EGFR変異NSCLC1次治療におけるapatinib+ゲフィチニブ第III相試験(ACTIVE)/ESMO2020

提供元:ケアネット

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公開日:2020/10/15

 

 中国・中山大学のLi Zhan氏は進行EGFR変異陽性NSCLCにの1次治療におけるVEGFR2-TKIのapatinibとEGFR-TKIゲフィチニブの併用を評価する無作為化二重盲検第III相試験ACTIVEの結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で発表。apatinib併用群の有意な無増悪生存期間(PFS)を報告した。

・対象:未治療のEGFR変異陽性局所進行または転移のあるNSCLC患者313例
・試験群:apatinib500mg/日+ゲフィチニブ250mg/日(apatinib併用群、157例)
・対照群:プラセボ+ゲフィチニブ(ゲフィチニブ群、156例)
・評価項目:
[主要評価項目]独立放射線画像評価委員会によるPFS
[副次評価項目]研究者評価によるPFS、全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、病勢制御率(DCR)、QOL、安全性

 主な結果は以下のとおり。

・独立放射線画像評価委員会によるPFS中央値は、apatinib併用群が13.7ヵ月、ゲフィチニブ群が10.2ヵ月で、apatinib併用群で有意な延長が認められた(HR:0.71、95%CI:0.54~0.95、p=0.0189)。
・研究者評価によるPFS中央値は、apatinib併用群が13.8ヵ月、ゲフィチニブ群が12.0ヵ月で、apatinib併用群で有意な延長が認められた(HR:0.71、95%CI:0.53~0.95、p=0.0186)。
・ORRはapatinib併用群が77.1%、ゲフィチニブ群が73.7%、DCRはApatinib併用群が84.7%、ゲフィチニブ群が87.8%で、いずれも両群間に有意差はなかった。
・DoR中央値は、apatinib併用群が12.9ヵ月、ゲフィチニブ群が9.3ヵ月で、apatinib併用群で有意な延長が認められた(HR:0.64、95%CI:0.47~0.88、p=0.005)。
・Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)発現率はapatinib併用群が84.1%、ゲフィチニブ群が37.7%、apatinib併用群の主なTRAEは、下痢、高血圧、AST上昇であった。
EGFR変異種別のPFSのHRでは、exon19del(HR 0.67)、L858R(HR 0.72)でもITT集団と同様のベネフィットが認められた。
TP53 exon8変異の患者では、apatinib併用群で有意にPFSが改善していた(HR:0.24、95%CI:0.06~0.91)。

 これらの結果から、Zhan氏は「apatinibとゲフィチニブ併用はEGFR変異陽性NSCLCの新たな1次治療の選択肢として期待できる」との見解を示した。

(ケアネット)