サイト内検索|page:806

検索結果 合計:35654件 表示位置:16101 - 16120

16101.

第20回 岡山医師不同意堕胎致傷事件で思い出した、ショーケン主演の昭和映画

女性をもうろう状態にさせて堕胎術こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。近年では珍しく、猛暑の夏がやって来ました。あまりの暑さに、昔から売っているカップのかき氷(森永乳業のみぞれ、赤城乳業の赤城しぐれ…)が食べたくなり、炎天下、わざわざコンビニに出かけました。ところが、おしゃれなアイスは大量にあるのですが、みぞれもしぐれもありません。売り切れなのか、入荷が少ないのか。複数の店舗を回っても見つけられず、結局ロッテのスイカバーを買って帰りました…。明治のカール生産中止の時も感じたのですが、昭和の時代からあるクラシカルなお菓子が段々とマイナーになり、徐々に消えていっているようで、中高年にはやや寂しく感じる今日この頃です。さて、今回気になったのは、岡山県で男性医師が不同意堕胎致傷の疑いで逮捕された事件です。8月12日付けの山陽新聞などの報道によれば、岡山済生会総合病院に勤務する男性の外科医(33)が、今年5月17日の日曜日、知人女性に「診察してあげる」と持ち掛けて病院に呼び出し、もうろう状態にさせて堕胎術を行い、全治約1週間のケガをさせたとみられています。婚約者との関係を守るために犯行を決意か事件があったとされる5月17日は日曜日で、非番だった男性医師が人目につきにくい診察室や、麻酔薬などの薬剤を無断で使用した可能性があるとのことです。5月19日、別の医療機関の女性の主治医が、胎児の心拍が聞こえないことを不審に思い調べたところ、胎児は胎内で死亡しており、警察に通報、事件が発覚しました。この女性は「堕ろすつもりはなかった」と話しているそうです。その他の報道等によれば、男性医師は2012年に香川大学医学部を卒業、2017年から同病院で外科医として勤務していたとのことです。男性医師は独身で別に婚約者がおり、妊娠させたとみられるこの女性に中絶を迫り、断られていたことも判明しています。岡山県警は婚約者との関係を守るために犯行を決意した可能性があるとみて、捜査を進めるそうです。男性医師は容疑を認めており、県警は10日、同医師を送検しています。なお、岡山済生会総合病院は同じく10日に記者会見を開き、塩出 純二院長が「管理者としての責任を痛感しており、職員の再教育を徹底して信頼回復に努める。被害に遭われた女性には深くおわび申し上げます」と謝罪しています。ショーケン主演の名作映画『青春の蹉跌』を思い出す社会的にエリートといえる医師が、婚約者がいながら他の女性を妊娠させ、堕胎を迫り、犯罪をおかす…。どこかで聞いたことがあるようなこの事件、私は、萩原 健一(ショーケン)と桃井 かおり主演の昭和の映画、『青春の蹉跌』を思い出しました。石川 達三の同名原作を映画化した1974年のこの作品、主人公(萩原 健一)は司法試験に合格した有名大学法学部の学生で、婚約者(檀 ふみ)もいます。その一方で家庭教師の教え子だった女性(桃井 かおり)とも付き合いを続けており、ある日、妊娠を告げられます。そして…。『青春の蹉跌』はロマンポルノの鬼才・神代 辰巳監督による初の一般映画作品で、『キネマ旬報』で日本映画第4位を獲得、物憂げなショーケンの演技は素晴らしく、最優秀主演男優賞を受賞、俳優としての地位を確立しました。岡山済生会の院長は「職員の再教育を徹底して」と話しましたが、一人前の大人に今さら何を再教育するのでしょうか。この古臭いけれどスタイリッシュな昭和の映画を、若い医師たちに観せるというのも一法かもしれません。「医師免許取り消し」は確実?ところで、医師が不同意堕胎罪(不同意堕胎致傷よりは刑が軽い)を犯した事件は平成にも起きています。「慈恵会医大病院医師不同意堕胎事件」です。2009年、慈恵会医大病院に努めていた東海大学医学部出身の男性医師(当時36歳)が、妊娠した交際相手の女性に子宮収縮剤や陣痛誘発剤などの薬剤を用いて流産させたのです。この事件で東京地方裁判所は2010年、男性医師に対し、懲役3年執行猶予5年の判決を言い渡しています。さらに翌2011年、厚生労働省は医道審議会医道分科会の答申を受け、行政処分の中で一番重い「医師免許取り消し」を決定しています。今回の岡山済生会のケースは、不同意堕胎罪よりも罪が重い不同意堕胎致傷罪なので、刑も重くなるでしょうし、「医師免許取り消し」も確実とみられます。まさに令和の「青春の蹉跌」とも言えそうな事件です。

16102.

血圧コントロール不良を契機に漫然投与のNSAIDsを卒業【うまくいく!処方提案プラクティス】第25回

 今回は、血圧上昇を理由にNSAIDsの中止を提案したケースを紹介します。高齢者では、骨折や転倒などによる受傷、手術を契機にNSAIDsが開始となり、そのまま漫然と投薬を続けていることは少なくありません。薬剤師は服薬開始日や理由を薬歴などに記録し、長期的に服用を続ける必要があるかどうかを医師と共同モニタリングしましょう。患者情報80歳、男性(施設入居)基礎疾患高血圧症、不眠症既往歴75歳時に大腿骨頸部骨折、60歳時に鼠径ヘルニア手術訪問診療の間隔2週間に1回服薬管理施設看護師が管理処方内容1.アムロジピン錠5mg 1錠 分1 朝食後2.エナラプリル錠5mg 1錠 分1 朝食後3.酸化マグネシウム錠 500mg 2錠 分2 朝夕食後4.セレコキシブ錠100mg 2錠 分2 朝夕食後5.レバミピド錠100mg 2錠 分2 朝夕食後6.ピコスルファートナトリウム錠2.5mg 1錠 分1 夕食後本症例のポイントこの患者さんは、普段から穏やかでおとなしい性格で、訪問診療時の血圧は140〜150/80〜90くらいで推移していました。セレコキシブが処方されていますが、日中や夜間の疼痛の訴えはなく、疼痛コントロールは安定していました。長期的にNSAIDsを服用すると、腎機能低下や胃潰瘍などのリスクがあるため、いつからセレコキシブを服用していて、いつまで服用しなければならないのか気になっていました。そのさなか、訪問診療時に血圧が158/96と高めの日があり、医師より降圧薬を追加するのはどうかと相談がありました。そこで、いくつか懸念事項があったので下記のように考えをまとめました。血圧上昇のアセスメント降圧薬を単に追加するのではなく、現行の治療薬で何か血圧に影響しているものはないかを検証することが先決です。そこで、真っ先にNSAIDsであるセレコキシブによる影響を考えました。セレコキシブは、過去の骨折の際に処方が開始となり、変更なくそのまま服用していることをお薬手帳や施設看護師から情報収集しました。通常、NSAIDsはアラキドン酸からプロスタグランジンへの産生を抑制し、水やNaの貯留と血管拡張抑制による影響から血圧を上昇させる可能性があります。血圧への影響や長期的な腎機能障害への影響については、COX-2選択的阻害薬でも非選択的NSAIDsと効果は同等といわれています。さらに、セレコキシブは長期間にわたって酸化マグネシウムと併用されていますが、AUCこそ変動はないものの、併用によってCmaxが低下するため、薬効低下が生じて十分な治療効果が得られていない可能性もあります。そこで、現在疼痛コントロールも安定していることと、血圧上昇の影響も考慮して、セレコキシブを中止する提案をすることにしました。処方提案と経過医師より降圧薬追加の相談を受けて、セレコキシブを中止することで血圧が安定する可能性があることを上記の考察を添えて回答しました。医師が長期間使っていた治療薬を中止することで患者さんの状態が変化することを懸念したため、セレコキシブを中止する代わりにアセトアミノフェン錠500mg 1錠/回 疼痛時の頓用を提案し、承認を得ることができました。セレコキシブと胃粘膜障害を防ぐために併用されていたレバミピドを中止した後も疼痛増悪はなく、アセトアミノフェン錠を服用することなく経過しました。血圧も130〜140/70〜80で落ち着いて推移しているため、その後も降圧薬を追加することなく患者さんは安定した状態を維持しています。1)セレコックス錠100mg/200mg 添付文書2)北村和雄. 宮崎医学会誌. 2008;32:1-5.

16103.

