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APT試験のHER2陽性乳がん、術後パクリタキセル+トラスツズマブの長期転帰/JCO

 Adjuvant Paclitaxel and Trastuzumab(APT)試験は、腫瘍径が小さなHER2陽性乳がんに対する術後化学療法としてのパクリタキセル・トラスツズマブ併用療法について検討した第II相試験。これまでに主要解析の3年無病生存率(DFS)は98.7%であることが示されていたが、今回、長期追跡(7年)の結果が米国・ダナ・ファーバーがん研究所のSara M. Tolaney氏らにより発表された。長期予後はきわめて良好であったこと、また、腫瘍径が小さなHER2陽性乳がんの内因性サブタイプは腫瘍径が大きなHER2陽性乳がんと類似していることや、パクリタキセル誘発性末梢神経障害(TIPN)に関連する一塩基多型(SNP)について明らかになったという。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年4月2日号掲載の報告。APT試験におけるHER2陽性乳がん7年DFSは93.3% 研究グループは、APT試験の長期予後について解析するとともに、腫瘍径が小さなHER2陽性乳がんの生物学ならびにTIPNの発症と関連する遺伝要因を明らかにする目的で探索的解析を行った。APT試験の対象は腫瘍径3cm以下、リンパ節転移陰性のHER2陽性乳がん患者で、パクリタキセル(80mg/m2)+トラスツズマブを12週間、その後トラスツズマブを9ヵ月間投与された。 主要評価項目はDFS、副次評価項目は無再発率(RFI)、乳がん特異的生存率および全生存率(OS)であった。探索的解析として、保存組織を用いnCounterシステムによるPredictor Analysis of Microarray 50(PAM50)遺伝子解析(Prosigna法)を行い、内因性サブタイプの分類と再発リスクスコア(ROR)を算出するとともに、TIPNに関連するSNP遺伝子型判定を行った。 APT試験のHER2陽性乳がんについて解析した主な結果は以下のとおり。・2007年10月~2010年9月に、計410例が登録された。・追跡期間中央値6.5年において、DFSイベント発生は23件であった。・7年DFSは93.3%(95%CI:90.4~96.2)で、4例(1.0%)は遠隔再発であった。・7年OSは95.0%(95%CI:92.4~97.7)、7年RFIは97.5%(95%CI:95.9~99.1)であった。・PAM50解析(278例)では、HER2 enrichedが65.5%と大半を占め、luminal Bが13.7%、luminal Aが12.6%、basal-likeが7.9%であった。・遺伝子型判定(230例)の結果、Grade2以上のTIPN(10.4%)患者においてTIPNのリスク増加と関連するSNP、rs3012437が同定された。

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新世代DES vs.BMS、2万例超のメタ解析結果/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行後最初の1年における新世代薬剤溶出ステント(DES)の成績は、安全面から従来のベアメタルステント(BMS)を標準治療と見なすべきとする見解を打破するものであることが示唆されたという。イタリア・フェデリコ2世 ナポリ大学のRaffaele Piccolo氏らが、新世代DESとBMSのアウトカムを比較検証した無作為化臨床試験のシステマティックレビューとメタ解析の結果を報告した。新世代DESは、ほとんどが初期DESと直接比較する非劣性試験で検証され、概して同等の有効性と優れた安全性が示されてきたが、BMSとの比較については明確なものがなかった。今回の結果から著者は「1年を超える臨床アウトカムの改善を目標に、DESのさらなる技術開発が望まれる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2019年5月2日号掲載の報告。無作為化臨床試験20件2万6,616例の個人データをメタ解析 研究グループは、PCI施行患者における新世代DESとBMSの転帰を比較するため、2017年12月19日までに報告された無作為化臨床試験の個人データのメタ解析を実施した。 主要評価項目は、心臓死または心筋梗塞の複合エンドポイントとした。ランダム効果モデルの一段階法でデータを併合し、最大調査期間および1年のランドマーク解析で検証した。また、リスク推定はハザード比(HR)およびその95%信頼区間(CI)として報告。解析はすべてIntention-to-treat集団にて行われた。 メタ解析には、無作為化試験20件、合計2万6,616例が組み込まれた。追跡調査期間は平均(±SD)3.2±1.8年であった。新世代DES、複合エンドポインドのHRは0.84と有意に低下 主要評価項目の複合エンドポイントは、BMS留置患者よりDES留置患者で有意なリスク低下を認めた(HR:0.84、95%CI:0.78~0.90、p<0.001)。心筋梗塞の有意なリスク低下(HR:0.79、95%CI:0.71~0.88、p<0.001)が大きく寄与しており、心臓死のリスクは低下が認められたが有意ではなかった(HR:0.89、95%CI:0.78~1.01、p=0.075)。 全死因死亡への影響は認められなかったが、ステント血栓症(definite)(HR:0.63、95%CI:0.50~0.80、p<0.001)および標的血管再血行再建術(HR:0.55、95%CI:0.50~0.60、p<0.001)のリスクは、DES留置患者で低下した。 DES留置による主要評価項目の有意なリスク低下は、留置後最長1年まで認められ、時間依存的な効果が確認された。治療効果は長期的に維持されたものの、1年後を超えて以降はBMS留置との差は確認されなかった。 なお、今回の結果について著者は、抗血小板薬2剤併用療法の実施期間の影響は加味されていないことなどを研究の限界として指摘している。

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再発/難治性多発性骨髄腫でCAR-T療法が有望/NEJM

 再発または難治性多発性骨髄腫患者において、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法であるbb2121の、安全性と抗腫瘍効果が確認された。米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのNoopur Raje氏らが、bb2121の第I相臨床試験(CRB-401試験)の結果を報告した。bb2121は、前臨床試験において、多発性骨髄腫の治療薬として有望であることが示されていた。NEJM誌2019年5月2日号掲載の報告。bb2121の安全性を33例で評価 研究グループは、2016年1月31日~2018年4月30日の期間に、プロテアソーム阻害薬および免疫調整薬を含む3レジメン以上の治療歴がある、または両方の薬剤に治療抵抗性の再発/難治性多発性骨髄腫患者を登録した。 患者の末梢血単核細胞を採取してCAR-T細胞bb2121を作製し、用量漸増期にはbb2121をCAR-T細胞数として50×106個、150×106個、450×106個または800×106個を、用量拡大期には150×106個、450×106個を単回注入した。主要評価項目は、安全性である。 36例が登録された。全例でbb2121の作製に成功したが、3例はbb2121注入前に疾患進行のため試験中止となり、33例がbb2121の注入を受けた。データカットオフ日は、最後の注入日から6.2ヵ月後であった。bb2121のGrade3以上の有害事象の発現率は97%、ORRは85%、CRは45% bb2121の注入を受けた33例中32例(97%)にGrade3以上の有害事象が発現した。Grade3以上の有害事象で最も頻度が高かったのは血液毒性で、発現率は好中球減少症85%、白血球減少症58%、貧血45%、血小板減少症45%などであった。25例(76%)にサイトカイン放出症候群が認められ、Grade1/2が23例(70%)、Grade3が2例(6%)であった。神経毒性は14例(42%)に発現し、うち13例(39%)はGrade1/2で、1例(3%)は可逆的なGrade4であった。 bb2121の奏効率(ORR)は85%で、完全奏効(CR/sCR)は15例(45%)で認められた。完全奏効が得られた15例のうち6例は再発した。無増悪生存期間中央値は、11.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:6.2~17.8)であった。 奏効(部分奏効以上)が得られ微小残存腫瘍(MRD)を評価しえた16例全例が、MRD陰性(有核細胞≦10-4個)であった。CAR-T細胞の増加は、奏効と関連しており、注入1年後まで持続していることが確認された。■「CAR-T療法」関連記事CAR-T療法が臨床へ、まずは2~3施設でスタート

