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双極性障害リスクは父親または母親の高齢化で増加~メタ解析

 子供の出生時における父親および母親の年齢が、その子供の双極性障害リスクと関連しているかは、よくわかっていない。ブラジル・サンパウロ連邦大学のNatalia Polga氏らは、親の年齢と子供の双極性障害リスクとの関連を明らかにするため、観察研究のメタ解析を行った。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2022年2月21日号の報告。双極性障害リスクの増加は父親および母親の高齢化と関連 出生時の親の年齢と子供の双極性障害リスクとの関連を調査した2021年6月までの研究を、PubMed、PsycINFO、Embase、Web of Scienceより検索した。父親および母親の年齢は、それぞれを個別に調査した。エフェクトサイズの指標としてオッズ比(OR)を用いた。プールされたデータの分析には、ランダム効果メタ解析を用いた。 親の年齢と子供の双極性障害リスクとの関連を明らかにするために行った観察研究のメタ解析の主な結果は以下のとおり。・318万3,539例の参加者および双極I型障害患者2万3,253例を対象とした7つの研究をメタ解析に含めた。・メタ解析で、出生時の父親の年齢が25~34歳の場合と比較し、35~44歳および45歳以上において、子供の双極性障害リスクの増加が認められた。 ●35~44歳(k=5、OR:1.09、95%CI:1.05~1.14、p<0.0001) ●45歳以上(k=5、OR:1.44、95%CI:1.19~1.14、p=0.0001)・母親では、同年齢が20~29歳の場合と比較し、40歳以上において、子供の双極性障害リスクの増加が認められた(k=3、OR:1.20、95%CI:1.10~1.31、p<0.0001)。 著者らは「子供の出生時における父親および母親の高齢化は、両者ともに子供の双極性障害リスク増加との関連が明らかとなった。このメカニズムを解明するためには、さらなる研究が求められる」としている。

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非重症の高血圧症の妊婦、目標<140/90mmHgの積極的治療が有用/NEJM

 <160/100mmHgの非重症の高血圧症の妊婦では、血圧目標値<140/90mmHgの介入戦略が、重症高血圧症となった場合のみ介入する戦略よりも、在胎不当過小児(SGA児)のリスクを増大することなく良好な妊娠アウトカムと関連することが示された。米国・アラバマ大学のAlan T. Tita氏らが、非盲検多施設共同無作為化試験の結果を報告した。妊娠中の非重症の高血圧症治療の有益性と安全性は、明らかになっておらず、血圧目標値<140/90mmHgの介入戦略が、胎児の成長を損なうことなく有害妊娠アウトカムを低減するのかについてデータが求められていた。NEJM誌オンライン版2022年4月2日号掲載の報告。重症の子癇前症・妊娠35週未満での医原性の早産の発生などを評価 研究グループは、非重症の高血圧症の単胎児妊娠23週未満の妊婦を、妊娠中の使用が推奨されている降圧薬投与(積極治療)群または重症高血圧症(収縮期血圧160mmHg以上、拡張期血圧105mmHg以上)でない限り降圧薬投与は行わない(対照)群に無作為化し追跡評価した。 主要アウトカムは、重症の子癇前症・妊娠35週未満での医原性の早産・胎盤早期剥離または胎児/新生児死亡の複合とした。安全性アウトカムは、SGA児の出生体重(在胎期間別出生時体格標準よりも10パーセンタイル未満)。また、副次アウトカムは、新生児または母体の重篤な合併症・子癇前症・早産の複合などであった。積極治療群のアウトカム発生のリスク比0.82 2015年9月~2021年3月に女性2万9,772例がスクリーニングを受け、試験には計2,408例が登録され無作為化を受けた(積極治療群1,208例、対照群1,200例)。両群の特性は類似しており、年齢は共に32.3歳、非重症の高血圧症が既知で降圧薬治療を受けている被験者が多数を占め(56%)、新規に非重症の高血圧症との診断を受けたのは22%であった。また、被験者の41%が在胎週数は14週未満であった。 主要アウトカムの発生は、対照群より積極治療群で有意に低かった(30.2% vs.37.0%、補正後リスク比0.82[95%信頼区間[CI]:0.74~0.92]、p<0.001)。 出生体重10パーセンタイル未満のSDA児の割合は、積極治療群11.2%、対照群10.4%であった(補正後リスク比:1.04[95%CI:0.82~1.31]、p=0.76)。また、重篤な母体合併症の発生率はそれぞれ2.1% vs.2.8%(リスク比:0.75、95%CI:0.45~1.26)、子癇前症の発生率は24.4% vs.31.1%(0.79、0.69~0.89)、早産は27.5% vs.31.4%(0.87、0.77~0.99)であった。

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女性のHIV感染予防にcabotegravirが有益/Lancet