統合失調症に対する第2世代抗精神病薬の副作用~Webベース横断研究

 統合失調症治療に用いられる抗精神病薬の副作用は、大きく異なることがよく知られている。しかし、患者目線でのこれらの副作用による機能への影響については、あまりわかっていない。米国・西ミシガン大学のRajiv Tandon氏らは、第2世代抗精神病薬の主要な副作用が、機能やQOLにどのような影響を及ぼすかを明らかにするため検討を行った。Annals of General Psychiatry誌2020年7月13日号の報告。 米国、カナダ、オーストラリア、スペイン、イタリア、ノルウェー、デンマークの成人統合失調症患者から報告された副作用に関する横断的なWebベース調査を実施した。本調査には、社会人口統計学的および臨床的な質問、QOLの評価尺度(Q-LES-Q-SF)、抗精神病薬の副作用評価尺度(GASS)を含めた。副作用を8つ(手や腕のふるえ、落ち着きのなさ、睡眠の困難さ、日中の眠気、意識がなくなる/無気力な感じ、めまい/失神、セックスを楽しめない、体重増加)に分類し、機能やQOLへ及ぼす影響に関する質問を追加した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者数は435例(平均年齢:38歳、女性の割合:53.8%)であった。・Q-LES-Q-SF合計スコアでは、患者のQOLに対する満足度は、中程度であった(スコア:44.3[14~70])。・最も一般的な副作用は、以下のとおりであった。 ●日中の眠気:83.2% ●睡眠の困難さ:74.7% ●口渇:63.9% ●セックスを楽しめない:53.4% ●体重増加:52.4%・女性は男性よりも、日中の眠気、セックスを楽しめない、体重増加の報告が多かった。・主要な副作用は、機能の身体的、社会的、職業的、心理的な側面に影響を及ぼしていた。・主要な副作用を有する患者は、その経験に不満を感じることが多かった。・Q-LES-Q-SF合計スコアは、8つに分類した副作用のスコアとの有意な逆相関が認められ、主要な副作用の重症度とQOL低下との関連が示唆された。 著者らは「第2世代抗精神病薬で治療中の安定した統合失調症患者は、賦活的および鎮静的な副作用、性的副作用、体重増加などの問題を抱えている。これらの副作用は、日常的なすべての機能に影響し、QOLおよび満足度の低下と関連している」としている。

16104.

二ボルマブ+化学療法、胃がん食道がん1次治療法でOS、PFSを改善(CheckMate-649)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2020年8月11日、ファーストラインの転移性胃がん、胃食道接合部(GEJ)がんまたは食道腺がんを対象に二ボルマブと化学療法の併用療法を化学療法と比較評価したピボタルな第III相CheckMate-649試験において、二ボルマブと化学療法の併用療法が、PD-L1発現combined positive score(CPS)が5以上の患者において、主要評価項目である中間解析での全生存期間(OS)および最終解析での無増悪生存期間(PFS)の両方を達成したことを発表した。二ボルマブと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、ファーストラインの胃がんおよび食道がんの治療において二ボルマブと化学療法の併用療法でこれまでに認められているものと一貫していた。 CheckMate-649試験は、未治療のHER2陽性以外の進行または転移のある胃がん、GEJがんまたは食道腺がんの患者を対象に、二ボルマブと化学療法の併用療法または二ボルマブとイピリムマブの併用療法を、化学療法と比較評価した多施設無作為化非盲検第III相臨床試験。二ボルマブと化学療法の併用療法群の患者は、二ボルマブ360mgとカペシタビンおよびオキサリプラチン(CapeOX)を3週間間隔で、または二ボルマブ240mgとFOLFOXを2週間間隔で投与を受けた。二ボルマブとイピリムマブの併用療法群の患者は、二ボルマブ1mg/kgおよびイピリムマブ3mg/kgを3週間間隔で計4回投与を受け、その後、二ボルマブ240mgを2週間間隔で投与を受けた。化学療法群の患者は、FOLFOXを2週間間隔で、またはCapeOXを3週間間隔で投与を受けた。試験の主要評価項目は、二ボルマブと化学療法の併用療法を受けたCPSが5以上のPD-L1陽性患者におけるOS、および二ボルマブと化学療法の併用療法を受けたCPSが5以上の患者における盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価によるPFS。主な副次評価項目は、二ボルマブと化学療法の併用療法を受けたCPSが1以上および割り付けられた全ての患者におけるOS、および二ボルマブとヤーボイの併用療法を受けた患者におけるOSと症状悪化までの期間である。

16105.

TN乳がんの術後補助療法、パクリタキセル+カルボプラチンでDFS改善/JAMA Oncol

 手術可能なトリプルネガティブ(TN)乳がんへの術後補助療法において、パクリタキセルとカルボプラチンの併用が標準レジメンより5年無病生存率が有意に高かったことが、無作為化第III相試験(PATTERN試験)で示された。中国・Fudan University Shanghai Cancer CenterのKe-Da Yu氏らが報告した。JAMA Oncology誌オンライン版2020年8月13日号に掲載。 本試験は中国の9施設のがんセンターと病院で実施された。対象患者は2011年7月1日~2016年4月30日に登録し、データはITT集団で2019年12月1日~2020年1月31日に解析した。・対象: 18~70歳の手術可能なTN乳がんの女性(病理学的に確認された局所リンパ節転移のある患者もしくは原発腫瘍径10mm超のリンパ節転移のない患者)で、除外基準は、転移ありもしくは局所進行の患者、TNではない乳がん患者、術前治療(化学療法、放射線療法)を受けた患者・試験群: 1、8、15日目にパクリタキセル80mg/m2+カルボプラチン(AUC 2)、28日ごと6サイクル投与(PCb群)・対照群:シクロホスファミド500mg/m2+エピルビシン100mg/m2+フルオロウラシル500mg/m2を3週ごと3サイクル投与後、ドセタキセル100mg/m2を3週ごと3サイクル投与(CEF-T群)・評価項目:[主要評価項目]無病生存期間(DFS)[副次評価項目]全生存期間、遠隔DFS、無再発生存期間、BRCA1/2もしくは相同組換え修復(HRR)関連遺伝子の変異がある患者のDFS 、毒性  主な結果は以下のとおり。・手術可能なTN乳がん患者647例(平均年齢[SD]:51[44~57]歳)をCEF-T群(322例)またはPCb群(325例)に無作為に割り付けた。・中央値62ヵ月の追跡期間で、PCb群はCEF-T群よりDFSが長かった(5年DFS:86.5% vs.80.3%、ハザード比[HR]:0.65、95%CI:0.44~0.96、p=0.03)。遠隔DFSと無再発生存期間でも同様の結果が認められた。・全生存期間は統計学的な有意差がみられなかった(HR:0.71、95%CI:0.42~1.22、p=0.22)。・サブグループ解析では、BRCA1/2変異のある患者のDFSのHRは0.44(95%CI:0.15~1.31、p=0.14)、HRR関連遺伝子変異のある患者では0.39(95%CI:0.15~0.99、p=0.04)であった。・安全性データは既知の安全性プロファイルと一致していた。 著者らは、「これらの結果から、手術可能なTN乳がん患者においてパクリタキセルとカルボプラチンの併用が術後補助化学療法の代替の選択肢となりうることが示唆される。分子分類の時代においては、PCbが有効なTN乳がんのサブセットをさらに調べる必要がある」としている。

16106.

