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薬機法改正で「服薬後のフォロー」が薬剤師の義務に【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第29回

2020年に法改正を目指している「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法、薬機法)」により、薬局・薬剤師の業務が大きく変わりそうです。厚生労働省は薬局で働く薬剤師に対し、必要に応じて患者の服用状況や副作用を継続的に確認し、指導するよう義務付ける。現状は医師の処方箋に基づいた薬の調剤に偏っている。服用後に処方内容が適切かどうかをチェックするといった本来業務が不十分との指摘が多い。法改正で職務を明確にし、改善を促す。6月に医薬品医療機器法の改正案が通常国会で審議入りしたが、衆院採決前に閉会し継続審議となった。秋に想定する臨時国会での成立を目指す。2020年にも施行される見通しだ。(2019年7月9日付 日本経済新聞)改正と聞くと「何か悪いことをしたのかしら…」と思う人もいるかもしれませんが、今回の改正は2013年に薬事法から医薬品医療機器等法と改正された際に、施行後5年を目途に見直しをすることが決められていたものです。この改正案は、6月の通常国会では会期切れとなり採決されずに継続審議となりましたが、秋の臨時国会で成立する見込みです。改正案の概要としては、薬局薬剤師に対して、調剤時に限らず必要に応じて患者の薬剤の使用状況の把握や服薬指導を行う義務、患者の薬剤の使用に関する情報を医師などに提供する努力義務を法制化することが求められています。単純に患者さんから聞いたことをそのまま医師に伝える伝言ゲームではなく、薬剤師の知識を生かした問題解決や処方提案のスキルが求められています。そのほかにも、薬局・薬剤師に関する項目として、患者さん自身が自分に適した薬局を選択することができるように、機能別の薬局を導入することが求められています。「患者の服薬情報の一元的把握」「服用後の継続的な服薬指導」「高齢者の多剤投与対応」「在宅医療」「専門性の高い薬学的管理が継続的に必要となる薬物療法」などのさまざまな課題で薬剤師が職能を発揮するために、入退院時に医療機関と情報共有したり、在宅医療で地域の薬局と連携したりしながら一元的・継続的に対応する「地域連携薬局」と、がんなどの専門的な薬学管理に他医療提供施設と連携して対応する「専門医療機関連携薬局」という2つの機能の薬局が想定されています。なお、テレビ電話などによる遠隔診療からの遠隔服薬指導も盛り込まれていますが、実施には多少猶予期間が設けられそうです。薬剤師の職務に服用後のフォローが義務化されるということは、非常に大きな変化です。これらが採決され、改正医薬品医療機器等法が施行されると、これは薬剤師の義務になり、責任も業務量も増えるでしょう。課題はたくさんあると思いますが、一般の方の「薬局の中にいる人」や「ただ薬を渡してくれる人」というイメージが変わるように、前向きに取り組みたいと思います。

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がんゲノム医療始動!~がん遺伝子パネル検査保険適用へ~【Oncologyインタビュー】第8回

出演:聖マリアンナ医科大学 砂川 優氏、慶應義塾大学 西原 広史氏2019年6月、がん遺伝子パネル検査保険適用となった。がんゲノム連携病院で診療を行う砂川 優氏が、当該領域スペシャリストの西原 広史氏に、実臨床での疑問を問う。

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第4回 捨てる代わりに出品する―ヤフオク活用のススメ【外科医けいゆうの気になる話題】

第4回 捨てる代わりに出品する―ヤフオク活用のススメ皆さんは身の回りの不要品をどう処分していますか?私は「ヤフオク!(旧Yahoo!オークション、以下ヤフオク)」で売っています。ヤフオクを使い始めたのは16年前。これまで2,000人近くと取引をしてきました。取引の9割以上は出品者としての利用です。16年もヤフオクで取引をしていると、どんな商品でも「使いたい」という人はたくさんいるのだなと思うのです。たとえば、病院では毎年年度末に大量の医学書が捨てられているのを目にするのですが、医学書はマイナーなものを除いてはたいてい売れます。それから、勤務医の先生方は転勤などで引っ越しが多いと思いますが、その際、家電や家具はほぼ必ず売れます。私もヤフオクでどれだけ節約できたか計り知れません。しかも、今のヤフオクはとても簡便です。私が使い始めたころ、出品の手間はかなりのものでした。当時スマホはなく、デジカメで商品の写真を一枚一枚撮影してはパソコンに取り込んでアップロードしていました。また、今のように専用の連絡ツールもなかったため、取引が成立するとお互いにメールアドレスを教え合い、直接メールで金額や発送に関する連絡を行っていました。メールには氏名、住所、振込口座番号などの個人情報が記載され、こちらで落札者からの振込を確認できたら商品を発送する、という流れでした。発送方法についても、荷物の三辺の長さを測ったり、はかりに掛けて重さを測り、ネットで料金を調べて相手に伝える、といった面倒な作業がありました。また、定形外郵便などの安価な配送サービスは追跡ができないため、発送したはずなのになかなか届かず、相手から苦情が来たことも一度や二度ではありません。今思えば、相当敷居の高い仕組みだったと思います。こうしたストレスも、今ではすっかりなくなりました。16年間使い続けていると、年々システムが改良され、ネットに詳しくない人でも簡単に参入できるようになってきたことがよくわかります。まず、スマホアプリの使い勝手が非常に良くなったことで、スマホで写真を撮り、そのまま出品する、ということが簡単にできるようになりました。商品説明文も、以前は詳細な文章を打ち込んでいましたが、今では必要事項をチェックすれば、簡単な説明だけで出品が可能です。また、アプリ上でお互いが匿名のまま連絡を取り合うことができます。発送も、ヤフネコ!パックのネコポスや宅急便コンパクトなど、ヤマト運輸とヤフオクが連携した配送サービスを使えるようになりました。これらは、指定の大きさの範囲内であれば、全国一律料金でコンビニから匿名配送ができます。おまけに、配送追跡サービスや紛失・破損に対する補償まで付いています。先日、使用しなくなったワイングラスを売ったのですが、配送途中で割れるという事故が起こりました。かなり厳重に梱包したはずなのに、です。しかし、これもヤフネコ!パックのサービスで全額補償され、トラブルにならずに済みました。そんなわけで、ヤフオクは誰にでもオススメできるサービスです。ぜひ参考にしてみてください。ちなみに高額な家電・家具の発送は、クロネコヤマトの「らくらく家財宅急便」がオススメです。

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乳がん検診への超音波併用のベネフィット、非高濃度乳房でも/日本乳学会