 女性のヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染予防において、長時間作用型注射剤cabotegravirは、1日1回経口投与のテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン(TDF-FTC)と安全性・忍容性・有効性は同等であることが、南アフリカ共和国・ウィットウォーターズランド大学のSinead Delany-Moretlwe氏らによる「HPTN 084試験」の結果、示された。サハラ以南のアフリカ諸国を含む70ヵ国以上で経口避妊薬は導入されているが、スティグマや批判の声、暴力を振るわれる恐れといった日々の服用に対する高い障壁が存在することから、長時間作用型製剤が求められていた。結果を踏まえて著者は、「女性のHIV予防のための効果的な選択肢の拡充が、とくに必要性が最も高い状況にある女性にとって喫緊に求められていることから、今回のデータは、cabotegravirを選択肢に加えることを支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2022年4月1日号掲載の報告。8週ごと注射投与のcabotegravirと1日1回経口投与のTDF-FTCを比較 HPTN 084試験は、第III相の無作為化二重盲検ダブルダミー活性対照の優越性検証試験で、サハラ以南アフリカの7ヵ国20地点で行われた。参加者は18~45歳の生誕時女性で、過去30日間で2回以上の膣性交エピソードを報告し、HIVリスクスコアに基づくHIV感染リスクがあり、長時間作用型の可逆的避妊法の使用に同意した者を適格とした。 参加者は無作為に1対1の割合で、cabotegravirとプラセボTDF-FTCの投与を受ける群(cabotegravir群)またはTDF-FTCとプラセボcabotegravirの投与を受ける群(TDF-FTC群)に割り付けられた。試験薬を準備した試験地の薬剤師を除く試験スタッフおよび参加者は割り付けをマスキングされた。 参加者は、最初の経口薬導入フェーズ(ステップ1:1~4週)で、経口薬による連日投与を受けた(cabotegravir群には経口薬のcabotegravir(30mg)とプラセボTDF-FTCが、TDF-FTC群には経口薬のTDF(300mg)-FTC(200mg)とプラセボcabotegravirを投与)。続いてステップ2(5~185週)で、cabotegravir群には長期作用型注射剤cabotegravir(600mg)の8週ごと投与+プラセボ経口TDF-FTCの連日投与が、TDF-FTC群には経口TDF(300mg)-FTC(200mg)の連日投与+プラセボ注射剤cabotegravirの8週ごと投与が処方された。また、注射剤投与が中断となった参加者は、48週間にわたる非盲検下での経口TDF-FTCの連日投与が処方された。 試験の主要エンドポイントは、intention-to-treat集団におけるHIV感染の発生と、試験薬を少なくとも1回投与されたすべての女性におけるGrade2以上の臨床的および検査で確認されたイベントとした。cabotegravir群のHIV感染リスクが88%低下 2017年11月27日~2020年11月4日に、参加者3,224例(cabotegravir群1,614例、TDF-FTC群1,610例)が登録された。年齢中央値は25歳(IQR:22~30)、前月に2人以上のパートナーがいた参加者は1,755/3,209例(54.7%)であった。 感染発生は3,898人年で40例観察された(HIV発生率1.0%[95%信頼区間[CI]:0.73~1.40])。cabotegravir群は4例(HIV発生率は100人年当たり0.2例[0.06~0.52])、TDF-FTC群は36例(100人年当たり1.85例[1.3~2.57])で、cabotegravir群のHIV感染リスクはTDF-FTC群より88%低かった(ハザード比:0.12[95%C:0.05~0.31]、p<0.0001)。また、両群間の絶対リスク差は-2%(-1.3~-2.7)であった。 無作為抽出のTDF-FTC群405例のサブグループ解析において、毎日の使用を示すテノホビル濃度を有する血漿サンプル例は、812/1,929例(42.1%)であった。 注射の適用者は、全被験者(人年総計)の93%にわたっていた。 有害事象の発現頻度は、注射部位反応を除いて両群で同程度あった。注射部位反応は、cabotegravir群がTDF-FTC群に比べて頻度が高かったが(577/1,519例[38.0%]vs.162/1,516例[10.7%])、注射剤投与中断には至っていなかった。妊娠が確認されたのは100人年当たり1.3例(95%CI:0.9~1.7)、先天異常の出生児は報告されなかった。

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メイプル超合金・安藤なつ氏の介護本がパネェ【Dr.倉原の“俺の本棚”】第53回

【第53回】メイプル超合金・安藤なつ氏の介護本がパネェ私は、なんちゃってファイナンシャル・プランニング技能検定2級を持っているのですが(もう当時の知識はどこかに行ってしまったかも…)、医療に関するお金のことはとても大事だと思っています。高額療養費制度、指定難病患者さんの医療費助成制度、介護保険制度、障害年金、生活保護、いろいろあります。しかし、とくに高齢者医療と向き合う医療従事者に対して、お金のことをわかりやすく書いてくれる本に、私は出合ったことがありません。『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』安藤 なつ, 太田 差惠子/著. KADOKAWA. 2022年2月発売メイプル超合金・安藤 なつ氏の書かれたこの本、SNSで少し話題になっていたので読んでみました。安藤 なつ氏、実は介護歴が約20年という強者で、伯父が少人数制介護施設を運営していたので、毎週末ボランティアに通っていたそうです。いや、普通にすごいな。その後、芸人としての芸能活動を続けながら、ヘルパー2級の資格を取って介護職を兼業していたそうです。普段病院に勤務していて、往診とはあまり関わりのない医療従事者だと、訪問看護と訪問介護の違いすらわかっていない人も結構います。特別養護老人ホームと介護付き有料老人ホームもそう。デイサービス、デイケア、ショートステイなども同じ。フワっと、なんとなくしか理解されていないことが多い。この本の素晴らしいところは、患者さんや家族の経済的負担についてビッシリ書かれてあることです。医学書のように難しい言葉を並び立てるわけではなく、とにかく読者目線でわかりやすく書いてくれているのが素晴らしい。第5章がこの本の真骨頂。たとえば要介護1~5で、どれくらいの介護サービスの支出がかかるのか、介護費以外の負担はどのくらいか、などが細かく試算されていたり、厚生年金と遺族年金の組み合わせでどのように生活していくかなども解説されていたりします。これを読めば、外来の患者さんが普段どのようなことに悩んでいるかもわかるはず。何より、医師が概要を知っておくことで、患者さんに適切なサービスをすすめることができます。たった1,500円で200ページ近くあるので、私たちが普段買っている医学書とは違い、かなりコスパがよいです。間違いなく、マストバイです。『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』著者安藤 なつ, 太田 差惠子出版社名KADOKAWA定価1,650円(税込)サイズA5判刊行年2022年

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第104回 国産コロナ治療薬のネガティブ情報が流出、策士の仕業か!?