ICDの合併症+不適切ショック、皮下vs.経静脈/NEJM

 植込み型除細動器(ICD)の適応があり、ペーシングの適応のない患者において、皮下ICDは従来の経静脈ICDに対し、デバイス関連合併症と不適切ショック作動の発生に関して非劣性であることが、オランダ・アムステルダム大学のReinoud E. Knops氏らが行った「PRAETORIAN試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年8月6日号に掲載された。皮下ICDは、完全に胸腔外に留置することで、経静脈ICDでみられるリード関連合併症(気胸、心穿孔など)を回避するように設計されている。欧米のガイドラインでは、徐脈へのペーシングや心臓再同期療法、抗頻拍ペーシングの適応のない患者における皮下ICDの推奨は、主に観察研究のエビデンスに基づいているという。欧米の39施設が参加した無作為化非劣性試験 本研究は、欧米の39施設が参加した無作為化非劣性試験であり、2011年3月~2017年1月の期間に患者登録が行われた(Boston Scientificの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、欧州または米国のガイドラインで、1次または2次予防においてICD療法が適応とされ、ペーシングの適応はない患者であった。 被験者は、皮下ICDまたは経静脈ICDを植え込む群に無作為に割り付けられた。患者は、植込み術から4ヵ月以内にフォローアップのために受診した。その後は、年2回以上のデバイスの検査が行われ、患者は年1回以上外来を受診した。 主要エンドポイントは、デバイス関連合併症(感染症、出血、塞栓症イベント、気胸、リード穿孔、心タンポナーデ、リード再留置など)と不適切ショック作動の複合であり、ハザード比(皮下ICD vs.経静脈ICD)の95%信頼区間(CI)上限1.45を非劣性マージンとした。また、非劣性が確認された場合に優越性解析を行うこととした。副次エンドポイントは、死亡および適切ショック作動などであった。主要エンドポイント:15.1% vs.15.7% 849例が解析の対象となり、皮下ICD群が426例、経静脈ICD群は423例であった。全体の年齢中央値は63歳(IQR:55~70)、女性は19.7%であった。69.1%が虚血性心筋症で、左室駆出率中央値は30%だった。 フォローアップ期間中央値49.1ヵ月の時点における主要エンドポイントのイベント発生は、皮下ICD群が68例、経静脈ICD群も68例で認められ、皮下ICD群の経静脈ICD群に対する非劣性が確認されたが、優越性は示されなかった(Kaplan-Meier法による48ヵ月累積発生率:皮下ICD群15.1% vs.経静脈ICD群15.7%、ハザード比[HR]:0.99、95%信頼区間[CI]:0.71~1.39、非劣性のp=0.01、優越性のp=0.95)。 デバイス関連合併症は、皮下ICD群が31例(5.9%)、経静脈ICD群は44例(9.8%)で発生した(HR:0.69、95%CI:0.44~1.09)。また、不適切ショック作動は、それぞれ41例(9.7%)および29例(7.3%)で発生した(1.43、0.89~2.30)。 死亡は、皮下ICD群が83例(16.4%)、経静脈ICD群は68例(13.1%)で発生した(HR:1.23,95%CI:0.89~1.70)。また、適切ショック作動は皮下ICD群が83例(19.2%)で認められ、経静脈ICD群の57例(11.5%)よりも頻度が高かった(1.52、1.08~2.12)。 著者は、「デバイス関連合併症と不適切ショック作動のどちらの負担が大きいかは、医師と患者で見解が異なる可能性がある。合併症が主に身体的苦痛と関連するのに対し、ICDショックは深刻な心理的影響を及ぼす可能性がある」としている。

16107.

白斑治療、JAK阻害薬のクリーム剤が有望

 白斑は慢性の自己免疫疾患で、皮膚の脱色とともに生活の質の低下をもたらす。白斑には承認された治療薬がなく、現行の適応外療法の効果は限定的である。改善された治療の開発が待たれる中、JAK阻害薬ルキソリチニブ(本邦では骨髄線維症、真性多血症の適応で承認)のクリーム製剤が、有望な治療選択肢となりうることが報告された。米国・タフツ・メディカルセンターのDavid Rosmarin氏らによる最長52週間にわたる第II相多施設共同二重盲検無作為化対照試験において、ルキソリチニブ・クリームの治療により、かなりの白斑病変で再色素沈着が認められ、忍容性は検討した全投与量で良好であったことが示された。結果を踏まえて著者は、「示されたデータは、ルキソリチニブ・クリームは、白斑患者にとって効果的な治療オプションとなりうることを示すものであった」と述べている。Lancet誌2020年7月11日号掲載の報告。 研究グループは、白斑患者におけるルキソリチニブ・クリームの治療効果を調べるとともに、最長52週の二重盲検治療の有効性と安全性を評価した。 試験は米国18州26の病院および医療センターで行われた。色素脱失が顔面の体表面積(BSA)の0.5%以上および顔面以外のBSAで3%以上の患者を、1対1対1対1対1の割合でインタラクティブなレスポンス技術を用いて無作為に、(1)ルキソリチニブ・クリーム1.5%を1日2回、(2)同1.5%を1日1回、(3)同0.5%を1日1回、(4)同0.15%を1日1回、(5)溶媒(対照群)を1日2回それぞれ投与する5群に割り付けた。各群とも総BSAの20%以下の病変部に24週間塗布した。 対照群と0.15%塗布群の被験者は、24週時点の評価でF-VASI(facial Vitiligo Area Scoring Index)によるベースラインからの25%以上の改善が示されなかった場合、再無作為化を行い、(1)(2)(3)の高用量の3群のいずれかに割り付けた。(1)(2)(3)各群の被験者は、52週まで元の用量のままだった。 被験者、研究者、試験スポンサー(中間解析および主要評価項目解析のデータモニタリングチームのメンバーは除く)は、試験期間中、治療の割付は知らされないままだった。 主要評価項目は、24週時点のF-VASIのベースラインからの50%以上改善(F-VASI50)を達成した患者割合で、intention-to-treat解析で評価した。 主な結果は以下のとおり。・2017年6月7日~2018年3月21日に、205例が適格性のスクリーニングを受け、48例が除外され、157例(平均年齢48.3[SD 12.9]歳、男性73例[46%])が無作為化を受けた。・157例は、33例(21%)が(1)群、30例(19%)が(2)群、31例(20%)が(3)群、31例(20%)が(4)群、32例(20%)が(5)の対照群に割り付けられた。・24週時点のF-VASI50達成患者割合は対照群との比較において、(1)群(15/33例[45%])と(2)群(15/30例[50%])で、有意に高率であった。・4例で治療に伴う重篤な有害事象がみられた。(1)群で1例が硬膜下血腫、(2)群で1例が痙攣発作、(3)群で冠動脈閉塞、食動アカラシア(各1例)がみられたが、いずれも試験治療とは無関係であった。・治療関連の有害事象は塗布部のかゆみが最も頻度が高く、(1)群1/33例(3%)、(2)群3/30例(10%)、(3)群3/31例(10%)、(4)群6/31例(19%)で、また対照群では3/32例(9%)報告された。・治療関連の有害事象としてのざ瘡は、ルキソリチニブ・クリーム投与群で13/125例(10%)、対照群で1/32例(3%)報告された。・すべての治療関連の有害事象の重症度は軽度~中等度で、治療群間で同等であった。

16108.

日本人COVID-19死亡例、80代と2型糖尿病併存で最多

 メディカル・データ・ビジョン株式会社(以下、MDV)は、自社診療データベースから新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の死亡事例を調査。その結果、2020年2月~5月までの期間の死亡者は110例(男性:77例 、女性:33例)で、年代別では80代が4割超を占めていることが明らかになった。また、併存疾患では2型糖尿病が最も多かった。 主な結果は以下のとおり。・年代別では、90代が17例(15.5%)、80代が48例(43.6%)、70代が33例(30%)、60代が7例(6.4%)、50代が5例(4.5%)だった。100歳以上と40代から下の年齢層はいなかった。・死亡例の中で、併存疾患を有した95例を解析したところ、慢性疾患で最多は2型糖尿病の25例(26%)、その次に高血圧症が22例(23%)、心房細動/心房粗動が9例(9%)と続いた。・また、死亡例の喫煙歴を調べたところ、110例のうち喫煙歴「あり」*は40例、喫煙歴「なし」は41例、喫煙歴「不明」は29例だった。*現在、非喫煙者でも過去に実績があれば「あり」とカウント 今回の調査には、全国の急性期医療を提供する419施設からの診療データベース(実患者数3,257万人、2020年7月末日集計)を用い、その診療データベースのうち402施設の約550万人を対象に、退院日が同年2月1日以降のCOVID-19死亡例を抽出した。なお、厚生労働省が公表した5月31日までの死亡者数は891例だった。

16109.

抗血小板薬単剤療法はアスピリン単独かP2Y12阻害薬単独か?(解説:上田恭敬氏)-1275

 脳心血管疾患患者の2次予防としての抗血小板薬単剤療法は、アスピリン単剤とP2Y12阻害薬単剤のいずれが優れているかを、メタ解析によって検討した研究が報告された。1989年から2019年までに報告された9個のRCTが解析に含まれており、P2Y12阻害薬としてはチクロピジン、クロピドグレル、チカグレロルが含まれている。観察期間は3〜36ヵ月のものが含まれている。 心筋梗塞の発生率については、P2Y12阻害薬単剤群で低くなったが、全死亡、心血管死亡、脳卒中、出血イベントについては、群間差がなかった。結果は、P2Y12阻害薬の種類によらず同じであった。よって、2次予防としては、アスピリン単剤よりもP2Y12阻害薬単剤のほうがやや優れているという結果となった。ただし、sensitivity analysisとして、解析に含まれた9個のRCTの1つであるCAPRIE試験を除外すると、心筋梗塞発生率についての差はなくなるとしている。 この結果の解釈においては、多くの点について注意を払う必要がある。著者らはメタ解析の限界について触れているが、ほかにも、P2Y12阻害薬の効果が人種や体重、遺伝子多型などによって異なる可能性や、出血イベントの人種による特性の違いや、年代による他の薬物療法の違いなど、多くの疑問点が残っている。P2Y12阻害薬単剤群で、出血イベントが多くないのに心筋梗塞予防効果が強いという結論についても、定義や統計上の問題ではないのかと疑いたくなる。 P2Y12阻害薬は、種類と投与量が決まって初めて効果が決まるため、このように「P2Y12阻害薬単剤群」として一律に扱うべきものではない。同じ薬でも投与量を2倍にすれば、結果はまったく異なるだろう。本試験にプラスグレルは含まれていないが、含まれていたとしても、その結果から日本人用に設定された欧米とは異なった投与量のプラスグレル単剤療法の効果について推定することはできない。 すなわち、対象集団を決めて、薬剤の種類・投与量を決めて、RCTを実施することで初めて、その効果を正しく比較できるだろう。

16110.

