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2008年の5歳未満の子どもの死亡数、死因:MDG4達成に向けて

2008年の世界193ヵ国における5歳未満の子どもの死亡数は879万5,000人、その死因の68%が感染症であることが、アメリカJohns Hopkins Bloomberg公衆衛生大学院のRobert E Black氏らによる系統的な解析で示された。子どもの死亡率は、社会経済的な発展や子どもへの生存介入が実行された結果として世界的に低下しているが、いまだに毎年880万人が5歳の誕生日を迎えられずに死亡している。ミレニアム開発目標4(MDG4)の目的は、「2015年までに5歳児未満の死亡率を1990年の水準の3分の1に削減する」ことであるが、特に南アジアとサハラ砂漠以南のアフリカ諸国では達成が難しい状況にあり、その改善には子どもの死因に関する最新情報の収集が重要だという。Lancet誌2010年6月5日号(オンライン版2010年5月12日号)掲載の報告。2008年の193ヵ国における原因別の死亡数を算出研究グループは、5歳未満の子どもの主な死亡原因について、2008年の最新の推定データを報告した。多原因比例死亡モデル(multicause proportionate mortality model)を用いて生後0~27日の新生児、1~59ヵ月の小児の死亡を推定し、死因が予測可能な場合は単一原因死亡モデルを用い、健康状態登録データの解析を行った。中国とインドの新データは、以前に実施されていた統計モデルに基づく予測に代わって、これらの国で使用されている全国データを採用した。193ヵ国における死亡原因を推定し、5歳未満の子どもの国別の死亡率および出生率にこれらの推定値を当てはめることで、国、地域、世界の原因別の死亡数を算出した。死因の68%が感染症、41%が新生児、5ヵ国で49%を占めた2008 年における世界の5歳未満の子どもの死亡数は879万5,000人と推定され、そのうち68%(597万人)は感染症が原因で死亡しており、肺炎が18%(157万5,000人)、下痢が15%(133万6,000人)、マラリアが8%(73万2,000人)であった。死亡した子どもの41%(357万5,000人)が新生児であり、その最も重大な原因として早産合併症が12%(103万3,000人)、出生児仮死が9%(81万4,000人)、敗血症が6%(52万1,000人)、肺炎が4%(38万6,000人)を占めた。5ヵ国(インド、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、パキスタン、中国)で、5歳未満の子どもの死亡の49%を占めた。著者は、「これら国別の子どもの主な死因の推定値は、国の計画や援助国の支援の焦点をどこに置くべきかを検討するうえで役立つであろう」とまとめ、「MDG4の達成は、妊婦、新生児、小児の健康状態への介入によって多大な死亡数の抑制に取り組むことでのみ可能となる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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20年間で世界の子どもの死亡数は減少したか?:MDG4達成に向けて

世界の5歳未満の子どもの死亡数は1990~2010年の20年間で420万人減少し、低所得国を含む13地域では低下速度が加速化していることが、アメリカWashington大学のJulie Knoll Rajaratnam氏らによるミレニアム目標4(MDG4、2015年までに5歳児未満の死亡率を1990年の水準の3分の1に削減する)の進捗状況の調査から明らかとなった。MDG4の目標達成期限まであと5年しか残されていない。以前の調査では、MDG4達成の軌道上にある国は4分の1以下であることが示され、2000年以降になされた施策構想や投資の観点からは、MDG4達成に向けた進展に増強傾向が認められるか否かの見極めが重要なことが示唆されているという。Lancet誌2010年6月5日号(オンライン版2010年5月24日号)掲載の報告。1970~2010年における187ヵ国の5歳未満の子どもの死亡について検討研究グループは、1970~2010年における187ヵ国の5歳未満の子どもの死亡数について検討した。健康状態登録システム、国勢調査の略式出産記録、完全出産記録などの情報源のデータをすべて用いて死亡に関する1万6,174の測定値のデータベースを構築した。ガウス過程回帰モデルを用いて出生から5歳までの死亡の推定値を算出した。本試験は、子どもの死亡の推定にガウス過程回帰モデルを使用した初めての研究であり、この手法は従来の方法に比べサンプル外の予測の妥当性が良好で、データのタイプの違いに起因するサンプリングおよび非サンプリングエラーによって生じる不確かさを把握できる。健康状態登録システムと、新生児(生後1ヵ月未満)および0歳児(生後1ヵ月~1歳の誕生日の前日まで)の死亡に関する情報を含む完全出産記録に基づく1,760の測定値を使用して得た5歳未満の子どもの死亡数から、新生児、0歳児、1~4歳児の死亡数を推定した。子どもの死亡率の迅速な低減は、世界の医療の継続的な優先課題世界の5歳未満の子どもの死亡数は、1990年の1,190万人から2010年には770万人にまで低下した。2010年の内訳は、新生児の死亡数が310万人、0歳児は230万人、1~4歳児が230万人であった。5歳未満の子どもの死亡の33.0%が南アジアで発生し、49.6%がサハラ砂漠以南のアフリカ諸国で発生していたが、高所得国は合わせても1%に満たなかった。世界21地域で新生児、0歳児、1~4歳児の死亡率が低下していた。1990~2010年までの新生児死亡率の年次低下率は2.1%であり、0歳児死亡率の年次低下率は2.3%、1~4歳児の場合は2.2%であった。サハラ砂漠以南のアフリカ諸国を含む世界13地域では、1990~2000年の10年間に比べて2000~2010年の方が死亡率の低下速度が加速化しているとのエビデンスが得られた。サハラ砂漠以南のアフリカ諸国のうち死亡率の低下率が1%以上であったのは13ヵ国(アンゴラ、ボツワナ、カメルーン、コンゴ、コンゴ民主共和国、ケニア、レソト、リベリア、ルワンダ、セネガル、シエラレオネ、スワジランド、ガンビア)であった。著者は、「5歳未満の子どもの死亡のロバスト測定により、いくつかの低所得国では死亡率の低下速度が加速化していることが示された。これらの良好な進展は注目に値するものであり、施策への関心の高まりや医療資源の増強を求める声が大きくなる可能性がある」と結論し、「死亡率の改善が加速化している国のほとんどがMDG4を達成できないであろうが、国際的な共同体は医療資源や技術供与によってこれらの動向の助成に重要な役割を担いうると考えられる。子どもの死亡率を迅速に低減させることは、世界の医療の優先課題であり続けなければならない」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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臨床検査結果をインターネット経由で入手可能に -BMLが臨床検査結果のWEB照会サービスを開始-

 臨床検査受託大手のビー・エム・エル(東京都渋谷区)は、医師が臨床検査結果をインターネット経由で閲覧できるサービス「WEB照会サービス」を開始した。インターネットを介することで半日から1日の時間短縮が見込める。 ビー・エム・エル(BML)社では従来、血液検査の場合、医療機関から検体を受け取った当日に検査を開始し、翌日までに検査結果が判明する。その検査結果が全国の営業所に伝送された後、現地にて出力し、検査結果が届くのが翌日午後であった。本サービスを利用すると、医師がインターネットを通じてアクセスすれば、検査結果が総合研究所内の専用サーバーに保存された時点で、検査結果を知ることができる。従来に比べて後工程が短縮されるため、医師は検査結果を得るまでの時間が半日から1日短縮できる。 特に細菌、病理検査は紙を使った結果報告であったため、総合研究所において得られた結果が全国の営業所に郵送された後、医療機関に届けられていた。本サービスでは、診断確定後、データサーバーに検査結果が格納されるため、画像やグラフ、数値などの検査結果を電子的に入手できるようになり、入手までの時間が1~2日ほど早くなる。診断結果によって治療内容が大きく異なる感染症、がんなどにおいてはより一層注目される。さらに、分離菌集計状況の集計、使用薬剤の耐性傾向の分析などの統計処理機能を備えており、院内感染対策にも活用できる。 この「WEB照会サービス」は、利用申込み後、電子証明書が発行され、利用するパソコンにインストールすることで本人確認が行われる。ID、パスワードは利用者ごとに発行され、データは暗号化されて取り扱われる。導入コスト、人的負荷、専門知識を必要としないため、導入や操作が簡単なことも医師にとってはありがたい。 5月にサービスを開始して依頼、診療所中心に毎日数十件を超える申し込みがあるという。BML社は幅広いユーザー層の利用を想定している。 電子カルテや他のWEBサービスとのデータ連関が実現すれば、サービスの充実化、拡大につながると考えられる。

