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ネビラピン服用者にはネビラピンを含まないレジメンが優れる

HIV感染妊婦に対し、母子感染を防止する目的での抗レトロウイルス薬投与は、3剤併用療法を受けていない場合は、ネビラピン(商品名:ビラミューン)単独投与がWHOによって推奨されている。しかしネビラピンは母子感染を減らすものの、服用した妊婦の大半にネビラピン耐性ウイルスが出現。耐性ウイルスは時間とともに減少するが低レベルの持続が、ネビラピン単独療法後6~18ヵ月で開始される3剤併用療法の効力を弱めることが懸念されている。今後、数十万規模での服用者が予想される中、米国ブリガム&ウィメンズ病院のS. Lockman氏ら研究グループは、ネビラピン服用者に対する3剤併用療法には、ネビラピンを含まないレジメンの方がよいかどうかをオープンラベル無作為化試験で検討した。NEJM誌2010年10月14日号掲載より。ネビラピン服用・非服用者を、2つの3剤併用療法に無作為化し追跡試験はアフリカ7ヵ国で、CD4+T細胞数200個/mm3以下のHIV-1に感染した、試験登録前に6ヵ月以上ネビラピン単独服用歴のある妊婦241例と、同服用歴のなかった500例を対象に行われた。被験者は無作為に、tenofovir-emtricitabine+ネビラピンの併用療法群(ネビラピン併用群)か、tenofovir-emtricitabine+低用量リトナビルでブーストしたロピナビル(商品名:カレトラ)の併用療法群(ロピナビル併用群)に割り付けられた。主要エンドポイントは、ウイルス学的失敗が確認された時点または死亡とした。tenofovir-emtricitabine+低用量リトナビルでブーストしたロピナビルの方が優れるネビラピン単独服用歴のある被験者241例は、ネビラピン併用群に121例、ロピナビル併用群に120例それぞれ無作為化された。結果、主要エンドポイントに達した割合がネビラピン併用群26%で、ロピナビル併用群8%よりも有意に高かった(補正後P=0.001)。ウイルス学的失敗は37例で、ネビラピン併用群28例、ロピナビル併用群9例だった。ウイルス学的失敗なしでの死亡は5例(それぞれ4例と1例)だった。また両群の差は、ネビラピン単独服用から3剤併用療法開始までの期間が長いほど小さくなる傾向が認められた。ネビラピン耐性ウイルスは、基線での血漿サンプルを用いた後ろ向きバルク塩基配列決定法の結果、239例中33例(14%)で検出された。一方、ネビラピン単独服用歴のなかった被験者500例については、主要エンドポイントは、ネビラピン併用群249例中34例(14%)、ロピナビル併用群251例中36例(14%)だった。Lockman氏は、「ネビラピン単独服用歴のある女性には、tenofovir-emtricitabine+低用量リトナビルでブーストしたロピナビルの方が優位だった」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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変形性膝関節症の新しい疼痛治療tanezumabの有効性と安全性は?

変形性膝関節症の新しい疼痛治療として開発中の、神経成長因子(NGF)を標的とするヒト型モノクローナル抗体tanezumabの、安全性と鎮痛効果を検討するproof-of-concept試験の結果が、NEJM誌2010年10月14日号(オンライン版2010年9月30日号)に掲載された。米国カリフォルニア大学デイビス校のNancy E. Lane氏らによる発表で、tanezumab投与により、中等度~重度の変形性膝関節症患者の関節痛軽減と機能改善が認められたこと、軽度~中等度の有害事象との関連などが報告された。変形性膝関節症患者450例を、tanezumab投与群かプラセボ投与群に無作為化し検討試験は、2006年3月~2007年5月に40~75歳の変形性膝関節症患者450例を募集し、tanezumab投与群かプラセボ投与群に無作為化し行われた。tanezumab投与群の患者は、10、25、50、100、200μg/kg体重のいずれかを投与。投与は、1日目と56日目に行われた。有効性の主要評価基準は、歩行時の膝の痛み、患者の総合評価による治療の実感とした。また試験者側も、疼痛、こわばり、身体的機能についてはWOMACを用い、OMERACT-OARSIの効果判定基準を用いて治療反応率を評価した。安全性の評価も行った。有望な治療法であることは示された1~16週の平均で、基線からの、歩行時の膝の痛みの平均減少率は、tanezumab群は投与量により45~62%であった一方、プラセボ群は22%だった(P

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CABG周術期の輸血実施率、病院間で85%差以上と大幅なバラつき:米国

米国で冠動脈バイパス術(CABG)の術中・術後の輸血率は、医療機関によって85%差以上の大幅な格差があることが明らかになった。またその原因が、患者の年齢、性別、症状の程度といったケース・ミックスにあると説明できるのは、約2割程度だったという。周術期の輸血はコスト高の割に安全面に不安があり、実施を減らそうとの動きがある。しかし実施の現状については明らかになっていなかった。そこで米国Duke大学医療センター周術期臨床研究部門のElliott Bennett-Guerrero氏らが、10万人超のCABGを実施した患者について観察コホート試験を実行。JAMA誌2010年10月13日号で発表した。米国内798ヵ所、10万2,470人についてCABG周術期輸血率を調査研究グループは、2008年に全米798ヵ所の医療機関で、一つの血管に対する初回CABGを受けた人10万2,470人について調査を行った。主要評価項目は、術中・術後の赤血球輸血、新鮮凍結血漿輸血、血小板輸血のいずれかの実施率だった。被験者のデータは、Society of Thoracic Surgeons Adult Cardiac Surgeryデータベースに集積した。赤血球輸血、新鮮凍結血漿輸血、血小板輸血いずれの実施率も大幅格差結果、2008年に人工心肺使用心停止下CABGを100回以上実施した408施設における、合わせて8万2,446人について見てみたところ、赤血球輸血実施率は7.8~92.8%、新鮮凍結血漿輸血率は0~97.5%、血小板輸血率は0.4~90.4%だった。被験者全体について多変量解析を行った結果、患者個人のリスク補正後、輸血率は医療施設の場所(p=0.007)、教育病院か否か(p=0.03)、病院規模(p