うつを予防する方法(解説:岡村毅氏)-1278

 ビタミンDにうつ病を予防する効果はないという残念な結果であった。これを深掘りしてみよう。 まず、前提としてさまざまなビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸等がうつ病を予防するのではないかという小さなエビデンスは集積されている。ビタミンDでも同様である。 ただし、たとえばビタミンDを摂っている健康な人は、運動もするし、友人も多いし、健康情報もよく知っているのでうつになりにくい可能性はあるだろう(これらを交絡因子という)。したがってうつ病の人と、そうでない人を比べるとビタミン摂取量に差がある可能性はある。 要するに「うつではない人はビタミンを摂っている」と「ビタミンを摂るとうつにならない」のとり違いの可能性である。 真実を知りたい。そこで、この研究のように、対象者をランダムにある地点で2つの同じようなグループに分けて、「その時点から」片方にはビタミンDを追加投与、片方には偽薬を与えるという研究をする。本研究は、なんと2万人近い50歳以上の人が対象になっている。もちろんうつ病だけを狙った研究ではなく、本研究はがんや心血管系の疾患を主な対象にしているのだが。 この結果を受けて、ビタミンDは関係ないのかというと、そうとも言い切れない。 これまでの研究で「ビタミンDは関係ある」という結果が出たのには理由がある。前述の「交絡」である。どんなものが考えられるだろうか? 以下は私の勝手な推測だが、ビタミンDを多く摂っている人は、1)健康に気を使っている【情報】、2)自分を大事にしている【自尊心】、3)(1人でカップラーメンを食べたりするのではなく)みんなで食卓を囲む機会が多い【ソーシャルネットワーク】、4)幼少期からきちんとしたご飯を食べる機会が多かったので習慣化している【安定した幼少期】、5)(野菜は高いので)経済的に困窮していない【経済】、といった可能性があるので、うつになりにくいのかもしれない。また、うつ病になると意欲が低下して食生活が乱れるので、ビタミンDも摂らなくなる、という逆の因果もあろう。 さて、臨床的には明らかに生活習慣が乱れていることが精神的不調の原因の人がいる。そういう人にはうつ病と診断して精神科治療を始める「前に」、まずはまともな生活をすることを指導する(獨協医科大学の井原先生のご著書で世間でもこのような考え方は広く知られるようになってきた)。毎日塩辛いものを食べまくっていて血圧が高い人には、まず適度の減塩を指導するのと同じである。 というわけで、本論文を読んで「ビタミンは関係ないのだ、明日からカップラーメンでいいや」というのは間違った解釈である。真実はとても地味だ。つまり、あえてサプリメントを摂ることはないが、健康に気を付けて、自分を大切にして、3食きちんと食べなさい、栄養バランスは考えて野菜も摂るのよ、夜は寝ろ、疲れたら休め、無理はするな、…帰省できなかった若者の皆さんに地元のおじさん(おばさん)みたいなアドバイスを送りたい。

16111.

抗糸球体基底膜抗体病〔anti-glomerular basement membrane(GBM) disease〕

1 疾患概要■ 定義抗糸球体基底膜抗体病(anti-glomerular basement membrane disease:抗GBM病)とは、抗GBM抗体によって引き起こされる予後不良の腎・肺病変を指す。このうち腎病変を「抗GBM抗体型(糸球体)腎炎」または「抗糸球体基底膜腎症」と呼ぶ。本疾患の最初の記載は古く1919年Goodpastureによるが、のちに肺と腎に病変を生ずる症候群として後に「Goodpasture症候群」と呼ばれるようになった1,2)。■ 疫学頻度は比較的まれであり、発症率は人口100万人当り0.5~1.0人/年とされる。厚生労働省の調査によると、平成18年度までに集積された1,772例の急速進行性糸球体腎炎(RPGN)症例のうち抗GBM抗体型腎炎は81例(4.6%)、肺出血を伴うGoodpasture症候群は27例(1.5%)、抗GBM病は合計6.1%であった。抗GBM抗体型腎炎の平均年齢は61.59歳(11~77歳)、Goodpasture症候群の平均年齢は70.88歳(57~93歳)と高齢化が進んでいる3)。■ 病因自己抗体である抗GBM抗体が原因と考えられており、腎糸球体と肺胞の基底膜に結合し、基底膜を破綻させて発症する。抗GBM抗体の対応抗原は、糸球体基底膜や肺毛細血管基底膜に分布するIV型コラーゲンα3鎖のC末端noncollagenous domain1(NC1ドメイン)の、N末端側17-31位のアミノ酸残基(エピトープA:EA)ないしC末端側127-141位のアミノ酸残基(エピトープB:EB)である4,5)。このうち、EBエピトープを認識する抗体が腎障害の重症化とより関連すると推定されている。IgGサブクラスでは、IgG1とIgG3が重症例に多いとの報告もある。α5鎖のNC1ドメインEA領域も抗原となりうる。通常の状態においては、これらの抗原エピトープはIV型コラーゲンα345鎖で構成された6量体中に存在し、基底膜内に埋没している(hidden antigen)。抗GBM抗体型腎炎では、感染症(インフルエンザなど)、吸入毒性物質(有機溶媒、四塩化炭素など)、喫煙などにより肺・腎の基底膜の障害が生じ、α345鎖の6量体が解離することで、α3鎖、α5鎖の抗原エピトープが露出し、これに反応する抗GBM抗体が産生される。この抗GBM抗体の基底膜への結合を足掛かりに、好中球、リンパ球、単球・マクロファージなどの炎症細胞が組織局所に浸潤し、さらにそれらが産生するサイトカイン、活性酸素、蛋白融解酵素、補体、凝固系などが活性化され、基底膜の断裂が起こる。腎糸球体においては、断裂した毛細管係蹄壁から毛細血管内に存在するフィブリンや炎症性細胞などがボウマン囊腔へ漏出するとともに、炎症細胞から放出されるサイトカインなどのメディエーターによってボウマン囊上皮細胞の増殖、すなわち細胞性半月体形成が起こる。後述のように、以前より抗GBM抗体と抗好中球細胞質抗体(ANCA)の両者陽性の症例の存在が知られており、抗GBM抗体型腎炎症例の多くで、発症の1年以上前から低レベルのANCAが陽性となっているとの報告がある。ANCAによりGBM障害が生じ、抗原エピトープが露出する可能性が推測されている。最近、MPOと類似構造をもつperoxidasinに対する抗体が抗GBM病の患者から発見されたと報告され、病態における意義が注目される6)。また、以前より感染が契機になることが推測されているが、最近、Actinomycesに存在するα3鎖エピトープと類似のペプチド断片がB細胞、T細胞に認識され抗GBM病の発症に関与することを示唆する報告がなされている7)。■ 症状・所見症状は、肺出血による症状のほか、倦怠感や発熱、体重減少、関節痛などの全身症状が高頻度で見られる8)。初発の症状としては、全身倦怠感、発熱などの非特異的症状が最も多い。肉眼的血尿も比較的高頻度で見られる。タバコの喫煙歴、直近の感染の罹患歴を調べることも重要である。■ 分類2012年改訂Chapel Hill Consensus Conference(CHCC)分類では、抗GBM病は、基底膜局所でin situ免疫複合体が形成されて生ずる病変であるため、免疫複合体型小型血管炎に分類されている9)。抗GBM病は、(1)腎限局型の抗GBM抗体型腎炎、(2)肺限局型抗GBM抗体型肺胞出血、(3)腎と肺の双方を障害する病型(Goodpasture症候群)の3つに分けられる。肺胞出血を伴う場合と伴わない場合があり、遅れて肺出血が見られることもある。2012年に改訂されたChapel Hill Consensus Conference(CHCC)分類では、抗GBM抗体陽性の血管炎を抗GBM病(anti-GBM disease)とし、肺と腎のどちらかあるいは両者が見られる病態を含むとしている。腎と肺の双方を障害する病型はGoodpasture症候群と呼ばれる。■ 予後予後規定因子としては、治療開始時の腎機能、糸球体の半月体形成率が挙げられる。Levyらは85例の抗GBM抗体型腎炎患者の腎予後を後ろ向きに検討し、治療開始の時点で、血清Cr値が5.7mg/dL以上または透析導入となった重症例、半月体が全糸球体に及ぶ場合は腎予後不良としている10)。抗GBM抗体価と腎予後・生命予後については、一般に、高力価の抗GBM抗体陽性所見は予後不良因子と考えられている。Herodyらは、診断時の腎機能、無尿、腎生検所見とともに抗GBM抗体価が有意な腎予後不良因子であったと報告している11)。2001年のCuiらの報告でも、抗GBM抗体価が患者死亡の独立した予知因子であることが示されている12)。抗GBM抗体が陰性となり、臨床的に寛解に至ればその後の再燃はまれである。ただし、初発時より長年経過して再発した例も報告されているため、経過観察は必要である。ANCA同時陽性例では抗GBM抗体単独陽性例よりも再燃が多い傾向にある。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 検査所見全例で、血尿と腎炎性尿所見、血清クレアチニン値の急上昇、強い炎症所見(CRP値高値)を認める。肉眼的血尿のこともある。尿蛋白もさまざまな程度で見られ、時にネフローゼレベルに達することもある。貧血も高度のことが多い。抗GBM抗体が陽性となり、確定診断に必須である。抗GBM抗体値は病勢とほぼ一致し、治療とともに陰性化することが多い。抗GBM抗体とANCA(とくにMPO-ANCA)の両者が陽性になる症例が存在し、抗GBM抗体型腎炎のANCA陽性率は約30%、逆に、ANCA陽性患者の約5%で抗GBM抗体が陽性と報告されている13)。腎生検、高度の半月体形成性壊死性糸球体腎炎の病理所見が見られる。蛍光抗体法では、係蹄壁に沿ったIgGの線状沈着を示す。■ 診断と鑑別診断診断基準は以下の通りである。1)血尿(多くは顕微鏡的血尿、まれに肉眼的血尿)、蛋白尿、円柱尿などの腎炎性尿所見を認める。2)血清抗糸球体基底膜抗体が陽性である。3)腎生検で糸球体係蹄壁に沿った線状の免疫グロブリンの沈着と壊死性半月体形成性糸球体腎炎を認める。上記の1)および2)または1)および3)を認める場合に「抗糸球体基底膜腎炎」と確定診断する。鑑別としては、臨床的に急速進行性糸球体腎炎を示す各疾患(ANCA関連腎炎、ループス腎炎など)や急性糸球体腎炎を示す疾患が挙げられるが、検出される抗体により鑑別は通常容易である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)治療の目標は、可及的速やかに腎・肺病変を改善すると同時に、病因である抗GBM抗体を取り除くことである。腎予後が期待できず、肺出血が見られない場合を除き、ステロイドパルス療法を含む高用量の副腎皮質ステロイドと血漿交換療法による治療を早急に開始する12,14)。シクロホスファミドの併用が推奨されている。血漿交換は、血中から抗GBM抗体が検出されなくなるまで頻回に行う。重要なのは、治療が遅れると腎予後は著しく不良となる、腎機能低下が軽度の初期の段階で、全身症状・炎症所見・腎炎性尿所見などから本疾患を疑うことである。初期治療時は通常6~12ヵ月間免疫抑制療法を継続する。通常、抗GBM抗体が陰性であればそれ以上の長期維持治療は必要ない。末期腎不全患者に対する腎移植は、抗GBM抗体が陰性化してから6ヵ月後以降に行う15)。4 今後の展望B細胞をターゲットとした抗CD20抗体(リツキシマブ)が有効であったとの症例報告があるが、有用性は不明である。黄色ブドウ球菌由来のIgG分解活性を持つエンドペプチダーゼ(imlifidase:IdeS)の臨床試験が現在進行中である(NCT03157037)。5 主たる診療科腎臓内科、呼吸器内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 抗糸球体基底膜腎炎(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Goodpasture EW. Am J Med Sci. 1919;158:863-870.2)Benoit, LFL,et al. Am J Med. 1964;37:424-444.3)Koyama A, et al. Clin Exp Nephrol. 2009;13:633-650.4)Pedchenko V, et al. N Engl J Med. 2010;363:343-354.5)Chen JL, et al. Clin J Am Soc Nephrol. 2013;8:51-58.6)McCall AS, et al. J Am Soc Nephrol. 2018;29:2619-2627)Gu Q, et al. J Am Soc Nephrol. 2020;31:1282-1295. 8)Levy JB, et al. Kidney Int. 2004;66:1535-1540.9)Jennette J, et al. Arthritis Rheum. 2012;65:1-11.10)Levy JB, et al. Ann Intern Med. 2001;134:1033-1042.11)Herody M, et al. Clin Nephrol. 1993;40:249-255.12)Cui Z, et al. Medicine(Baltimore). 2011;90:303-311.13)Levy JB, et al. Kidney Int. 2004;66:1535-1540.14)KIDIGO Clinical Practice Guideline. Anti-glomerular basement membrane antibody glomerulonephritis. Kidney Int. 2012(Suppl2):233-242.15)Choy BY, et al. Am J Transplant. 2006;6:2535-2542.公開履歴初回2020年08月18日