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東邦大学医学部が『研修医支援』新プログラムを導入へ

東邦大学医学部は15日、医師のワークライフバランスを保つ職場環境づくりを行い、潜在医師(研修を受けられなかった国家資格保有者)を減らす施策として、研修医のための新しいプログラムを導入すると発表した。まずは同プログラムの一環として、平成23年度前期臨床研修プログラムから、子育て・出産などの事情で4月に研修を開始できない研修希望者に対して、10月から開始できる「男女共同参画型臨床研修プログラム」が東邦大学医療センター佐倉病院で導入される。このプログラムは、24時間保育の可能な佐倉病院を基幹型病院として研修が行われるため、出産・育児と研修を無理なく両立でき、個別事情による研修開始の時期変更や一時中断など、研修希望者の様々な状況に配慮されている。研修方式は、通常の前期臨床研修医と同等、24ヵ月にわたる厚生労働省が定める到達目標に準じているため、到達目標達成後は、希望専攻する診療科での後期臨床研修へと連続した形で研修を継続できる。個別事情等で研修が期間内に修了できない場合でも引き続き形成的な研修が行われ、修了後より希望専攻する診療科での後期臨床研修を行うことが可能である。 【お問い合わせ先】 東邦大学医学部 卒後臨床研修/生涯教育センター(TEL:03-3762-4151/FAX:03-5763-6574)http://www.trainee.med.toho-u.ac.jp/ 女性医師支援プログラム(支援体制)http://www.t-womd.med.toho-u.ac.jp/program/support.htm

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尿道スリング手術、恥骨後式と経閉鎖孔式どちらが有効?

腹圧性尿失禁の手術療法である尿道スリング手術について、スリングタイプの違い(恥骨後式と経閉鎖孔式)の有効性と合併症に関する大規模な比較検討試験が行われた。結果は両者の有効性は同等で、合併症がそれぞれ異なることが明らかにされている。米国アラバマ大学バーミンガム校のHolly E. Richter氏ら尿失禁治療ネットワークの研究グループによるもので、NEJM誌2010年6月3日号(オンライン版2010年5月17日号)で発表された。術後12ヵ月時点の手術の成功率を、主観的、客観的に評価し比較1996年にUlmstenらが発表した、メッシュテープを用いて恥骨裏側に吊り上げる恥骨後式は、従前のバーチ法(膣断端を腹部靱帯に固定し尿道を吊り上げる)と有効性・安全性で差異はない。それでも尿道スリング手術実施は100万件を超え手術療法の標準治療となりつつあるという。一方で、恥骨後式で術後問題となる合併症(排尿困難、切迫性尿失禁など)回避のため編み出されたのが経閉鎖孔式で、合併症の原因となる膀胱や腸への傷害を回避するために開発された。しかし両タイプについては、小規模な優位性試験で有効性は同等であると確認されているのみで、Richter氏らは大規模な多施設共同の無作為化同等試験を行った。試験は、2006年4月~2008年6月の間に3,521例が登録、うち597例が無作為化され、術後12ヵ月時点の治療成功を主要アウトカムに評価が行われた。被験者平均年齢は66歳、43人の外科医が平均10例ずつ手術を施行していた。主要アウトカムは、客観的判定(誘発テスト陰性、24時間尿パッドテスト陰性、再治療なし)と主観的判定(MESA調査票に基づく症状の自己申告なし、3日間排尿日誌に尿漏れエピソード記録なし、再治療なし)の両方で行われた。同等性マージンは、±12ポイントと定められた。合併症は、恥骨後式が排尿障害、経閉鎖孔式は神経学的症状12ヵ月時点の主要評価が行われたのは、565例(94.6%)だった。客観的評価による治療成功率は、恥骨後式80.8%、経閉鎖孔式77.7%で、両式の差は3.0ポイント(95%信頼区間:-3.6~9.6)で同等性マージンの基準も満たしていた。一方、主観的評価では、それぞれ62.2%、55.8%で6.4ポイント差(同:-1.6~14.3)と、同等ではあったがマージンの基準は満たさなかった。合併症に関しては、手術を要した排尿障害発生の割合は、恥骨後式の方が高く2.7%で、経閉鎖孔式は0%だった(P=0.004)。反対に神経学的症状(麻痺、脱力感)の発生は、恥骨後式4.0%に対し、経閉鎖孔式が9.4%だった(P=0.01)。術後の切迫性尿失禁の発生は有意差がなかった。また、術後満足感、QOLに対する満足感についても有意差がなかった。これらからRichter氏は、「有効性はほぼ同等。手術を考慮する患者とは合併症の違いについて、十分話し合う必要があるだろう」と結論している。(医療ライター:武藤まき)

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侵襲性細菌感染症の遺伝子感受性

世界で年間死者500万人に達する結核やマラリアなどの侵襲性細菌感染症で、疾患感受性の個体差が一部で有意にみられることについては、栄養失調やHIV罹患など環境要因によると考えられているものの、実態としては謎のままである。そこで、シンガポール遺伝子研究所感染症疾患部門のChiea C. Khor氏らは、感染症病原体に対するヒト免疫応答に注目した。免疫応答の際には炎症性サイトカインが産生される。その反応が過剰となると(サイトカインシグナル伝達により)、マラリアなどの重症化を招くのではないか。一方でヒト免疫応答には、炎症反応をコントロールするサイトカインシグナル伝達抑制蛋白質CISHが存在し関与することも知られる。Khor氏らは、CISHが疾患感受性と関連しているのではないかと仮定し、検討を行った。NEJM誌2010年6月3日号(オンライン版2010年5月19日号)掲載より。8,402例の血液検体を用いて、CISH遺伝子多型と主要感染症感受性との関連を調査Khor氏らが注目したのは、病原体免疫応答にプリンシパルな炎症誘発性のサイトカインであるインターロイキン(IL)2と、そのIL-2において特にシグナル伝達をコントロールするCISH[Cytokine-inducible SRC homology 2(SH2)domain protein]。ガンビア、香港、ケニア、マラウイ、ベトナムで行われた感染症の症例対照研究(計7件)の対象者8,402例の血液検体を用いて、CISH遺伝子多型と主要感染症(菌血症、結核、重症マラリア)感受性との関連を調べた。なお研究グループは、これまでにこの対象者で20の免疫関連遺伝子の検討を行っている。CISH変異体と感染症感受性との関連を確認結果、複数のCISH遺伝子多型の変異アレルが、感染症の感受性増大と関連していることが認められた。またCISH関連遺伝子座で特定した一塩基多型遺伝子(SNP)5つ(-639、-292、-163、+1320、+3415)を、一つの多重SNPとみなした場合、CISH遺伝子変異体と主要感染症(菌血症、結核、重症マラリア)感受性との間の関連性が確認された[すべての比較P=3.8×10(-11)]。特に-292変異体は、関連するシグナル伝達のほとんどに関与していた[P=4.58×10(-7)]。また、-292変異体を有する成人被験者から採取した末梢血分子細胞は、野生型細胞と比べて、IL-2産生刺激に対する反応が弱く、CISH発現が25~40%少ないことも明らかになった。Khor氏は、「CISH変異体が、多様な感染症病原体に起因する疾患感受性と関連しており、サイトカインシグナル伝達抑制因子は種々の感染症に対する免疫に関与していることが示唆された。またCISH変異アレルを有するヒトでは、主要感染症のうちの一つの全リスクが18%以上増加した」とまとめている。(医療ライター:武藤まき)

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教授 白井厚治先生「「CAVI」千葉県・佐倉から世界へ 抗動脈硬化の治療戦略」

