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がん患者の治験参加を阻む要因とは?

 最先端のがん治療薬は常に臨床試験で有効性や安全性が検証されており、試験参加者の命を救ったり生存期間を延ばしたりする可能性がある。それにもかかわらず、多くのがん患者がこうした治験に参加しない理由は何なのか。その答えはお金であることを示した研究結果が報告された。がん治療薬に関する臨床試験への参加と最も強く関連する因子は、人種や患者背景ではなく経済的要因であることが示されたという。米ワイル・コーネル医科大学およびヒューストン・メソジスト病院のWeichuan Dong氏らによるこの研究結果は、「Journal of the National Comprehensive Cancer Network」に12月17日掲載された。 Dong氏は、「臨床試験は患者の命を救うが、経済的障壁によって多くの患者が治験に参加できずにいる。交通費、育児費用、失われる賃金といった治験に参加することで生じる現実的な負担に対処することで、臨床試験はより公平になり、がん医療の進歩を全ての人が享受できるようになる」とニュースリリースで述べている。 研究グループによると、がん患者のうち、臨床試験に参加するのは約5人に1人に過ぎないという。この低い参加率は、多くの患者が命を救う可能性がある治療を受ける機会を逃すだけでなく、画期的な治療法が米食品医薬品局(FDA)の承認を受け、患者に届くまでの時間が長くなることも意味する。 今回の研究では、オハイオ州北東部の病院で、2018年から2021年の間にがんと診断され治療を受けた1万2,630人の患者(18〜75歳)の電子医療記録が分析された。これらの患者の中で、がん治療の臨床試験に参加していたのは5.1%(649人)のみであった。 治験参加と有意に関連する因子を解析した結果、最も強い因子は、患者本人と同居家族および親族の収入や資産に関連する因子であり、人種・民族、大学進学歴、最寄りの親族との距離の影響は小さいことが明らかになった。次に各因子と治験参加との関連を評価した結果、非ヒスパニック系の黒人患者は非ヒスパニック系の白人患者に比べて、治験に参加するオッズが約30%低いことが示されたが(オッズ比0.70、95%信頼区間0.54〜0.89)、所得を考慮すると、この差は統計学的に有意ではなくなった。さらに、所得が高いほど治験参加のオッズは高く、最も高い所得層では最も低い所得層に比べて67%高かった(同1.67、1.30〜2.16)。一方、メディケイド加入者は、民間保険加入者に比べて治験に参加するオッズが29%低かった(同0.71、0.53〜0.93)。 研究グループは、交通費や宿泊費の補償、治療期間中の逸失賃金の補填、育児支援の提供、交通費補助券の提供などの患者の経済的現実に対応することで、治験参加率は向上し得ると指摘している。論文の上席著者である米ケース・ウェスタン・リザーブ大学医学部のRichard Hoehn氏は、「多くの患者にとって、治験参加の可否は物流面とお金の問題に尽きる。こうした課題に対処することは、臨床試験をより包括的にするための、最も直接的な方法の一つである」と述べている。 研究グループは現在、この研究をオハイオ州内の他の医療機関やネットワークにも拡大している。Dong氏は、「2026年初頭に発表予定の大規模研究では、がん患者における臨床試験参加の状況を初めて包括的に可視化し、命を救う可能性のある治療へのアクセスを阻む構造的障壁を明らかにするだろう。われわれは、都市部、郊外、農村部を横断して、地理的・構造的障壁がアクセスにどのように影響しているかを理解するため、『治験砂漠』のマッピングに取り組んでいるところだ」と述べている。

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悪態をつくことはパフォーマンスを高める?

 次に、罵り言葉があふれ出しそうなのを必死でこらえる状況に陥ったときには、むしろ思い切って吐き出してしまうと良いかもしれない。英キール大学のRichard Stephens氏らによる新たな研究で、悪態をつくことで抑制が弱まり、筋力や持久力テストで、より限界まで自分を追い込めるようになることが示された。「悪態をつくことは、集中力や自信を高め、気を散らしにくくし、もう一歩踏み出す助けになる手軽な方法だ」と述べている。この研究結果は、「American Psychologist」に12月18日掲載された。 Stephens氏らはすでに過去の研究で、悪態をつくことで、腕立て伏せの姿勢で自重を支えられる時間や氷水に手を浸していられる時間など、さまざまな身体的課題でパフォーマンスが高まることを報告している。Stephens氏は、「これは再現性が高く、信頼できる結果だ。しかし、悪態をつくことがどのようにわれわれを助けているのか、その心理的メカニズムは何か、という点については謎だった」と語る。 この研究では、182人を対象に2つの実験を実施し、悪態をつくことで一時的に行動を抑えるブレーキが弱まった心理状態(脱抑制状態)が人を解放し、困難な状況でより強く自分を追い込めるようにするのではないかとの仮説を検証した。 1つ目の実験では、18〜65歳の参加者88人が、椅子を使ったプッシュアップを行いながら、2秒ごとに自分で選んだ罵り言葉、もしくは中立的な言葉を繰り返すよう求められた。課題の終了後には、脱抑制状態に関連すると思われるユーモア、フロー状態、自信、社会的望ましさ、注意の逸れについての評価を受けた。また、94人を対象にした2つ目の実験では、1つ目の実験結果の再現に加えて、悪態をつくことによるパフォーマンスの向上が、脱抑制状態によって説明できるのかどうかをBIS(行動抑制システム)/BAS(行動活性化システム)、不安、正・負の感情、新奇性、傍観者的無関心などの心理指標も測定して検証した。 その結果、いずれの実験でも、罵り言葉を発した場合では、中立的な言葉を発した場合と比べて、有意に長く自重を支え続けることができることが明らかになった。ただし、その媒介要因は実験間で一致せず、実験1では制約からの自由感やフロー状態の高まりが効果を部分的に媒介した一方、実験2では注意の逸れのみが関与する可能性が示唆された。 Stephens氏は、「これらの結果は、なぜ悪態をつくことがこれほど一般的なのかを説明するものだ。悪態をつくことは、カロリーや薬物が必要ではなく、低コストで、必要なときにすぐに使えるパフォーマンス向上ツールだ」と述べている。 研究グループは、次の課題は、ためらいを乗り越えることが成功の鍵となる場面でも、悪態の効果が発揮されるかどうかを検証することだと述べている。論文の上席著者である米アラバマ大学ハンツビル校のNicholas Washmuth氏は、「われわれの研究室では現在、人前でのスピーチや恋愛におけるアプローチといった、ためらいや自己疑念が生じやすい状況で、悪態がどのような影響を及ぼすのかを研究している」と語っている。

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ECMO装着心原性ショックにlevosimendanの早期投与に関する有効性は明らかではなかった(解説:加藤貴雄氏)

