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「抗うつ薬の適正使用に関する委員会」発足

日本うつ病学会は1日、厚生労働省医薬食品局安全対策課からの依頼を受け、抗うつ薬の副作用をはじめとする薬物療法に関する諸問題を専門家の立場から検討し、適正な抗うつ薬の使用法を提言すべく、学会内に「抗うつ薬の適正使用に関する委員会」を設立したと発表した。すでに4月17日に第1回の委員会を開催されており、今後多くの資料を収集し検討を加え、その結果を公表していく予定だという。委員長は、樋口 輝彦氏(国立精神・神経センター)。委員は、石郷岡 純氏(東京女子医科大学医学部精神医学教室)、大森 哲郎氏(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部精神医学分野)、神庭 重信氏(九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野)、中込 和幸氏(鳥取大学医学部統合内科医学講座精神行動医学分野)、野村 総一郎氏(防衛医科大学校精神科学講座)、渡邊 衡一郎氏(慶應義塾大学医学部精神神経科学教室)。詳細はこちら(PDF)http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/img/yaku_tekisei.pdf

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感染研が新型インフルエンザの「診断の流れ」と「治療・予防投与の流れ」を掲載

国立感染症研究所感染症情報センターは5月6日、日本国内の医療機関に向けて、新型インフルエンザの診断・治療・予防投薬について示した文書を掲載した。  ●国立感染症研究所感染症情報センター「国内医療機関における新型インフルエンザA(H1N1)診断の流れ Ver.1」http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/pdf09/090506_diagnosis.pdf ●国立感染症研究所感染症情報センター「国内医療機関における新型インフルエンザA(H1N1)抗ウイルス薬による治療・予防投薬の流れ Ver.1」http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/pdf09/090506_treatment-chemoprophylaxis.pdf 

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米国CDC暫定ガイダンス、豚インフルエンザで1歳未満にもオセルタミビルを推奨

米疾病対策センター(CDC)は米東部時間28日午後7時、豚由来インフルエンザウイルス感染の確定例や疑い例の小児を診る米国の臨床医に向けて暫定ガイダンスを発表、1歳以上の幼児の豚由来インフルエンザの治療と予防にオセルタミビルとザナミビルの投与を推奨している。 注:ガイダンスは暫定的なものであり、今後、データの蓄積により変更もありえる ●Interim Guidance for Clinicians on the Prevention and Treatment of Swine-Origin Influenza Virus Infection in Young Childrenhttp://www.cdc.gov/swineflu/childrentreatment.htm 

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米国CDC暫定ガイダンス、豚インフルエンザで妊婦の治療・予防にも抗ウイルス薬を推奨

米疾病対策センター(CDC)は米東部時間28日午後1時45分、豚由来インフルエンザウイルスの妊婦に対する治療や感染予防に関する暫定ガイダンスを発表、妊婦であっても抗インフルエンザ薬による治療、予防を推奨している。 注:ガイダンスは暫定的なものであり、今後、データの蓄積により変更もありえる ●Interim Guidance—Pregnant Women and Swine Influenza: Considerations for Clinicianshttp://www.cdc.gov/swineflu/clinician_pregnant.htm 

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50歳を過ぎて禁煙できない人は、せめて休みの日に運動を

中高年で禁煙ができない人も、休みの日に少しでも体を動かせば、禁煙したのと同じくらい長生き効果があることが、スウェーデン中部の都市ウプサラ県での住民コホート追跡調査から報告された。ウプサラ大学(スウェーデン)整形外科/研究センターのLiisa Byberg氏らが、1970~1973年の間に満50歳だった同県男性2,205人を35年にわたり追跡調査した結果で、2009年4月18日号(オンライン版2009年3月5日号)で掲載された。50歳以後の身体活動度と死亡率を評価調査は参加者の死亡率を主要評価項目として行われ、追跡調査は参加者が60、70、77、82歳時それぞれの時点で行われた。各々の調査時点では、参加者に4項目を質問――(1)余暇はじっとして過ごすことが多いか(読書、TVあるいは映画鑑賞など座って過ごす)、(2)よくウォーキングやサイクリングを楽しんでいるか、(3)毎週、娯楽的なスポーツやガーデニングを少なくとも3時間はしているか、(4)ハードトレーニングや競技スポーツを定期的に行っているか。(1)と回答した人は「低身体活動度」群に、(2)は「中身体活動度」群、(3)(4)の人は「高身体活動度」群と評価した。50歳時点では半数以上が「高」群に、「中」群は36%、「低」群は15%だった。50歳からの運動開始でも十分間に合う追跡調査終了時で死亡していたのは、1,329人(60%)。絶対死亡率は、「低」群27.1例/人・年、「中」群23.6例/人・年、「高」群18.4例/人・年だった。「高」群の死亡率の相対的低下率は、「低」群との比較で32%、「中」群とでは22%だった。50~60歳の間に身体活動度がアップした人は、追跡期間の最初の5年間の死亡率が、活動度が変わらなかった人と比べると上昇し続けた(ハザード比:2.64)。しかし追跡期間10年を経ると、同等になった(1.10)。死亡率の低下は、身体活動度を増すことと関連しており、身体活動を増すことは禁煙したのと同じくらいの低減効果に匹敵する効果があることが確認されたという。

