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危機管理としての原発問題~原発はすべてを止めれば済む問題か~

つくば市 坂根Mクリニック坂根 みち子 2012年7月9日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。  話は震災直後にさかのぼる。2011年3月15日、子供の通う高校から一通のメールが保護者に一斉配信された。「念のためですがご連絡します。ただしパニックにならない様に注意しましょう。北風が吹いていますので、できるだけ早く家に戻り室内で待機し、外出を避けた方がいいと思います。特にこれから降る初期降雨を受けないように注意して下さい。外出時に雨に遇ったならば鼻と口をハンカチなどで覆って下さい。髪や皮膚が濡れた場合はお湯などで洗い流し、もし衣服が濡れた場合は入室時に脱いでビニール袋などに入れておいた方がいいと思います。」パソコンの隣のTVでは繰り返し原発は大丈夫だと放送していた。不安定な状態だが何とかなっているというのが、大方の世間のとらえ方だった。いくらなんでも枝野さんがこんなに堂々と嘘をつくはずがない、このメールの内容は杞憂に過ぎない、その時はそうとらえた。もうひとつ、最初は医師である私でも全く放射能についての知識がなかった。原発からはどのような核種が出る可能性があるのか、半減期はどのくらいでどう対処すればいいのか全く分からなかった。花粉症のようなもので、降り注いだものは払えばいいということも、しばらくして知った。 今改めて読んでみると、あの時起こっていたことを的確に把握し、何をすべきかきちんと伝えていた。このメールの配信を促したのは、学校の父母会長で放射線の専門家である医師だった。すでにつくばの空気中に放射性物質が異常に検出されていることを知っていたのである。パニックにならないように配慮して伝えたがために、当時は深刻に受け取らなかった保護者が多かったと思う。その時はまだ、今の時代に大本営発表があるとは思っていなかったのである。たった数日の自宅待機を指示してくれれば、もっとも飛散量が多いときに多くの人が移動することもなかったであろうに。しばらくして高エネルギー研究所のHPで放射性物質の空気中の濃度がわかるようになって事実を知った時、どれだけの親が子供たちがその時どこで何をして過ごしていたか必死に思い出し自責の念に駆られたことだろう。 あれから1年、世間では原発再稼働反対の運動が盛り上がっている。政府は広域災害と大津波を全く想定していなかった。従って、3月11日14時46分から日没までに、水と毛布と燃料を空から届けるという発想がなかった。それがため、どれほどの人が低体温で死に至ったか。また、マスコミは人々が津波に飲み込まれる様子や遺体をただの一度も一体も放映しなかった。外国のメディアが伝えていることが国内ではマスコミの似非人道主義のために、この世の地獄を味わっていた人たちの悲劇がリアルタイムで伝わらなかった。 放射性物質が放出されてから、なにがどこにどれだけ飛んでいるか正しい情報を伝えなかったために、今でも多くの親が多少なりとも被ばくした子供の健康問題を心配している。日本政府のガバナンスの欠如、マスコミの幼稚さ。(東電の組織としての欠陥は監督官庁と一心同体である。)今回の震災では、多くの国民の意識に政府とマスコミに対する深い絶望感と不信感が植え付けられた。政府のやることは全く信用できない、こんな恐ろしい原発を保持するなんて絶対許せないと考えるのも無理もない。でもちょっと待って欲しい。だからといって原発を止めれば済む問題だろうか。西日本は中国から飛んでくる黄砂でさえ問題となっているのに、北朝鮮と中国が原発を持つことのリスクはどう考えるのだろうか。日本で原発を止めるということは、コンパクトで高性能の原発の開発もなくなる。国内の原発は古くて危険なもののみとなる。外国に、より安全な原発を売り込むこともできない。技術の継承もなくなる。いざというときの対処法も相手任せとなる。今回の原発もアメリカの古いタイプのもので、コンセントの形も違ったため対応が遅れたというではないか。しかも国内の原発を止めても大量の使用済み核燃料は残る。問題はむしろこっちである。使用済み核燃料を持っている限り地震大国の日本で放射能に汚染されるリスクは全く減っていない。国内の原発停止にこだわって思考停止状態になると、沖縄の米軍基地を最低でも県外移転と言ったために、逆に最も危険な普天間固定となってしまっている現状と同じ構造となる。 国内の原発を止めるだけなら最悪の事態を想定して備えるという危機管理の基本を放棄することになる。今回の震災での対応がお粗末だったからと言って、日本人より中国や北朝鮮の原発管理の方が信用できるだろうか。「人類のためにすべての核利用を廃絶しよう」という運動が、隣国に通用すると思っているのだろうか。そんな絵空事は考えてはいけない。世界中を見渡しても損得勘定なく最も真摯に原発に向き合えるのは日本人しかいない。交渉が苦手で、征服欲がなく勤勉、心配性。日本人の美徳を認めるより、自らを責め、世界に向けてネガティブな発信しかしない。こんな民族が他にいるだろうか。数年前に宮崎駿監督が「借り暮らしのアリエッティ」という映画で、日本を舞台に「君たちは滅びゆく種族なんだ」を言っていたが、まさしく今の日本人は滅びゆく民族となりつつある。 こういう危機にこそ、原子力関連の分野には理系のトップの学生が進んで欲しい。優秀な人材を集め、日本人が得意とする細かいところまで行き届いた最新鋭のより安全な原発を作り、古いものと順次置き換えて欲しい。使用済み核燃料の処理について英知を集めて欲しい。加えて日本人全員が、個々のレベルで核についての知識を高め、何かあった時自立して動けるようにならなくてはいけない。原子力を一部の人にしかわからない「原子力村」に閉じ込めてしまったことが、災害時のリスクを高めてしまった。多様な専門家集団を育て、地球上のどこのトラブルにもすぐ駆け付け対応できるようにして欲しい。今回政府は「ストレステストで安全性を再確認後再稼働」というパフォーマンスを行っているが、知りたいのはそんなことではない。1992年、時の原子力安全委員会は東電に対して「長時間電源喪失を想定しなくていい理由を作文せよ」という信じられない要求をした。これと同じことが日本中の原発で行われたはずである。