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こんなにある子供の便秘サイン

 2018年3月18日、EAファーマ株式会社は、「大人が知らない『子供の慢性便秘症』の実態と世界標準へと歩み出した最新治療~便秘難民ゼロを目指して~」をテーマに、都内でプレスセミナーを開催した。 セミナーでは、子供が抱える「言うに言えない便秘の悩み」に大人がどう気付き、診療へ導くのか解説された。子供の5人に1人は便秘 セミナーでは、十河 剛氏(済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科)を講師に迎え、小児の便秘症について詳しくレクチャーを行った。 はじめに横浜市鶴見区で行われた調査報告を紹介。 3~8歳の子供3,595人に食事と排便に関するアンケート調査を行ったところ、718人(約20%)に慢性便秘症(ROMEIII診断基準による)がみられたという(全国平均では約15%)。とくに便秘の子供では、「便を我慢する姿勢や過度の自発的便の貯留の既往」「痛みを伴う便通の既往」「少なくとも週1回の便失禁」が散見されると報告した1)。 子供の便秘に関しては保護者の関心も高い一方で、しつけや教育の問題とされたり、周囲に相談できる人がいなかったり、かかりつけの医師に相談しても対症的な治療だけだったりと不安を訴える。また、子供たちは、友達から「臭い」と言われたり、恥ずかしくて言えなかったりと自尊心が傷つき行き場のない子供を診療で救う必要性があると同氏は問題を指摘する。気付きたい「便秘症」の症状 「便秘」について、その定義、診療はどのようにされるべきか。「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」(2014年)によれば、「便秘とは、便が滞った、または便がでにくい状態」と定義され、とくに小児では、排便時に肛門が痛く泣いたり、いきんでも排便ができない状態がみられる。ただ注意すべきは、「便秘」の認識は、個々人で異なるため排便の回数などで判断せず、同時に家族の状況も確認した方がよいと語る。 そして、便秘の症状として「腹痛、裂肛、直腸脱、便失禁、肛門周囲の付着便や皮膚びらん、嘔吐・嘔気、胃食道逆流・げっぷ・口臭、集中力低下、夜尿・遺尿」があり、いかに医療者が気付き、診療介入できるかが重要だと指摘する。 具体的に10歳・女児の症例を紹介。この症例では、「口臭、げっぷ、嘔吐、排便時間30分超」の症状がみられ、他科診療の折に同氏の診療科を受診、便秘症の診療にいたったという。X線検査では、直腸に便塞栓が観察され、大腸に大量の便が貯留していた。慢性便秘症と胃食道逆流症の診断後、プロトンポンプ阻害薬とポリエチレングリコール(PEG)製剤で治療を開始。19日後には、排便時間が10分以内になり、当初の症状も消失したという。 小児の便秘症を疑うポイントとして、前記便秘症状の中でも触れているが、溜まった便で膀胱が圧迫されることによる夜尿やおもらしが多く、便塞栓のために液便による便漏れやこれらに伴う肛門部のびらんなどがみられ、診断の手助けになると語った。小児にも適用できるようになったPEG製剤 小児が便秘症を発症しやすい時期として、「食事の移行期(離乳食から普通食など)」「トイレットトレーニング」「通学の開始」の3期があり、排便への恐れが子供にできないように、環境を整えることも重要と指摘する。 また、便秘症の「便塞栓」について詳説し、本症を疑うポイントとして、「少量の硬い便」「肛門周囲や下着への便の付着」「便がでにくいのに下痢便」「1週間近く排便がない」などが見られたら治療介入し、便秘症の悪循環を断ち切る必要があると強調する。 便秘症治療の三大原則としては、「便塞栓があればその除去の後で、薬剤、食事、生活習慣改善などの治療を行う」「外したフタ(便塞栓)は外したままにする」「便を我慢せず出しきる習慣を身に付ける」ことを説明。とくに排便習慣については、直腸の排便へのセンサーを正常化させることが大事で、また、排便の姿勢についても、自然に排便できるように洋式便座では踏み台などの設置も効果的という。 そして、これら治療を補助するために治療薬があり、「浣腸だけでなく新しい経口治療薬も小児には適用できるようになった」と説明する。現在、わが国では、乳児・幼児に対してラクツロース、酸化マグネシウムなどの浸透圧性下剤、グリセリン、ビサコジルなどの刺激性下剤が便秘に多用されている。また、2018年11月からようやくわが国でもPEG製剤(商品名:モビコール)が、2歳以上の小児に使用できるようになったこともあり、便秘薬の選択肢は増えつつあるという(参考までに、海外では便塞栓除去に浣腸だけでなく経口治療薬も選択肢に入っており、イギリスではPEG製剤が第一選択薬となっている2))。 臨床上、成人の便秘症は治療に難渋することがあるが、子供の便秘症では薬剤療法が奏功することもあり、早く介入することが重要と語る。治療の目標は、便秘ではない状態の維持であり、そのためには3~4年近く必要という。 最後に同氏は、子供のトイレ指導のコツについて、「25%できたら褒める」「小さいことから少しずつ」「できた行動に着目する」「具体的な指示をする」「一度に一つだけ指示をする」などを挙げ、「便秘難民がゼロ」になることを期待すると講演を締めた。■参考EAファーマ株式会社 イーベンnavi

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CABG施行中の揮発性麻酔薬、臨床転帰を改善するか/NEJM

