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株主優待をおトクに使いこなせ!【医師のためのお金の話】第21回

株主優待をおトクに使いこなせ!「株主優待」をご存じでしょうか?株主優待とは、株式会社が自社の株券を権利確定日に保有していた株主に対して与える優待制度のことです。配当金とは別に支給されるためおトク感があり、株式投資をしている人の間では株主優待を目的とした投資が一定の支持を得ています。しかし、本当に株主優待はおトクな制度なのでしょうか? 株主優待に目を奪われて株式投資自体で損失を計上してしまうと目も当てられません。今回は自験例を基にして株主優待を検証してみました。「株主優待投資=もうからない」は思い込みだった私は2001年3月から株式投資を行っています。大の牛丼好きなので、株主優待目的で吉野家HD(9861)を18年間、松屋フーズHD(9887)を12年間保有しています。株主優待にハマった時期があったので、2019年5月15日現在も下記の銘柄を保有し、購入時からの株価変動は下記のとおりです。

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第23回 心肺停止の症例から考えるバイタルサイン1【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

最終回は「心肺停止」の症例です。文字通り、心臓と肺の機能が停止した(心停止・呼吸停止)状態です。病院の救急外来には心肺停止の患者さんが搬送されてくることがありますが、搬送される前の状態を思い浮かべてください。もしも人が倒れたその時、その場所にあなたが居合わせたら...。もしもその人があなたの大切な人だったら...。そんなことを想像しながら読んでみてくださいね。プロローグ「最近、私の行く先々で患者さんの具合が悪くなるわ...」そう思っていた薬剤師のあなたは先日、近隣の消防署で心肺蘇生法の講習会を受けてきました。さて、今日はお母さんと一緒にレストランに来ています。「ここのパスタ、おいしいのよ」 「へぇ!そうなの?」と、お母さんは喜んでくれています。「お母さん、最近調子はどう?」お母さんは数年前から高血圧で降圧薬を内服しています。さらに1年位前の血液検査で糖尿病と診断され、糖尿病治療薬が追加となり、真面目なお母さんは大好きなおまんじゅうやおせんべいをきっぱりやめて食事療法に取り組んでいます。「間食しないように気を付けているわよ。おじいちゃん(お母さんの父親)は心臓病で亡くなったから、私も気を付けないとね。でも、たまには外食もいいわね」患者さんIの場合◎経過──1ミートソースとカルボナーラを注文してトイレに行って戻ってきたあなたは、お母さんの具合が悪そうなのに気が付きました。顔色が悪く、ジトッと汗をかいています。「どうしたの?」 「ちょっと胸のあたりがね...」 「大丈夫?帰って休む?」そう尋ねると、「うぅぅ...」 「え?ちょっと...」お母さんは突然崩れ落ち、 椅子から横に倒れました。すると、「どうされました!?」すぐに店員さんが気付き、近寄ってきました。倒れたお母さんを見た店員さんは「大丈夫ですか!?」と叫びますが返事はありません。「え?え?」あなたの頭の中は真っ白になっています。◎経過──2「だれか!救急車呼んで!」 その若い店員さんは叫びました。近づいてきた他の店員さんには、「向かいにある駅にAED(自動体外式除細動器)が置いてあったと思う。借りてきて!」と言いました。レジ付近の店員さんは119番通報しているようです。「大丈夫ですか?」 お母さんに向かって再度そう言いますが反応がありません。右手はそっとお母さんの首を触れています。そしてあなたに、「ご家族の方ですか?」 あなたの頭は真っ白なままです。「え?ええ。...、今、急に倒れてしまって...」 うまく言葉が出ません。「救急車は呼んでもらいました。意識がないようですが...」目の前に倒れたお母さんは呼吸をしていないように見えました〈表1〉。「心臓マッサージ...、しなきゃ!」 そうつぶやくと、店員さんが心臓マッサージを開始しました。その時ハッとあなたの頭に先日の心肺蘇生法の講習会の光景が思い浮かびました。あなたは少しずつ周りの状況が見えるようになってきました。心肺停止、そして心肺蘇生と一次救命処置「心肺停止である」と判断されるのは、(1)意識がなく、(2)呼吸しておらず(または通常の呼吸をしていない状態、あえぎ呼吸とか死戦期呼吸と言われます)、(3)脈が触れない時です。どんな医療機器もいりません。私たちの五感で心肺停止であることを判断するのです。読者のみなさんは血圧計などの機器を用いてバイタルサインをチェックできるだけでなく、患者さんの状態を五感で感じとることができますね。心肺停止であると判断したら、大声で叫び応援を求め、救急車を呼んで、AEDを依頼して直ちに心肺蘇生を開始します。胸骨圧迫や人工呼吸を行うことを「心肺蘇生」と言い、心肺蘇生・AEDを用いた除細動・気道異物除去の3つをあわせて「一次救命処置」といいます〈図1〉。図2に主に市民が行う一次救命処置の手順を示します。

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てんかんや統合失調症患者の早期死亡率~コホート研究

 デンマーク・オーフス大学のKatrine M. Andersen氏らは、てんかんおよび統合失調症患者の死亡率を、絶対的および相対的な尺度によって決定するための検討を行った。Epilepsia誌オンライン版2019年5月11日号の報告。 本研究は、1960~87年にデンマークで生まれ、25歳の誕生日時点でデンマークに居住していた住民を対象とした集団ベース全国規模コホート研究である。25歳以前にてんかんおよび統合失調症と診断された患者を特定し、死亡または移住について2012年までフォローアップを行った。主要アウトカムは、全死亡率とした。分析には、Cox回帰を用いた。てんかんと統合失調症の合併患者の死亡率は12.8倍 てんかんおよび統合失調症患者の死亡率について主な結果は以下のとおり。・2,416万7,573人年(中央値:15年)フォローアップを行った。・死亡率は、てんかんおよび統合失調症でなかった住民と比較し、てんかん患者で4.4倍(95%信頼区間[CI]:4.1~4.7)、統合失調症患者で6.6倍(95%CI:6.1~7.1)、てんかんと統合失調症の合併の患者で12.8倍(95%CI:9.1~18.1)であった。・50歳時点での推定累積死亡率は、てんかんおよび統合失調症でなかった住民で3.1%(95%CI:3.0~3.1)、てんかん患者で10.7%(95%CI:9.7~11.8)、統合失調症患者で17.4%(95%CI:16.0~18.8)、てんかんと統合失調症合併の患者で27.2%(95%CI:15.7~40.1)であった。 著者らは「てんかんおよび統合失調症の患者は、死亡率が非常に高い。とくに、両疾患を合併している患者では、25~50歳の間に4人に1人が死亡しており、臨床的に注意が必要である」としている。

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超加工食品の高摂取で死亡リスク増大/BMJ

 超加工食品を1日4サービング以上摂取すると、死亡のハザードが相対的に62%増加し、1日1サービング増えるごとに死亡リスクが18%増加することが、スペイン・ナバラ大学のAnais Rico-Campa氏らの調査で示された。研究の成果はBMJ誌2019年5月29日号に掲載された。既報の成人を対象とした前向きコホート研究により、超加工食品の摂取は、がん、過敏性腸症候群、肥満、高血圧のハザードの上昇と関連することが知られている。約2万例を2年ごとに観察 研究グループは、超加工食品の摂取と全死因死亡の関連を評価する目的で、前向きコホート研究を行った(Instituto de Salud Carlos IIIなどの助成による)。 解析には、スペインの大学卒業生が登録されたSeguimiento Universidad de Navarra(SUN)の1999~2018年のデータを用いた。1999~2014年の期間に、20~91歳の1万9,899例を2年ごとにフォローアップした。食品と飲料の摂取状況を、NOVA分類による加工の程度で分類し、妥当性が確認された136項目の食品頻度質問票を用いて評価した。 主要アウトカムは、4段階の超加工食品の1日摂取量(低[<2サービング/日]、低~中[2~<3サービング/日]、中~高[3~≦4サービング/日]、高[>4サービング/日])で調整したエネルギー消費量と全死因死亡の関連とし、多変量Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。加工肉と砂糖入り飲料が最も多い 1万9,899例のうち、女性が1万2,113例、男性は7,786例で、ベースラインの全体の平均年齢は37.6(SD 12.3)歳、フォローアップ期間中央値は10.4年であった。観察人年20万432人年に、335例が死亡した(がん死164例、心血管死71例)。 超加工食品の平均1日摂取量は、低摂取群(4,975例)が1.4(SD 0.8)サービング、低~中摂取群(4,975例)が2.7(0.2)サービング、中~高摂取群(4,975例)が3.5(0.3)サービング、高摂取群(4,974例)は5.3(1.4)サービングであった。 高摂取群は平均BMI(23.8)が高かった。また、高摂取群は低摂取群と比較して、現喫煙者が多く、大学教育レベルが高く(大学院、博士号取得者が多い)、心血管疾患・がん・糖尿病・高血圧・高コレステロール血症・うつ病の家族歴を持つ者が多かった。 高摂取群は低摂取群に比べ、間食や1日3時間以上のテレビ視聴の割合が高く、1日のコンピュータ使用時間や昼寝の時間が長く(座位行動が多い傾向)、総脂肪摂取が多く、タンパク質や炭水化物の摂取は少なかった。高摂取群は他の群に比し、ファストフード、揚げ物、加工肉、砂糖入り飲料の摂取量が多く、野菜、果物、オリーブ油、アルコール飲料、総食物繊維の摂取量が少なかった。超加工食品の摂取量が多くなるほど、地中海食のアドヒアランス・スコア(0~9点、点数が高いほど伝統的地中海食へのアドヒアランスが高い)が低下した。 超加工食品のうち、最も多かったのは加工肉(15%、ハム、ソーセージ、チョリソ、サラミ、モルタデッラ、ハンバーガーを含む)と砂糖入り飲料(15%)で、次いで乳製品(12%、カスタード、アイスクリーム、ミルクシェイク、プチスイスを含む)、フレンチフライ(11%)、ペストリー(10%、マフィン、ドーナツ、クロワッサンや他の非手作りペストリー、菓子類を含む)、クッキー(8%、ビスケット、チョコレートクッキーを含む)の順であった。 超加工食品の高摂取群は低摂取群に比べ、全死因死亡のハザードが62%有意に高く(多変量で補正後のハザード比[HR]:1.62、95%信頼区間[CI]:1.13~2.33)、有意な用量反応関係が認められた(線形傾向のp=0.005)。がん死(1.22、0.70~2.12、p=0.42)および心血管死(2.16、0.92~5.06、p=0.11)には有意差はなかった。また、超加工食品が1サービング増えるごとに、全死因死亡が相対的に18%有意に増加した(補正後HR:1.18、95%CI:1.05~1.33)。 著者は、「超加工食品の摂取を抑制し、製品への課税や売買制限を目標とし、新鮮な最小限の加工食品(地中海食の重要な側面)の摂取を促進することは、世界の公衆衛生の改善において重要な健康施策の一環と考えるべきである」としている。