私たちが知りたいのは、各地の原発にそのような瑕疵が隠されていないかということである。医療の世界では「人は必ず死ぬ」ということ以外100%確実なことはない。すべての医療行為には必ずリスクが伴う。従って患者さんに100%安全です、と説明することはあり得ない。原発についても同じである。ストレステストをやって、「絶対安全です」といった時点で嘘である。そんなおためごかしをするようでは話にならない。国民も100%の安全を保障しろという要求自体がおかしいと思うべきである。大事なのは何かあった時の対処法である。どんな過酷事故をも想定して対策が練ってあるかである。 今大地震が起きたら、原発のみならず使用済み核燃料が入っているプールの耐震性は大丈夫なのか、万が一水が漏れたらどう対処するのか、北朝鮮のミサイルが打ち上げに失敗してプールが被弾したらどう対応するのか。テロの対象になって、ハイジャックされた航空機が原発に突っ込むことは「想定範囲外」なのか。こういった待ったなしの課題に対して、政府はきちんと説明して欲しいし、大至急予防措置を講じてほしい。 人類はすでに禁断の実に手を出してしまった。どこで何があっても放射能は地球全体に影響を及ぼす。福島の問題があるまで私たちが一番浴びていた環境からの放射線は、ソ連とアメリカが核実験を繰り返してばらまいたものである。ホーキング博士は、20年前の講演で、この宇宙には高度文明を持つ生命体が生まれては、環境を破壊しつくして惑星ごと自滅していると言っていたそうだ。(石原慎太郎「新・堕落論」より)恐ろしいことに、今地球はホーキング博士の予想通りの道を歩んでいる。すでに日本国内の問題ではないのである。日本人が最後の一つの核の後始末が付くまで伴走していくことも責任の取り方の一つである。 願わくば、ヒステリックにならずに良く考え議論を深めてほしい。一人の母親として、次の世代に命をつないでいくという大命題を考えた時、核に反対するだけの選択は、日本のみならず地球全体のリスクを高めてしまうと思う。筆者は政府とマスコミは一切信用しなくなったが、個々の日本人が持つ特質は世界で一番信用できると思っている。 もうひとつ、低量放射線についても少し触れておきたい。今、環境でも作物でも、わずかな放射性物質が検出されるのを一切許さないという風潮があるが、これも日本人が自らの首を絞めている典型である。放射性物質は毒にも薬にもなる。今まで人々はラドン温泉等低量の放射線を有効利用していたはずなのに、今では一切認めないという。自然界にはもともと放射線が存在し、人類も放射線と共存してきた。人間の体には優れた適応能力があり、傷ついたDNAは絶えず修復されている。少量の放射性物質を人類が有効利用してきたことは科学的に認められた事実であるにも拘らず、すべての放射線を悪として扱い、逆にそこで暮らさざるを得ない人々に大きなストレスを与えている。 話は最初に戻る。子供が被曝したかもしれないと思った時、当初筆者も動揺した。自分自身は医療放射線をかなり浴びているので仕方ないが、子供についてはほんの少しでもリスクは避けたいと思った。福島の原発がかなり危ないといううわさになった時、我が家では子供だけ一時東京の祖父母宅に避難させた。その時長女が本当に原発が爆発したら、パパとママはどうするのかと問うた。答えて、私達は医師としてこの地を離れることは出来ない、万が一の時はもう3人で生きていけるでしょうと話した。こう言われた彼女の衝撃は大きかったらしい。しばらくして無事当地に戻ってきたとき、何も知らない妹たちと違って大きな責任と恐怖を背負わされた長女は疲労困憊していた。そして、今後もし原発が爆発しても今度はつくばに残ると宣言した。その時長女は大学受験生で、さらに免疫系の病気で自宅療養中だったが、明らかに放射線そのものより精神的なストレスのほうが全身状態を悪化させていた。 昨年の11/1に「バランス感覚を持とう~放射能とともに生きていくために~」という拙文が配信されたことがきっかけで、元ICRP(国際放射線防護委員会)委員だった中村仁信医師から「低量放射線は怖くない」という本をいただいた。読了後、正直親としてはすこしホッとした。広島、長崎の被ばくで次世代に奇形が増えたというデータは一切ないということ、少量の放射線でがん抑制遺伝子のスイッチが入り、の発生そのものが抑えられる可能性があることなど、ICRPの見解も含め過去に世界中で集められたデータが素人にも理解しやすくまとめられていた。 そもそも震災の前から、今の子供たちは小さいころから甘いもの漬けであり、トライ&エラーの体験に乏しく、このままいくと糖尿病やストレスに対する耐性のなさから子供たちが大変なことになるととても危惧していた。世間ではそこに対する反応は今一つだったが、放射能に関しては親たちの恐怖心があっという間に膨れ上がってしまった。 今共存している放射線は毒にも薬にも成り得る。要は量の問題である。ほとんどの地域では放射線より生活習慣病から健康を害する可能性の方がよほど大きいと前回書いたところ、それでは今の福島ではどうなのかと問われた。その頃福島の汚染がどの程度なのかわからず、答えようがなかったが、最近の福島からの内部被曝量の測定結果をみると、幸いにも少ない被曝で済んでいる。食物からの内部被曝を少なくする努力もホットスポットの除去も地道に進めてくれている人たちがいる。やはり福島であっても、子供たちをどう育てればいいのか結論は変わらない。良く寝て良く笑い免疫力を高めること、大人になってもたばこは吸わないこと、子供の頃から甘いものを摂り過ぎると糖尿病になって血管を傷めるので、小さいころから食生活をコントロールすること、人とぶつかることを怖がらないこと。ご飯を作ることや片すことなど人間として生きていくために必要なことは自立して出来るようにすること。これが基本である。 放射線の「低量」がどこからどこまでをいうのか結論が出るのは数十年後である。だが、私たちは今この環境下で子供たちを育てていかなければならない。それならばその中で薬になるよう育てるだけである。少量の放射性物質が体にいいこともあるというデータがあるのなら、そこで生きていかなければいけない人々にとってそれは福音になる。周囲から大音量でヒステリックに否定しないで欲しい。ネガティブにとらえてストレスにさらされるのと、ポジティブにとらえて前向きに生きるのとどちらが体に良いかは解りきったことである。子供たちが健康に生き延びるヒントはそこにある。

