サイト内検索|page:1611

検索結果 合計:35627件 表示位置:32201 - 32220

32201.

米国の大学医師の給与、男女間で格差

米国の大学で医学研究に従事する医師(physician researcher)の給与について、専門性、研究施設の特性、学問的生産性、大学ランク、労働時間、その他の格差の因子で補正後も、男女の格差が存在することが明らかにされた。米国・ミシガン大学のReshma Jagsi氏らが行った調査の結果による。一般に同じように働いている男性と女性の医師に同様の給与が支払われているかどうかは不明であった。JAMA誌2012年6月13日号で発表した。NIHアワードK08、K23授与者1,853人を対象に調査研究グループは、比較的均一な医師研究者集団に性差による給与格差があるのか、あるとすれば、その格差は専門性や生産性その他の因子で説明できるかどうかについて調査を行った。調査は、2009~2010年にかけて郵送調査で行い、対象は、2000~2003年に米国国立衛生研究所(NIH)からアワードK08およびK23の研究費を授与された1,853人のうち、住所が特定できた1,729人だった。郵送調査の回収率は71%。解析対象は、米国内の大学施設で診療へと結びつけており、現在の年俸を報告した800人の医師に限定した。主要評価項目は自己申告による年俸で、以下の特性を踏まえた線形回帰モデルで解析した。性、年齢、人種、婚姻状況、子どもの有無、付加的な学位等級、大学での職位、指導的地位、専門性、研究施設のタイプ、地域、NIHの資金提供順位、Kアワード授与以降の施設経験、授与されたKアワードタイプ、Kアワードによる資金提供研究施設、Kアワード授与後の年数、資金提供額、出版実績、労働時間、研究に費やす時間。同じ能力なら女性医師の給与はいまより1万2,000ドル超高いはず調査集団における平均給与は、女性医師が16万7,669ドル(95%信頼区間:15万8,417~17万6,922)、男性医師が20万433ドル(同:19万4,249~20万6,617)だった。専門性、大学での職位、指導的地位、出版実績、研究時間で補正後の最終モデルでも、男性のほうが高給だった(+1万3,399ドル、P=0.001)。Peters-Belson解析(男性の回帰モデルから導き出された係数を女性にあてはめた)の結果、女性医師の平均給与は、もし女性医師が正確に計った特性を備えている男性だとすると、観察された給与より1万2,194ドル高くなるはずであることが示された。(朝田哲明:医療ジャーナリスト)

32202.

厚労省も新制度義務化:精神疾患患者「社会復帰」へ

 「統合失調症」へ呼称変更されてから10年が経過した。この間を振り返り、「統合失調症呼称変更で何が変わったか?」との演題で、国立精神神経医療研究センター 高橋清久氏がヤンセンファーマメディアセミナーにて講演した(2012年6月14日)。社会復帰を目指した「統合失調症」への呼称変更 2002年、世界精神医学会(WPA)横浜大会と同時開催された日本精神神経学会総会において「精神分裂病」から「統合失調症」へ呼称が変更された。変更の背景には、精神分裂病という病名が「精神そのものの分裂」と誤解されることによる患者や家族の苦痛が、予後や社会復帰への悪影響につながっていることがあった。そのため、病名が患者や家族に不利益をもたらさないよう考慮し、さまざまな新病名案の中から「統合失調症」が選ばれ、これに改めることとした。さらなる「統合失調症」への理解を求める 本セミナーでは20代~60代の一般人男女500名を対象に、統合失調症に対する理解度やイメージに関する全国web調査の結果も報告された。精神疾患の病名に対する認知状況では、「うつ病」が92.4%と最も高い一方で、「統合失調症」は55.6%と約半数程度であった。さらに「精神分裂病」に対する認知度は64.6%と統合失調症よりも依然として高い結果であった。また、「統合失調症」の認知状況は、「あまり知らない」「全く知らない」と回答した割合が61%、「非常によく知っている」「よく知っている」と回答した割合が14%と大きな開きがあり、病名および疾患全般に関する理解が十分でないことを示す結果となった。統合失調症患者との触れ合いがポイント 統合失調症のイメージに関する調査では、多くの方が「実際よりも重い病状の病気である」との認識を持っている。そして、以前の調査よりは減少してはいるものの、「なるべく関わりたくない」と不安を抱いている割合が高かった。また、「統合失調症」に対する認知が高い(非常によく知っている/よく知っていると回答)人ほど統合失調症患者は差別されているというイメージを持っていることもわかった。 高橋氏は「統合失調症に対する誤ったイメージを是正する手段として、患者との触れ合いを体験することが重要である」と語る。看護学生を対象に、統合失調症患者への実習体験前後のイメージ調査の報告を紹介し、実習前は統合失調症に対し「怖い」「暗い」「コミュニケーションが取れない」と感じていたが、実習後は「怖くない」「やさしい」「普通」とイメージが変化することから、より多くの方々に触れ合い体験する機会を持ってほしいと述べた。統合失調症の治療ゴールは「社会復帰」 社会復帰を目指す上で、治療薬や治療ターゲットも変化している。入院主体の医療から外来移行、社会復帰を目指し、第二世代抗精神病薬を主体とした単剤治療や再発防止をターゲットとした治療が求められるようになってきた。最近では第二世代抗精神病薬の剤型も豊富になっており、「液剤」や「口腔内崩壊錠」「徐放錠」「持続性注射剤」など患者の希望や生活スタイルに合わせた剤型選択が可能となり、服薬アドヒアランスの向上および再発予防に寄与するものと考えられる。高橋氏は「持続性注射剤の使用は社会復帰やQOL向上などメリットが大きい」ということを具体的な事例を交えて強調した。統合失調症患者の「社会復帰」へ厚労省も動き出す 厚生労働省は、新たに精神障害者の採用を企業に義務づける方針を固めた。障害者雇用促進法は、企業などに、全従業員に占める障害者の割合を国が定める障害者雇用率以上にするよう義務づけている。これまで、障害者の範囲は「身体障害者」「知的障害者」に限られていたが、「統合失調症」や「うつ病」などの精神疾患患者を新たに加える。これにより、統合失調症患者の社会復帰がさらに進み、より多くの方々の統合失調症に対する認知向上と偏見の是正がもたらされることが期待される。関連医療ニュース 日本おける抗精神病薬の用量はアジア各国と比較し、まだ多い―REAP調査― パリペリドンはリスペリドンより安全性プロファイルが良好 認知症の在宅支援強化へ、厚労省が新対策  担当者へのご意見箱はこちら

32203.