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ICUでの投薬ミスは日常的に起きている、報告・チェック体制がミスを防ぐ最大の武器

非経口の投薬ミスは、ICUでは日常的に起きており、深刻な医療安全の問題であることが、ESICM(European Society of Intensive Care Medicine)の質改善研究グループによって行われた、27ヵ国113施設のICUを対象とした多国籍前向き研究の結果、明らかになった。BMJ誌2009年4月18日号(オンライン版2009年3月12日号)掲載より。27ヵ国113施設1,328例のICU患者に起きた投薬ミスを解析本研究はICUでの非経口投薬ミスの、国際レベルでの傾向、特徴、寄与因子、予防措置について評価をすることを目的とし、スタッフの自己申告に基づく観察前向き24時間横断研究にて行われた。解析対象となった参加症例数は1,328例。主要評価項目は、ミスによる影響の度合い、特徴分布、寄与因子分布、予防因子分布とされた。臓器への障害は少なくとも1投薬ごとに起きている投薬ミスは、患者441例に関わる861件、患者100人・日当たり74.5件が報告された。このうち4分の3は、「不作為の過誤(errors of omission)」だった。投薬治療ステージで被った投薬過誤による永続的な有害事象例および死亡例は、合わせて12例(対象全患者の0.9%)だった。多変量ロジスティック解析の結果、臓器への障害は少なくとも1投薬ごとに起きている(オッズ比:1.19)、静脈注射時に起きている(yes対no:2.73倍)、非経口投薬の数が多いほど起きている(1非経口投薬増当たりオッズ比:1.06)、ICUでの定型的介入時(yes対no:1.50倍)、施設規模が大きいほど起きている(1ベッド増当たりオッズ比:1.01)、看護師が受け持つ患者が多いほど起きている(患者1人増当たりオッズ比:1.30)、ICU稼働率が増すほど起きている(10%増当たりオッズ比:1.03)ことが明らかになった。一方で、投薬ミスは基本的なモニタリングが行われている場合は低かった(yes対no:0.19倍)。また、クリティカルなインシデントの報告システムがある場合(0.69倍)、看護師の交代時のルーチンチェックが確立している場合(0.68倍)、回転率が高い場合(1患者増当たりオッズ比:0.73倍)も、ミスは少なかった。本報告を行ったウィーン大学救急部門のAndreas Valentin氏は、「重症患者のケアが複雑になるほど、ミスを報告するシステムやチェック体制を組織的に整えることが、ミスを防ぐ最大の因子である」とまとめている。

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【医師限定記事】ドクターフィーの導入には8割の医師が前向き

専門医資格と診療報酬の連動といったドクターフィーに関して、医師限定コミュニティ「Dr'sVoice」で行ったアンケート「ドクターフィーの導入で医師の評価に差を付けろ!?」の結果によると、約8割の医師が賛成と回答していた。アンケートは2009/03/27から2009/04/27まで行われ、1656名の医師が参加。それによると、ドクターフィー導入に「賛成」39%、「条件付き賛成」39%、「反対」16%、「どちらでもない・わからない」5%だった。専門医資格に問題を提起するコメントは多く、賛成のコメントでも、何を基準に評価するのかが課題という意見は多かった。反対の声の中でも臨床能力をいかに評価するのかを問題視する意見は多かった。また、保険の3倍までというような条件を付けて保険適応外の混合診療によるドクターフィーが良いといった声もあった。 ●「ドクターフィーの導入で医師の評価に差を付けろ!?」の詳細結果はこちらhttp://www.carenet.com/click/voice/result.php?eid=33