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ペメトレキセド+シスプラチンのNSCLC術後アジュバントにおける可能性(JIPANG)/ASCO2019

 非小細胞肺がん(NCSLC)の術後アジュバントのプラチナベース化学療法においては、どの組み合わせが最も効果的かは明らかではない。静岡県立静岡がんセンターの釼持 広知氏らは、完全切除非扁平上皮NSCLCの術後補助療法において、ペメトレキセド+シスプラチン(CDDP)とビノレルビン(VNR)+CDDPを比較する無作為化第III相JIPANG Studyを実施。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)のOral Sessionにおいて、その結果を発表した。・対象:StageII~IIIAの完全切除非扁平上皮NSCLC患者・試験薬:ペメトレキセド+CDDP 3週ごと4サイクルまで・対照群:VNR+CDDP 3週ごと4サイクルまで・評価項目:[主要評価項目]無再発生存期間(RFS)、目標HRは0.775[副次評価項目]全生存期間(OS)、治療完遂率、毒性ペメトレキセド+CDDPによる非扁平上皮NSCLCの術後補助療法について検討した主な結果は以下のとおり。・2012年3月~2016年8月に812例が登録され、804例がVNR+CDDP群(402例)とペメトレキセド+CDDP群(402例)に無作為に割り付けられた。・RFS中央値はVNR+CDDPが37.3ヵ月、ペメトレキセド+CDDP群が38.9ヵ月。36ヵ月RFSはVNR群50.2%に対しペメトレキセド+CDDP群51.1%で、生存曲線はほぼ同様であった(HR:0.98、95%CI:0.81~1.20、片側p=0.474)。HRは目標に届かず、ペメトレキセド+CDDP群は主要評価項目を達成しなかった。・EGFR遺伝子変異有無別のRFSをみると、EGFR野生型ではVNR+CDDP群39.9ヵ月に対しペメトレキセド+CDDP群65.2ヵ月と、統計学的に有意ではないがペメトレキセド+CDDP群で良好な傾向であった(HR:087)、一方、EGFR変異型ではVNR+CDDP群30.4ヵ月に対しペメトレキセド+CDDP群24.1ヵ月と、統計学的に有意ではないがVNR+CDDP群が良好な傾向であった(HR:1.38)。・OSは未達であるが、24ヵ月OSはVNR+CDDP群91.8%、ペメトレキセド+CDDP群92.5%、36ヵ月OSはVNR+CDDP群83.5%、ペメトレキセド+CDDP群87.2%であった。・治療完遂率(4サイクル)はVNR+CDDP群72.7%、ペメトレキセド+CDDP群87.9%と、ペメトレキセド+CDDP群で有意に良好であった(p<0.001)。・Grade3以上の血液学的毒性発現はVNR+CDDP群89.4%に対し、ペメトレキセド+CDDP群47.4%と、ペメトレキセド+CDDP群で少なかった。 結語として、ペメトレキセド+CDDP群の優越性は証明されなかったが、その効果はVNR+CDDPと同程度であり、安全性プロファイルも良好なことから、今後ペメトレキセド+CDDPが非扁平上皮NSCLCの術後補助療法の選択肢になり得ることを示唆するとしている。発表者静岡県立静岡がんセンター釼持氏との1問1答この試験を行った背景は? ペメトレキセド+CDDPは進行肺がんでは実績のあるレジメンですが、ペメトレキセドは日本においては術後補助療法としての適応はありません。一方、CDDP+VNRは術後補助療法のスタンダードですが、副作用への配慮が必要です。経験も多く、医師として使いやすいペメトレキセド+CDDPを術後補助療法の選択肢に加えられないかと考えました。非扁平上皮NSCLCのアジュバントでペメトレキセド+CDDPを使うメリットは? 血液毒性が軽いということだと思います。結果はネガティブでしたが、今後は適応拡大の可能性について検討していこうと考えています。EGFR変異の有無で両レジメンの効果の違いが出ていますが、どのようにお考えですか? まだ違いがあるとも言えない状態です。なぜ違いが出たのかバックグラウンドが明らかではありません。現在バイオマーカー研究が進行中であり、その結果が待たれます。※ペメトレキセドは当該術後補助療法として効能・効果の適応がなく、保険診療として適用されないのでご注意ください。

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BRCA変異膵がんの維持治療におけるオラパリブの効果(POLO)/ASCO2019

 現在なお固形がんの中では最も5年生存率が低いのが膵臓がんであり、また治療薬の選択肢が少ないという厳しい現実が横たわっている。しかし、近年、PARP阻害薬が一部の膵臓がんに有効との報告が相次いでいる。 そうしたPARP阻害薬の1つオラパリブが生殖細胞系BRCA(gBRCA)変異を持つ転移のある膵臓がんの1次治療後の維持療法として無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが明らかになった。米シカゴ大学のHedy L. Kindler 氏らが、gBRCA変異陽性進行膵臓がんの1次治療のプラチナ製剤で増悪しなかった患者での維持療法としてのオラパリブの有効性を検討したプラセボ対照二重盲検無作為化比較第III相POLO試験の結果として米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で発表した。 同試験の対象は、転移のあるgBRCA変異陽性膵臓がん患者で、1次治療としてプラチナ製剤ベースの化学療法を16週間以上受け、病勢安定(SD)以上だった患者154例。登録患者は1日2回オラパリブ300mg投与群とプラセボ群に3対2で無作為に割り付けられた結果、オラパリブ群が92例、プラセボ群が62例となった。主要評価項目はPFS。副次評価項目は、2次治療までの無増悪生存期間(PFS2)、客観的奏効率(ORR)、健康関連QOL、安全性と忍容性、全生存期間(OS)など。 PFS中央値はオラパリブ群7.4ヵ月、プラセボ群3.8ヵ月で、オラパリブ群で有意な延長が認められた(HR:0.53、95%CI:0.35~0.82、p=0.0038)。データカットオフ日(2019年1月15日)時点でのPFS率はオラパリブ群が32.6%、プラセボ群が19.4%であった。 無作為化からの経過期間とPFS率は、6ヵ月時点でオラパリブ群53%、プラセボ群23%、12ヵ月時点ではそれぞれ34%、15%、18ヵ月時点ではそれぞれ28%、10%、24ヵ月時点ではそれぞれ22%、10%と、オラパリブ群のPFS率は常にプラセボ群の倍以上だった。また、サブグループ解析では1次治療でのSDあるいは奏効にかかわらず、オラパリブ群で良好な傾向だった。 データ成熟度46%時点の中間解析でのOSはオラパリブ群18.9ヵ月、プラセボ群18.1ヵ月(HR:0.91、95%CI:0.56~1.46、p=0.68)。PFS2はオラパリブ群が13.2ヵ月、プラセボ群で9.2ヵ月(HR:0.76、95%CI:0.46~1.23、p=0.26)。 腫瘍径が計測可能だった患者での盲検独立中央評価委員会によるORRはオラパリブ群23.1%、プラセボ群11.5%であった。奏効期間(DOR)中央値はオラパリブ群24.9ヵ月、プラセボ群3.7ヵ月と、オラパリブ群では2年以上継続していた。 有害事象発現頻度は全有害事象でオラパリブ群95.6%、プラセボ群93.3%、Grade3以上はそれぞれ39.6%、23.3%であった。オラパリブ群で目立った副作用は、疲労感、悪心、下痢で、Grade3以上で頻度が多かったのは貧血と疲労感だった。 Kindler氏は今回の結果から「BRCA変異を持つ転移のある膵臓がんの1次治療後の維持療法として、オラパリブは新たな標準治療となるだろう」との見解で締めくくった。

