は、閉塞性血栓血管炎とも呼ばれ、四肢の主幹動脈に閉塞性の血管全層炎を来す疾患であり、とくに下肢動脈に好発して、虚血症状として間欠性跛行や安静時疼痛、虚血性皮膚潰瘍、壊疽を引き起こす。難病として国の特定疾患に指定され、特定のヒト白血球抗原(HLA)との関連が疑われるが正確な原因は不明であり、本邦の患者数は約7,000例と推計されている。閉塞性動脈硬化症の重症虚血肢においては、下腿~足部動脈の閉塞性病変に対するカテーテルによる血管内治療の成績は不良で、再治療が必要となる場合が多い。加えて、狭窄部位が広範囲にわたる場合や完全閉塞では適応となるものは少ない。また、バージャー病では、末梢ほど病変が強くなるため、血行再建術の開存率は不良で、それ自体が施行不可能な場合が多い。そのため、重症虚血肢において、潰瘍及び安静時疼痛を改善し、QOLを向上させる治療へのメディカルニーズは高いと考えられている。コラテジェンによる虚血症状改善のメカニズムコラテジェンは、HGFをコードする遺伝子(cDNA)を含む、5,181 塩基対からなるプラスミドDNAである。HGFは血管内皮細胞の増殖作用を有し、血管新生において重要な役割を果たす。コラテジェンを虚血病巣付近の筋肉内に投与すると、虚血肢の筋肉細胞内で転写・翻訳されてHGF を産生・分泌し、血管新生が促進されて虚血部位における血管数と血流が増加し、虚血症状が改善される。コラテジェンは閉塞性動脈硬化症/バージャー病による潰瘍を改善国内の閉塞性動脈硬化症を対象とする二重盲検比較試験(ASO第III相試験)、バージャー病を対象とする一般臨床試験(TAO一般臨床試験)、および両病態を対象とする臨床研究(先進医療B臨床研究)では、コラテジェン初回投与から12週後の評価対象潰瘍の完全閉鎖率は、閉塞性動脈硬化症で50.0%(7/14例)、バージャー病では60.0%(6/10例)であったのに対し、閉塞性動脈硬化症のみで検討されたプラセボ投与の完全閉鎖率は20.0%(1/5例)であった。また、閉塞性動脈硬化症とバージャー病を対象とする探索的な医師主導臨床研究(大阪大学臨床研究)では、2つの用量を投与し、12週後の潰瘍改善(潰瘍の長径が75%以下に縮小)の割合は63.6%(7/11例)であった。慢性動脈閉塞症に対するコラテジェンの投与条件今回の条件及び期限付承認では、1)重症化した慢性動脈閉塞症に関する十分な知識・治療経験を持つ医師のもとで、創傷管理を複数診療科で連携して実施している施設で本品を使用すること。2)条件及び期限付承認後に改めて行う本品の製造販売承認申請までの期間中は、本品を使用する症例 全例を対象として製造販売後承認条件評価を行うこと(目標症例数:本品投与群120 例、比較対照群80 例)。が承認の条件とされており、その期限は5年となっている。今後の慢性動脈閉塞症診療への期待重症下肢虚血の治療選択肢は少なく、本薬は新たな選択肢として期待される。また、本薬の臨床導入をきっかけに、さらなる遺伝子治療薬の開発が進展する可能性がある。なお、アンジェス社は、2019年5月、販売開始時期の延期を発表しており、現時点で発売時期は未定である。

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ロズリートレク:NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発固形がん治療薬

国内で2番目となるがん種を問わない抗がん剤の登場ROS1/TRK阻害薬ロズリートレクは、成人および小児のNTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんを対象とする臓器横断的ながんの分子標的薬であり、2019年6月、世界に先駆けて日本で製造販売承認を得た。本薬は、先駆け審査指定制度対象品目、希少疾病用医薬品の指定を受けていた。希少かつ臓器横断的に発生するNTRK融合遺伝子NTRK融合遺伝子は、NTRK遺伝子(NTRK1、NTRK2、NTRK3、それぞれTRKA、TRKB、TRKC蛋白質をコードする)と、他の遺伝子(ETV6、LMNA、TPM3など)が染色体転座を起こした結果として、融合して発現する異常な遺伝子である。NTRK融合遺伝子からつくられる融合TRKにより、がん細胞の増殖が促進されると考えられている。NTRK融合遺伝子の発生はきわめてまれであるが、成人や小児のさまざまな固形がんや肉腫などで確認されている。これまでにその発生が確認されたがん種としては、乳児型線維肉腫、神経膠腫、神経膠芽腫、びまん性橋グリオーマ、先天性中胚葉性腎腫、悪性黒色腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍(IMT)、子宮肉腫、その他の軟部腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、乳腺分泌がん、唾液腺分泌がん、原発不明がん、肺がん、大腸がん、虫垂がん、乳がん、胃がん、卵巣がん、甲状腺がん、胆管がん、膵臓がん、頭頸部がんなどが挙げられる。NTRK融合遺伝子陽性固形がんにおける奏功が認められるロズリートレクは、ROS1(c-rosがん遺伝子1)およびTRK(神経栄養因子受容体)ファミリーを強力かつ選択的に阻害する経口チロシンキナーゼ阻害薬であり、脳転移巣への効果も示唆されている。本薬は、ROS1およびTRKキナーゼ活性を阻害することにより、ROS1またはNTRK融合遺伝子を有するがん細胞の増殖を抑制する。また、本薬は、前治療後に病勢進行、または許容される標準治療がないNTRK融合遺伝子陽性の局所進行または遠隔転移を有する成人および小児の固形がんに対し、米国食品医薬品局(FDA)より画期的治療薬(breakthrough therapy)に、欧州医薬品庁(EMA)によりPRIME(PRIority MEdicines)に指定されている。今回の承認の根拠となったのは、主に非盲検多施設国際共同第II相臨床試験であるSTARTRK-2試験の成績である。本試験は、臓器を問わないバスケット試験として、NTRK融合遺伝子陽性固形がんの成人患者51例を対象に行われ、主要評価項目である独立評価委員判定による奏効率は56.9%(95%信頼区間: 42.3〜70.7)であった。また、小児の有効性評価は海外の第Ⅰ/Ⅰb相臨床試験であるSTARTRK-NG試験に登録されたNTRK融合遺伝子陽性の固形がん患者5例で行われ、主治医判定により4例(完全奏効1例[3歳の類表皮性膠芽腫]、部分奏効3例[4歳の高グレード神経膠腫、4歳の悪性黒色腫、4歳の乳児型線維肉腫])で奏効が得られた(残りの1例は0歳の乳児型線維肉腫で、判定は安定)。今後のNTRK融合遺伝子陽性進行・再発固形がん診療への期待ロズリートレクの登場は、治療選択肢の少ない希少ながん種に、新たな治療戦略をもたらす。本薬の製造販売元である中外製薬は、同社の次世代シークエンサーを用いた網羅的がん関連遺伝子解析システム「FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル」について、本薬のコンパニオン診断としての使用目的の追加に関する承認を取得している。今後、このような網羅的ゲノムプロファイリングの普及を通じて、がん領域におけるより高度な個別化医療がさらに進展すると考えられる。

