カテーテルベースの腎除神経術、治療抵抗性高血圧の降圧に有用

提供元:ケアネット

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公開日:2010/12/16

 



治療抵抗性の高血圧患者に対するカテーテルベースの腎除神経術は実質的な降圧効果を示し、安全に施行可能なことが、オーストラリアBaker IDI心臓・糖尿病研究所(メルボルン)のMurray D Esler氏らが行った「Symplicity HTN-2」試験で示された。腎臓の交感神経系の活性化は本態性高血圧の主病因とされる。降圧薬が一般化する以前から、重症高血圧の治療として非選択的な交感神経除去術の有効性が示されていたが、近年の血管内カテーテル技術の進歩により、腎動脈内腔にラジオ波を当てることで腎動脈外膜に局在する腎神経を選択的に除神経することが可能になった。Lancet誌2010年12月4日号(オンライン版2010年11月17日号)掲載の報告。

腎除神経術の効果と安全性を評価する無作為化試験




Symplicity HTN-2試験の研究グループは、治療抵抗性の高血圧患者に対する降圧療法としてのカテーテルベースの腎除神経術(Symplicityカテーテルシステム)の、効果と安全性を評価する目的で、プロスペクティブな無作為化試験を実施した。

ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドの24の施設が参加し、3剤以上の降圧薬を服用してもベースラインの収縮期血圧が≧160mmHgの患者(2型糖尿病を合併する場合は≧150mmHg)が、これまでの治療に加え腎除神経術を施行する群あるいはこれまでの治療のみを継続する群(対照群)に無作為に割り付けられた。

データ解析の担当者には治療割り付け情報が知らされなかった。効果に関する主要評価項目は6ヵ月後の診察室における坐位収縮期血圧の変化とし、6ヵ月の時点でフォローアップを継続中の全例が解析の対象となった。

6ヵ月後には33/11mmHgの差が




2009年6月9日~2010年1月15日までに、適格基準を満たした190例のうち106例(56%)が、腎除神経術群(52例)あるいは対照群(54例)に割り付けられた。6ヵ月後に主要評価項目の評価が可能だったのは、腎除神経術群49例(94%)、対照群51例(94%)であった。

診察室血圧は、腎除神経術群がベースラインの178/96mmHg(SD 18/16mmHg)から32/12mmHg(SD 23/11mmHg、p<0.0001)低下したのに対し、対照群はベースラインの178/97mmHg(SD 17/16mmHg)から1/0mmHg(SD 21/10mmHg、収縮期:p=0.77、拡張期:p=0.83)しか変化しなかった。

6ヵ月後の両群間の血圧の差は33/11mmHgであり、有意差を認めた(p<0.0001)。6ヵ月後に収縮期血圧が10mmHg以上低下した患者は、対照群が51例中18例(35%)にすぎなかったのに比べ、腎除神経術群は49例中41例(84%)に上った(p<0.0001)。

手技あるいはデバイス関連の重篤な有害事象はみられず、有害事象の頻度は両群間で差はなかった。腎除神経群の1例で動脈硬化病変の進行がみられたが、治療の必要はなかった。

(菅野守:医学ライター)