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【医師限定記事】子供の医療費の無料化には賛否分かれる

子供の医療費の無料化に取り組む自治体が増えているが、医師限定コミュニティ「Dr'sVoice」で行ったアンケート「子供の医療費の無料化はコンビニ受診を促す?」の結果によると、コンビニ受診の懸念もあり、賛否は分かれた。アンケートは2009/03/27から2009/04/27まで行われ、647名の医師が参加した。それによると、「賛成」18%、「条件付き賛成」34%、「反対」47%、「どちらでもない・わからない」1%だった。反対のコメントの多くはコンビニ受診の増加を懸念する意見だった。一方で、「経済的理由で治療の制約を希望される方も増えてきています。コンビニ受診抑制のため時間外救急は一定負担はあってもいいと思いますが、仕事を休むだけでも経済的負担になるため、再診さえも控える親もいます。せめて経済的理由で子どもの治療が制限されることを避けるために、条件付きで無料化は評価します。」という意見も聞かれた。賛成意見でも、一旦は負担し、後で還元するシステムを提案する声は少なくなかった。 ●「子供の医療費の無料化はコンビニ受診を促す?」詳細結果はこちらhttp://www.carenet.com/click/voice/result.php?eid=31

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「減塩」に取り組んでいても、塩分に対する正しい知識を持っている人は少ない

ノバルティス ファーマ株式会社は27日、40歳以上の男女412名を対象に行った「塩分摂取に関する意識調査」から、9割以上が塩分摂取が高血圧を引き起こす原因に関係があると知っており、塩分の摂取量を気にしながらも、実生活で「減塩」に取り組んでいる人は約半数しかおらず、塩分に対する意識と実態とに差があることがわかったと発表した。また、減塩に取り組んでいても、成人男性の1日あたりの目標塩分摂取量を知っている人は約5割、塩分表示に使用されるナトリウム(Na)と塩分量の関係を知っている人は1割にも満たず、塩分に対して正しい知識を持って減塩を行っている人が非常に少なかったという結果が出ている。塩分は高血圧を引き起こす原因の一つであり、国際的な疫学調査でも塩分摂取量に相関して血圧が高くなることが証明されているが、実際に、1日あたり塩分3gの低下で収縮期血圧を1-4mmHg低下することが期待でき、国民の収縮期血圧水準が2mmHg低下すると脳卒中罹患率が6.4%、虚血性心疾患罹患率は5.4%低下することが期待されているという。しかし、日本人の成人の塩分摂取量は昔に比べて減ってはいるものの、依然、男性が12.0g、女性が10.3gと目標量である男性10g未満、女性8g未満よりも多いのが現状だった。この調査は、高血圧啓発キャンペーン「ウデをまくろう、ニッポン!あなたも、塩分をとりすぎています!~ちょっとでも高い血圧は、医師に相談しましょう~」に先がけ実施されたもの。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090427_02.html

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持効性抗精神病剤「リスパダール コンスタ筋注用」が承認取得

ヤンセンファーマ株式会社は、4月22日付で抗精神病剤「リスパダール」(一般名:リスペリドン)の新投与経路である「リスパダールコンスタ筋注用」(一般名:リスペリドン持効性懸濁注射液)の製造販売承認を取得したと発表した。リスパダールコンスタは、統合失調症を適応とするリスパダールの長時間作用型製剤として開発された注射剤であり、国内で実施された臨床試験において、幻覚、妄想などの精神症状に対して、経口リスペリドンに劣らない有効性と安全性が確認された。国内においては、新規抗精神病薬としては初の持効性注射剤である。リスパダールコンスタは、海外では2002年にドイツ、英国、2003年には米国で統合失調症を適応として承認され、2008年12月までに世界92の国と地域で承認されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.janssen.co.jp/inforest/public/home/?paf_gear_id=2100029&paf_gm=content&paf_dm=full&vid=v11&cid=cnt57518

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大人の血友病患者の情報サイト「ヘモフィリア・ステーション」がオープン

バクスター株式会社は27日、大人の血友病患者さんの情報サイト「ヘモフィリア・ステーション」(http://www.hemophiliagalaxy.org/ptp/index.html)を新設したと発表した。同社が運営する血友病治療についての情報サイト「ヘモフィリアギャラクシー」(http://www.hemophiliagalaxy.org)では、これまで主として小児患者とその家族を対象とした情報を掲載してきた。血友病患者に対する情報サイトは複数あるが、大人の血友病患者を対象とした専用のサイトはこれまであまりなかったため、患者が子供から大人へと成長していく各過程に合わせた必要な情報を患者の目線で提供できるよう、専用のサイトを立ち上げたという。ヘモフィリア・ステーションには、「学ぶ」「聞く」「体の健康」「声」「旅」「調べる」の6つの項目を設けられており 、健康や旅行に関する話題など、大人の患者に役立つ情報を血友病専門医らの監修の下、順次提供していく予定とのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.baxter.co.jp/about_baxter/news_room/news_releases/2009/090427.html

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HIV-1感染者に対する抗レトロウイルス薬療法はいつ開始すべきか?