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第4回 期待権:薄氷上の医療従事者

■今回のテーマのポイント1.期待権侵害が不法行為として認められるかは、「当該医療行為が著しく不適切なものである」事案について検討し得るにとどまる2.この法理は、因果関係の証明が不要であるばかりでなく、理論上は、身体への損害結果すら不要であることから問題である3.「当該医療行為が著しく不適切なものである」場合の解釈は不明確であり、不用意に既存の法理論をあてはめた場合、大きな問題が生ずる虞(おそれ)がある事件の概要原告(X)は、昭和63年11月、Y病院にて左脛骨高原骨折に対し、骨接合術および骨移植術を受けました。Xは、退院後、7カ月ほどY病院にリハビリのために通院し、平成元年8月にボルト抜釘した後は、自主的に通院を中止しました。平成9年10月になり、Xは、Y病院を受診し、「本件手術後、左足の腫れが続いている」などと訴えたことから、診察、レントゲン検査が行われたものの、機能障害はなく問題はないものと判断され、格別の措置は講じられませんでした。平成12年には、左膝下から足首にかけて無数の赤黒いあざができるなど皮膚に変色が生じたためY病院を受診したところ、皮膚科受診を勧められました。しかし、皮膚科で投薬治療を受けるものの改善せず、平成13年になって、他院(大学病院)を受診したところ、手術およびその後の臥床、ギプス固定による「左下肢深部静脈血栓症」と診断されました。Xは、Y病院に対し、必要な検査を行なわず、専門医に紹介もしなかった結果、左下肢深部静脈血栓症となり、後遺症が残ったとして損害賠償請求をしました。原審(高裁)では、下肢の手術に伴い深部静脈血栓症を発症する頻度が高いことが我が国の整形外科医において一般に認識されるようになったのは、平成13年以降であること、平成9年10月の受診時点では、すでに適切な治療法がなくなっていたとしながらも、その当時の医療水準にかなった適切かつ真しな医療行為を受ける期待権が侵害されたとして、Y病院に300万円の損害賠償責任を認めました。これに対し、最高裁は、原審を破棄し原告(X)の請求を棄却しました。なぜそうなったのかは、事件の経過からご覧ください。事件の経過原告(X)は、昭和63年11月、Y病院にて左脛骨高原骨折に対し、骨接合術および骨移植術を受けました。Xは、退院後、Y病院にリハビリのため通院していた際、左足の腫れを訴えることがありましたが、特に検査や治療はなされませんでした。そして、平成元年8月にボルト抜釘した後は、自主的に通院を中止しました。Xは、平成4年、7年、8年と計3回Y病院を腰痛等で受診しましたが、その際に左足の腫れを訴えることはありませんでした。Xは、平成9年10月になりY病院を受診し、「本件手術後、左足の腫れが続いている」などと訴えたことから、診察、レントゲン検査を行われましたが、左右の足の周径に3cmほど差があったものの、圧痛もなく、左膝の可動域も十分あり、Xが従前どおり大工の仕事を続けられていることから機能障害はなく、問題はないものと判断され、格別の措置は講じられませんでした。平成12年には、左膝下から足首にかけて無数の赤黒いあざができるなど皮膚の変色が生じたためY病院を受診したところ、皮膚科受診を勧められました。皮膚科ではうっ血と診断され、投薬治療を受けましたが改善しませんでした。Xは、平成13年に他院(大学病院)を複数受診したところ、手術およびその後の臥床、ギプス固定による左下肢深部静脈血栓症と診断されました。事件の判決患者が適切な医療行為を受けることができなかった場合に、医師が、患者に対して、適切な医療行為を受ける期待権の侵害のみを理由とする不法行為責任を負うことがあるか否かは、当該医療行為が著しく不適切なものである事案について検討し得るにとどまるべきものであるところ、本件は、そのような事案とはいえない。したがって、上告人らについて上記不法行為責任の有無を検討する余地はなく、上告人らは、被上告人に対し、不法行為責任を負わないというべきである。(最判平成23年02月25日集民第236号183頁)ポイント解説本判決は、最高裁判所が「期待権」について判示した初めての判決であり、第3回で紹介した「相当程度の可能性」と併せて医療行為、医療訴訟をどのように位置づけるかを考える上で重要な判決といえます。期待権とは、「患者が適時に医療水準にかなった適切な検査、治療等医療行為を受ける利益」のことをいいます。前回同様、不法行為の要件にあてはめると、(1)過失:医療水準に満たない診療等(2)損害:期待権 ≒ 医療水準に満たない診療等(3)因果関係:(1)と(2)の間の因果関係となります。見ていただければ明らかなように、期待権は過失とほぼ同義であることから論理的に因果関係(3)の立証は不要となります。したがって、結果として、「期待権侵害が認められるためには、過失のみが立証されれば足りる」ということになります。