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がんスクリーニング、進行がん患者へのベネフィットは疑問なのに相当割合で続行

がんスクリーニングがルーチンのプライマリ・ケアに組み込まれているが、余命が限られている進行がん患者に対してはベネフィットに疑問があるものの、相当割合で実施されていることが調査により明らかになった。米国Sloan-Kettering記念がんセンターのCamelia S. Sima氏らが、約9万人の進行がん患者と、その対照群について調べた結果によるもので、JAMA誌2010年10月13日号で発表した。進行期の肺・大腸・膵臓・胃食道・乳がん患者と対照群を追跡同氏らは、1998~2005年にかけて、米国高齢者向け公的医療保険メディケアの65歳以上加入者で、進行期の肺・大腸・膵臓・胃食道・乳がんのいずれかと診断された8万7,736人について追跡調査を行った。対照群として、メディケア加入者でがんの診断を受けていない、年齢や性別、人種などをマッチングした8万7,307人を抽出し追跡した。追跡期間は、2007年末または患者が死亡するまでのいずれかの早い方とした。がん診断前にスクリーニング歴ある人の方が継続して受けている割合が高い結果、女性被験者で、追跡期間中に1回以上のマンモグラフィを受けた人は、進行がん群8.9%、対照群22.0%だった。子宮頸がん検査の実施率はそれぞれ、5.8%と12.5%だった。男性被験者で、前立腺特異抗原(PSA)検査を受けたのは、進行がん群15.0%、対照群27.2%だった。男性・女性被験者で、下部消化管内視鏡検査の実施率は、進行がん群1.7%、対照群4.7%だった。また、実施率は、進行がんの診断を受ける以前12~24ヵ月の間に、同種のがんスクリーニング歴のある人の方がない人より高かった。ある人とない人のマンモグラフィ実施率は16.2%対5.7%、子宮頸がん検査は14.7%対4.0%、PSA試験は23.3%対10.3%、下部消化管内視鏡検査は6.1%対1.5%だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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乳幼児の喘鳴は、細菌感染、ウイルス感染とそれぞれ独立して関連

乳幼児における急性の喘鳴と細菌感染には、有意な関連があることが明らかにされた。デンマーク・コペンハーゲン大学のHans Bisgaard氏らが、前向き出生コホート研究を行い報告したもので、関連はウイルス感染と同様だが独自のものだという。ガイドラインでは、乳幼児の喘鳴には抗菌薬投与をルーチンに行わないよう勧告している。無作為化試験による喘鳴への抗菌薬投与の有効性も報告されていないが、欧米での最近の就学前児童を対象とした調査で、ウイルス感染による急性喘鳴例では抗菌薬が最も多く処方されていることが明らかになっている。こうした背景を受けBisgaard氏らは、これまで研究報告がされていない喘鳴と気道への細菌感染との関連、およびその関連がウイルス感染のものとは別のものなのか調査を行った。BMJ誌2010年10月9日号(オンライン版2010年10月4日号)掲載より。生後4週~3歳児を対象に、喘鳴と細菌感染との関連を調査本研究は、コペンハーゲンで喘息の母親から生まれた411例を追跡調査している「コペンハーゲン前向き小児喘息研究」の被験児を対象に行われた。母子は生後4週から3歳になるまで、研究拠点のクリニックに定期通院または緊急入院した記録があった。主要評価項目は、喘鳴発作時の気道に認められた細菌あるいはウイルスの頻度と、定期通院時に呼吸器症状が伴わなかった頻度とした。喘鳴との関連オッズ比、細菌感染2.9、ウイルス感染2.8細菌感染に関する解析対象は984検体(幼児361人)だった。ウイルスに関する解析対象は844検体(幼児299人)、両方一緒に解析されたのは696検体(幼児277人)だった。喘鳴発作は、細菌感染、ウイルス感染いずれとも関連が認められた。細菌感染のオッズ比は2.9(95%信頼区間:1.9~4.3、P

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従来心血管リスク+CKDステージ情報で、冠動脈心疾患リスクを改善?

慢性腎臓病(CKD)は病期ステージ1から、もともと血管疾患が認められなかった人のその後の冠動脈心疾患リスクを上昇することが報告された。イギリス・ケンブリッジ大学公衆衛生プライマリ・ケア部門のEmanuele Di Angelantonio氏らが、約1万7,000人の住民ベースの前向きコホート研究で明らかにしたもので、BMJ誌2010年10月9日号(オンライン版2010年9月30日号)で発表された。CKDステージの情報が入手可能だった33~81歳の1万6,958人を追跡Angelantonio氏らは、住民ベースでの、CKDステージごとの重大心血管疾患発生との関連および非血管死亡との関連を明らかにするため、レイキャビク(アイスランド)の住民を対象に調査を行った。血管疾患が認められず、eGFR、尿蛋白に基づくCKDステージの情報が入手可能だった33~81歳の1万6,958人が登録され、重大冠動脈心疾患および死亡のハザード比を主要評価項目に検討された。登録時にCKDステージ1の人、冠動脈心疾患リスクが1.55倍被験者のうち、登録時にCKDを有していたのは1,210人(7%)だった。追跡期間中央値24年の間に、冠動脈心疾患を発症したのは4,010人、脳卒中死亡559人、非血管系が原因の死亡は3,875人だった。基準群(eGFR:75~89mL/min/1.73m2、尿蛋白なし)と比べて、GFRが標準範囲値より低い腎機能が低下した人は、冠動脈心疾患リスクの上昇はみられなかった。対照的に、登録時にCKDを有していた1,210人(7%)の冠動脈心疾患リスク(ハザード比)は、従来心血管リスクで補正後、ステージ1で1.55(95%信頼区間:1.02~2.35)、ステージ2で1.72(1.30~2.24)、ステージ3aで1.39(1.22~1.58)、ステージ3bで1.90(1.22~2.96)、ステージ4で4.29(1.78~10.32)だった。そして、従来心血管リスクにCKD情報を加味することで、冠動脈心疾患リスクの区分および再分類指標を上昇させた(P