 levosimendanは、心筋収縮タンパク質をカルシウムに感受させることで心収縮力を高めるカルシウム増感剤として強心薬作用を持ち、血管平滑筋におけるATP依存性カリウムチャネルの開口を通して末梢と冠動脈の両方の血管を拡張する薬剤であり、1週間作用が持続するため、1回24時間の静脈注射で使用される。ESCのガイドラインに記載されているが(McDonagh TA, et al. Eur Heart J. 2021;42:3599-3726.)、本邦・米国では未承認で記載もされていない。心原性ショックにおける有効性を支持するエビデンスは限られており、これまでの研究結果は一貫していない。 このLEVOECMO研究(Combes A, et al. JAMA. 2026;335:60-69.)は、重度で回復可能性のある心原性ショック患者において、早期のlevosimendan投与が静脈-動脈体外式膜型人工肺(VA-ECMO)の離脱時間を短縮し、生存率を改善するかどうかを評価することを目的とした。本研究は、フランスの11の集中治療室で実施された多施設共同、二重盲検、プラセボ対照ランダム化臨床試験であり、levosimendanの早期投与がVA-ECMOの離脱成功率や患者の生存率に与える影響を明らかにすることを目指した。 結果として、VA-ECMOによる補助を受けている重度心原性ショック患者を対象とした試験の結果、早期のlevosimendan投与では、プラセボと比較して30日以内のECMO離脱成功までの期間は有意に短縮しなかった。levosimendan投与では、ECMO装着期間、ICU滞在期間、および60日死亡率といった副次評価項目も有意に改善しなかった。levosimendan群では心室性不整脈の発生頻度が高かった(17.8%対8.7%)。 本研究では、サンプルサイズ計算に50%の離脱失敗率を仮定していたが、実際には32%であった。40%弱が心筋切除術後、68%という高い離脱率、28%という低い60日死亡率、高いカテコラミン併用率(ドブタミンは80%、ノルエピネフリンは70%)が結果に影響した可能性はあるが、現時点での使用を推奨する結果ではなかった。心機能、血行動態の安定性、組織灌流の改善効果を期待する場合、重症例に早期から使用するか、他に手がなくなって使用するか、選択の分かれ目になる。心原性ショックの病因の違いなど、さらなるエビデンスの集積を待ちたいところである。また、HFpEFの肺高血圧に対する経口薬の試験(LEVEL試験)も進行中である(Yaku H, et al. J Card Fail. 2025 Jul 7. [Epub ahead of print])。

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早期から症状改善が期待できるうつ病治療薬「ザズベイカプセル30mg」【最新!DI情報】第55回

早期から症状改善が期待できるうつ病治療薬「ザズベイカプセル30mg」今回は、うつ病治療薬「ズラノロン(商品名:ザズベイカプセル30mg、製造販売元:塩野義製薬)」を紹介します。本剤は既存の抗うつ薬とは異なる作用機序を有するアロプレグナノロン様GABAA受容体機能賦活薬であり、投与開始後早期からの症状改善が期待されています。<効能・効果>うつ病・うつ状態の適応で、2025年12月22日に製造販売承認を取得しました。本剤は抑うつ症状が認められる患者の急性期治療に用いる薬剤であり、抑うつ症状が寛解または回復した患者における再燃・再発の予防を目的とした投与は行いません。<用法・用量>通常、成人にはズラノロンとして30mgを1日1回14日間夕食後に経口投与します。なお、本剤による治療を再度行う場合は、投与終了から6週間以上の間隔を空けます。<安全性>重大な副作用として、錯乱状態(頻度不明)があります。その他の副作用として、傾眠(20.0%)、めまい(12.6%)、頭痛、悪心、下痢、口渇・口内乾燥、ALT上昇、浮遊感、倦怠感(いずれも1~5%未満)、発疹、振戦、鎮静、注意力障害、健忘、嘔吐、腹部不快感、腹痛、AST上昇、γ-GTP上昇、歩行障害、酩酊感(いずれも1%未満)、嗜眠(頻度不明)があります。薬物依存を生じる恐れがあるので、用法・用量を遵守するとともに、本剤による治療を再度行う場合には、治療上の必要性を十分に検討する必要があります。<患者さんへの指導例>1.この薬は、脳内の神経伝達物質の働きを高め、情報伝達を活性化することで、うつ症状を改善します。2.薬物依存を生じる恐れがあるので、用法・用量を必ず守ってください。3.アルコールはこの薬の作用に影響するため、飲酒は控えてください。4.眠気やめまいなどの副作用が現れることがあります。自動車の運転や危険を伴う機械の操作は避けてください。5.うつ病やうつ状態の人は死んでしまいたいと感じることがあります。不安感が強くなったり、死にたいと思ったりする症状が悪化する場合があるので、このような症状が現れた場合には、医師または薬剤師に相談してください。<ここがポイント!>うつ病は、抑うつ気分や不安、睡眠障害、意欲低下などにより日常の生活に支障を来す精神疾患です。疫学調査によれば、日本におけるうつ病の患者数は約500万例と推測されています。薬物治療には主に抗うつ薬が用いられますが、効果発現までに数週間を要し、継続的な服用が必要となるため、即効性のある治療薬が求められてきました。本剤は、既存の抗うつ薬とは異なる作用機序を有するアロプレグナノロン様GABAA受容体機能賦活薬です。ポストシナプス領域内外のGABAA受容体にポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)として作用し、GABAA受容体機能を増強します。これにより、うつ病態でみられる気分、不安、睡眠に関与する神経の興奮と抑制の均衡や協調的な神経ネットワーク活動の調節不全を改善します。本剤は、抑制系神経細胞に直接作用すると考えられているので、従来の抗うつ薬よりも迅速な効果発現が期待され、うつ症状が強く現れる急性期治療を目的に使用されます。本剤の用法・用量は1日1回14日間の経口投与です。十分な効果を得るとともに、副作用の日中に及ぼす影響を考慮して夕食後に30mg(1カプセル)を経口投与します。なお、本剤は再発・再燃予防を目的とした寛解後の維持期治療には使用できません。本剤による再治療を行う場合は、前回の投与終了から6週間以上の間隔を空ける必要があります。海外では、産後うつ病に対する治療薬として2023年8月に米国、2025年8月に英国、2025年9月に欧州で承認されています。日本人大うつ病性障害患者を対象とした国内第III相単剤検証試験(A3734試験)において、主要評価項目である15日時のハミルトンうつ病評価尺度17項目版(HAM-D17)合計スコアのベースラインからの変化量は、本剤30mg群で-7.43±0.40、プラセボ群で-6.23±0.41であり、2群間の調整平均値の差は-1.20(95%信頼区間:-2.32~-0.08)でした。本剤30mg群の15日時のHAM-D17合計スコアは、プラセボ群よりも統計学的に有意にベースラインから減少しました(p=0.0365)。

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1月20日 血栓予防の日【今日は何の日?】

【1月20日 血栓予防の日】〔由来〕「大寒」に前後する、この時季は血栓ができやすいという背景と「20」を「ツマル」と語呂合わせして日本ナットウキナーゼ協会が制定。「ナットウキナーゼ」が血栓を溶解し、脳梗塞や心筋梗塞を予防する効果があることを啓発している。関連コンテンツ小児の消化管アレルギー(食物蛋白誘発胃腸症)【すぐに使える小児診療のヒント】副作用編:下痢(抗がん剤治療中の下痢対応)【かかりつけ医のためのがん患者フォローアップ】2日目のカレーは食中毒のリスク【患者説明用スライド】コーヒー摂取量と便秘・下痢、IBDとの関連は?心筋梗塞後の便秘、心不全入院リスクが上昇~日本人データ

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第302回 腸が酒造りしてしまう疾患に糞中微生物移植が有効