前回説明した「相当程度の可能性」が結論としては過失と相当程度の可能性のみで不法行為が成立する(因果関係の立証の緩和)としたものでありましたが、期待権においては、もはや因果関係の立証すら不要となるのです。しかも、期待権侵害の場合、実際に患者の身体に損害が生じていることは問いませんので、理論上は、「ヒヤリハット」といわれるインシデントであったとしても期待権侵害による不法行為が成立しうることになるなど医療安全管理上も大きな問題といえます。本判決では、この期待権侵害が不法行為として認められるためには、「当該医療行為が著しく不適切なものである事案について検討し得るにとどまるべきものである」と限定を付しています。この最高裁の判示は、不法行為の違法性に対する相関関係説に立っているものと考えられます。相関関係説とは、「侵害されたとする利益の種類・性質とそれを侵害した行為の態様(悪質性)の相関関係(掛け算)によって不法行為として認めるべきかを決しよう」とする考え方です。■相関関係説被侵害利益の種類・性質 × 侵害行為の態様(悪質性)つまり、日照権や騒音被害等生活妨害や、営業権等のような要保護性が低い利益については、当該侵害行為が不正な手段によって侵害されたとか、刑罰法規に違反するような行為によって侵害されたなど、悪質な態様によって侵害されている場合にのみ不法行為を認めるべきであると考えるのです。本判決が、「当該医療行為が著しく不適切なものである事案について検討し得るにとどまるべき」と判示しているのは、この相関関係説からきているものと考えられます。期待権のような要保護性の低い利益については、行為態様の悪質性が著しく高い場合においてのみ、不法行為が成立しうるとしたのです※1。この考え方自体は理解できなくはないのですが、相関関係説において、行為態様の悪質性があるとされる典型例として、刑罰法規違反が挙げられていますが、異状死体届出義務、処方箋交付義務やカルテ記載義務等複数の医師法上の義務には、刑事罰が科せられていることが多いので、大きな問題が生ずる危険があるといえます。一方、医療費亡国論に基づく医療費抑制政策をいまだに継続している状況下において、「患者が適時に医療水準にかなった適切な検査、治療等医療行為を受ける利益」を侵害している主体は国であり、国家賠償責任を認めるならまだしも、憲法25条に定める生存権を「プログラム規定」※2とした司法が、このような制度下で寝る間も惜しんで仕事をしている臨床現場の医療従事者個人に対して過酷なまでに不法行為責任を問うことは、欺瞞でしかないともいえます。また、本判決の裏返しとなりますが、医療訴訟において、「なぜ司法が医療者の現場感覚としては問題がないといえるような事例にまで過失を認めてきたか」というと、患者が死亡した場合や重度の障害を負った場合、被侵害利益が非常に重大であるため、侵害態様の悪質性が低い場合においても不法行為が成立すべきという価値判断が働いたからと考えられます。しかし、現在の日本において、人が死亡する場所はほとんどが病院です※3。常態として人が死亡する場所である病院において、この相関関係説を無思慮に持ち込んだ結果、医療行為への過酷に過ぎる司法判断につながっており、萎縮医療や医療崩壊を生みました。「相当程度の可能性」や「期待権」は、医療現場を無視した医療バッシングの極限における産物であり、法理論上も、現実の医療現場に対しても、大きな問題であるばかりでなく、司法関係者自身への利益誘導ともなっていることから、すみやかに社会保障制度等による適切な対処が望まれます。※1最判平成17年12月8日民集218号1075頁においても、補足意見として「医師、医療機関といえどもすべてが万全のものではなく、多種多様な現実的な制約から適切十分な医療の恩恵に浴することが難しいことも事実として認めざるを得ない。ある程度の不適切不十分は、社会生活上許容範囲内として認めるべきであろう。したがって、結果発生との因果関係が証明された場合はともかく、「相当程度の可能性の存在」すら証明されない場合に、なお医師に過失責任を負わせるのは、著しく不適切不十分な場合に限ると言うべきであろう」とされていました。※2社会権をすべて実現することは、国家財政上不可能であり、これを実体権として認めた場合には、国家賠償請求が濫発するなど無用の混乱を生ずる虞(おそれ)があることから、実体権としては認めず、単なる政治的・道徳的義務(法的義務ではない単なる「スローガン」)でしかないとする考え方。※3平成19年の人口動態調査では、死亡総数1,108,334人中、879,692人(79.4%)が病院で、28,505人(2.6%)が診療所で死亡しています。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます(出現順)。最判平成23年02月25日集民第236号183頁