東邦大学医療センター佐倉病院内科学講座の教授で、前院長。医局のモットーは総合力と専門性を両方備えた医師育成。一人でも多くを救うこと。加えて先端医療の開発をモットーにしている。最近では、血管機能検査CAVIの開発に参画し、国内から海外にも発信。肥満症治療については脂肪細胞、脂質代謝の基礎研究から心理学まで動員して新しい治療システムを構築中。動脈硬化の分野で新しい治療体制の扉を開く動脈硬化は、地味な分野ですが、ご存知のとおり、脳梗塞、心不全、さらには腎不全をもたらし大きく個人のQOLを低下させ、また社会的損失も大きい疾患です。これに対し、病変動脈、静脈の直接的治療を循環器グループが担う一方、「動脈」が水道管でなく、生きた機能を持った臓器とし見、それに細胞生物学と代謝学を応用して治療・予防法を打ち立てるというのが夢でした。実は、は最近の治療学の進歩は著しいのを目の当たりあたりにしますが、30年前には不治の印象が強く、生命現象そのものの解明が必要で、とても自分の能力では歯が立たないと思い避けたのも事実です。動脈硬化なら多少とも代謝学的側面から治療できるのではないかと思ったりもしました。これまで、副院長6年、院長3年と病院の経営面にも携わりましたが、医療現場は人間が担うものであり、かつ科学性を保って運営されるべきもので、根本原則は、病気を見ることと変わらないと思いました。みんなして誠意を尽くし、精一杯がんばれば、経営のほうが、なんだかんだといっても人の作った制度の運用ですから、患者さんがいる限り、道は開けると思います。しかし、対疾病への取り組みは、神が創った摂理と破綻への挑戦ですから、数段難しいと思います。でも、全身全霊、日々、改革、改良に向けやり続けるのが、医師の誠意だと思います。それには、効率よくみんなが取り組めるセンター方式が必要と、糖尿病・内分泌・代謝センターを9年前に立ち上げました。場所、人の問題で、思い立って3年ほどかかりましたが、皆さんの協力でできました。そのころから、病棟と外来が一体となった継続看護治療システムも導入され、看護師も病棟での看護結果が外来でどのように効果が出ているのか確認しあい、フィードバックをかけるシステムが導入、大きかったのは、患者さん全員に、「ヘルスケアファイル」という手書きのファイルをお渡しし、代謝要因の変化と日常生活管理がどのように結びつくかをグラフで表すシステムを導入したことです。患者と医師のみでなく、家族にも分り、医療スタッフも採血者、受付、看護師、栄養士も一目瞭然に個々の病態が把握でき、互いにコミュニケーションが取れやすくなったのがよかったです。若い研修医にとっても数年の治療経過を見れば、病態がわかり最大の教科書にもなっています。診療体制を分りやすく、すっきり整えることは、生活習慣病と呼ばれる一連の疾患にとても有用と思います。若い医師も情熱を持った人たちが幸運にも集まり、地に足をつけ、真に役立つ研究を進めてくれたのも、推進力になってくれました。動脈硬化発生機序の解明とCAVIの開発研究学会のマニュアル、ガイドラインは大切ですが、大学病院の使命はその先を見つめることにあります。その眼は、字づらで覚えたことではなく、自然との対話、すなわち研究の基盤なくして開かれないと思います。ささやかながら病理、細胞培養実験から、動脈硬化とコレステロールの関係は直接ではなく、コレステロール自身が酸化され、オキシステロールになると強力な組織障害性をもち、慢性炎症が引きおこすとしました。これに基づき、強力な抗酸化作用を持つ脂質低下剤プロブコール投与による糖尿病性腎症の抑制効果を見いだしました。結局、末期腎硬化症は動脈硬化と同じような機序で起こると考えたからです。また、動脈硬化の臨床研究には、簡便で経時的に測定できる指標が必要ですが、これまで必ずしも十分なものがなかったわけです。これに対して、血管弾性を直接反映するCAVIという検査法の開発に携わったところ、これまで見えなかった部分がどんどん見えるようになりました。これは、内科の循環器、代謝チーム、それに生理機能検査部が一体となり、精力的に仕事をしてきた結果です。循環動態を把握するうえで、血管抵抗を反映することがわかり、これは血圧計に匹敵する意味を持つわけで、まだまだその妥当性をさまざまな角度から検証する必要がありましたが、循環器、代謝領域の疾患や、薬物治療成績が英文論文となり、世界に向けて発信し始めたところです。今後、日常診療の中から、動脈硬化治療が見出される可能性もあり、楽しみです。肥満・メタボリックシンドロームへの低糖質食、フォーミュラー食の応用を中心に、チーム医療体制を確立動脈硬化診療は診断に加え、予防と治療が究極目標ですが、動脈硬化の主な原因として肥満の意味は大きく、糖尿病、高血圧、脂質異常を伴い、所謂メタボリックシンドロームを引き起こします。すでに当院では15年前から肥満への取り組みをチームで始めており、治療として低糖質食、その極みとして安全で効果のあるフォーミュラー食を実施しています。今、欧米では低糖質がよいとの論文が出始めましたが、当院では、入院時にも低糖質食を用いています。またフォーミュラー食は必須アミノ酸を含むたんぱく質とビタミン、ミネラルをパウダーにしたものを水で溶かして、飲んでもらうものです。それによる減量効果特に、内臓脂肪の減少度が高く、それに伴い代謝改善度も一般通常食より効果があり、そのメカニズムは、動物実験でも検証中です。脂肪細胞自身のインスリン感受性関連分子の発現が上がっていることが確認されました。研究面では脂肪細胞から分泌されるサイトカイン、分子、酵素、さらに脂肪細胞分化に加えて、「人」の行動様式にも興味を持ち、毎月、オベシテイカンファランスを開き、内科医、栄養士、看護師は無論のこと、精神科医、臨床心理士も加わり、症例への総合的アプローチを試みています。肥満が解消できない理由に、ハイラムダー型と呼ばれるパーソナリテイを持つ人が肥満患者さんに多いことも見出されました。また、入院中に、何らかの振り返りができ、周囲との関係も客観化できるようになると、長期予後がよいことも見出しており、メンタルサポートは必須と思われます。このような成功例に遭遇すると、チーム全体が活気づくのも不思議です。これから、これらチームのバックアップで肥満外科治療も始まります。患者さんデータを集約したヘルスケアファイルで真の地域連携の夢を糖尿病を中心とした生活習慣病は、結局、本人の自己努力に大きく依存します。人は決して命令で動くものでなく、自分で納得、わかって初めて真の治療が始まります。その際、さまざまな情報を錯綜させないために、1冊のノートをつくり、なるべくグラフ化、マンガで示す方式で、病態理解をはかっています。これをヘルスケアファイルと呼んでいます。きちんとしたデータの推移をみて、各種職域の人が適切なアドバイスができます。また、もっと重要なことは、患者本人が自分の経過を一覧すると、そこから、自分の特性が分かるというものです。医療者自身にも勉強になり、多職種の方々がのぞきこむことによって、患者さん個々の蓄積データに基づき、最適なアドバイスができるというメリットがあります。これは、病院内の代謝科、循環器、神経内科などにとどまらず、眼科とも共通に使えますが、さらに、これで院外の施設とも、真に患者さん中心の医療ができます。できれば、全国国民全員が持つべきで、これで、医療費削減、効率化、医学教育もでき、これを如何に全国的に広めてゆくか楽しみ考えているところです。若い医師へのメッセージ:自分の医学を打ちたてる現在、各種疾患は、学会がガイドラインなどを決め、医療の標準化が進み、それはそれで、一定のレベルにまであげることでは意味があるでしょう。現場に立てば、ほとんどがそれを基礎に幾つかのバリアンスがあり、物足りないはずです。確かに一杯本もあり、インターネットでも知識はふんだんに得られます。でも、結局医師は、自分の医学を自分で打ち立てるのが原則でしょう。決して独断に走れというのではなく、ささやかでも、自分のデータをまとめ、自分として言えるファイルを作ることです。それは、先輩の先生から呟きとしておそわりました、教えてくれるのを待っていたって本当のところは教えられないし、頭を下げても教えてもらえることは少なく、自分で、縦軸、横軸を引き、そこにプロットさせ因果関係を探れといわれましたが、その通りです。ささやかでも、自分の経験症例をまとめておき、そこから何が発信できるか日夜思考錯誤してください。それが、許される余裕と良き指導者がいるところで、研修はすべきでしょうし、後期研修もそんな環境で自己研鑽することが大切でしょう。専門分野の選考は、社会的にニーズが高いところに向かうべきで、無論雰囲気も大切ですが、はやり、楽というよりは、皆が困っているところに入り込こむ勇気が大切でしょう。そこで、頑張れば、面白く楽しく医師生活をやって行けるでしょう。今後も、佐倉病院でなければ、できないことに向けて頑張ってまいります。お待ちしています。質問と回答を公開中!