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抗精神病薬治療患者における脳波の変化~システマティックレビュー

 オーストラリア・モナッシュメディカルセンターのAnvesh Jackson氏らは、さまざまな抗精神病薬に関連した脳波(EEG)の変化を特徴付けるため、システマティックレビューを行った。Epilepsy & Behavior誌オンライン版2019年4月15日号の報告。 Medline、PsycINFO、PubMedを用いてシステマティックに検索を行い、PRISMAガイドラインを順守した。抗精神病薬治療の有無による比較を含む記述的なEEG結果を報告した主な研究論文(てんかん患者を除く)について分析を行った。アウトカムは、てんかん性放電の有無またはEEG低下とした。可能な限り、同様の介入および方法を用いた研究からプールしたデータの分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・14論文、665例の患者についてレビューを行った。・プールされたデータを分析したところ、クロザピンにおいて、EEG低下(オッズ比:16.9、95%信頼区間[CI]:5.4~53.2)およびてんかん性放電(オッズ比:6.2、95%CI:3.4~11.3)が最も一般的に認められた。・1つの研究において、フェノチアジン系抗精神病薬によるてんかん性放電の有意な増加が報告されたが、各薬剤の影響については分析されていなかった。 著者らは「本レビューでは、抗精神病薬の中でクロザピンが、最も頻繁にEEG低下およびてんかん性放電を誘発することが示唆された。他の抗精神病薬および脳波の変化に影響を及ぼす投与量、血中濃度、用量調整、治療期間を含む共変量に関するデータは限られていた」としている。

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経口セマグルチドは注射薬と同様にHbA1cを改善し体重を減少させる(解説:住谷哲氏)-1050

 注射薬であるGLP-1受容体作動薬セマグルチドは、心血管イベントを増加しない新規血糖降下薬としてわが国以外の多くの国ですでに販売されている。とくにCVOTであるSUSTAIN-6において3-point MACEを減少させることが報告されたので、今後も使用量は増加すると考えられる。経口セマグルチドは、ペプチドホルモンを消化管から吸収させる新たな方法を採用することで開発が進められてきた(「経口semaglutideがもたらした血糖降下薬のパラダイムシフト」)。第II相臨床試験の結果はすでに報告されていたが、シタグリプチンを対照薬として実施された第III相臨床試験の結果が本論文である。 1,864例が無作為に4群に割り付けられ、経口セマグルチド1日1回3mg(466例)、7mg(466例)、14mg(465例)またはシタグリプチン100mg(467例)がそれぞれ投与された。その結果、HbA1cおよび体重は26週後に7mg/日群と14mg/日群においてシタグリプチン群に比べ有意な減少が認められた。しかし3mg/日群においては、シタグリプチン群に対するHbA1c減少の非劣性は示されなかった。経口セマグルチド群およびシタグリプチン群ともに最も多い有害事象は消化器症状であったが、その頻度は両群で差を認めなかった。 効果の同じ週1回注射薬と経口薬のどちらかを選べ、といわれて注射薬を選ぶ患者は多くはない。週1回注射のセマグルチドと経口セマグルチドの場合も、おそらく経口セマグルチドを希望する患者が多いのではないかと思われる。しかし注射薬は週1回1mg投与に対して、経口セマグルチドは7mg/日としても49mg/週になり注射薬の投与量の約50倍になる。経口セマグルチドがどのような薬価になるかは現時点で不明であるが、有用な薬剤であるので多くの2型糖尿病患者に投与できるように適切な薬価設定がなされることを期待したい。

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テレビはないけれど【Dr. 中島の 新・徒然草】(272)

二百七十二の段 テレビはないけれどわが家にテレビがないのは以前にも述べたかと思います。自動車のテレビも12年以上も乗っているうちに、いつの間にか見られなくなってしまいました。テレビさえなければさぞかし時間ができて有意義な毎日を送れるはず、そう期待していたのが甘かった。テレビの代わりにYouTubeなるものがこの世には存在しており、結局、ついつい貴重な時間を浪費してしまって後悔する日々です。YouTubeでよく見るのは「懐かしのアニメ」のオープニングです。ちょうど私が3歳のときに白黒テレビで「鉄腕アトム」が始まりました。このアトムを見て科学と未来の世界にどっぷりつかった私は、引き続き変身モノの原点とも言うべき「エイトマン」、正太郎くんが操る「鉄人28号」、ナチス同盟を悪役とする「ビッグX」などを見て、世界の平和を守る正義の味方という設定に夢中になってしまいました。今考えれば単なるアホウですが、幼稚園児の頭の中というのはそんなモンです。さらに時代が進むにつれてテレビアニメは設定がエスカレートし、未来の国からやってきた「スーパージェッター」、秘密のペンダントを持つ「宇宙少年ソラン」、そのほか、「宇宙エース」「遊星少年パピイ」「レインボー戦隊ロビン」「遊星仮面」「サイボーグ009」などなど、皆が競って悪を叩きのめすようになりました。どのアニメも超人的な能力を持つ少年が、悪と戦って地球の平和を守るという単純なシナリオですが、今見てもその純粋さに涙が出てきます。幼少期にこれらのアニメですっかり洗脳されて育った私は、ジイさんになった今でも「自分は地球の平和を守るために頑張っているんだ」という考えが、頭の中のどこかに残っているような気がします。職場でも何かの拍子に「地球防衛軍をやっていると忙しいからさ、簡単に休めんわけよ」と口走ってしまい、周囲の人たちを「?」「?」という表情にしたことがあります。賛同してくれる人が1人くらいはいても良かったのでは、と思うのですけど。女房とは同世代ではありますが、3歳程度の年の差でも、子供の頃に見ていたアニメはまったく違っているようで、なかなか話が合いません。「悪を倒して世界の平和を守るんだ」と肩に無駄な力を入れているのは、おそらく私の前後1~2年程度の人たちなのでしょうね。というわけで、YouTubeを見ながら無為に時間を過ごしている人はぜひ、懐かしアニメのオープニングも視聴リストに加えましょう。最後に1句アニメ見て 素直に信じた 3歳児