AIDS非発症HIV-1感染者に対する抗レトロウイルス薬療法は、CD4細胞数が350/μLまで低下する前に開始すべきことが、When To Start Consortiumによる共同解析で明らかとなった。HIV-1感染者にどのタイミングで併用抗レトロウイルス薬療法を開始すべきかという重要課題を解決するには、CD4細胞数の閾値の下限を決定する必要があるが、これを目的とした無作為化対照比較試験はいまだなされていないという。同研究グループのJonathan A C Sterne氏(イギリスBristol大学社会医学科)らが、Lancet誌2009年4月18日号(オンライン版2009年4月9日号)で報告した。コホートのデータを用いてCD4細胞数の範囲とAIDS発症率、死亡率の関連を評価When To Start Consortiumの研究グループは、無作為化試験が存在しない状況で、HIV-1感染者にどのタイミングで併用抗レトロウイルス薬療法を開始すべきかという疑問に答えるために、18のコホート研究のデータの解析を行った。18試験中の15試験に登録されたHIV感染者で、前治療として抗レトロウイルス療法を受けていない患者のうち、1998年1月1日以降に併用抗レトロウイルス療法を開始したもの(AIDS非発症、CD4細胞数<550/μL、注射薬物の使用歴なし)が解析の対象となった。併用抗レトロウイルス療法導入前(1989~95年)のコホートに登録された患者のデータを用いて、未治療例におけるCD4細胞数の変動幅を推算し、AIDSの発症状況および死亡率の評価を行った。また、治療開始のタイミングが遅い場合(待期的治療)と早い場合(即時的治療)で、CD4細胞数の範囲とAIDS発症率、死亡率にどのような関連があるかを評価した。CD4細胞数350/μLを閾値下限とすべき併用抗レトロウイルス療法導入以前にフォローアップが行われた2万1,247例と、併用療法で治療が開始された2万4,444例のデータが得られた。CD4細胞数が251~350/μLに低下してから治療を開始した患者では、351~450/μLの段階で治療を始めた場合に比べAIDSを発症して死亡する率が有意に高かった(ハザード比:1.28)。CD4細胞数の閾値が低下するに従って、待期的治療による有害事象が増加した。待期的治療の死亡率は、即時的な治療法に比べ高かった。著者は、「これらの結果により、HIV-1感染者に対する抗レトロウイルス薬療法開始の指標として、CD4細胞数350/μLを閾値の下限とすべき」と結論し、「この知見は治療を開始するタイミングの決定に役立つだろう」としている。(菅野守:医学ライター)

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ドベシル酸カルシウムに、糖尿病による黄斑浮腫の抑制効果はない:CALDIRET試験

ドベシル酸カルシウムは、糖尿病患者において臨床的に有意な黄斑浮腫(clinically significant macular oedema; CSME)の発症リスクを低減させないことが、ドイツLudwig-Maximilians大学眼科のChristos Haritoglou氏らが実施した多施設共同試験(CALDIRET試験)で明らかとなった。糖尿病性網膜症は労働年齢人口の最も重要な失明原因であり、レーザー治療などの有効な治療法があるにもかかわらず1型糖尿病患者の約90%が網膜症や黄斑浮腫で失明している。静脈治療薬であるドベシル酸カルシウムは慢性静脈不全や痔核などの血管疾患に有効で、現在60ヵ国以上で処方されているという。Lancet誌2009年4月18日号掲載の報告。網膜症を伴う2型糖尿病を対象とするプラセボ対照無作為化試験研究グループは、糖尿病性黄斑浮腫の発現に対するドベシル酸カルシウムの効果を評価するために、11ヵ国40施設の参加のもとに多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験を実施した。成人発症の2型糖尿病の外来患者で、軽度~中等度の非増殖性の糖尿病性網膜症を伴うものを登録し、ドベシル酸カルシウム(1,500mg/日)あるいはプラセボを投与する群に無作為に割り付けた。主要評価項目は5年のフォローアップ期間中のCSME発症とし、早期に脱落した場合は打ち切り例(censored case)とした。CSMEの推定5年累積発症率に有意差なし635例が登録され、プラセボ群に311例が、ドベシル酸カルシウム群には324例が割り付けられた。CSMEを発症した症例は、プラセボ群が69例であったのに対しドベシル酸カルシウム群は86例であり、打ち切り例を考慮するとCSMEの推定5年累積発症率はプラセボ群が28%、ドベシル酸カルシウム群は35%であり、有意差は認めなかったもののむしろ治療薬群で高かった(p=0.0844)。有害事象の頻度は、プラセボ群29%(90例)、ドベシル酸カルシウム群24%(78例)であり、両群間に差はなかった。薬剤に関連した合併症は認めなかった。プラセボ群で8例(3%)が、ドベシル酸カルシウム群では9例(3%)が死亡した。著者は、「ドベシル酸カルシウムは2型糖尿病患者においてCSMEの発症リスクを低減させない」と結論したうえで、「今後、検討に値するサブグループを同定するために事後解析を実施したところ、血管疾患のリスク因子を有する女性でドベシル酸カルシウムのベネフィットが高い可能性が示唆されたが、これはあくまで推測の域を出ない」としている。(菅野守:医学ライター)