 マンモグラフィ検査の限界として、高濃度乳房で腫瘍が発見されにくくなる“マスキング効果”が指摘されている。そのため、「高濃度であれば追加検査を推奨し、非高濃度であれば安心」という論調がある。しかし、少なくとも40代の女性においては、高濃度か非高濃度かによらず、超音波検査の追加によってベネフィットが得られる可能性が示唆されている。第27回日本乳学会学術総会にて、東北医科薬科大学医学部・乳腺内分泌外科の鈴木 昭彦氏が、「J-STARTからみたDense Breast対策」と題して講演した。 米国では、2019年3月に乳がん検診に関する新たな方針案が示された。この方針案では、受診者への乳房構成の通知を義務付けることで、検診受診の判断を個人の裁量に委ねる方向性となっている。一方本邦では、40代後半から50代前半で最も乳がん罹患率が高いにもかかわらず、この年代でマンモグラフィの感度が低いため、いかに有効な検診を提供できるかが重要となる。超音波検査の追加によって非高濃度乳房でもがん発見率と感度上昇 鈴木氏らは、J-START試験参加者のうち、乳房構成のデータのある一部(11,432人)の症例を対象に、高濃度乳房群と非高濃度乳房群における超音波検査の影響を解析した。マンモグラフィ+超音波検査の介入群(超音波検査追加群)と、マンモグラフィのみのコントロール群の人数はそれぞれ5,781人 、5,651人であった。 全体の初回検診結果をみると、がん発見率:超音波検査追加群0.74% vs.コントロール群0.42%、要精検率:14.1% vs.9.8%、感度:93.5%(95%信頼区間:0.86~1.01)vs.72.7%(0.58~0.88)でp=0.02、特異度:86.6%(85.7~87.5)vs.90.6%(89.8~91.4)でp<0.001と、J-START試験の全国集計値とほぼ同様の傾向であった。 次に、高濃度乳房群(きわめて高濃度+不均一高濃度)と非高濃度乳房群(乳腺散在+脂肪性)で初回検診結果を比較すると、がん発見率は、高濃度乳房群で超音波検査追加群0.74% vs.コントロール群0.40%と超音波検査追加群で上昇した。一方の非高濃度乳房群でも、0.75% vs.0.46%と超音波検査追加群で高く、非高濃度乳房であっても、超音波検査の追加によって一定数の乳がんが新たに発見されていることが明らかとなった。 感度においても、高濃度乳房群で96.2%(88.8~103.2)vs. 72.2%(51.5~92.9)と超音波検査追加群で約24%上昇し、非高濃度乳房群でも90.0%(95%CI:76.9~103.6)vs. 73.3%(51.0~95.7)と超音波検査追加群で約17%上昇した。40代女性への超音波検査の上乗せは乳がん発見率を大きく改善 鈴木氏らによる2008年発表の研究1)において、年齢別・乳房構成別にマンモグラフィのがん発見感度をみると、40代女性では高濃度乳房だけでなく、乳腺散在の場合も50代以上と比較して感度が低い傾向がみられている(40代:69.2%、50代:80.7%、60代:79.7%)。 また、不要な要精検率の増加という“検診による不利益”についても検討。J-START試験参加者のうち、2007~08年の参加者6,731人をサンプル調査し、超音波検査追加群とコントロール群の初回および2回目検診における要精検率の変化を調査した。その結果、超音波検査追加群の要精検率は初回13.1%、2回目5.6%、コントロール群の要精検率は初回6.9%、2回目4.3%であった。しかし、陽性反応的中率(PPV)は超音波検査追加群で初回3.6%、2回目6.4%と上昇しており、検診の精度は保たれていた。 鈴木氏は、「検診の真の有効性を証明する指標は死亡率減少であり、現状で超音波検査を無条件で推奨できるエビデンスは存在しない。しかし、40代の日本人女性への超音波検査の上乗せは、乳がん発見率を大きく改善し、その効果は高濃度乳房でとくに顕著だが、非高濃度乳房でも明確にみられる。精度管理により不利益を最小化する努力が重要なのではないか」と締めくくった。

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今どきの女性目線を川田アナから学ぶ/日本Men’s Health医学会

 2019年7月13~14日に第19回日本men’s Health医学会が開催。本学会の目玉でもあるトークショーにフリーアナウンサーの川田 裕美氏(株式会社セント・フォース所属)を招き、学会理事長の堀江 重郎氏(順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授)と大会長の森下 竜一氏(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学教授)の3名によるトークで会場内に盛り上がりをみせた。今どき女性の求める相手とは? 昭和時代には“タバコ”が男の象徴だったと話す堀江氏と森下氏。禁煙時代を生きる川田氏にとって、理想とする男性像を両氏から質問されると、「過去に吸っていたけれど、“今は止めた”と聞くとステキに感じる」と、禁煙意識をもつ男性に好感を抱くとコメント。また、「若いうちから将来を見据え、食事や睡眠習慣などのライフスタイルを変えることができる方に魅力を感じる」とし、「女性が筋肉のようなビジュアルで惹かれるのは20代。年齢を重ねるにつれて子供のことを意識するようになるため、男性に惹かれるポイントが外見から内面に変化していく」と現代女性の心を代弁した。 これまで不妊といえば、女性の問題として取り上げられていたが、近年は男性不妊も問題視されている。川田氏は「男性側が不妊のチェック(ブライダルチェック)をする人が増えている。これに思いやりを感じる」と結婚を控える女性の視点でコメント。堀江氏は「その結果で破談になることもあるが、検査を受けることは重要。ただし、検査結果で将来をどうしていくのか、きちんと考えてから受ける必要がある」と、検査の価値と注意点について語り、川田氏は「検査を含め、結婚前から話し合える相手が理想」と語った。テストステロンと人生観 結婚すると太る男性がいるが、この原因としてテストステロンの分泌低下が影響しているという。森下氏らが「幸せなのになぜ下がるのか」と驚きを示したのに対し、堀江氏は「テストステロン分泌に幸せかどうかは関係ない。テストステロンは特定の女性を射止めて目移りしなくなったら下がるもの」と、結婚後に急激に低下する理由を説明した。一方、女性の体重は、エストロゲン値の変動が影響するため、堀江氏は「結婚によって左右されないのでは」とコメントした。 そのほか、見た目でも個人のテストステロン値の高さが垣間見える指標として、堀江氏は「男性の場合、ネックレスやブレスレットをしている人のホルモン値は高い。なぜなら、自分を表現しようとする気持ちが強いから」と語った。 人間の活力であり生活の源となるテストステロンは、年齢とともに分泌量の低下が否めない。しかし、抗加齢医学により分泌維持や補充療法(現時点では保険適用外)は可能である。人生100年時代を迎えた今、テストステロン分泌低下と定年退職が同時期に訪れる日本において、定年後の約40年間にどんな生活を送りたいのか-食生活や運動、見た目などを今から見つめ直し、理想像を描いておくことがテストステロン維持の第一歩となりそうだ。