勝手に酩酊してしまう困った疾患の米国男性が、健康なヒトからの微生物の移植で無事で過ごせるようになりました1-4)。飲酒していないのに酔っ払ってしまう不可思議な疾患が、古くは1950年代に日本の文献に記録されています5)。半世紀前の1976年には日本の研究者が自動醸造症候群(Auto-Brewery Syndrome:ABS)という病名の患者の様子を報告しました6)。原著は読めていないのですが、他の研究者の解説7)によると、それらのABSは手術をしばしば経ていて腸が不調の中年男性に認められており、酵母(主にカンジダ)が消化管で過剰に増え、摂取した炭水化物を発酵して酔わせるほどのアルコールを生み出していました。ABSの診断は非常にまれです。しかし聞き慣れないことや診断が難しいことに加えて、偏見も診断を妨げている場合もあるに違いなく、診断されていないだけで実際のABS患者はもっと多いようです。米国のマサチューセッツ州の元海兵の60歳代男性もABSの診断に至るまで一苦労しました。男性はもともと元気で健康であり、酒はたまに嗜む程度でした。しかし前立腺炎への抗菌薬を何回か使用した後にひどく酔ったようになる、ぼんやりする、眠くなることを繰り返すようになります4)。男性の酔いは日常生活を困難にするほどひどく、アルコール濃度が制限を超えていたら運転できないようにする呼気検査装置を車に備え付けざるを得ないほどでした。何度か足を運んだ救急科では、男性が飲んでいないとは誰一人信じませんでした。しかし幸いにして、やがてABSの診断に漕ぎ着けられました。男性は患者支援団体とやり取りし、他の誰かの糞の微生物をもらい受ける治療がABSの治療法となりうるとの情報を耳にします。そして、マサチューセッツ総合病院で糞中微生物移植(FMT)を施している医師のElizabeth Hohmann氏に電話をしてみました。最初、Hohmann氏は酔ったような話しぶりの男性の伝言に取り合おうとしませんでした。しかし男性の妻から事情の説明を受けてHohmann氏は聞く耳を持つようになります。Hohmann氏はカリフォルニア大学サンディエゴ校のABS研究者Bernd Schnabl氏に話を持ちかけ、男性にFMTを実施することにしました。FMTで使う微生物入りカプセルは、健康を絵に書いたように元気なパーソナルトレーナー/ジム経営の男性の便から作られました。幸いにもそのカプセルはABS男性に効果があり、アルコールを作る細菌が健康な細菌一揃いに置き換わることで症状が治まりました。男性は2回目のFMTから16ヵ月超を無症状で過ごせています。最初は無視を決め込んでいたHohmann氏にとってABSは今や取り組むべき課題になっているらしく、同氏とSchnabl氏らはABS患者8例へのFMT治療の第I相試験を実施しています。参考1)Hsu CL, et al. Nat Microbiol. 2026 Jan 8. [Epub ahead of print]2)Researchers search for why some people’s gut microbes produce high alcohol levels / EurekAlert3)What causes some people’s gut microbes to produce high alcohol levels? / EurekAlert4)Man whose gut made its own alcohol gets relief from faecal transplant / NewScientist5)Iwata K. A review of the literature on drunken syndromes due to yeasts in the gastrointestinal tract. In: Yeasts and Yeast-Like Microorganisms in Medical Science: Proceedings of the Second International Specialized Symposium on Yeasts. University of Tokyo Press;1972:260-268.6)Kaji H, et al. Mater Med Pol. 1976;8:429-435.7)Mulholland JH, et al. Trans Am Clin Climatol Assoc. 1984;95:34-39.

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NSAIDsによるVTEリスク上昇は本当?~アセトアミノフェンと比較

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、静脈血栓塞栓症(VTE)発症リスクを上昇させる可能性が指摘されている。しかし、VTE発症リスクの上昇は、NSAIDsが必要となる患者背景による影響を受けている可能性も考えられている。そこで、松尾 裕一郎氏(東京大学)らの研究グループは、日本のレセプトデータベースを用いた研究において、NSAIDsとアセトアミノフェンのVTE発症リスクを比較した。その結果、新規にNSAIDsを処方された患者は、アセトアミノフェンを処方された患者と比較して、VTE発症リスクが有意に低かった。一方で、NSAIDsを処方された患者は、NSAIDsを処方されていない患者と比較するとVTEリスクが高かった。著者らは、アセトアミノフェンがVTE発症リスクを上昇させないと仮定すると、NSAIDsがVTE発症リスクを上昇させるわけではないことが示唆されたとしている。本研究結果は、Journal of Internal Medicine誌オンライン版2026年1月3日号で報告された。 研究グループは、JMDCのレセプトデータベースを用いて、NSAIDsまたはアセトアミノフェンが2013年4月~2022年2月の期間に新規処方された18~65歳の患者を特定した。処方日前365日以内にいずれかの薬剤の処方歴がある患者、抗凝固薬の処方歴がある患者、VTEの既往がある患者などが除外された。主要評価項目は、処方から60日以内のVTE(肺塞栓症または下肢深部静脈血栓症)の発症とした。傾向スコアオーバーラップ重み付け法により背景因子を調整し、群間比較を行った。また、NSAIDs非処方患者を対照とした解析、COX-2阻害薬と非選択的NSAIDs/COX-1阻害薬の比較も実施した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、NSAIDs処方群428万2,421例、アセトアミノフェン処方群272万8,202例であった。・追跡期間中にVTEを発症したのは全体で1,504例(0.022%)であった。・傾向スコアオーバーラップ重み付け法により背景因子を調整後、NSAIDs処方群はアセトアミノフェン処方群と比較して、VTE発症リスクが有意に低かった(調整ハザード比[aHR]:0.70、95%信頼区間[CI]:0.62~0.80)。・60日以内のVTE発症率の調整群間差は-0.006%(95%CI:-0.010~-0.003、p<0.001)であった。・NSAIDs処方群はNSAIDs非処方群と比較して、VTE発症リスクが有意に高かった(aHR:3.18、95%CI:2.85~3.55)。・COX-2阻害薬と非選択的NSAIDs/COX-1阻害薬の比較では、VTE発症リスクに有意差はみられなかった(aHR:1.01、95%CI:0.85~1.19)。 本研究結果を踏まえて、著者らは「VTE発症リスクへの懸念からNSAIDsを避けてアセトアミノフェンを選択することは、必ずしも合理的ではない可能性がある」と述べている。

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夜勤と日勤の頭痛有病率、ストレスや睡眠の影響は?

 夜勤は、主に概日リズムの乱れや睡眠障害により、頭痛リスクを高めることが示唆されている。これまでの多くの研究において夜勤者と日勤者が比較されているが、両群間の職務特性や業務内容の違いがバイアスをもたらす可能性がある。デンマーク・The National Research Centre for the Working EnvironmentのRikke Harmsen氏らは、この潜在的なバイアスを最小限にする目的で、同一被験者における異なる労働条件(夜勤と日勤)が頭痛の発症に及ぼす影響を検討した。Headache誌2025年10月号の報告。 Danish hospital sectorの女性雇用者を含む「1001 nights-cohort」において、14日間の反復測定データを用いた解析を行った。データは、2022年9月〜2024年4月に収集された。参加者は、労働時間、睡眠、仕事関連の心理社会的ストレス要因、身体的職務負担、頭痛の発生(あり/なし)に関する毎日の情報を14日間連続で記入し提出した。1回以上の日勤と1回以上の夜勤のデータを有する参加者を解析対象とした。522人の参加者より3,348日の測定(日勤:1,926日、夜勤:1,422日)について回答が得られた。参加した個人内の反復測定を考慮し、可能性のある交絡因子を調整したうえで、頭痛の有病率比(PR)を推定した(調整有病率比:aPR)。 主な結果は以下のとおり。・頭痛は、日勤では21.5%、夜勤では27.9%で報告された。・仕事関連の心理社会的ストレス要因、身体的職務負担、睡眠時間および睡眠の質で調整した場合、夜勤は日勤と比較し、頭痛の有病率が有意に高かった(aPR:1.31、95%信頼区間[CI]:1.13〜1.52)。・連続夜勤では、同様に調整した頭痛の有病率は、最初の夜勤を基準とした場合、2回目の夜勤で最も高かった(aPR:1.20、95%CI:1.02〜1.42)。 著者らは「本研究は、仕事関連の心理社会的ストレス要因と身体的職務負担を考慮し、夜勤の頭痛有病率を日勤の頭痛有病率と比較した初めての研究である。これらの要因(心理社会的ストレス、身体的職務負担)、睡眠時間の短さ、睡眠の質の低下は、夜勤で観察された頭痛有病率の増加を説明できなかった。したがって、夜勤に関連する概日リズムの乱れの連鎖的な影響および根底にあるメカニズムが、夜勤者の頭痛の主な原因である可能性がある」と述べている。