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抗てんかん薬の妊婦服用による出産児への影響には差がある

抗てんかん薬の妊婦服用に関して、米英での多施設共同前向き観察研究NEADの解析から、薬剤によって出産児のリスク増大に差異があることが明らかになった。抗てんかん薬は発達障害や奇形リスクを増大するとして、米国神経学会のガイドラインなどで一律に、妊婦の服用を禁じている。しかし、そのエビデンス研究は十分ではない。本報告は、NEJM誌2009年4月16日号に掲載されている。妊婦への抗てんかん薬単剤療法4種類について検討NEAD(Neurodevelopmental Effects of Antiepileptic Drugs)スタディは、米英のてんかん治療センター25施設で1999~2004年の間に、カルバマゼピン(商品名:テグレトールなど)、ラモトリギン(同:ラミクタールなど)、フェニトイン(同:アレビアチンなど)、バルプロ酸(同:デパケンなど)いずれかの抗てんかん薬単剤療法を受けた妊婦を登録した前向き観察研究。主要予後は、6歳時の認知能力(IQスコア評価)で、本論は、3歳時点の中間解析の結果を報告したものである。出産児の3歳時IQ、バルプロ酸曝露群が有意に低い結果、バルプロ酸に曝露された子どものIQスコアが、他の抗てんかん薬に曝露された子どもより有意に低かった。補正後(母親のIQ、母体年齢、投与された抗てんかん薬、在胎期間、母親の先入観による葉酸服用)の、子どもの平均IQはそれぞれ、ラモトリギン曝露群101、フェニトイン曝露群99、カルバマゼピン曝露群98、バルプロ酸曝露群92だった。バルプロ酸曝露群の子どもは平均して、ラモトリギン曝露群より9ポイント低く(P=0.009)、フェニトイン曝露群より7ポイント低く(P=0.04)、カルバマゼピン曝露群6ポイント低かった(P=0.04)。また、バルプロ酸使用とIQとは、用量依存性の関連が見られた。子どものIQと母親とのIQには、カルバマゼピン、ラモトリギン、フェニトインでは有意な相関が見られたが、バルプロ酸では見られなかった。これらから、「バルプロ酸については、出産可能な女性において第一選択薬から除外する現状のガイドライン等の指針を支持するものだ」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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ARB バルサルタン、心房細動の再発予防効果得られず

 アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)投与によっても心房細動の再発予防効果が得られなかったことが報告された。心房細動に関して今のところ、コントロール可能な理想的な治療はないとされる一方で、実験的研究でARBが心房リモデリングに影響を与えることが、また臨床試験からはARBの心房細動予防の可能性が示唆されていた。報告は、バルサルタン(商品名:ディオバン)に関する大規模多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験GISSI-AFからで、NEJM誌2009年4月16日号で掲載された。1,442例が参加した大規模試験 GISSI-AF(Gruppo Italiano per lo Studio della Sopravvivenza nell’Infarto Miocardico–Atrial Fibrillation)試験は、心血管疾患、糖尿病、左心拡大の基礎疾患があり心房細動の既往がある患者に、バルサルタン320mg/日を標準治療として加えることが有効かどうかを調べることを目的とし行われた。試験には、2004年11月~2007年1月の間に、イタリアの114医療センターで1,442例が登録。過去6ヵ月で心房細動が2回以上あった患者、もしくは過去2週間で心房細動があり電気的除細動が成功した患者で、現在は洞調律の者を適格とした。 対象者は無作為に、バルサルタン群(722例)とプラセボ群(720例)に割り付けられた(投与量は、最初の2週間は80mg/日、3~4週間は160 mg/日、以降320 mg/日)。 主要エンドポイントは2つで、追跡1年間の、心房細動再発までの期間と、再発が複数回に及んだ患者の割合とした。ACE阻害薬の服用有無問わず、結果はプラセボと同等 再発があったのは、バルサルタン群371/722例(51.4%)、プラセボ群375/720例(52.1%)で、補正後ハザード比は0.97(96%信頼区間:0.83~1.14、p=0.73)だった。 再発が複数回あったのは、バルサルタン群194/722例(26.9%)、プラセボ群201/720例(27.9%)で、補正後ハザード比は0.89(99%信頼区間:0.64~1.23、p=0.34)だった。 ACE阻害薬を服用していなかった患者を含めたサブグループ解析においても、同様の結果が見られたという。

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豚インフルについて、研修医の皆さんへ -神戸大学 岩田健太郎先生より

神戸大学感染症内科の岩田健太郎先生より、今回の豚インフルエンザに関して、ご自身が2001年の炭疽菌騒ぎの際にNYで2004年には北京でSARSに関わった医者として研修医の皆さんに流された提案を先生のご好意により掲載させていただきました。 豚インフルについて、研修医の皆さんへ まず、毎日の診療を大切にしてください。呼吸器症状の有無を確認し、ないときに安易に「上気道炎」と診断せず、旅行歴、シックコンタクト、動物暴露歴など問診を充分に聴取してください。患者さんが言わない、ということはその事実がない、という意味ではありません。せきをしていますか?と聞かなければ、せきをしているとは言わないかも知れません。原因不明の発熱であれば、必ず血液培養を検討してください。バイタルサインを大切にしてください。バイタルサインの重要度は重要な順番に、血圧、脈拍、呼吸数、(第五のバイタル)酸素飽和度、そして、体温です。極端な低体温などはまずいですが、発熱患者で大切なのは体温「以外」のバイタルサインと意識状態であることは認識してください。発症のオンセット、潜伏期など、時間の感覚には鋭敏になってください。要するに、ブタインフルエンザ診療のポイントは普段の診療の延長線上にしかありません。ほとんど特別なものはないことを理解してください。上記の診療は診療所、大学病院、どこのセッティングでも可能です。大抵の感染症診療は、大抵のセッティングで可能なのです。 自分の身を護ってください。とくに初診患者では外科用マスクの着用をお奨めします。患者の診察前とあとで、ちゃんと手を洗っていますか。呼吸器検体を採取するなら採痰ブースが理想的ですが、理想的な環境がないからといって嘆く必要は少しもありません。「うちには○○がない」と何百万遍となえても嘆いても、物事は一つも前に進みません。「うちには○○がないので、代わりに何が出来るだろう」と考えてください。考えても思いつかなかったら、そこで思考停止に陥るのではなく、分かっていそうな上の先生に相談してください。いつだって相談することは大切なのです。診察室で痰を採取するなら、部屋の外に出て患者さんだけにしてあげるのもいいかもしれません。日常診療でも、とくに女性の患者は人前で痰なんて出せないものです。呼吸器検体を扱うとき、気管内挿管時などはゴーグル、マスク(できればN95)、ガウン、手袋が必要です。採血時やラインを取るときも手袋をしたほうがよいでしょう。こういうことは豚インフルに関わらず、ほとんどすべての患者さんに通用する策に過ぎません。繰り返しますが、日常診療をまっとうにやることが最強の豚インフル対策です。 あなたが不安に思っているときは、それ以上に周りはもっと不安かも知れません。自分の不安は5秒間だけ棚上げにして、まずは周りの不安に対応してあげてください。豚インフルのリスクは、少なくとも僕たちが今知っている限り、かつて遭遇した感染症のリスクをむちゃくちゃに逸脱しているわけではありません。北京にいたときは、在住日本人がSARSのリスクにおののいてパニックに陥りましたが、実際にはそれよりもはるかに死亡者の多かった交通事故には全く無頓着でした。ぼくたちはリスクをまっとうに見つめる訓練を受けておらず、しばしばリスクを歪めて捕らえてしまいます。普段の診療をちゃんとやっているのなら、豚インフルのリスクに不安を感じるのはいいとしても、パニックになる必要はありません。 今分かっていることでベストを尽くしてください。分からないことはたくさんあります。なぜメキシコ?なぜメキシコでは死亡率が高いの?これからパンデミックになるの?分かりません。今、世界のどの専門家に訊いても分かりません。時間と気分に余裕のあるときにはこのような疑問に思考をめぐらせるのも楽しい知的遊戯ですが、現場でどがちゃかしているときは、時間の無駄以外の何者でもありません。知者と愚者を分けるのは、知識の多寡ではなく、自分が知らないこと、現時点ではわかり得ないこととそうでないものを峻別できるか否かにかかっています。そして、分からないことには素直に「分かりません」というのが誠実でまっとうな回答なのです。 情報は一所懸命収集してください。でも、情報には「中腰」で対峙しましょう。炭疽菌事件では、米国CDCが「過去のデータ」を参照して郵便局員に封をした郵便物から炭疽感染はない。いつもどおり仕事をしなさい」と言いました。それは間違いで、郵便局員の患者・死者がでてしまいました。未曾有の出来事では、過去のデータは参考になりますが、すがりつくほどの価値はありません。「最新の」情報の多くはガセネタです。ガセネタだったことにむかつくのではなく、こういうときはガセネタが出やすいものである、と腹をくくってしまうのが一番です。他者を変えるのと、自分が変わるのでは、後者が圧倒的にらくちんです。 自らの不安を否定する必要はありません。臆病なこともOKです。ぼくが北京で発熱患者を診療するとき、本当はこわくてこわくて嫌で嫌で仕方がありませんでした。危険に対してなんのためらいもなく飛び込んでいくのは、ノミが人を咬みに行くような蛮行で、それを「勇気」とは呼びません。勇気とは恐怖を認識しつつ、その恐怖に震えおののきながら、それでも歯を食いしばってリスクと対峙する態度を言います。従って勇気とは臆病者特有の属性で、リスクフリーの強者は、定義からして勇気を持ち得ません。 チームを大切にしてください。チーム医療とは、ただ集団で仕事をすることではありません。今の自分がチームの中でどのような立ち位置にあるのか考えてみてください。自分がチームに何が出来るか、考えてください。考えて分からなければ、チームリーダーに訊くのが大切です。自分が自分が、ではなく、チームのために自分がどこまで役に立てるか考えてください。タミフルをだれにどのくらい処方するかは、その施設でちゃんと決めておきましょう。「俺だけに適用されるルール」を作らないことがチーム医療では大切です。我を抑えて、チームのためにこころを尽くせば、チームのみんなもあなたのためにこころを尽くしてくれます。あなたに求められているのは、不眠不休でぶっ倒れるまで働き続ける勇者になることではなく、適度に休養を取って「ぶったおれない」ことなのです。それをチームは望んでいるのです。 ぼくは、大切な研修医の皆さんが安全に確実に着実に、この問題を乗り越えてくれることを、こころから祈っています。 2009年4月28日 神戸大学感染症内科 岩田健太郎 