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第22回 患者と医療者の認識にはこんなに大きなギャップがある【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 薬局で得られる患者さんの情報は病院と比べると限られているため、患者さんが病院で聞いた情報や、知らないことの確認がしばしばコミュニケーションの入り口となります。今回は、患者さんが何を理解していて、何を医療者に伝えていないのか示唆を与えてくれる米国の論文を2つ紹介します。なお、米国には、患者経験価値(PX:Patient eXperience)から医療サービスを評価し、それが金銭的なインセンティブに結び付くHCAHPS(Hospital Consumer Assessment of Healthcare Providers and Systems)という患者評価指標があるため、PXを調査した研究が豊富にあり参考になります。1つ目は医療者側と患者側の認識の齟齬について調査した研究です1)。コネチカット州にある367床の病院で行われたアンケート調査で、2008年10月10日~2009年6月23日に入院した患者の経験を評価しています。合計89人の患者と43人の医療者が参加し、患者の多くが高卒以上という教育水準で、平均年齢は57.3歳、平均在院日数は5.4日(範囲:2.0~36.0日)でした。結果をみると、患者と医療者の認識のギャップが浮き彫りになっています。たとえば、医療者の77%が患者は診断名を理解していると考えていますが、実際には退院日に自分の診断名を正しく回答している患者は57%でした。また、患者の67%が入院中に薬剤を新規処方されていますが、そのうち25%は医療者から新しい薬の処方があることについて説明を受けていないと回答しています。薬剤の有害事象については90%の患者が説明を受けたことがないと回答していますが、有害事象について一度も話したことがないと回答した医療者は19%でした。心理的ケアについては、患者の半数である46人が入院中に不安や恐怖を感じており、うち25人(54%)は医療者とそのことについて話し合ったことがないと回答している一方で、98%の医療者が少なくとも1回は患者と不安や恐怖について話し合っていたと回答しています。薬局においても、自分はきちんと伝えた、患者さんも理解しているはず、と思わずに、新規薬剤や有害事象の説明や不安のケアを、より丁寧に行うことの重要性を再認識させられる結果です。患者の70%超は医療者にあえて話していないことがある続いて、患者が治療上重要な情報をどれだけ医療者に開示しているかについて、米国の成人4,510例を対象としたオンライン調査の研究を紹介します2)。患者情報を得ることは、正しい診断や指導、禁忌薬投与の回避などに大切ですが、70%超が何らかの重要な事項を医療者へ伝えていないという結果が出ています。2015年3月16~30日にクラウドソーシングのAmazon Mechanical Turk (MTurk)を用いた調査(n=2,096)と、2015年11月6~17日にアンケート調査会社のSurvey Sampling International(SSI)による調査(n=3,011)から参加者を募り、2018年9月28日~10月8日にデータ解析が行われました。無効回答を除いた最終的なサンプルサイズは、2,011例(MTurk)+2,499例(SSI)の計4,510例でした。プライマリアウトカムとして、医療者への7タイプの情報の非開示が設定され、各アウトカムにおける患者の割合は以下のとおりでした。全体では、MTurkで1,630人(81.1%)、SSIで1,535人(61.4%)が少なくとも1つ以上の情報開示をしていません。その理由をみていくと、多い順に「行動について判断や指導をされたくない(MTurk 81.8%、SSI 64.1%)」「その行動がいかに悪いか聞かされたくない(MTurk 75.7%、SSI 61.1%)」「認めるのが恥ずかしい(MTurk 60.9%、SSI 49.9%)」「難しい患者だと思われたくない(MTurk 50.8%、SSI 38.1%)」「医療者の余計な時間を取りたくない(MTurk 45.2%、SSI 35.9%)」「問題だと思っていない(MTurk 38.6%、SSI 32.9%)」「ばかだと思われたくない(MTurk 37.6%、SSI 30.6%)」「記録に残されたくない(MTurk 34.5%、SSI 30.6%)」などと続きます。中には「医療者がその問題を解決できると思わないから(MTurk 27.7%、SSI 28.9%)」のような溝を感じさせる回答もあり、こうした心情への配慮の大切さを物語っています。1つ目の文献において、医療者がしばしば自己紹介していないことが言及されていますが、相手が自己開示しなければ自分も情報提供しづらいという心理は返報性の原理から納得のいくことです。私が以前勤めていた薬局では、まずあいさつして名乗ることが手順化されていましたが、改めて大切なことであったと思います。弊社の電子薬歴システムユーザーで在宅患者数が急速に伸びている薬局があり、秘訣を聞いた際の回答はこうでした。「自分たちや自分たちができることを患者さんに伝える努力をしました」。1)Olson DP, et al. Arch Intern Med. 2010;170:1302-1307.2)Levy AG, et al. JAMA Netw Open. 2018;1:e185293.

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CIDPの病態は再発と寛解の繰り返し…患者のQOLを変えるハイゼントラ

 2019年4月10日、CSLベーリング株式会社は、都内で慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)に関するメディアセミナーを開催した。セミナーでは、最新のCIDPの知見のほか、患者実態調査の報告などが行われた。CIDPの典型的な症状として急に箸が持てない、手がピリピリする はじめに「CIDPの多様性と治療戦略 患者さんのQOLを維持するために」をテーマに、祖父江 元氏(名古屋大学大学院医学系研究科 特任教授)を講師に迎え、診療の概要が説明された。 CIDPとは、進行性または再発性の経過で、2ヵ月以上にわたりびまん性の四肢の筋力の低下やしびれ感を来す末梢神経疾患である。典型的な症状としては、左右対称性に腕があがらなくなる、箸が使えないほどの握力低下、階段に登れないなどがある。また、手足のしびれ感やピリピリ感などの違和感を認めることもあるという。免疫の関与が指摘されているが、くわしい原因はいまだ不明でわが国には、約5,000人の患者がいると推定されている。 診断は、主に臨床所見と電気生理所見に基づいて行われ、とくに“European Federation of Neurological Societies/Peripheral Nerve Society(EFNS/PNS)”の診断基準が世界的に使用されている。典型的CIDPでは「2ヵ月以上進行する四肢における対称性・びまん性の筋力低下と感覚障害」「深部腱反射の全般性減弱もしくは消失」が、非典型CIDPでは「典型的CIDPとは異なる臨床像」「深部腱反射の異常は障害肢のみに限定される」が臨床基準として受け入れられている。疫学的には典型的CIDPが6割を占めるという。CIDP治療、ピリヴィジェンやハイゼントラの有用性 CIDPの治療では、第1選択療法として、免疫グロブリン静脈内投与(IVIg)療法、副腎皮質ステロイド療法、血漿浄化療法があるが、血漿浄化療法は専門性が高く、専用機器を必要とすることから前二者が主に行われている。 IVIg療法は、急性期と維持療法の両方で行われ、同療法による再発抑制と長期予後の有効性は“ICE study”で報告されている。27週のプラセボ群との再発率の比較で、プラセボ群45%に対し、同療法群は13%と有意な結果を示した1)。また、製剤の進歩もあり、近年では急性期でも維持療法でも使用できるIVIg製剤ピリヴィジェン(商品名)や維持療法で高濃度のIVIg製剤が皮下注射で投与できるハイゼントラ(商品名)が登場している。 これら製剤の国際共同第III相試験である“PATH試験”について、ハイゼントラについて言及すると、26週時点で再発抑制に有用なだけでなく、より少ない投与量(0.2/kg/week)での有効性も示された。安全性については、注射部位の膨張・紅斑・疼痛、頭痛、疲労は報告されたものの死亡などの重篤なものはなかった2)。 同氏は、CIDPの病態は再発と寛解の繰り返しと説明し、「なかでも再発の前に治療介入することが重要だ」と指摘した。ハイゼントラについては、「国内初の皮下注製剤であること、在宅でも注射できること、投与後の血中IgG濃度が安定していること、自己注射のため患者の自律性と自由度が高いこと」を理由に、これからの維持療法への活用に期待をにじませた。また、今後の展望として「患者ニーズに合わせた、適切な治療の普及のほか、難治症例への治療法の研究・開発が今後の課題」と語り、レクチャーを終えた。CIDP治療、時間に拘束されない治療法を望む患者の思い 次に「CIDP患者としての思い」をテーマに、患者会の代表である鵜飼 真実氏(全国CIDPサポートグループ 理事長)が登壇し、患者実態調査(n=200)の報告を行った。 報告によると、「患者歴」では5~10年未満(32%)が1番多く、ついで10~15年未満(23%)、5年未満(22%)などの順だった。「確定診断までに要した病院数」では2ヵ所(32%)が1番多く、ついで1ヵ所(23%)、3ヵ所(22%)などの順だった。「確定診断までに要した期間」では6ヵ月以上1年未満(16%)が1番多く、約6割が1年以内に確定診断がされていた。また、診断では、整形外科、内科、脳神経内科の順で受診が多いという。 CIDPの治療では、急性時、再発時ともに約8割でIVIg療法が実施され、維持療法では経口ステロイド療法(42%)が1番多かった。同氏は、患者の声として、「多くの患者は治療だけでなく介護も必要としており、体力の問題、治療費用など経済問題も抱えて生きている。治療では、病院で過ごす時間が長く、患者は疲弊している。自宅で治療できる治療薬が普及すれば、さまざまな問題も解決できると考える」と思いを語った。■参考文献1)Hughes RA, et al. Lancet Neurol. 2008;7:136-144.2)van Schaik IN, et al. Lancet Neurol. 2018;17:35-46.■参考ピリヴィジェン(R)10%点滴静注(液状静注用人免疫グロブリン[IVIG]製剤)、慢性炎 症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の治療薬として製造販売承認を取得ハイゼントラ(R)20%皮下注(皮下注用人免疫グロブリン[SCIG]製剤)、慢性炎症性脱 髄性多発根神経炎(CIDP)の治療薬として効能追加の承認を取得