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CKDが心筋梗塞発症に与える影響は、糖尿病より大きい

糖尿病患者が、心筋梗塞既往者と同等の心血管イベントリスクを有することはよく知られている。一方で、慢性腎臓病(CKD)と糖尿病が、それぞれ心血管イベントリスクに与える影響を比較した検討はこれまでなかった。今回、Tonelli M氏らによりこの検討がなされ、Lancet誌オンライン版2012年6月18日付に報告された。これにより、CKDが心筋梗塞発症に与える影響は糖尿病よりも大きい、という結果が明らかになった。カナダのアルバータ州の約127万人の住民データベースをもとに行われたコホート研究。本研究では、心筋梗塞や糖尿病の既往のある患者を入院や医療費のデータに基づく検証アルゴリズムにより分類し、検証した。CKDの定義は、ベースライン時のeGFR:15~59.9 mL/min/1.73m2(ステージ3または4)とした。対象者を、「心筋梗塞既往者(糖尿病やCKDの有無を問わない)」と、心筋梗塞既往のない患者のうち、「非糖尿病かつ非CKD患者」、「糖尿病患者(CKDなし)」、「CKD患者(糖尿病なし)」、「糖尿病かつCKD患者」、の5つのリスクグループに分けて、ポアソン回帰分析を使用して、フォローアップ期間中の心筋梗塞の相対発現率と非補正発現率を算出した。主要評価項目は、フォローアップ期間中における心筋梗塞による入院。 主な結果は以下のとおり。 ・フォローアップ期間中央値48ヵ月(四分位範囲[IQR]:25~65ヵ月)の間に、1%(11,340/1,268,029人)が心筋梗塞により病院に入院した。・心筋梗塞非補正発現率は、心筋梗塞既往者で最も高かった(1,000人・年あたり18.5、95%CI: 17.4~19.8)・心筋梗塞既往の無い場合、糖尿病患者(CKDなし)では、CKD患者(糖尿病なし)と比較して心筋梗塞発現率は少なかった (1,000人・年あたり5.4、95%CI:5.2~5.7 vs 1,000人・年あたり6.9、95%CI:6.6~7.2 ; p

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ワルファリン服用の急性虚血性脳卒中へのt-PA、症候性頭蓋内出血リスク増大みられず

組織型プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)静注療法を行った急性虚血性脳卒中患者の症候性頭蓋内出血リスクについて、ワルファリン服用中の患者のリスクは非服用患者と比べて増大しないことが示された。その他のt-PA合併症や院内死亡率についても、ワルファリン服用による増加は認められなかった。米国・デューク臨床研究所のYing Xian氏らが、約2万4,000人の急性虚血性脳卒中患者について行った観察試験の結果で、JAMA誌2012年6月27日号で発表した。t-PA静注療法患者について、ワルファリン服用有無で出血リスク増大との関連を分析最近のガイドラインでは、ワルファリン治療中の患者へのt-PA静注は、国際標準比(INR)1.7以下の患者への投与が推奨されているが、ワルファリン服用中の患者に関するt-PA静注療法の安全性に関するデータはほとんどない。そこで研究グループは、ワルファリン服用中患者と非服用患者とを比較する目的で、2009年4月~2011年6月の間に1,203病院で登録されたAHA Get With The Guidelines–Stroke(GWTG-Stroke)レジストリの患者データから、急性虚血性脳卒中を発症した国際標準比(INR)が1.7以下の人で、組織型プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)を静注した2万3,437人について観察試験を行った。被験者のワルファリンの服用歴の有無と、症候性頭蓋内出血の発症リスクとの関連を分析した。被験者のうちワルファリン服用中だったのは1,802人(7.7%)で、INR中央値は1.20(四分位範囲:1.07~1.40)だった。ワルファリンを服用していた人は、そうでない人に比べ、高齢で、共存症が多く、脳卒中の程度も重度だった。症候性頭蓋内出血、重度全身性出血、t-PA合併症などいずれも発症率は同等症候性頭蓋内出血の補正前発症率は、ワルファリン服用群が5.7%と、ワルファリン非服用群の4.6%に比べ有意に高率だった(p<0.001)。しかし、試験開始時点における臨床的因子で補正後は、両群の同発症率に有意差は認められなかった(補正後オッズ比:1.01、95%信頼区間:0.82~1.25)。 ワルファリン服用群と非服用群では、重度全身性出血率(補正後オッズ比:0.78、同:0.49~1.24)、t-PA合併症率(同:1.09、同:0.93~1.29)、院内死亡率(同:0.94、同:0.79~1.13)のいずれも有意な差は認められなかった。INR 1.7以下のワルファリン服用患者への血栓溶解療法は、症候性頭蓋内出血リスクと統計的に有意な関連は認められなかった(補正後オッズ比:INR 0.1増大につき1.10、95%信頼区間:1.00~1.20、P=0.06)。 (當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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体重減量プログラム、段階的ケアで一人当たりコスト低減