要注意…論文のアブストラクトと本文の結語の不一致:肺がん全身療法のRCTを分析

臨床医は、新たなRCT(Randomized Control Study)の情報に乗り遅れないよう、論文のアブストラクトだけを読むことがある。しかし、論文の結語(conclusion)は、アブストラクトと本文中で記載内容が一致していないことがある。このアブストラクトの不一致についてカナダQueen’s UniversityのAltwairgi氏らが分析し、その結果がJournal of Clinical Oncologyオンライン版2012年5月29日に掲載された。分析対象となったのは2004年~2009年の間に発表された肺がん全身療法のRCTである。アブストラクト中と本文中の結語は、7段階のリッカート尺度を用いて階層化された(スコア1は対照群を強く支持、4は双方に中立、7は試験群を強く支持)。双方の点数差が2以上の場合、不一致と判定された。また、不一致関連因子の特定にはχ2検定とロジスティック回帰分析が用いられた。結果、114件のRCT(非小細胞肺がん90件、小細胞肺がん24件)が選出され、そのうち11件(10%)の論文で、結語の不一致が示された。不一致は、実験群がアブストラクト中の結語で強く支持されるケースで最も多かった(9/11 件、82%)。また、不一致の要因を分析したところ、掲載誌のインパクトファクター、肺がん進行度、スポンサーシップの有無など試験関連因子からは独立したものであることがわかった。Altwairgi氏らは、実臨床において、RCTに関する論文のアブストラクトだけを確認して診療変更を検討するような場合は、注意を払うべきであると、結語で述べている。(ケアネット 細田 雅之)

32204.

エキスパートへのQ&A ~エキスパートDrに聞く~

慢性腎臓病(CKD)の概念が提唱され、10年が経ちました。この間、本疾患に対する注目度や臨床医の治療経験が飛躍的に向上し、今では、コモン・ディジーズの一つとなりました。このCKD診療の浸透に大きな役割を果たした『CKD診療ガイド』が、2012年6月に改訂されました。ケアネットでは、『CKD診療ガイド』改訂を機に、CKD診療に関する質問を会員の医師より募集しました。この質問に、常喜信彦先生(東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科 准教授)が回答します。常喜信彦先生東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科 准教授CKD患者を専門医に紹介するにしても、腎臓専門医の人数は少なく、それほど多くの患者を診療することは難しいかと思います。どのような患者であれば、専門医に紹介すべきでしょうか?とくに軽症の患者さんを専門医に送るときの判断について教えてください。たとえ蛋白尿が認められていても、またeGFRが45 mL/分/1.73m2と低下していたとしても、極論を言えばそれ以上悪くならなければ、臨床上まったく問題はないわけですが、進行性のCKDが疑われるならば、専門医への紹介が望まれます。進行性を疑う最も強力なマーカーは蛋白尿の量になります。1日換算量で0.5 g以上認められ、かつその量が半年から1年の経過で増加傾向を示す時には積極的に専門医に紹介すべきです。eGFRについても進行性に低下する場合は同様です。尿蛋白の測定は、どのようにしていますか? 自費で行う場合もありますか? 対象となる患者を教えてください。最も一般的な方法は、随時尿の蛋白尿量を尿中Cr値で割った1日換算量を求める方法です。この方法で算出された1日換算量は、24時間畜尿により求められた蛋白尿と非常によく相関することがわかっています。高血圧、糖尿病、高脂血症といったいわゆる古典的な動脈硬化危険因子で診療中の患者、メタボリックシンドロームの患者には積極的に尿蛋白の測定を行うことを推奨します。蛋白尿をきたす原因として、若年では慢性糸球体腎炎も頻度が高くなります。微量アルブミン尿は保険診療の上では、糖尿病性腎症が疑われる時に適応となります。日常診療の中で、それ以外の疾患にまで微量アルブミン尿を計測拡大させる必要はないと思います。それよりも、まず通常の尿蛋白1日換算量を忘れずに確実に測ることが推奨されます。病状評価にあたり、初診時に何を行いますか? 定期検査の頻度についても教えてください。慢性腎臓病の診断、重症度の評価をするときに必須の検査は、1日換算量の蛋白尿ないしアルブミン尿とeGFR値になります。この2つの検査は必須とお考えください。加えて、腎の形態的異常の把握のために腎臓超音波を行えば、慢性腎臓病の病状評価としては必要な検査はそろいます。今回renewalされたCKD診療ガイドでは、尿蛋白1日換算量とeGFR値から、腎臓専門医への受診間隔の目安が示されています。ご参考いただければと思います。腎臓専門医への受診間隔(月)画像を拡大する血圧やコレステロールもそれほど高くない患者の場合、尿所見とeGFRのみで患者さんの受診を持続させられるものでしょうか? 患者さんの受診モチベーションをあげる方法などありますか?CKD診療ガイドに示されている、慢性腎臓病の重症度評価の色別表を使用されてはいかがでしょうか。将来、末期腎臓病に至るリスクや心血管イベントを起こすリスクが色別に表記されており、患者さんにお見せしても非常にわかりやすい表かと思います。今回、同時に、その表をもとにした、診療間隔目安表も公開されました。ご参考いただければと思います。CKDの重症度分類画像を拡大するLDL-Cと中性脂肪の両方が高いCKD患者さんには、フィブラートとスタチンのいずれを用いればよいでしょうか?まだ、答えの出ていない分野かもしれません。まずフィブラート系の治療薬はeGFR30 mL/分/1.73m2未満では使用できませんので、CKDステージ3までの患者でどう考えるべきか、ということになります。CKD患者における脂質代謝異常の治療に関する証拠はかなり限られたものになり、不十分と言わざるを得ません。しかしながらLDL-CとTGを比較したとき、どちらのパラメーターに関する治療成績が多いかと言えばLDL-Cになるかと思われます。選択するとなれば、LDL-C低下作用に秀でたスタチンになるかと思います。参考までに、スタチンとフィブラートの併用は横紋筋融解症の危険が高まるため、原則禁忌とされています。必然的にCKD患者の高TG血症へはニコチン酸系薬剤を使用することが多くなります。高尿酸血症の管理について、管理する患者や介入開始尿酸値、管理目標値などについて教えてください。高尿酸血症がCKDの発症、進行に深くかかわる因子であることが明らかとなってきました。わが国の報告で、住民健診で尿酸値について男性7.0mg/dL以上、女性6.0mg/dL以上を高尿酸血症と定義したとき、高値群で末期腎臓病への移行リスクが高くなることが報告されています。男性7.0mg/dL未満、女性6.0mg/dL未満を管理目標値と考えてよいでしょう。管理の第一段階は、過食、高プリン・高脂肪・高たんぱく質食の嗜好、常習飲酒、運動不足などを是正する生活習慣の改善です。一方、CKD ステージ 4~5 において生活習慣改善にもかかわらず血清尿酸値が9.0mg/dL 超える無症候性高尿酸血症では、証拠はないものの薬物治療が考慮される場合が多いです。結局は血圧、血糖、脂質を良好にコントロールすることがCKD進行の予防になると考えます。血清クレアチニン正常の患者さんをあえて混んでいる大病院腎臓内科に紹介するメリットは何でしょうか?ひとつは潜在する腎炎の合併を除外するためです。とくに蛋白尿量が多い患者さんでは、その疑いが強くなります。たとえ腎炎であっても、血圧、血糖、脂質の管理を厳密に行うことに変わりはありませんが、腎炎を併発していれば、その腎炎に介入治療することで、腎障害の進行を抑えられる可能性もあります。また、栄養指導、食事療法を行うという意味では、基幹病院の方が有利かもしれません。eGFR60以上でも、3-6ヵ月に1回、腎臓専門医を受診することが推奨されています。

32205.