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「全国がん登録」での初の5年生存率発表、小児/成人・性別・進展度・都道府県ごとに集計/厚労省

 厚生労働省は、2026年1月14日に「2016年全国がん登録生存率報告」の結果を公開した。この「全国がん登録」は、すべての病院と都道府県が指定する診療所に対し、がん患者の情報の登録を義務付けた制度であり、2016年から登録が開始され、今回、初めて5年生存率が公表された。【調査概要】目的:全国がん登録によりがん医療の質向上、がんの予防推進、情報提供の充実およびそのほかのがん対策を科学的知見に基づき実施するため、がんの罹患、治療、転帰などの状況を把握し、分析する。調査期間:2016年1月1日~2021年12月31日対象:わが国で診断された日本人および外国人方法:病院などの管理者は、届出対象となっているがんの診断または治療をした場合に届出票を作成し、都道府県知事を介して厚生労働大臣に提出。集計は国立がん研究センターが実施。男性と女性で生存率の部位に差【5年純生存率】 思春期・若年成人(AYA)・成人(15歳以上)の2016年診断の5年純生存率は、胃がんで64.0%、大腸がん(直腸・結腸がん)で67.8%、肝および肝内胆管がんで33.4%、肺がんで37.7%、女性乳房のがんで88.0%、子宮がんで75.5%、前立腺がんで92.1%だった。 国際比較用の年齢調整5年純生存率では、胃がんで67.3%、大腸がん(直腸・結腸がん)で70.2%、肝および肝内胆管がんで37.5%、肺がんで43.3%、女性乳房のがんで86.8%、子宮がんで69.8%、前立腺がんで93.2%だった。 小児では、全分類で82.4%であり、網膜芽腫が97.6%、リンパ腫・リンパ網内系腫瘍が95.7%と高い純生存率を示している一方で、中枢神経系、そのほか頭蓋内、脊髄腫瘍は60.8%と低く、分類によって大きな差が見られた。 2016年の部位別5年純生存率では、男性で5年純生存率が比較的高い(70~100%)部位は、前立腺、甲状腺、皮膚、乳房、喉頭だった。その一方で、生存率が比較的低い(0~29%)部位は、胆のう・胆管、膵臓だった。女性で5年純生存率が比較的高い部位(70~100%)は、甲状腺、皮膚、乳房、子宮体部、喉頭、子宮頸部だった。生存率が比較的低い(0~29%)部位は、男性同様、胆のう・胆管、膵臓だった。【進展度別年齢調整5年純生存率】 進展度別の5年純生存率では、限局と診断されたがんでは、胃がんで90.8%、大腸がん(直腸・結腸がん)で91.6%、肝および肝内胆管がんで51.1%、肺がんで77.4%、女性乳房のがんで98.4%、子宮がんで93.9%、前立腺がんで105.3%となっていた。その一方で、遠隔転移まで進行すると、胃がんで6.0%、大腸がん(直腸・結腸がん)で17.0%、肝および肝内胆管がんで2.5%、肺がんで9.4%、女性乳房のがんで40.1%、子宮がんで21.0%、前立腺がんで53.0%だった。【年齢階級別5年純生存率】 AYA・成人(15歳以上)について、性別・年齢階級別5年純生存率の最大値と最小値の差で見ると、多くの部位で年齢階級を追うごとに生存率は低くなっていたが、前立腺がんでは若年の生存率のほうが低く、皮膚がんでは全年齢階級でほとんど生存率が変わらなかった。 男性では結腸がん、乳房のがん、食道がんおよび前立腺がん、女性では乳房のがん、結腸がんでも年齢階級による生存率の差は小さかった。その一方で、男性では白血病、脳・中枢神経系、悪性リンパ腫および多発性骨髄腫、女性では卵巣、白血病、脳・中枢神経系で差が大きかった。年齢階級による生存率の差は、多くの部位で、男性に比べて女性のほうが大きかった。【罹患数、登録精度、生存率集計対象数】 罹患数、登録精度、生存率集計対象者数について、罹患数の総計は115万3,828例だった。そのうち、死亡情報のみの登録(DCO)が3万1,897例で全体の2.8%、悪性腫瘍以外13万2,492例(11.5%)、診断時年齢不詳および100歳以上1,512例(0.1%)、性別不詳9例(0.0%)を除外して集計対象とした。これらの除外基準は、症例によっては重複して当てはまるものがある。 この結果、生存率集計対象は98万8,985例(本集計時点での上皮内がんなどを含む2016年の罹患数の85.7%)だった。このうち小児の対象者は2,148例だった。【診断から5年後の予後状況】 診断から5年の予後について、全国では52.8%の患者が5年後に生存しており、最も高い55.2%から最も低い49.2%まで、ばらつきの範囲は6ポイントだった。

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ASCO多発性骨髄腫ガイドライン改訂、移植適応初回治療に4剤併用を推奨など/JCO

 米国臨床腫瘍学会(ASCO)・Ontario Health(Cancer Care Ontario)による多発性骨髄腫治療に関するガイドラインの改訂版が、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年1月6日号に公表された。ASCOおよびOntario Health(Cancer Care Ontario)の合同の専門家パネルが論文の系統的レビューを実施し、同定された161の無作為化試験における217論文を基に治療推奨が作成された。 改訂された主な推奨箇所は以下のとおり。・高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫には、積極的モニタリングのほかダラツムマブ(最長36ヵ月)が推奨される場合がある。・移植適応患者の初回治療には、ダラツムマブもしくはイサツキシマブ+ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾンの4剤併用療法(D-VRd/Isa-VRd)を実施すべきである。維持療法には、ダラツムマブ、カルフィルゾミブ、デキサメタゾンの併用の有無にかかわらず、少なくともレナリドミドによる維持療法を実施すべきである。・移植不適応患者には、D-VRd/Isa-VRdの4剤併用療法を実施すべきである。・再発・難治性多発性骨髄腫には、推奨される原則に基づいて3剤併用療法もしくはT細胞リダイレクト療法(CAR-T細胞療法、二重特異性抗体)を実施すべきである。