 待機的冠動脈バイパス移植術(CABG)中の麻酔では、揮発性麻酔薬による吸入麻酔は、静脈麻酔薬のみを用いる全静脈麻酔と比較して、1年時の死亡を抑制しないことが、イタリア・IRCCS San Raffaele Scentific InstituteのGiovanni Landoni氏らが実施したMYRIAD試験で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年3月28日号に掲載された。CABG施行中の麻酔は、一般に全静脈麻酔または揮発性麻酔薬による吸入麻酔と静脈麻酔薬の併用で導入される。揮発性麻酔薬は心保護作用を有し、CABG施行患者の臨床転帰を改善する可能性が示唆されている。13ヵ国5,400例の単盲検無作為化試験 MYRIAD試験は、13ヵ国36施設が参加したプラグマティックな多施設共同単盲検無作為化試験であり、2014年4月~2017年9月に患者登録が行われた(イタリア保健省の助成による)。 待機的CABGを予定されている5,400例が、揮発性麻酔薬を含む術中麻酔レジメンを受ける群(2,709例、平均年齢62.2歳、女性19.2%)または全静脈麻酔を受ける群(2,691例、62.3歳、18.5%)に無作為に割り付けられた。 揮発性麻酔薬は、セボフルラン(83.2%)が最も多く使用され、次いでデスフルラン(9.2%)、イソフルラン(5.8%)の順であった。全静脈麻酔では、プロポフォール(87.7%)とミダゾラム(32.2%)の使用頻度が高かった。全体の64%でon-pump CABGが施行され、人工心肺を用いた平均時間は79分だった。術後1年時の全死因死亡:2.8% vs.3.0%、中間解析で無効中止を勧告 本研究は、2回目の中間解析時に、データ安全性監視委員会により、無効中止が勧告された。 主要評価項目である術後1年時の全死因死亡(5,353例[99.1%]のデータを使用)には有意差を認めなかった(揮発性麻酔薬群2.8% vs.全静脈麻酔群3.0%、相対リスク[RR]:0.94、95%信頼区間[CI]:0.69~1.29、p=0.71)。 また、術後30日時の全死因死亡(5,398例[99.9%]のデータを使用)にも有意な差はみられなかった(1.4% vs.1.3%、RR:1.11、95%CI:0.70~1.76)。ほかの副次評価項目(1年および30日時の心臓死、30日時の非致死性心筋梗塞と死亡の複合、フォローアップ期間中の再入院、集中治療室入室期間、入院期間)にも、有意な差はなかった。 プロポフォール注入症候群および悪性高熱症の報告はなかった。導入時のアレルギー反応が9例(揮発性麻酔薬群4例、全静脈麻酔群5例)で発現し、重度のプロタミン反応が5例(4例、1例)にみられた。術中に3例が心原性ショックで死亡した。心筋梗塞を含め、ほかの事前に規定された有害事象の頻度は、両群で差はなかった。 著者は、これらの結果に影響を及ぼした可能性のある要因の1つとして、多くの既報の試験とは異なり、off-pump CABGを受けた患者が約3分の1含まれた点を挙げている。

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第8回 肝硬変で同時施行の検査が査定/脳性Na利尿ペプチド検査の回数制限/アムロジンの添付文書外処方で査定/筋筋膜性腰痛症の治療で査定【レセプト査定の回避術 】

事例29 肝硬変で同時施行の検査が査定肝硬変で、「プロトロンビン時間(PT)」と「トロンボテスト」の検査を請求した。●査定点「トロンボテスト」が査定された。解説を見る●解説点数表の解釈では、「プロトロンビン時間(PT)とトロンボテストを同時に施行した場合は、主たるもののみ算定する」となっています。併用での2検査の請求はできないので注意が必要です。事例30 脳性Na利尿ペプチド検査の回数制限心不全の診断目的で、脳性Na利尿ペプチド(BNP)を月2回で請求した。●査定点脳性Na利尿ペプチド(BNP)1回分が査定された。解説を見る●解説点数表の解釈では、「脳性Na利尿ペプチド(BNP)は、心不全の診断又は病態把握のために実施した場合に月1回に限り算定する」となっています。なお、心不全の診断目的時には、他の検査として心電図や胸部画像診断も行われていないと査定の対象になります。事例31 アムロジンの添付文書外処方で査定高血圧症で、アムロジピン(商品名:アムロジン錠)10mg 1日2錠(朝・夕)で請求した。●査定点アムロジン錠10mg 1日1錠が査定された。解説を見る●解説添付文書の「用法・用量」には、「通常、成人にはアムロジピンとして2.5~5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減するが、効果不十分な場合には1日1回10mgまで増量することができる」となっています。アムロジン錠10mg 1日2錠は、過剰投与として査定されました。事例32 筋筋膜性腰痛症の治療で査定筋筋膜性腰痛症で、「消炎鎮痛等処置(1日につき)マッサージ等の手技による療法」と「腰部又は胸部固定帯固定(1日につき)」を請求した。●査定点「腰部又は胸部固定帯固定(1日につき)」が査定された。解説を見る●解説点数表の解釈では、「腰部又は胸部固定帯固定」に、「同一患者につき同一日において、腰部又は胸部固定帯固定に併せて消炎鎮痛等処置、低出力レーザー照射又は肛門処置を行った場合は、主たるものにより算定する」となっています。同日に、両処置の請求はできませんので注意が必要です。

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第32回 「処方見直しのプロセス」で1日11回の服用時点、どう見直す?【週刊・川添ラヂオ】

動画解説薬物療法適正化のため厚労省は平成30年に「処方見直しのプロセス」のフローチャートを示しました。チャートの一番上にある高齢患者の評価には内服薬のほか認知機能、ADL、薬剤の嗜好など多面的要素が示されています。処方見直しでは薬の数だけではなく、かかる医療機関の数や服用タイミングの回数など、患者さんの生活全体にかかわる検討が必須。1日11回もの服用時点があった患者さんの症例をもとにお話しします。

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熱血講義!心電図 匠が教える実践的判読法

心電図“以外”の情報も踏まえて心電図を読む―臨床で本当に使える判読法を伝えます心電図の達人とは、心電図だけですべてを語る人ではなく、心電図の異常所見を拾い上げたうえで、患者の訴えと他の所見を総合して病態を把握し、的確な治療につなげられる人のこと。「Vサイン! ABCDE法」をかけことばに、代表的な不整脈・波形異常から病態を考える熱血10講義をクリアすれば、臨床力アップは間違いなし。各章末の解説「小笹流 私はこう読む」でポイントを整理して「確認テスト(解答と解説つき)」を終えるころには、あなたも心電図が読みたくなっているはず。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。    熱血講義!心電図 匠が教える実践的判読法定価4,000円+税判型A5判頁数400頁発行2019年2月執筆杉山 裕章執筆協力小笹 寧子Amazonでご購入の場合はこちら

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低リスク大動脈弁狭窄症にバルーン拡張型弁のTAVRは有効か/NEJM