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アカラシアの1次治療、経口内視鏡的筋層切開術が有効/JAMA

 未治療の食道アカラシアの治療において、経口内視鏡的筋層切開術(peroral endoscopic myotomy:POEM)は、内視鏡的バルーン拡張術(pneumatic dilation)に比べ、2年後の治療成功率が有意に高いことが、オランダ・アムステルダム大学のFraukje A. Ponds氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2019年7月9日号に掲載された。症例集積研究により、アカラシアの治療におけるPOEMの良好な結果が報告されている。アカラシアの現在の標準的な1次治療はバルーン拡張術とされ、より侵襲性の高いPOEMや腹腔鏡下 Heller 筋層切開術を1次治療とすることには疑問を呈する意見があり、これらの直接比較には意義があるという。5ヵ国6施設が参加した無作為化試験 本研究は、オランダ、ドイツ、イタリア、香港、米国の6施設が参加した多施設共同無作為化試験であり、2012年9月~2015年7月の期間に患者登録が行われた(Fonds NutsOhraなどの助成による)。 対象は、18~80歳、新規に症候性アカラシアと診断され、治療を受けておらず、重症度の指標であるEckardtスコア>3点の患者であった。Eckardtスコアは、嚥下障害、逆流、胸痛の頻度と、体重減少の程度により、0~12点で評価した(点数が高いほど重症度が高い)。 被験者は、POEMまたはバルーン拡張術を受ける群に無作為に割り付けられた。初回のバルーン拡張術には30mmバルーンを用い、3週間後もEckardtスコア>3点の場合には、35mmバルーンによる拡張術を行った。 主要アウトカムは、2年時の治療成功(Eckardtスコア≦3点、かつ重度の治療関連合併症がない、または内視鏡的/外科的再治療が行われていない)とした。治療成功例において、14項目の副次エンドポイントの評価を行った。2年時治療成功率:92% vs.54%、3ヵ月と1年時も有意に良好 130例(平均年齢48.6歳、73例[56%]が男性)が治療を受け、126例(95%、POEM群63例、バルーン拡張術群63例)が試験を完遂した。 主要アウトカムである2年時の治療成功率は、POEM群が92%(58/63例)と、バルーン拡張術群の54%(34/63例)に比べ有意に優れた(絶対差:38%、95%信頼区間[CI]:22~52、p<0.001)。 副次エンドポイントである3ヵ月時(POEM群98% vs.バルーン拡張術群80%、絶対差:18%、95%CI:7~30、p=0.001)および1年時(95% vs.66%、31%、17~45、p<0.001)の治療成功率も、POEM群が有意に良好であった。 積算弛緩圧中央値(POEM群9.9mmHg vs.バルーン拡張術群12.6mmHg、絶対差:2.7mmHg、95%CI:-2.1~7.5、p=0.07)および食道排泄能の指標である一定間隔を空けた食道造影検査におけるバリウム柱の高さ(2.3cm vs.0cm、2.3cm、1.0~3.6、p=0.05)には、両群間に有意な差はみられなかった。 逆流性食道炎(41% vs.7%、絶対差:34%、95%CI:12~49%、p=0.002)およびプロトンポンプ阻害薬の使用(41% vs.21%、20%、1~38、p=0.004)は、いずれもPOEM群で頻度が高かった。 重篤な有害事象は、POEM群では認めず、バルーン拡張術群では2例(30mmバルーンを用いた拡張術後の穿孔による13日の入院、穿孔の徴候のない胸痛による1日の入院)にみられた。POEM群のほうが有害事象の頻度が高く(67% vs.22%)、逆流性食道炎(29例)と逆流症状(8例)が多かった。 著者は、「これらの知見は、アカラシア患者の初回治療選択肢としてのPOEMの考慮を支持する」としている。

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高齢者NSCLCの1次治療、カルボプラチン+ペメトレキセドがドセタキセルに非劣性/日本臨床腫瘍学会

 高齢者の進行期非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対しては、ドセタキセル単剤(DOC)が標準治療である。一方、カルボプラチン+ペメトレキセドからペメトレキセドの維持療法(CBDCA/PEM)は、その実用性から非扁平上皮NSCLCの1次治療として多く使われており、また高齢者の進行期非扁平上皮NSCLCの第II相試験においても有効性を示している。そのような中、徳島大学の軒原 浩氏らは、第17回日本臨床腫瘍学会学術集会でCBDCA/PEMのDOC単剤治療に対する非劣性を検証するJCOG1210/WJOG7813L試験の結果を発表した。対象:化学療法未治療の75歳以上のStageIII/IVまたは術後再発非扁平上皮NSCLC試験薬:カルボプラチン(AUC5)+ペメトレキセド(500mg/m2)3週ごと4サイクル→ペメトレキセド(500mg/m2)3週ごと病勢悪化まで対照薬:ドセタキセル60mg/m2 3週ごと病勢悪化まで評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効割合(ORR)、症状スコア、有害事象などCBDCA/PEMの非劣性マージンは、ハザード比(HR)1.154に設定された。 主な結果は以下のとおり。・433例がドセタキセル群217例とCBDCA/PEM群216例に無作為に割り付けられた。治療対象は両群共に214例であった。・患者の年齢中央値は両群とも78歳、男性はCBDCA/PEM群57%とDOC群58%、StageIVが75%と76%、腺がんが98%と96%であった。・OS中央値はCBDCA/PEM群18.7ヵ月、DOC群15.5ヵ月(HR:0.850、95%CI:0.684~1.056、片側p<0.0029)と、予め設定された非劣性マージン(1.154)を達成し、CBDCA/PEMのドセタキセルに対する非劣性が証明された。・PFS中央値はCBDCA/PEM群6.4ヵ月、DOC群4.3ヵ月であった(HR:0.739:95%CI:0.609~0.896)。・ORRはCBDCA/PEM群36.8%、DOC群28.2%であった(p=0.0740)。・Grade3~4の好中球減少症の発現(46.3%対86.0%)および白血球減少の発現(28.0%対68.7%)はCBDCA/PEM群で低く、Grade3~4の血小板減少の発現(25.7%対1.4%)および貧血の発現(29.4%対1.9%)はCBDCA/PEM群で高かった。また、Grade3~4の発熱性好中球減少の発現(4.2%対17.8%)はCBDCA/PEM群で低かった。