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5/9呼吸の日に「ぜん息外来.jp」リリース

 アストラゼネカ株式会社は、5月9日“呼吸の日”に喘息治療サポートサイト「ぜん息外来.jp」をオープンした。 本サイトは、「ぜん息について」「あなたのぜん息タイプは?」「知ろう、あなたのぜん息コンディション」「専門医からのメッセージ」「医療機関検索」という5つのコンテンツで構成され、疾患が起こるメカニズムや検査、重症化の原因によって分けられる喘息のタイプなど、喘息に関する最新情報を提供する。 とくに喘息患者の5~10%を占める重症喘息については、昨今の研究によって好酸球などの存在が喘息を悪化させる原因として明らかになってきた。本サイトでは、患者が自身の喘息と向き合い、治療しても抑えきれない症状を「いつものこと」とあきらめず、喘息治療の目標である“喘息がない人と変わらない日常生活を送ることができる”状態を目指して、医師に相談することを提案している。ぜん息外来.jpの概要《ぜん息について》 喘息のメカニズムや治療法など、喘息の基本情報を紹介している。《あなたのぜん息タイプは?》 喘息の症状は、程度や頻度、呼吸機能、治療薬の種類によって重症度が分けられる。最近では、気道の炎症を起こす原因にさまざまな免疫細胞が関わっていることがわかってきた。このページでは、原因となる細胞の体内での動きをイメージした動画を公開しており、喘息の重症度やコントロール状態を確認できるチェックリストも用意している。《知ろう、あなたのぜん息コンディション》 喘息症状や日常生活での経験について、いくつかの質問に答えることで、喘息のコントロール状況や日常生活・心理的影響について回答結果を出力できる。※医療機関を受診する際に活用する参考情報であり、喘息症状を診断するものではありません。《専門医からのメッセージ》 全国各地で喘息治療向上に取り組む喘息治療専門の先生方より、臨床経験から喘息という疾患とその治療について、治療中の患者さんに知ってもらいたい情報をインタビュー形式で紹介。《医療機関検索》(近日公開予定) 調べたい都道府県名を選択すると、地域で喘息の専門治療を提供する医療機関が住所順に表示される。受診医療機関を探す際の参考情報として活用できる。■参考アストラゼネカ株式会社 プレスリリースぜん息外来.jp

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CVD高リスクCOPD、LAMAの長期安全性確認/JAMA

 心血管疾患リスクの高いCOPD患者に対して、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)アクリジニウムの長期投与はプラセボと比較して、3年時点の主要心血管イベント(MACE)リスクについて非劣性であることが示された。中等症~重症COPDの1年時増悪率も有意に減少した。米国・ジョンズ・ホプキンズ大学のRobert A. Wise氏らが、約3,600例を対象に行った多施設共同無作為化二重盲検試験の結果で、JAMA誌2019年5月7日号で発表した。LAMAについては、COPD患者の心血管罹患率および死亡率を増大するとの懸念が示されていた。最長3年間追跡し、MACEリスクを比較 研究グループは2013年10月16日~2016年8月22日にかけて、北米522ヵ所の医療機関を通じて、中等症~重症COPD患者で、心血管疾患既往またはアテローム動脈硬化症のリスク因子が2つ以上ある3,630例を対象に試験を開始した。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはアクリジニウム(1,812例)を、もう一方にはプラセボ(1,818例)を、それぞれドライパウダー吸入器で1日2回投与した。追跡は最長3年間で、MACEが122件以上発生となるまで継続した。最後の被験者の追跡が完了したのは2017年9月だった。 安全性に関する主要アウトカムは、3年の間に発生した初回MACEの発生までの期間で、非劣性マージンはハザード比の片側97.5%信頼区間1.8とした。 有効性に関する主要アウトカムは、治療1年目のCOPD増悪率だった。副次アウトカムは、MACEまたは急性心不全などの重篤な心血管イベントを含めた“拡大定義MACE”の初回発生までの期間や、入院を要する増悪の年発生率などだった。MACE、MACE+重度心血管イベント発生率、対プラセボで非劣性 分析には3,589例が包含された(アクリジニウム群1,791例、プラセボ群1,798例)。平均年齢は67.2歳、男性の割合は58.7%で、2,537例(70.7%)が試験を完遂した。 MACE発生率は、アクリジニウム群3.9%(69例)、プラセボ群4.2%(76例)で、アクリジニウム群のプラセボ群に対する非劣性が示された。(ハザード比[HR]:0.89、片側97.5%信頼区間[CI]:0~1.23)。 拡大定義MACEの発生も、アクリジニウム群9.4%(168例)、プラセボ群8.9%(160例)で、アクリジニウム群の非劣性が示された(HR:1.03、片側97.5%CI:0~1.28)。 一方で、COPD増悪率はアクリジニウム群0.44/年で、プラセボ群0.57/年より有意に低率だった(率比:0.78、両側95%CI:0.68~0.89、p<0.001)。入院を要する増悪率も、それぞれ0.07、0.10で、アクリジニウム群が有意に低率だった(率比:0.65、両側95%CI:0.48~0.89、p=0.006)。 最も頻度の高い有害事象は、肺炎(アクリジニウム群109例[6.1%]vs.プラセボ群105例[5.8%])、尿路感染症(93例[5.2%]vs.89例[5.0%])、そして上気道感染症(86例[4.8%]vs.101例[5.6%])だった。

