ネビラピン服用者にはネビラピンを含まないレジメンが優れる

提供元:ケアネット

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公開日:2010/10/27

 



HIV感染妊婦に対し、母子感染を防止する目的での抗レトロウイルス薬投与は、3剤併用療法を受けていない場合は、ネビラピン(商品名:ビラミューン)単独投与がWHOによって推奨されている。しかしネビラピンは母子感染を減らすものの、服用した妊婦の大半にネビラピン耐性ウイルスが出現。耐性ウイルスは時間とともに減少するが低レベルの持続が、ネビラピン単独療法後6~18ヵ月で開始される3剤併用療法の効力を弱めることが懸念されている。今後、数十万規模での服用者が予想される中、米国ブリガム&ウィメンズ病院のS. Lockman氏ら研究グループは、ネビラピン服用者に対する3剤併用療法には、ネビラピンを含まないレジメンの方がよいかどうかをオープンラベル無作為化試験で検討した。NEJM誌2010年10月14日号掲載より。

ネビラピン服用・非服用者を、2つの3剤併用療法に無作為化し追跡




試験はアフリカ7ヵ国で、CD4+T細胞数200個/mm3以下のHIV-1に感染した、試験登録前に6ヵ月以上ネビラピン単独服用歴のある妊婦241例と、同服用歴のなかった500例を対象に行われた。

被験者は無作為に、tenofovir-emtricitabine+ネビラピンの併用療法群(ネビラピン併用群)か、tenofovir-emtricitabine+低用量リトナビルでブーストしたロピナビル(商品名:カレトラ)の併用療法群(ロピナビル併用群)に割り付けられた。

主要エンドポイントは、ウイルス学的失敗が確認された時点または死亡とした。

tenofovir-emtricitabine+低用量リトナビルでブーストしたロピナビルの方が優れる




ネビラピン単独服用歴のある被験者241例は、ネビラピン併用群に121例、ロピナビル併用群に120例それぞれ無作為化された。

結果、主要エンドポイントに達した割合がネビラピン併用群26%で、ロピナビル併用群8%よりも有意に高かった(補正後P=0.001)。ウイルス学的失敗は37例で、ネビラピン併用群28例、ロピナビル併用群9例だった。ウイルス学的失敗なしでの死亡は5例(それぞれ4例と1例)だった。また両群の差は、ネビラピン単独服用から3剤併用療法開始までの期間が長いほど小さくなる傾向が認められた。ネビラピン耐性ウイルスは、基線での血漿サンプルを用いた後ろ向きバルク塩基配列決定法の結果、239例中33例(14%)で検出された。

一方、ネビラピン単独服用歴のなかった被験者500例については、主要エンドポイントは、ネビラピン併用群249例中34例(14%)、ロピナビル併用群251例中36例(14%)だった。

Lockman氏は、「ネビラピン単独服用歴のある女性には、tenofovir-emtricitabine+低用量リトナビルでブーストしたロピナビルの方が優位だった」と結論している。

(武藤まき:医療ライター)