16112.

双極性障害のうつ症状の適応も有する非定型抗精神病薬「ラツーダ錠20mg/40mg/60mg/80mg」【下平博士のDIノート】第56回

双極性障害のうつ症状の適応も有する非定型抗精神病薬「ラツーダ錠20mg/40mg/60mg/80mg」今回は、抗精神病薬/双極性障害のうつ症状治療薬「ルラシドン塩酸塩(商品名:ラツーダ錠20mg/40mg/60mg/80mg、製造販売元:大日本住友製薬)」を紹介します。本剤は、長期間の治療が必要な統合失調症や双極性障害のうつ症状の患者に対し、忍容性を保ちながら適切な治療効果を維持することが期待されています。<効能・効果>本剤は、統合失調症および双極性障害におけるうつ症状の改善の適応で、2020年3月25日に承認され、2020年6月11日より発売されています。<用法・用量>《統合失調症》通常、成人にはルラシドン塩酸塩として40mgを1日1回、食後に経口投与します。なお、年齢、症状により適宜増減しますが、1日量は80mgを超えることはできません。《双極性障害におけるうつ症状の改善》通常、成人にはルラシドン塩酸塩として20mgから開始し、1日1回、食後に経口投与します。年齢、症状により適宜増減しますが、増量幅は20mgとして、1日量60mgを超えることはできません。<安全性>国内で実施された臨床試験において、安全性評価対象876例中338例(38.6%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、アカシジア75例(8.6%)、悪心40例(4.6%)、統合失調症29例(3.3%)、傾眠28例(3.2%)、頭痛、不眠症各25例(2.9%)などでした(承認時)。なお、重大な副作用として、遅発性ジスキネジア、高血糖、白血球減少(いずれも1%未満)、悪性症候群、痙攣、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、肺塞栓症、深部静脈血栓症、横紋筋融解症、無顆粒球症(いずれも頻度不明)が報告されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、脳内のドパミン、セロトニンなどのバランスを整えることで、幻覚、幻聴、妄想、不安、緊張、意欲低下などの症状を和らげ、また、双極性障害におけるうつ症状を改善します。2.薬の飲み始めや増量した時期に低血圧が起こることがあります。眠気が出たり、注意力・集中力・反射運動能力が低下したりすることもあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作はしないでください。3.薬を飲み始めてから、じっとしていられない、興奮が強くなる、ちょっとしたことで怒りっぽくなるなど、普段と異なる様子がみられた場合は、医師または薬剤師に相談してください。4.血糖値が上がることがあるので、本剤を服用後に激しい喉の渇きを感じたり、尿の回数や量が増えたりしたら連絡してください。5.動きが遅い、手足の震えやこわばり、呼吸回数の減少、低血圧などが現れたらご相談ください。6.アルコールは薬の効果を強めることがあるので、本剤を服用中は飲酒を控えてください。また、グレープフルーツを含む飲食物によっても、薬の作用が強く現れることがあるので、本剤を服用中は摂取しないよう気を付けてください。<Shimo's eyes>本剤は第2世代の抗精神病薬(非定型抗精神病薬)で、SDA(セロトニン・ドパミン拮抗薬)に分類されます。既存のSDA内服薬としては、リスペリドン(商品名:リスパダール)、ペロスピロン(同:ルーラン)、ブロナンセリン(同:ロナセン)、パリペリドン(同:インヴェガ)の4剤があり、本剤が5番目となります。本剤は、ドパミンD2受容体、セロトニン5-HT2A受容体および5-HT7受容体に対してはアンタゴニスト、5-HT1A受容体に対してはパーシャルアゴニストとして作用する一方で、抗ヒスタミン作用や抗コリン作用は少ないと考えられています。そのため、本剤は既存のSDAにはない、統合失調症における幻聴や妄想といった陽性症状、意欲減退や感情鈍麻といった陰性症状の改善のほか、不安や落ち込みといったうつ症状の改善も期待できます。統合失調症患者もしくは双極I型障害うつ患者を対象とした国際共同第III相試験において、本剤の忍容性に関して大きな問題は認められませんでした。また、長期投与試験において、統合失調症患者の精神症状に対する効果および双極性障害患者のうつ症状に対する効果は、それぞれ52週にわたり維持されたことが確認されています。2020年5月現在、統合失調症治療薬として、欧米を含む47の国と地域で承認されており、また、双極I型障害のうつ症状治療薬としては米国を含む7つの国と地域で承認されています。海外の最新治療ガイドラインでは、体重増加、糖代謝異常などの代謝系副作用が少ないなどの観点から統合失調症に対して推奨され、双極性障害におけるうつ症状では第一選択薬の1つとして推奨されています。処方時の注意点として、中等度以上の腎機能・肝機能障害のある患者では、投与量の制限があるため、投与量を適宜減量し、慎重に投与することとされています。また、本剤は、1日1回食後に服用することで最高血中濃度が引き上げられ、効果が継続するため、食後投与を厳守する必要があります。なお、本剤と同様に「双極性障害におけるうつ症状」の適応を有するクエチアピンフマル酸塩徐放錠(商品名:ビプレッソ)は就寝前投与なので、服用時点を混同しないように注意しましょう。相互作用としては、CYP3A4の基剤であるため、クラリスロマイシン、アゾール系抗真菌薬などのCYP3A4を強く阻害する薬剤や、リファンピシンなどのCYP3A4を強く誘導する薬剤は禁忌です。アルコールやグレープフルーツ含有食品も併用注意になっており、摂取には注意が必要であることを伝えましょう。参考1)PMDA 添付文書 ラツーダ錠20mg/ラツーダ錠40mg/ラツーダ錠60mg/ラツーダ錠80mg