緊急調査! CKD診療。6つの疑問

2012年6月、3年ぶりに『CKD診療ガイド』が改訂された。ケアネットでは、この改訂における注目のポイントについて、緊急アンケートを実施したので、その結果を報告する。対象ケアネット会員の医師方法インターネットを介した調査実施期間2012年6月今回の診療ガイド改訂で、診療上に影響がある内容をお知らせください(複数回答可)先生はGFRが60mL/min/1.73m2以上の患者さんのフォローアップにおいて、どれくらいの頻度で蛋白尿ないしアルブミン尿を測定していますか?蛋白尿の程度により心血管死や末期腎不全の発症リスクが異なる数々のエビデンスを受け、今回のCKD診療ガイド改訂では、CKDの重症度分類に腎機能(GFR)に加えて、蛋白尿区分が加えられました。これを受けて、先生は、蛋白尿検査の頻度や対象者を増やそうと思いますか?先生がCKDのスクリーニングとして、生活習慣病(糖尿病を除く)の初診時に患者さんにおこなう検査は次のうちいずれですか?(複数回答可)先生が尿蛋白の定量(アルブミン尿を含む)をおこなうのは、どのような患者さんですか?CKD患者における降圧の目標値が、CKD診療ガイドでは、130/80mmHg以下となっています。この値についてどのように考えますか?

32206.

抗血小板薬の投与期間と超遅発型ステント血栓症の発症:J-Cypher

現在、薬剤溶出ステント(DES)留置後のデュアル抗血小板療法(DAPT)が超遅発型ステント血栓症(VLST)を減少させるというエビデンスは明らかに欠如している。しかし、臨床現場ではVLST発症を懸念し、DES留置後1年以上にわたりDAPT療法が広く行われている。この点に関して、京都大学の木村氏らは、J-Cypherステントレジストリの解析結果を発表した。その発表によると、シロリムス溶出ステント(SES)留置後1年を超えたチエノピリジンの長期使用は、VLSTリスクや、死亡、心筋梗塞または脳卒中を含む重篤な心血管イベントリスクの減少と有意な関連性を認めなかった。Cardiovasc Interv Ther誌オンライン版6月14日号掲載。研究対象集団は、少なくとも1本のシロリムス溶出ステント(SES)で治療されたJ-Cypherステントレジストリ内の12,812例。主な結果は以下のとおり。 ・ステント留置後1年で心筋梗塞、ステント血栓症や脳卒中を発症しなかった11,713例のうち、7,414例(63%)がチエノピリジンを継続し、4,299例(37%)が1年未満で中止していた。・チエノピリジン継続群の患者は、チエノピリジン中止群の患者よりも複雑な特性を有していた。・明らかなVLSTリスクやVLSTの累積発症率において、チエノピリジン継続群は、チエノピリジン中止群に比較し、有意な差を示さなかった [0.9 vs 1.2%、p=0.1、調整HR(95%CI):0.71 (0.47~1.06)、p=0.11]。・死亡、心筋梗塞、脳卒中リスクやそれら疾患の累積発症率において、チエノピリジン継続群は、チエノピリジン中止群に対し有意な差を示さなかった [15.3 vs 14.3%、p=0.15、調整HR(95%CI):0.99 (0.89~1.11)、p=0.89]。(ケアネット 鈴木 渉)

32207.

うつ病治療におけるNaSSA+SNRIの薬理学的メリット

抗うつ薬ミルタザピンはアドレナリンα2自己受容体とα2ヘテロ受容体に対し阻害作用を示し、ノルアドレナリン(NA)とセロトニン(5-HT)のモノアミントランスポーターを阻害することなく、NAおよび5-HTの神経伝達を増強する薬剤である。明治製菓薬品総合研究所の山内氏らはミルタザピンとSNRIの併用によるモノアミンの細胞外レベルへの影響を調査した。Neuropharmacology誌2012年6月号掲載。 ミルタザピンとSNRIであるミルナシプラン併用による薬理学的相乗作用が、ラットの脳においてモノアミンの細胞外レベルにどのような影響を与えるかを、マイクロダイアリシス法を用いて検討した。主な結果は以下のとおり。 ・ミルタザピンは背側海馬のNAと5-HTの細胞外レベルを上昇させた。・対照的に、前頭前野皮質では5-HTレベルを変動することなく、NAとドパミン(DA)のレベルを上昇させた。・ミルナシプランは両領域で重要なすべてのモノアミンレベルを上昇させ、その作用はミルタザピンとの併用により増強した。・α2受容体アンタゴニストであるイダゾキサンとミルナシプランの併用も前頭前野皮質でのすべてのモノアミンレベルを上昇させた。・5-HT2A受容体アンタゴニストであるケタンセリンとミルナシプランとの併用は効果を示さなかった。一方、5-HT2C受容体アンタゴニストであるSB242084とミルナシプランとの併用は前頭前野皮質の5-HTとDAレベルを上昇させた。・ミルタザピンによるα2受容体を介したNA、5-HT、DAの細胞外レベルでの増強作用は、ミルタザピン単独では領域に特異性を示し、ミルナシプラン併用時には領域特異性を示さなかった。(ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・うつ病治療“次の一手”は?SSRI増量 or SNRI切替 ・統合失調症の病態にメラトニンが関与?! ・「双極性障害に対する薬物療法レビュー」世界精神医学会(WPA)での報告

32208.

高齢の進行非小細胞肺がんに単剤療法と併用療法はどちらが有用か?:無作為化第II相試験

高齢者に対する化学療法において併用療法の有用性が議論されている。今回、高齢の進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対して、隔週ゲムシタビン(商品名:ジェムザールなど)+低用量カルボプラチン(商品名:パラプラチンなど)併用療法が、有効性、安全性、忍容性において容認されるという結果が、無作為化第II相試験で得られた。2012年6月15日付Lung Cancer誌オンライン版に掲載された。著者の浜松医科大学の草ヶ谷氏らは、今回の結果を確認するために多数の患者でのさらなる検討が必要としている。本試験では、76歳以上の未治療NSCLC患者が、隔週ゲムシタビン+カルボプラチン併用療法(ゲムシタビン1,000mg/m2+カルボプラチンAUC3、1,15日目、4週ごと)に31例、ゲムシタビン単剤療法(1,000mg/m2、1,8,15日目、4週ごと)に30例が、無作為に割り付けられ検討された。患者の平均年齢は79.0歳、主要エンドポイントは全奏効率。主な結果は以下のとおり。 ・全奏効率は、併用療法が22.6%(95%CI:11.4~39.8)、単剤療法10.0%(95%CI:3.5~25.6)であった。・無増悪生存期間中央値は、併用療法が3.9ヵ月(95%CI :0.5~8.5)で、単剤療法の2.4ヵ月(95%CI:0.5~6.7)に比べて有意に長かった。・グレード3/4の血液学的および非血液学的有害事象の発現率は、両群で有意差はなかった。(ケアネット 金沢 浩子)

32209.