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疥癬へのイベルメクチン、外用薬に非劣性を示せず/BMJ

 通常疥癬の治療において、経口イベルメクチンは5%permethrin クリームと比較して、臨床的治癒に関して非劣性を示せず、むしろ5%permethrin クリームが統計学的な優越性を有することが、フランス・Groupe Hospitalier PellegrinのFranck Boralevi氏らが実施した「SCRATCH試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2026年1月6日号に掲載された。フランスのクラスター無作為化実薬対照非劣性試験 SCRATCH試験は、フランスの28施設で実施した評価者盲検クラスター無作為化実薬対照非劣性試験(フランス保健省などの助成を受けた)。ダーモスコープで疥癬が確定された体重15kg超の成人および小児を対象とし、2016年1月~2021年12月にインデックス・ケースとして289例を登録した。 これらの患者を、0および10日目に、イベルメクチン(200μg/kg)を食事とともに経口投与する群(142例[小児76例、成人66例]、年齢中央値15.9歳[四分位範囲:7.9~29.9]、女性46.5%)、または5%permethrin クリームを全身(頭部からつま先まで)に塗布する群(147例[85例、62例]、15.8歳[8.0~27.5]、50.3%)に無作為に割り付けた。 クラスター(インデックス・ケースが所属する世帯)の構成員(世帯員)は、インデックス・ケースと同じ治療を受けた(例外として、体重<15kgの小児には5%permethrin クリームを処方)。 イベルメクチン群に142世帯・507例(インデックス・ケースの142例を含む)、permethrin群に147世帯・568例(インデックス・ケースの147例を含む)を割り付けた。 主要アウトカムは、28日目の時点におけるクラスターレベルの臨床的治癒率(インデックス・ケースを含む全構成員で疥癬の徴候および症状が消失したクラスターの割合)とした。副次アウトカムは、28日目の時点での個人レベルの臨床的治癒率および安全性などであった。クラスターと個人の双方で劣った 主要アウトカムは、イベルメクチン群が71.8%、permethrin群は88.5%(群間差:-16.7%ポイント、95%信頼区間[CI]:-26.3~-7.1)であった。 治癒率の群間差の95%CI上限値が非劣性マージン(-10%)より小さくないため、イベルメクチン群のpermethrin群に対する非劣性は示されず、それゆえ優越性の評価は必要ないものの、95%CI上限値が0未満であることから、permethrin群の統計学的な優越性が示唆された。 また、副次アウトカムの28日目の時点での個人レベルの臨床的治癒率については、インデックス・ケースのみ(イベルメクチン群76.6%vs.permethrin群91.5%、群間差:-14.9%ポイント、95%CI:-23.6~-6.2)およびクラスター全構成員(85.3%vs.94.2%、-9.2%ポイント、-14.9~-3.5)のいずれにおいても、イベルメクチン群が劣っていた。治療の好みは良好 参加者の治療の好み(薬剤受容性、使いやすさ)については、permethrin群よりもイベルメクチン群で良好だった(群間差:インデックス・ケース31.5%ポイント、クラスター全構成員23.2%ポイント)。 重篤な有害事象が4件報告されたが、いずれも試験薬との関連はなかった。少なくとも1件の試験薬関連の可能性がある皮膚有害事象は、インデックス・ケースではイベルメクチン群で14例(9.9%)、permethrin群で20例(13.6%)に、クラスター全構成員ではそれぞれ8例(2.2%)および14例(3.3%)に発現した。 著者は、「5%permethrin クリームの0および10日目の全身塗布は、通常疥癬の第1選択の治療法となる可能性がある」「5%permethrin クリームは、小児および若年成人で、ヒゼンダニ殺虫薬の塗布が可能な皮膚の状態の患者や、外用ヒゼンダニ殺虫薬の使用に同意する患者で、分子レベルでの耐性が報告されていない場合に推奨され、これ以外の状況、とくに外用薬の使用が現実的でない場合(例:介護施設、刑務所など)には、経口イベルメクチンの処方が可能と考えられる」としている。

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前糖尿病状態が寛解すれば心臓の健康が守られる

 2型糖尿病の合併症の中で心血管疾患などについては、糖尿病の診断基準に至らない軽度の高血糖状態である「前糖尿病」の段階でも増加することが知られている。しかし前糖尿病が寛解(血糖値が正常化)すると、そのリスクが有意に低下することを示すデータが報告された。心血管死や心不全入院などが半減するという。英キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)のAndreas Birkenfeld氏らの研究によるもので、詳細は「The Lancet Diabetes & Endocrinology」に12月12日掲載された。 前糖尿病では心血管疾患や心不全のリスクが高いため、主として減量を目指した食事療法や運動療法などの生活習慣改善が推奨されている。ただし、そのような生活習慣改善が、心血管疾患などのリスクの抑制につながるのかという点については、依然として十分なエビデンスがない。単に生活習慣を改善するだけでなく、それによって前糖尿病状態が寛解することが重要であるとする考え方もある。これらを背景としてBirkenfeld氏らは、糖尿病予防に関する2件の研究(米国で行われたDPPOSと中国で行われたDaQingDPOS)のデータを事後解析し、前糖尿病寛解の予後への影響を検討した。 DPPOSでは2,402人中275人(11.5%)が、介入の1年後に寛解に到達していた。中央値20年の追跡で、寛解に到達していた参加者の心血管死または心不全入院の発生率は1,000人年当り1.74であったのに対し、寛解に至らなかった参加者は同4.17であり、前者の方が有意に少なかった(P=0.013)。結果に影響を及ぼし得る因子を調整後、寛解に到達した参加者のリスクは5割以上低いことが分かった。同様の結果はDaQingDPOSでも確認され、寛解に到達していた参加者ではやはり、5割以上のリスク低下が示された。 これらの結果を基に著者らは、「前糖尿病の寛解達成は、その後数十年間にわたる心血管死や心不全入院のリスク半減と関連していた。前糖尿病に対する介入において、寛解達成を目標とすることが、心血管疾患予防への新たなアプローチとなる可能性がある」と結論付けている。 本研究の背景についてBirkenfeld氏は、「長年にわたり、前糖尿病の人は体重を減らし運動量を増やして健康的な食生活を送ることで、心臓の発作や早期死亡を予防できると言われてきた。そのような生活習慣の改善は確かに有益だが、それによって前糖尿病の人の心臓発作が減り死亡率が低下するというエビデンスはなかった」と語っている。実際、研究者によると近年は、前糖尿病の人の生活習慣改善では心臓病のリスクは低下しないと考えられるようになってきていたという。 このような状況の中で見いだされた今回の研究結果のインパクトについてBirkenfeld氏は、「現在の予防医学における最大の仮説の一つに疑問を投げかけるものだ」とコメントしている。その上で同氏は、「心臓発作や早期死亡を防ぐために今後は、血圧管理、コレステロール管理、禁煙と並び前糖尿病を寛解に導くことが、第4の主要な一次予防策として位置付けられていくのではないか」と述べている。

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紅茶は高齢女性の骨の健康に良い可能性

 足の付け根の周辺(大腿骨近位部)の骨折をできる限り防ぎたいという女性が自分で用意できる「処方箋」があるとすれば、それは「コーヒーではなく、紅茶を飲むこと」かもしれない。高齢女性を対象とした10年間にわたる研究で、紅茶を飲む人はコーヒーを飲む人に比べて、わずかながら骨密度(BMD)が高く、骨が強いことが示されたのだ。フリンダース大学(オーストラリア)医学・公衆衛生学部のEnwu Liu氏とRyan Liu氏らによるこの研究の詳細は、「Nutrients」に2025年11月23日掲載された。 この研究では、65歳以上の女性9,704人が10年間追跡され、コーヒーまたは紅茶の摂取とBMDの縦断的な関連が検討された。BMDは、骨がもろくなる病気である骨粗鬆症のリスクを評価するための重要な指標である。コーヒーおよび紅茶の摂取量は、2、4、5、6回目の訪問時に自記式質問票によって繰り返し評価された。また、大腿骨頸部および股関節全体のBMDは、二重エネルギーX線吸収測定法によって繰り返し測定された。 その結果、紅茶を飲む女性では、飲まない女性と比べて股関節全体のBMDがわずかに高いことが明らかになった。一方、紅茶の摂取と大腿骨頸部のBMDとの間に有意な関連は認められなかった。また、コーヒーの摂取と大腿骨頸部および股関節全体のBMDとの間にも有意な関連は認められなかったが、1日5杯を超えるコーヒーの摂取はBMDの低下と関連する可能性が示唆された。さらに、生涯のアルコール摂取量が多い女性はコーヒーの悪影響を受けやすい可能性があることや、紅茶の有益な効果は肥満の女性でより強く現れる可能性があることも示された。 研究グループは、紅茶の摂取と非摂取との間で見られたBMDの差はわずかであったことを認めつつも、統計学的には有意であったと説明。そのため、わずかな差でも、より大きな人口集団の健康を考慮すると重要な意味を持つ可能性があるとの見解を示している。 Enwu Liu氏は、「適量のコーヒーは安全であると考えられるが、摂取量が多過ぎるのは理想的とはいえないかもしれない。特に飲酒の習慣がある女性では注意が必要だ」とニュースリリースの中で述べている。 骨粗鬆症は年間数百万件の骨折を引き起こす原因となる疾患で、50歳以上の女性の3人に1人が罹患していると推定されている。Enwu Liu氏らは、何十億人もの人がコーヒーや紅茶を飲むことを毎日の習慣にしているため、これらの飲み物が骨に与える影響を理解することは重要であると指摘している。なお、同氏らによると、先行研究では相反する結果が示されているという。また、これほど多くの女性を10年という長期間にわたって追跡した研究は、これまでほぼなかったことも同氏らは付け加えている。 Ryan Liu氏は、お茶には骨量の減少の抑制や骨形成の促進に役立つ可能性のあるカテキンと呼ばれる化合物が豊富に含まれていると説明。「一方、コーヒーに含まれるカフェインは、実験室での研究でカルシウムの吸収や骨代謝を妨げることが示されている」とニュースリリースの中で述べている。ただし、その影響はわずかであり、ミルクを加えることで相殺される可能性があるとも付け加えている。 Enwu Liu氏は、今回の研究の結果について、「女性はコーヒーをやめたり、お茶を大量に飲み始めたりする必要があることを意味しているわけではない」と強調している。その上で同氏は、「カルシウムとビタミンDが骨の健康に不可欠なものであることに変わりはないが、普段飲んでいるカップの中身も影響する可能性がある。高齢女性にとって、いつもの1杯のお茶は単なる心安らぐ習慣にとどまらず、骨を強くするための小さな1歩になるかもしれない」と述べている。