16114.

第21回 アフリカはCOVID-19流行をうまく切り盛りしている~集団免疫が可能か?

アフリカ大陸での新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染者数は8月6日に100万人を超えましたが勢いは衰えており、以降13日までの一週間の増加率はその前の週の11%より低い8%でした1)。アフリカの国々は最初のSARS-CoV-2感染が同大陸で確認されてから8月14日までの6ヵ月間に多くの手を打ちました2)。速やかにロックダウンを実行し、診断や治療体制を整え、いまやすべての国で人口1万人あたり100の検査を提供しています。重篤な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に必要となる酸素もより供給できるようになっており、最初は69棟だった酸素プラントは倍近い119棟に増えています。酸素濃縮器も2倍を超える6,000台超を備えます。世界保健機関(WHO)がアフリカのデータを解析したところ2)、最初の感染発見からおよそ2~3週間後の感染急増は生じておらず、ほとんどの国での増加はゆっくりであり、増加の山場ははっきりしていません。どうやらアフリカはCOVID-19流行をいまのところうまく切り盛りしているようです3)。先月7月末のmedRxiv報告4)によると、ケニアの15~64歳の実に20人に1人、数にして160万人がSARS-CoV-2感染指標の抗体を有していると約3,000人の献血検査結果から推定されました。しかしケニアの病院でCOVID-19発症患者は溢れかえってはいません。モザンビークの2都市・ナンプラやペンバでおよそ1万人を調べた調査では、職業によって3~10%がSARS-CoV-2への抗体を有していましたが、診断数はずっと少なく、およそ75万人が住むナンプラでその時点で感染が確定していたのはわずか数百人ほどでした3)。マラウィでの試験でも同様に驚く結果が得られています5)。同国の大都市ブランタイアの無症状の医療従事者500人を調べたところ10人に1人を超える12.3%がSARS-CoV-2への抗体を有していると判断され、その結果や他のデータに基づくと、その時点でのブランタイアでのCOVID-19による死亡数17人は予想の1/8程でしかありませんでした。そのように、アフリカの多くの国の医療は不自由であるにもかかわらずCOVID-19死亡率は他の地域を下回ります。最近の世界のCOVID-19感染者の死亡率は3.7%ですが6)、アフリカでは2.3%(8月16日時点で死亡数は2万5,356人、感染例数は111万53人)7)です。より高齢の人ほどCOVID-19による死亡リスクは高まりますが、アフリカの人々の6割以上は25歳未満と若く、そのことがCOVID-19による死亡が少ないことに寄与しているかもしれないとWHOは言っています1)。それに、COVID-19の重症化と関連する肥満や2型糖尿病等の富裕国に多い持病がアフリカではより稀です。また、風邪を引き起こす他のコロナウイルスにより接していることや、マラリアやその他の感染症に繰り返し曝されていることでSARS-CoV-2を含む新たな病原体と戦える免疫が備わっているのかもしれません3)。ケニア人が重病化し難いことに生来の遺伝的特徴が寄与していると想定している研究者もいます。これからアフリカではギニア、セネガル、ベニン、カメルーン、コンゴ共和国の数千人のSARS-CoV-2抗体を調べる試験が始まります。WHOの指揮の下での国際的な抗体検査にはアフリカの11ヵ国の13の検査拠点が参加しています。抗体は感染しても備わらない場合もありますし、備わっても徐々に失われるとの報告もあるので抗体保有率は真の感染率を恐らく下回るでしょうが、得られたデータはアフリカでの感染の実態の把握を助けるでしょう。もしアフリカで数千万人がすでにSARS-CoV-2に感染しているとするなら、ワクチンに頼らず感染に身を任せて集団免疫を獲得して流行を終わらせることに取り組んでみたらどうかという考えが浮かぶと国境なき医師団の研究/指導部門Epicentre Africaで働く微生物/疫学者Yap Boum氏は言っています3)。経済を停滞させ、長い目で見るとむしろ人々の健康をより害しかねない制約方針よりも集団免疫を目指すほうが良い場合もあるかもしれません。感染数に比して死亡数が明らかに少ないアフリカなら集団免疫の取り組みが許されるかもしれず、真剣に検討してみる必要があるとBoum氏は話しています。参考1)Coronavirus: How fast is it spreading in Africa? /BBC2)Africa marks six months of COVID-19/WHO3)The pandemic appears to have spared Africa so far. Scientists are struggling to explain why/Science 4)Seroprevalence of anti-SARS-CoV-2 IgG antibodies in Kenyan blood donors. medRxiv. July 29, 20205)High SARS-CoV-2 seroprevalence in Health Care Workers but relatively low numbers of deaths in urban Malawi. medRxiv. August 05, 20206)Situation reports, WHO African Region/12 August 20207)Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) / Africa Centres for Disease Control and Prevention

16115.

不眠症に対するレンボレキサントの長期有効性・忍容性

 新規デュアルオレキシン受容体拮抗薬レンボレキサント(LEM)の成人不眠症患者に対する長期の有効性および安全性を評価するため、フィンランド・オウル大学のMikko Karppa氏らは第III相ランダム化臨床試験を行い、その結果を報告した。Sleep誌オンライン版2020年6月26日号の報告。 本検討では、6ヵ月のプラセボ対照試験(第1段階)および治療群のみの6ヵ月フォローアップ試験(第2段階)で構成される12ヵ月間の国際多施設ランダム化二重盲検並行群間第III相試験のうち、第1段階の結果が報告された。18歳以上の不眠症患者949例を対象とし、LEM 5mg群、LEM 10mg群、プラセボ群にランダムに割り付けた。エンドポイントである睡眠開始および睡眠継続は、毎日の電子睡眠日誌のデータを用いて分析した。治療中に発生した有害事象(TEAE)は、研究全体を通じてモニタリングを行った。 主な結果は以下のとおり。・LEM 5mg群およびLEM 10mg群は、プラセボ群と比較し、主観的な入眠時間、中途覚醒、睡眠効率のベースラインからの有意な改善が認められた。・有意な改善効果は、6ヵ月にわたり認められており、LEMの持続的な長期の有効性が示唆された。・LEM治療により、睡眠開始および睡眠継続の治療反応者の割合が有意に上昇した。・LEM治療群では、プラセボ群と比較し、6ヵ月後の睡眠の質の有意な改善が認められた。・TEAEの大部分は、軽度または中等度であった。・重度なTEAEの発生率は低く、死亡例は認められなかった。 著者らは「LEM 5mgまたは10mgによる治療は、プラセボと比較し、不眠症患者の睡眠開始および睡眠継続に大きなベネフィットをもたらし、忍容性も良好であった」としている。

16116.