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教授 白井厚治先生の答え

最近のゼロカロリージュースについて0キロカロリーのコーラなどが最近は多く売られてますが、代謝内分泌学的には糖尿病の方に自信を持って勧められているのでしょうか?あくまで噂に過ぎないのですが、ああいうゼロカロリー飲料そのものには確かにカロリーがなくても、一緒に他の食事を摂った時に他の糖質の吸収を促進する作用があると聞きました。。。。PS:そもそも、人工甘味料のアスパルテームが身体に良いかどうかわかりませんし、炭酸飲料は身体に悪いのかもしれませんが。。。実際に、カロリーゼロ表示の飲料物を飲んでもらい、30分から120分まで、採血したところ、血糖の増加はほとんど見られないものもありましたが、なかにはあがるものもあり、原因は、カロリーゼロ表示は、糖質0.5%以下で使っているとのことでした。ですから、成分表示で、糖分ゼロと明記しているものは大丈夫でしょうが、それ以外のものは、大量飲めば、血糖は上がる可能性があります。アスパルテームについては、アミノ酸摂取として評価してよいと思われます。極端に、多用しなければ問題ないと思います。高感度CRPについて高感度CRPは動脈硬化の一つのいい指標でしょうが、上気道炎、歯肉炎などの炎症にても上昇すると理解しています。そうすると、風邪の流行している季節などでは動脈硬化の判定ができずらくなるということはないでしょうか?その通りで、CRPは体内でほかに目立った炎症がない場合にのみ、動脈硬化(炎症性反応としての)の指標として意味がありますが、特異性は、高感度CRPを用いてもありません。大規模スタデイで、ある治療の効果などをみるにはよいでしょう。しかし、日常診療で、個々の例に当てはめ、それのみで、あなたは動脈硬化があります、ありませんとの判定に用いるのは、困難と思います。逆に、動脈硬化のためと決め込んで、ほかの炎症、などの初期を見逃す可能性もあります。個人には参考にする程度でよいのではないでしょうか。破壊性甲状腺炎の診断動悸、全身倦怠、微熱、軽い咽頭痛の症状で他院受診。FT3 10.4,FT4 4.6 TSH感度以下、 抗体陰性(TPO、TG、TRAb,TSAb)でCRP 1前後、血沈正常からやや亢進、甲状腺エコーでまだら様low echo部位のある患者さんが当院紹介となりました。ヨードuptake 1%以下で破壊性甲状腺炎と診断しましたが、一貫して頸部痛はありません。頸部痛のない亜急性甲状腺炎と判断するのか、咽頭炎併発の無痛性甲状腺炎と迷いました。これでTPO抗体やTG抗体が陽性であればさらに橋本病の急性増悪とも迷うところです。頸部痛のない亜急性甲状腺炎という病態はあると考えて宜しいのでしょうか。また今回のケースではありませんが橋本病の抗体が陽性の場合、無痛性甲状腺炎と橋本病の急性増悪との鑑別についてもご教授いただければ幸いです。甲状腺機能亢進でTSAb、TRAb陰性、さらにヨードuptakeの低下という所見は破壊性甲状腺炎に矛盾しません。破壊性甲状腺炎には、亜急性甲状腺炎と無痛性甲状腺炎があります。亜急性甲状腺炎は炎症反応があり、low echo部位を認めるととも頸部痛はほぼ必発です。本例では頸部痛なしなので、亜急性甲状腺炎とは言えないでしょう。従って、無痛性甲状腺炎の可能性が強くなります。無痛性甲状腺炎は、多くは橋本病を基盤とした疾患とされており、本例がTPO、TGの抗体が陰性であることから、合致しません。まだ特定されていませんが何らかのウィルスによる甲状腺炎かもしれません。実際、本症例をどうするかですが、私なら経過観察が重要と考えます。ホルモン値を追跡し、下がればそれでよく、もし、炎症反応が強くなったり、頸部痛が出現してきたりすれば、亜急性甲状腺炎と考えて、ステロイド投与も考慮していくべきでしょう (当面はNSAIDでも十分)。甲状腺機能亢進症が長引くようであれば、甲状腺中毒症状に応じて、メルカゾールを適量処方、経過観察します。術前術後の糖尿病コントロール経口糖尿病薬は手術前後は禁忌となっています。手術前後とはどれくらいの期間をいうのでしょうか。その間はインシュリンでコントロールすることになりますが基本的なやりかたをご教示ください。手術の種類、術後の食事摂取の状況からも、ことなり、一律にはいえないと思います。一般に消化管手術は、吸収が不安定なこともあり、最低前1日、後7日間くらいは、血糖測定下でのインスリン治療が望まれます。SU剤を中止してのインスリン量の決定は、個々異なり、試行錯誤ですが、グリペングラマイド(2.5mg)3T/日では、およそ、インスリン必要量は、8-12単位くらいではないでしょうか。当院では、毎食前血糖測定後、血糖(mg/dl)100-120、  120-150、150-200、200-250、250-300 それぞれ、インスリン(レギュラー)2-4、4-6、6-8、8-10、10-12単位打つことを目安にしています。大学病院に足りないもの先生が大学病院の経営のみならず、臨床の現場でもご活躍されている様子、記事で拝見しました。大学病院の上から下までご存知の先生にお聞きしたいことがあります。「今、大学病院に足りないもの」を一つ挙げるとしたら、なんでしょうか?今や大学病院も収入につながる診療に振り回され、臨床研究の機会がどんどん減っているような感があります。周りの若手を見ても、診療に疲れて、「大学病院でバリバリ研究するぞ!」という気概を感じることができません。魅力ある大学病院を作るために何が必要なのか?何が足りないのか、日々悩んでいる状況です。ご教授頂けると幸いです。こんな時代の今こそなぜ、大学病院にいるのか、どのような姿勢をとるのか、原点が問われていると思います。それというのも、いろいろ言われていますが、医療の原点である患者さんの満足度(医療レベルもふくめ)を中心に、医師をきちんと配備し、グループ、科の壁を乗り越え、互いに手を出し合ってゆけば、大学病院は採算的にやってゆけるというのが実感でした。ただそこには、多くの若い医師たちがいるということ、即ち、採算的にみると、薄給でがんばってくれている若手医師がいるからこと成り立つことを忘れてはなりません。それに対して、彼らが大学病院にいる存在意義を見出すには、スタッフが魅力的な医療技能を提示でき、全身全霊をかけて患者さんを診ているすばらしい姿をみせること。若手医師は今の医療を学ぶのみでなく、医療を開拓していくメンバーの1人として、テーマを持ち未解決なものを解決する術を身につけることの充実感とそれによる自信が必要と思います。従って、大学スタッフの責任は重大で(それだけやりがいがあるという意味です)、面白い研究テーマを見つけ、その解決を目指してあらゆる手段を用い(基礎、臨床研究)、しかもそれを楽しみながらやっている姿勢を見せ続けることです。そして、病院の業務に追われ疲れているように見えた時こそ、それらを吹き飛ばす面白い研究テーマを突きつけるべきです。マンネリと疲労から脱出させる最良の方法となります。先生のようなやる気のある上級医師は、遠慮せず、怖がらず若手医師に語りかける続けることでしょう。今の医学教育は研究の面白さ楽しさを感じ取るレセプターを育成していませんから、苦労しますが、でも、わかってくれる日が必ず来ると思います。CAVIの開発についてCAVIにはいつもお世話になっています。お恥ずかしい話、先生が開発に携わっていたこと、知りませんでした。このような新しい技術や検査機械の開発はどのように始まり、進行していくものなのでしょうか?また、このように周りを上手く巻き込んでいく時のポイント、秘訣などありましたらご教授頂きたいです。宜しくお願いします。CAVIは、今次々と新しい事実が見出されています。大切なことは、若い先生方に興味を持ってもらえ、いったん途絶えていた血管機能学が代謝学と連携して再度面白くなり始めたことです。CAVIと巡り合ったいきさつですが、たまたま、開発初期に相談をうけたわけで、私が発想し持ち込んだわけではありません。ただ、血管機能については興味をもち30年前から大動脈脈波速度(長谷川法=血圧補正法)を毎年透析患者さんで10数年にわたり測定していました。