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日本人肺がんのオシメルチニブ1次治療耐性を探る/ASCO2019

 オシメルチニブはEGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において重要な選択肢である。しかし、同薬の耐性機構に対する報告は少ない。近畿中央呼吸器センターの田宮 朗裕氏らは、日本人NSCLC患者におけるオシメルチニブ1次治療の耐性機構を明らかにするため前向き観察研究を開始する。試験の概要を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)にて発表した。 対象は1次治療としてオシメルチニブ投与を予定している非扁平上皮NSCLC患者で、予定症例数は180例。被験者からはオシメルチニブ投与前に血液、組織サンプルを採取する。血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を用いた超高感度次世代シークエンス(NGS)を、治療前、治療3ヵ月後、12ヵ月後、PD後に実施してオシメルチニブ耐性関連遺伝子変異を分析する。主要評価項目・オシメルチニブ治療前とPD時のオシメルチニブ耐性関連遺伝子変異の発現および発現率(ctDNAを用いた超高感度NGSによる)副次評価項目・組織DNAを用いたNGSによるオシメルチニブ耐性遺伝子の発現および発現率(組織サンプルがある場合)・超高感度NGSによるctDNA中のオシメルチニブ耐性関連遺伝子の量を検知する方法の分析・超高感度NGSによる、オシメルチニブ投与3ヵ月後と12ヵ月後の耐性関連遺伝子の発現および発現率・ctDNAを用いた超高感度NGSおよび組織DNAを用いたNGSの感度と特異度・オシメルチニブ治療後3ヵ月、12ヵ月における耐性関連遺伝子の背景、疾患増悪に影響する因子の分析筆頭著者 近畿中央呼吸器センター 田宮 朗裕氏へのインタビューこの試験の背景と概要について教えていただけますか。 オシメルチニブはEGFR変異陽性NSCLCの1次治療のスタンダードですが、その耐性についての知見は少なく、昨年のESMO2018でのFLAURA試験の結果くらいしか報告がないと思います。われわれは、日本国立病院機構の前向き観察研究としてこの研究を開始しました。前向き研究として結果がでるようにサンプルサイズを180例に設定し、本年(2019年)5月から登録を開始しています。 遺伝子解析はEGFR、ALK、BRAFといったメジャーな変異に加え、180のマイナー変異についても行います。また、組織DNAを採取しているケースではctDNAとのconcordanceも検証します。さらに、可能であれば治療後3ヵ月、12ヵ月、PD後のデータから、早期に起こる耐性と後から起こる耐性の違いも調べてみたいと思っています。

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成人の「軽症」気管支喘息における増悪予防治療について(解説:小林英夫氏)-1060

 成人気管支喘息の治療は重症度による差異はあるものの、大まかには、吸入ステロイド薬を維持療法の基本薬とし、発作時には短時間作用型β2刺激薬(SABA)を用いている。本論文は成人軽症喘息の増悪予防療法について3群を比較検討し、ブデソニド+ホルモテロール合剤の頓用が吸入ステロイド維持療法に劣らないとしたものである。 これまで維持療法が導入されていない軽症症例を、発作時のみSABA吸入頓用群、吸入ステロイド維持療法+発作時SABA頓用、発作時にブデソニド+ホルモテロール合剤の頓用、の3群化している。初めの2群は一般的な治療であり、3つ目の群を評価することが本試験の目的となっている。なお、喘息発作時に合剤を追加吸入する治療としてSMART(single maintenance and reliever therapy)療法が報告されているが、この療法は維持療法として合剤を使用したうえにさらに上乗せする治療で、本試験の第3群とは別個の概念である。 本試験の結論として、「軽症」成人喘息においては、喘息発作時の合剤頓用が吸入ステロイド維持療法と同等以上に増悪発生と重症増悪を管理できるとしている。結論に大きな異論はないように感ずる。また、患者は毎日の定期吸入療法よりも必要時のみの合剤頓用に簡便性を感じるかもしれない。それでは、日常の治療選択肢として合剤頓用が望ましいであろうか。今後、合剤頓用が喘息治療のガイドラインに組み込まれる可能性はあろうが、筆者は当面は積極的な導入は見合わせるつもりである。本結論を支持する追加論文の必要性もある。そして患者本人の判断に重きを置く治療法への不安が残る。SABAも合剤も、本人判断による頓用が過剰吸入や喘息の過小評価につながった経験は決して少なくない。頓用療法では自覚症状のみではなくピークフロー測定の導入がより重要になると感じる。30年近く前にSABA頓用の有害性が報告された歴史も踏まえ、もうしばらくはデータの蓄積を待ってもよいのではないだろうか。

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肝性脳症〔Hepatic encephalopathy〕