慢性めまいに、小冊子ベースの前庭リハビリテーションが有効

慢性めまいに対する小冊子を配布し自宅で行うよう指導する前庭リハビリテーションは症状の改善効果に有効で、プライマリ・ケアにおいて簡易で費用効果に優れた方法であることが報告された。英国・サウサンプトン大学のLucy Yardley氏らが、慢性めまいに対し一般に行われているケアと、小冊子ベースの前庭リハビリテーション(電話サポートあり/なし)の臨床効果と費用対効果を評価することを目的とした単盲検無作為化試験を行った結果で、BMJ誌6月9日号(オンライン版2012年6月6日号)で発表した。前庭リハビリテーションは、前庭機能障害によるめまいの最も効果的な治療法で、簡単な自己エクササイズ法からなるが、自宅で実践可能な適格患者でも本療法を教授されるケースはほとんどないのが現状だという。一般的ケア群、小冊子前庭リハ群、+電話サポート群で評価試験は、2008年10月~2011年1月に南イングランドの35のかかりつけ医(GP)の協力の下、18歳以上で慢性めまいを平均5年以上有し、前庭機能障害が疑われ(GPによる診断で)、頭部運動(患者自身による)で症状が悪化する患者を対象に行われた。被験者は、無作為に一般的ケア群、小冊子ベースの前庭リハビリテーション群、+電話サポートあり群に割り付けられた。小冊子リハ群は、記述されている総合的なアドバイスに基づき自宅で毎日12週間にわたって治療に取り組み、電話サポートあり群はさらに、前庭リハビリテーションセラピストから3つのセッションを受けた。主要評価は、めまい症状スケールのVertigo symptom scale-short form(VSS-SF)、QALY当たりのめまい関連の総医療費とした。臨床的有効性解析はintention to treatにて、介入後の群間比較のため、基線症状スコアを調整し、共分散分析法を用いて行った。電話サポートありの小冊子前庭リハを5人が受ければ1人は1年時点で改善337例が無作為化され、276例(82%)が12週間の治療を完了し主要エンドポイントを受けた。また、263例(78%)が1年時点の追跡評価を受けた。12週間時点で、電話サポート群のVSS-SFスコアは、一般的ケア群と有意に異ならなかった(補正後平均差異:-1.79、95%信頼区間:-3.69~0.11、P=0.064)。1年時点では、電話サポート群(同:-2.52、-4.52~-0.51、P=0.014)、小冊子のみ群(同:-2.43、-4.27~-0.60、P=0.010)ともに、一般ケア群と比較して有意な改善が認められた。また、解析の結果から、両介入群の非常に高い費用対効果が認められた。すなわち、QALY当たりの医療費が非常に低く抑えられ、小冊子のみアプローチが最も費用対効果に優れ、電話サポートによるアプローチが加えられても1,200ポンド(1,932ドル)以上のQALY価値がある費用対効果があることが示された。電話サポートありの小冊子アプローチ療法を5(3~12)人が受ければ1人は、1年時点で主観的な改善を報告することが示された。

32210.

高齢者の深部静脈血栓症の診断、Dダイマーは年齢依存性カットオフ値で

 プライマリ・ケアでの深部静脈血栓症診断のためのDダイマー値について、カットオフ値を従来の500μg/Lではなく、50歳超では「年齢×μg/L」、60歳以上では「750μg/L」を用いるのが安全な除外に結びつくことが明らかにされた。オランダ・ユトレヒト大学メディカルセンターのHenrike J Schouten氏らが、後ろ向き断面診断解析の結果、報告した。BMJ誌6月9日号(オンライン版2012年6月6日号)掲載報告より。Dダイマーのカットオフ値を50歳超936例を含む1,374例で検討 研究グループは、オランダの3つの病院群に所属する110人のプライマリ・ケア医の協力で、1,374例の臨床的に深部静脈血栓症が疑われた連続患者[50歳超が936例(68.1%)]を対象に、2つのDダイマーのカットオフ値「50歳超では、年齢×μg/L」と「60歳以上では750μg/L」を当てはめ評価を行った。 主要評価項目は、2つのDダイマーのカットオフ値を当てはめた場合に除外できた患者の割合と、偽陰性だった数とした。Dダイマーの年齢依存性カットオフ値は最も高齢な80歳超群で最も高率に安全に除外 被験者のうち647例は、ウェルズ・スコアで深部静脈血栓症の可能性が低いと判断された。 これらの患者(全年齢)において、通常の500μg/LのDダイマーのカットオフ値を用いた場合に除外された患者は272例(42.0%)であったが、2つのDダイマーの年齢依存性カットオフ値を用いた場合は309例(47.8%)で、5.7%増加することができた(95%信頼区間:4.1~7.8%)。偽陰性事例の除外率はそれぞれ0.3%、0.5%で、0.2%増加した(同:0.004~8.6%)。 Dダイマーの年齢依存性カットオフ値を用いた除外率の増加は、最も高齢な80歳超の患者群で最も高率だった。80歳超の患者で安全に除外できたのは、通常のDダイマーのカットオフ値を用いた場合は13例(21.0%)だったが、Dダイマーの年齢依存性カットオフ値を用いた場合は22例(35.5%)で、14.5%増加した(6.8~25.8%)。 Dダイマーの年齢依存性カットオフ値と比較して、750μg/Lのカットオフ値も、同程度の除外率(307例、47.4%)および偽陰性率(0.3%)だった。

32211.