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双極性障害患者における日中の光曝露とうつ症状との関連

 光療法などの人工的な光曝露は、双極性うつ病に有効であるが、双極性障害(BD)患者におけるコントロールされていない日中の光曝露とうつ症状との関連は、明らかとなっていない。藤田医科大学の江崎 悠一氏らは、日常生活におけるBD患者の日中の光曝露とうつ症状との関連について調査を行った。Journal of Psychiatric Research誌2019年9月号の報告。 本研究は、BD患者181例を対象とした横断的研究である。平均日中光強度および照度1,000ルクス以上の総時間を、周囲光を測定するアクチグラフを用いて、7日間連続で測定した。うつ症状はMontgomery Asbergうつ病評価尺度を用いて評価し、8点以上をうつ状態と定義した。 主な結果は以下のとおり。・うつ状態の患者は、97例(53.6%)であった。・平均日中光強度の三分位で最も高かった群では、うつ状態の割合が有意に低かった(p for trend=0.003)。・年齢、雇用状態、BD発症年齢、ヤング躁病評価尺度のスコア、就寝時刻、身体活動で調整後の多変量解析では、平均日中光強度の三分位で最も高かった群は、最も低かった群と比較し、うつ状態のオッズ比(OR)が有意に低かった(OR:0.33、95%CI:0.14~0.75、p=0.009)。・同様に、照度1,000ルクス以上の総時間の三分位で最も高かった群は、最も低かった群と比較し、うつ状態のORが有意に低かった(OR:0.42、95%CI:0.18~0.93、p=0.033)。 著者らは「BD患者では、日常生活における日中の光曝露の増加が、うつ症状の軽減と関連していることが示唆された」としている。