エンパグリフロジン、2型DM合併問わずHFrEFに有効/ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニー

 ドイツ・ベーリンガーインゲルハイムと米国・イーライリリー・アンド・カンパニーは、エンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)を2型糖尿病合併の有無を問わない左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者に使用した“EMPEROR-Reduced試験”で、主要評価項目が達成されたと発表した。 心不全は、欧米の入院の主たる原因であり、アジアの患者数も増加している。世界中に6,000万人の患者がいると推定され、人口の高齢化が進むにつれ患者数が増加すると予測されている。今回の試験対象となったHFrEFは、心筋が効果的に収縮せず、正常に機能している心臓と比較し、身体に送り出される血液が少なくなる状態。呼吸困難や疲労感などの心不全に関連した症状は、生活の質(QOL)に影響する。3,730例を対象に心血管死、心不全による入院を評価 EMPEROR試験は、慢性心不全の患者を対象にしたエンパグリフロジンのアウトカム試験で、現在心不全の標準治療を受けている2型糖尿病合併または非合併の左室駆出率が保持された慢性心不全(HFpEF)患者またはHFrEF患者を対象に行われている。 試験では、エンパグリフロジンの1日1回投与による治療をプラセボと比較検討する“EMPEROR-Reduced試験”と“EMPEROR-Preserved試験”が行われている。 今回報告されたEMPEROR-Reduced試験では、HFrEF患者の判定心血管死または判定HHF(心不全による入院)の最初の事象までの時間を主要評価項目に、3,730例を対象に行われた(EMPEROR-Preserved試験は、HFpEF患者での判定心血管死または判定HHFの最初の事象までの時間を主要評価に、約5,900例を対象に実施中)。 報告された内容では、標準治療にエンパグリフロジン10mgを上乗せすることで、心血管死または心不全による入院のリスクがプラセボに比べ有意に低下し、主要評価項目を達成した。また、本試験における安全性プロファイルは、エンパグリフロジンのこれまでの安全性プロファイルと同様だった。本試験の詳細は、2020年8月29日の欧州心臓病学会(ESC)で発表される予定。 同社では、EMPEROR-Reduced試験の結果を受けて「エンパグリフロジンが心不全のアウトカムを改善することが示された。今後も心不全患者の生命予後を改善するか引き続き研究する」と抱負を寄せている。エンパグリフロジンの概要 エンパグリフロジンは、1日1回経口投与のSGLT2阻害薬であり、心血管死のリスク減少に関するデータが複数の国の添付文書に記載された初めての2型糖尿病治療薬。血糖値が高い2型糖尿病患者にエンパグリフロジンを投与し、SGLT2を阻害することで、過剰な糖を尿中に排出させ、さらに塩分(ナトリウム)を体外に排出、循環血漿量を低下させる。エンパグリフロジンによる体内の糖・塩分・水の代謝変化が、心血管死の減少に寄与する可能性が示唆されている(EMPA-REGOUTCOME試験)。なお、本剤はわが国では、効能・効果は2型糖尿病であり、心血管イベントおよび腎臓病のリスク減少に関連する効能・効果、慢性心不全の適応は取得していない。

16117.

二ボルマブの食道および胃食道接合部がん術後補助療法、DFS延長示す(CheckMate-577)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2020年8月11日、切除後の食道がんまたは胃食道接合部(GEJ)がん患者の術後補助療法としてニボルマブを評価した第III相CheckMate -577試験において、予め計画されていた中間解析で二ボルマブが主要評価項目である無病生存期間(DFS)を達成したことを発表した。 同試験において、二ボルマブは、プラセボと比較して、術前補助化学放射線療法(CRT)後に腫瘍切除を受けた、すべての患者集団において主要評価項目であるDFSで統計学的に有意な改善を示した。二ボルマブの安全性プロファイルは、これまでに報告された試験のものと一貫していた。 CheckMate -577試験は、術前補助CRTを受け、病理学的に完全奏効が得られなかった切除後の食道がんまたはGEJがん患者の術後補助療法として二ボルマブを評価した多施設無作為化二重盲検第III相臨床試験。主要評価項目はDFS、副次評価項目はOSである。術前CRTおよび外科的完全切除後に、患者は無作為に割り付けられ、プラセボまたは二ボルマブ240mgを2週間間隔で16週間点滴静注を受け、その後二ボルマブ480mgを4週間間隔で病勢進行もしくは忍容できない毒性が認められるまで投与を受けた。

16118.

バレット食道検出の非内視鏡検査、がん診断に有用か/Lancet

 逆流性食道炎患者におけるバレット食道の検出手技として開発された非内視鏡検査手技「Cytosponge-TFF3」は、検出を改善し治療可能な異形成および早期がんの診断につながる可能性があることが、英国・ケンブリッジ大学のRebecca C. Fitzgerald氏らによる、多施設共同による実用的な無作為化試験の結果、示された。Cytosponge-TFF3は、スポンジを内包したひも付きカプセル(Cytosponge)を患者に飲んでもらい、胃に達してカプセルが溶解してスポンジが膨張したところで引き出し、食道全体を拭うようにしてスポンジで採取した細胞を使って、バレット食道マーカーTFF3の検出有無を調べるという検査法。採取は患者が座位のまま10分程度で済むことから、研究グループは、プライマリケアで逆流性食道炎治療を受けている患者にこの検査を行うことで、通常ケアと比較してバレット食道の検出が増加するかを調べる試験を行った。異形成を伴うバレット食道の治療は、腺がん進行を防ぐが、バレット食道の最適な診断戦略は明らかになっていない。Lancet誌2020年8月1日号掲載の報告。英国109のGP診療所で通常ケアvs.通常ケア+Cytosponge-TFF3の無作為化試験 試験は英国内109の社会人口統計的に多様な総合医(GP)の診療所で行われた。GP診療所単位(クラスター)および患者個人レベルで無作為化を行い、結果は統合する前に無作為化のタイプ別に解析した。 適格患者は、50歳以上で、逆流性食道炎の症状のために胃酸抑制薬を6ヵ月以上服用しており、過去5年間内視鏡検査を受けていない場合とした。GP診療所は、地域のクリニカル研究ネットワークから選択して試験参加を呼び掛けた。 クラスター無作為化試験では、試験統計学者がコンピュータ無作為化シークエンスを用いてGPを1対1の割合で割り付けた。患者の無作為化は、試験センターで用意したコンピュータ無作為化シークエンスを用いてGP診療所が行い、1対1の割合で割り付けた。 無作為化後、被験者は、逆流性食道炎の標準的な治療(通常ケア群)または通常ケア+Cytosponge-TFF3の提案を受けた(介入群)。通常ケア群は、GPが必要と判断した場合にのみ内視鏡検査を受けた。一方、介入群はCytosponge-TFF3で陽性が確認された場合は内視鏡を受けることとした。 主要アウトカムは、試験登録後12ヵ月時のバレット食道の診断で、1,000人年当たりの割合で算出し、全介入群(Cytosponge-TFF3の要請を受け入れたか否かにかかわらず)と全通常ケア群を比較し評価した。解析はintention-to-treat法にて行った。介入群でのバレット食道の検出が有意に増大 2017年3月20日~2019年3月21日に、113のGP診療所が登録したが、4診療所が無作為化直後に参加を取り下げた。残った109診療所の電子処方記録を自動検索し1万3,657例の適格患者を特定した。患者には、オプトアウトを14日間と設定した試験参加のレターが送られた。 患者のうち1万3,514例が無作為化を受けた(通常ケア群6,531例、介入群6,983例)。無作為化後のさらなる精査で、介入群の149/6,983例(2%)および通常ケア群の143/6,531例(2%)がすべての試験適格性を満たしておらず、あるいは試験から脱落した。 残った介入群6,834例のうち、Cytosponge-TFF3を受ける意思を示したのは2,679例(39%)。そのうち1,750例(65%)が、電話スクリーニングですべての適格性を満たし、かつCytosponge-TFF3を受けた。これら患者の大半(1,654例[95%]、年齢中央値69歳)が、Cytospongeの飲み込みに成功し、検体を採取した。 231/6,834例(3%)が、Cytosponge-TFF3の結果が陽性で、内視鏡検査の紹介受診となった。介入群でCytosponge-TFF3を拒否した患者と通常ケア群は、GPが必要とした場合にのみ内視鏡検査を受けたが、結果として平均12ヵ月のフォローアップ期間中にバレット食道と診断されたのは、介入群140/6,834例(2%)、通常ケア群13/6,388例(<1%)であった(絶対群間差:18.3例/1,000人年[95%信頼区間[CI]:14.8~21.8]、クラスター無作為化について補正後の率比:10.6[95%CI:6.0~18.8]、p<0.0001)。 介入群6,834例のうち9例(<1%)が、バレット食道(4例)もしくはStageIの食道-胃接合部がんと診断された。一方で、通常ケア群ではバレット食道もしくはStageIの食道-胃接合部がんと診断された例はなかった。 Cytospongeによる検体採取に成功した介入群1,654例において、Cytosponge-TFF3の結果が陽性で内視鏡検査となったのは221例(13%)で、131例(8%、内視鏡検査を受けた被験者の59%)がバレット食道またはがんと診断された。 なお、Cytospongeが糸から外れ内視鏡的除去を要した患者が1例報告されている。また、最も多く認められた有害事象は、63/1,654例(4%)で報告された喉の痛みであった。 これらの結果を踏まえて著者は、「追加の内視鏡検査を要する偽陽性の結果はわずかで、通常ケア+Cytosponge-TFF3戦略の有効性は経済的評価によって確立しうるだろう」と述べている。

16119.