そこでPWVの限界と可能性を私なりに理解していたつもりです。今回CAVIの初期のデータとりをする中で、計算式決定まで多少紆余曲折がありましたが、バイオメカニクスの科学と臨床成績から現在の式が最終決定され、以後広い臨床評価が始まりました。そこには、長年血管機能解析に興味を持ち続け誠実にデータを蓄積分析してくれていた施設と人がいたこと、会社も、科学性と臨床データ両面を尊重し互いに納得のいくまで検討できたこと、また脈波感知と分析に高度の技術を発揮した優秀なスタッフがいたことが幸運だったと思います。加えて、全国の大御所というよりは若手研究者の方がCAVIに素直に興味をもってくれ、いわゆる大学の研究室よりは、一般病院で、素養のある先生方が先行して出された研究が多く、現場で開拓心旺盛な医師の存在が大きく浮かび上がりました。新しい世界を開くのは情熱ある若手医師とつくづく思いました。無理に誰かを巻き込もうとしたこともなく、CAVIそのものの原理と測定の安定性が最大の牽引力であったと思います。でもまだまだ、これから多くを検証する必要があります。佐倉病院でないとできないこととある病院で研修医やっている者です。先生の記事を興味深く読ませて頂きました。文末にある「佐倉病院でないとできないことに向けて頑張っていく」という言葉が印象的です。記事を読んでいると、佐倉病院さんはとてもチームワークが良く、ドクターもコメディカルも同じ目標に向かって猛進しているような印象を受けました。(先生のところだけかもしれませんが...。)「佐倉病院にしかできないこと」というのは、そのように「チームワークが良い病院でしかできないこと」なのでしょうか?それともまた何か他とは違う特徴が佐倉病院さんにはあるのでしょうか?基礎も臨床もしっかり行い、しかも全て患者さんのためになっている様子に感銘を受けました。ご回答宜しくお願いします。どこの場にいても、そこを、地球上で一番すばらしいところにしてやろうという気持ちが大切です。恵まれてすべてが整っているところほど、これからの人にとってつまらない場所はないと思います。とにかく、その場での問題点を探し、皆が一番困っているところを見つけ出し、その解決に向けて、できるとところを一歩一歩解決してゆく姿勢を評価、支援しあえる環境が佐倉病院にはあるということです。内科も、外科医に負けないような患者さんに感謝される治療学を確立しようと、研究テーマの根幹は、酸化、再生、免疫制御、栄養の4本柱で、おのおの磨いているところです。たとえば、呼吸器は抗酸化療法で間質性肺炎に挑戦、代謝は、肥満治療を分子から栄養、こころの問題と多面的に捉える治療、特に肥満外科治療が開始されましたがその術前術後のフォロー、フォーミュラー食(低エネルギー低糖質、高たんぱく食)の応用と基礎、糖尿病腎症に対するプロブコールを用いた抗酸化療法で透析療法移行抑制試験、循環器は、インターベンションに加えて、これから、難治性心不全に対する鹿児島大鄭教授の開発した和温療法実施と評価、睡眠時無呼吸と不安定狭心症の関係をみつけその治療システムの確立、消化器は、炎症性腸疾患のメッカとして、顆粒球除去療法、レミケード療法、神経内科は、排尿障害を中心に、パーキンソン病の深部脳刺激治療のバックアップ、再生医療も狙っています。研究は、各グループ専門を超えて互いに連携しています。原則として、できれば自然の法則性を体感するため、医師は基礎研究もする機会を経験してもらいたいものです。研究開発部の協力のもとに細胞培養、酵素学、遺伝子実験をできる体制を敷いています。要するに、病気を多面的にいくつかの独自の視点をもって診、医療を開拓してゆける人の育成がもっとも大切と考え、それには、チーム医療、他コメヂィカルとも力を合わせ、初めてできることと考えています。理想の地域連携とは先生がお考えになる「理想の地域連携」の姿とはどんなものでしょうか?また、その理想の姿になれない、理想の姿になるのを阻んでいる障害はなんでしょうか?(実現されていたら申し訳ないです。)現在、私も地域連携について勉強はしているものの、なかなか思うような形にできません。障害が多すぎて、「理想的」どころが「現実的」な連携フローにもなっていません。宜しくお願いします。地域となるとさまざまな価値観の人がおり、同じ言葉でも受け取り方が違ったり、利益配分に問題が出たりで、そう簡単に理想的な地域連携ができるわけではありません。しかし、今の医療は、個々の医療人が隔離状態で医療行為を行えるほど甘くなく、互いに、助け合って連携せざるをえないと思います。でも問題は、ただ患者さんを送りあえば医療連携になるかといえばそうでもなく、問題は患者さんも含めて、互いにわかりあい納得できることが大切で、それには情報の整理集約が必須です。私どもは、生活習慣病を中心としたヘルスケアファイルと呼ばれるノートを患者さん全員にお渡ししています。そこには、動脈硬化リスク因子、標準体重、BMI、臓器障害の有無、程度、さらに主要な検査値はグラフで提示するシステムを用いています。これで、関わる医師は無論、クラークさん、看護師さんも経過が一目瞭然。するとアドバイスも適切。また家族もわかり、応援しやすくなります。これを地域に広げたいというのが私どもの夢です。ただこのファイルは、血圧、糖尿、脂質、尿酸、体重、一般検査を含んでおり、全部網羅していると思います。わがままかもしれませんが、これ一冊にしていただきたいのです。一般には、00手帳が3つも5つももっておられる方もいますね。でもなんだかわからないというのが実情です。大人版、母子手帳を作るべきだと思います。チームワーク先生、チームをまとめ上げるために必要なものはなんでしょうか?チームワークというと「みんな仲良く」というイメージがありますが、決してそうではないと思います。きっと先生は、今までのご苦労の中から「これが大事!」というもの発見されていると思います。それを教えてください。宜しくお願いします。リーダーは、今自分らの分野で何が問題で、それを解決するために、どう力を互いに出し解決するかを提言し続けること。 即ち、小さなグループミーチングでも、プロジェクトを提示し、その成果がささやかでも出たら皆で確認し、面白がること。プロジェクトは、参加者全員が順に一つずつ持つように絶えず心がけていると、みんなに参加意識と存在感さらい自信が生まれます。すると、とたんに楽しく動き始めます。低糖質食私も低糖質食でメタボを脱却したものですが、抵糖質食の心血管病変に対してrisk reductionあるのでしょうか?食事の内容によっても大きく変化するのでしょうか?低糖質、高蛋白食が減量に効果があるとともに、血圧、血糖、脂質異常などの冠動脈リスク因子を減らすことは、海外のスタデイでも、ほぼ一致して報告されています。インスリン抵抗性解除作用と思います。ただし長期(1年)になると元に戻るとの報告もあり、それを鵜呑みに意味がないという人もいます。しかしその食事調査結果をみると、実際の摂取成分がもとに戻っており、実はそう長くは自己調整を続けられなかたというのが実態で、低糖質、高蛋白食は長期になると効果がなくなるというものではないわけです。御質問の「では実際、心血管イベントを減らせたか」はもっとも重要な点ですが、上述のごとく、通常食で成分調整を長年にわたり継続すること自体がほとんど不可能なため、年余にわたる低糖質、高蛋白食の冠動脈疾患の発生を抑えるかどうかの研究自体ができないのです。本当は、このような基本となる栄養組成の研究こそ、国が、コンプライアンスを保障できる食事の宅配便制度などを利用し、長期にわたる調査を企画運営すべきです。そこにこそ研究費をつぎ込むべきです。薬物のようにメーカー主導のエビデンスベーストメデイシンは、この分野では行われることはないでしょう。現在、ある程度コンプライアンスをよくして低糖質、高蛋白食の効果を見る方法とすれば、フォーミュラ食を一日一回用いるなどの方法が考えられます。また、長期のイベントの発生調査を、より短期に予測しうる方法があれば、即ち、動脈硬化のよいサロゲートマーカーがあれば早期に結論が出せるかもしれません。それには、新しい動脈硬化指標CAVIが使えるかもしれないとの淡い期待を、持っています。教授 白井厚治先生「「CAVI」千葉県・佐倉から世界へ 抗動脈硬化の治療戦略」