1 疾患概要■ 概念・定義意識障害には脳機能障害以外に多くの原因があるが、肝機能低下に伴う意識障害が肝性脳症とされている。肝性脳症は多くの場合、肝硬変や劇症肝炎患者などの肝障害が進行した状況において発生する。傾眠傾向といった軽度のものから、重度の深昏睡に至るまで多様な精神神経症状を来す合併症で、肝不全の特徴的徴候の1つである。顕性肝性脳症の臨床病型は急性型、慢性型、および先天性尿素サイクル異常症など代謝異常に伴う特殊型に大別される。また、顕性の意識障害はないが、精神神経機能検査で異常を認める状態を「ミニマル脳症」と呼ぶ。■ 疫学わが国では数十万人の肝硬変患者が存在するとされており、病状の悪化に伴い、いずれの患者においても肝性脳症を発症しうる。ミニマル脳症については、肝硬変患者の1/3が有しているとの報告もあり、ミニマル脳症患者のうち約20%が半年以内に顕性脳症に移行するとされている。急性型の劇症肝炎の発症数は減少しているものの、肝硬変を基礎疾患として急性増悪を来す“Acute-on chronic liver failure(ACLF)”がアルコールを原因とするものとして近年増加している。■ 病因急性型では劇症肝炎が代表的原因である。先行する慢性肝疾患が存在しない患者において、さまざまな原因により広範な肝細胞壊死を来し肝不全に至る。以前はB型肝炎ウイルスによるものが多かったが、近年は減少傾向にある。最近では肝硬変などの慢性肝疾患が急性増悪して、急激に肝不全症状を呈した場合を“Acute on chronic”と呼ぶことが提唱されている。慢性型では肝硬変によるものが臨床的に最も多い。肝硬変では、門脈大循環短絡路を形成していることが多く、その程度により治療反応性と予後が異なることから、短絡路の評価を行ったうえで治療法を決定する。頻度は高くないものの、先天性尿素サイクル異常症も、念頭において診療に当たることが必要である。アンモニア高値のみを示す成人では、オルニチントランスカルバミラーゼ (OTC)欠損症とシトルリン血症などの可能性が考えられる。■ 症状肝性脳症は、傾眠傾向といった軽度のものから重度の深昏睡に至るまで多様な精神神経症状を来す。わが国で広く使用されている犬山シンポジウムの分類を表1に示す。先に述べたミニマル脳症は、臨床的には診断できないためナンバーコネクション(数字追跡)試験などの精神神経学的テストで判断する。なお、このテストはiPadなどにダウンロードして使用でき、日本肝臓学会のホームページから無料でダウンロードできるようになっている。表1 肝性脳症の犬山分類画像を拡大する■ 分類顕性肝性脳症の臨床病型は急性型、慢性型、および先天性尿素サイクル異常症など代謝異常に伴う特殊型に大別される。また、顕性の意識障害はないが、精神神経機能検査で異常を認める状態をミニマル脳症と呼ぶ(表2)。欧米での肝性脳症の分類を表3に示す。表2 臨床病型分類画像を拡大する表3 欧米における肝性脳症の分類画像を拡大する表3に示したように、肝性脳症は大きく(A)急性型、(B)バイパス型、(C)肝硬変型に分けられる。型別頻度は、急性型28%、慢性型のうち再発型54%、末期昏睡型18%といわれており、初回脳症時の生存率は慢性再発型で76%であるのに対し、末期昏睡型では23%と報告されている。救急外来を受診した意識障害患者において、肝性脳症の頻度は約2%とされており、頻度が高いものではないが常に念頭に置くべき疾患の1つである。急性型では劇症肝炎が代表的原因である。先行する慢性肝疾患が存在しない患者において、さまざまな原因により広範な肝細胞壊死を来し肝不全に至る。以前はB型肝炎ウイルスによるものが多かったが、近年は減少傾向にある。■ 予後肝性脳症が出現した患者の予後は悪いことが知られている。海外の報告では脳症出現後の1年生存率は約35%、2年で30%、3年で20%、5年で15%とされている。慢性型では肝硬変によるものが最も多いが、脳症の出現は予後を悪化させる合併症であり、脳症の出現した肝硬変患者の生存率は30~40%と考えられる。また、ACLFに関しても、脳症出現が重症度分類に加えられていることから、脳症の出現は肝疾患全体に関する予後決定因子の1つと考えられる。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)臨床症状に加えて検体検査、画像検査、精神神経機能検査などを行って総合的に診断する。身体所見としては肝不全に伴う皮膚黄染(黄疸)、浮腫、腹部膨隆(腹水貯留)を認める場合が多い。羽ばたき振戦や、肝性口臭などは急性型、慢性型のいずれにもみられるが、手掌紅斑、くも状血管腫、腹壁静脈怒張などは慢性型を疑う所見となる。ミニマル脳症は臨床的所見による診断が困難である。わが国では顕性脳症の昏睡度分類として主に表1の犬山分類が用いられる。脳症の昏睡度I度は臨床的には判定困難なことが多く、振り返って初めて診断できることも少なくない。II度になると、羽ばたき振戦など診断は比較的容易であるが、羽ばたき振戦は尿毒症や低血糖症でも出現することがあるので鑑別が必要である。1)検体検査肝不全を判定するため、一般肝機能検査、肝予備能(アルブミン、プロトロンビン時間、コリンエステラーゼなど)とともにアンモニア値を測定する。シトルリン血症などの尿素サイクル異常症では、アンモニア以外の肝機能は正常であることが多い。BCAA/AAAモル比(フィッシャー比)の低下を認めるが、最近では簡便な指標としてBCAA/チロシン比であるBTRが用いられることが多い。また、脱水や消化管出血が誘因となっている場合は、BUN(血液尿素窒素)/Cr(血中クレアチニン)比の上昇がみられ、利尿剤使用による低カリウム血症などの電解質異常を認める場合も多い。2)画像検査腹部超音波、CT検査などで慢性肝疾患や脾腫、短絡路の有無などを検索する。また、頭部MRI検査などで中枢神経系の疾患を除外する。深昏睡では脳浮腫の有無も評価する。慢性再発型ではMRI T1強調検査で淡蒼球の高信号が特徴的とされている。3)精神神経機能検査症状に乏しいミニマル脳症を疑う患者に対しては数字追跡試験、WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale)式成人知能検査などによる評価を行う。脳波は三相波が出現し、進行とともに低振幅徐波となっていく。意識障害を伴っている患者の場合、頭部CT、MRI検査や髄液検査などの検査を行い、中枢神経系の疾患を除外することが大切である。さらに、糖尿病性ケトアシドーシスや低血糖症など代謝性疾患の除外のため、血糖、尿中ケトン体、血液ガス検査なども行う。肝性脳症初期の症状は、睡眠パターン変化、人格変化、被刺激性、精神反応の鈍化など軽微で非特異的な症状であり、臨床的診断は困難である。必要に応じて、定量的精神神経機能検査(数字追跡試験、WAIS式成人知能検査など)や電気生理学的神経検査(脳波[三相波がみられる]、大脳誘発電位など)を組み合わせて診断を試みる。アンモニア値が低いからといって肝性昏睡を否定できないことに注意が必要である。逆にアンモニア値が高くても意識障害を認めない症例も多数あるため、肝性脳症の診断には家人を含めた詳細な問診が必要となる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)肝性脳症の治療は、誘因の除去および食事療法による一般療法と薬物療法に分けられる。1)誘因の除去タンパク質の過剰摂取、便秘、下痢などの便通異常、脱水、感染症、利尿剤や睡眠剤、安定剤の過剰投与などは、非代償性肝硬変患者において容易に肝性脳症を誘発するため、普段より生活指導を行うことが重要である。2)食事療法肝性脳症時の食事療法は、低タンパク食(0.4~0.6kg/標準体重)が基本であるが、長期間のタンパク制限は栄養不良を助長し、予後に悪影響を及ぼすことが懸念されるため、漫然と継続しないことに注意する。3)薬物療法アンモニアの生成および吸収抑制のため(1)合成二糖類、(2)難吸収性抗生物質を用いる。(2)に関して、これまではカナマイシンや硫酸ポリミキシンBが使われてきたが、いずれも保険適用外であり、長期投与による聴力障害や腎機能障害を生じるなどの問題があった。2016年に、海外では30年以上前から使用されていたリファキシミン(商品名:リフキシマ)が、肝性脳症に対してわが国でも使用が認可された。海外のガイドラインでは難吸収性抗生物質は、合成二糖類に併用投与が推奨されている。リファキシミンに関しては、長期投与の安全性が認められていることから第1選択薬としての可能性もあり、今後わが国における検証が期待される。亜鉛補充やカルニチン製剤が、単独投与あるいは合成二糖類や分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤との併用投与により高アンモニア血症を改善するとの報告がある。亜鉛補充は、これまで各施設で硫酸亜鉛などを調剤していたが、ウイルソン病治療薬である酢酸亜鉛(同:ノベルジン)が肝疾患の低亜鉛血症に対して適応拡大となった。4 今後の展望最新の認知症ガイドラインにおいて、早期認知症との鑑別すべき疾患の1つとして肝性脳症が挙げられている。最近問題となっている車の運転における逆走などは、ミニマル脳症の患者も同様のハイリスクを有していることから、ミニマル脳症を含めた早期治療介入の重要性が今後注目されると思われる。さらにリファキシミンに関しては、長期投与の安全性が認められていることから、第1選択薬としての可能性もあり、今後わが国における検証が期待される。亜鉛補充やカルニチン製剤が、単独投与あるいは合成二糖類やBCAA製剤との併用投与により高アンモニア血症を改善するとの複数の報告もなされている。肝性脳症を含めて肝硬変領域においては、この数年間で多くの新薬が上市された。2019年には非代償期のC型肝硬変患者に対する直接的抗ウイルス治療薬(DAA)製剤も認可されており、今後肝硬変診療は新たなパラダイムシフトに向かっていくと思われる。5 主たる診療科消化器内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報日本消化器病学会ガイドライン閲覧サイト(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本肝臓学会肝性脳症診断ツールダウンロード(医療従事者向けのまとまった情報)公開履歴初回2019年6月11日

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ココカラファインとスギHD経営統合の背景に見えるもの【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第26回

店舗数が増加の一途にあるドラッグストア業界で大型再編のニュースが飛び込んできました。ドラッグストア大手のスギホールディングス(HD、愛知県大府市)とココカラファイン(横浜市)は6月1日、経営統合に向けた協議を始めた、と発表した。実現すれば、売上高は9千億円に迫り、業界トップのイオン系のウエルシアHD(東京都)を抜く。ココカラは4月にも、業界大手マツモトキヨシHDと資本業務提携の検討を始めると公表。6月1日の発表によると、マツモトキヨシとの協議も継続するとしており、巨大な企業連合が誕生することも見込まれる。(2019年6月1日 朝日新聞デジタル)これがどのくらいの規模の話なのか整理したいと思います。まず、業界6位のスギHDの売上は4,884億円(2019年3月期)、業界7位のココカラファインの売上は4,005億円(2019年3月期)です。業界1位のウエルシアHDの売上が7,791億円(2019年2月期)ですから、単純に合計すると業界1位に躍り出ることになります。店舗数に関しても、2社を合計すると約2,500店舗となり、こちらも業界1位となります。なお、ココカラファインはマツモトキヨシHDと資本業務提携の協議・検討を開始することを4月に発表しています。その協議・検討も続けるとのことで、スギHDとマツモトキヨシHDがココカラファインを取り合っている、とも報じられています。成長率鈍化傾向のドラッグストア業界で再編は進むか?なぜこのような大型の統合や提携の協議が立て続けに起こっているのでしょうか。近年では訪日外国人のいわゆる「爆買い」によるインバウンド消費の影響もありますが、食品や化粧品、プライベートブランド(PB)商品の販売を強化することで、何期も連続して最高益を更新する企業が多くありました。業界全体としても好調で、日本チェーンドラッグストア協会が2019年3月に発表した2018年度「ドラッグストア実態調査」によると、業界の全国総売上高は前年比6.2%増の7兆2,744億円であり、2017年度の5.5%増を上回る増収率でした。しかし、成長率という視点で見ると、2017年度の実績では2桁の増収増益が目立ちましたが、2018年度は既存店の売上の鈍化や販管費比率の上昇で営業減益を見込むチェーン店が増加しており、成長に減速感が見られるようになってきています。すでに大規模な再編を経験したコンビニエンスストアなどの他の小売業と同様に、都市部店舗の飽和による競争激化や人件費の上昇といった最重要課題の解決は、単独のチェーンでは難しくなってきているのでしょう。薬局という視点から見ると、調剤報酬や薬価の引き下げの方向性など、今後の調剤での利益縮小が予想されていることも影響しているかもしれません。ココカラファインとスギHDもしくはマツモトキヨシHDの統合・提携によりドラッグストア業界の勢力図が変わり、今後より一層再編が進む可能性があります。日用品や物販の効率化だけでなく、医療サービスの拡充がどのようになるのか注目していきたいと思います。