「医の倫理」と弁護士に関する論考

健保連 大阪中央病院顧問 平岡 諦 2012年6月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 ●弁護士とは何する人ぞ  弁護士とは「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」ことを目指す専門家です。日本弁護士連合会(日弁連)の会則にはつぎのように記載されています。 第二条;本会は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現する源泉である。第十条;弁護士は、人権の擁護者であり、社会正義を顕現するものであることを自覚しなければならない。日弁連のホームページにはつぎに様にも書かれています。「弁護士がその使命である人権擁護と社会正義を実現するためには、いかなる権力にも屈することなく、自由独立でなければなりません。そのため、日弁連には、完全な自治権が認められています。弁護士の資格審査、登録手続は日弁連自身が行い、日弁連の組織・運営に関する会則を自ら定めることができ、弁護士に対する懲戒は、弁護士会と日弁連によって行われます。弁護士会と日弁連の財政は、そのほとんど全てを会員の会費によって賄っています。このように、弁護士に対する指導監督は、日弁連と弁護士会のみが行うことから、弁護士になると、各地にあるいずれかの弁護士会の会員となり、かつ当然に日弁連の会員にもなることとされているのです。」●弁護士と日弁連との関係弁護士と弁護士集団である日弁連の関係を社会の側から見ると次のようになります。現在の社会は「人権を擁護し、社会正義を実現することを目指す専門職」を必要としています。それが現在の弁護士です。「人権を擁護し、社会正義を実現する」ためには、「いかなる権力にも屈することなく、自由独立でなければなりません」。これが社会の求めている「個々の弁護士としてのあり方」です。弁護士も人間です。人間とは時に過ちを犯すものです。個々の弁護士の努力に任せているだけでは、時に「個々の弁護士としてのあり方」を踏み外してしまいます。とくに権力からの「under the threat(脅迫の下)」では個々の弁護士の努力だけでは弱すぎます。弁護士集団に個々の弁護士をバックアップさせる必要があります。そこで社会は「完全な自治権」を弁護士集団に与えて、日弁連を作っているのです。全員加入を強制しているのは、「人権を擁護し、社会正義を実現する」という目的をすべての弁護士に強制する必要があるからです。日弁連は「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する源泉である」ことを宣言しています(上記第二条)。この宣言は日弁連自体が「いかなる権力にも屈することなく、自由独立」であること、すなわち日弁連のindependence(自立)を宣言していることになります。宣言は個々の弁護士を後押しすることになります。また、日弁連は、宣言した内容に違反する会員弁護士に対する懲戒、指導監督のシステムを持っています。これは集団としてのself-regulation(自己規制)になります。違反した弁護士を求められている「あり方」に向かわせることになります。このようにして、完全な自治権を持つ、すなわち「自律」した日弁連が個々の弁護士をバックアップすることになるのです。カントは、絶えざる反省(self-regulation)による、本能からの自立(independence)を自律(autonomy)と呼びました。self-regulation(自己規制)によりindependence(自立)を得ている日弁連のあり方は、カントのAutonomy(自律)の概念に一致するものです。そしてまた、世界医師会(WMA)が各国医師会に勧める「医師集団としての自律(Professional autonomy)」とも一致するものです(次項)。なお、専門家集団の自律を考える時に、強制加入か否かは本質的な問題ではありません。●WMAが勧める「医師集団としての自律(Professional autonomy)」とはドイツ・ナチス政権下で行われた「合法的だが、非人道的な人体実験」の悲劇を二度と起こさないように、WMAは新しい「医の倫理」を形成し、各国医師会に受け入れを奨励してきました。法という時の権力の意向よりも(何よりも)患者の意向(自己決定、人権、権利)を優先すること、すなわち「患者の権利(人権)を最優先する医療」を目指すことを「個々の医師としてのあり方」としたのです。WMAはこれをClinical autonomyあるいはClinical independenceと呼んでいます。「患者第一;To put the patient first」の医療を実践するということです。医師も人間です。人間とは時に過ちを犯すものです。個々の医師の努力に任せているだけでは、時に「個々の医師としてのあり方」を踏み外してしまいます。とくに権力からの「under the threat(脅迫の下)」では個々の医師の努力だけでは弱すぎます。医師集団に個々の医師をバックアップさせる必要があります。そこでWMAが考えたのが「医師集団としての自律(Professional autonomy)」です。医師集団としての宣言(権力からのindependence)、そして過ちを犯した医師に対する自己規制システム(self-regulation)を作ることです。すなわち自律した医師会になることを各国医師会に勧めているのです。過去の「医の倫理」は患者・医師間の関係を規定するだけで良かったのです。そこに「悪法」という第三者の問題が出てきたため、患者・医師・第三者の関係を扱う「医の倫理」が必要になったのです。新しい「医の倫理」の第一目的が「患者の権利(人権)を最優先する」ことになりました。そして、その遵守のために医師集団のバックアップが必要になったということです。(注:片仮名の「プロフェッショナル・オートノミー」は日本医師会の造語です。「個々の医師としてのあり方」を指すことばですので、WMAのProfessional autonomyとは全く別物です。)なお、WMAは患者の権利(人権)を守るための「患者としてのあり方」をPatient autonomyと呼んできます。自己決定(self-regulation)により、実験の道具にされないために医師からの自立(independence)を図りなさいということです。WMAは、医師、医師集団、患者としての「あり方」がカントのAutonomyの概念に一致するため、それぞれをClinical autonomy、Professional autonomy、Patient autonomyと呼んでいるのです。●法と医師との関係「患者の権利(人権)を最優先する医療」を実践するためには、「時には、医師に非倫理的行為を求める法には従わないことを要求します」。すなわち医師には「遵法」とともに時には「法への非服従」が求められているのです。「法への非服従」とは「悪法であると主張して変化を求めること」です。その例がアメリカ医師会の倫理綱領(A physician shall respect the law and also recognize a responsibility to seek changes in those requirements which are contrary to the best interests of the patient.)です。詳しくは拙稿「日本医師会は「医の倫理」を法律家(弁護士)に任せてはいけない」(MRIC. vol. 496. 497)を参照ください。最後に述べる「岩田健太郎先生への反論」も参照ください。●法と弁護士との関係日弁連の会則を見ると次のように記載されています。第十一条;弁護士は、常に法令が適正に運用されているかどうかを注意し、いやしくも非違不正を発見したときは、その是正に努めなければならない。すなわち、弁護士が現行法に対してとる態度はあくまでも「遵法」です。「かれ(法律家)の職務とするところは、たんに現行法を適用することで、現行法そのものが改善の必要がないかどうかを探求することではない」(カント著「永遠の平和のために」、宇都宮芳明訳、岩波文庫、74頁)のです。多くの弁護士が現行法の改善や新たな法制定への行動を起こしています。それは「社会正義の実現」のためです。弁護士が「法への非服従」や「違法」を目指すことは決してありません。●日本医師会・参与の畔柳達雄弁護士の働き日本医師会にあって、WMAの「医の倫理」を日本に紹介している中心人物は畔柳達雄氏(日本医師会・参与、弁護士)です。しかし、氏は(意図的に)誤って日本へ紹介しています。例えばジュネーブ宣言や国際医の倫理綱領についての解説の中で、最も重要な「法」を含む第三者との関係についての解説が無いのです。「患者の権利(人権)」を守るための「法への非服従」の問題についての解説が無いのです。なぜ氏はこのようなことをするのでしょうか。それは日本医師会の意向を慮ってのことだと思われます。詳しくは拙稿「日本医師会は「医の倫理」を法律家(弁護士)に任せてはいけない」(MRIC. vol. 496. 497)を参照ください。「患者の権利(人権)」に関する重要な解説をせず、クライアントである日本医師会の意向に従っている、これが日本医師会・参与である、弁護士の畔柳達雄氏の行っていることです。問題は無いのでしょうか。極悪非道な人間にも弁護士が付きます。これは単に「クライアントの最大限の利益を擁護する」というよりも「極悪非道な人間にもある人権を、法が侵害しないように見守る」ということではないでしょうか。「クライアントの立場を斟酌して、翻訳に際して『意訳も加えて多少の手直し』をすることは有り得ると思われる」かも知れません。その通りです。決して違法をしている訳ではありません。ただ、弁護士としての倫理性はいかがかということが問われるのです。●岩田健太郎先生への反論(「医師と『法への不服従』に関する論考」;MRIC Vol.516への反論)第一に、「法への不服従」は決して「現行法を悪法だと無視して進んで違法行為を行う」ことではありません。本稿「法と医師との関係」の項を参照ください。第二に、アメリカ医師会の倫理綱領の文章と日医の『医師の職業倫理指針』にある文章について「主張はそう変わりがないのだ」と言われますが、読解力を疑います。「A physician shall respect the law and also recognize a responsibility to seek changes in those requirements which are contrary to the best interests of the patient.」と「法律の不備についてその改善を求めることは医師の責務であるが、現行法に違反すれば処罰を免れないということもあって、医師は現在の司法の考えを熟知しておくことも必要である」とでは、主張すべき点はまったく反対です。前者は「法への非服従」を、後者は「遵法」を強調していることになります。また、日医の文章では何に対する法律の不備であるかが不明瞭です。第三に、ジュネーブ宣言の原文「even under threat」に「いかなる」は含まれていないとするご指摘はその通りです。ただ、WMA医の倫理マニュアルの中のジュネーブ宣言では、「even under threat」の日本医師会訳は「いかなる脅迫があっても」となっています。どちらでも良いのではないでしょうか。