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第24回 心電図の壁~復刻版~(前編)【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第24回:心電図の壁~復刻版~(前編)今でこそ心電図に関するさまざまなテキストを出版し、多くの講義・セミナーの機会をいただいているDr.ヒロですが、かつては心電図や不整脈が不得手だったのです…多くの人と同じか、それ以上に苦労して何度もくじけそうになりました。そんなボクだからこそ、いかにして困難を乗り越えたかを語ることで、心電図学習で悩む人へ勇気を与えられるのではないかと、かつて、医学書院の「内科医の道」という若手医師向けのシリーズ企画の中で、あるエッセイ*を執筆しました。このシリーズは、著名な先生方が若手に向けたメッセージをWEB上で発信するもので、ボク自身も時々興味深く読んでいた企画でした。もちろん自分には分不相応だとは思いつつ…当時のボクは承諾してしまいました。その時つけたタイトルが『心電図の壁』。大先輩でもある養老 孟司先生の影響を受けていないとは言いません(笑)。*杉山裕章. 内科医の道[電子版エッセイ]. 医学書院;2012.第48回. (※2018年に公開終了)ニガテ・キライ・ムリの状態から、どう“壁”を乗り越えてきたか-そのプロセスが心電図を学びたい“迷える子羊”たちのお役に少しでも立てればと懸命に書きました。この自分の成長日記とも言えるエッセイも、今では時の流れで“閲覧不能”となってしまいましたが、医学書院と交渉し、自らツッコミ的な補足も追加しつつ、本連載の番外編として2回シリーズでお届けできることになりました。いつものようなレクチャー調でもなく、気軽にご笑読いただけたら嬉しいです。では、はじまり、はじまり~。注)黄緑枠部分がエッセイ、グレー枠部分が現在のDr.ヒロによるツッコミです。原稿依頼をいただいた時、若手医師へ向けたWebエッセイ企画とのことで、本当はお断りしたかった。なぜって、自分こそ“読者”たるべき若者1)だから。でも、いろいろと考えた挙句、心電図についての“苦労話”を皆さんに聞いてもらうことで、少しはお伝えできることもあろうかと思ってお引き受けした。学生時代を思い返してみると、お世辞にも真面目とは言えなかったと思う。でも、外部病院実習2)で配属になった循環器の先生方のカテーテル室やCCUを駆け回るパワフルな姿がとてもカッコ良く見え、自分もやってみたくなったのだ3)。でもオレって…シンデンズとか全然ダメじゃん(泣)。当時は何だかよくわからないけれど心電図が循環器の“象徴”な気がして、試験そのほかでもひどい目にあった記憶が頭から離れなかったからかもしれない。とにかく心電図が大のニガテだった。1:当時33~34歳。冷静になってみるとそんなに若くはないか…。2:とくに印象的だったのは、T病院とM病院の2つ。3:今も最前線で活躍されておられる某医師。当時、若くてバリバリの彼に向けられたナースたちの眼差しはとても印象的だった。容姿もカッコよく、しかもデキる…まさに“完璧”!そんな自分を少しだけ変えたのは、ひょんなことから参加した学内の“心電図ゼミ”だった。有志の勉強会なんてものに参加したことなんて一度もなかったが、わらをもつかみたい気持ちが背中を押してくれたか4)。それは毎週1人1枚、ナマの心電図波形が与えられ、ノーヒントの状態で担当教授と十数人の同級生の前で自分なりの診断・解釈を述べるものであった。ボクが普段やっている“マルチョイ”方式のクイズとはレベルが違う。今で言う、“リアル・ガチ”だ(頼みの綱の自動診断結果も消されていた…)。ほかの人が読んできた心電図もコピーして配布されるため、1回このゼミに行くと、必ず十数個の新しい課題が生まれた。正しく読み切れたときもあれば、全然アサッテの診断をしてしまったことも多々あった5)。出席者の多くも皆、それなりに間違った。しかし、その教授は、たとえ間違った診断をしても決してけなすことなく、その場で“どう読むのか”を、逐一教えてくれた6)。プロ(循環器)の視点に触れた瞬間はしばしば身震いがした。4:実は、当時仲良くしていた友人が参加すると言ったため、何か不安になって一緒について行った。5:今でこそ「系統的判読法」などと1枚の心電図から漏れなく所見を拾い上げることの重要性を強調してるが、当時は指定教科書とブツ(心電図)とをウンウンうなって見比べながら恥をかきたくない一心で必死でやっていたっけなぁ(その甲斐なく敗れさったことも数知れず)。6:同教授は退官されるまで毎年同ゼミを開催されていたそう。心電図はいわんや、まさに教育のプロフェッショナル!約半年間、なぜだか休まず通った。必修の授業だってサボることのあった“劣等生”が。いつしか、自分が担当でない問題にも自分なりの所見をつけてからセッションに参加するようにもなった7)。ただ、その後は苦労の連続だった。国家試験にどうにか通って医師1年目、大学病院で入院サマリーや諸雑用に追われ、心電図はおろか、ほとんど勉強なんてできなかった。もともと自分の要領が悪く、種々のストレスや疲労にも悩まされることもあったのだが。ゼミで築いた“土台”も見事に退化してしまった。7:学生時代に用いていた教科書の大半は廃棄したが、この心電図“教材”は捨てずにファイリングして残してあるほど愛着アリ。2年目は“野戦病院”8)に出た。当然、心電図の講義なんてない。でも、そこでダメ研修医に再度転機が訪れた。1つ上の先生が、「あなた、循環器に興味があるのなら、心電図の“下読み”してみたら? ○○先生が添削してくれるから勉強になるわよ」と勧めてくれたのがキッカケだった9)。それは、院内で毎日記録される山のような心電図の所見を他科のドクターにもわかるよう紙に記載する仕事だった10)。この“下読み”に、コワモテ循環器部長が目を通し、間違っていれば赤ペンで修正してくれるというのだ。しかも、生理検査室の人は、訂正が入った心電図と“正解”できたものとを別に分けておいてくれた11)。それ以後1年近くの間、頼まれてもないのに院内ほぼすべての心電図に目を通す、出来の悪い下読み工場をオープンさせた。はじめのうちはドン引きするくらい直され、不整脈やペースメーカーの心電図などは最後までまったく歯が立たなかった。だが、毎回ドキドキしながら添削結果と向き合った経験は貴重ではあり、一度は失いかけた心電図への“情熱”が徐々に湧き上がってくるのを感じた12)。 8:飲み屋街としても有名な神楽坂付近の病院で、名称は変わっても現在も同じ場所にある。 9:何度か一緒に飲みに行き(ご馳走になっていた)、「腎臓内科の紹介でこの病院に来たんですけど、今更ながらやっぱり循環器やりたいなぁって思ってるんです」なーんて相談したような気が…。10:当時はまだ電子カルテはなく、複写式の短冊状の紙にボールペンで所見を書いた。個々人に“ポケベル”が手渡されており、それが鳴るたび近くの電話機にダッシュしていたなぁ…。11:悩みに悩んでつけた所見が予想通り“誤り”であったもの、そして逆に自分では難なく診断できたと思っていたのに訂正が入り、「そう考えるのか」と多々学ぶことも。悩んだ末に出した回答が“正解”だった時は、ニコニコとスキップして病棟に戻るくらい喜んだなぁ。12:現在でも循環器レジデントなどのdutyとして心電図“下読み”があるようだが、“添削”まで入る環境は比較的少ないのでは。研修自体はいろいろ苦労もしたけれど、この点は恵まれていたと思う。今回はここまで。今振り返ると、かつての教授や部長と同じような立ち居振舞いや試みは、現時点でのボクにはできていません。時勢も変化も踏まえ、Dr.ヒロが選んだのは書籍やWEBでの連載による講義に重点を置くという道です。ただ、それでも“胸のうちは一つ。医学生や研修医・レジデント諸氏に以下のTake home messageを実践してもらいたい―それだけです。今回はDr.ヒロのライフ・ワークの根幹に触れる話をお届けしました。次回は、循環器医になってからの“心電図の壁”への挑戦ストーリーをお届けします。お楽しみに!Take-home Message教科書や問題集だけではなく“生”の心電図に数多く触れよ!心電計の自動診断や先輩の読みに頼らず、自分なりの所見・診断をつける“訓練”をすべし!自分がわからなかった心電図をプロ(循環器医)がどう読んだかチェックして真似よ!【古都のこと~心リハ学会2019教育講座】今回は夏休み特別編をお送りします。2019年7月13日、大阪国際会議場にて第25回日本心臓リハビリテーション学会学術集会(大会長:木村 穣氏[関西医科大学健康科学科])が開催され、Dr.ヒロは教育基礎講座『心電図とのつき合い方、教えます!~心臓リハビリテーション編~』*のレクチャーをする機会に恵まれました。実は、本学術集会への参加は初めてだったのですが、医師もさることながら、理学療法士や看護師などのコメディカルの方々の熱気がダイレクトに伝わってくる、本当に素晴らしい学会であり、今まで不参加であった自分を恥じました。当日は600人収容の会場が超満員、立ち見が数十人どころか会場の外まで人がギッシリ! こうした状況で講演をさせてもらえることは非常に光栄に感じます。さらに、ボクがレジデント時代を過ごした際の恩師が座長という別のプレッシャーもありました(笑)。ただ、いざ始まってしまえば、いつも通り「心電図・不整脈が好きだー」という情熱を前面に押し出す“熱血講義”スタイルで行うことができました。写真はタイトルスライドで、本連載での著者紹介イラスト、背景は伏見稲荷大社(伏見区)の千本鳥居の様子です。心電図は循環器領域の“言葉”の一つであり、その重要性はもちろん心臓リハビリテーションの世界でも変わらないと思います。聴講してくださった皆さんが、レクチャーから何かしらの「ヒント」を感じ取り、ひいては彼ら彼女らが担当する患者さんの健康回復につながるとしたら、演者冥利に尽きるものです。*:当日使用したスライド資料はこちらから

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最終回 常にプロフェッショナルであるために【週刊・川添ラヂオ】

動画解説最終回で川添先生が語るのは記憶に残る2人の患者さんに関するエピソード。その2人はなんと川添先生に激怒した患者さんで、彼らに言われた言葉が先生の生き方の原動力になっているんだそうです。若き先生がやってしまった失敗とは?いつまでも挑み磨き続ける川添先生からみなさんへのラストエール。

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前立腺がんに対する重粒子線治療の有益性に関するエビデンス/Lancet Oncol