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高齢者の心不全入院期間2日以上短縮、院内・30日死亡率は低下

 1993~2006年にかけて米国では、高齢者の心不全による入院期間は2日以上短縮し、院内死亡率や30日死亡率も低下していたことが、調査により明らかにされた。一方で、30日再入院率は1割程度増加していた。スペインGregorio Maranon大学病院循環器部門のHector Bueno氏らが、心不全による入院700万件弱について調べたもので、JAMA誌2010年6月2日号で発表した。これまで、心不全による最近の入院日数短縮傾向についての報告はあったが、それに伴う患者のアウトカムについては不明だった。心不全の平均入院期間は8.81日から6.33日へ、院内死亡率は8.5%から4.3%へ 同氏らは、米国高齢者向け公的医療保険メディケアの出来高払いプランに加入する人の、1993~2006年の心不全による入院695万5,461件について、入院日数や院内・30日死亡率、30日再入院率などについて調べた。 その結果、心不全による平均入院期間は1993年の8.81(95%信頼区間:8.79~8.83)日から2006年の6.33(同:6.32~6.34)日へと減少していた。同期間の院内死亡率もまた、8.5(同:8.4~8.6)%から4.3(同:4.2~4.4)%へと減少した。 30日死亡率は、12.8(同:12.8~12.9)%から10.7(同:10.7~10.8)%へと、同じく減少していた。高齢者の心不全入院患者の自宅復帰・在宅ケア移行は減少、30日再入院リスクは1.11倍に 一方、高齢者の心不全入院患者が退院後に自宅復帰や在宅ケアへ移行した割合は、74.0%から66.9%に減少し、逆にスキルド・ナーシング施設への退院は、13.0%から19.9%へと増加がみられた。 また、30日再入院率は、17.2(同:17.1~17.3)%から20.1(同:20.0~20.2)%へと増加していた。 2005~2006年の1993~1994年に対する補正後30日死亡率リスク比は、0.92(同:0.91~0.93)、補正後30日再入院リスク比は、1.11(同:1.10~1.11)だった。

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ST上昇型急性心筋梗塞の再潅流、ガイドライン勧告時間外の実施で30日死亡リスクは2倍超

ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)に対し、フィブリン溶解など再潅流治療をガイドライン勧告時間外に実施した場合、30日死亡リスクは、2倍超に増大することがわかった。カナダQuebec Healthcare Assessment AgencyのLaurie Lambert氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2010年6月2日号で発表した。STEMI患者に対する、迅速な再潅流治療実施の重要性については知られているが、実際の医療現場における、実施までの経過時間とアウトカムとの関係を評価したものはほとんどないという。勧告時間外の再潅流治療実施で30日死亡リスクは2.14倍Lambert氏らは、2006~2007年にかけて、ケベック州における急性心筋梗塞治療の95%以上を担う、80ヵ所の病院で試験を行った。その結果、試験期間中にSTEMI患者で再潅流治療を行ったのは1,832人で、うちフィブリン溶解が392人(21.4%)、主要経皮的冠動脈血管形成術(PPCI)が1,440人(78.6%)だった。フィブリン溶解を行った患者のうち、ガイドライン勧告の30分以内に実施できなかったのは54%だった。またPPCI実施患者のうち、同勧告の90分以内に実施できなかったのは68%だった。両治療群を合わせると、ガイドライン勧告時間内に治療を実施しなかった群の補正後30日死亡リスクは6.6%と、時間内に治療を行った群の3.3%に比べ、有意に高率だった(オッズ比:2.14、95%信頼区間:1.21~3.93)。なお、1年後死亡リスクについては、両群で有意差はみられなかった(オッズ比:1.61、同:1.00~2.66)。1年後死亡や再入院、時間外実施でリスクは1.57倍に1年後の死亡と、うっ血性心不全や急性心筋梗塞による再入院の統合アウトカムの発生率も、再潅流治療を勧告時間内に実施しなかった群は15.0%、実施した群は9.2%と、実施しなかった群で有意にリスクが高かった(オッズ比:1.57、同:1.08~2.30)。ケベック州において、STEMI患者で再潅流治療を時間内に実施する人の割合が10%増すごとに、地域の30日死亡率は20%程度減少する計算になった(オッズ比:0.80、同:0.65~0.98)。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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スタチン投与中の糖尿病例において最低限到達しなければならないLDLコレステロール値は?

糖尿病合併例におけるLDLコレステロール値の管理目標値は120mg/dL未満が推奨されているが、アドヒアランス不良のため、コントロールが不十分な例も少なくはない。フルバスタチンが投与された高コレステロール血症合併糖尿病患者の大規模市販後調査の結果より、心イベント発症抑制のためにはLDLコレステロール値を最低限180mg/dL未満に管理することが重要であることが、東京医科大学 小田原雅人氏より第53回日本糖尿病学会学術集会にて発表された。これはフルバスタチンが投与された高コレステロール血症の長期投与時における心イベント発症率とその危険因子を検討した市販後調査Lochol Event Monitoring(LEM) Studyの糖尿病患者におけるサブ解析より得られた知見。3,000例を超える糖尿病と高コレステロール血症の併発例を3年以上追跡 LEM StudyはHMG-CoA還元酵素阻害薬フルバスタチン(販売名:ローコール)20~60mg/日が投与された高コレステロール血症患者を一次予防群で5年、二次予防群で3年追跡した調査。2000年4月1日から2002年3月31日まで中央登録方式で21,139症例が登録され、その内19,084例が安全性評価対象例とされた。LEM Studyの結果は2009年に開催された第41回日本動脈硬化学会学術集会において発表されているが、今回、糖尿病合併の有無で層別解析した結果が発表された。評価対象例のうち、糖尿病患者は3,325例(17.4%)、非糖尿病患者は15,759例(82.6%)であり、高血圧合併例、心疾患合併例は糖尿病患者群で多かった。糖尿病合併の有無にかかわらず、LDLコレステロール値、総コレステロール値、トリグリセリド値はフルバスタチン投与前より有意に低下した。255例に心イベントが発現し、糖尿病患者群で2.1倍多く発現していた(p

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2型糖尿病でメトホルミン服用患者、ビタミンB12値の管理が強く勧められる

2型糖尿病患者へのメトホルミン長期投与は、ビタミンB12欠乏症のリスクを増大すると、オランダ・Academic Medical Center眼科部門のJolien de Jager氏らが、無作為化プラセボ対照試験を行い明らかにした。「ビタミン12欠乏症は予防可能で、試験の結果は、ビタミンB12値の定期的な測定が強く考慮されなければならないことを示唆するもの」と結論している。BMJ誌2010年5月29日号(オンライン版2010年5月10日号)掲載より。無作為化プラセボ対照試験で、メトホルミン長期投与の提供を検証Jager氏らは、2型糖尿病でインスリン治療を受けている患者で、メトホルミン(商品名:メトグルコ、メルビンほか)長期投与によるビタミンB12欠乏症(150pmol/L未満)、ビタミンB12不足(150~220pmol/L)の発症率の影響と、血中葉酸濃度、血中ホモシステイン濃度について検討を行った。被験者は、オランダの3つの非大学病院外来クリニックから、390例が集められ、メトホルミン850mgを1日3回服用群と、プラセボ服用群に無作為化され、4.3年治療を受けた。主要評価項目は、基線から4、17、30、43、52ヵ月時点の、ビタミンB12、葉酸、ホモシステインの各変化%値とした。4.3年でビタミンB12は19%低下プラセボ群と比べてメトホルミン治療群は、ビタミンB12、葉酸の低下との関連が認められた。平均低下%値は、ビタミンB12が-19%(95%信頼区間:-24~-14、P

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中国成人の糖尿病診断、HbA1c値を用いるなら6.3%が適切