 手術死のリスクが低い重度の大動脈弁狭窄症患者の治療において、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は外科的大動脈弁置換術と比較して、1年時の死亡を含む複合エンドポイントが良好であることが、米国・Baylor Scott and White HealthのMichael J. Mack氏らが実施したPARTNER 3試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年3月16日号に掲載された。手術死のリスクが中等度~高度な患者では、これら2つの手技の主要アウトカムは同等とされるが、低リスク例におけるエビデンスは十分でないという。5ヵ国71施設が参加、非劣性を検証する無作為化試験 本研究は、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本の71施設が参加した多施設共同無作為化試験であり、2016年3月~2017年10月に患者登録が行われた(Edwards Lifesciencesの助成による)。 対象は、重度の石灰化大動脈弁狭窄症を有し、臨床的および解剖学的評価で手術死のリスクが低いと判定された患者であった。被験者は、経大腿動脈アプローチでバルーン拡張型大動脈弁を留置する群(TAVR群)または外科的大動脈弁置換術を行う群(手術群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、術後1年時の死亡、脳卒中、再入院の複合とした。事前に規定された非劣性マージン(95%信頼区間[CI]の上限6ポイント)を下回っている場合に非劣性と判定された。主要複合エンドポイント:8.5% vs.15.1%、優越性も確認 1,000例が登録され、950例(TAVR群496例、手術群454例)がas-treated集団に含まれた。ベースラインの全体の平均年齢は73歳、69.3%が男性で、米国胸部外科学会の予測死亡リスク(STS-PROM、0~100%、スコアが高いほど術後30日以内の死亡リスクが高い)の平均スコアは1.9%だった。 1年時の主要複合エンドポイントの発生率は、TAVR群が手術群に比べ有意に低く(8.5% vs.15.1%、絶対差:-6.6ポイント、95%CI:-10.8~-2.5)、95%CI上限が非劣性マージン6ポイントを下回ったため、TAVR群の手術群に対する非劣性が示された(非劣性:p<0.001)。ハザード比(HR)は0.54(95%CI:0.37~0.79、優越性:p=0.001)で、TAVR群の優越性も示された。 術後30日の時点で、TAVR群は手術群に比べ、脳卒中(0.6% vs.2.4%、HR:0.25、95%CI:0.07~0.88、p=0.02)、死亡または脳卒中の複合エンドポイント(1.0% vs.3.3%、HR:0.30、95%CI:0.11~0.83、p=0.01)、心房細動の新規発症(5.0% vs.39.5%、HR:0.10、95%CI:0.06~0.16、p<0.001)が有意に低かった。 また、TAVR群は、初回入院期間中央値が短く(3日vs.7日、p<0.001)、30日の時点の不良な治療アウトカム(死亡またはKansas City Cardiomyopathy Questionnaire[KCCQ]スコアが低値)の割合が低かった(3.9% vs.30.6%、p<0.001)。 安全性については、両群間で、重大な血管合併症、新規の恒久的ペースメーカー植え込み、中等度~重度の弁周囲逆流の発生率に有意な差はみられなかった。また、1年時の新規左脚ブロックの発生率はTAVR群のほうが高かった(23.7% vs.8.0%、HR:3.43、95%CI:2.32~5.08)が、生命に関わる出血や大出血の発生率は低かった(3.6% vs.24.5%、HR:0.12、95%CI:0.07~0.21)。 著者は、「今回は、1年という短い期間の結果であり、長期的な弁の構造的劣化の問題は評価していない。手術と比較したTAVRの利益と不利益に関する明確な結論を得るには長期のフォローアップを要し、本試験では少なくとも10年は臨床検査と心エコー検査を継続する予定である」としている。

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良性の卵巣腫瘍、保存的治療2年で自然消退2割、悪性化リスクは低い/Lancet Oncol

 付属器腫瘤は、産婦人科において最も頻繁に遭遇する疾患の1つといわれる。これまで長期追跡した大規模前向き研究はほとんどなかったが、ベルギー・ルーベン大学病院のWouter Froyman氏らが、国際共同前向きコホート研究「International Ovarian Tumor Analysis Phase 5:IOTA5」の中間解析を行い、超音波検査で最初に良性と診断された付属器腫瘤を保存的に治療しても悪性腫瘍や急性合併症の発生リスクは低いと報告した。卵巣腫瘍は多くの場合、合併症リスクのため外科的に切除されるが、「今回の結果は患者のカウンセリングに有用で、良性の付属器腫瘤に対する保存的治療を支持するものである」とまとめている。Lancet Oncology誌2019年3月号の掲載報告。 IOTA5研究の対象は、超音波検査後に手術または保存的治療が選択された1つ以上の付属器腫瘤を有する18歳以上の患者で、14ヵ国の36施設から連続的に登録された。 研究グループは今回、超音波画像の主観的評価に基づき最初に良性と診断され保存的治療が選択された患者について、追跡期間2年における付属器腫瘤の嚢胞合併症および悪性腫瘍の累積発生率を推定する目的で中間解析を行った。保存的治療では3ヵ月後、6ヵ月後、その後は12ヵ月ごとに超音波検査による臨床経過の観察が行われ、追跡調査は現在も進行中である。 中間解析の評価項目は、付属器腫瘤が新規に診断され登録された患者における腫瘤の自然消退、捻転または嚢胞破裂、あるいは手術で確認された境界型または浸潤性の悪性腫瘍の累積発生率であった。 主な結果は以下のとおり。・IOTA5研究には、2012年1月1日~2015年3月1日に、8,519例が登録された。・保存的治療が選択されたのは3,144例(37%)で、そのうち1,919例(74%)が、付属器腫瘤が新規に診断され登録された患者であった。・追跡期間中央値は27ヵ月。・1,919例における追跡期間2年の累積発生率は、腫瘤の自然消退20.2%(95%CI:18.4~22.1)、浸潤性悪性腫瘍0.4%(95%CI:0.1~0.6)、境界型腫瘍0.3%(95%CI:<0.1~0.5)、捻転0.4%(95%CI:0.1~0.7)、嚢胞破裂0.2%(95%CI:<0.1~0.4)であった。

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統合失調症入院患者における心血管イベント

 レバノン大学のGhina Al-Seddik氏らは、統合失調症患者における心血管(CV)および脳血管イベントと死亡率を評価するため、フラミンガムリスクスコア(FRS)および動脈硬化性疾患(ASCVD)のスコアによる予測能について比較を行った。International Journal of Psychiatry in Clinical Practice誌オンライン版2019年2月10日号の報告。 対象は、2013年1月から入院中の統合失調症患者329例。CVイベントを検出するため患者のカルテをレビューした。 主な結果は以下のとおり。・平均フォローアップ期間は41.07±12.55ヵ月であった。・フォローアップ期間中に29件のCVイベントが認められた。内訳は、心筋梗塞4件、脳卒中1件、心不全6件、CV死18件であった。・CVイベント発生率の主要複合アウトカムは9.0/100患者年、2次複合アウトカムは7.2/100患者年であった。・FRSスコアによる高CVR患者と低CVR患者の生存曲線の間には、有意な傾向が認められた(RR:1.90、p=0.078)。・ASCVDにより高CVリスクと分類された患者では、CV生存率の低下が認められた(RR:3.35、p=0.005)。 著者らは「重度の精神疾患患者の医学的評価では、ASCVDの評価を行うべきである」としている。■関連記事抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大統合失調症の心血管リスク、その出現時期は抗精神病薬間で虚血性脳卒中リスクに違いはあるか