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第278回 26年度改定「病院に手厚く配分へ」初・再診料と入院基本料を引き上げへ/厚労省

<先週の動き> 1.26年度改定「病院に手厚く配分へ」初・再診料と入院基本料を引き上げへ/厚労省 2.医療機関の倒産、2年連続で最多を更新/帝国データバンク 3.睡眠医療へのアクセス向上へ、標榜診療科に「睡眠障害」追加/厚労省 4.医師偏在対策で管理者要件厳格化、4月施行の療担規則改正/厚労省 5.人材不足で救命救急センター指定辞退へ、体制維持困難/近大奈良病院 6.地域枠「縛り」見直しへ 短時間勤務や県外転出も容認/山梨県 1.26年度改定「病院に手厚く配分へ」初・再診料と入院基本料を引き上げへ/厚労省厚生労働省は2026年度診療報酬改定に向け、中央社会保険医療協議会(中医協)で「これまでの議論の整理(案)」を示し、物価高と賃上げ、人手不足への対応を改定の最優先課題に据えた。改定率は診療報酬本体で+3.09%(2026・27年度平均)とされ、内訳は賃上げ分+1.70%、物価対応分+0.76%、食費・光熱水費分+0.09%などとされる。医療機関の資金繰り悪化で必要な医療サービスが継続できない事態は避けるべきとの認識の下、確実な賃上げと物価高騰の影響吸収を両輪で進める方針だ。具体策として、物件費負担の増加を踏まえ、初・再診料および入院基本料の「必要な見直し(引き上げ)」を行う。加えて、2026・27年度における物件費の更なる高騰に備え、医療機能も踏まえた「物価高騰に対応した新たな評価(特別な項目)」を設定し、配分は病院に手厚い設計とする。食費・光熱水費では、入院時の食費基準額を40円/食、光熱水費基準額を60円/日引き上げる(患者負担は原則同額で、低所得者や指定難病などには配慮)。嚥下調整食の新評価など、入院食の質向上も併せて検討する。賃上げの面では、医療現場の生産性向上の取組と一体で、医療関係職種の賃上げの実効性を高める仕組みを再設計する。看護職員の夜勤負担軽減計画の要件明確化、ICT・AIなどの活用を前提とした業務効率化や基準の柔軟化、医療DX関連加算(診療録管理体制加算、医療情報取得加算、医療DX推進体制整備加算など)の評価見直しも論点に入る。厚労省は、1月14~20日まで意見募集を行い、1月21日の公聴会などを経て、個別項目(短冊)の詰めに入り、2月の答申を目指す。 参考 1) 「令和8年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」に関するご意見の募集について(厚労省) 2) 令和8年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(同) 3) 令和8年度診療報酬改定の基本方針(同) 4) 初診料・再診料・入院基本料を引き上げへ、診療報酬改定の骨子案了承…医療機関の経営安定化図る(読売新聞) 5) 2026年度診療報酬改定を諮問、厚労相 物価・賃金上昇や人手不足に対応(CB news) 6) 若手勤務医や事務職の賃上げ原資拡大 26年度報酬改定、病院に手厚く(日経新聞) 7) 2026年度診療報酬改定、議論の整理案を提示(日経メディカル) 2.医療機関の倒産、2年連続で最多を更新/帝国データバンク帝国データバンクの集計によると、2025年の医療機関(病院・診療所・歯科医院)の倒産件数は67件となり、前年を上回って2年連続で過去最多を更新した。負債総額は248億円に達し、件数・金額ともに高止まりしている。背景には、院長の高齢化と後継者難により事業承継が行き詰まった診療所の廃業・倒産が目立つことに加え、病院経営の構造的悪化がある。医療機関の倒産件数が2023年41件、2024年63件、2025年67件と急増している一方、負債総額は年や月による振れが大きく、単発の大型倒産が全体額を押し上げる構図が読み取れる。とくに2025年は2月など一部の期間に負債額が突出しており、資金繰りが限界に達した病院の破綻が顕在化している。経営環境の悪化は財務指標にも表れている。2024年度の病院経営では約6割が営業赤字、約14%が債務超過に陥り、営業利益率の平均は2年連続でマイナスとなった。診療報酬のプラス改定があったにもかかわらず、コロナ関連補助金の終了、人件費・光熱費・医療資材費の上昇がそれを上回り、「増収減益」に陥る病院が続出した。医師の働き方改革に伴う人員増や賃上げ圧力も、固定費を押し上げている。その一方で、訪問介護など老人福祉事業の倒産も2025年は139件と高水準で推移しており、医療・介護をまたぐ提供体制全体が経営危機に直面している。地域医療を担う病院ほど採算性の低い政策医療を抱え、設備更新の先送りや投資凍結に追い込まれるケースも少なくない。倒産件数の増加は、個々の経営努力だけでは吸収しきれない構造問題を示しており、医療提供体制をどう維持するかが改めて問われている。 参考 1) 25年の医療機関倒産は67件 帝国データバンク集計(MEDIFAX) 2) 医療機関の倒産、2年連続で最多更新 25年は66件 帝国データバンク調べ(CB news) 3) 2025年12月 倒産動向データ(帝国データバンク) 3.睡眠医療へのアクセス向上へ、標榜診療科に「睡眠障害」追加/厚労省厚生労働省は、1月15日に医道審議会・診療科名標榜部会を開き、医療機関が標榜できる診療科名に「睡眠障害」を追加することを了承した。今後、内科や精神科、小児科など既存の診療科名と組み合わせた形での標榜が可能となる見通しで、3月に議論を取りまとめ、法令改正手続きに入る。背景には、睡眠障害に悩む患者の増加と、受診先がわかりにくいという課題がある。日本睡眠学会は2025年4月、睡眠医療へのアクセス向上を目的に「睡眠障害」を標榜可能な用語に追加するよう要望していた。現状では、不眠症患者の多くが内科や精神科を受診し、睡眠時無呼吸症候群の患者は内科や耳鼻咽喉科に分散して受診しているが、症状と診療科の結び付きが国民にわかりにくいとの指摘があった。標榜診療科名の追加にあたっては、独立した診療分野を形成していること、国民ニーズが高いこと、わかりやすく適切な受診につながること、診療に必要な知識・技術が医師に広く定着していること、という4つの基準を総合的に判断する。部会では、睡眠障害はいずれの要件も満たすとの認識が共有され、異論は出なかった。部会ではとくに「睡眠障害小児科」への期待も示された。小児の睡眠時無呼吸や不眠が見過ごされやすい現状があり、早期介入により発達障害様症状が軽減するとの報告もある。睡眠障害を標榜可能とすることで、潜在的な患者の掘り起こしや早期診断につながるとの見方が示された。日本睡眠学会は今後、精神科、内科、耳鼻咽喉科など関連学会と連携し、講習会やeラーニングを通じた診療体制の底上げを進める方針だ。睡眠障害の標榜化は、診療の「旗」を明確に掲げることで医療アクセスを改善し、地域間格差の是正にも寄与すると期待されている。 