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院外心停止への経鼻蒸発冷却法は有益か/JAMA

 院外心停止患者への経鼻蒸発冷却法(trans-nasal evaporative intra-arrest cooling)の実施は、通常ケアと比較して90日後の良好な神経学的アウトカムの生存を、統計学的に有意に改善しなかったことが示された。スウェーデン・カロリンスカ研究所のPer Nordberg氏らが、欧州7ヵ国の救急医療サービス(EMS)を通じて行った国際多施設共同無作為化試験「PRINCESS試験」の結果で、JAMA誌2019年5月7日号で発表した。経鼻蒸発冷却法は、心肺蘇生中(すなわち心停止中)に主に脳を冷却するための手法である。心停止後に実施する低体温治療は、良好な神経学的アウトカムの生存を増大する可能性が示唆されていた。90日後の脳機能カテゴリー1~2での生存率を比較 PRINCESS試験では、2010年7月~2018年1月にかけて、バイスタンダー目撃のある院外心停止患者677例を対象に試験を開始し、2018年4月29日まで追跡した。 研究グループは被験者を無作為に2群に分け、一方には経鼻蒸発冷却法を(343例)、もう一方には通常のケアを行った(334例)。両群の被験者ともに、入院後に全身低体温療法(24時間32~34℃)を行った。 主要アウトカムは、90日後の脳機能カテゴリー(CPC)1~2で定義した、良好な神経学的アウトカムを有する生存だった。副次アウトカムは、90日生存率と中核体温が34℃未満に達するまでの経過時間だった。90日後CPC 1~2生存率、介入群16.6%、対照群13.5%で有意差なし 被験者677例の年齢中央値は65歳、女性は25%だった。671例が試験を完遂した。 90日後のCPC 1~2達成患者は、経鼻蒸発冷却法を行った介入群56/337例(16.6%)に対し、通常ケアの対照群45/334例(13.5%)で、両群に有意差はなかった(群間差:3.1%[95%信頼区間[CI]:-2.3~8.5]、相対リスク[RR]:1.23[95%CI:0.86~1.72]、p=0.25)。 90日時点での生存は、介入群60/337例(17.8%)に対し、対照群52/334例(15.6%)で、有意差はみられなかった(群間差:2.2%[95%CI:-3.4~7.9]、RR:1.14[0.81~1.57]、p=0.44)。 中核体温34℃未満達成までの時間中央値は、介入群105分、対照群182分で、有意差が認められた(p<0.001)。 なお、最も高頻度の介入デバイス関連有害事象は軽微な鼻血で、介入群45/337例(13%)で報告された。7日間までの有害事象発生率は両群で同程度だった。

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がん生存率に降圧薬が影響するか

 降圧薬のがん生存率に対する影響について結論は出ていない。米国ヴァンダービルト大学医療センターのYong Cui氏らは、主な降圧薬と乳がん、大腸がん、肺がんおよび胃がんの全生存(OS)・がん特異的生存(DSS)との関連について、潜在的な交絡因子を包括的に調整し、時間依存Cox回帰モデルにより検討した。その結果、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、β遮断薬、Ca拮抗薬が、消化器がんの生存を改善する可能性が示唆された。American Journal of Epidemiology誌オンライン版2019年5月7日号に掲載。 本研究の対象は、中国の上海で実施されたShanghai Women's Health Study(1996~2000)およびShanghai Men's Health Study(2002~2006)の参加者で、2,891例の乳がん、大腸がん、肺がん、胃がんの患者が含まれた。降圧薬の使用は電子カルテから調べた。 主な結果は以下のとおり。・がん診断後の追跡期間中央値3.4年(四分位範囲:1.0~6.3)において、アンジオテンシンII受容体拮抗薬を使用していた大腸がん患者(OSの調整HR:0.62、95%CI:0.44~0.86、DSSの調整HR:0.61、95%CI:0.43~0.87)および胃がん患者(OSの調整HR:0.62、95%CI:0.41~0.94、DSSの調整HR:0.63、95%CI:0.41~0.98)、β遮断薬を使用していた大腸がん患者(OSの調整HR:0.50、95%CI:0.35~0.72、DSSの調整HR:0.50、95%CI:0.34~0.73)でアウトカムが改善した。・さらに、Ca拮抗薬(DSSの調整HR:0.67、95%CI:0.47~0.97)および利尿薬(OSの調整HR:0.66、95%CI:0.45~0.96、DSSの調整HR:0.57、95%CI:0.38~0.85)を使用していた胃がん患者においてもアウトカムが改善した。

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精神療法中のうつ病および不安症状の変化

 精神療法での治療効果の40%は、3回の治療セッションによる症状変化で説明されるものと推定されている。しかし、この変化は、患者群および症状により一様ではないと考えられる。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのRob Saunders氏らは、精神療法中のうつ病および不安症状の変化が異なる患者をサブグループに分類し、これらの違いと関連付けられるベースライン時の患者の特性について調査を行った。Journal of Affective Disorders誌2019年4月15日号の報告。 対象は、2つの精神療法サービスにおいてセッションを完遂し、自己報告のうつ病および不安を測定した患者4,394例。症状変化の推移は、潜在クラス成長分析を用いて調査した。ベースライン時の患者特性と症状推移との関連性は、多項ロジスティック回帰を用いて調査した。 主な結果は以下のとおり。・多くの異なる推移が観察された。・不安症状の推移は、3回目の治療セッションで分類可能であったが、うつ症状は、6回目のセッションまでは限定された変化しか示さず、その後、症状の急速な改善が認められた。・治療反応の認められた患者におけるうつ病および不安の推移は、治療反応のない場合と比較し、ベースライン時の重症度の低さ、社会的機能良好、恐怖症性不安の発生率の低さと関連が認められたが、薬剤処方との関連は認められなかった。・本研究の限界として、データは2つの精神療法サービスからの情報であり、定期的に収集されていない因子が症状の推移に影響を及ぼした可能性がある。 著者らは「ベースライン時の患者特性と治療初期の症状変化は、症状変化の推移を特定するうえで役立つであろう。このことは、臨床での意思決定の助けとなり、治療アウトカムの改善に役立つと考えられる。臨床医は、患者ごとに症状変化の推移が異なることを考慮し、患者に利益をもたらす可能性のある治療法を不用意に変更または終了させないよう、注意しなければならない」としている。

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現実と乖離する「ナトリウム・カリウム摂取量」と、健康長寿(解説:石上友章氏)-1047

 健康日本21の第2次の栄養目標では、平成34年度の食塩摂取量を8g(平成22年 10.6g)に定めている。カリウムについては個別の目標は採用せず、野菜・果物摂取量が設定されている。世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、1日の栄養摂取量として、ナトリウムは2.0g未満に制限を、カリウムは3.5g以上摂取を推奨している。いずれの目標も、ナトリウム過剰摂取やカリウム摂取不足が、健康・長寿にマイナス要因に働くという認識については一致している。カナダ・マックマスター大学のMartin O'Donnell氏らが行った調査(PURE研究)の結果は、現実が必ずしも理想どおりではないことを示している。 社会的要因によるバイアスを回避するために、18の高所得~低所得国の、都市部および農村部から、10万名にのぼる住民を対象にした。全死亡・主要心血管イベントをアウトカムにした解析によれば、ナトリウム摂取量についてJ字現象が再確認される一方、カリウム摂取量については、線形性に反比例する関係が認められた。本論文の骨子は、この関係性の再確認ではない。ナトリウム摂取量とカリウム摂取量とで、2次元にマトリックス化した解析では、健康日本21、WHOで、理想とされる「低ナトリウム・高カリウム」群に該当する住民が、全体のわずか0.002%しか認められないことが明らかになった。 本研究は、あるがままの実態を明らかにする観察研究であり、因果関係を明らかにするようなデザインではない。健康日本21、WHOが提唱する目標が、健康長寿をもたらすかどうかを判断することはできなかった。その実行可能性に疑義を呈する結果であった。多くの食品成分の中で、2種類の一価の陽イオン性の食品成分が、人類の健康に重大な寄与をするという事実は、あらためて食生活の重要さを再認識させる重みのある事実である。一方で、目標を達成する手段を提供せずに、理想を求めることの限界を赤裸々に示している点は興味深い。生活習慣という、第2の天性ともいえる行動を変容させる手段を提供することなくては、目標とする効果を見込むことはできない。