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ショ糖は、痛みを伴う処置を受ける新生児の疼痛緩和に有効か

ショ糖の経口投与は、痛みを伴う処置を受けた新生児の脳および脊髄の侵害反射回路の反応に影響を及ぼさず、鎮痛薬としては有効ではないことが、イギリス・オックスフォード大学のRebeccah Slater氏らが行った無作為化試験で示唆された。多くの新生児が、繰り返し施行される侵襲的処置を受けるために入院するが、これらの処置による疼痛が神経発達に及ぼす短期的、長期的な有害作用のエビデンスが蓄積されている。ショ糖の行動的および生理的な疼痛スコアの改善効果を根拠に、新生児の処置痛の軽減にその経口投与が推奨されているが、これらの疼痛スコアの改善は必ずしも新生児の疼痛除去に関連しない可能性があるという。Lancet誌2010年10月9日号(オンライン版2010年9月1日号)掲載の報告。ショ糖と滅菌水で、脳、脊髄の疼痛反応を比較研究グループは、新生児に対する痛みを伴う処置がもたらす脳および脊髄の疼痛反応を、ショ糖の経口投与が軽減するか否かを検討する二重盲検無作為化対照比較試験を行った。2009年2月~2010年3月までに、ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ病院で誕生した新生児59人が登録された。これらの新生児が、痛みを伴う処置として、臨床的に必要とされる血液サンプルの採取を目的に踵を穿刺された。この処置に先立ち、新生児は、24%ショ糖液0.5mLあるいは滅菌水0.5mLを1mL注射器で舌前面に直接に滴下する群のいずれかに無作為に割り付けられた。研究者、担当医、両親には投与された溶液の情報は知らされなかった。主要評価項目は、1回の穿刺で引き起こされた脳の疼痛反応(脳波検査のデータを記録し、主成分分析で判定)とし、副次評価項目は行動的(顔の表情の変化など)、生理的(脳波、パルス酸素濃度測定など)指標や観察的疼痛スコア[新生児の疼痛評価の指標である未熟児疼痛プロファイル(PIPP)]による評価、および脊髄侵害反射離脱反応とした。観察的疼痛スコアは改善したが、脳、脊髄の疼痛反応に差はないショ糖群に29人が、滅菌水群は30人の新生児が割り付けられ、主要評価項目の解析はそれぞれ20人、24人で可能であった。穿刺後の脳の疼痛反応の平均値は、ショ糖群が0.10(95%信頼区間:0.04~0.16)、滅菌水群は0.08(同:0.04~0.12)であり、両群間に差を認めなかった(p=0.46)。刺激を受けた足の大腿二頭筋から得られた脊髄侵害反射離脱の程度および反応潜時には、両群間で有意な差はみられなかった。平均PIPPスコアは、ショ糖群が5.8(95%信頼区間:3.7~7.8)と、滅菌水群の8.5(同:7.3~9.8)に比べ有意に低く(p=0.02)、投与後に表情の変化がみられない新生児の割合もショ糖群で多かった[35%(7/20人)vs. 0%(0/24人)、p<0.0001]。著者は、「これらのデータは、ショ糖の経口投与は新生児の脳および脊髄の侵害反射回路の反応には影響を及ぼさないことを示唆するため、鎮痛薬としては有効でない可能性がある」と結論し、「ショ糖の投与により、痛みを伴う処置後の新生児の臨床的な観察的疼痛スコアが改善されても、それを疼痛の除去と解釈すべきではない」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

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2倍用量クロピドグレル、PCI施行ACS患者に対する有用性を確認