参考 1) 睡眠障害の標榜について(厚労省) 2) 標榜可能な診療科名に「睡眠障害」追加可能へ 医道審議会部会(MC Plus) 3) 標榜診療科名に「睡眠障害」追加を了承 3月に取りまとめへ 医道審・部会(CB news) 4.医師偏在対策で管理者要件厳格化、4月施行の療担規則改正/厚労省厚生労働省は1月16日に開かれた中央社会保険医療協議会(中医協)で、昨年12月の医療法改正などを踏まえ、「保険医療機関及び保険医療養担当規則(療担規則)」の見直しについて厚生労働大臣に答申を行った。改正規則は2026年4月1日から施行され、保険医療機関の管理者に関する要件と責務が新たに明記される。改正の柱は、管理者要件として「臨床研修修了後、保険医として病院で3年以上診療に従事した経験」を求める点。医師偏在対策の一環として位置付けられており、診療所ではなく「病院での従事経験」に限定した点が特徴となる。その一方で、経過措置として、すでに管理者を務めている医師には同一機関で管理者を継続する限り適用しない。また、自治医科大学卒業者の義務年限中の医師や、医師少数区域でキャリア形成プログラムに基づき従事する医師、矯正医官・自衛官などとして5年以上勤務した医師、管理者の急逝など止むを得ない事情で医療機関を承継する場合などは、要件を満たすとみなされる。具体的な該当例は今後、通知などで示される予定。あわせて、管理者の責務として、診療報酬請求を含め療担規則を順守するよう従事者を監督することが明文化される。管理者の役割を法令上明確化することで、保険診療の適正化を図る狙いがある。さらに、医療法改正に伴い新設される「オンライン診療受診施設」についても規制が整備される。原則として、保険薬局との一体的な構造・経営や利益供与を禁止し、医療資源が乏しい無医地区などに限って例外的に認める。薬局と医療機関の独立性を確保し、健康保険制度の健全運営を担保するためだ。管理者要件の厳格化とあわせ、医療提供体制の質と公正性が改めて問われることになりそうだ。 参考 1) 医療法等改正を踏まえた対応について(その2)(厚労省) 2) 療担規則の見直しを答申、「管理者の責務・要件」明記(MEDIFAX) 3) 保険医療機関の管理者要件、従事経験規定へ「病院で3年以上」 療担規則に(CB news) 5.人材不足で救命救急センター指定辞退へ、体制維持困難/近大奈良病院近畿大学奈良病院(奈良県生駒市)は、人材確保が困難な状況が続いているとして、救命救急センターの指定を2026年3月31日で辞退する。本年1月14日付で奈良県に指定辞退届出書を提出した。2003年に救命救急センターの指定を受け、県内の高度救急医療を担ってきたが、全国的な救命救急医不足の影響を受け、体制の安定的維持が困難と判断した。同センターでは2025年度も12月末までに約3,300人の入院患者を受け入れてきた。近畿大学病院(大阪府堺市)からの医師派遣に依存してきた側面もあるが、大学病院側でも人員に余裕がなく、継続的な派遣が難しくなっていた。私立大学病院などに公募を行うなど人材確保に努めたものの、十分な救命救急医を確保するには至らなかったという。指定辞退後の4月以降は、ICU(集中治療室)8床を休床する一方、救命救急センターとして運用してきた24床を、継続的な高度管理を要する重症患者向けのハイケアユニット(HCU)に転換し、重症患者の受け入れ自体は継続する方針。病院として救急医療から全面的に撤退するわけではないが、24時間体制で最重症患者を受け入れる高度救命救急機能は縮小される。奈良県によると、同病院の指定辞退により、2026年4月以降、県内の救命救急センターは奈良市の県総合医療センターと橿原市の県立医科大学附属病院の2施設体制となる。生駒市の小紫 雅史市長は「指定辞退は非常に重大」としつつ、医師の働き方改革が進む中で高度救急体制の維持が難しい現実にも理解を示し、市立病院との連携などで市民への影響を最小限に抑える考えを示した。今回の事例は、救急医不足と働き方改革が地域の高度救急医療体制に直接的な影響を及ぼし始めている現実を浮き彫りにしている。 参考 1) 近畿大学奈良病院における救命救急センターのハイケアユニット(HCU)への転換について(近畿大学) 2) 救命救急センターの指定辞退へ 近大奈良病院 人材確保難で(CB news) 3) 近大奈良病院 医師不足で救命救急センターの指定辞退へ(NHK) 4) 近畿大学奈良病院、救急救命センターの指定を辞退 人材確保が困難 重症受け入れは継続(産経新聞) 6.地域枠「縛り」見直しへ 短時間勤務や県外転出も容認/山梨県山梨県は1月16日に副知事が臨時記者会見を開き、医学部地域枠医師に課している就業義務と違約金制度を見直す方針を明らかにした。地域枠は、医師免許取得後15年間のうち9年間を県内で勤務すれば修学資金の返還を免除する制度だが、県は多様な働き方やキャリア形成に十分配慮できていなかったとして、制度の柔軟化に踏み切る。具体的には、これまで就業義務としていた週31時間以上の勤務に加え、育児や介護など家庭の事情に対応するため、週31時間未満の短時間勤務や非常勤勤務も義務履行として認める。また、県内勤務の中断理由についても、従来の「災害、疾病、産休・育休」に限定していた要件を拡大し、新たに介護、留学、大学院進学、研究従事を追加する。本人に将来的な県内勤務の意思が確認できる場合、結婚や介護などで一時的に県外へ転出しても、違約金の対象外とする。背景には、地域枠医師に最大約842万円の違約金を科す条項を巡り、消費者団体から提訴され、この1月20日に判決が予定されている問題がある。山梨県は5年前、地域枠からの離脱者が出たことを受け、修学資金返還に加えて違約金を課す制度を全国で初めて導入したが、「人権侵害ではないか」「人生の変化が大きい時期に過度な拘束を課している」との批判が医学生や医療関係者から相次いでいた。全国的に地域枠は医師不足対策として拡大し、定員は医学部全体の約2割を占める。その一方で、入学時に将来の勤務を約束させる制度設計や、後出し的な義務強化に疑問の声も根強い。今回の見直しは、ペナルティー中心の運用から、医師のキャリアや生活に配慮した制度への転換を模索する動きとして注目される。 参考 1) 山梨県副知事臨時記者会見(YouTube) 2) 山梨県地域枠等医師キャリア形成プログラムの違約金条項に対する差止請求訴訟の状況について(消費者機構日本) 3) 山梨県、「地域枠」医師の就業義務見直し 多様な働き方に対応(日経新聞) 4) 山梨県 医学部の地域枠制度 違約金の支払い要件見直しへ(NHK) 5) 医学部地域枠、学生へムチ「違約金」最大842万円 人権侵害の声も(朝日新聞) 6) 山梨県の医学部学費貸与、「違約金840万円は違法」 NPOが提訴(同)

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第93回 RRRとARRという2つの指標【統計のそこが知りたい!】