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元全米NFL選手におけるタウPET(解説:中川原譲二氏)-1048

 元全米フットボール・リーグ(NFL)選手において報告された慢性外傷性脳症(CTE)は、反復性の頭部衝撃の既往と関連する神経変性疾患である。神経病理学的診断は、アルツハイマー病などの他の疾患とは異なり、タウは蓄積するがアミロイドβはほとんど蓄積しない特異的なパターンに基づいて行われる。CTEのリスクがある生存人の脳内で、タウとアミロイドの蓄積の検出が実現可能かどうかは、これまで十分な研究が行われていない。R.A. Sternらは、元全米NFL選手を対象として、CTEのリスクがある生存人の脳で、タウとアミロイドの蓄積の検出が可能と報告した(Stern RA, et al. N Engl J Med. 2019 Apr 10. [Epub ahead of print])。元全米NFL選手群と対照群に対してタウPET、アミロイドβ PETを施行 認知症状・神経精神症状を有する元NFL選手と、外傷性脳損傷の既往がない無症状の男性(対照)において、脳内のタウとアミロイドβの蓄積を測定するために、それぞれflortaucipir PETとflorbetapir PETを行った。自動画像解析アルゴリズムを用いて、領域ごとのタウの標準取り込み比(SUVR:小脳における放射能を基準とする特定脳領域の放射能比)を2群間で比較し、元選手群のSUVRと症状の重症度および競技年数との関連を探索的に検討した。元選手群では、両側上前頭葉、両側内側側頭葉、左頭頂葉でタウが蓄積 元選手26例と対照31例を解析の対象とした。flortaucipirのSUVRの平均は、元選手群のほうが対照群よりも、両側上前頭葉(1.09対0.98、補正後の差の平均:0.13、95%信頼区間[CI]:0.06~0.20、p<0.001)、両側内側側頭葉(1.23対1.12、補正後の差の平均:0.13、95%CI:0.05~0.21、p<0.001)、左頭頂葉(1.12対1.01、補正後の差の平均:0.12、95%CI:0.05~0.20、p=0.002)の3領域で高かった。探索的解析では、この3領域におけるSUVRと競技年数との相関係数はそれぞれ0.58(95%CI:0.25~0.79)、0.45(95%CI:0.07~0.71)、0.50(95%CI:0.14~0.74)であった。タウの蓄積と認知機能検査および神経精神学的検査のスコアとの間に関連は認められなかった。元選手1例にのみ、アルツハイマー病患者と同程度のアミロイドβの蓄積が認められた。CTEのリスクがある生存人の脳で、タウとアミロイドの蓄積の検出が可能 生存し、認知症状・神経精神症状を有する元NFL選手群では、CTEの影響を受けている脳領域においてPETで測定されるタウの蓄積レベルが対照群よりも高く、アミロイドβの蓄積レベルは高くなかった。CTEに関連するタウの蓄積上昇が個々の人で検出できるかどうかについては、さらなる研究が必要である。神経変性疾患のPETによる神経病理学的診断の時代へ CTEの神経病理学的診断が、タウPET、アミロイドβ PETの施行により、生存人の脳で可能となる時代がやってきた。近年、多くの神経変性疾患が、タウやアミロイドβなどのmisfolded proteinsが脳内に蓄積することによって生じることが明らかにされつつある。また、これらのmisfolded proteinsを標的とするPET診断薬の開発により、多くの神経変性疾患では、PETによる生前の病理診断が可能となりつつある。しかしながら、アルツハイマー型認知症ですら、それぞれのmisfolded proteinsの脳内蓄積のパターンと、疾病の進行度との間には、必ずしも明確な関係が見いだせず、PET画像から有用な臨床指標を見いだす道は、いまだ途上にあることを忘れてはならない。

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論文をトイレで読んでみた、失敗した!【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】 第11回

第11回 論文をトイレで読んでみた、失敗した!「論文・見聞・いい気分」も11回目を迎えました。幸いにもCareNet.com編集部から連載企画中止の宣告もありません。皆さまありがとうございます。これまでの10回の中で、もっとも多くの方々に読んでいただいたのが「第4回 論文は風呂で読むべし、試してみなはれ!」だそうです。他の9回を大きく引き離す人気のようです。この第4回を読んだ方から、「俺はトイレで本を読む」、「私はトイレでマンガを読むのが至福の時間」、「風呂よりトイレでしょ!」などの声を頂戴しました。自分の感想は、「えっ?トイレ?」でした。自分は、人生でのトイレ滞在時間のすべてを排泄作業のみに集中してきたからです。そこで挑戦です。論文をトイレで読むぞ!論文の選択も大切です。敬意を表してNEJM誌から「PARTNER 3試験」を選んでみました。これは、低手術リスクの大動脈弁狭窄症の治療で、経カテーテル的な大動脈弁置換術が、従来の外科的手術よりも術後1年時の死亡・脳卒中・再入院によって定義されるエンドポイントに優れることを示した研究です。2019年3月に開催された、ACC(米国心臓病学会)2019という大規模な国際学会のLate-breaking Sessionで公表されました。発表直後に大会場が聴衆総立ちの拍手喝采となったものです。すぐに情報やコメントがネット上にあふれ、発表スライドも公開されています。そのため、試験デザインや結果の概要についてはすでに把握しています。しかし、詳細な内容を理解するには論文を読む必要があります。論文のDiscussionの部分で、どのような論点が挙げられているのかに興味がありました。読むべき論文を紙に印刷したものを手にして、トイレに入ります。職場ではなく自宅のトイレです。一般的にトイレに長居すると家族に怒られると思います。皆に緊急の必要性がないことを確認のうえで、籠城に入りました。さあ、読むぞ! えっへん! 手にした英文に目を通していきます。「だめだ!」全く読めません。苦労して文字を追っても頭に入りません。そのうえ、肝心の作業である用足しもできないのです。最悪です。すべてが快調な風呂とは大違いです。下品な話をします。人間の生理的現象である、排便・排尿は快感をともなうものです。不要な老廃物を身体から出してスッキリすれば、論文の情報はサクサクと頭に入ると期待していました。期待は裏切られました。出るモノもなく、入るモノもありません。悪あがきせずに作戦終了です。トイレ本来の目的に集中し、一定の結果を得て撤収しました。運気? を吸った論文はゴミ箱にサヨナラしました。NEJMの神様(紙様?)、お許しください。この失敗の原因を考えてみました。大動脈弁に関する論文を、排便作業をしながら読むという戦略に無理があったのかもしれません。ベンベン!論文を堪能するのは、やっぱり風呂ですね。

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第19回 意識消失発作の症例から学ぶ脈拍の異常1 【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

