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低用量アスピリンの1次予防および2次予防のベネフィットに関して、抗血栓療法に関する国際共同研究グループATT(Antithrombotic Trialists')コラボレーションによるメタ解析の結果が、Lancet誌2009年5月30日号にて報告された。いまだ明確になっていない1次予防に関して、「価値が認められるとの確証は得られなかった」と結論。ただし断定を避け、「さらなる試験が進行中」と結んでいる。1次予防の効果はクリアにはならなかったメタ解析は、重篤な血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、血管疾患の死亡)と主要な出血イベントに関して、1次予防に関しては6試験(低リスクを有する95,000人が参加、計66万人年、重篤な血管イベント3,554例)、2次予防に関しては16試験(高リスクを有する17,000人が参加、計43,000人年、重篤な血管イベント3,306例)で行われた。本論では、予定された治療期間中に起きた初回イベントintention-to-treat解析の結果が報告されている。1次予防に関する試験解析では、重篤な血管イベントの発生についてアスピリン群に、12%の比例的減少が見られた(年間発生率のアスピリン群vs. 対照群:0.51% vs. 0.57%、p=0.0001)。その主な要因は、非致死的心筋梗塞で見られた約5分の1の減少による(0.18% vs. 0.23%、p