体重過多や肥満の人を対象にした減量介入プログラムについて、減量経過と目標値に合わせてプログラムを調整する段階的ケア減量介入(STEP)は、一貫して同じ内容のプログラムを行う標準的行動減量介入(SBWI)と比べて、減量効果は同等で1人当たりコストが500ドル以上低く抑えることができることが示された。米国・ピッツバーグ大学のJohn M. Jakicic氏らが、300人超を対象に行った無作為化試験の結果明らかにしたもので、JAMA誌2012年6月27日号で発表した。SBWI群、途中経過と目標値により3ヵ月ごとにプログラム内容を変更研究グループは、2008年5月~2010年2月にかけて、BMIが25~40の363人を無作為に2群に分け、一方の群にはSBWIを(165人)、もう一方にはSTEPを(198人)を開始し、18ヵ月間追跡してその減量効果を比較した。被験者は18~55歳(平均年齢42.20歳)で、うち83%が女性だった。両群ともに、低カロリー食の摂取と運動量増加の指導を受け、毎週~毎月の頻度でグループカウンセリングに参加した。SBWI群には固定的なプログラム内容を行い、一方STEP群には減量経過と目標値に基づき3ヵ月ごとにプログラムの内容を変更した。1人当たりコスト、SBWI群1,357ドルに対しSTEP群は785ドル被験者のうち、18ヵ月間の体重変化に関するデータの得られた260人(71.6%)について分析を行った。結果、SBWI群では、平均体重は試験開始時点の93.1kg(95%信頼区間:91.0~95.2)から85.6kg(同:83.4~87.7)へ、STEP群では92.7kg(同:90.8~94.6)から86.4kg(同:84.5~88.4)へと、いずれも有意に減少した(いずれもp<0.001)。同期間の体重変化は、SBWI群が-8.1%(同:-9.4~-6.9)、STEP群が-6.9%(同:-8.0~-5.8)だった(いずれもp<0.001)。両群の体重減量幅は同等だった一方、1人当たりコストについては、SBWI群が1,357ドル(同:1,272~1,442)に対し、STEP群は785ドル(同:739~830)と有意に低かった(p<0.001)。安静時心拍数、血圧値、健康面については両群とも有意で同等の改善がみられた。 (當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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脂質異常症になりやすい統合失調症患者、肥満や糖尿病だけじゃない

統合失調症患者では肥満や糖尿病の罹患率が高く、とくに抗精神病薬の使用でこれらの発生率 が上昇することが問題となっている。脂質異常症もまた、統合失調症患者によくみられる合併症のひとつである。Hsu氏らは台湾の統合失調症患者における脂質異常症の罹患率・発症率を調査し、Gen Hosp Psychiatry誌2012年7月号(オンライン版2012年3月27日号)で報告した。2005年、18歳以上の766,427人の被験者を無作為抽出し、統合失調症の診断を受けた患者、脂質異常症を有する患者または薬物治療を行っている患者 を特定したうえで、統合失調症患者の脂質異常症の罹患率および発症率を一般集団と比較検討した。主な結果は以下のとおり。 ・統合失調症患者における脂質異常症の罹患率は一般集団より高かった(8.15% vs 8.10%、オッズ比:1.17、95%信頼区間:1.04~1.31)。・リスクファクターは、50歳以上、高保険料支払者、台湾北部または中部・都市部の生活者であり、青年期で非常に高い脂質異常症の罹患率であった。・2006年~2008年に第二世代抗精神病薬を使用していた統合失調症患者の脂質異常症平均年間発症率は、一般集団より高かった(1.57% vs 1.29%、オッズ比:1.31、95%信頼区間:1.11~1.55)。(ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・ケアネット 7月の特集「動脈硬化」 ・アルツハイマーの予防にスタチン!? ・精神疾患患者におけるメタボリックシンドローム発症要因は?

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高齢の母親が訴える腰痛に、骨折の恐れがあることを知らない女性は7割もいる

日本イーライリリー株式会社は6日、高齢の母親をもつ45歳から60歳代の女性4,700名(47都道府県から各100名ずつ)を対象に行った、母親の健康と介護に関するインターネット調査の結果を発表した。調査は2012年6月9日~10日に、インターネット上で行われた。調査の結果、高齢の母親をもつ娘の7割以上(73.6%)は、高齢者の腰痛の原因に「骨折」の可能性があることを知らないことが明らかになった。原因として最も多く挙げられたのは、「年齢(高齢者だから)」(68.6%)、次いで 「普段の姿勢の影響」(43.9%)、「血行不良」(同)との回答が多くみられた。また、娘の約4割が、母親が「腰痛」を抱えていることを認識していることもわかった。母親が訴えている「痛み」の症状を聞いたところ、最も多い回答は「手足の関節」(38.1%)、次いで「腰」(33.0%)であった。「背中」という回答も1割弱(9.0%)あり、「腰」と「背中」を合わせた約4割(35.1%:1,650名)の母親が娘に「腰痛」を訴えていることがわかった。さらに、高齢の母親に、「背中・腰の曲がり」「身長の縮み」いずれかがあるとした娘(67.8%:3,187名)に、母親のその姿勢・外見の変化の原因として考えられることについて尋ねたところ、「年齢(高齢者だから)」(77.6%)との回答が最も多くみられた。「骨折」の可能性があると考える娘は1割未満(4.2%)であり、9割以上(95.8%)が骨折リスクについて認識していないことが示された。同社はこの結果から、「腰痛や、背中・腰の曲がり、身長の低下は、骨粗鬆症による椎体骨折の可能性があり、女性高齢者では特に注意が必要です。しかし、高齢の母親をもつ娘の大半が単に「年のせい」と考えており、骨折が見過ごされる危険性が示唆されました」と述べている。詳細はプレスリリースへhttps://www.lilly.co.jp/pressrelease/2012/news_2012_115.aspx