第93回 RRRとARRという2つの指標臨床試験の結果を正確に理解するためには、相対リスク減少(Relative Risk Reduction:RRR)と絶対リスク減少(Absolute Risk Reduction:ARR)という2つの指標を知ることが重要です。相対リスク減少(RRR)と絶対リスク減少(ARR)は相対リスク、絶対リスクによって求められます。相対リスク(リスク比)、絶対リスクは次式によって求められる値です。相対リスク=治療群リスク÷対照群リスク絶対リスク=対照群リスク-治療群リスク相対リスク減少(RRR)と絶対リスク減少(ARR)は次式によって求められます。RRR=1-相対リスクARR=絶対リスク今回は、このRRRとARRの違いについて説明し、医学論文を読む際の注意点を解説します。■RRRとARRは、治療法の有効性を評価するために使われる指標です。相対リスク減少(RRR):治療によるリスクの相対的な減少率を示します。絶対リスク減少(ARR):治療によるリスクの絶対的な減少量を示します。ARRの逆数をNNT(Number Needed to Treat)といい、治療1件当たりの効果を得るために治療が必要な患者数を示します。■心血管疾患予防薬の事例ある臨床試験では、新しい薬剤Aの有効性を従来の薬剤Bと比較しました。1)試験の結果:薬剤Bを使用した対照群(1,000例中30例が心血管イベント発生)薬剤Aを使用した治療群(1,000例中15例が心血管イベント発生)2)計算:対照群のリスク:30/1,000=0.03(3%)治療群のリスク:15/1,000=0.015(1.5%)RRR=1-0.015/0.03=0.5(50%)ARR=0.03-0.015=0.015(1.5%)NNT=1/0.015=66.63)解釈:RRRは50%と非常に大きく見えますが、ARRは1.5%に過ぎません。この試験では、心血管イベントを1件減少させるために67例の治療をする必要があることがわかります。■RRRとARRの違いに注意RRRは目を引く指標ですが、ARRを併記しない場合、治療の実際の効果が過大評価されるリスクがあります。また、以下の点に注意が必要です。臨床的意義:RRRが高くてもARRが低い場合、その治療法の有用性は限定的です。母集団の影響:ベースラインリスクが低い場合、ARRも低くなり、NNTが増加します。リスクを評価する際にはまず、ARRやNNTを用いることが大切です。RRRとARRは、治療効果を評価する上で補完的な役割を果たします。RRRが治療効果の相対的な大きさを示す一方、ARRはその治療の実際の臨床的意義を明らかにします。医学論文などを読む際にはこれらの指標を適切に解釈しなければなりません。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第2回 リスク比(相対危険度)とオッズ比セクション1 分割表とリスク比リスク比からの有意差検定第4回 ギモンを解決!一問一答質問5 リスク比(相対危険度)とオッズ比の違いは?(その1)質問5(続き) リスク比(相対危険度)とオッズ比の違いは?(その2)統計のそこが知りたい!リスク比とオッズ比の違いは?

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造血器腫瘍の感染症~新薬の登場で加わる新知見~【Oncologyインタビュー】第55回

出演国立がん研究センター東病院 感染症科 冲中 敬二氏造血器腫瘍の治療に感染症対策は欠かせない。新規薬剤が登場する中、感染症の発生機序や対策も変わってきている。国立がん研究センター東病院の冲中 敬ニ氏に、造血器腫瘍における最新の感染症対策について解説いただいた。

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英語で「狭窄」ってどう言う?【患者と医療者で!使い分け★英単語】第46回

医学用語紹介:狭窄 stenosis医学用語で「狭窄」はstenosisといいます。診断書や画像所見で頻繁に使われますが、そのまま患者さんに伝えても理解されにくいため、説明時にはより平易な言葉で言い換える必要があります。どんな言葉に言い換えるとよいのでしょうか?講師紹介

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2型糖尿病/肥満者の体重減少、GLP-1RA vs.SGLT2i vs.頭蓋磁気刺激

 2型糖尿病患者および肥満者の体重減少に寄与する薬剤以外の有効な治療方法にはどのようなものがあるであろう。イタリア・ミラノのIRCCSマルチメディカ内分泌・栄養・代謝疾患科のAnna Ferrulli氏らの研究グループは、肥満および2型糖尿病患者を対象に、GLP-1受容体作動薬セマグルチド(0.5mg/週)、SGLT2阻害薬、および肥満に対する新たな治療法として登場した反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の有効性を比較した。その結果、rTMS治療は、セマグルチドと同等の体重減少効果を示すことがわかった。この結果はObesity誌オンライン版2025年12月26日号に公開された。反復経頭蓋磁気刺激とセマグルチドの効果は同等 研究グループは、SGLT2阻害薬治療を受けた40例、セマグルチド治療を受けた37例、rTMS治療を受けた30例を後ろ向きに解析した。rTMSは週3回、5週間実施したほか、全患者は中程度のカロリー制限(-300kcal/日)に関する食事指導を受けた。 主な結果は以下のとおり。・12ヵ月後の体重減少量では、rTMS群(-8.2±1.0kg)とセマグルチド群(-5.7±0.9kg)に有意差は認められなかった。・SGLT2阻害薬群の減少量(-2.0±0.7kg)は、セマグルチド群およびrTMS群と比較して有意に少なかった(それぞれp=0.01、p<0.0001)。・SGLT2阻害薬群では6ヵ月目から12ヵ月目にかけて体重が再増加した一方で、セマグルチド群およびrTMS群では体重が漸減した。 以上の結果から研究グループは、「rTMS治療は、セマグルチド(0.5mg/週投与)と同等の体重減少効果を示し、肥満および2型糖尿病治療における有望な介入法となる」と結論付けている。

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RSVのワクチン接種を受けていた妊婦は約11%/国立成育医療研究センター

 呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染は、乳児の下気道感染症の主要な原因であり、多大な罹患、入院、医療費の増大を引き起こす。RSV母子免疫ワクチンは近年いくつかの国では公費で提供されているが、わが国では任意接種で高額な自己負担費用がかかるため、実際の接種率や社会経済的背景による差は依然として不明確である。そこで、国立成育医療研究センター社会医学研究部 臨床疫学・ヘルスサービス研究室の大久保 祐輔氏らの研究グループは、妊婦のRSVワクチンの接種率とその決定要因について全国調査を行った。その結果、ワクチン接種を受けていた妊婦は約11%に過ぎないことが判明した。この結果は、Journal of Infection and Chemotherapy誌2026年1月号に掲載された。妊婦のRSVワクチン接種、約9割が費用が高いと回答 研究グループは、2024年7月~2025年8月に出産した女性を対象に全国調査を実施した。質問票では、妊婦のRSVワクチンの接種状況、費用の負担感、ワクチン接種への躊躇に関する5Cモデルを含む関連意識、および人口統計学的特性を評価した。接種率を推定し、多変量修正ポアソン回帰分析を用いて接種に関連する要因を分析した。 主な結果は以下のとおり。・回答者1,279人のうち11.6%が妊婦用RSVワクチンの接種を受けていた。・世帯年収や教育歴が高いほどワクチン接種率が高い傾向が認められた。・関東圏外の地域および経産婦では接種率は低く、不妊治療歴のある妊婦、妊娠中のインフルエンザまたはジフテリア・百日咳・破傷風ワクチン接種歴のある妊婦では高かった。・5C領域では、「自信」と「集団的責任感」が高い接種率と関連し、「計算」は低い接種率と関連していた。・接種者の87.2%が費用を「高い」と評価し、未接種者が接種しなかった理由は「予防効果を知らなかった」(28.9%)と「ワクチンの存在を知らなかった」(27.3%)であり、77.5%が「無料であれば接種をする」と回答した。 研究グループは、「わが国の妊婦向けRSVワクチン接種率は低く、接種率は社会経済的・地域的格差が認められた。主な障壁は認知度の低さと高額な自己負担費用であった。自己負担費用の軽減と医療提供者による推奨の標準化により、接種率向上と不平等緩和が期待される」と結論付けている。

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