糖尿病診断のHbA1c値について、中国での最適な基準値を特定することを目的とした多段階階層断面疫学調査が行われた。上海糖尿病センターのYuqian Bao氏らが、中国人成人4,886例のデータを解析した。BMJ誌2010年5月29日号(オンライン版2010年5月17日号)掲載より。結果、欧米で診断基準として使用されている6.5%以上よりも6.3%が優れていることが明らかになったという。なお、日本では5月末の第53回日本糖尿病学会で、診断基準「6.5%以上」(JDS値6.1%以上)で統一を図っていくことが発表されている。上海住民4,886例のデータから、HbA1c値の感度、特異度を調査調査は、2007年5月~2008年8月の間に上海市内6地点で集められた、糖尿病歴のない20歳以上中国人4,886例(男性1,828例、女性3,058例、平均年齢49.4歳)を対象に行われた。糖尿病診断は、FPG値の基準(1999年版WHO基準)を用い、一方で測定したHbA1c値の診断検出力のパフォーマンス変化が最も高い閾値を検討した。両者の相関にはピアソン相関分析を用い、ROC曲線検定でHbA1c値の糖尿病診断の感度と特異度を調べた。被験者全員を対象に検討された閾値は、標準値(5.8%以下)を上回った値の四分位範囲で4つの値(標準偏差SD値の各中央値をとって5.9%、6.3%、6.7%、7.1%とした)と、欧米での診断基準6.5%以上について行われた。また、6.0%~6.5%だった被験者を糖尿病ハイリスク群(3,639例)とし、6.0%、6.1%、6.2%、6.3%、6.4%、6.5%の閾値についても検討された。6.3%の特異度が最も高く、感度はFPG値7.0mmol/Lと同等ROC曲線検定から、診断未確定の糖尿病の検出力を示すAUC(ROC曲線下面積)は、HbA1c値単独で0.856(95%信頼区間:0.828~0.883)、空腹時血糖値単独は0.920(同:0.900~0.941)で、いずれからも有意差が認められた(P

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富士フイルム子会社が肺がんの新規RI標識抗体を開発 米国核医学会にて発表

富士フイルム株式会社の子会社である、株式会社ペルセウスプロテオミクスと富士フイルムRIファーマ株式会社は8日、肺がんの新規RI標識抗体を開発し、その成果を6月7日(日本時間6月8日)に米国ソルトレークシティーで開催された米国核医学会において発表した。ペルセウスプロテオミクスは、東京大学先端科学技術研究センターと共同でヒト遺伝子の発現解析により、がん細胞に特異的に発現するたんぱく質を特定し、そのたんぱく質が肺がん、膵(すい)がん、大腸がんをはじめとする広範ながんで高く発現することを見いだしたという。ペルセウスプロテオミクスはこのたんぱく質に対する抗体を作製し、富士フイルムRIファーマとの共同研究により、その中からがん組織に集積性が高く、かつ正常組織への影響が少ない抗体をイットリウム(Y-90)で標識することに成功した。この「Armed抗体」が、マウスの肺がんモデルにおいて顕著な腫瘍の増殖抑制効果を示すことを確認し、今回の発表に至ったとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0400.html

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アメリカで品切れ続出!“脳波トイ”が7月に日本上陸へ

株式会社セガトイズは8日、脳波トイ『マインドフレックス』を2010年7月31日より発売すると発表した。『マインドフレックス』は、アメリカの2010年のトイオブザイヤー3部門でファイナリストに選出された“脳派トイ”。日本でも、日経トレンディの「2010ヒット予測ランキング」で5位にランクインしており、これまで医療の現場でしか使用されていなかった脳波の技術を利用したゲームは、発売前から注目されている。基本的な遊び方は、頭につけたヘッドセットが脳波をセンサーで読み取った計測データが本体へ送信され、その時の集中の度合いによってファンが回転し、ボールを高く浮かせたり移動させたりしながら障害物をクリアする。子どもから大人まで遊ぶことができ、1~4人で楽しめるゲームが4つ内蔵されている。7月15日から開催される「2010年東京おもちゃショー」の同社ブースにて、体験会を実施するとのこと。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.segatoys.co.jp/company_information/press_release/pdf/20100608.pdf

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企業向けメンタルヘルス対策用「eラーニングサービス」を販売

株式会社セーフティネットは7日、社員の「セルフケア意識の向上」を目的とした、企業向けのメンタルヘルス対策用『eラーニングサービス』を同日より販売を開始すると発表した。同サービスは同社の顧問精神科医・医学博士を務める児玉芳夫氏監修のもと開発したもの。昨今の景気悪化に伴う労働環境の悪化により、うつ病など「こころの病」にかかる社員が増え、多くの企業が対応や対策に取り組んでいる。厚生労働省の調査によると、メンタルヘルス対策に取り組んでいる企業の割合は全体の33.6%[前回23.5%]で前回調査から10.1%増えており、取り組む企業が増加傾向にあることがうかがえる。同サービスは、「自分もかかるかもしれない病気」であることを認識させ、さらに、予防法、早期気づきの時期、かかってしまった場合どうすべきか、周囲の対応は、などが身に付くようになっているとのこと。そのため、月1回、簡単にできる学習を12回実施するという特異な方法を用いている。また、アンケート機能も付加してあり、社員個々の健康状態などを調査することもできるという。詳細はプレスリリースへhttp://www.safetynet.co.jp/images/press100607.pdf

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フィブラート系高脂血症薬、主要心血管イベントリスクを低下:メタ解析

メタ解析の結果、フィブラート系高脂血症薬には、主として冠動脈イベントの予防により主要な心血管イベントリスクを低下すること、心血管イベントのハイリスク患者、脂質異常症を合併する患者で有用である可能性が明らかになった。オーストラリア・シドニー大学・The George Institute for International HealthのMin Jun氏らの報告で、Lancet誌2010年5月29日号(オンライン版2010年5月11日号)に掲載された。心血管リスクのフィブラート系高脂血症薬の有効性に関する知見は一貫していないことから、Jun氏らは、主要な臨床アウトカムの有効性について検討することを目的にシステマティックレビュー、メタ解析を行った。18のプラセボ無作為化試験4万5,000例分のデータを解析研究グループは、Medline、Embase、Cochrane Libraryで1950年~2010年3月の間に発表された試験論文をシステマティックレビューした。適格としたのは、前向き無作為化試験で、心血管アウトカムについてフィブラート系高脂血症薬とプラセボを比較検討した試験とした。ランダム効果モデルを使って相対リスク(RR)低下を算出し、主要な心血管イベント、冠動脈イベント、脳卒中、心不全、冠動脈再建、全死因死亡率、心血管死亡、非血管死亡、突然死、蛋白尿新規発症、薬物関連有害事象について解析した。対象となったのは18試験だった。被験者は計4万5,058例、主要な心血管イベント2,870例、冠動脈イベント4,552例、死亡3,880例を含んだ。冠動脈イベント13%低下、脳卒中はベネフィット認められずフィブラート系高脂血症薬治療は、主要な心血管イベントを10%低下(95%信頼区間:0~18、p=0.048)した。ただし冠動脈イベントが13%低下(同:7~19、p<0.0001)する一方、脳卒中(-3%、-16~9、p=0.69)はベネフィットが認められなかった。また、全死因死亡(0%、-8~7、p=0.92)、心血管死亡(3%、-7~12、p=0.59)、突然死(11%、-6~26、p=0.19)、非血管死亡(-10%、-21~0.5、p=0.063)は、効果が認められなかった。蛋白尿新規発症は14%低下(2~25、p=0.028)が認められた。重大な薬物関連有害事象については、血清クレアチニン値の増加がみられたが(RR:1.99、1.46~2.70、p

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エボラウイルスに対する実験的治療、マウスに次いでサルでも有効性確認

ボストン大学全米新興感染症研究所のThomas W Geisbert氏らは、致死性のザイールエボラウイルス(ZEBOV)に感染したアカゲサル(マカク属)のモデルを使った実験的治療で、RNA干渉を引き起こすsiRNA(small interfering RNAs)治療が有効であったことを報告した。Lancet誌2010年5月29日号掲載より。同治療の有効性は、マウスを使った実験的治療で確認されていた。siRNA治療は、安定核酸脂質分子(SNALPs)に調製したsiRNAを、ZEBOVのRNAポリメラーゼLたんぱく質をターゲットに投与するというもの。3つの蛋白質をターゲットにした混合siRNAを4回もしくは7回投与Geisbert氏らは、マウスで有効だった本治療について、ヒト以外の霊長類での有効性を評価することを目的に実験的治療を行った。投与されたのは、ZEBOVのRNAポリメラーゼL(EK-1 mod)、およびウイルスタンパク質(VP)24(VP24-1160 mod)、VP35(VP35-855 mod)をターゲットしSNALPs化された混合siRNA。第1試験のサル群(3例)に本剤を1回2mg/kgボーラス静注で、ZEBOV曝露後、30分、1、3、5日後にそれぞれ投与した。第2試験のサル群(4例)には、同剤を、曝露後、30分、1、2、3、4、5、6日後に投与した。曝露直後の7回投与が治療戦略として有効か4回投与の第1群は、プロテクトされたのは3例のうち2例(66%)だった。一方、7回投与の第2群は、全例プロテクトに成功した。第2群は、ウイルス感染に関連する肝酵素の値の変化も軽度で、治療としての忍容性が高いことも確認された。Geisbert氏は、「今回の結果、本治療戦略がヒトにおいても有効である可能性が示された。また、他の新生ウイルス感染の治療戦略としての可能性も示唆されたと言える」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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死亡原因の3割は、2009年人口動態統計月報年計