なんとも騒がしい。そんなに騒ぐべきことなのか? 何のことかというと以下の記事だ。「コロナの新飲み薬、動物実験で胎児に異常 塩野義『妊婦への使用は推奨されない』」(東京新聞)新聞記事を見ればわかるが、大元は共同通信の記事である。塩野義製薬が2月に条件付き早期承認制度で申請を行った新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の経口薬で3CLプロテアーゼ阻害薬(開発番号:S-217622)の動物実験で、催奇形性が確認されたという内容だ。その後の続報でこれが妊娠ウサギで起きていたことがわかっている。そしてこの件を報道各社が一斉に報じたことで13日に塩野義製薬がコメントを発表。その内容を見ても第一報は共同通信らしきことがうかがえる。コメントでは一般的な非臨床試験での結果であること、すでに厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告済みで、前述の承認申請でもデータを提出済みとしている。また、確認された催奇形性は臨床用量を上回るものだったことも記述がある。そもそも多くの方がご存じのように非臨床試験での催奇形性試験は、だいたい臨床用量・曝露量の10倍程度が一つの目安で、それ以内で催奇形性が認められた場合はおおむね添付文書に記載がされ、妊婦への投与が禁忌になる。そして、これまたすでにご存じのように特例承認されたMSDの新型コロナ治療薬のモルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)でも催奇形性は報告されている。モルヌピラビルはプロドラッグなので、体内での主要代謝物のN-ヒドロキシシチジン(NHC)になり細胞に取り込まれる。非臨床試験では、NHC臨床曝露量の8倍相当量で妊娠ラットの器官形成期に催奇形性と胚・胎児致死、3倍相当量以上で胎児の発育遅延、NHC臨床曝露量の18倍相当量で妊娠ウサギの器官形成期の胎児体重の低値が認められている。このため妊婦または妊娠している可能性のある女性は禁忌で、妊娠可能な女性は投与中と最終投与後一定期間は適切な避妊を行うよう求められている。塩野義製薬が申請中のS-217622では、実際に臨床用量の何倍でこうした結果が出たかは現時点では不明。しかし、報道の影響で塩野義製薬の株価は12日終値の1株7,440円から、翌13日には最安値で6,252円まで1,000円以上下落。14日になってやや持ち直したが、株価は6,000円台後半をウロウロしている。塩野義製薬にとっては半ば迷惑な話だろう。そして今回の報道でSNS上などを見ていると、医師のアカウントから「これで発売されても使いにくくなった」という趣旨の発言は少なからず見受けられる。ちなみに過去の本連載(第101回)で触れたようにS-217622は現時点では有効性もまだ十分に示せているとは言えない。催奇形性が報告されていないファイザーのニルマトレルビル/リトナビル(商品名:パキロビッド)がすでに発売されているため、そのような反応も当然だろう。もっともニルマトレルビル/リトナビルについては、いまだ供給量が少なく、院外処方の対応薬局は東京都内ですら10軒程度と言われる点が泣き所になっているようだ。さてその一方で一般人の反応を見ると、これはこれで悩ましい。やはり以前の本連載(第95回)でも記述したが、SNS上でやたらと「国産新型コロナ治療薬」にこだわる発言をする人などは、S-217622に期待を寄せていることが多い。またこうした人はドラッグ・リポジショニングで注目されながら、いまだ有効性を示す決定打のデータがない新型インフルエンザ治療薬ファビピラビル(商品名:アビガン)や駆虫薬のイベルメクチン(商品名:ストロメクトール)を早く承認すべきと声高に叫ぶ人たちと重なる。そうした人たちが今回どんな反応をしているか覗いてみると、「やっぱりアビガンのほうがましだったということはないですか」や「塩野義には悪いけど、やっぱりイベルメクチン」といった反応が散見される。しかしだ。ファビピラビルは臨床曝露量同程度かそれを下回る用量でサル、マウス、ラット、ウサギ、イベルメクチンも最高推奨用量の0.2倍でマウス、ラット、ウサギでの催奇形性がそれぞれ認められている。いずれも催奇形性だけ見れば、むしろS-217622やラゲブリオよりも慎重に扱わなければならない薬だ。このようなSNS上の動向を見るにつけ、ため息が出てしまう。そして今回、私が何とも奇妙だと思っていることがある。それは今回の第一報が「関係者への取材でわかった」とされている点だ。現在申請中であることを考えれば、催奇形性のデータを知っているのは(1)厚生労働省の医薬生活衛生局、(2)PMDA、または(3)塩野義製薬の内部ということになる。記者としての経験から推論すると、この中で情報を流した可能性が最も低いのは(3)塩野義製薬内部である。記者にしてみれば、この丈夫を流すのに何のメリットもないどころか今回の過剰反応のようなデメリットのほうが大きいからだ(ただ、前述の本連載でこの新薬候補に触れた時の状況を考えると可能性はなくもない)。となると残る2者がリーク元として考えられる。だとすると、なぜこの時期にこの情報を出したのだろうか? と正直いぶかってしまう。もしかして「早期承認の声が大きいことを懸念して鎮静化させるためのリークか?」とも勘ぐってしまう。ちなみに私は陰謀論がかなり嫌いなほうだ。そうした私自身が勘ぐってしまうほど、今回のリークは常道で考えれば誰にとってもメリットがない。「関係者」が悪気なく口走ったのだとするなら、少しは控えてはどうかと言ってしまうのは上から目線すぎるだろうか?

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化学療法誘発性悪心・嘔吐(CINV)に対する新規NK-1受容体拮抗薬:CONSOLE試験【肺がんインタビュー】 第77回

第77回 化学療法誘発性悪心・嘔吐(CINV)に対する新規NK-1受容体拮抗薬:CONSOLE試験出演:神戸低侵襲がん医療センター 秦 明登氏化学療法誘発性悪心・嘔吐(CINV)に対する新規NK-1受容体拮抗薬fosnetupitantの第III相CONSOLE試験の結果がJournal of Clinical Oncology誌で発表された。この試験ではfosnetupitantの評価にあたりbeyond delayed emesisという概念も採用されている。論文筆頭著者の神戸低侵襲がん医療センターの秦明登氏に、試験の主要結果について聞いた。参考Hata A,et al. JCO.2021;40:180-188.

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ナルメフェンによるアルコール依存症治療に影響を及ぼす臨床モデレーター

 ナルメフェンは、アルコール依存症患者のアルコール消費量を減少させるために使用可能な唯一の薬剤であるが、最もベネフィットが示される患者像は明らかになっていない。岡山大学の橋本 望氏らは、アルコール依存症患者のナルメフェンに対する治療反応に影響を及ぼす臨床モデレーターを明らかにするため、検討を行った。Drug and Alcohol Dependence誌2022年4月1日号の報告。ナルメフェンは65歳未満または問題飲酒の家族歴がない患者で有意な多量飲酒日数減少 日本人アルコール依存症患者を対象に、多施設ランダム化対照二重盲検第III相試験を実施した。12週間および24週間のナルメフェン治療における多量飲酒日数(HDD)や総アルコール消費量(TAC)の減少と患者のベースライン特性との関係を明らかにするため、線形回帰および複数の調整された分析を行った。 ナルメフェンに対する治療反応に影響を及ぼす臨床モデレーターを検討した主な結果は以下のとおり。・ナルメフェンの治療反応に対するポジティブモデレーターの可能性がある因子は以下のとおりであり、複数の調整された分析において有意であることが示唆された。 ●65歳未満(p=0.028) ●問題飲酒の家族歴なし(p=0.047) ●問題飲酒開始年齢が25歳以上(p=0.030) ●現在非喫煙者(p=0.071)・ナルメフェンは、65歳未満または問題飲酒の家族歴がない患者において、有意なHDD減少が認められた。また、問題飲酒開始年齢が25歳以上または現在非喫煙者において、有意なTAC減少が認められた。・上記モデレーターの組み合わせによる相乗効果が観察された。 著者らは「ナルメフェンは、禁煙状態、問題飲酒の家族歴がない、問題飲酒開始が遅めである、などのポジティブな因子を有するアルコール依存症患者においては、とくにベネフィットが示されることが示唆された。これらの結果を検証するためには、さらなる研究が求められる」としている。