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SGLT1/2阻害薬LX4211の有効性

新しい作用機序を持つ経口の2型糖尿病治療薬であるSGLT1/2阻害薬LX4211の試験結果が、B Zambrowicz氏らによりClinical Pharmacology & Therapeutics誌Early Online Publication 2012年6月27日付で報告された。この結果、LX4211はプラセボと比べて、消化器症状などの有害事象を増加させることなく、空腹時血糖値やHbA1c値を有意に改善させることが明らかになった。SGLT2は腎臓のグルコース再吸収に関与する輸送体である。SGLT2阻害による血糖コントロール改善が示されており、現在、複数のSGLT2選択的阻害薬が開発段階にある。SGLT1を介さず、SGLT2に選択性の高い阻害薬が多く開発されているのは、主に腸管のグルコース輸送体として存在するSGLT1の腎臓のグルコース再吸収への貢献がわずか10%であることや、SGLT1欠損患者ではグルコースとガラクトースの吸収不良に起因する重篤な消化器症状が示唆される等が理由とされていた。しかしRoux-en-Y法による肥満外科手術や難消化性でん粉摂取後は、遠位小腸および大腸へのグルコース輸送が増加しても、消化器症状を発現することなく耐糖能を改善できている。これは、GLP-1分泌によるものと考えられている。このことから、SGLT1/2阻害薬も、選択的SGLT2阻害薬同様に、消化器症状に影響を与えずに、腸管からのグルコース吸収を遅延させ血糖コントロールを改善できるのではないかと、今回検討が行われた。試験対象は、38歳~64歳の2型糖尿病患者36例。プラセボ群、LX4211の150mg投与群、同300 mg投与群、の3群に無作為に割り付け、1日1回経口投与を28日間継続した。主な結果は以下のとおり。 ・LX4211群はプラセボ群と比較して、28日後の空腹時血糖値、耐糖能、およびHbA1c値を含む血糖コントロール指標を有意に改善した。・24時間UGE値は1日後、14日後、28日後においてプラセボ群と比較し、LX4211群で有意に増加した。・LX4211群は、プラセボと比較して、血清トリグリセリド値を有意に低下させた。また、有意差は認められなかったが、体重と血圧は減少傾向、GLP-1濃度は増加傾向を認めた。・有害事象発現は3群間で同等であり、緊急性尿路感染症、性器感染症、低血糖などはみられず、重篤な有害事象の報告はなかった。心血管イベント発現、心電図所見の有意な変化も認められなかった。(ケアネット 佐藤 寿美)〔関連情報〕 動画による糖尿病セミナー (インスリンなど)

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胃全摘術後の胃がん患者においても早期経腸栄養は有効か?

早期経腸栄養は、感染性合併症や入院日数を減らし、肝機能を維持するメリットがあるが、胃全摘術後の早期経腸栄養の効果に関するデータはほとんどない。今回、胃がん患者の胃全摘術後の早期経腸栄養の効果について完全静脈栄養と比較した無作為化前向き研究の結果が、The Korean Journal of Gastroenterology誌2012年6月25日号に掲載された。Kim氏らの報告。本試験では、胃がん患者56例を早期経腸栄養群36例と完全静脈栄養群20例に無作為に割り付け、最終的に17例と16例がそれぞれ早期経腸栄養と完全静脈栄養のスケジュールを完了した。術前日と胃全摘術後7日目に栄養状態、肝機能、入院日数、腹部症状を比較した。試験の結果、これらの調査項目において早期経腸栄養群と完全静脈栄養群の間に有意な差は認められなかった。主な結果は以下のとおり。 ・栄養状態、肝機能は、両群で有意差は認められなかった。・嘔吐と腹部膨満は、早期経腸栄養群のほうが完全静脈栄養群より多く認められた(2例vs0例;p=0.485、1例vs0例;p=1.000)・AST・ALT増加、総ビリルビン増加は、完全静脈栄養群のほうが早期経腸栄養群より多く認められた(4例vs2例;p=0.398、1例vs0例;p=0.485、どちらも有意差なし)。・入院日数は、早期経腸栄養のほうが完全静脈栄養群より短かった(12日vs13日;p=0.289、有意差なし)。(ケアネット 金沢 浩子)

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“ヨガ”で精神症状とQOLが改善

Vancampfort氏らは統合失調症患者の精神症状(陽性症状、陰性症状)や健康に関連する生活の質(HRQL)に対し、ヨガセラピーを行うことが補助的治療として有用かを無作為化比較試験(RCT)のシステマティックレビュ―にて検討した。Acta Psychiatr Scand誌7月号(オンライン版2012年4 月6日号)報告。2人の評価者により、統合失調症患者に対するヨガセラピー介入のRCT研究を選定し、データの抽出、質の評価を行い、基準を満たした3件のRCTをもとに解析を行った。精神症状はPANSSトータルスコアおよびサブスケールスコア、HRQLは短縮版WHOQOL-BREFにて評価した。主な結果は以下のとおり。 ・精神症状の改善はエクササイズや待機コントロールと比較し、ヨガセラピー後に認められた。・身体的、心理的、社会的、環境的HRQLも同様に、ヨガセラピー後に、より有意な改善を示した。・いずれのRCTにおいても、有害事象は認められなかった。・統合失調症患者に対する抗精神病薬の補助的治療として、ヨガセラピーは有用であると考えられる。(ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・厚労省も新制度義務化:精神疾患患者の「社会復帰」へ ・統合失調症の病態にメラトニンが関与?! ・日本人統合失調症患者の認知機能に影響を与える処方パターンとは