厚生労働省が発表した「2009年人口動態統計月報年計」概数によると、09年の死亡数は114万1920人(前年より487人減少)だったが、死因原因の1位はの34万3954人(前年比991人増)だったことがわかった。その割合は30.1%になる。部位別で見ると、男性で最も多いのは「肺」となっていて、上昇傾向が著しい。以下、「胃」「大腸」と続く。女性では「大腸」「肺」「胃」の順に多く、「大腸」と「肺」は上昇傾向が続いている。●詳細は厚生労働省のページへhttp://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai09/index.html 

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以前のように働きたい、でもどうすればいい?  -東京都世田谷区と精神科医がうつ病患者さんの就労を支援-

近年、うつ病患者数の急増が注目されている。その中でも、働き盛りの世代のうつ病は単なる疾患の問題にとどまらず、経済的な損失の観点からも大きな社会問題として指摘されている。そのような中、東京都世田谷区では精神科医や心理士らと共に、うつ病に悩む区民の就労を支援するため、2008年からうつ病に関する講演会や就労支援講座を実施してきた。同企画の3年目となる今年は、5月17日(月)に世田谷区役所第3庁舎ブライトホールにて、区民約100名を集めた講演会が開催された。そこで、同企画の立ち上げから参加し、講演会の講師を務めている仮屋暢聡氏(まいんずたわーメンタルクリニック〔渋谷区〕)に同企画の趣旨と今後の展望についてお話を伺った。行政との二人三脚で始まったうつ病患者さんの就労支援世田谷区の東京都立松沢病院、東京都健康局の精神保健福祉課長などの経歴を持つ仮屋氏は、地域活動の一環として十数年、同区の保健所に様々な支援をしてきた。このような経緯を経て、世田谷区の保健所からうつ病患者さんの就労支援の相談を受けたのが3年前に遡る。「本企画を立ち上げた3年前は、なかなか復職できずに会社を辞めてしまう患者さんも多く、患者さんの家族からも『どのように患者さんを支えてよいかわからない』という悩みを多く聞いていた」と仮屋氏は振り返る。うつ病に対する認識が広がりつつあるものの、3年前はうつ病に対する認識はまだまだ低く、相談できるところがないような状況だった。そこで、その対策として立ち上げたのがこの企画だ。患者さんやご家族が本当に知りたいことに応える講演会の内容は、“うつ病とは何か?”という全般的な話を一通り説明した上で、今、うつ病で何が問題になっているのかなどの視点や、うつ病に対して自分の臨床経験が深まっていくからこそできる話も織り交ぜ、毎年少しずつ話を変える工夫をしている。現在、インターネットやメディアからの情報で、一般の人たちもうつ病について大まかには知られるようになってきた。しかし、「うつ病は治るのか、いつ治るのか」「どこに受診すればいいのか」「どのような治療法があるのか」「薬はどの程度効くのか」「家族はどうしたらいいのか」など、まだまだうつ病患者さんやご家族ではわからないことが多いと、仮屋氏は指摘する。仮屋氏は、今回の講演会においてうつ病と神経の関連についても言及し、今回はうつ病によって引き起こされる体の変化についても触れた。実際のデータも見せ、自律神経の亢進が身体に及ぼす影響を説明した。そして、「打たれ弱いから、心が弱いからうつ病になったのではない」「何かのショックによってうつ病になったのではない」ことを今回の講演会で最も強調した。仮屋氏は「心を抽象的に捉えてしまうとどうしてもわかりにくくなってしまうが、目に見える形で提示するとうつ病患者さんの理解が得られる」と、講演会の手応えをしっかり感じていた。本企画は、仮屋氏によるうつ病患者さんへの疾患の説明にとどまらない。別の日程で、うつ病患者さんのご家族に対しても、個別にご家族の悩みを聞き、どうしたらよいか相談に乗る機会を設けた。さらに、うつ病患者さんの就労のためのセミナーも用意している。「頑張ったらいけない」ことが、いけないこと?うつ病患者に対して「頑張り過ぎない」「頑張ったらいけない」とよく言われる。この点について逆説的に「頑張らなければならない時は頑張らなければならないのだから、「どういう部分を頑張ればよいのか」「どういう部分は頑張ってはいけないのか」と説明すると患者さんもご家族の方もよくわかってくださる」と、うつ病患者さんに対する対処方法も披露した。聴講者も最後までしっかり聞き入り、「よくわかった」と感想を話していたという。全国に先駆けた世田谷区の取り組み仮屋氏は「うつ病患者さん本人やご家族へのうつ病の講演はあるが、うつ病患者さんの就労支援や患者さん本人のスキルアップのためのセミナーまでやっているところは全国でも少ないのではないか」という。 自治体ができることには限度があるが、「その中でも、少しでも本企画のような動きが広まってくれることを世田谷区も期待している」とのことだ。就労を希望するうつ病患者さんは、一体何に困っている?「今のうつ病患者さんの就労の問題は、就労のための実際のやり方がわからないということ。だから本企画では、私が講演会でうつ病の疾患や治療、対応、家族の基本的な考え方などについて話し、精神保健福祉士やケースワーカーの人たちがセミナーで就労支援の制度の大枠、たとえば障害基礎年金や傷病手当金、失業保険など制度について大まかに説明している。」と、仮屋氏は本企画の特徴を述べた。「世田谷区でもこの事業を毎年総括し、成果がよければまたこの形で続けていくことになるかもしれない」と今後の見解も示した。世田谷区内へ、そして全国へ。 うつ病患者の就労支援は広まるか?仮屋氏は「本企画は世田谷区内の小さいエリアへの展開も考えられる。世田谷区は5つくらいの地区に分かれるので、区が実施した企画が、より小さい地区においても細かくフォローされていくことを実現したいと考えているようだ」と、今後の発展の可能性があることを示唆した。また、これらの成果を、「公衆衛生学会や保健師の学会などで発表できれば、他の地区にも波及して様々な方法が検討され全国に広まっていく。世田谷区がそのような雛形作りになればいい」と仮屋氏は語った。過去世田谷区では、今回のうつ病同様に、全国に先駆けて虐待やアルコール依存症対策などについても取組んできた歴史がある。結果として、この動きは全国に広まっていった。このような世田谷区の特徴を仮屋氏は「世田谷区は80万人という人口を抱えており、いろんな資源もある。区長も積極的にこのような事業に力を入れているという伝統がある。逆にいえば、世田谷区は恵まれているのかもしれない」と説明する。うつ病対策の主力は「コ・メディカル」?もう一つ、仮屋氏が熱い視線を送っているのがコ・メディカルだ。仮屋氏によれば、「世田谷区は心の問題、たとえばアルコール依存症などは今でもコ・メディカルの方々が、「家族が変われば患者さんも変わるのではないか」「コ・メディカルがこの問題に自発的に取り組むことでさらに成果が上がるのではないか」と考え、患者さんの家族に対するアプローチを開始して成果を上げている。このような医師以外のコ・メディカルの運動が、実は地方のような医師が少ない地域でもうつも防げるのではないか。」とコ・メディカルの活動に大きな期待を寄せている。「実際に地方では、臨床に対するアプローチとして、医師がすべてできない部分を保健師などがフォローしていくというように進んでいるようだ」と地方のうつ病診療にまで話が及んだ。最後に仮屋氏は「精神科医も含め医師は不足している。コ・メディカルや職場の産業医、一般の内科医などいろんな職域が上手く連携し、うつ病患者を早期に発見して早期にアプローチしていくということが必要なのだろう。精神科医の仕事として、そういった人たちに対して教育していくということも重要だ」と言葉を結んだ。(ケアネット 高橋 洋明)

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