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年収3千万円以上の医師のアルバイト代は?/1,000人アンケート

 ケアネットでは、3月10日(木)に会員医師1,000人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で昨年度のアルバイト代について尋ねたところ、62%の医師が年間で200万円未満と回答、次いで14%が200~400万円、9%が300~600万円と回答した。一方、1,000万円以上と回答した医師は6%であった。年収3千万円以上の医師、36%がバイト代1千万円以上と回答 アルバイト代を年収別にみると、アルバイト代200万円未満と回答した医師の割合は、年収1,000万円未満では67%、年収1,000~2,000万円未満では65%、年収2,000~3,000万円未満では51%、年収3,000万円以上では52%だった。 一方でアルバイト代1,000万円以上と回答した医師の割合は、年収2,500~3,000万円未満では18%、年収3,000万円以上では36%に上った。大学病院勤務の医師では40%がバイト代600万円以上 勤務先別にみると、一般病院、診療所、その他勤務の医師でアルバイト代200万円未満が約60~70%を占めたの対し、大学病院勤務の医師では、アルバイト代200万円未満の医師は20%に留まり、40%は600万円以上と回答した。 その他、年齢別、男女別、病床数別、診療科別の医師のアルバイト代について、以下のページで結果を発表している。医師の年収に関するアンケート2022【第2回】アルバイト代

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早期乳がん、21遺伝子アッセイと内分泌療法反応性による治療ガイドは有用か/JCO

 ドイツ・West German Study Group(WGS)によるWSG-ADAPT HR+/HER2-試験において、再発スコアと内分泌療法への反応に基づく薬物療法のガイドが臨床で実行可能であり、リンパ節転移3個以下の閉経前および閉経後患者は化学療法なしですむことが示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2022年4月11日号に掲載。 本試験では、早期乳がんの薬物療法について、21遺伝子アッセイ(再発スコア)と3週間の術前内分泌療法への反応の組み合わせによるガイドを検討した。ベースラインと内分泌療法後のKi67については中央で評価した。・対象:病理学的局所リンパ節転移(pN)0~1(リンパ節転移0~3個)の乳がん患者・試験群:再発スコア12~25点で、内分泌療法に反応した(内分泌療法後のKi67が10%以下)患者・対照群:再発スコア11点以下の患者試験群、対照群とも内分泌療法のみ実施。上記以外の患者(内分泌療法に反応しなかったN0~1、再発スコア12~25点の患者を含む)は、dose-dense化学療法後、内分泌療法を受けた。・評価項目[主要評価項目]5年無浸潤疾患生存期間(iDFS)[副次評価項目]遠隔DFS、全生存率(OS)など 主な結果は以下のとおり。・ITT集団は2,290例(試験群1,422例、対照群868例)、閉経前女性は試験群26.3%、対照群34.6%、pN1は試験群27.4%、対照群24.0%だった。・5年iDFS差の片側95%下方信頼限界は-3.3%で、事前設定による非劣性が認められた(p=0.05)。・5年iDFSは、試験群92.6%(95%CI:90.8〜94.0)、対照群93.9%(95%CI:91.8〜95.4)、5年遠隔DFSは、試験群95.6%、対照群96.3%、5年OSは、試験群97.3%、対照群98.0%だった。年齢とリンパ節転移別のサブグループにおいても結果は同様だった。・N0~1、再発スコア12~25点の患者では、内分泌療法に反応した患者(内分泌療法のみ実施)の結果は、50歳超では内分泌療法に反応しなかった患者(化学療法実施)の結果と同等であり、50歳以下では優っていた。・アロマターゼ阻害薬(主に閉経後女性)がタモキシフェン(主に閉経前女性)に比べて内分泌療法への反応が高かった(78.1% vs.41.1%、p<0.001)。・内分泌療法に反応したのは、再発スコアが0~11点で78.8%、12~25点で62.2%、25点超で32.7%だった(4,203例、p<0.001)。

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ニボルマブ+化学療法の非小細胞肺がん術前補助療法が生存改善示す(CheckMate-816)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年4月11日、Stage IB~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)の術前補助療法を評価する第III相CheckMate-816試験で、主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)の結果を発表した。 従来の病理学的完全奏効(pCR)に加え、米国学会年次総会(AACR2022)でEFSと全生存期間(OS)のデータが発表されたもの。CheckMate-816でニボルマブ+化学療法群はEFSリスクを37%有意に低下させた CheckMate-816の新たな結果では21.0ヵ月以上の追跡期間において、ニボルマブ+化学療法群は無作為化患者全体でのEFSリスクを37%有意に低下させた(ハザード比[HR]:0.63、97.38%信頼区間[CI]:0.43~0.91、p=0.0052)。 さらに、CheckMate-816は未成熟なデータではあるものの、ニボルマブ+化学療法群で2年OS率の改善傾向を示した(HR:0.57、99.67%CI:0.30〜1.07)。OSについては有意な結果は出ていないが、今後も引き続き追跡される。このCheckMate-816での同併用群の安全性プロファイルは以前の報告と同様で、シグナルは観察されていない。 CheckMate-816の試験担当医であるカナダ・マクギル大学のJonathan Spicer氏は「これらの結果は胸部外科医とその患者にとって非常に重要であるとともに、切除可能なNSCLCの治療における外科医と腫瘍科医の協力方法を完全に変えてしまう可能性がある」と述べる。 CheckMate-816の結果は、学会発表と同時にNew England Journal of Medicine誌2022年4月11日号に掲載された。 なお、CheckMate-816の結果に基づき、米国食品医薬品局(FDA)は2022年3月に、切除可能なNSCLCの成人患者(腫瘍径4cm以上またはリンパ節転移陽性)に対する、ニボルマブとプラチナダブレット化学療法の3週間ごとの術前補助療法を承認している。

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腎デナベーションは有効・安全か:SPYRAL HTN-ON MED試験の3年成績/Lancet