 前立腺がんに対する重粒子(炭素イオン)線治療の有益性に関するエビデンスが日本発で発信された。量子科学技術研究開発機構(NIRS)のOsama Mohamad氏らによる検討の結果、限局性前立腺がんに対する重粒子線治療は、光子線治療よりも2次がんリスクが低いと思われる所見が示されたという。これまでに、絶対数は少ないが光子線治療は手術を受けた患者よりも2次がんリスクが高いことが示されていた。重粒子線治療は、理論的には光子線治療よりも2次がんの誘発リスクは低いが、世界的にオファーが少なく、入手できるデータも1994年以降のものと限定的であり臨床研究が進んでいなかった。著者は「結果の裏付けには長期に追跡した前向き評価が必要であるが、今回示されたデータは、通常治療後の全生存期間(OS)が長期と予想される患者、反対に不良なアウトカムを有する患者に対し、広く重粒子線治療を適用することを支持するものである」と述べている。Lancet Oncology誌2019年5月号掲載の報告。重粒子線治療は光子線治療や手術よりも2次がんのリスクが有意に低い 研究グループは、後ろ向き傾向スコア重み付けコホート研究にて、限局性前立腺がん患者の重粒子線治療後の2次がんリスクについて、光子線療法後または手術後患者と比較する検討を行った。 日本のNIRSにて、1995年6月27日~2012年7月10日に前立腺がんで重粒子線治療を受けた患者の記録をレビューすると共に、1994年1月1日~2012年12月31日に前立腺がんの診断および治療を受けた大阪府がん登録の患者の記録を抽出して評価した。組織学的に限局性前立腺がんと確認されており、少なくとも3ヵ月間フォローアップを受けていた患者(年齢制限なし)を適格とした。転移、リンパ節転移陽性、浸潤転移(T4ステージ)を認める患者、悪性腫瘍の既往がある、または同時性がんの患者、放射線療法または化学療法を受けたことがある患者は除外した。 多変量解析にて、重粒子線治療後の2次がんの予測因子を推定し、傾向スコア逆重み付け法にて後ろ向きに、限局性前立腺がん患者における重粒子線治療vs.光子線治療vs.手術後の2次がん発生率を比較した。 前立腺がんで重粒子線治療を受けた患者の記録をレビューした主な結果は以下のとおり。・NIRSで前立腺がんの重粒子線治療を受けた患者は1,580例であった。そのうち1,455例(92%)が試験の適格条件を満たした。・大阪府がん登録では前立腺がん患者3万8,594例が特定された。そのうち光子線療法を受けた1,983例(5%)と、手術を受けた5,948例(15%)を解析に包含した。・追跡期間中央値は、重粒子線治療群7.9年(5.9~10.0)、光子線治療群5.7年(4.5~6.4)、手術群6.0年(5.0~8.6)であった。・重粒子線治療群で2次がんが診断されたのは234例であった。一部の患者は複数の腫瘍を呈した。・多変量解析の結果、重粒子線治療群の2次がんの高リスク因子と関連していたのは、年齢(71~75歳vs.60歳以下のp=0.0021、75歳超vs.60歳以下のp=0.012)、喫煙(p=0.0005)であった。・傾向スコア重み付け解析の結果、重粒子線治療群は光子線治療群よりも2次がんのリスクが有意に低かった(HR:0.81、95%CI:0.66~0.99、p=0.038)。また、手術群と比べても有意に低かった(0.80、95%CI:0.68~0.95、p=0.0088)。・一方で、光子線治療群は手術群よりも、2次がんのリスクが有意に高かった(HR:1.18、95%CI:1.02~1.36、p=0.029)。

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日本人高齢者の身体能力と認知症発症との関連

 身体能力を評価することは、認知症リスク評価を容易にする可能性がある。しかし、どのような身体能力が認知症発症と最も関連するかについては、明らかとなっていない。国立長寿医療研究センターの土井 剛彦氏らは、日本人高齢者における身体能力と認知症発症との関連について検討を行った。Physical Therapy誌オンライン版2019年6月4日号の報告。 本研究は、地域在住の高齢者を対象としたプロスペクティブ研究である。65歳以上の高齢者1万4,313人のうち、2011~12年に5,104人が研究参加を承諾し、そのうち4,086人(女性の割合:52%、平均年齢72.0歳)が基準を満たしていた。ベースライン時の身体能力として、握力テスト、5回椅子立ち上がりテスト(Five-Times Sit-to-Stand Test:FTSST)、Timed Up & Go Test(TUG)より身体能力レベルを収集した。各テストにおける身体能力レベルは、性別層別四分位値に基づいて、最高レベルのC1から最低レベルのC4に分類した。認知症発症に関する情報は、毎月の医療記録より収集した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中(平均期間:42.9ヵ月)に認知症を発症した高齢者は、243人(5.9%)であった。・log-rank検定では、低身体能力レベルは、認知症の重大なリスク因子であることが示唆された。・共変量で調整した後、Cox比例ハザードモデルでは、FTSST-C4群において、認知症リスクと有意な関連が認められた(ハザード比:1.69、95%CI:1.10~2.59)。・同様に、TUG-C4群においても、認知症リスクと有意な関連が認められた(ハザード比:1.54、95%CI:1.01~2.35)。・握力レベルと認知症リスクとの間に有意な関連は認められなかった。・本研究では、医療記録データの使用による制限を受けた。 著者らは「身体能力レベルの低さは、認知症リスクと関連が認められた。認知症リスクを評価する際には、身体機能の適切な評価を行うべきである」としている。

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砂糖入り飲料、がんのリスク増大/BMJ

 砂糖入り飲料の消費は、全がんおよび乳がんのリスクを増加させ、100%果物ジュースも全がんのリスクと関連することが、フランス・パリ第13大学のEloi Chazelas氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2019年7月10日号に掲載された。砂糖入り飲料の消費は最近10年で世界的に増加しているという。砂糖入り飲料と肥満リスクには明確な関連が認められ、肥満は多くのがんの強力なリスク因子とされる。10万人以上の住民を対象とするフランスのコホート研究 研究グループは、100%果物ジュースを含む砂糖入り飲料および人工甘味料入り飲料と、がんのリスクとの関連の評価を目的とする住民ベースの前向きコホート研究を行った(フランス保健省などの助成による)。 解析には、フランスで2009年にWebベースで登録が開始されたNutriNet-Santeコホートの2018年までのデータ(10万1,257例)を用いた。 砂糖入り飲料および人工甘味料入り飲料の消費の評価には、3,300項目の食品および飲料に関して、参加者の日常的な消費状況が記録されるようデザインされた反復的24時間食事記録法を用いた。飲料のタイプごとに、男女別の消費量をそれぞれ4段階に分けて解析した。 主要アウトカムは、飲料の消費と全がん、乳がん、前立腺がん、大腸がんの関連とした。競合リスクを考慮し、多変量で補正したFineとGrayのハザードモデルを用いて評価を行い、部分分布のハザード比(HR)を算出した。がん予防における修正可能なリスク因子である可能性 10万1,257例(平均年齢42.2[SD 14.4]歳)のうち、女性が7万9,724例(78.7%)を占め、男性は2万1,533例(21.3%)であった。飲料のタイプ別の割合は、砂糖入り飲料(100%果物ジュースを除く)が36%、100%果物ジュースが45%で、人工甘味料入り飲料は19%だった。 追跡期間中央値5.1年(49万3,884人年)の間に、2,193例が初発のがんを発症した。内訳は、乳がんが693例(閉経前283例、閉経後410例)、前立腺がんが291例、大腸がんは166例で、診断時の平均年齢は58.5±12.0歳だった。 砂糖入り飲料の消費は、全がん(消費量100mL/日増加の部分分布HR:1.18、95%信頼区間[CI]:1.10~1.27、p<0.001)および乳がん(1.22、1.07~1.39、p=0.004)のリスクと有意な関連が認められた。乳がんは、閉経前(p=0.02)が閉経後(p=0.07)よりも関連性が明確であったが、砂糖入り飲料の消費量中央値は、閉経期(88.2mL/日)のほうが閉経前(43.2mL/日)に比べ多かった。 砂糖入り飲料の消費は、前立腺がんおよび大腸がんとは関連がなかった。また、肺がんにも関連は認めなかったが(p=0.1)、統計学的検出力がきわめて低かった。 人工甘味料入り飲料の消費は、がんのリスクとは関連しなかったが、全サンプルに占める消費の割合が相対的に低かったことから、統計学的検出力が不十分であった可能性がある。 サブ解析では、100%果物ジュースの消費は全がん(消費量100mL/日増加の部分分布HR:1.12、95%CI:1.03~1.23、p=0.007)のリスクと有意な関連を示した。 著者は、「これらの結果は、他の大規模な前向き研究で再現性を検証する必要がある」とし、「欧米諸国で広く消費されている砂糖入り飲料は、がん予防における修正可能なリスク因子である可能性が示唆される」と指摘している。