「COVID-19×高血圧」を徹底討論!日本高血圧学会がwebシンポ開催

 COVID-19は依然、収束の兆しが見えず、第2波、第3波を迎え撃つ備えが求められている。日本高血圧学会は8月29日、「高血圧×COVID-19白熱みらい討論」と題し、ライブ配信でシンポジウムを開催する。COVID-19を念頭に置いた新たな高血圧診療のあり方を巡り、各領域のスペシャリストたちが、文字通り白熱した議論を交わす。今回は同学会の学術総会として初の試みとなるウェブ開催であり、参加視聴者とパネリストの垣根を超えたインタラクティブなやり取りも期待できる。参加には事前の予約申し込みが必要で、ウェブの専用ページで8月20日まで受け付けている。【開催概要】 ライブ配信特別企画「高血圧×COVID-19白熱みらい討論」 開催日時:2020年8月29日(土) 18:30~20:30 開催方法:Zoomウェビナーを使用した生配信(視聴参加は事前登録制) 参加(視聴)対象:会員(正会員、準会員)、非会員(医療従事者) ※参加した高血圧専門医には更新単位2単位(前半、後半各1単位)を付与 参加(視聴)料:無料 申し込み方法:予約専用URL(Googleフォーム)より事前登録<第1部> COVID-19と高血圧診療Hot topicsを掘り下げる!(18:30~19:30) 司会: 甲斐 久史氏(久留米大学医療センター循環器内科) 柴田 茂氏(帝京大学医学部内科学講座腎臓内科) パネリスト・演者: 「高血圧患者とCOVID-19 重篤化の関係(疫学)」 浅山 敬氏(帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座) 田中 正巳氏(慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科) 「SARS-CoV-2と心血管系(ACE2、内皮障害と血栓形成、脳血管障害)」 山本 浩一氏(大阪大学医学部老年・腎臓内科学) 茂木 正樹氏(愛媛大学大学院医学系研究科薬理学) 「COVID-19に伴う心血管障害・腎障害」 星出 聡氏(自治医科大学循環器内科) 柴田 茂氏(帝京大学医学部内科学講座腎臓内科) 「降圧治療薬とCOVID-19(臨床)」 岸 拓弥氏(国際医療福祉大学大学院医学研究科) 山本 英一郎氏(熊本大学医学部附属病院循環器内科)<第2部> これからの高血圧をどうするか? ~ひとこと物申しバトル~ (19:30~20:30) 座長: 野出 孝一氏(佐賀大学医学部循環器内科) 岸 拓弥氏(国際医療福祉大学大学院医学研究科) パネリスト: 伊藤 裕氏(慶應義塾大学医学部内科学腎臓内分泌代謝内科、日本高血圧学会理事長):全体 赤澤 宏氏(東京大学大学院医学系研究科循環器内科学):Digital Hypertension 三浦 克之氏(滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生学部門):疫学研究 西山 成氏(香川大学医学部薬理学講座):基礎研究 宮川 政昭氏(宮川内科小児科医院、日本医師会常任理事):実地医療  林 香氏(慶應義塾大学医学部内科・腎臓内分泌代謝内科):若手・女性代表

16120.

第19回 15分で結果が出る新型コロナ抗原検査キットが保険適応に

<先週の動き>1.15分で結果が出る新型コロナ抗原検査キットが保険適応に2.クラスター解析、典型的なケースを国立感染症研究所が公表3.コロナと闘う病院を支援する超党派議員連盟が、首相官邸に提言を提出4.オンライン診療、新型コロナ感染拡大で特例措置延長/厚労省5.初の国産手術支援ロボット「メディカロイド」が発売開始1.15分で結果が出る新型コロナ抗原検査キットが保険適応に厚生労働省は、8月11日に事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その25)」を公表し、同日に薬事承認された「クイックナビ-COVID19 Ag」(デンカ)が保険適用されたことを明らかにした。同社プレスリリースによると、同キットはラテックス凝集法を原理としたイムノクロマト法を用いて、鼻咽頭ぬぐい液中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原を検出し、約15分で診断する。特別な検査機器を必要としないため、一般の医療機関でも短時間で簡便に検査できる。最大1日10万件分の検査キットが生産される見込みで、希望価格は10回用で6万円となっている。(参考)事務連絡 令和2年8月11日 疑義解釈資料の送付について(その25)(厚労省)新型コロナウイルス抗原迅速診断キットの国内製造販売承認を取得~「クイックナビ-COVID19 Ag」として8月13日から医療機関へ販売開始~(デンカ株式会社)2.クラスター解析、典型的なケースを国立感染症研究所が公表国立感染症研究所の感染症疫学センターは、院内感染クラスターや昼カラオケクラスター、職場会議クラスターなど、新型コロナウイルスの集団感染が発生した典型的なケースを分析した事例集を13日に公表した。院内感染クラスターの事例では、以下の点が指摘されている。処置やリハビリ時の感染対策の不徹底による職員の感染休憩室など換気が悪く、密な場所での感染から別病棟への広がり感染に気付かないまま、施設へ退院、退院先で感染波及対策としては以下が挙げられる。標準予防策、経路別感染、予防策の徹底有症状者の早期探知院内の3密を減らす工夫転院、退院時の情報共有各クラスターの事例により、マスクを着用していない、3密回避ができていないなどの、従来から指摘されていた共通点が明らかとなった。感染研は、「日常生活で3密回避とマスク、手洗いを徹底してほしい」と引き続きの対応を求めている。(参考)クラスター事例集(国立感染症研究所 感染症疫学センター)3.コロナと闘う病院を支援する超党派議員連盟が、首相官邸に提言を提出11日、超党派による国会議員の「コロナと闘う病院を支援する議員連盟」共同代表の自民党・中谷 元元防衛相らが、首相官邸の菅 義偉官房長官を訪ね、新型コロナウイルス感染を受け入れている医療機関の収益悪化を補填するよう国に求める提言を提出した。これには、医療機関の減収補填や病床確保支援、院内感染防止支援、臨時診療報酬改定のほか、介護施設版の持続化給付金の創設などが盛り込まれている。(参考)「コロナと闘う病院を支援する超党派議員連盟」提言(コロナと闘う病院を支援する議員連盟)4.オンライン診療、新型コロナ感染拡大で特例措置延長/厚労省厚労省は、6日に「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」を開催し、4月から開始した電話やオンラインによる診療に対する初診制限緩和の時限的な特例措置について、当面は引き続き現行通りに継続することを決めた。併せてこの3ヵ月間のオンライン診療について検証が行われた。これによると、6月末時点でオンライン診療に対応する医療機関は1万6,095施設となり、うち初診のオンライン診療に対応する医療機関は6,761施設と徐々に増えていた。ただ、中には特例措置でも処方が制限されている抗精神薬などが処方されていたケースなども認められたため、引き続き医療機関への指導が必要とされた。(参考)第10回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会(厚労省)5.初の国産手術支援ロボット「メディカロイド」が発売開始川崎重工業とシスメックスが折半出資するメディカロイド(神戸市)は11日、国産メーカーとして初めての手術支援ロボット製造販売承認を厚労省から受けたと発表した。承認は7日付。腹腔鏡手術向けで、月内をめどに国内で販売を始める。同社は2013年に設立され、2015年度から医療用ロボットの開発をしてきた。今回承認された手術支援ロボットシステム「hinotori サージカルロボットシステム」は、執刀医が3Dビューアを覗き込みながら、手足で3Dビデオスコープや治療機器を操作するサージョンコックピット、実際の手術を行うオペレーションユニット、映像や音声をコントロールするビジョンユニットの3ユニットから構成される。本システムの名称「hinotori」は、手塚 治虫氏の名著「火の鳥」より採用された。(参考)国産初、手術支援ロボットシステム「hinotori サージカルロボットシステム」が製造販売承認を取得(株式会社メディカロイド)

検索結果 合計:35654件 表示位置:16101 - 16120