 高周波腎除神経(腎デナベーション)は、偽処置(シャム)と比較し降圧薬の併用を問わず、3年間、臨床的に意味のある持続的な降圧をもたらし、安全性の懸念もなかった。ドイツ・ザールラント大学のFelix Mahfoud氏らが、無作為化シャム対照単盲検概念実証試験「SPYRAL HTN-ON MED試験」の長期追跡結果を報告した。腎デナベーションは、降圧薬服用中の患者において血圧を低下することが示されているが、無作為化試験での長期安全性および有効性に関するデータは不足していた。著者は、「高周波腎デナベーションは、高血圧患者の管理において補助的な治療手段となり得るものである」とまとめている。Lancet誌2022年4月9日号掲載の報告。降圧薬でコントロール不良の高血圧患者、腎デナベーションvs.シャム 研究グループは、米国、ドイツ、日本、英国、オーストラリア、オーストリア、ギリシャの25施設において、20~80歳の血圧コントロール不良の高血圧患者を登録した。適格基準を、1~3種の降圧薬を6週間以上服用している状況下で、診察室収縮期血圧(SBP)150mmHg以上180mmHg未満、診察室拡張期血圧(DBP)90mmHg以上、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)によるSBP平均値が140mmHg以上170mmHg未満の患者とし、腎血管造影後、高周波腎デナベーション群またはシャム群に1対1の割合で無作為に割り付けた。 患者および血圧評価者は、無作為化12ヵ月後まで盲検下に置かれ、シャム群は12ヵ月後の追跡調査来院後にクロスオーバー可とした。 主要評価項目は、術後6ヵ月時におけるABPMによる24時間平均SBPのベースライン(第2スクリーニング来院)からの変化量の治療群間差で、intention-to-treat解析を行った。長期有効性は、36ヵ月のABPMおよび診察室での血圧測定を使用して評価し、降圧薬の使用についても調査した。また、安全性は36ヵ月後まで評価した。3年後に腎デナベーションで有意に降圧、ベースラインからの変化量の群間差10mmHg 2015年6月22日~2017年6月14日の期間に、登録患者467例のうち適格基準を満たした最初の80例が、腎デナベーション群(38例)またはシャム群(42例)に無作為に割り付けられた。 ABPMによる平均SBPおよびDBPは、腎デナベーション群でベースライン時から有意に低下し、降圧薬の治療強度が同等であるにもかかわらず、24ヵ月および36ヵ月時の血圧の低下はシャム群と比較して有意に大きかった。降圧薬のクラスと用量を考慮した薬剤負荷は、36ヵ月時で腎デナベーション群2.13剤(SD 1.15)、シャム群2.55剤(SD 2.19)であり(p=0.26)、腎デナベーション群で77%(24/31例)、シャム群で93%(25/27例)が36ヵ月時に服薬を継続していた。 36ヵ月時のABPMによる24時間平均SBPのベースラインからの変化量(±SD)は、腎デナベーション群(30例)で-18.7±12.4mmHg、シャム群(32例)で-8.6±14.6mmHgであった(補正後群間差:-10.0mmHg、95%信頼区間[CI]:-16.6~-3.3、p=0.0039)。 また、36ヵ月時の腎デナベーション群とシャム群の群間差は、ABPMによるDBPSで-5.9mmHg(95%CI:-10.1~-1.8、p=0.0055)、朝のSBPで-11.0mmHg(-19.8~-2.1、p=0.016)、夜間のSBPで-11.8mmHg(-19.0~-4.7、p=0.0017)であった。 腎デナベーションに関連した短期または長期的な安全性の問題は確認されなかった。

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スタチンへのアリロクマブ追加、AMI患者の冠動脈プラーク退縮に有効/JAMA

 急性心筋梗塞患者において、高強度スタチン療法へのアリロクマブ2週ごと皮下投与の追加により、プラセボと比較して非梗塞関連冠動脈のプラーク退縮が有意に増大することが、スイス・ベルン大学のLorenz Raber氏らが実施した医師主導の多施設共同無作為化二重盲検比較試験「PACMAN-AMI試験」の結果、示された。冠動脈プラークは、プラーク量や脂質含有量が多く、線維性被膜が薄いことが特徴で、破裂しやすく有害心イベントを引き起こす。スタチンは、冠動脈アテローム性硬化の進行を抑制することができるが、スタチン治療にPCSK9阻害薬アリロクマブを追加した場合のプラーク量や組成に対する効果は、これまでほとんど不明であった。JAMA誌オンライン版2022年4月3日号掲載の報告。アリロクマブvs.プラセボ併用投与、52週後にIVUS、NIRS、OCTで評価 研究グループは、2017年5月9日~2020年10月7日の期間に、スイス、オーストリア、デンマークおよびオランダの9施設において経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を実施した急性心筋梗塞患者300例を登録。アリロクマブ(150mg、2週ごと皮下投与)群(148例)またはプラセボ群(152例)に無作為に割り付け、それぞれ高用量スタチン(ロスバスタチン20mg)に加える投与を、責任病変に対するPCI施行後24時間以内に開始し52週間行った。最終追跡調査日は2021年10月13日である。 ベースラインおよび52週後に、血管内超音波(IVUS)、近赤外線分光法(NIRS)、光干渉断層法(OCT)を用いて非梗塞関連冠動脈2本のアテローム性動脈硬化を評価した。 主要評価項目は、IVUSで測定したアテローム容積率のベースラインから52週までの変化とした。主な副次評価項目は、NIRSで測定した長軸4mm当たりのLipid Core Burden Index(LCBI:数値が高いほど脂質含有量が多い)最大値(maxLCBI4mm)、ならびにOCTで測定した線維性被膜厚最小値(FCTmin:数値が小さいほど被膜が薄くプラークが脆弱)、それぞれのベースラインから52週までの変化とした。アリロクマブ併用で非責任病変のプラークの脆弱性に関する指標が有意に改善 無作為化された300例(平均[±SD]年齢 58.5±9.7歳、女性18.7%、LDL-コレステロール値 152.4±33.8mg/dL)のうち、265例(88.3%)で冠動脈537ヵ所のIVUS検査が実施された。 52週時におけるアテローム容積率の平均変化量は、アリロクマブ群が-2.13%、プラセボ群が-0.92%であった(群間差:-1.21%、95%信頼区間[CI]:-1.78~-0.65、p<0.001)。また、maxLCBI4mmの平均変化は、それぞれ-79.42、-37.60(群間差:-41.24、95%CI:-70.71~-11.77、p=0.006)、FCTminの平均変化はそれぞれ62.67μm、33.19μm(群間差29.65μm、95%CI:11.75~47.55、p=0.001)であった。 有害事象は、アリロクマブ群で70.7%、プラセボ群で72.8%に認められた。 著者は、「アリロクマブが、この集団の臨床転帰を改善するかどうかをさらに研究する必要がある」とまとめている。

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Xa阻害薬の時代からXI阻害薬の時代に行けるかな?(解説:後藤信哉氏)