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心房細動の男性、脳卒中なしでも認知症に注意

 心房細動は脳卒中リスクを増大させ、認知障害や認知症のリスクを増大させる。しかし最近、脳卒中でない場合でもこの関連を示唆するエビデンスが出てきている。そこで、スウェーデン・ヨーテボリ大学のLina Ryden氏らは、コホートから脳卒中患者を除外しなかった場合とした場合の心房細動と認知症発症との関連を調査し、さらに性別や遺伝的因子についても検討した。Journal of Internal Medicine誌オンライン版2019年3月2日号に掲載。 著者らは、ヨーテボリH70出生コホート研究の一環として、2000~01年、70歳の被験者561例について、身体的および神経精神学的な総合検査を実施し、75歳時と79歳時にフォローアップ調査を行った。ベースライン時の心房細動は、ECG、代理報告、National Patient Register(NPR)により確認した。ベースライン時およびフォローアップ時の脳卒中は、自己報告、代理報告、NPRにより確認した。また、ベースライン時およびフォローアップ時の認知症は、神経精神学的検査、代理報告、NPRに基づき、DSM-III-R基準に従って診断した。 主な結果は以下のとおり。・心房細動を有する参加者は、12年間のフォローアップ期間に認知症リスクがほぼ3倍に増加し(HR:2.8、95%CI:1.3~5.7、p=0.004)、このリスクはベースライン時およびフォローアップ時に脳卒中を有する参加者を除いた後も残った。・この関連は、性別で層別した場合に男性のみ(HR:4.6、95%CI:1.9~11.2、p<0.001、性別と心房細動の交互作用:p=0.047)、またAPOE対立遺伝子ε4の非保有者のみ(HR:4.2、95%CI:1.8~9.7、p<0.001、APOEと心房細動の交互作用:p=0.128)で認められた。・心房細動による認知症の人口寄与危険度は13%であった。 著者らは、「無症候性脳血管リスクの指標としての心房細動の関連をさらに調査する必要がある」とし、また「心房細動の患者は認知症状を検査されるべき」と提言している。

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重症心不全への左心補助人工心臓、完全磁気浮上型遠心流ポンプが有効/NEJM

 重症心不全患者への完全磁気浮上型遠心流の左心補助人工心臓(LVAD)植込み術は、軸流LVADに比べポンプ交換の頻度が低く、後遺障害を伴う脳卒中やデバイス交換・除去の再手術なしで生存する可能性が高いことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のMandeep R. Mehra氏らが行ったMOMENTUM 3試験の最終報告で示された。本試験の中間解析では、遠心流ポンプLVADは軸流ポンプLVADよりもポンプ血栓症や後遺障害のない脳卒中の頻度が低いことが報告されていた。NEJM誌オンライン版2019年3月17日号掲載の報告。非劣性を検証する無作為化試験 本研究は、重症心不全患者へのLVAD植込み術における完全磁気浮上型遠心流ポンプと従来の軸流ポンプの有効性と安全性を比較する無作為化非劣性試験である(Abbottの助成による)。 対象は、LVADを要する重症心不全患者で、心移植までの橋渡し、または恒久治療かは問われなかった。被験者は、遠心流ポンプまたは軸流ポンプを用いたLVADを植え込む群に無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、2年時の後遺障害を伴う脳卒中およびデバイス交換・除去のための再手術のない生存とし、主な副次エンドポイントは2年時のポンプ交換であった。主要エンドポイントは、両群間の差(遠心流ポンプ群-軸流ポンプ群)の95%信頼区間(CI)下限が-10ポイントより大きい場合に、非劣性と判定した。主要エンドポイント:76.9% vs.64.8%、ポンプ交換:2.3% vs.11.3% 患者登録期間は2014年9月~2016年8月であった。今回の最終解析には1,028例(遠心流ポンプ群516例[平均年齢59歳、男性79.7%]、軸流ポンプ群512例[60歳、81.8%])が含まれた。遠心流ポンプ群の1例、軸流ポンプ群の7例が植込み術を受けなかった。 主要エンドポイントの発生率は、遠心流ポンプ群が76.9%(397例)と、軸流ポンプ群の64.8%(332例)よりも高く(群間の絶対差:12.1ポイント、95%CI:6.0~18.2)、遠心流ポンプ群の軸流ポンプ群に対する非劣性が示された(非劣性のp<0.001)。また、優越性の判定基準も満たした(相対リスク[RR]:0.84、95%CI:0.78~0.91、優越性のp<0.001)。 Kaplan-Meier法による2年無イベント生存率は、遠心流ポンプ群が74.7%と、軸流ポンプ群の60.6%に比べ有意に良好だった(ハザード比[HR]:0.60、95%CI:0.47~0.75)。 2年時のポンプ交換も、遠心流ポンプ群で有意に少なかった(2.3% vs.11.3%、RR:0.21、95%CI:0.11~0.38、p<0.001)。 デバイスを植え込んで退院した患者の割合は、遠心流ポンプ群が94.2%、軸流ポンプ群は93.3%であり、植込み術のための入院期間中央値はそれぞれ19日、17日であった。また、再入院の日数中央値はそれぞれ13日、18日(群間差:-5日、95%CI:-8.7~-1.3)、院外でLVADを植え込んだ状態で過ごした日数中央値は653日、605日(48日、-0.8~96.8)、全原因による再入院率は2.26件/人年、2.47件/人年(HR:0.92、0.86~0.99)だった。 ポンプ血栓症(1.4% vs.13.9%、p<0.001)、脳卒中(9.9% vs.19.4%、p<0.001)、出血(43.7% vs.55.0%、p<0.001)、消化管出血(24.5% vs.30.9、p<0.001)の頻度は、いずれも遠心流ポンプ群で低かった。 著者は、「2年間に、軸流ポンプの代わりに遠心流ポンプを用いることで、10例ごとに2.2件のポンプ血栓症、2件の脳卒中、6.8件の出血が回避された計算となり、院内で過ごす期間の短縮に結び付いたと考えられる」としている。