今回は脈拍の異常を来した患者さん2例を紹介します。脈の乱れは「不整脈」といわれ、その不整脈が徐脈であっても頻脈であっても、患者さんの状態が「不安定」であるときに急を要します。徐脈や頻脈が認められた時、どのような点に気を付けて患者さんと接することがポイントになるでしょうか?症例を通してシミュレーションしていきましよう。プロローグ本日あなたは施設に内服薬を届けに来ています。「この前、低血糖で入院になったEさんは大丈夫かしら...」そう、今日は前回、低血糖による意識障害のため入院になったEさんの入所している施設に来ています。Eさんは退院後、いつも通り元気にレクリエーションに参加していました。「よかった(笑)」あなたは少しホッとしました。さて、今回は内服薬を届けに来ただけではありません。先日、意識消失発作を来したFさんの件もあり、嘱託の医師・看護師を交えて、施設職員との勉強会が開かれることになり、その時の状況をよく知っているあなたも参加することになったのです。再び、患者さんFの場合勉強会にて(第18回で紹介したFさんです。あの日、あなたが体験し本人から聞いたことをプレゼンテーションしています)72歳、女性。普段から元気な方で特に既往歴はありません。2回ほど、失神したことがありますが病院を受診しておらず、常用薬もありませんでした。心臓突然死の家族歴はありません。あの日、施設に入所している知人に会いに来たところ、面会の最中にフラッとする感じがありました。不安に思い帰宅しようとして歩行中に、意識消失発作を来し転倒しました。意識消失の時間は、(あのときは長く感じましたが)助けを呼んでいる間に回復したので、数十秒から1分程度と考えられます。痙攣はありませんでした。意識が回復した後にFさんから聞いた話では、前兆なく意識をなくしたようです。あなたがそう話し終えると、医師から、その後救急車で病院を受診して、洞機能不全症候群の診断でペースメーカーの治療となりましたと、追加の報告がありました。心臓の刺激伝導系「心電図」という名前がある通り、心臓は電気が流れて動いています〈図1〉。まず、「洞結節」という右心房の上の方にある部分で電気が起こります。そして心房を通って心房筋が収縮し、心房と心室の間にある「房室結節」という中継地点に到達します。さらに「ヒス束」、「右脚と左脚」にわかれ、最終的に「Purkinje(プルキンエと読みます)線維」を通って心室筋へと電気が流れていき心室が収縮します。これらの電気的興奮が伝わる特殊な心筋の経路を刺激伝導系と言います。「洞結節」では1分間に60〜100回の頻度で 規則正しく電気活動が起こりますから、正常な心臓ではこの60〜100回/分 が心拍数ということになります。ちなみに、心拍数というのは心臓の拍動の数ですが、脈拍数は橈骨動脈など末梢血管での脈の回数です。脈拍数が1分間に60回未満である場合を徐脈と言い、100回以上のとき頻脈と言います。徐脈の原因徐脈となる原因は、大きく分けて2つあります。洞結節で発生する電気信号が少なくなった場合と、洞結節からの電気信号が心室筋に伝わらなくなった場合です。前者を洞機能不全症候群といい、後者を房室ブロックと言います。(これらの疾患もそれぞれ原因がありますが、ここでは割愛します)図2は洞機能不全症候群の患者さんの心電図です。*印が心房を流れる電気的興奮の波(P波と言います)ですが、それが一時的になくなっているのがわかります。つまり、洞結節での電気信号が出ていない状態であり、洞機能不全があると判断されます。徐脈に対する診療アルゴリズム今回のFさんは、この洞機能不全症候群だったわけです。さて、徐脈に伴う症状には、めまいや失神といった脳への血流が足りなくなって起こる症状(脳虚血症状)や、倦怠感や息切れといった心臓のポンプ機能の低下による症状(心不全症状)があります。その中でも、バイタルサインに異常を来している状態が最も急を要します。図3は救急診療における徐脈の診療アルゴリズム(手順)です。目の前の患者さんが徐脈を呈しているとき、まずは徐脈による症状があるか否かを確認します。意識状態の悪化、失神、持続する胸痛、呼吸困難などの症状や、血圧低下、ショックの所見などの徴候があるときには、その患者さんは「不安定である」と判断し、直ちに専門医への連絡や治療が必要です。これらの不安定であると判断する症状や徴候は、バイタルサインの異常を来している場合に起こります。ちなみに、急性心筋梗塞の合併症として徐脈性不整脈を来すときがあり、そのため「持続する胸痛」という症状も含まれます(急性心筋梗塞は緊急度の高い疾患です)。Fさんが歩こうとしたとき、救急隊がそれを止めて車いすに乗せたのは、急な容態変化が起こり得ると判断したからです。先日のFさんの出来事をもう1度振り返り、その日の勉強会は終了しました。が、勉強会の後片付けをしていたとき、スタッフの1人が具合悪そうにしています。

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新インフルワクチンで毎年の接種不要に? P1試験開始/NIH

 インフルエンザワクチンは次シーズンの流行予測に基づき、ワクチン株を選定して毎年製造される。そのため、新たな変異株の出現と拡大によるパンデミックの可能性に、世界中がたえず直面している。米国国立衛生研究所(NIH)は4月3日、インフルエンザウイルスの複数サブタイプに長期的に対応する“万能(universal)”ワクチン候補の、ヒトを対象とした初の臨床試験を開始したことを発表した。 この新たなワクチン候補は、菌株ごとにほとんど変化しない領域に免疫系を集中させることで、さまざまなサブタイプに対する防御反応を行うよう設計された。本試験は、米国国立アレルギー感染症研究所のワクチンリサーチセンター(VRC)が主導している。複数サブタイプに長期的に有効となりうる理由は? インフルエンザウイルス表面には、ウイルスがヒト細胞に侵入することを可能にする赤血球凝集素(HA)と呼ばれる糖タンパク質があり、感染防御免疫の標的抗原となっている。新たなプロトタイプワクチンH1ssF_3928では、HAの一部を非ヒトフェリチンからなる微細なナノ粒子の表面に表示する。インフルエンザウイルスにおけるHAの組織を模倣するので、ワクチンプラットフォームとして有用だという。 HAは、頭部領域および茎領域からなる。ヒトの体は両領域に免疫反応を起こすが、反応の多くは頭部領域に向けられている。しかし、頭部領域は抗原連続変異と呼ばれる現象が次々と起こるため、ワクチンは毎年の更新が必要となる。H1ssF_3928は、茎領域のみで構成された。茎領域は頭部領域よりも安定的であるため、季節ごとに更新する必要はなくなるのではないかと期待されている。 VRCの研究者らは、H1N1インフルエンザウイルスの茎領域を使ってこのワクチン候補を作成した。H1はウイルスのHAサブタイプを表し、N1はノイラミニダーゼ(NA、もう1つのインフルエンザウイルス表面糖タンパク質)サブタイプを表す。18のHAサブタイプと、11のNAサブタイプが知られているが、現在は主にH1N1とH3N2が季節的に流行している。しかし、H5N1やH7N9、および他のいくつかの株も、少数ながら致命的な発生を引き起こし、それらがより容易に伝染するようになればパンデミックを引き起こす可能性がある。 H1ssF_3928は、動物実験において異なるサブタイプであるH5N1からも保護効果を示した。これは、このワクチンにより誘導された抗体がH1とH5を含む「グループ1」内の他のインフルエンザサブタイプからも保護可能なことを示す。VRCでは将来的な臨床試験として、H3とH7を含む「グループ2」サブタイプから保護するように設計されたワクチンも評価することを計画している。健康な成人における抗原性、安全性と忍容性を調べる第I相試験 第I相臨床試験には、18~70歳までの健康な成人少なくとも53人が、段階的に組み入れられる。最初の5人の参加者は18~40歳で、H1ssF_3928(20µg)の筋肉内注射を1回受ける。残りの48人は、H1ssF_3928(60 µg)を16週間間隔で2回受ける予定となっている。 参加者は年齢によってそれぞれ12人ずつ4つのグループに層別される予定である(8~ 40歳、41~49歳、50~59歳、60~70歳)。研究者らは、H1ssF_3928に対する免疫反応が、年齢およびさまざまなインフルエンザ変異型への曝露歴に基づいてどのように変化するかを明らかにしたいと考えている。参加者は、接種後1週間、体温およびあらゆる症状を記録するよう求められる。また、12~15ヵ月の間に9~11回フォローアップ受診し、血液サンプルを提供する。研究者らはそのサンプルにより、インフルエンザに対する免疫を示す抗インフルエンザ抗体のレベルを特徴付けて測定する。なお、参加者が試験中にインフルエンザウイルスに曝露されることはない。 VRCでは、この臨床試験を長年の関連研究開発の集大成と位置付けている。2019年末までの登録完了、2020年はじめの結果報告開始を予定している。■参考NIHニュースリリースNCT 03814720(Clinical Trials.gov)