 商業的に大成功したDOACs(Xa阻害薬)の特許切れが近い。年間1兆円以上売れている薬剤の特許切れは各企業に激しく痛い。主要適応の非弁膜症性心房細動の脳卒中予防において、凝固カスケードにてXaの上流の、いわゆる内因系凝固因子のXI阻害は有効あるいは安全だろうか? これまで複数のXI阻害薬の第II相試験が行われてきた。本研究はバイエル社のXI阻害薬asundexian 20mg/日、50mg/日とアピキサバン5mgx2/日が二重盲検にてランダムに比較された。 第III相の仮説検証大規模試験の前にasundexianに至適容量を決めるのが、本第II相試験の主要な目的である。試験期間は3ヵ月と短い。 ISTH基準の大出血と臨床的に意味のある出血はアピキサバンの開発試験のARISTOTLEでは概略年率6%であった。3ヵ月のイベントリスクは2%に満たない予測となる。本研究はARISTOTLEよりもリスクの高い症例が含まれたためか、アピキサバンの出血リスクは2%程度であった。asundexianでは20mgでも50mgでもアピキサバン群より見かけの出血リスクは低く見える。755例のランダム化比較試験と小規模であるため、本研究に基づいて第III相試験の容量を決定できるか否かの判断は難しい。有効性についてはイベント数が少な過ぎるので、さらに容量の決定は困難である。しかし、過去の研究と一致して、心房細動症例では3ヵ月の観察期間内の死亡数が、脳卒中・全身性塞栓症より多いことを示している。抗凝固薬の開発試験であるが、心房細動の未解決課題が血栓イベントではないことを示唆して興味深い。 臨床イベントが少な過ぎるのでサロゲートマーカーとしてFXIa活性を計測している。日常診療では用いないマーカーなので出血、血栓イベントとの相関関係もわからない。peak、troughにかかわらずXIa活性は10%程度に下がっているのでasundexianを20ないし50mgにて服用すると本研究に計測されたXIa活性は激減していることがわかる。XIを阻害しても出血イベントが増えないとの過去の研究成果を支持しているのかもしれない。内因系凝固機能の指標として臨床にて広く使用されているa-PTTなども本薬の服用にて延長するのだろうか? Lancetの論文にて「The FXIa inhibitor asundexian at doses of 20 mg and 50 mg once daily resulted in lower rates of bleeding compared with standard dosing of apixaban」と結論が書いてあると「XI阻害薬はXa阻害薬より出血が少ない」と思ってしまう。しかし、実際の出血イベントは95%CIでなく90%CIにて比較されている。本論文の結果に基づいて第III相試験のasundexianの容量を決めるのは困難と思う。 市場規模の大きな薬の開発研究の結果は相当注意深く読む必要があると感じた。

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060)外来処置の後、涙目になる理由【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第60回 外来処置の後、涙目になる理由ゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆皮膚科では常日頃、鶏眼処置、爪甲除去、粉瘤の切開排膿、創傷・熱傷処置など、さまざまな外来処置を行います。そんな中、私だけかわかりませんが、処置の後に両目が涙目になっていることがあり、「目が疲れたな〜」と感じることが時々あります。ちょっと集中し過ぎたかなと、今まではあまり気にとめていなかったのですが、最近ふと、処置の時にまばたきが減っているのかも、ということに気付きました。とくに削り処置や爪切りなど根気のいる処置では、知らず知らずのうちに患部を凝視し過ぎているのかも…? そんなに注意力を要する手技というわけでもないので、意識の問題かと思いますが、集中するうちに、おそらくまばたきの回数が減っていたのでしょう。肩が凝った、腰が疲れた、というよりも先に「目が疲れた〜!(涙目)」となる理由がわかり、なんとなくすっきりしました。(自己解決!)今後、処置の際には意識してまばたきするようにしたいと思います☆なお、最近、筋トレや有酸素運動を生活に取り入れるようになり、診察中の肩凝りや体の疲れがぐっと減りました。体の凝りや不調にお悩みの皆さま、ぜひストレッチで体をほぐしてみてください!それでは、また~!

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ドライブ・マイ・カー【Dr. 中島の 新・徒然草】(421)

四百二十一の段 ドライブ・マイ・カー授賞式でウィル・スミスがクリス・ロックを平手打ちしたことで話題になった第94回アカデミー賞。そこで国際長編映画賞を獲ったのが邦画の「ドライブ・マイ・カー」です。この作品は村上 春樹による同名の短編小説が原作になっており、YouTube でお笑い芸人の斉藤 紳士が紹介していました。村上 春樹といえば、昔、入院中の女性患者さんが読んでいるのを回診中に見かけました。「おっ、ハルキストですか」と私が声をかけたら、担当の研修医が彼女の横にスッと寄って「僕たち二人とも村上 春樹ファンなんです」と言ったのを覚えています。さて、斉藤 紳士の紹介による『ドライブ・マイ・カー』の紹介です。主人公の家福(かふく)は若い女性運転手を雇いますが、その車の中での会話と回想が小説の主体でした。私も村上 春樹の小説はいくつか読みましたが、デビュー作の『風の歌を聴け』らしいあっさりとした小説のようです。お笑い芸人でありながら小説家でもある斉藤 紳士は「村上 春樹さん、さすがですね」と褒めていました。これは期待できそうだと思い、さっそく原作の『ドライブ・マイ・カー』を読んでみました。ところが、あまりあっさりしていません。というか、結構、ドロドロの部分が多かったように思います。きっと斉藤 紳士の紹介がうまかったんでしょうね。それでは、と原点に戻って『風の歌を聴け』を再読しました。文庫本が見つからなかったのでAmazon Kindleで探してみます。ところが発注したとたん「お客様は、2020/〇/〇〇 に 風の歌を聴け(講談社文庫)を注文されています」という表示が出てきました。あらら。すでに2年前に買っていたのに、すっかり忘れていたのか。情けない。ともあれ、パソコンのモニターで電子書籍を開いて読み始めると、徐々にストーリーを思い出してきました。やはり面白いものは面白い。主人公の「僕」と友人の「鼠」、そして小指のない女の子が登場する短い小説です。登場人物たちがビールを飲んではグダグダしているだけの話なのですが、単なるグダグダをここまでうまく表現できるのか、と思わせるものでした。そんなわけで、久しぶりに風の歌の世界に浸っていたわけです。ところが……。ちょうど本文の真ん中あたりに、青いラインマーカーが引いてあったのです。「一文無し」という部分に。なんじゃこりゃ?ラインマーカーを引いたのは自分自身に違いありません。でも、2年前のことなんかまったく覚えていないので、なぜなのかは謎です。よほどこの言葉が心の琴線に触れたのか、それとも当時の自分が一文無しだったのか。ということで、読者の皆さん。時間に余裕があったら『風の歌を聴け』を読んでみてください。もし無人島に持っていく本を1冊だけ選べと言われたら、私はこれを選ぶかもしれません。謎を残しつつ最後に1句春先に 風の歌聴き 無一文