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統合失調症または双極性障害患者における死亡率の傾向

 重度の精神疾患を有する患者の平均寿命は、一般人口と比較し、1~20年短縮するといわれているが、その多くは身体疾患によって命が失われている。重度の精神疾患に関する大部分の研究では、疾患ごと(たとえば統合失調症と双極性障害)に調査が行われており、母集団に対する死亡率の観点から疾患を比較してはいなかった。デンマーク・オールボー大学のLine Hosbond Lomholt氏らは、統合失調症患者と双極性障害患者の標準化死亡比(SMR)の比較を行った。International Journal of Bipolar Disorders誌2019年3月1日号の報告。 1995~2014年に統合失調症または双極性障害と診断されたSMRを比較するため(年齢、性別で調整)、デンマーク全人口を含むレジスターベースのコホート研究を実施した。 主な結果は以下のとおり。・重度の精神疾患患者のSMRは、研究期間中の各暦年につき有意に高く、全SMRは、統合失調症患者(3万8,500例)で4.58(95%CI:4.48~4.69)、双極性障害患者(2万3,092例)で2.57(95%CI:2.49~2.65)であった。・統合失調症と双極性障害のそれぞれについてSMRの時間的傾向を調査したところ、SMRの経時的な平均増加は、統合失調症で0.03/年、双極性障害で0.02/年であった(各々p<0.01)。・研究期間中の各暦年における統合失調症と双極性障害のSMRの比は、一定であった(p=0.756)。 著者らは「統合失調症、双極性障害ともに、過去20年間でSMRの増加が認められた。両疾患ではSMRに関する明らかな違いがあるにもかかわらず、SMRの経時的な増加は同様であり、両疾患の死亡率に影響する共通の根本的な要因を示唆している可能性がある」としている。■関連記事精神疾患患者の死亡率は減少しているのか統合失調症患者の死亡率に関する30年間のフォローアップ調査100年前と比べ統合失調症患者の死亡は4倍増、最大の死因は自殺、とくに若者で初発統合失調症に対する治療アルゴリズムを作成~日本臨床精神神経薬理学会

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前立腺がん患者のQOL、性機能とADTの影響に配慮を/Lancet Oncol

 昨今の医療のトピックに「治す医療から支える医療へ」がある。英国・リーズ大学のAmy Downing氏らは集団ベース研究により、進行前立腺がん患者と限局性前立腺がん患者とで、健康関連QOLアウトカムは大きく異なってはいないが、アンドロゲン除去療法を受けた患者ではホルモン機能と疲労に関してかなりの問題を抱えていることを明らかにした。著者は、「性機能障害がよくみられるものの、ほとんどの男性は有益な介入や支援を提供されていない。性機能リハビリの改善やアンドロゲン除去療法の影響を軽減するための対策が必要だ」とまとめている。Lancet Oncology誌2019年3月号の掲載報告。 研究グループは、あらゆるステージの前立腺がん患者の機能的アウトカムと健康関連QOLを報告し、医療の提供に対する影響を明らかにする目的で、英国のがん登録データベースを活用した検討を行った。前立腺がん診断後18~42ヵ月の男性を特定し、郵送によるアンケート調査を行った。 調査項目は、限局性前立腺患者の特異的QOL尺度であるEPIC-26による機能的アウトカム(尿失禁、排尿刺激・障害、排便、性機能、活力およびホルモン機能)、ならびに性機能障害に対する治療や一般的な健康関連QOLとした。また、一般的な健康関連QOLは、移動の程度、身の回りの管理、日常の活動、痛み/不快感、および不安/うつの5項目の健康状態をそれぞれ5段階で評価するEQ-5D-5Lを用いた。 対数線形および二項ロジスティック回帰モデル(年齢、社会経済的貧困、およびその他の長期的な健康状態の数で補正)を用い、前立腺がんのステージおよび治療法で機能的アウトカムと健康関連QOLを比較した。 主な結果は以下のとおり。・5万8,930例中3万5,823例(60.8%)から回答が得られ、そのうちStageを認知していたのは3万5,823例中3万733例(85.8%)であった。・StageI/IIは1万9,599例(63.8%)、StageIIIは7,209例(23.4%)、StageIVは3,925例(12.8%)であった。・EPIC-26の4項目(排尿、排便、性機能、ホルモン)のうち、性機能を除く3項目は平均補正後スコアが高く機能が良好であることが示されたが、性機能項目のスコアは非常に低かった。・アンドロゲン除去療法を受けている患者は受けていない患者と比較し、ほてり(30.7%[95%CI:29.8~31.6] vs.5.4%[95%CI:5.0~5.8])、活力低下(29.4%[95%CI:28.6~30.3] vs.14.7%[95%CI:14.2~15.3])、体重増加(22.5%[95%CI:21.7~23.3] vs.6.9%[95%CI:6.5~7.3])に関して、中程度~重大な問題があると報告した。・性機能障害はStageに関係なく一般的で(81.0%、95%CI:80.6~81.5)、半数以上の患者(1万8,782例、55.8%)はこの健康状態を改善するためのいかなる介入も提供されていなかった。・自己評価による健康状態は、StageI~IIIの患者では類似していたが、StageIVの患者ではわずかに低下しており、転移を有する患者でEQ-5D-5Lのどの項目についても問題がないと回答したのは23.5%であった。