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オバマケア、低出生時体重/早産の転帰を改善/JAMA

 米国の低所得者を対象とする公的医療保険制度であるメディケイドの受給資格の拡大(Medicaid expansion)に関連して、これを導入した州と未導入の州で、新生児の低出生時体重および早産のアウトカムに差はないものの、導入州は未導入州に比べ黒人と白人の新生児の間にみられたアウトカムの相対的な差が改善されたことが、米国・University of Arkansas for Medical SciencesのClare C. Brown氏らの調査で示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年4月23日号に掲載された。米国では、低出生時体重および早産は、新生児の死亡や新生児~成人の慢性疾患のリスク増大などの有害な結果をもたらすが、黒人の新生児は白人の新生児よりも早産の可能性が高く、死亡や慢性疾患にも差がみられる。一方、1990年の包括財政調整法(OBRA)下では、メディケイドの適用は妊娠が条件であったため、各州の貧困の基準を満たさない低所得の母親は、産後60日で保険適用を失う場合があったが、医療費負担適正化法(ACA、オバマケア)下では、一部の州でメディケイド拡大が導入され、貧困基準の緩和とともに、妊娠の有無にかかわらず低所得の女性も継続的な医療の利用が可能となり、これによって母親の健康および出産前の早期ケアの受診機会が改善された可能性が示唆されていた。導入州と未導入州で、出生アウトカムを比較 研究グループは、メディケイド受給資格の拡大が、全体および人種/民族別の双方において、低出生時体重と早産のアウトカムに変化をもたらすかを評価する目的で検討を行った(Arkansas Center for Health Disparities[ARCHD]などの助成による)。 2011~16年の米国国立衛生統計センター(National Center for Health Statistics:NCHS)出生データファイルの人口ベースのデータを使用した。メディケイド拡大を導入した州の多くは、2014年1月1日から導入を開始した。 メディケイド拡大の導入州と未導入州の乳児の出生アウトカムを比較し、19歳以上の女性の単胎生児出産における人種/民族的に少数の集団の相対的な差の変化を評価するために、多変量線形確率回帰(multivariable linear probability regression)を用いて、差分の差分(DID)および差分の差分の差分(DDD)モデルを推定した。 主要アウトカムは、早産(在胎期間37週未満)、超早産(同32週未満)、低出生時体重(2,500g未満)、超低出生時体重(1,500g未満)とした。導入州で、4つのアウトカムの人種間の差がいずれも縮小 1,563万1,174件の出産が解析に含まれ、新生児は白人824万4,924例、黒人220万1,658例、ヒスパニック系394万4,665例であった。このうち、メディケイド拡大の導入州(ワシントンD.C.と18州)が853万751例、未導入州(17州)は710万423例だった。 DID解析では、メディケイド拡大導入の前後で、導入州と未導入州の間に早産の発生率の変化に有意な差は認められなかった(導入前から導入後の変化:導入州6.80%から6.67%[差:-0.12]vs.未導入州7.86%から7.78%[-0.08]、補正後DID:0.00ポイント、95%信頼区間[CI]:-0.14~0.15、p=0.98)。 同様に、超早産(導入前から導入後の変化:導入州0.87%から0.83%[差:-0.04]vs.未導入州1.02%から1.03%[0.01]、補正後DID:-0.02ポイント、95%CI:-0.05~0.02、p=0.37)、低出生時体重(5.41%から5.36%[-0.05]vs.6.06%から6.18%[0.11]、-0.08ポイント、-0.20~0.04、p=0.20)、および超低出生時体重(0.76%から0.72%[-0.03]vs.0.88%から0.90%[0.02]、-0.03ポイント、-0.06~0.01、p=0.14)にも有意差はみられなかった。 一方、白人新生児に比べ黒人新生児で不良であった4つのアウトカムはいずれも、メディケイド拡大未導入州よりも導入州において、その差が有意に小さくなった(早産:負の補正後DDD係数:-0.43ポイント、95%CI:-0.84~-0.02、p=0.05、超早産:-0.14、-0.26~-0.02、p=0.03、低出生時体重:-0.53、-0.96~-0.10、p=0.02、超低出生時体重:-0.13、-0.25~-0.01、p=0.04)。ヒスパニック系におけるアウトカムの相対的な差には、有意な変化はみられなかった。 著者は、「導入州における、黒人新生児の低出生時体重および早産の、白人新生児との相対的な差の縮小は、黒人の乳児死亡率の大幅な低下の説明となる可能性がある」としている。

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内容充実!『がん免疫療法ガイドライン』の第2版が発刊

 2019年3月29日、日本臨床腫瘍学会が編集した『がん免疫療法ガイドライン第2版』が発刊。2016年に初版が発行されてから2年。非常にスピーディな改定が行われた。今回の改定では、この間に明らかとなった各疾患での治療エビデンスや副作用管理などが集約化された。解説内が細分化され読みやすく 本ガイドラインの構成についての大幅なリニューアルはないが、各項の解説が「発症の頻度」、「臨床症状と診断」、「治療方針」に細分化されたことで、実臨床に役立てやすくなっている。 免疫チェックポイント療法の副作用については、“心筋炎を含む心血管障害”が追加。また、これまで甲状腺や副腎などの副作用は、 機能障害として大きなくくりで記載されていたが、それぞれ甲状腺機能低下症、副腎皮質機能低下症へと記述が変更されている。これに伴い、「発症の頻度」に市販後調査の報告が追加され、副作用出現時の管理方法などが充実した。同様に記述が変更した下垂体機能低下症の項には、CTCAE Grade評価の追加。これまで投与中止となっていた重症例は、Grade3、4に区分され、投与可否についても“投与休止”へと変更されている。このように、細かい変更点があるため、第2版の副作用管理について熟読されることをお薦めする。 各がん種別エビデンスについては、初版発刊時には推奨される免疫療法がなかった「胃がん」「大腸がん」「小児腫瘍」などへの推奨が加わった。肺がんは、悪性胸膜中皮腫の記載が盛り込まれたことから、「胸部悪性腫瘍」の項に収められた。そのほか、「高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構の欠損(dMMR)を有する切除不能・転移性の固形」の章が追加されている。 ガイドライン作成委員長の中西 洋一氏(九州大学大学院胸部疾患研究施設教授)は、本ガイドラインの冒頭で、「非がん領域の専門家の力も借り、徐々に集積してきた知見も織り込んで、しっかりとした内容に仕上がっている」と述べている。

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