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新型インフルエンザに関する情報サイト

新型インフルエンザに関する情報サイトのリンクです。 ●MLインフルエンザ流行前線情報DBhttp://ml-flu.children.jp/ ●日本感染症学会緊急提言「一般医療機関における新型インフルエンザへの対応について」http://www.kansensho.or.jp/ ●日本予防医学リスクマネージメント学会「新型インフルエンザ A(N1H1) 情報」http://www.jsrmpm.org/JSwineinfo.html ●国立感染症研究所感染症情報センター「国内医療機関における新型インフルエンザA(H1N1)診断の流れ Ver.1」http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/pdf09/090506_diagnosis.pdf ●国立感染症研究所感染症情報センター「国内医療機関における新型インフルエンザA(H1N1)抗ウイルス薬による治療・予防投薬の流れ Ver.1」http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/pdf09/090506_treatment-chemoprophylaxis.pdf ●UP-TO-DATE「Epidemiology, clinical manifestations, and diagnosis of swine H1N1 influenza A」http://www.utdol.com/home/content/topic.do?topicKey=pulm_inf/18836 ●新型インフルエンザ(豚インフルエンザH1N1)に係る症例定義及び届出様式についてhttp://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090429-03.html  ●首相官邸「海外における新型インフルエンザの発生に関する政府の対応状況」http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/flu/swineflu/index.html ●厚生労働省「新型インフルエンザ対策関連情報」http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html ●厚生労働省「ブタインフルエンザに対する対応について」http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090426-02.html ●WHO「Swine influenza」http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/index.html ●CDC「Swine Influenza (Flu)」http://www.cdc.gov/swineflu/ ●国立感染症研究所感染症情報センター「ブタインフルエンザ」http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html ●青木眞先生のブログにCDCの一般向けの翻訳が掲載されていますhttp://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/b60eb34d09d10229a171a400faf59300 ●新型インフルエンザ・ウォッチング日記http://blog.goo.ne.jp/tabibito12 