32212.

日本人を対象としたアバタセプト+MTX併用試験結果

関節リウマチ治療に用いられる生物学的製剤のアバタセプトで、日本人を対象とした第II相臨床試験の結果が慶応義塾大学の竹内氏らにより報告された。Modern rheumatologyオンライン版、2012年6月9日掲載。MTXで効果不十分であった日本人の活動性関節リウマチ患者195例に対し、プラセボ対照二重盲検比較による用量反応試験が行われた。患者は全例でMTXを併用したうえで、アバタセプト2mg/kg群、10mg/kg群、プラセボ群の3群に同じ割合で無作為に割り当てられ、24週間投与された。主な結果は以下のとおり。 ・アバタセプト2mg/kg群と10mg/kg群には用量反応関係がみられた。・アバタセプト10mg/kg群はプラセボ群に対して、24週時点のACR20、50、70で有意差を示し(p

32213.

認知機能への影響は抗精神病薬間で差があるか?

統合失調症治療において認知機能の改善・維持は重要であり、認知機能への作用を考慮した薬剤選択が求められている。産業医科大学の堀氏らは、日本人統合失調症患者の認知機能に対し、非定型抗精神病薬であるリスペリドン、オランザピン、アリピプラゾールの投与量および投与スケジュールが及ぼす影響を検討した。その結果、「アリピプラゾールでは投与量と認知機能との間に相関が認められない」として、J Psychiatr Res誌2012年6月号にて報告した。 対象は、少なくとも3ヵ月間リスペリドン、オランザピン、アリピプラゾールのいずれかを一定用量で服用中の統合失調症患者101例。認知機能は統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)を用い断面調査を行った。主な結果は以下のとおり。 ・BACS-J総合スコアはリスペリドンおよびオランザピンの投与量と負の相関を示した。・対照的に、アリピプラゾールの投与量はBACS-J総合スコアおよび各項目の主なスコアとの間に相関は認められなかった。・リスペリドンの投与量と相関を示した患者では「言語性記憶と学習」「運動機能」「注意・情報処理速度」に関する項目のスコアが有意に低かった。・オランザピンの投与量と相関を示した患者では「言語性記憶と学習」「運動機能」に関する項目のスコアが有意に低かった。(ケアネット 鷹野 敦夫)関連医療ニュース ・日本人統合失調症患者の認知機能に影響を与える処方パターンとは ・統合失調症の病態にメラトニンが関与?! ・統合失調症の高感度スクリーニング検査 「眼球運動検査」

32214.

早産率は、貧困国でも豊かな国でも増えている

早産は、5歳未満児死亡の2番目に大きな原因だが、早産(妊娠37週未満)に関するデータは国連機関も収集しておらず、システマティックな国別推計も年次推移の解析も行われていないという。英国・ロンドン大学のHannah Blencowe氏らは、2010年の世界184の国と地域の早産率と年次推移について推計値を算出し、また推計値を取り巻く誤差の定量的評価も併せて行った。Lancet誌2012年6月9日号掲載報告より。早産児の60%以上が南アジアとサハラ以南の2地域にBlencowe氏らは、事前に特定された包含基準に従って、各国の早産登録データ(51ヵ国、563データポイント)やリプロダクティブ・ヘルス調査(8ヵ国、13データポイント)、システマティックな調査と未発表データ(40ヵ国、162データポイント)を特定した。55ヵ国分のデータは、WHOを通じて追加データを提出した。データの質と量が適切な13ヵ国については、loess回帰法を用いて2010年の早産率を推計した。171ヵ国と2地域については、多平面統計モデルを作成して2010年の早産率を推計した。信頼性の高い年次推移データがあり年間10,000人以上の早産がある65ヵ国について、1990年から2010年までの年次推移を推定した。誤差範囲はすべての国について算出した。2010年、世界で約1,490万人[誤差範囲(UR):1,230~1,810万人]の新生児が早産だった。全出産に占める世界の平均は11.1%だったが、ヨーロッパ諸国の約5%からアフリカ諸国の18%まで開きがあった。早産児の60%以上が南アジアとサハラ以南のアフリカで生まれていた。この2地域だけで、世界の出産の52%を占める。豊かな国でも早産の傾向、20年で低下したのは3ヵ国のみ一方で、豊かな国でも早産の傾向が認められた。例えば、米国は早産の最も多い10ヵ国の1つである。推定年次推移データのあった65ヵ国中で、1990~2010年にかけて早産率が低下していたのはわずか3ヵ国(クロアチア、エクアドル、エストニア)だけだった。Blencowe氏は、全妊娠予後登録の改善と早産の定義の標準適用が重要だと述べるとともに、妊娠28週未満の全早産児の割合に関するデータ質指標の追加を推奨することを提案。その上で、自然早産と医療提供者の介入による早産とを区別するために、帝王切開増大との関連傾向を監視することが重要であると述べ、「迅速な基本的介入の拡大が、小児の生存と成長という国連ミレニアム開発4の達成に向けて加速することを可能にするだろう」とまとめている。

32215.