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行された急性冠症候群(ACS)患者に対する抗血栓療法では、標準の2倍用量のクロピドグレル(商品名:プラビックス)を7日間投与するレジメンが、標準用量に比べ、心血管イベントおよびステント血栓症の発生を有意に低減することが、カナダMcMaster大学(ハミルトン)のShamir R Mehta氏らが行った無作為化試験(CURRENT-OASIS 7試験)で示された。PCI施行例では、クロピドグレルとアスピリンの併用療法が最も頻用されているが、近年、ACSに対する早期PCI施行例の増加に伴い、より迅速な作用の発現とより高度な抗血栓作用を有するレジメンの開発が求められている。クロピドグレルの負荷用量を2倍に増量し、引き続き標準用量で維持療法を行うアプローチの有用性がいくつかの試験で示唆されているという。Lancet誌2010年10月9日号(オンライン版2010年9月1日号)掲載の報告。2剤の2用量を評価する2×2ファクトリアル無作為化試験CURRENT-OASIS 7の研究グループは、PCI施行例における重篤な冠動脈イベントおよびステント血栓症の予防のためのクロピドグレルおよびアスピリンの至適用量を検討する2×2ファクトリアルデザインの無作為化試験を行った。2006年6月~2009年7月までに、39ヵ国597施設から早期PCIの適応とされたACS患者2万5,086例が登録された。これらの患者が、クロピドグレルを2倍用量(負荷用量/日:初日600mg、2~7日150mg、8~30日75mg、1万2,520例)あるいは標準用量(負荷用量/日:初日300mg、2~30日75mg、1万2,566例)投与する群に無作為に割り付けされ、引き続き各群がアスピリンを高用量(負荷用量/日:初日≧300mg、2~30日300~325mg)あるいは低用量(負荷用量/日:初日≧300mg、2~30日75~100mg)投与する群に無作為に割り付けられた。クロピドグレルの比較は二重盲検下に行われ、アスピリンの比較はアウトカム評価のマスク下にオープンラベルで実施された。事前に規定された解析は実際にPCIを施行された1万7,263例(2倍/高用量群:4,298例、2倍/低用量群:4,262例、標準/高用量群:4,326例、標準/低用量群:4,377例)について行われた。主要評価項目は、30日以内の心血管死、心筋梗塞、脳卒中の発生とし、PCI施行の傾向性で補正の上、intention-to-treat解析が行われた。クロピドグレル2倍用量群で主要評価項目の発生が14%低下30日間のフォローアップを完遂したのは、クロピドグレルの2倍用量群8,560例中8,558例、標準用量群8,703例中8,702例で、アスピリンの高用量群8,624例中8,622例、低用量群8,639例中8,638例であった。主要評価項目の発生率は、クロピドグレルの2倍用量群が3.9%(330/8,560例)と、標準用量群の4.5%(392/8,703例)に比べ有意に低下した(補正ハザード比:0.86、95%信頼区間:0.74~0.99、p=0.039)。definiteに分類されるステント血栓症の発生率は、それぞれ0.7%(58/8,560例)、1.3%(111/8,703例)であり、2倍用量群で有意に減少した(同:0.54、0.39~0.74、p=0.0001)。アスピリン高用量群における主要評価項目の発生率は4.1%(356/8,624例)、低用量群は4.2%(366/8,639例)であり、両群間に差を認めなかった(同:0.98、0.84~1.13、p=0.76)。大出血の頻度は、クロピドグレル2倍用量群[1.6%(139/8,560例)]が標準用量群[1.1%(99/8,703例)]よりも有意に高かった(同:1.41、1.09~1.83、p=0.009)が、アスピリンの高用量群[1.5%(128/8,624例)]と低用量群[1.3%(110/8,639例)]では差はみられなかった(同:1.18、0.92~1.53、p=0.20)。著者は、「PCI施行ACS患者では、クロピドグレルの7日間2倍用量投与により、心血管イベントおよびステント血栓症が標準用量投与に比べ低減したが、アスピリンの高用量と低用量量では差はなかった」と結論し、「早期の侵襲的治療戦略としてPCIの適応とされたACS患者の場合、すべての症例でクロピドグレル2倍用量レジメンを考慮してよい」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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2型糖尿病患者の重症低血糖と有害転帰リスクとの関連

メタ解析で、強化血糖コントロールは心筋梗塞リスクを減じ死亡リスクへの重大な影響はないながらも、重症低血糖のリスクが上昇することが示されている。ACCORD試験では、強化血糖コントロール群で観察された超過死亡はそうした治療の有害反応によるとの推論をあおったが、事後解析で、超過死亡は低血糖の高率な発症が直接的原因ではないことが示されている。そこで、オーストラリア・シドニー大学ジョージ国際保健研究所のSophia Zoungas氏らADVANCE試験共同研究グループは、同試験被験者における重症低血糖と有害臨床転帰との関連を調べた。NEJM誌2010年10月7日号掲載より。重症低血糖患者を中央値5年にわたって追跡研究グループは、ADVANCE試験の被験者1万1,140例の2型糖尿病患者について、重症低血糖と大血管・細小血管イベントリスク、および死亡リスクとの関連について検討した。解析は、ベースライン時とランダム化後の測定共変量値を補正した、Cox比例ハザードモデルを用いて行われた。被験者のうち、追跡期間中央値5年の間に1回以上の重症低血糖を起こしていたのは、231例(2.1%)だった。そのうち150例は強化血糖コントロール群(5,571例の2.7%)、81例が標準血糖コントロール群(5,569例の1.5%)に割り付けられた被験者だった。重症低血糖の発症から初回主要イベント発生までの期間中央値は、大血管イベントが1.56年(四分位範囲:0.84~2.41)、細小血管イベントが0.99年(同:0.40~2.17)、死亡が1.05年(同:0.34~2.41)だった。低血糖は重大な有害イベントが起きやすいことのマーカーか追跡期間中、重症低血糖は、主要なイベント補正後リスクの有意な上昇と関連していた。大血管イベントのハザード比は2.88(95%信頼区間:2.01~4.12)、細小血管イベントのハザード比は1.81(同:1.19~2.74)、心血管系起因の死亡のハザード比は2.68(同:1.72~4.19)、全死因死亡のハザード比は2.69(同:1.97~3.67)だった(いずれもP

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腎機能障害を伴う急性心不全患者へのrolofylline、治療薬としての将来性示されず

急性心不全患者では頻繁に有害転帰と関連する腎機能の低下がみられる。それら腎機能低下にはこれまでの実験・臨床研究から、アデノシンを介した対抗制御反応が関与する可能性が示唆されている。そこで米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校/サンフランシスコ退役軍人医療センターのBarry M. Massie氏ら研究グループは、アデノシンA1受容体拮抗薬rolofylline投与が、急性心不全患者の呼吸困難を改善し、腎機能を悪化させるリスクを減少し、より良好な臨床経過をもたらすとの仮説を検証する多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化試験「PROTECT」を行った。NEJM誌2010年10月7日号掲載より。腎機能障害を伴う急性心不全患者2,000例超を無作為化研究グループは、発症後24時間以内の、腎機能障害を伴う急性心不全の入院患者2,033例を、1日30mgのrolofylline静注を最大3日間投与する群とプラセボを投与する群に、2対1の割合で無作為に割り付け追跡した。主要エンドポイントは、治療成功、治療失敗、あるいは患者の臨床症状に変化なしとした。定義は、生存、心不全の状態、腎機能の変化に基づき行われた。副次エンドポイントは、治療後の持続性腎機能障害の発現、心血管または腎臓が原因の60日死亡率および再入院率とした。プラセボとの比較で有益性示されず結果、プラセボと比較して、rolofyllineの主要エンドポイントに関する有益性は示されなかった(オッズ比:0.92、95%信頼区間:0.78~1.09、P=0.35)。副次エンドポイントの持続性腎機能障害の発現は、rolofylline群で15.0%、プラセボ群は13.7%(P=0.44)だった。また、60日死亡・再入院率については両群で同等だった(rolofylline群30.7%、プラセボ群31.9%、P=0.86)。全体の有害事象の発生率は両群で同等だった。rolofylline群でのみ、てんかん発作がみられたが、これはアデノシンA1受容体拮抗薬の有害作用として知られる。これらの結果から研究グループは、「rolofylline投与が、主要臨床複合エンドポイントに良好な影響を与えることは認められず、腎機能や60日転帰も改善しなかった」と述べ、「腎機能障害を伴う急性心不全患者への治療薬としての将来性は示されなかった」と結論づけている。(朝田哲明:医療ライター)