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うつ病や不安と居住地の標高との関連

 いくつかの研究で、居住地の標高が高くなるとうつ病や自殺のリスクが増加すると示唆されているが、標高の変化によるこれらのリスクの変動を評価した研究は多くない。米国・ユタ大学のBrent M. Kious氏らは、医学生を対象に、うつ病や不安と居住地の標高との関連について検討を行った。International Review of Psychiatry誌オンライン版2019年5月14日号の報告。 本研究では、医学部卒業から研修期間1年目までをフォローしたインターン健康調査のデータを用いた。うつ病の評価にはPHQ-9、不安症状の評価にはGAD-7を用いて、これらの症状に対する複数のリスク因子を評価した。精神症状に対する標高の影響を示すオッズ比(OR)は、一般化線形モデルを用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・46の学校と282の居住地を代表する医学生3,764例のデータが利用可能であった。標高に関するデータが不十分な医学生を除外し、3,731例について分析を行った。・高地居住(標高900m超)は、PHQ-9合計スコア(OR:1.32、95%CI:1.001~1.75、p<0.05)およびPHQ-9自殺念慮スコア(OR:1.79、95%CI:1.08~0.02、p=0.02)と有意な関連が認められた。・低地から高地への移住は、PHQ-9合計スコア(OR:1.47、95%CI:1.087~1.98、p=0.01)、GAD-7合計スコア(OR:1.40、95%CI:1.0040~1.95、p<0.05)、PHQ-9自殺念慮スコア(OR:1.10、95%CI:1.01~1.19、p=0.02)と有意な関連が認められた。 著者らは「低地から高地への居住地の移動は、うつ病、不安、自殺念慮の増加と関連していることが示唆された」としている。

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かかりつけ医のための適正処方の手引き(糖尿病)が完成/日本医師会

 2019年6月4日、日本医師会の江澤 和彦氏(常任理事)が、『超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き(3)糖尿病』の完成を記者会見で発表した。高齢者糖尿病の現状をふまえたかかりつけ医のための手引きの作成 厚生労働省から発表された平成28年国民健康・栄養調査結果の概要によれば「糖尿病が強く疑われる者」は約1,000万人と推定され、その中で、65歳以上の高齢者が占める割合は約60%以上となっている。今後も高齢化に伴い65歳以上の糖尿病患者の増加が予想される。 高齢者糖尿病では、一般的に老化の特徴としての身体機能、認知機能などの個人差が大きくなる。また、75歳以上の高齢糖尿病患者ではとくに認知機能障害、ADL低下などの老年症候群や重症低血糖、脳卒中の合併症などを起こしやすいと言われている。 『超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き(3)糖尿病』では、75歳以上の高齢者と老年症候群を合併した65歳から74歳の前期高齢者を「高齢者糖尿病」と想定し、日本老年医学会の協力により作成された。 今回のかかりつけ医のための適正処方の手引きは、2017年『(1)安全な薬物療法』、2018年『(2)認知症』に続く第3弾としての発刊。いずれも日本医師会のサイトに全ページがpdfで掲載されており、ダウンロード可能。超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き(3)糖尿病《目次》1.糖尿病の現状と治療総論2.高齢者糖尿病における認知機能障害と身体機能障害(ADL低下、サルコペニア、フレイル)3.高齢者糖尿病の血糖コントロール目標設定4.高齢者糖尿病の治療 1)総論 2)高齢者糖尿病の食事療法 3)高齢者糖尿病の運動療法 4)シックデイの対策5.高齢者糖尿病の薬物療法(総論)6.高齢者糖尿病の薬剤使用の注意点7.高齢者糖尿病の低血糖 1)低血糖の特徴  2)低血糖の対策 8.糖尿病における高齢者総合機能評価(CGA)

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ダラツムマブ追加で、多発性骨髄腫の無増悪生存が改善/NEJM

 自家造血幹細胞移植の適応がない新規診断の多発性骨髄腫患者の治療において、標準治療であるレナリドミド+デキサメタゾンにダラツムマブを併用すると、標準治療単独に比べ病勢進行または死亡のリスクが有意に低減することが、フランス・リール大学のThierry Facon氏らが行ったMAIA試験で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年5月30日号に掲載された。ダラツムマブは、CD38を標的とするヒトIgGκモノクローナル抗体であり、直接的な抗腫瘍活性と免疫調節活性を有する。多くの治療歴のある患者への単剤による有効性や、新規診断および再発・難治例への標準治療との併用による有効性が報告されている。多発性骨髄腫で年齢や副作用リスクで移植が適応外の患者が対象 本研究は、北米、欧州、中東、アジア太平洋地域の14ヵ国176施設が参加する非盲検無作為化第III相試験であり、2015年3月~2017年1月に患者登録が行われた(Janssen Research and Developmentの助成による)。 対象は、全身状態(ECOG PS)が0~2の新規に診断された多発性骨髄腫で、年齢(≧65歳)または許容できない副作用が発現する可能性が高い病態の併存により、大量化学療法+自家造血幹細胞移植が適応とならない患者であった。 被験者は、ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾン(ダラツムマブ群)またはレナリドミド+デキサメタゾン(対照群)を投与する群に無作為に割り付けられた。治療は、病勢進行または許容できない副作用が発現するまで継続することとした。 主要評価項目は、無増悪生存(無作為化から病勢進行または死亡までの期間)であった。ダラツムマブ群は無増悪生存が44%改善、CR以上が約2倍、MRD陰性が約3倍に 737例が登録され、ダラツムマブ群に368例、対照群には369例が割り付けられた。全体の年齢中央値は73歳(範囲:45~90)で、65歳未満は8例(両群4例[1.1%]ずつ)のみで、75歳以上が321例(160例[43.5%]、161例[43.6%])含まれた。診断からの経過期間中央値は0.9ヵ月(範囲:0~14.5)だった。 追跡期間中央値28.0ヵ月の時点で、240例が病勢進行または死亡した(ダラツムマブ群97/368例[26.4%]、対照群143/369例[38.8%])。30ヵ月時の無増悪生存率は、ダラツムマブ群が70.6%(95%信頼区間[CI]:65.0~75.4)、対照群は55.6%(49.5~61.3)であり、無増悪生存期間中央値はそれぞれ未到達、31.9ヵ月(28.9~未到達)であった。病勢進行または死亡のハザード比(HR)は0.56(0.43~0.73)であり、ダラツムマブ群で有意に優れた(p<0.001)。 完全奏効(CR)以上(CR+厳格な完全奏効[sCR])の割合は、ダラツムマブ群が47.6%と、対照群の24.9%に比べ有意に良好であった(p<0.001)。また、微小残存病変(MRD)が閾値(白血球105個当たり腫瘍細胞1個)を下回った患者の割合は、ダラツムマブ群が24.2%であり、対照群の7.3%に比し有意に高かった(p<0.001)。 最も頻度の高いGrade3/4の有害事象は、好中球減少(ダラツムマブ群50.0% vs.対照群35.3%)、貧血(11.8% vs.19.7%)、リンパ球減少(15.1% vs.10.7%)、肺炎(13.7% vs.7.9%)であった。 著者は、「これらの知見は、多発性骨髄腫の患者集団全体におけるダラツムマブベースのレジメンの使用を支持する臨床試験のリストに加えられる可能性がある」としている。「ダラツムマブ」関連記事ダラツムマブ併用で、多発性骨髄腫の厳格な完全奏効が改善/Lancet

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腎細胞がんへのペムブロリズマブ+アキシチニブ、IMDC分類によらずベネフィット(KEYNOTE-426)/ASCO2019

 進行または転移を有する腎細胞がん(mRCC)の1次治療における、抗PD-1抗体ペムブロリズマブとチロシンキナーゼ阻害薬アキシチニブの併用療法を評価した第III相試験KEYNOTE-426のサブグループ解析から、IMDC分類によらず、また予後不良とされる肉腫様変化を有する患者においても、併用療法のベネフィットが示された。米国・クリーブランドクリニックのBrian I. Rini氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で発表した。なお、本併用療法は同試験の結果に基づき、2019年4月にFDAから承認を受けている。 KEYNOTE-426は、治療歴のないmRCC患者に対するペムブロリズマブとアキシチニブの併用療法の有効性と安全性を評価した、非盲検多施設共同無作為化試験。KPS(Karnofsky Performance Status)≧70、未治療のIV期淡明細胞型RCC患者が、腫瘍のPD-L1発現状況にかかわらず登録された。層別化因子は、IMDC分類(低 vs.中vs.高)と地域(北米 vs.西欧 vs.その他の地域)であった。登録患者は、ペムブロリズマブ(200mg)を3週ごとに静脈内投与(最大35サイクルまで)+1日2回アキシチニブ(5mg)の経口投与を受ける併用群、またはスニチニブ(50mg)を1日1回4週間経口投与後に2週間休薬するスニチニブ群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、独立中央評価委員会(BICR)がRECIST v1.1に準拠して評価したintention-to-treat(ITT)集団における全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は奏効率(ORR)であった。事前に規定された中間解析において、併用群はスニチニブ群と比較して、OS(ハザード比[HR]:0.53、p<0.0001)、PFS(HR:0.69、p<0.001)、およびORR(59.3% vs.35.7%、p<0.001)を有意に改善し、管理可能な安全性プロファイルを示している。 主な結果は以下のとおり。・全体で861例の患者が登録され、ペムブロリズマブ+アキシチニブ併用群に432例、スニチニブ群に429例が割り付けられた。・ITT集団における標的病変のベースライン時点からの腫瘍縮小率は、スニチニブ群と比較して併用群で優れていた(≧60%の縮小:併用群42% vs.スニチニブ群16%、≧80%の縮小:17% vs.6%、完全奏功[CR]:9% vs.3%)。・IMDC低リスクの患者は269例(併用群:138例、スニチニブ群:131例)、中/高リスクの患者は592例(併用群:294例、スニチニブ群:298例)であった。・IMDC低リスクの患者において、OS中央値は両群ともに未到達、HR:0.64、95%信頼区間[CI]:0.24~1.68、12ヵ月OS率:95% vs.94%。PFS中央値は17.7ヵ月vs.12.7ヵ月、HR:0.81、95%CI:0.53~1.24、12ヵ月PFS率:68% vs.60%。ORRは66.7% vs.49.6%。・IMDC中/高リスクの患者において、OS中央値は両群ともに未到達、HR:0.52、95%CI:0.37~0.74、12ヵ月OS率:87% vs.71%。PFS中央値は12.6ヵ月vs.8.2ヵ月、HR:0.67、95%CI:0.53~0.85、12ヵ月PFS率:56% vs.40%。ORRは55.8% vs.29.5%。・肉腫様変化を有する患者は105例(併用群:51例、スニチニブ群:54例)含まれた。ベースライン時、年齢中央値は58.0歳 vs.58.5歳。IMDC低リスクが13.7% vs.18.5%、中リスクが66.7% vs.70.4%、高リスクが19.6% vs.11.1%。PD-L1 CPS≧1は74.5% vs. 79.6%であった。・肉腫様変化を有する患者において、OS中央値は両群ともに未到達、HR:0.58、95%CI:0.21~1.59、12ヵ月OS率:83% vs.80%。PFS中央値は併用群で未到達、スニチニブ群で8.4ヵ月、HR:0.54、95%CI:0.29~1.00、12ヵ月PFS率:57% vs.26%。ORRは58.8% vs.31.5%、標的病変におけるCRは13% vs.2%であった。