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デュルバルマブの肺がんCCRT維持療法、3年後も一貫した効果(PACIFIC)/ASCO2019

 化学放射線同時併用療法(CCRT)を受けた切除不能Stage III非小細胞肺がん(NSCLC)を対象とした第III相PACIFIC試験において、デュルバルマブは無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)の有意な改善を示した。本年の米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)では、PACIFIC試験の3年OSデータが発表された。・対象:CCRT後に進行していない切除不能StageIII NSCLC患者・試験群:デュルバルマブ10mg/kg、2週ごと12ヵ月(473例)・対照群:プラセボ、2週ごと12ヵ月(236例)・評価項目:[主要評価項目]盲検独立中央評価委員会(BICR)判定によるPFS、OS[副次評価項目]死亡または遠隔転移までの時間、2回目の進行までの時間、安全性などCCRTの1~42日後に、被験者はデュルバルマブとプラセボに2対1に無作為に割り付けられた。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間の中央値は33.3ヵ月。・データカットオフ時(2019年1月31日)の死亡患者はデュルバルマブ群44.1%、プラセボ群56.5%であった。・最新のOS中央値はデュルバルマブ群未達(38.4~NR)、プラセボ群29.1ヵ月(22.1~35.1)と、以前の報告と一貫していた(HR:0.69、95%CI:0.55~0.86)。・12ヵ月OS率はデュルバルマブ群83.1%、プラセボ群74.6%、24ヵ月OS率は66.3%対55.3%、36ヵ月OS率は57.0%対43.5%であった。・後治療は、デュルバルマブ群の43.3%(9.7%が免疫療法)、プラセボ群の57.8%(26.6%が免疫療法)が受けていた。 著者らは、PACIFIC試験の最新OSデータは、CCRT後デュルバルマブの長期臨床的有益性を強調し、さらにこの集団における標準治療としてのPACIFICレジメンを確立するものだとしている。

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不眠症治療薬と自殺未遂リスク

 成人における慢性不眠症の薬理学的治療のためのガイドラインでは、エビデンスが不十分であるにもかかわらず、トラゾドンや他の適応外投与が一般的に行われているとされる。退役軍人保健局(VA)では、ベンゾジアゼピンやゾルピデムに加え、市販の鎮静性抗ヒスタミン薬、古い抗うつ薬などの安価な薬剤が大量に使用されている。これら薬剤の自殺行動に関する安全性の比較については、十分にわかっていない。米国・Canandaigua VA Medical CenterのJill E. Lavigne氏らは、VAにおいて、不眠症治療に一般的に使用されている薬剤の安全性について比較を行った。Journal of General Internal Medicine誌オンライン版2019年6月3日号の報告。 本研究は、傾向スコア一致サンプルを用いた効果比較研究である。対象は、初回薬物投与の12ヵ月前までに自殺念慮または自殺行動が認められず、不眠症治療薬未使用で不眠症を発症し、VAにおいて単剤治療を行った患者。薬物治療後、12ヵ月以内に多剤併用または切り替えを行った患者は除外した。VAでの処方およびデータを用いて、不眠症に対する薬理学的治療を特定した。すべての不眠症治療において、1%以上を占める薬剤は、トラゾドン200mg未満、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、ゾルピデム、ロラゼパム、ジアゼパム、temazepamであった。主要アウトカムは、初回薬物投与から12ヵ月以内の自殺未遂とした。 主な結果は以下のとおり。・基準を満たした患者34万8,449例を、ゾルピデムと一致した薬物クラスにより3つのバランスの取れたコホートを作成した。・投与量、メンタルヘルス健康歴、疼痛薬と中枢神経系薬の投与歴で調整した後、ゾルピデムと比較したハザード比は以下のとおりであった。●トラゾドン200mg未満(HR:1.61、95%CI:1.07~2.43)●鎮静性抗ヒスタミン薬(HR:1.37、95%CI:0.90~2.07)●ベンゾジアゼピン系薬(HR:1.31、95%CI:0.85~2.08) 著者らは「自殺未遂リスクは、トラゾドン200mg未満において、ゾルピデムと比較し、61%高かった。鎮静性抗ヒスタミン薬とベンゾジアゼピン系薬では、有意な差が認められなかった」としている。

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