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一般市民による心肺蘇生、胸骨圧迫CPRなら退院時生存率が従来法の1.6倍

心臓が原因で院外心停止を起こした人に対し、その場に居合わせた医療専門家ではない一般市民による心肺蘇生法(CPR)は、胸骨圧迫のみのCPRが、従来のCPRよりも退院時生存率が1.6倍高いことが明らかにされた。米国アリゾナ州保健局のBentley J. Bobrow氏らが、5年にわたり、院外心停止をした18歳以上5,000人超を対象に行った前向き観察コホート研究の結果、明らかにしたもので、JAMA誌2010年10月6日号で発表した。一般市民によるCPR、従来法666人、胸骨圧迫のみ849人研究グループは、2005年1月1日~2009年12月31日にかけて、アリゾナ州で心臓が原因で院外心停止した18歳以上、5,272人について調査を行った。そのうち、医療従事者によるCPRを受けた人、心停止が医療施設内だった人を除く4,415人について追跡した。被験者のうち、その場に居合わせた人によるCPRを受けなかったのは、2,900人だった。一方、一般市民により、従来CPRを受けたのは666人、胸骨圧迫のみCPR(compression-only CPR;COCPR)を受けたのは849人だった。5年間でCOCPR実施は急増、生存率も3.7%から9.8%に主要評価項目とした退院時生存率は、CPRを受けなかった群は5.2%(95%信頼区間:4.4~6.0)、従来CPRを受けた群は7.8%(同:5.8~9.8)だったのに対し、COCPRを受けた群は13.3%(同:11.0~15.6)で最も高率だった。退院時生存に関する、従来CPR群の非CPR群に対する補正後オッズ比は0.99(同:0.69~1.43)だったのに対し、COCPR群の非CPR群に対する補正後オッズ比は、1.59(同:1.18~2.13)であり、同従来CPR群に対する補正後オッズ比は、1.60(同:1.08~2.35)だった。また、院外心停止の際の居合わせた人によるCPR実施率は、2005年から2009年にかけて、28.2%から39.9%に増加していた(p

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重度外傷性脳損傷・非循環血液量減少性ショックに、高張食塩水投与は有意ではない

院外での緊急医療場面で、重度外傷性脳損傷で循環血液量減少性ショックの認められない人に対し、高張食塩水を投与しても、生理食塩水を投与した場合と比べ、6ヵ月後の神経学的アウトカムは同等であることが報告された。米国ハーバービュー医療センター救急医療部門のEileen M. Bulger氏らが、外傷性脳損傷を受けた15歳以上1,000人超について、プラセボ対照二重盲検試験を行って明らかにしたもので、JAMA誌2010年10月6日号で発表した。被験者を3群に分け、高張食塩水/デキストラン、高張食塩水のみ、生理食塩水を投与研究グループは2006年5月~2009年5月にかけて、114ヵ所の北米緊急医療サービス機関を通じ、外傷性脳損傷を被った15歳以上で、循環血液量減少性ショックが認められない、グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)8以下の患者を対象とした。試験適格患者は2,122人で、3群に無作為化された。一群には7.5%食塩水と6%デキストラン(高張食塩水/デキストラン群)を、別の群には7.5%食塩水(高張食塩水群)を、もう一つの群には0.9%生理食塩水を、それぞれ250mLボーラス投与し追跡した。主要評価項目は、6ヵ月後の神経学的アウトカムが、エクステンデッド・グラスゴー・アウトカム・スケール(GOSE)で4以下か否かとされた。被験者のうち、6ヵ月追跡された1,331人の中のアウトカムデータが得られた1,087人について、分析を行った。6ヵ月後のGOSEスコア、生存率、障害評価スコア、いずれも3群間に有意差なしその結果、6ヵ月後のGOSEスコアが4以下だった人の割合は、高張食塩水/デキストラン群では53.7%、生理食塩水群では51.5%と、両群間に有意差はなかった(両群差:2.2%、95%信頼区間:-4.5~9.0)。また高張食塩液群の同割合は54.3%で、こちらも生理食塩水群との間に有意差はなかった(両群格差:2.9%、同:-4.0~9.7)(3群格差に関するp=0.67)。GOSEスコアや、障害評価スコア(Disability Rating Score)の分布についても、各群で有意差はみられなかった。28日生存率も、高張食塩水/デキストラン群が74.3%、高張食塩水群が75.7%、生理食塩水群が75.1%と、有意差はなかった(p=0.88)。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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グルコサミンとコンドロイチンは単独・併用でも関節痛への効果はない