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大動脈弁狭窄症に対する治療の第1選択はTAVIの時代に(解説:上妻謙氏)-1058

 超高齢時代を迎え冠動脈疾患、弁膜症、末梢動脈疾患、脳血管疾患などによる心血管イベントは、悪性腫瘍と並んで非常に多い死亡原因となっている。またそれらの疾患の終末像である心不全は、パンデミックといわれるほどの国民病となっており、冬期は救急医療機関が満床となる原因となっている。経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)は高齢者心不全の原因の1つとなっている大動脈弁狭窄症(AS)に対する根本的介入を行うもので、手術ハイリスク、超高齢者に対する治療としては第1選択となった。海外ではPARTNER 2試験など中等度リスク患者に対するTAVIは死亡、後遺症の残る脳卒中などの重大なイベントにおいて外科手術に対し優れることが示され、ガイドライン上でも中等度リスクまで適応が拡大されていた。 今回発表されたPopmaらによるNew England Journal of Medicine誌(2019年3月16日号)の論文は、手術低リスクの患者に対する自己拡張型生体弁を用いたTAVIと外科手術の無作為化比較試験結果で、同時にバルーン拡張型を用いたPARTNER 3試験とともに発表された。1,486人の重症ASが無作為化され、そのうち1,403人が実際にTAVIまたは外科手術を施行された。選択基準としては一般に重症のASと診断される症候性、あるいは無症候でも超重症と判定されるASの患者が対象で、30日死亡率が3%未満と予測される患者が対象となった。これは近年心臓外科手術のリスク評価で標準的に使用されているSTSスコアに相当するものであるが、今回の判定基準はローカルのハートチームの評価とスクリーニングコミッティーでの評価となっており、若干の曖昧さがあった。 プライマリーエンドポイントは死亡および後遺障害の残る脳卒中で、2年までフォローされた。TAVIの人工弁はメドトロニック社の現在も使用されているEvolut Rを中心に、その逆流防止スカート付きであるEvolut PRO、サイズによってわずかではあるが一世代前のCoreValveが使用されたこともあった。結果、プライマリーエンドポイントである2年の死亡、脳卒中はTAVI群が5.3%、外科手術が6.7%と非劣性を示すことができ、重篤な出血、腎障害、心房細動の発生、残存圧較差、QOLをはじめとして、多くのセカンダリーエンドポイントでTAVIの優越性が示された。TAVIにおいて外科手術よりも頻度が有意に多くなったのがペースメーカー植え込みで、これは外科手術の6.1%に比べ17.4%にもなった。 この低リスク治験は、参加が遅くなったため症例数としては少ないが日本も含まれており、日本での承認治験の役割も担っている。同時に発表されたPARTNER 3試験もSTSスコア4%未満がエントリーということ以外ほぼ同様のデザインで行われ、プライマリーエンドポイントに再入院も含めたため、非劣性のみならず優越性も示すことに成功している。 これら2つのランダマイズトライアルを総合すると、ASに対する手術低リスク患者のTAVIは、外科手術よりも30日の段階で明らかに安全であり、2年の段階でTAVIのほうが死亡、後遺症を残す脳卒中が少ないというメッセージを示している。日本も治験の形で参加した臨床試験であり、TAVIのメリットが明らかになったことで、今後低リスク患者への適応拡大が認められると考えられ、機械弁を選択する若年患者を除けばTAVIが第1選択となる時代が迫っているといえる。今まで課題とされてきたTAVIの生体弁の耐久性についても10年程度までは外科手術の生体弁と変わりがないことも示されてきており、残された課題はペースメーカー植え込み率の高さを含めて高いコストであろう。

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第14回 Cox比例ハザードモデルってどんなモデル?【統計のそこが知りたい!】

第14回 Cox比例ハザードモデルってどんなモデル?Cox比例ハザードモデル(Cox Proportional Hazards model)は、Cox回帰分析(Cox Regression Analysis)とも呼ばれます。つまり、「Cox 回帰」とは、Cox の比例ハザードモデルを用いた回帰分析のことです。まず、回帰分析から説明しましょう。■回帰分析一例として筋力トレーニング量と骨格筋増分量の相関図(図1)を作成し、散布図の真ん中を通る直線を引いてみました。図1において、筋力トレーニング量と骨格筋増加量との間には何らかの関係が見られるので、適当な直線を当てはめれば、筋力トレーニング量と骨格筋増加量の関係を推測することができます。図1では、直線を当てはめましたが、図2のように曲線の当てはまりが良い場合もあります。このように直線や曲線を当てはめることは「関係式の当てはめ」といいます。そして、関数式を当てはめる統計手法を「回帰分析」といいます。図1のように直線を当てはめる手法を「単回帰分析(直線回帰分析)」といいます。そして、図1の場合の関係式は「y=ax+b(単回帰式)」となります。図2のように曲線を表す関係式は、いろいろありますが、この場合の関係式は「y=ax2+bx+c」となり、データに最も合うようなa、b、cを推定します(曲線回帰分析)。これが回帰分析と呼ばれる手法です。このときの「y=ax+b」や「y=ax2+bx+c」のような関係式のことを「モデル」と呼びます。「モデル」とは、データを当てはめるグラフの関係式のことです。■Cox比例ハザードモデル(Cox回帰モデル)とは、どのようなモデルかCox比例ハザードモデルは、死亡/打ち切りのデータから生存率を求め、生存率の時間的な要素を考慮し、生存率に影響を及ぼす変数との関係式(モデル)を作成する方法です。関係式の目的変数(アウトカム)は1、0の2値データです。1、0データは「死亡/打ち切り」にとどまらず「死亡/生存」「再発する/再発しない」「寛解する/寛解しない」など、いろいろな場面が想定されます。説明変数は、生存率に影響を及ぼす治療方法や性別、年齢、BMIなどの背景因子が用いられます。Cox比例ハザードモデルは、各説明変数のハザード比を算出します。ハザードは危険を意味するので、生存でなく死亡に対するリスクを示す尺度です。また、ハザードは、ある時点の瞬間における死亡率であり、時間とともに変化します。単位は「人/単位時間」となります。このように、Cox比例ハザードモデルは、「ハザードをデータとしたモデル」であるといえます。つまり、ハザードをプロットして、グラフへ当てはめる(関係式への当てはめ)ときの、そのグラフ(関係式)のことを「Cox比例ハザードモデル」と呼びます。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第4回 ギモンを解決!一問一答質問8 Cox比例ハザードモデルとは?(その1)質問8(続き) Cox比例ハザードモデルとは?(その2)

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「0402通知」が示すこれからの薬剤師の姿【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第13回