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第104回 女性がキャリア失う「更年期ロス」、防ぐために医師ができること

更年期の諸症状によって仕事やキャリアを失う「更年期ロス」。その数は100万人に上ると推計されている。更年期に関する理解が浸透していないことにより、適切な医療が受けられていないことが背景の一つに挙げられる。医師も知識と経験に差があったり、分野が違ったりすると詳しくないこともあるため、適切な診断と治療を行える医師を増やすとともに、社会や企業の理解も必要だ。医師の理解不足で生じる「年齢の壁」と「症状の壁」たとえば、更年期障害が原因で20年間勤めた会社を辞めた40代前半の女性は、生理周期の不安定などから更年期による不調ではないかと病院を受診したが、医師からは「更年期にはまだ若い」と笑われたという。しかし、症状は次第に悪化していき、仕事を辞めざるを得なくなった。更年期は女性ホルモンが減少し生理がなくなる閉経前後の10年間、45~55歳ころを指す。それはあくまでも目安の年齢で、卵巣機能は30代後半から低下するというデータもある。前述の女性の場合、症状が出始めたのが40代前半だったため、一般論から「まだ若い」と思われて治療を受けることができなかった。いわば「年齢の壁」により、更年期ロスに追い込まれたと言える。また、30年近く大手メーカーで働いてきた50代前半の女性は、ほてりやイライラはなかったが、不眠やだるさ、集中力の低下を感じるようになった。チームリーダーでありながら、不調により判断力などが落ちたことから休職した。更年期障害を疑い、婦人科を受診したが、医師は検査を行わず「ほてりなど更年期の主症状がないので、更年期障害ではない」と告げたという。こちらのケースは「症状の壁」と言えるだろう。患者に寄り添い、見通しを立ててサポート2人とも後に別の病院を受診し、更年期障害と診断された。最初に受診した病院で更年期障害と診断されなかったことについて、専門家は「医療現場でも更年期障害についての理解が十分ではない」と指摘する。更年期障害は適切な治療を行えば改善するので、適切な診断と治療を行える医師が増えれば、患者は仕事を辞めなくても済むことが多いという。更年期の症状は200種類以上あるという。ほてりやイライラが知られているが、めまいや関節痛、メンタル面では不安感や集中力の低下、物事が決められない、不眠などの症状もある。医療現場でも症状が多様であることへの理解が進んでいない。そのため、適切な診断と治療ができる医師にかかれるように、日本女性医学学会のウェブサイトには、専門医・専門資格者の氏名と勤務先医療機関名を掲載している1)。前述の専門家は医師に対し「患者に寄り添う姿勢が大事。先が見えにくい時期でもあるので、見通しを立ててあげるといい」と話す。企業には女性の健康に関する情報が足りない企業側の対応も重要だ。「女性の健康とメノポーズ協会」とNHKが昨年7月に実施した「更年期と仕事に関する調査」によると、19.6%が仕事を辞めたか、仕事を辞めることを検討していた。要因としては「更年期について嫌がらせやハラスメントを受けた」「職場の人に迷惑をかけたと思った」「更年期症状への配慮がなかった(業務量や業務時間の調整など)」が挙がった。相談相手は「同僚」が23.5%あったが、「誰にも相談していない」は60.8%に上った。企業内に女性の健康に関する情報が足りないことや、相談することも相談を受けることもできない状況が浮き彫りになった。同協会には更年期症状に伴う退職や昇進の断念など「更年期ロス」に苦しむ女性からの相談が後を絶たないという。理事長の三羽 良枝氏は民放番組の中で「背景には、職場の理解不足に加え、治療法があまり知られていないことなどがある」と指摘。「ただ怠けているのではないかとか、更年期の女性はパフォーマンスが落ちて困るとか、そういった捉え方が先行してしまっている。ところが治療法があるし、ぜひその健康情報や知識を持っていただきたいと思う」と話す。自民党女性健康小委が更年期障害に関して中間提言政治も動き出した。自民党の人生100年時代戦略本部の「女性の生涯の健康に関する小委員会」は、更年期障害など女性の健康課題について議論を重ねてきたが、3月22日、中間提言案を示した。その中に、更年期障害のための休暇制度を導入する企業への支援や企業内研修の推進などが盛り込まれた。委員長の高階 恵美子・衆議院議員は「40代50代、この約20年間をどう考えるか。この20年間がいかに重要であるか」と述べ、更年期を含む40代50代の健康課題が注目される理由の一つとして仕事への影響を指摘した。男性更年期障害も含めた研修の必要性一方、男性にも更年期障害はある。男性ホルモンであるテストステロンの急激な低下により、全身倦怠感や無気力など心身にさまざまな症状を引き起こす。40代以降に目立ち始めるが、60代以降から症状を訴える人もいるという。男性更年期障害の診療に力を入れているクリニックの院長は「女性の更年期障害はホルモンバランスが安定してくると症状が落ち着いてくることが多いが、男性の更年期障害は長期にわたって症状と付き合い続ける可能性が高い」と話す。更年期は企業においては管理職に就いている年齢層でもある。男女を問わずリーダーシップ研修や産業医面談などで更年期に関する学びやコミュニケーションが行える場を設けていけば、本人がどう対応すればいいのか、職場や会社はどう取り組むべきかといった、更年期に対する理解が進んでいくのではないだろうか。参考1)日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医・専門資格者一覧

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統合失調症に対する持続性注射剤抗精神病薬の使用推進要因

 米国・Janssen Global ServicesのAlexander Keenan氏らは、精神科医と統合失調症患者との疾患マネジメントに関する考え方の違いを評価し、持続性注射剤(LAI)抗精神病薬の使用要因について、調査を行った。BMC Psychiatry誌2022年3月17日号の報告。 2019年、精神科医と担当する統合失調症患者を対象に実施したリアルワールドの国際的調査「Adelphi Schizophrenia Disease Specific Programme」で収集したデータを分析した。精神科医は、統合失調症のマネジメントに関する調査を完了し、担当する成人患者10例の患者プロファイルを提供した。自己記入式調査票を用いて、対象患者から情報を収集した。症状重症度は医師から報告された臨床全般印象度(CGI)で評価し、患者の治療アドヒアランスは3段階評価で評価した(1:アドヒアランス不良~3:アドヒアランス良好)。 主な結果は以下のとおり。・精神科医466人より統合失調症患者4,345例(LAI治療患者:1,132例、非LAI治療患者:3,105例、未治療患者:108例)のデータが収集された。・LAIは、より重度な統合失調症患者に使用されており、その使用理由はさまざまであった。・精神科医と患者との間で、CGI重症度(k=0.174)と治療改善レベル(k=0.204)について、わずかな一致のみが観察された。・治療アドヒアランスレベルに関しては、中程度の一致が観察された(k=0.524)。・アドヒアランス不良の理由に関しては、明確な示唆を得られるレベルに達しなかった。 著者らは「今回のリアルワールドデータ分析により、LAIは重度の統合失調症患者に使用されることが多く、アドヒアランス改善が使用促進要因であることが明らかとなった。しかし、精神科医は統合失調症患者と比較し、疾患の重症度を過小評価している可能性、逆にアドヒアランスを過大評価する傾向が確認された」としている。

