治療抵抗性高血圧、amilorideはスピロノラクトンに非劣性/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2025/05/27

 

 治療抵抗性高血圧の治療において、カリウム保持性利尿薬のamilorideはスピロノラクトンに対し、家庭収縮期血圧(SBP)の低下に関して非劣性が認められたことを、韓国・Yonsei University のChan Joo Lee氏らが、同国の14施設で実施した無作為化非盲検評価者盲検臨床試験の結果で報告した。これまで、治療抵抗性高血圧患者においてスピロノラクトンとamilorideの有効性を比較した無作為化臨床試験は行われていなかった。結果を踏まえて著者は、「amilorideは治療抵抗性高血圧の治療に有効な代替薬となりうることが示された」とまとめている。JAMA誌オンライン版2025年5月14日号掲載の報告。

12週時の家庭SBPのベースラインからの変化量を評価

 研究グループは、2020年11月16日~2024年2月29日に19~75歳の治療抵抗性高血圧患者(レニン-アンジオテンシン系阻害薬、Ca拮抗薬、サイアザイド系利尿薬の3剤併用療法にもかかわらず、スクリーニング前12ヵ月以内の外来血圧モニタリングで日中の平均SBPが130mmHg以上と定義)を登録し、導入期としてアムロジピン、オルメサルタン、ヒドロクロロチアジドの固定用量3剤併用療法を4週間行った後、平均家庭SBPが130mmHg以上の患者118例を、スピロノラクトン(12.5mg/日)群(60例)またはamiloride(5mg/日)群(58例)に1対1の割合で無作為に割り付けた。

 無作為化4週間後に平均家庭SBPが130mmHg以上、血清カリウムが5.0mmol/L未満の場合は、投与量をそれぞれ25mg/日、10mg/日に増量した。

 主要エンドポイントは、12週時の家庭SBPのベースラインからの変化量の群間差とし、非劣性マージンは信頼区間(CI)の下限が-4.4mmHgとした。副次エンドポイントは、家庭および診察室でのSBP 130mmHg未満の達成率であった。

変化量は-13.6±8.6mmHg vs.-14.7±11.0mmHg

 118例の患者背景は、年齢中央値55歳、男性が70%であった。α遮断薬の使用(amiloride群8.6%、スピロノラクトン群0%)以外の患者背景に群間差はなかった。ベースラインの家庭血圧の平均値(±標準偏差)はamiloride群で141.5±7.9mmHg、スピロノラクトン群で142.3±8.5mmHgであった。

 12週時の家庭SBPのベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)は、amiloride群で-13.6±8.6mmHg、スピロノラクトン群で-14.7±11.0mmHg。群間差は-0.68mmHg(90%CI:-3.50~2.14mmHg)であり、amiloride群のスピロノラクトン群に対する非劣性が示された。

 家庭SBP 130mmHg未満達成率はamiloride群で66.1%、スピロノラクトン群で55.2%、診察室SBP 130mmHg未満達成率はそれぞれ57.1%および60.3%であり、両群間に差はなかった。

 安全性については、スピロノラクトン群では1例がめまいと急性腎障害、amiloride群では2例がめまい、1例が高カリウム血症により試験治療を中止した。両群とも試験期間中に女性化乳房を発症した患者は認められなかった。

(ケアネット)