4月に、厚生労働省から「調剤業務のあり方について」(薬生総発0402第1号平成31年4月2日厚生労働省医薬・生活衛局総務課長)が示されたことは周知の事実でありますが、この通称「0402通知」について、皆さんはどう思われましたか?調剤業務の効率化については、昨年行われた薬機法改正の議論でも、「調剤機器や情報技術の活用等も含めた業務効率化のために有効な取組の検討を進めるべき」(「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」平成30年12月25日厚生科学審議会 医薬品医療機器制度部会 8頁)とされていましたが、具体的にこのような通知が出されたことに驚いた方も多いのではないでしょうか。目的は“対人業務の充実”この通知では、すでにご存じかと思いますが、一定の条件下において、薬剤師以外の者による一部薬剤のピッキングなどを認めています。この点について、これまでも薬局によっては、具体的な運用を考えて実際に薬剤師以外の者がピッキングを行っていたところもありましたし、私も法に適合する運用は可能であると以前から考えていました。しかし、行政の法解釈がはっきりしなかったため、これまで議論されることが多かったことからも、条件があるものの、薬剤師以外の者による調剤に関する業務が可能であると国が示したことによる影響は大きいでしょう。本通知が示されたことで、これまでは行われていなかったことが一般的になる可能性があり、今後の薬剤師業務は大きく変わるかもしれません。この通知は、「患者のための薬局ビジョン」における“対物から対人への実現”のために示されたとみることもできます。実際に「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」においても「対人業務を充実させるための業務の効率化」について言及されており、やはり目的は“対人業務の充実”にあるようです。薬機法改正も視野に運用方法を再考すべきこの通知が出されたことによって、将来的に調剤報酬(調剤料)への影響が出ることが想定されますので、今後は対人業務における薬剤師の評価が今まで以上に重要になるのではないでしょうか。現在予定されている薬機法の改正では、必要に応じて服用期間中も患者さんについて継続的かつ的確な把握をし、指導などを行うことが義務付けられる見通しですので、このような義務を実現していくための通知と捉えるべきとも考えられます。また、通知では以下のとおりに示され、仮にピッキングなどを薬剤師以外の者に実施させることができるとしても、あくまでも責任は薬剤師にあることが前提となっています。1調剤に最終的な責任を有する薬剤師の指示に基づき、以下のいずれも満たす業務を薬剤師以外の者が実施することは、差し支えないこと。なお、この場合であっても、調剤した薬剤の最終的な確認は、当該薬剤師が自ら行う必要があること。当該薬剤師の目が現実に届く限度の場所で実施されること薬剤師の薬学的知見も踏まえ、処方箋に基づいて調剤した薬剤の品質等に影響がなく、結果として調剤した薬剤を服用する患者に危害の及ぶことがないこと当該業務を行う者が、判断を加える余地に乏しい機械的な作業であることこれまでと同様に、責任は薬剤師が背負う以上、一部の調剤に関する業務を薬剤師以外の者に任せても安全性が確保できる運用方法を考える必要があります。いかなるときも、患者さんに正しく安全な薬剤を供給することは、薬剤師の重要な責務であることを忘れないようにしましょう。参考資料1)「調剤業務のあり方について」(薬生総発0402第1号平成31年4月2日厚生労働省医薬・生活衛局総務課長)

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第21回 “お上品”な期外収縮の特徴は?【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第21回:“お上品”な期外収縮の特徴は?少し間が開きましたが、第16回で扱った「期外収縮」を再登場させます。起源が心房か心室か考える際には、QRS波形や先行P波の有無を確認する方法のほかに、前後の収縮間隔に着目する方法があります。心室期外収縮に備わった、期外収縮後の洞調律の収縮ペースを乱さない“スマート”な性質。これについて、Dr.ヒロが解説しましょう。症例提示62歳、男性。糖尿病性腎症にて血液透析を行っている。心疾患の既往もあり、抗血小板薬を2剤内服中。数週間前から心窩部不快感、悪心を訴え受診した。血圧147/84mmHg(非透析日)、脈拍88/分・不整、低血糖なし。以下に来院時の心電図を示す(図1)。(図1)来院時の心電図画像を拡大する【問題1】心電図所見として誤っているものを2つ選べ。1)心房細動2)右軸偏位3)ST低下4)ST上昇5)異常Q波(前壁誘導)解答はこちら1)、2)解説はこちら今回は心疾患の既往もある血液透析患者さんの胸部不快を扱いましょう。受診時心電図の読みを問うものですが、ボクらがすべきことは…そう、いつも変わらぬ“系統的判読”ですね!(第1回)1)×:“レーサー(R3)・チェック”していきましょう。R-R間隔は不整ですが、ほかと波形の異なる肢誘導3拍目、胸部誘導6拍目(中央付近の“半切れ”な波形も数える)以外は基本的に整に見えます。こういう場合、“時に不整”と言うとしっくりきますね。そして、問題の「調律」については“イチニエフの法則”の活用でしたね。R-R間隔が整な部分にコンスタントにあるP波の向きを見れば、「心房細動」ではなく「洞調律」です(第2回)。2)×:電気軸は、“スパイク・チェック”でQRS波の向きを見るのでした。I誘導:上向き、II誘導:上向きでも安心しないで。もう一つ、II誘導のご近所さんのaVF誘導が“トントン”よりやや下向きですね。このパターンは「“軽度の”左軸偏位」でした(第8回)。“トントン法Neo”を習得した人なら、「-10°」と数値で求められますね(第11回)。電気軸が-30~0°のゾーンに入るのが特徴です。3)○:次の4)ST上昇も含めて考えましょう。「ST部分」をチェックするのは、“スタート”の部分です。基線とJ点を眺めて「ST偏位」をすべて拾うと…II、aVF誘導は1mm以上の有意な「ST低下」で、I、V5、V6誘導にはそれに満たない「(軽度)ST低下」があります。4)○:V1~V3誘導に「ST上昇」がありそうだな、と読めた人は素晴らしい。でも、右前胸部誘導(V1~V3)の場合は、正常でも「ST上昇」のある「男性型」STパターンの人がいることに注意してくださいね。この方は40歳以上ですから、“ニッコリ兄さん”のほうではなく、「V2・V3のみ2mm、そのほかは1mm」が正常上限です(第14回)。ですから、自信を持ってV1~V3誘導に「ST上昇」ありと言えます。5)○:「Q波」は“クルッと”の“ク”部分です。QRS波が下向きの波で始まっているものが「Q波」でした。V1~V3誘導はいずれもR波のない「QS型」、V4誘導にもそれに準じる“おデブ”なQ波があります。よって、この方の“心疾患”は、「陳旧性(前壁中隔)心筋梗塞」と考えられ、ステント治療後のためか抗血小板薬が2剤使用されていることにも合致します。心電図(図1)がキチッと読めたのなら、「ST変化」と「異常Q波」がある患者の胸部症状であることに気づくはず。透析患者さんですから、胸部症状があって、ST上昇・低下とくれば…一度は「STEMI」(ST上昇型急性心筋梗塞)などの急性冠症候群(ACS)の可能性は鑑別すべきです。では、次に見るのは心筋バイオマーカーですか?…ノン、ノン。まずは過去の心電図との比較です。ただ、この方は以前から同様のSTレベルでしたので、急性期の変化ではないと判断できます。透析の方は心筋トロポニンも偽陽性(非特異的上昇)になるので、浮き足立たないように注意が必要です。【問題2】肢誘導波形の一部抜粋を以下に示す(図2)。収縮波形Aおよび間隔B、Cの名称を答えよ。また、波形Aをはさむ収縮間隔(B+C)と、正常波形の間隔Dとの関係についても述べよ。(図2)肢誘導の一部を抜粋画像を拡大する解答はこちら波形A:心室期外収縮(PVC)間隔B:連結期間隔C:回復周期(または休止期)関係性:B+C=2×D解説はこちら3拍目の波形Aは、ほかの洞収縮のタイミングと比べると早く出ていますから、「期外収縮」です(第16回)。間隔B、間隔Cの表現に関しては、循環器が専門ではない人にとって、少し難しいかもしれません。連結期(coupling interval):洞収縮から期外収縮までの時間休止期*(pause)または回復周期(return cycle):期外収縮から次の洞収縮までの時間※「休止期」の正式な英語表記は「postextrasystolic pause」のようです間隔Bと間隔Cの名称は期外収縮の心電図を理解する上で大事な用語です。「連結期」(間隔B)は“先行度合い”とでも言い換えてもらうとわかりやすいかな? もう一方の間隔Cは、「休止期」という表現のほうが「~期」つながりで「連結期」と統一感がでるのですが、心臓が2~3秒以上止まる心停止、いわゆる「ポーズ」(pause)の和訳とやや紛らわしい面があります。その意味では「回復周期」を用いたほうが無難でしょうか。非専門医にはハードルが高い「連結期」と「回復周期(休止期)」という用語をわざわざ登場させたのは、両者の和(間隔B+間隔C)、すわなち、期外収縮を挟む洞収縮の間隔と洞周期(連続する洞収縮時のR-R間隔:図2の間隔D)との間に存在する“美しい関係”を紹介したいからなんです。“期外収縮の出どころ、どーこだ?”ボクのレクチャーで「期外収縮」を学ぶときは、お得意(?)の“Dr.ヒロ謹製”語呂合わせが登場します(図3)。(図3)期外収縮のポイント画像を拡大するどうして“線香”なのか、はたまた“法被(はっぴ)”って何なんだ?というご批判は甘んじて受け入れましょう(笑)強いて言えば、それがDr.ヒロ流ってこと。先行度合いが“線香”です。洞周期から予想されるタイミングより早いことが必須条件です。次に、“カタチと法被が大事よ”は、期外収縮の起源(origin)、すなわち“出どころ”を知るためのチェック項目です。心電図から「どこ起源の期外収縮か?」を判定するのです。通常は「心房」か「心室」なことが大半であり、ごくまれに両者の“中間”の「房室接合部」からも出ることがありますよ。“起源は心房?それとも心室?”どんな教科書にも書いてありますが、期外収縮を見たとき、そのQRS波形と先行P波を見ます。波形については、QRS幅と洞収縮波形とが同じか(相同性)に注目しましょう。起源が「心房」なら房室結節~心室内の電気の流れが通常と同一ですから、QRS波形は洞調律の時と同じで、ふつうは幅も狭い(narrow)はずです。一方、「心室」起源の場合、正常刺激伝導系を“高速道路”とすれば“下道”を逆行するようなものですから、おかしな電気の流れは正常と似ても似つかない幅広(wide)なQRS波を形成します(第16回)。もう一つは、QRS波に先立つP波があるかないか。「心室」起源の場合、意味を考えればP波が先行しないことが心室収縮の早期性を示す特徴のはずです。逆に「心房」なら、必ず「P’波」(洞性P波と区別するためダッシュをつけました)が先行し、心房の早期収縮を示しています。今回の心電図(図2)の場合、洞収縮とは明らかに違うwideなQRS波形ですから、「心室期外収縮」(PVC)と判別できます。本症例では、このPVCの頻発が胸部症状の主因でした。“知っておきたいスマートな性質”大半の期外収縮は、“カタチと法被“の3条件の確認で心房または心室が起源と判定できます。でも、もともと脚ブロックがある人では、「心房期外収縮」(PAC)でも当然QRS幅がwideになりますね? 逆に「心室」起源でQRS幅がnarrowに見えるケースもごくまれにあります。また、P’波もしばしばT波に埋もれてしまい、見つけるのにはある程度コツと経験が要ります。こうした非典型例で参考にすると良い“第4の条件”を伝授しましょう。端的に言うと、PVCでは期外収縮を挟む洞収縮の間隔が洞周期の2倍になるんです。しかも“ピッタリ”「2倍」ね。「期外収縮を挟む洞収縮の間隔」というのは、(図2)なら3拍目のPVC波形Aを飛ばした2拍目と4拍目のR-R間隔です。つまり、連結期と回復周期の和(図2の間隔B+間隔C)に相当します。波形AがPVCであるならば、間隔B+間隔Cは洞周期(間隔D)のピッタリ2倍になるのです。PACでは2倍よりわずかに短くなるんです。この関係をチェックするには、メディカル・デバイダーと呼ばれる器機が便利です。片足が針で、もう片足が鉛筆なのが普通のコンパスですが、両足とも針な“医療用コンパス”のことです。廉価なものは2,000円ほどで売っていて、一般的な不整脈解析が用途であれば、それで十分だと思います。実際にデバイダーでクルックルッとDr.ヒロが解析している様子を示すと、次のようなイメージです(図4)。うーん、“ピッタリ”って気持ちいいなぁ!(図4)デバイダーで実感するPVCの“上品さ”画像を拡大するこの関係、Dr.ヒロ的には“ニバイニバーイの法則”と言っています。その昔、布団のCMで力士が“ニバイニバーイ”と言っていたのが妙に頭に残っています。またオッサンって言われそう…。このような時、期外収縮後の休止期(回復周期)は「代償性」(compensatory)であると表現されます。これが“大事よ”の種明かしです。なお、厳密に言うと、2倍かどうかの確認はR-R間隔ではなく、洞性P波を結ぶP-P間隔で測るべきですが、通常は測りやすいR-R間隔で代用してOKです。こうなる理由については今回割愛しますが、PVCは不意な“しゃっくり”の一種ですが、洞結節の活動性には干渉しない“上品さ”を有しているためと考えてください。「代償性」という専門用語までは覚えなくとも、この“美しい関係”は知っておくと良いでしょう。PVCは上品な期外収縮で、まれな例外*を除いて“ニバイニバーイの法則”を満たすのです。*:「間入性」パターンや室房伝導を有する特殊なPVCの場合などちょっとだけハイレベルな話もしましたが、最後にまとめの表を示して終わります(図5)。ぜひ実践してみてくださいね。(図5)期外収縮の起源判定の原則画像を拡大するTake-home Message期外収縮の起源は、QRS波形と先行P波の有無で判定せよ(“カタチと法被”)期外収縮を挟む洞収縮の間隔が洞周期の2倍ならPVC(“ニバイニバーイの法則”)【古都のこと~宇治平等院】平等院(宇治市)は、京都駅から30分圏内の国宝・世界遺産です。多くの方は、一度は訪れたことがあると思いますが、ボクは高校の修学旅行以来でした。阿字池(あじいけ)に囲まれた鳳凰堂は、以前より輝きを増したように感じられました。それもそのはず、平成の大修理(2012~14年)により、外観は丹土(につち)色と呼ばれる黒みのある赤に塗装され、瓦もシックな墨色となり、平安時代の様子に近づいたそう。阿弥陀如来坐像のある中堂、左右の翼廊、そして中堂の背後に延びる尾廊。藤原頼通による“極楽浄土”の体現には、どこからどう見ても“見事”以外の言葉が出てきません。でも、平等院にわれわれが親しみを感じるのは、いつの世も変わらぬ浄土への憧れ、というよりは10円玉のせいでしょうか? 先日、紙幣と500円硬貨の新デザインが発表されましたが、平等院とは当分お付き合いが続きそうで安心しました。