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日本の頭部外傷の実態/脳神経外傷学会

 日本の頭部外傷診療の現状の把握を目的に、1998年より重症頭部外傷患者を対象とした疫学研究を開始。現在まで、日本頭部外傷データバンク(JNTDB)Projectとして1998、2004、2009、2015が行われ、Project2015(P2015)の結果がまとまり、第42回日本脳神経外傷学会にて、その結果が報告された。P2015の登録対象症例は2015年4月1日~2017年3月31日に、搬入時あるいは受傷後48時間以内にGlasgow Coma Scale(GCS)8以下、あるいは脳神経外科手術を施行した頭部外傷症例(0歳を含む全年齢)。Project2015の参加施設は32施設1,345例が登録された。転機は改善するも、高齢者の転倒、歩行者事故による頭部外傷が増加 仙台市立病院 加藤 侑哉氏はシンポジウムの中で、重症頭部外傷の年齢構成の推移についてJNTDB2015と過去のデータの比較を発表した。分析対象は6歳以上、GCS8以下などの規準を満たした重症頭部外傷患者で、P2015の1,345例中924例が検討対象となった。 JNTDBの4回のProjectの結果、若年者層での重症頭部外傷減少、高齢者層での増加を経時的に認めている。P2015では、80~84歳がピークとなり、過去の統計と比べ、さらに高齢者側にシフトした。 受傷機転をみると、交通事故は経時的に減少しているが、転倒・転落・墜落は増加しており、どちらもP2015では65歳以上で大幅に増加した。転帰については、GOS(Glasgow Outcome Scale)でGR(good recovery:日常生活に復帰)、MD(moderate disability)の転帰良好群は横ばい、SD(severe disability)、VS(vegetative state)の機能的転帰不良群は増加、死亡は減少していた。増加する高齢者頭部外傷の割合 わが国における高齢者重症頭部外傷の変遷について、日本医科大学 横堀 將司氏が発表した。4回のJNTDB Projectの合計4,539例のうち、高齢者(65歳以上)を対象に分析した。 結果、わが国の頭部外傷における65歳以上の高齢者の割合は半分以上であり、P2015では、とくに75歳以上の増加が顕著であった。積極的治療を受けている高齢者頭部外傷の割合は7割であった。死亡率は低下していたが、P2015ではSD、VS群は増加していた。機能的転帰不良患者の予測因子は、年齢75歳以上、ISS(injury severity score)25以上、GCS8以下、外傷性くも膜下出血、脳室内出血の存在であった。交通外傷による頭部外傷の変化 千葉県救急医療センター 脳神経外科 宮田 昭宏氏は、4回のJNTDBの集積データを振り返り、頭部外傷の原因として大きな比重を持つ、交通外傷の変遷について発表した。分析対象は、4回のデータベースの中から交通外傷を原因とする患者2,192例(48.3%)。 頭部外傷において、交通外傷の占める割合は減少している。年齢構成別にみると45歳以下が大きく減少する一方、65歳以上の高齢者で増加、とくに80歳以上では大きく増加している。内訳をみると4輪車事故によるものが減り、歩行者事故が大幅に増加。その傾向は80歳以上で顕著で、P2015における80歳以上の交通事故での頭部外傷の中で、歩行者事故の割合は60%を占めた。 転帰について、P2015では死亡率が顕著に下がった(33.2%)。年齢別にみると、若年者44歳以下でGR、MD群が大きく増加した反面、高齢者では、SDやVS群が増加していた。■関連記事日本の頭部外傷の現状は?/脳神経外科学会

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JCS2019で日循公式ツイッターが全力発信 #19JCSでタグ付けを

 2019年3月29~31日にパシフィコ横浜にて開催される、第83回日本循環器学会学術集会(JCS2019)において、日本循環器学会 情報広報部会は、公式ツイッターアカウントを活用した情報発信を行うと発表した。 欧州心臓病学会(ESC)や米国心臓協会(AHA)などの海外の主要な学会では、SNS上でタイムリーな情報発信が行われ、多くの人が最新の医学知識に触れて、勉強・議論できる体制が整えられている。日本の学会における情報発信の先駆けとして、JCS2019にて行われる発表内容をツイッター上でオープンに発信していくのが今回の試みだ。 発信内容は、JCS2019において登壇者から許諾を得た発表のスライド等の画像や、セッション終了後の座長や演者のインタビュー動画。 発信元は、日本循環器学会の公式ツイッターアカウントである、日本循環器学会 情報広報部会@JCIRC_IPR。ツイートにハッシュタグ #19JCS を付けて発信する。 ツイッター投稿を目的とした講演中の撮影は同情報広報部会および事前に決定した協力者に限られるが、参加者が自身の感想や意見を積極的に投稿することを学会として推奨している。 ハッシュタグ #19JCS では、公式アカウントからのツイート以外の関連情報もカバーすることも可能だ。学会でのSNS活用は、日本ではまだ珍しい。この機会に学術活動の一助としてツイッターを活用してみてはどうだろうか。第83回日本循環器学会学術集会(JCS2019)会  長  : 小室 一成(東京大学大学院医学系研究科循環器内科学教授)会  場  : パシフィコ横浜        (神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1)会  期  : 2019年3月29日(金)~31日(日)メインテーマ: 循環器病学Renaissance-未来医療への処方箋公式ツイッター(日本循環器学会 情報広報部会)@JCIRC_IPRハッシュタグ #19JCS■関連記事Dr.倉原の“おどろき”医学論文 第109回 Twitterでカンファレンスする時代?

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卵の摂取量増加で、心血管疾患発症や死亡が増加?/JAMA

 米国成人において、食事性コレステロールまたは卵の摂取量増加は、用量反応的に心血管疾患(CVD)発症および全死因死亡リスクの上昇と有意に関連していることが確認された。米国・ノースウェスタン大学のVictor W. Zhong氏らが、Lifetime Risk Pooling Projectの6つのコホートデータを用いた解析結果を報告した。コレステロールは、ヒトの食事における一般的な栄養素で、卵は食事性コレステロールの重要な源であるが、食事性コレステロール/卵の摂取量がCVDおよび死亡と関連しているかどうかについては、なお議論が続いている。著者は今回の結果について、「食事ガイドラインの作成・改訂の際に考慮されるべきである」とまとめている。JAMA誌2019年3月19日号掲載の報告。食事性コレステロール/卵の摂取量とCVD発症/死亡リスクの関連を評価 研究グループは、1985年3月25日~2016年8月31日の期間に収集された、米国の6つの前向きコホート研究における参加者個々のデータを統合した。自己報告の食事摂取に関するデータは、標準的プロトコルを用いて調整し、食事性コレステロール(mg/日)または卵の摂取量(個/日)を算出した。 主要評価項目は、人口統計学的、社会経済的および行動的要因を調整した、CVD発症(致死的/非致死的冠動脈心疾患・脳卒中・心不全・他のCVD死亡の複合)と全死因死亡に関する全追跡調査期間にわたるハザード比(HR)および絶対リスク差(ARD)で、コホートで層別化した原因別ハザードモデルおよび標準比例ハザードモデルを用いて解析した。卵の摂取量が半分増加した場合でも有意な関連 本解析には合計2万9,615例が組み込まれ、平均[±SD]年齢はベースライン時51.6±13.5歳、1万3,299例(44.9%)が男性で、9,204例(31.1%)が黒人であった。 追跡期間中央値17.5年(四分位範囲:13.0~21.7、最大31.1)において、CVDイベント発症が5,400例、全死因死亡が6,132例認められた。 1日当たりの食事性コレステロール摂取量が300mg増加した場合、CVD発症(補正後HR:1.17[95%信頼区間[CI]:1.09~1.26]、補正後ARD:3.24%[95%CI:1.39~5.08])および全死因死亡(補正後HR:1.18[95%CI:1.10~1.26]、補正後ARD:4.43%[95%CI:2.51~6.36])のリスク上昇と有意な関連が認められた。 1日当たりの卵の摂取量が半分(2分の1個、卵1個を3~4回/週または3~4個/週)増加した場合でも、同様に有意な関連が認められた(CVD発症の補正後HR:1.06[95%CI:1.03~1.10]、補正後ARD:1.11%[95%CI:0.32~1.89]、全死因死亡の補正後HR:1.08[95%CI:1.04~1.11]、補正後ARD:1.93%[95%CI:1.10~2.76])。ただし、食事性コレステロール摂取量を補正後は、卵の摂取量とCVD発症(補正後HR:0.99[95%CI:0.93~1.05]、補正後ARD:-0.47%[95%CI:-1.83~0.88])および全死因死亡(補正後HR:1.03[95%CI:0.97~1.09]、補正後ARD:0.71%[95%CI:-0.85~2.28])との間に、有意な関連は確認されなかった。 著者は研究の限界として、食事摂取に関するデータが自己報告であること、全コホートが異なる食事評価法を使用していたこと、観察研究のため因果関係については立証できないことなどを挙げている。