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2型糖尿病患者への心筋シンチグラムに、心筋梗塞や心臓死の予防効果なし

冠動脈性心疾患の症状のない2型糖尿病患者に対し、アデノシン負荷心筋シンチグラムによりスクリーニングを行っても、心筋梗塞や心臓死の予防効果は認められないことが明らかにされた。1,000人超の2型糖尿病患者を対象に行われた、DIAD試験(無症状の糖尿患者における虚血の検出試験)からの結果で、JAMA誌2009年4月15日号で発表されている。心イベント発生率は累積で2.9%、年率0.6%DIAD(The Detection of Ischemia in Asymptomatic Diabetics)では、冠動脈性心疾患の症状のない2型糖尿病患者1,123人を無作為に2群に分け、一方にはアデノシン負荷放射性核種心筋シンチグラム(MPI)によるスクリーニングを行い、もう一方には行わなかった。被験者の平均年齢は、スクリーニング群・対照群ともに約61歳。追跡期間の平均値は4.8年(標準偏差:0.9)、累積心イベント発生率は2.9%、年平均で0.6%だった。スクリーニング群でイベント発生率減少せず、陽性的中率も12%と低率両群それぞれにイベント発生率を比較したところ、スクリーニング群では非致死の心筋梗塞が7人、心臓死が8人と、両者併せた発生率は2.7%だった。一方の対照群は、非致死の心筋梗塞が10人、心臓死が7人で、両者併せた発生率は3.0%。スクリーニング群と対照群に有意差はなかった(ハザード比:0.88、95%信頼区間:0.44~1.88、p=0.73)。スクリーニング群の中で、結果が正常だった人(409人)とMPIで軽度異常が見られた人(50人)を併せてグループ化し、MPIで中程度から重度の異常が見られた人(33人)と比較したところ、前者群では心イベント発生率が0.4%/年だったのに対し、後者群では同2.4%/年と、有意差が見られた(ハザード比:6.3、95%信頼区間:1.9~20.1、p=0.001)。ただし、MPIで中程度・重度の異常の場合の陽性的中率は、12%と低かった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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高齢の2型糖尿病患者、重度低血糖で認知症リスクが増大

高齢の2型糖尿病患者で、入院や救急外来を必要とするほどの低血糖になると、認知症の発症リスクが有意に増大することが明らかにされた。1型糖尿病の小児で、急性低血糖が認知障害に関与する可能性があることは知られているが、高齢の2型糖尿病患者の同関連性についての研究は、これまで明らかにされていない。報告は、米国Kaiser PermanenteのRachel A. Whitmer氏らが、約1万7,000人の患者を追跡調査したもので、JAMA誌2009年4月15日号で発表した。調査対象の約8.8%が低血糖で入院、11%が認知症発症Whitmer氏らは、2型糖尿病患者で、2003年1月1日時点で認知症や軽度の認知障害などの診断を受けていない、55歳以上(平均年齢65歳)の1万6,667人について、2007年1月まで追跡調査を行った。低血糖の診断については、入院と病院の救急外来データを、1980年まで遡って調査した。その結果、低血糖の診断を1回以上受けた人は、全体の8.8%に当たる1,465人だった。また、認知症の診断を受けたのは、全体の11%に当たる1,822人。さらに、低血糖で入院した人で、認知症の診断を受けたのは、250人だった。1回の低血糖で認知症リスクは1.26倍、2回だと1.80倍に年齢、性別、教育レベル、糖尿病の病歴などで補正した後、低血糖の診断を1回受けた人の、そうでない人に比べた認知症発症に関するハザード比は、1.26(95%信頼区間:1.10~1.49)であった。低血糖の診断を2回受けた人の同ハザード比は、1.80(1.37~2.36)、3回以上の場合は、1.94(1.42~2.64)だった。調査対象となった高齢2型糖尿病群における、認知症発症に関する重度低血糖の寄与危険度は、2.39%/年だった。なお同研究グループは、軽度低血糖と認知症リスクとの関係については、まだ不明であるとしている。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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