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片頭痛の急性期治療、CGRP受容体拮抗薬rimegepantが有効/NEJM

 片頭痛発作の治療において、経口カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬rimegepantはプラセボに比べ、急性期の痛みおよび痛み以外の最も苦痛な症状の改善効果が優れることが、米国・アルベルト・アインシュタイン医学校のRichard B. Lipton氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2019年7月11日号に掲載された。片頭痛の成因には、CGRP受容体の関与が示唆されており、rimegepantは片頭痛の急性期治療に有効である可能性がある。本薬はトリプタンとは作用機序が異なるため、トリプタンに反応しない患者にも有効である可能性があるという。米国の49施設が参加したプラセボ対照無作為化試験 本研究は、米国の49施設が参加した多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験であり、2017年7月~2018年1月の期間に患者登録が行われた(Biohaven Pharmaceuticalsの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、50歳前に片頭痛を発症し、1年以上の既往歴があり、直近3ヵ月間に中等度または重度の片頭痛発作が月に2~8回発現した患者であった。被験者は、1回の片頭痛発作の治療としてrimegepant 75mgを経口投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、痛みの消失および患者が自覚する(痛み以外の)最も苦痛な症状の消失とし、いずれも投与後2時間の時点で評価した。2時間後に19.6%で痛みが、37.6%で最も苦痛な症状が消失 1,086例が登録され、1,072例(修正intention-to-treat集団、rimegepant群537例、プラセボ群535例)で有効性の評価が可能であった。全体の88.7%が女性で、平均年齢は40.6±12.0歳だった。 ベースラインの片頭痛発作の頻度は平均4.6±1.8回/月で、未治療では症状が平均32.5±22.1時間持続した。前兆のない片頭痛が734例、前兆のある片頭痛は338例であり、痛み以外の最も苦痛な症状は、光過敏が51.9%と最も多く、次いで悪心が29.6%、音過敏が15.3%であった。 投与後2時間時に、痛みが消失していた患者の割合は、rimegepant群が19.6%と、プラセボ群の12.0%に比べ有意に高かった(絶対差:7.6ポイント、95%信頼区間[CI]:3.3~11.9、p<0.001)。 また、投与後2時間時に、最も苦痛な症状が消失していた患者の割合は、rimegepant群は37.6%であり、プラセボ群の25.2%に比し有意に優れた(絶対差:12.4ポイント、95%CI:6.9~17.9、p<0.001)。 投与後2時間時の光過敏がない患者の割合(rimegepant群37.4% vs.プラセボ群22.3%、絶対差:15.1ポイント、95%CI:9.4~20.8、p<0.001)、音過敏がない患者の割合(36.7% vs.26.8%、9.9、3.2~16.6、p=0.004)、痛みが軽減(投与直前の中等度または重度の痛みが、軽度または消失)した患者の割合(58.1% vs.42.8%、15.3、9.4~21.2、p<0.001)は、rimegepant群が有意に良好であった。悪心は両群間に差はなかった。 とくに頻度が高かった有害事象は、悪心(rimegepant群1.8%、プラセボ群1.1%)と尿路感染症(1.5%、1.1%)であった。重篤な有害事象は、rimegepant群が1例(背部痛)、プラセボ群は2例(胸痛、尿路感染症)で認められた。肝機能検査では、正常上限値を超える血清アラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)またはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の上昇が、それぞれ2.4%、2.2%にみられた。 著者は、「反応の一貫性や、他の治療法と比較した薬剤の安全性および有効性を決定するために、より大規模で長期の試験を要する」としている。

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ヒトが長生きをすると脳に何が起きるのか(解説:岡村毅氏)-1080

 従来のアルツハイマー型認知症の創薬が完全に失敗した今こそ、地道に一歩一歩進むしかない。そこでこのような地味な臨床論文が重要だ。もちろん本論文は神経画像の有力チームからの論文であるが、神経学の専門家以外には地味な論文に見えることだろう。今から、そのすごさを解説してみよう。 まず、今世紀の研究を簡単に振り返り、私たちの立ち位置を眺めてみよう。かつてアルツハイマー型認知症は、死後でなければ診断できなかった。しかし脳内のアミロイドやタウを生体で可視化できるようになったことで、新たな研究が可能になった。そしてADNIという世界的共同研究が、アミロイド→タウ→形態変化→記憶障害(発症)、という病態仮説を証明した。そこで発症「前」から進行するアミロイドの部分(もしこれが現象の「上流」であればここを止めればプロセス全体が止まると考えるのは自然だ)を止めることで進行を止められないかと世界中が色めき立った。しかし残念ながらそれは失敗に終わった。 一方で、実際にアミロイド、タウ、そして画像変化が、実際のヒトの脳でどのように起きているのか、ということは不明なのだ。本研究は、普通の人々の脳内で何が起きているのかという謎に迫る臨床的な論文である。 本研究では、認知症ではない地域住民を対象に、アミロイド:A、タウ:T、そして画像変化:(N) を、あり・なしですべて2値化し、2×2×2の8通りのグループに分けている。たとえばアミロイドが見えるがタウは見られず萎縮もない人はA+T-(N)-となる。ちなみに画像変化については、アルツハイマー型認知症に限らずいろいろな病態で画像変化が起こりうるという理由でカッコがついている。結果であるが、5年程度のフォローアップ時に認知機能がどのように変化しているかを調べ、A+T+(N)+、A+T+(N)-、A+T-(N)+の進行が速いことを見いだした。 いくつか謎が新たに生じた。A+T-(N)-つまりアミロイドはたまっているがそれだけ、というグループは進行は遅い。これはどのように理解すればよいのだろうか? また、A+T-(N)+つまりアミロイドだけがたまっていてタウはまだという段階で、画像変化がすでに生じている群は、予想に反して進行する。他の病態が隠れているのかもしれないと考察されている。 ここで振り返ってみると、アミロイドだけに注目してきたこれまでの研究は精緻さが足りなかったとも思える。この論文は、なんでも単純化しようとする研究マインドではなく、複雑に絡み合った現実と格闘する臨床マインドに由来すると感じる。いずれにせよ、かすかな希望が見えた。