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CIED留置後感染予防、生体吸収性抗菌薬溶出メッシュが有益/NEJM

 心臓植込み型電気デバイス(CIED)留置後の感染症を予防するための、CIEDを包む生体吸収性抗菌薬溶出メッシュの安全性と有効性を評価した、米国・クリーブランド・クリニックのKhaldoun G. Tarakji氏らによる無作為化比較臨床試験「Worldwide Randomized Antibiotic Envelope Infection Prevention Trial:WRAP-IT」の結果が示された。抗菌薬溶出メッシュの使用により、標準ケアによる感染予防戦略のみの実施と比較し、合併症の発生が増加することなく、重大なCIED感染症の発生が有意に低下したという。CIED留置後の感染症はその後の病的状態や死亡と関連しているが、術前抗菌薬投与以外に感染症を予防する方法に関するエビデンスは限定的であった。NEJM誌オンライン版2019年3月17日号掲載の報告。約7,000例を、抗菌薬溶出メッシュ使用あり/なしに無作為化 研究グループは、CIEDポケットの再建、ジェネレーター取り換え、除細動機能付き両心室ペースメーカのシステムのアップグレード・初回留置を実施する患者を、抗菌薬溶出メッシュ使用群または非使用群に1対1の割合で無作為に割り付けた。感染症予防のための標準ケア(術前の抗菌薬静脈投与および滅菌技術)は、全患者に対して行った。 主要評価項目は、CIED留置術後12ヵ月以内の、システム除去/再建を要する感染症、感染症再発を伴う長期抗菌薬療法ならびに死亡とし、安全性の副次評価項目は12ヵ月以内の施術関連またはシステム関連の合併症で、Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。 計6,983例の患者が登録された(使用群3,495例、非使用群3,488例)。抗菌薬溶出メッシュ使用で重大なCIED関連感染症の発生が約40%低下 主要評価項目の発生は、使用群25例、非使用群42例で確認された(12ヵ月Kaplan-Meier推定イベント発生率はそれぞれ0.7%、1.2%、ハザード比[HR]:0.60[95%信頼区間[CI]:0.36~0.98]、p=0.04)。安全性に関する副次評価項目は、使用群201例、非使用群236例で発生した(12ヵ月Kaplan-Meier推定イベント発生率はそれぞれ6.0%、6.9%、HR:0.87[95%CI:0.72~1.06]、非劣性のp<0.001)。 平均(±SD)追跡調査期間は、20.7±8.5ヵ月であった。追跡期間全体を通して、重大なCIED関連感染症は、使用群32例、非使用群51例で確認された(HR:0.63、95%CI:0.40~0.98)。 なお、著者は、抗菌薬の感受性に関するデータが不足していること、周術期および術後の抗菌薬使用などの感染予防戦略の比較はしていないことなどを研究の限界として挙げている。

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起動1秒【Dr. 中島の 新・徒然草】(265)

ニ百六十五の段 起動1秒脳外科の専門医試験のための勉強をしていた頃のことです。たぶん30年も昔のことになります。いつも勤務先の病院の図書室で勉強をしていました。毎日、出勤したら図書室に行って本を広げ、ノートを広げ、ワープロを立ち上げました。もちろん、勉強していたのは診療の合間です。帰る時には本やノートを片付け、ワープロを片付けてから部屋を後にしました。しかし、だんだん片付けるのが面倒になってきました。そしていつしか、まったく片付けずに帰るようになったのです。なので、図書室の一角は常に左右に受験勉強用の教科書の山。机の上にはノートがあり、正面にはワープロがあります。まるで旅客機のコクピットみたいなもの。毎回片付けをしなくなると、なぜかはかどりました。朝、出勤してスポッとコクピットにはまります。しばし勉強してから病棟に行って、一仕事。図書室に戻って勉強していると、今度は外来に呼ばれます。外来が一段落ついたら、再びコクピットに着座。そして勉強に疲れたら帰宅します。もちろん教科書やワープロを盗難される恐れは常にありました。ほかの図書室利用者からの苦情が出る可能性もあります。幸いなことに、どちらも経験せずに済みました。そして無事試験も終わり、コクピットも解体。今にして思うのは、できるだけノータイムで開始できるような環境を整えておくのがいいということです。教科書とノートを出してワープロを運んで立ち上げて…などと、たとえ5分間でも時間を取られてしまうと開始できません。そのままスポッ。さあ開始!このタイミング、このバリアの低さ。座ったら1秒でスタート。それが大切です。この方法は毎日すべき事すべてに応用できます。論文を書き上げるとか、血管吻合の練習をするとか、英語の勉強をするとか。ひょっとすると筋トレにもいいかもしれません。常に1秒スタート! これに尽きます。少なくとも私の場合はそうでした。ということで、「なるほど」と思った読者の皆さん。ぜひ、試してみてください。最後に1句コクピット 座れば即座に スタートだ