世界の5歳未満児死亡の最新動向:2000~2010年

 2000~2010年の最新の世界の5歳未満児死亡率の動向調査の結果、全体に減少はしていたものの、医学的に死因が特定され割合が約3%であったこと、減少には感染症による死亡減少が大きく寄与していたことなどが報告された。米国・ジョンズ・ホプキンス大学(米国)のLi Liu氏らによる調査の結果で、「小児生存戦略はもっと、感染症や新生児期の主因など死亡原因へ目を向けなくてはならない。2010~2015年以降の減少をより迅速なものとするには、最も頻度の高い共通した死因、特に肺炎と早産の合併症の減少を促進することが必要だ」と報告。「質の高いデータを集めて推定方法を強化する継続的努力が、将来の改善にとって必須である」と結論している。「Lancet誌2012年6月9日号(オンライン版2012年5月11日号)掲載報告より。5歳未満児死亡の約4割が新生児、死因別では64%が感染症で死亡 Liu氏らは、2000~2010年の最新の世界の5歳未満児死亡率の動向を調査するため、生後0~27週間の新生児、1~59ヵ月の5歳未満児の死亡総数のアップデートデータを集めて解析した。データは各国固有の死因区分が適用されているため、各国間のデータ適合を図ったり、死亡率が高い国に対して同様の多変量ロジスティック回帰モデルなどを作成適用するなどして調整を図り、インドと中国に関しては、国別モデルを作成し検討した。 集計結果から地域と世界の推定値を導き出した。 結果、2010年の5歳未満児死亡760万人のうち、64.0%(487万9,000人)は感染症が原因であった。また死亡の40.3%(307万2,000人)は新生児だった。医学的に立証できた5歳未満児の死亡原因はわずか2.7% 新生児死亡の主な原因は、早産の合併症[14.1%、107万8,000人、誤差範囲(UR):0.916~1.325]、分娩関連合併症(9.4%、71万7,000人、UR:0.610~0.876)、敗血症または髄膜炎(5.2%、39万3,000人、UR:0.252~0.552)だった。 幼児では、肺炎(14.1%、107万1,000人、UR:0.977~1.176)、下痢(9.9%、75万1,000人、UR:0.538~1.031)、マラリア(7.4%、56万4,000人、UR:0.432~0.709)が最も多かった。 一方で、関連データ同定の努力にもかかわらず、2010年に医学的に立証できた5歳未満児の死亡原因はわずか2.7%(20万5,000人)にとどまった。 2000~2010年の間の世界の5歳未満児死亡の減少は200万人で、肺炎(45万1,000人減)、はしか(36万3,000人減)、下痢(35万9,000人減)が全体的な減少に寄与していた。 国連のミレニアム開発目標4(2015年までに5歳未満乳幼児死亡率を1990年の3分の1に低減)達成に十分な年率で減少していたのは、破傷風、はしか、AIDS、マラリア(アフリカ)のみであった。

32216.

新規2型糖尿病におけるインスリン持効型の投与は心血管疾患を増やすのか?

ORIGIN試験(Outcome Reduction with an Initial Glargine Intervention)研究グループは、11日、境界型を含む2型糖尿病患者に持効型インスリンを投与しても、従来治療に比べ、心血管イベント発生、がん発生に差を認めなかったことをNEJM誌オンライン速報版に発表した。このORIGIN試験では40ヵ国で2003年9月~2005年12月までに参加登録された症例を6年間追跡した。研究費提供元はサノフィ。 [国内での販売名] インスリングラルギン・・・ランタス空腹時血糖異常(IFG)、耐糖能異常(IGT)または新規2型糖尿病を受けた、心血管疾患イベント高リスク者12,537例が対象となった。対象患者は、2x2 factorialデザインにより、標準治療群とインスリングラルギン投与群(以下、持効型インスリン群)のいずれかに無作為に割り付けられた。その後ω3系多価不飽和脂肪酸投与群とプラセボ投与群にも無作為に割り付けられた。主要評価項目は、「非致死性心筋梗塞+非致死性脳卒中+心血管死」の3項目から成る心血管疾患複合エンドポイント。副次評価項目は、主要評価項目に「血行再建術」と「心不全による入院」を加えた5項目から成る心血管疾患複合エンドポイント。主な結果は、下記のとおり。1. 追跡期間の中央値は6.2年。2. 主要評価項目である心血管疾患複合エンドポイント(3項目)の発生は、  持効型インスリン群2.94/100人・年、標準治療群2.85/100人・年。  ハザード比=1.02(95%信頼区間=0.94-1.11、P=0.63)。3. 心血管疾患複合エンドポイント(5項目)の発生は 、  持効型インスリン群5.52/100人・年、標準治療群5.28/100人・年。  ハザード比=1.04( 95%信頼区間=0.97〜1.11,P=0.27)。4. ベースライン時に糖尿病と診断されていない1,456例における  糖尿病新規発症率は、持効型インスリン群 30%、  標準治療群35%(オッズ比=0.80。95%信頼区間=0.64~1.00、P=0.05)。5. 重篤な低血糖は 持効型インスリン群で1.00/100人・年、  標準治療群で0.31/100人・年と、持効型インスリン群で有意に高率(P<0.001)。6. 平均体重の増加は 持効型効型インスリン群で1.6kg増、標準治療群で0.5kg減。7. 標準治療群に対する持効型インスリン群のがん発生のハザード比は  1.00(95%信頼区間=0.88〜1.13、P=0.97)。(ケアネット 藤原 健次)

32217.

SU薬か、GLP-1受容体作動薬か?-メトホルミン難治性2型糖尿病-(Lancet 6月16日発表)

ドイツ エバーハルト・カール大学のBaptist Gallwitz氏は、16日、メトホルミン単剤投与で血糖コントロールが不良の2型糖尿病患者において、SU薬グリメピリドに比べ、GLP-1受容体作動薬エキセナチドの追加投与の有効性が高いことをLancet誌に発表した。これは2006年9月から2011年3月に欧州14ヵ国、128施設が参加して実施されたEUREXA(European Exenatide trial)試験の結果。研究費提供元はイーライリリー。[国内での主たる販売名] メトホルミン・・・メトグルコ グリメピリド・・・アマリール エキセナチド・・・バイエッタメトホルミン単剤を最大用量投与してもHbA1cが6.5〜9.0未満の肥満2型糖尿病患者1,029例(18〜85歳、BMI 25〜40未満)が対象となった。対象患者はメトホルミン+エキセナチド併用群515例、メトホルミン+グリメピリド併用群514例のいずれかに無作為に割り付けられた。主要評価項目は、一定の治療期間に対する血糖コントロール不十分で他の治療が必要となる割合とされた。具体的には3ヵ月後のHbA1c>9%、または6ヵ月後以降3ヵ月の間隔で2回連続してHbA1c>7%。主な結果は、下記のとおり。1. 期間内に目標血糖値に到達しなかった症例数は、エキセナチド群で409例中203例(41%)、グリメピリド群で487例中262例(54%)。  治療不成功率はエキセナチド群のほうが有意に少なかった。  リスク差=12.4%(95%信頼区間:6.2-18.6)、 ハザード比=0.748(95%信頼区間:0.623-0.899、P=0.002)。2. HbA1c<7%達成例(44% vs 31%,P<0.0001)、≦6.5%達成例(29% vs 18%,P=0.0001)は  エキセナチドのほうが多かった。3. 体重の変化はエキセナチド群で3.32kg減少、グリメピリド群で1.15kg増加(P<0.0001)。4. 低血糖発生率はエキセナチド群が低率(20% vs 47%;P<0.0001)5. エキセナチド 群174例、グリメピリド群128例が試験治療を中止。  エキセナチド群で有意に高率。エキセナチド群における主な理由は、消化管症状。(ケアネット 藤原健次)

32218.