グルコサミン、コンドロイチンのサプリメントを単独または併用服用しても、股関節痛や膝関節痛を和らげることはなく、関節腔狭小化への影響もないことが、スイスのベルン大学社会・予防医療研究所のSimon Wandel氏らが行ったネットワーク・メタ解析の結果、明らかにされた。Wandel氏は、「保健衛生を担う当局および健康保健事業者は、これらの製剤コストをカバーすべきではない。そしてまだ投与を受けていない患者への新たな処方を阻止しなければならない」と提言している。BMJ誌2010年10月2日号(オンライン版2010年9月16日号)掲載より。プラセボとの比較で、グルコサミン、コンドロイチン単独・併用の関節痛への効果を判定Wandel氏らは、関節痛とX線診断で股関節炎や膝関節炎の病勢進行が認められた症例に対し、グルコサミン、コンドロイチンを単独または併用の効果を判定することを目的に、ネットワーク・メタ解析を行った。Cochrane、Medline、Embaseなどの電子データベースを検索、および専門家へのヒアリング、関連ウェブサイトから適格試験を選定し、試験内直接比較を、異なるタイムポイントの統合を可能とするベイズモデルを使って、他の試験の間接エビデンスと結びつけた。主要アウトカムは疼痛強度とし、副次アウトカムは関節腔狭小化とした。製剤とプラセボとの臨床的に意義ある差異を示す最小値は、10cmビジュアル・アナログ・スケールで-0.9cmと事前特定された。疼痛強度、関節腔狭小化とも臨床的意義ある差異は認められず解析には、10試験・3,803例が含まれた。結果、10cmビジュアル・アナログ・スケールで、プラセボと比較して、疼痛強度の差異は、グルコサミン群は-0.4cm(95%信頼区間:-0.7~-0.1 cm)、コンドロイチン群は-0.3cm(同:-0.7~0.0 cm)、併用群は-0.5cm(同:-0.9~0.0 cm)だった。95%信頼区間値が、臨床的意義ある差異を示す最小値(-0.9)を越えたものはなかった。企業から資金提供を受けて行われた試験結果に比べて、独立して行われた試験では、より小さい効果量が示されていた(相互作用のP=0.02)。また副次アウトカムの関節腔狭小化の差異も、95%信頼区間値が0値に重なり合うほどわずかだった。(武藤まき:医療ライター)

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医師の学ぶ意欲、パフォーマンス向上を刺激するのはどんな評価か?

臨床パフォーマンスの評価は重要だが、難しいテーマとされる。これまでは、評価はいわずもがなで標準化しにくい、徒弟制度モデルのような主観的な判断に基づいていた。しかし近年は、コンピテンスやパフォーマンスを評価する新しいシステムによる卒後教育が構築され、ワーク・プレイス・アセスメントも、その一つとされる。では、日々の臨床パフォーマンスを評価するのに用いられるワーク・プレイス・アセスメントが、卒後教育やパフォーマンスにどれほど影響しているのか。イギリス・ペニンシュラ医科歯科大学/プリマス大学のAlice Miller氏らがエビデンスを得るため、システマティックレビューを行った。BMJ誌2010年10月2日号(オンライン版2010年9月24日号)掲載より。ワーク・プレイス・アセスメントの効果を検討した研究をシステマティックレビュー主要なデータソースは、雑誌データベース(Ovid、Medline、Embase、CINAHL、PsycINFO、ERIC)を用い行われた。また、エビデンス・レビューは、Bandolier、Cochrane Library、DARE、HTA Database、NHS EEDおよびHealth Information Resourcesのウェブサイトを活用し行われた。関連研究の参照リストとレビュー記事の文献も当たり、ワーク・プレイス・アセスメントの教育的効果、または医師のパフォーマンスに与えた効果の評価を試みた研究のいずれもが対象に含まれた。対象集団が非メディカルまたは医学生よって行われた研究は除外され、論評記事、解説、レターも同様に除外された。最終的に、実際の臨床経験ではなく模擬患者やモデル利用の研究も除外基準に含まれた。結果、16件の研究が選定された。15件は、非比較の記述・観察研究で、残りは無作為化試験だった。研究の質は混合された。マルチソース・フィードバックがパフォーマンス改善に結びつく8件の研究が、マルチソース・フィードバック(多面的評価)を検討しており、大半の医師が、マルチソース・フィードバックは教育的価値はあるが、実践を変えるほどのエビデンスはないと感じていた。ただし一部のジュニアドクターおよび外科医に、マルチソース・フィードバックに応じて変化することを喜んで受け入れる意思を示す者がいた。家庭医は、より変化に意欲的である可能性が示された。パフォーマンスへの変化が起きやすかったのは、フィードバックが正確で信頼できるものだったり、また自分たちの強みあるいは弱点を特定するのに役立つ指導がもたらされるものである時にみられた。4件の研究は、ミニ臨床評価エクササイズを検討したもので、1件の研究は、技術手順を直接観察したものであり、3件の研究は、手順を多面的に評価したものだった。そして4件とも、ワーク・プレイス・アセスメント・ツールの教育的影響をポジティブに報告していたが、これらのツールによりパフォーマンスが改善されたかを観察したものはなかった。Miller氏は、「パフォーマンス評価の手法としてワーク・プレイス・アセスメントの重要性が強調はされていても、医師の教育やパフォーマンスに与える影響を調査している論文はほとんどない」と述べたうえで、「今回のレビューで、マルチソース・フィードバックは、フィードバックの詳細、内容、促進を促す内容が盛り込まれているかで、パフォーマンス改善に重大な効果があることが明らかになった。それ以外のワーク・プレイス・アセスメント・ツール(ミニ臨床評価エクササイズなど)は、教育に与える影響があることを主観的に報告はしていたが、パフォーマンス改善に結びつくエビデンスは認められなかった」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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新規抗がん剤cabazitaxel、進行性前立腺がん患者の全生存率を延長