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第41回 老年薬学会に入って“日本沈没”を救え!【週刊・川添ラヂオ】

動画解説世界が経験したことのない超高齢社会。医療者として「ヤバイ」と感じますよね。それに立ち向かうべく設立された日本老年薬学会。「ポリファーマシーのことをやっている団体」と思われがちですが、医師と共同で高齢者に対する適切な薬物治療を研究しています。ロコモティブシンドロームや高齢者における薬物の影響を薬剤師が深く掘り下げることによって、超高齢化社会の問題を解決する糸口が見つかるかもしれません。

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臨床研究法、J-CLEARメンバーも対応に苦戦

 臨床研究法が施行されて早1年。2019年3月までは移行期間ということもあり、倫理委員会への登録などで忙殺された方が多かったようだ。本年4月からの新たな申請はこれまでに比べ、少ないというが、日本の臨床研究は法律に則り、滞りなく進んでいるのだろうか。NPO法人 臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR/理事長 桑島 巖氏)は2019年4月20日、都内においてJ-CLEAR講演会を開催。6名の先生が特定臨床研究の現状や糖尿病領域の臨床試験の変遷などについて発表した。 本稿では、第1部「特定臨床研究法施行のあとさき」の話題をお届けする。“医の倫理”は産業としての医療から生まれた 「特定臨床研究法、ここが問題-現場から」について発表した植田 真一郎氏(琉球大学医学研究科臨床薬理学講座 教授)は、世界初の倫理委員会発足から日本で臨床研究法が施行するまでの変遷について紹介。 天然痘が流行した時代、被験者保護の概念は乏しく、脆弱な人々は研究者自身の好奇心を満たす対象とされていた。これに対し、ヘンリー・K・ビーチャーが臨床研究における倫理指針を提唱、臨床研究を規制するためのNational Research Act(1974年)やベルモント・レポート(1979年)が作成されるようになり、医療の産業化と共にCOIの概念が発達していった。 ところが、産業としての医療が発達していく中でCOIの問題がますます表面化し、さらには「me too drug」の概念から企業による販売促進のための研究が拡大していったという。近年の日本の現状として、「倫理審査委員会を通過すればなんとかなると考え、“研究計画書の改定を倫理委員会に届けない”人々」の存在についてコメント。これを問題視した植田氏は、「臨床研究法施行によって計画書の改訂報告が義務付けられたことは良い」と述べた。“臨床研究法”はCOIを守り患者を保護する法律なのか? 臨床研究法が策定された背景には、未承認薬・適応外薬の臨床試験の枠組みはもちろんのこと、「臨床研究として有効性や安全性に対する試験デザインが適切になされているか、将来の患者さんを守るためのものになっているかが一番重要なことである」と植田氏は述べ、「最善の研究デザイン、研究計画について思考停止せずに考え続けること」を強調した。 臨床研究法を守ればなんでもやって良いわけではないことを再認識する必要がありそうだ。臨床研究法の矛盾 山本 晴子氏(国立循環器病研究センター・臨床試験推進センター長)は医療機器における観察・介入研究の判別の難しさについて、ロボットスーツを例に示した。このロボットスーツは医療機器としても福祉用具としても販売されているが、福祉用具としてのロボットスーツを脳梗塞患者のリハビリに診療で使用するとなると、特定臨床研究が必要になるのだという。これに対し山本氏は、「研究の“意図”に少しでも“治療”の匂いがすると法律を適用するのは、過剰規制ではないか?」と問題提起。このほか、医薬品と医療機器を同列に扱う点についても“国際的なズレ”を指摘し、「臨床研究法は『臨床指針』と隔絶しており、研究者が理解に苦しい」といった点を強く訴えた。コホート研究の本来の意味とは? 近年、なぜここまで多くの臨床試験が糖尿病領域においてなされているのか。景山 茂氏(東京慈恵会医科大学 特命教授)は、「患者の選択基準において、さまざまな薬剤を服用している患者やハイリスク患者を除外してはいけない」などの2008年にFDAが提言した5TOOsを挙げ、臨床研究に対する歴史的背景から覚えきれない程の臨床試験で溢れるようになった現況を説明し、臨床研究法の演題から第2部の「相次ぐ糖尿病新規治療薬:助っ人、それとも敵?」に繋げる役割を担った。

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