中国全土に深刻な薬剤耐性結核が蔓延

深刻な薬剤耐性結核が中国に蔓延していることが、中国・疾病管理予防センター(CDC)のYanlin Zhao氏らが2007年に行った中国全国サーベイの結果、報告された。公衆衛生および病院医療(特に結核病院)での不適切治療が、多剤耐性(MDR)結核を招いており、大半の症例は一次感染であったという。中国全国にわたる薬剤耐性結核の蔓延状況についての調査はこれが初めて。NEJM誌2012年6月7日号掲載報告より。全結核患者の4分の1が薬剤耐性、10分の1がMDR調査は、公衆衛生システム下の結核症例について集団無作為抽出法で同定し、第1選択の抗結核薬であるイソニアジド(商品名:イスコチンほか)、リファンピシン(同:リファジンほか)、エタンブトール(同:エブトール、エサンブトール)、ストレプトマイシン、および第2選択薬のオフロキサシン(同:タリビットほか)、カナマイシンについて耐性検査を行い、中国における薬剤耐性発生率を推定した。この結果と公表されている推定結核発生率から、薬剤耐性結核発生率を算出した。また、患者インタビューによる情報を用いて、薬剤耐性につながる因子を同定した。2007年4月1日~12月31日の間に、新規発症患者は3,037例、治療歴あり患者は892例が登録され、そのうち多剤耐性(MDR)結核(少なくともイソニアジドとリファンピシンに耐性を示すと定義)だったのは、新規発症患者の5.7%(95%信頼区間:4.5~7.0)、治療歴あり患者の25.6%(同:21.5~29.8)だった。全結核患者の約4分の1がイソニアジドとリファンピシン、または両方に耐性を示し、10分の1はMDR結核だった。MDR結核患者の約8%は、広範囲薬剤耐性(XDR)結核(少なくともイソニアジド、リファンピシン、オフロキサシン、カナマイシンに耐性を示すと定義)だった。最後に結核病院で治療を受けた患者におけるMDR結核が最も高リスクで13.3倍2007年のMDR結核の症例数は11万例(95%信頼区間:9万7,000~13万)、XDR結核の症例数は8,200例(同:7,200~9,700)だった。MDR結核およびXDR結核の症例の大半は一次感染によるものだった。MDR結核のリスクが最も高かったのは、過去に複数回治療を受けており、最後に結核病院で治療を受けた患者だった(補正オッズ比:13.3、95%信頼区間:3.9~46.0)。治療歴のあるMDR結核患者226例のうち43.8%は最後まで治療を完了しておらず、その多くは病院で治療を受けた患者だった。治療を完了していた患者では、公衆衛生システム下で治療を受けた後で結核を再発していた人が大半だった。(朝田哲明:医療ライター)

32219.

基底細胞がんへのvismodegib、腫瘍縮小効果と関連

基底細胞がんの多くは外科的に治療されるが、局所進行型や転移性の症例については効果的な治療法が存在しない。その基底細胞がんの発生機序に関与しているヘッジホッグ情報伝達の変化に着目して開発されたvismodegib(GDC-0449)は、画期的医薬品(ファースト・イン・クラス)といわれるヘッジホッグ経路低分子阻害薬で、第1相試験では進行型基底細胞がん患者で奏効率58%という成績を示した。本報告は、米国・メイヨークリニックのAleksandar Sekulic氏らにより行われた多施設共同国際2コホート非無作為化試験の結果で、NEJM誌2012年6月7日号で発表された。手術不能・不適応の転移性・局所進行型の基底細胞がん患者に経口vismodegibを投与試験には、米国、欧州、オーストラリアの31施設から104例の患者が登録され、全例に150mg/日の経口vismodegibを投与し、有効性と安全性について検討した。33例が転移性の基底細胞がん、71例が局所進行型の基底細胞がん患者で、いずれも、手術不能または手術不適応(複数回の再発で外科的治癒の可能性が低いか、著しく外見が損なわれることが予想されたことを理由とする)の患者であった。主要エンドポイントは、独立評価による客観的奏効率とした。局所進行基底細胞がん患者の奏効率は20%以上、転移性基底細胞がん患者では10%以上との主要仮説について検討した。奏効率30~43%、腫瘍縮小効果に関連すると結論転移性基底細胞がん患者33例の独立評価による奏効率は、30%(95%信頼区間:16~48、P=0.001)だった。局所進行基底細胞がん患者63例についての同奏効率は、43%(31~56、P

32220.

レミフェンタニルの使用は脳腫瘍切除または直腸がんの術後早期アウトカムに影響するか?

 レミフェンタニル(商品名:アルチバ)は脳神経外科麻酔にとって重要な特徴があるが、術後回復と死亡率に及ぼす影響に関するデータが不足している。そこで、東京大学の内田氏らは、2007年のDPCデータを用いて、術後の院内死亡率や入院期間に対するレミフェンタニルの効果を検討した結果を、Journal of anesthesia誌オンライン版に5月4日に報告した。 対象は、レミフェンタニルまたはフェンタニル(商品名:フェンタニルなど)を使用し全身麻酔下で開頭脳腫瘍切除を受けた患者で、レミフェンタニル群と非レミフェンタニル群に分け、潜在的交絡因子に対する傾向スコアマッチングの後、2群間の院内死亡率と術後入院期間を比較した。比較対象として、硬膜外麻酔を伴う全身麻酔下で直腸がん手術を受けた患者を同じエンドポイントで評価した。 この比較検討により、開頭神経外科手術を受けている患者にとって、レミフェンタニルの投与がより良好な早期術後回復に寄与する可能性が示唆された。 主な結果は以下のとおり。・脳腫瘍切除(936対)を受けた患者において、レミフェンタニル群は非レミフェンタニル群に対し、有意に低い院内死亡率を示した(1.5% vs 3.0%、p=0.029)。・ロジスティック回帰分析で、院内死亡率とレミフェンタニルのオッズ比は0.47であった(95%信頼区間:0.25~0.91、 p=0.025)。・レミフェンタニル群は非レミフェンタニル群と比較し、退院も早かった(入院期間の中央値 17日 vs 19日、ハザード比:1.19、95%信頼区間:1.08~1.30、 p

検索結果 合計:35627件 表示位置:32201 - 32220