ドセタキセル(商品名:タキソテール)ベースの治療後も病勢が進行した、転移性ホルモン治療抵抗性前立腺がん患者に対し、cabazitaxel+プレドニゾン併用療法が、ミトキサントロン(商品名:ノバントロン)+プレドニゾン併用療法に比べ、有意に全生存率を改善したことが、オープンラベル無作為化第III相試験「TROPIC」の結果、報告された。イギリス・王立マースデンNHSトラストがん研究所のJohann Sebastian de Bono氏らによる。cabazitaxelは、ドセタキセル治療後も病勢が進行した症例で抗腫瘍活性が認められた、タキサン系の新規開発薬である。Lancet誌2010年10月2日号掲載より。経口プレドニゾン+cabazitaxel群または+ミトキサントロン群に無作為化試験は、ドセタキセル治療後も病勢が進行した転移性ホルモン治療抵抗性前立腺がん患者における、cabazitaxel+プレドニゾン併用療法とミトキサントロン+プレドニゾン併用療法との、有効性および安全性を比較検討することを目的に行われた。26ヵ国146施設から登録された被験者755例は全員、経口プレドニゾン10mg/日を投与されるとともに、無作為に3週ごとに、cabazitaxel 25 mg/m2を静注(1時間かけて)投与される群(378例)かミトキサントロン12mg/m2を静注(15~30分かけて)投与される群(377例)に割り付けられた。無作為割付はコンピュータで行われ、患者と治療者は割り付け治療をマスキングされなかったが、解析を行った試験チームに対してはデータがマスキングされた。主要エンドポイントは全生存率、副次エンドポイントは無増悪生存期間と安全性で、intention-to-treat解析にて検討が行われた。cabazitaxel群の死亡リスク、ミトキサントロン群に比べ30%低下解析データ受付が締め切られた2009年9月25日時点で、生存期間の中央値は、cabazitaxel群が15.1ヵ月(95%信頼区間:14.1~16.3)、ミトキサントロン群が12.7ヵ月(同:11.6~13.7)で、cabazitaxel群の死亡リスクはミトキサントロン群に比べ30%低下した(ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.59~0.83、p<0.0001)。無増悪生存期間の中央値は、cabazitaxel群が2.8ヵ月(同:2.4~3.0)、ミトキサントロン群が1.4ヵ月(同:1.4~1.7)だった(ミトキサントロン群のcabazitaxel群に対するハザード比:0.74、0.64~0.86、p<0.0001)。最も一般的にみられたグレード3以上の有意な臨床有害事象は、好中球減少[cabazitaxel群303例(82%)vsミトキサントロン群215例(58%)]、下痢[同:23例(6%)vs1例(1%)]で、発熱性好中球減少はcabazitaxel群では28例(8%)、ミトキサントロン群では5例(1%未満)だった。試験グループは、「cabazitaxel+プレドニゾン併用療法は、ドセタキセル治療後も病勢が進行した転移性ホルモン治療抵抗性前立腺がん患者に対し、臨床的に有力な抗腫瘍活性を有し全生存率を改善した」と結論している。

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CA125濃度上昇を指標とした再発卵巣がんへの早期治療介入にベネフィット認められず

CA125濃度上昇を指標とした再発卵巣がんへの早期治療介入に、生存期間延長の効果は認められなかったことが、イギリス・マウントバーノンがんセンターのGordon J S Rustin氏らMRC OV05/EORTC 55955共同研究グループによる無作為化対照試験の結果、報告された。卵巣がんでは再発症状が認められる数ヵ月前に、CA125濃度の上昇がよくみられることから、研究グループは、これを指標とした早期治療介入が、再発症状の発現を基点に治療を開始することよりも有益であることを立証することを目的に試験を行った。Lancet誌2010年10月2日号掲載より。CA125濃度が標準値2倍超時点で被験者を早期治療群か治療遅延群に無作為化試験には、プラチナ製剤ベースのファーストライン治療後に完全寛解が認められ、CA125濃度が標準値だった女性1,442例が登録された。登録後、3ヵ月ごとに臨床検査とCA125測定が行われ、測定値が被験者および試験研究者にはマスキングされる一方、コーディングセンターでモニタリングされ、CA125濃度が標準値の2倍超となった場合、被験者は早期に化学療法を受ける群か症状発現まで遅延し化学療法を受ける群かに1対1の割合で無作為に割り付けられた。患者と試験協力施設には、早期に化学療法を受ける場合は知らせがあり、CA125濃度2倍超上昇が認められてから28日以内に治療が開始された。なお被験者は全員、標準治療を受けた。主要エンドポイントは全生存率で、intention-to-treat解析にて検討が行われた。治療を遅延した群の方が生存期間長期に無作為化されたのは529例(早期治療群265例、治療遅延群264例)、無作為化後の追跡期間中央値は56.9ヵ月(IQR:37.4~81.8)だった。その間の死亡は370例で、内訳は早期治療群186例、治療遅延群184例で、全生存率について両群間に差異があることは立証されなかった(ハザード比:0.98、95%信頼区間:0.80~1.20、P=0.85)。無作為化後の生存期間の中央値は、早期治療群が25.7ヵ月(95%信頼区間:23.0~27.9)、治療遅延群は27.1ヵ月(同:22.8~30.9)だった。