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第19回 スタチンに片頭痛の予防効果はあるか【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 スタチン系薬はコレステロールを降下させるための薬であることは言うまでもありませんが、片頭痛の予防にも有効なのではないかという説があります。脂質異常症も片頭痛も有病率が高いため、意図して、もしくは意図せずコレステロール値の高い片頭痛患者さんにスタチンが処方されていることもあるのではないかと思います。慢性頭痛の診療ガイドライン2013には、片頭痛発作が月に2回以上あるいは6日以上ある場合は片頭痛の予防療法を検討するという記載があり、第1選択薬としてバルプロ酸やトピラマートなどの抗てんかん薬、プロプラノロールやメトプロロールなどのβ遮断薬、アミトリプチリンなどの抗うつ薬が推奨されています(保険適用外含む)。予防療法の効果判定には少なくとも2ヵ月を要し、有害事象がなければ3〜6ヵ月継続し、コントロールが良好になれば薬を漸減・中止するというのがガイドラインの推奨です。私が調査した限りにおいては、現時点で日米英のガイドラインにスタチンについて特段の言及はありません。実際のところ、スタチンは片頭痛に有用なのでしょうか? 片頭痛が月6回以上生じる女性を対象に、プロプラノロール60mg群またはシンバスタチン20mg群に割り付け、比較したオープンラベルの試験では、いずれの群においても有効性が示されています。プラセボ効果が寄与した可能性も考慮しなければなりませんが、50%の頭痛発作減少のアウトカムを達成したのはプロプラノロール群で88%、シンバスタチン群で83%といずれも高率でした1)。またアトルバスタチンとプロプラノロールのランダム化比較試験でも、反復性片頭痛の予防効果は同等でした2)。二重盲検ランダム化比較試験もありますので紹介します。月に4日以上、反復性片頭痛がある成人患者57例をシンバスタチン20mg1日2回+ビタミンD3(コレカルシフェロール)1000IU群(実薬群)またはプラセボ群に割り付け、24週間フォローアップした研究です3)。なお、ビタミンDが併用されているのは、血漿中ビタミンD濃度が高いほうが、重度頭痛または片頭痛発作の発生が少ないという報告があるためです4)。この試験では、プライマリアウトカムとして、1ヵ月間に片頭痛を認めた日数のベースラインからの変化を観察しています。実薬群では、服用12週時点では8例(25%)で50%の頭痛発作減少のアウトカムが達成され、24週時点では9例(29%)で同様の結果が得られています。対して、プラセボ群ではそれぞれ1名(3%)のみでした。なお、以前から用いている片頭痛予防薬の使用は制限しておらず、有意差はなかったものの実薬群で予防薬の使用が多い傾向にあるので解釈に注意が必要です。また、24週以降は検討外であることから、長期的効果については判断できません。当初予定したサンプルサイズを下回る症例数で試験されていますが、実際の試験どおり介入群28例、プラセボ群29例の事後分析で85%の検出力(α=5%)ですので、症例数が増えればより確かなことが言えそうです。スタチンの抗酸化作用や抗炎症作用が片頭痛に影響かスタチンで頭痛が改善しうる理由の仮説として、スタチンのプレイオトロピック効果が挙げられています。スタチンには本来の脂質低下作用とは別に、抗酸化作用、血管内皮機能改善、血小板凝集抑制、血管の緊張や炎症の抑制など多面的な作用があるのではないかと考えられており、それがなんらかの形で片頭痛発作の減少に寄与したのかもしれないというものです。私が調査した限りにおいては、スタチンの種類によって効果が異なるのか、十分な根拠は見つけることができませんでした。いずれにしても、ビタミンD欠乏症だと片頭痛頻度が多いという説もありますから5)、まず十分な血清ビタミンD濃度が確保されているか確認することも大切です。あくまでもスタチンは片頭痛への効果を期待して処方されるものではありませんが、片頭痛の頻度に影響があるかもしれないということを知っていると、服薬指導で役に立つかもしれません。1)Medeiros FL, et al. Headache. 2007;47:855-856.2)Marfil-Rivera A, et al. Neurology. 2016;86:P2.2163)Buettner C, et al. Ann Neurol. 2015;78:970-981.4)Buettner C, et al. Cephalalgia. 2015;35:757-766.5)Song TJ, et al. J Clin Neurol. 2018;14:366-373.

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日本の再生医療を世界で勝たせるために/再生医療学会

 本年(2019年)3月に行われた第18回日本再生医療学会総会の中で、外科医でもある衆議院議員 厚生労働委員長の冨岡 勉氏は「再生医療を推進するために政治はどう取り組むべきか」と題して基調講演を行った。世界で戦える日本の再生医療 世界時価総額ランキング上位20社中、1989年における日本企業は14社を占めた。しかし、2018年その数はゼロ。ほぼ米・中の争いである。研究の活性化指標である論文数の国別順位と国別論文シェアをみると、ゲノム編集、免疫療法、核酸医薬などがんゲノムに関連のテーマでわが国は上位にあるものの、その分野でも1位は米・中である。 このような中、日本が世界で勝てる分野の1つが再生医療分野だ。日本の再生医療は、iPS細胞発生国としての高度な技術力、学術コミュニティの活発さ、先進的シーズの存在という強みがある。さらに、再生医療の実用化を促す再生医療推進法などの再生医療3法が2013年に成立し、わが国の再生医療の規制制度は欧米国も模するほど先進的なものとなった。これからの日本の再生医療の戦い このような状況の中、わが国の再生医療等製品の研究は活発化したが、商業的に世界をリードしているとは言えない。承認品目数は欧州の36、米国の21に対し、日本は4製品である。その売り上げはまだ10数億程度であり、世界に渡り合える状況ではない。ただ、開発品目については、現在19と欧米には水をあけられているものの、規制制度の改善などで大きく増加していくと期待される。現在の弱みは、欧米でみられる集中型細胞製造拠点の欠如、商用流通に耐え得る細胞バンクの脆弱性などだという。 日本の再生医療が、今後世界と戦っていくためには、再生医療分野における新規参入を促進する制度整備、細胞を大量調達できる制度整備、再生医療審査の迅速化、医療経済的観点からのアプローチ、融合研究開発を行う中核センターの確立が必要である。冨岡氏は参加者の協力を仰ぎつつ「国会議員連盟はそのために全力を尽くす」と結んだ。

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