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AF患者へのXIa因子阻害薬asundexian、出血リスクは?(PACIFIC-AF)/Lancet

 心房細動患者に対し、新規開発中の第XIa因子(FXIa)阻害剤asundexianの20mgまたは50mgの1日1回投与は、アピキサバン標準用量投与に比べ、ほぼ完全なin-vivoのFXIa阻害を伴い、出血を低減することが示された。米国・デューク大学のJonathan P. Piccini氏らが、日本や欧州、カナダなど14ヵ国93ヵ所の医療機関を通じ約800例を対象に行った第II相無作為化用量設定試験「PACIFIC-AF試験」の結果を報告した。心房細動の脳卒中予防のための直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)の使用は、出血への懸念から制限されている。asundexianは、止血への影響を最小限とし血栓症を軽減する可能性が示唆されていた。Lancet誌2022年4月9日号掲載の報告。CHA2DS2-VAScスコアが男性2以上、女性3以上を対象に用量設定試験 研究グループは、心房細動患者におけるasundexianの最適用量を決定すること、および出血の発生率をアピキサバンの発生率と比較するため、心房細動患者でCHA2DS2-VAScスコアが2以上の男性または3以上の女性で出血リスクが高い45歳以上を対象に試験を行った。 被験者をウェブ自動応答システムで無作為に3群に分け、試験開始前からのDOAC服用の有無により層別化し、asundexian 20mg、50mg(いずれも1日1回)、アピキサバン5mg(1日2回)をそれぞれ投与し、出血リスクを比較した。ダブルダミーデザイン法を用いてマスキングが行われ、被験者は試験薬とプラセボの両者を受け取った。 主要エンドポイントは、国際血栓止血学会(ISTH)基準による大出血または臨床的に重大な非大出血の複合エンドポイントで、試験薬を1用量以上服用した全被験者を対象に評価した。主要エンドポイントの発生率比、20mg群0.50、50mg群0.16 2020年1月30日~2021年6月21日の期間に862例が登録され、755例が無作為化を受けた。そのうち試験薬を全く服用しなかった2例を除く、753例(asundexian 20mg群249例、同50mg群254例、アピキサバン群250例)を対象に解析した。 被験者の年齢中央値は73.7歳(SD 8.3)、女性が309例(41%)、216例(29%)が慢性腎臓病(CKD)を有し、平均CHA2DS2-VAScスコアは3.9(SD 1.3)だった。 asundexian 20mg群では、FXIa活性がトラフ値で81%、ピーク値で90%阻害され、同50mg群ではそれぞれ92%と94%が阻害された。 主要エンドポイントのアピキサバン群(発生6件)に対する発生率比は、asundexian 20mg群(3件)が0.50(90%信頼区間[CI]:0.14~1.68)、同50mg群(1件)が0.16(0.01~0.99)、asundexian群統合(4件)では0.33(0.09~0.97)だった。 有害事象の発現頻度は3群間で同等であり、asundexian 20mg群118件(47%)、同50mg群120件(47%)、アピキサバン122件(49%)だった。

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ファイザー製ワクチン4回目、オミクロン株への予防効果は/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のB.1.1.529(オミクロン変異株)の流行中に行った新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのBNT162b2(Pfizer-BioNTech製)の4回目接種は、3回のみ接種と比べて、SARS-CoV-2感染率およびCOVID-19重症化率を低下した。イスラエル・ワイツマン科学研究所のYinon M. Bar-On氏らが、オミクロン変異株流行中に同ワクチン4回目を接種した60歳以上125万人超を対象に行った試験の結果を報告した。イスラエルでは、2022年1月2日に、60歳以上を対象としたBNT162b2ワクチンの4回目接種を開始していた。NEJM誌オンライン版2022年4月5日号掲載の報告。対COVID-19感染・重症化予防効果を疑似ポアソン回帰で分析 研究グループはイスラエル保健省データベースを用いて、オミクロン変異株流行期間中(2022年1月10日~3月2日)にCOVID-19ワクチン4回目接種の対象だった60歳以上125万2,331人に関するデータを抽出・解析した。 感染率と重症COVID-19について、ワクチン4回目接種後8日以上経過した(4回接種)群と、3回のみ接種した(3回接種)群、また4回目接種後3~7日(4回接種早期)群を比較。発生率は疑似ポアソン回帰モデルを用い、年齢、性別、人口統計上の集団、暦日によって補正を行い推算した。重症COVID-19、3回接種群が4回接種群の3.5倍 補正前の重症COVID-19発生率は、4回接種群が1.5/10万人に対し、3回接種群は3.9/10万人、4回接種早期群は4.2/10万人だった。 疑似ポアソン回帰分析の結果、重症COVID-19の補正後発生率は、3回接種群が4回接種後4週経過群と比べて3.5倍(95%信頼区間[CI]:2.7~4.6)高かった。また4回接種早期群は、4回接種後4週経過群と比べて2.3倍(1.7~3.3)高かった。 3回接種群の同発生率は、4回目接種後2週経過群と比べても2.4倍(2.0~2.9)高かった。COVID-19重症化に対するワクチン予防効果は、4回目接種後6週間は減弱がみられなかった。 補正前の感染率は、4回接種群が177/10万人、3回接種群は361/10万人、4回接種早期群は388/10万人だった。補正後感染率は、3回接種群が4回接種後4週経過群と比べて2.0倍(95%CI:1.9~2.1)高く、4回接種早期群は4回接種後4週経過群よりも1.8倍(1.7~1.9)高かった。しかしながら、感染に対するワクチンの予防効果は、ワクチン接種後約4週間でピークに達し、その後は徐々に減弱し、8週後には感染リスクは3回接種群とほぼ同等だった。

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