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中等度リスク神経芽腫、低用量化学療法でも高い生存率達成

小児がんのうち脳腫瘍に次いで頻度の高い神経芽腫について、中等度リスク患児への化学療法の期間を短縮かつ用量を減量しても、非常に高い生存率が達成されたことが、オーストラリアPrincess Margaret Hospital for ChildrenのDavid L. Baker氏ら小児がん研究グループにより報告された。中等度リスク神経芽腫への大量化学療法の生存率は、良好であることが示されているが、より期間を短縮かつ用量を減じた場合の転帰については明らかになっていなかった。NEJM誌2010年9月30日号より。腫瘍の生物学的特徴に基づき治療サイクルを割り付けBaker氏らは、腫瘍の生物学的特徴に基づき治療を割り付ける手法を用いて、治療継続期間および薬剤投与量を減じた場合でも、3年推定全生存率90%以上を維持できるかどうかを検証する前向き第3相非無作為化試験を行った。試験対象は、新たに中等度リスク神経芽腫と診断された、MYCN増幅のない患児が適格とされた。具体的にはステージ3または4の乳児(年齢<365日)、腫瘍の組織病理学的特徴が良好なステージ3の小児(年齢≧365日)、およびステージ4SでDNA指標二倍体または組織病理学的な特徴が良好でない乳児が含まれた。被験者は、組織病理学的な特徴が良好で染色体二倍状態の患者は4サイクルの化学療法群に、不完全奏効または病理学的特徴が良好でない患者は8サイクルの化学療法群に割り付けられ追跡された。より厳正なリスク層別化で、さらなる低用量化が期待される本研究に登録された適格患児は、1997~2005年の間で合計479例(ステージ3:270例、ステージ4:178例、ステージ4S:31例)だった。また、腫瘍の生物学的特徴が良好だったのは323例、141例は良好ではなかった。遺伝子倍数の関係性は、転帰の有意な予測因子だったが、組織病理学的特徴は転帰の有意な予測因子ではなかった。疾患進行は伴わない重度有害事象の発生は、10例(2.1%)で認められた。内訳は、2次性白血病3例、感染症による死亡3例、手術時合併症による死亡4例だった。全体の3年推定全生存率(±SE)は、96±1%であった。生物学的特徴が良好であった患児では98±1%、同特徴が良好ではなかった患児では93±2%だった。これらから研究グループは、中等度リスク神経芽腫の患児に対し、以前の試験での処方プランと比較して、腫瘍の生物学的特徴に基づき投与期間・量をかなり短く減量した化学療法群で、高率な生存率が達成されたと述べ、「本結果は、より厳正なリスク層別化が、さらなる低用量化学療法を支持することを提示するものである」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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ハイリスク神経芽腫、標準療法への免疫療法追加が転帰を有意に改善

15歳未満の小児がん死亡の12%を占める神経芽腫は、標準治療が10年以上前に確立されているが、患児の半数以上を占めるハイリスク神経芽腫は、大量化学療法・集学的治療を行っても、再発から転帰へと至り長期生存に乏しい。そうしたハイリスク神経芽腫患児に対し、新たに開発されたch14.18の免疫療法を追加することで、転帰が有意に改善されたことが、カリフォルニア大学のAlice L.Yu氏らの研究グループにより報告された。NEJM誌2010年9月30日号掲載より。標準治療に免疫療法を追加ch14.18は、腫瘍細胞表面に発現するジシアロガングリオシドGD2を標的とするモノクローナル抗体で、これまでの前臨床・予備的臨床データから、神経芽腫に対する活性があること、特に顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)あるいはインターロイキン(IL)-2との併用で活性が高まることが示されている。Yu氏らは、大量化学療法・集学的治療後のハイリスク神経芽腫患児に対し、標準治療(isotretinoin療法)に加えて、新たに開発されたch14.18とGM-CSF、インターロイキン-2の治療を追加することで、転帰が改善するかどうかを評価する試験を行った。適格患者226例を、標準治療(isotretinoin療法6サイクル)または免疫療法(isotretinoin療法6サイクル+ch14.18に加えてGM-CSFまたはインターロイキン-2の併用を交互に5サイクル)を受ける群に1対1の比率で無作為に割り付け、両群のイベントなし生存率と全生存率をintention-to-treat解析にて比較した。2年後のイベントなし生存率、全生存率とも有意に改善免疫療法群では、グレード3、4、5の疼痛が合計52%の患者に認められ、23%の患者に毛細血管漏出症候群が、25%に過敏反応が認められた。有効性に基づく試験早期中止の基準は、予想されたイベント数の61%が観察された時点で満たされ、追跡期間中央値は、2.1年だった。2年時点での、イベントなし生存率(66±5%対46±5%、P=0.01)、全生存率(86±4%対75±5%、中間解析未補正のP=0.02)とも、免疫療法が標準治療より優れていた。これらの試験結果から研究グループは、ハイリスク神経芽腫患児に対する、ch14.18とGM-CSF、インターロイキン-2を併用した免疫療法は、標準治療と比較してアウトカムの有意な改善と関連していたと結論づけた。(朝田哲明:医療ライター)

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来春の花粉飛散量は今年より5倍の見込み!?

株式会社ウェザーニューズは5日、2011年の花粉シーズンにおける全国および、各12 エリアの“スギ・ヒノキ花粉”傾向を発表した。発表によれば、2011年の花粉飛散量は、全国的に2010年よりも多く、全国平均では2010年の約5倍の飛散量となる見込みだという。過去の2005年にスギ花粉の大量飛散となったが、2011年はその時と同等かそれ以上に飛散する可能性があるとのこと。また、スギ花粉症患者の多くがヒノキ花粉にも反応することが知られていて、ヒノキ花粉の飛散数は、スギ花粉の飛散数と傾向が似ているため、2011年はヒノキ花粉の飛散量も多くなると予想される。2月以降は徐々に花粉飛散数が増えるので、早めに事前対策をしっかりと進めておくと良さそうだとのこと。詳細はプレスリリースへ http://weathernews.com/ja/nc/press/2010/101005.html

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iPadを活用したセルフ患者アンケートシステム『セルフQ』発売

株式会社グッドサイクルシステムは6日、iPadを活用したセルフ患者アンケートシステム『セルフQ』を発売した。『セルフQ』は、医療機関や薬局においての問診やアンケートなどをiPad等のモバイルタッチ端末を使って患者自身に登録行ってもらい、入力内容を電子薬歴等に自動登録することができるようになっている。標準では小児、女性、男性、高齢者、再来の5種類のアンケートを搭載し、質問数や内容は自由に編集できる。また、連携システムは、テキストデータによる受け渡しとなり、システムに合わせてキー項目のカスタマイズも可能である。セルフQ端末は、iPad、iPhone3GS、iPhone4に対応済。管理PCの対応OSは、Windows XP Professional SP3、Windows Vista Business SP2、Windows 7 Professional、Windows Server 2003R2、Windows Sever 2008となっている。販売開始は、11月15日を予定しているとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://goodcycle.net/modules/announce/index.php?page=article&storyid=36

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