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ポケモンGOによってもたらされた医学的利益とは【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第143回

ポケモンGOによってもたらされた医学的利益とはぱくたそより使用2016年夏、スマートフォン向けの位置情報を利用した拡張現実ゲーム『Pokemon GO(ポケモンGO)」』がリリースされました。ニュースにもなったのでご存じの方も多いと思いますが、そりゃあもうめっちゃ歩くアプリなので、健康的なメリットもあるんじゃないの?と注目を集めました。紹介するのは、東京大学からの論文です。 Hino K, et al.Step Counts of Middle-Aged and Elderly Adults for 10 Months Before and After the Release of Pokemon GO in Yokohama, Japan.J Med Internet Res. 2019;21:e10724.過去のいくつかの研究では、ゲームのリリース前後の客観的に測定した歩数を比較している報告もありますが、ほとんどが短期間の研究で、なおかつ若者だけを対象にしています。本研究のターゲットは中高年です。横浜市から無料の歩数計をプレゼントされた市民に、ランダムに送付されたアンケートの回答を用いた研究です。非常にシンプルな試験デザインで、ポケモンGOの発売前後で、中高年のプレイヤーと非プレイヤーの歩数に差があるかどうかを検証したものです。40歳以上の合計46人のプレイヤーと184人の非プレイヤーが、性別、年齢層、身体活動レベルでマッチングされ、比較されました。プレイヤーと非プレイヤーの平均年齢はそれぞれ56.5±9.9歳、57.3±9.6歳で、リリース前の平均歩数はそれぞれ7,641.8±2,754.5歩と7,903.3±2,674.7歩でした。5,000歩くらいかと思ったんですけど、結構頑張って皆さん歩いておられるんですね。さて、リリースしてからですが、夏場はさすがに暑くて皆さん歩けなかったのかもしれませんが、冬の時期にはプレイヤーのほうがたくさん歩いていることがわかります(図)。ただ、有意なのは11月、12月、2月の3ヵ月で、それ以外は何とも言えない結果でした。 図. ポケモンGOリリース後の歩数(文献より引用)画像を拡大するポケモンGOはインストールしてから最初の1週間で、1日約1,000歩増える効果があることがトップジャーナルで報告されています1)。ただ、その効果は一時的で、インストール2週目から漸減し、6週目にはインストール前まで戻ってしまうと考えられてきました。ポケモンGOを続けることで、中高年にとってトータルの歩数が増える効果があるのならば、類似のアプリをどんどんリリースし続けてほしいと思います。…そういえば、ポケモンGOってまだ皆さんやっているんですか?1)Howe KB, et al. BMJ. 2016;355:i6270.

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ニボルマブ・イピリムマブによるNSCLC術前治療(NEOSTAR)/ASCO2019

 Stage I〜IIIの切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)の50%は再発する。そのような中、免疫チェックポイント阻害薬による術前治療の研究が数多く進行している。ニボルマブ・イピリムマブ併用による術前治療の有効性と安全性を評価する第II相NEOSTAR試験の追跡結果が米国臨床腫瘍学会年次総会(ACO2019)で発表された。・対象:切除可能Stage I~IIIA NSCLC(Single N2)患者・arm A:ニボルマブ3mg/kg+イピリムマブ1mg/kg→ニボルマブ2週ごと3サイクル(NI群)・arm B:ニボルマブ3mg/kg→ニボルマブ2週ごと3サイクル(N群)・評価項目:[主要評価項目]N群とNI群のMPR(Major Pathologic Response、生存しうる腫瘍細胞10%以下)[副次評価項目]毒性、周術期罹患率/死亡率、奏効率(ORR)、無再発生存期間、全生存期間など 主な結果は以下のとおり。・44例が登録され、ニボルマブ単剤(N)群とニボルマブ・イピリムマブ併用(NI)群に無作為に1対1で割り付けられた。・44例中41例(93%)が術前治療を完遂(N群96%、NI群90%)し、39例(89%)が手術を受けた(N群96%、NI群81%)。・ITTグループのMPRはN群17%(4/23例)、NI群33%(7/21例)であった。・手術実施例のMPRはN群19%(4/21例)、NI群44%(7/16例)であった。・ORRはN群22%(5/23例)、NI群19%(14/221例)であった。・頻度の高い治療関連有害事象は、疲労感(N群35%、NI群33%)、ざ瘡様皮疹(N群26%、NI群52%)などであった。

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アテゾリズマブによるNSCLC術前治療(LCMC3)/ASCO2019

 LCMC3試験は非小細胞肺がん(NSCLC)におけるアテゾリズマブ術前治療の第II相試験である。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)では、有効性の中間解析結果(n=101)が報告された。・対象:StageIB、II、IIIA、および切除可能IIIBのNSCLC・介入:アテゾリズマブ(2サイクル)・主要評価項目:手術時MPR(Major Pathologic Response、生存しうる腫瘍細胞10%以下)・副次評価項目:無病生存期間、全奏効率、全生存期間、バイオマーカー、有害事象 主な結果は以下のとおり。・中間解析における登録患者は101例、年齢中央値は65歳、非扁平上皮65%、Stage IIIA/B 46%(A39%/B7%)であった。・アテゾリズマブ治療2サイクル完遂率は95%(96例)、1サイクル完遂率は5%(5例)であった。・手術実施率は90例(89%)、有効性評価対象は77例(76%)であった。・有効性評価対象におけるMPRは19%(15/77例)、病理学的完全奏効(pCR)は5%(4/77例)であった。・MPRはPD-L1発現との関連はみられなかった。・Grade3~4の有害事象発現は29%(29例)、Grade5の発現は2%(2例)にみられた。

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