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シタグリプチンの上乗せ効果~54週の試験~

複数薬剤での併用療法がしばしば必要となる進行した2型糖尿病患者の血糖コントロールには、新たな治療手段が必要とされている。今回、メトホルミン(商品名:メトグルコなど)とロシグリタゾン(国内未発売)で継続治療中の2型糖尿病患者に54週間、DPP-4阻害薬であるシタグリプチン(商品名:ジャヌビア/グラクティブ)を上乗せしたところ、プラセボと比較して血糖コントロールを有意に改善し、有害事象発現率も同程度であることが示された。Dobs AS氏らによりJ Diabetes誌Early Online Publication 2012年6月28日付で報告された。対象はメトホルミン(≥1500 mg/日)とロシグリタゾン(≥4 mg /日)の併用療法にもかかわらず、HbA1c(NGSP:以下同)値が7.5%以上11.0%以内にある2型糖尿病患者278例。対象患者は、1日1回シタグリプチン100 mg投与群とプラセボ群とに無作為に割り付けられた。北米、南米、ヨーロッパ、およびアジアの41施設において実施された54週にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験。主要アウトカムは18週時のHbA1c値のベースライン時からの変化とされた。主な結果は以下のとおり。 ・ベースライン時のHbA1c値の平均は8.8%・HbA1c値のプラセボ調整平均変化量は、シタグリプチン群で18週で -0.7%(P

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世界におけるがんの発症動向を予測。2030年にはどうなる?

がんは今後数十年間で、世界のすべての地域で罹患および死亡における主要な原因疾患となることが予測される。では、地域によって状況は異なるのだろうか。Bray氏らが、平均寿命・教育・GDPの複合指標である人間開発指数(HDI)のレベルで分けて評価したがん発症の傾向と2030年までの予測を、The Lancet Oncology誌オンライン版2012年6月1日号に報告した。この報告によると、2008年は、最も高レベルのHDIの地域ではがん全体の半数を乳がん・肺がん・大腸がん・前立腺がんで占めており、中レベルのHDIの地域ではこれらに加えて、食道がん・胃がん・肝臓がんも多かった。またこれら7種類のがんは、中レベルから非常に高レベルのHDIの地域において、すべてのがんの62%を占めていた。一方、低レベルのHDIの地域では、乳がんや肝臓がんより子宮頸がんのほうが多かった。184ヵ国全体では、男性で9種類のがんが多く、なかでも前立腺がん・肺がん・肝臓がんが最も多かった。女性では、乳がん・子宮頸がんが最も多かった。発症人数の変化については、中レベルと高レベルのHDIの地域では、子宮頸がん・胃がんの発症率の減少が、乳がん・前立腺がん・大腸がんの発症率の増加によって相殺されるとしている。本研究で推測されるような傾向が続けば、がんの発症人数は2008年の1,270万人から2030年には2,220万人に増加し、すべてのがんにおける発症率が増加することが予測されるという。今回の結果から、多くの国々の急速な社会的・経済的変化により、感染に関連するがんは減少するが、その減少は生殖・栄養・ホルモン因子に関連するがんの増加によって相殺されることが示唆されている。ターゲットを絞った介入が、予防接種・早期発見・効果的な治療の実施と並行した効果的な一次予防戦略を通じて、がん減少に導く可能性があると、著者らは提言している。(ケアネット 金沢 浩子)

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アルツハイマーの予防にスタチン!?

これまで、スタチンがアルツハイマー病(AD)を予防できる可能性があるとの研究結果が報告されているが、そのメカニズムは明らかになっていない。岡山大学 倉田氏らはアトルバスタチンとピタバスタチンの多面的な抗炎症作用と長期的な影響を比較検討した。Neurol Res 誌オンライン版2012年6月22日付にて報告した。老人斑(SP)のサイズ、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の脳内炎症反応に対するアトルバスタチンとピタバスタチンの作用について、APPトランスジェニックマウスを用い検証した。生後5~20ヵ月のトランスジェニックマウスにアトルバスタチンまたはピタバスタチンを投与し、5ヵ月ごとにSP、MCP-1陽性ニューロン、Iba-1陽性ミクログリア、TNF-α陽性ニューロンについて免疫組織学的分析を行った。主な結果は以下のとおり。 ・両スタチンを投与されたAPPトランスジェニックマウスはコントロールマウスと比較して、MCP-1陽性ニューロンは10ヵ月、Iba-1陽性ミクログリアは15ヵ月、TNF-α陽性ニューロンとSPは15~20ヵ月で減少した。・マウスにおける、これらスタチンの保護作用は有意な差を示すまでに5ヵ月を要した。また、スタチンに対する感受性はMCP-1>Iba-1陽性>TNF-α>SPの順であった。・MCP-1陽性およびIba-1、TNF-αの炎症性反応がSP形成に影響を与えたと考えられる。・両スタチンともにAD予防に有用なアプローチとなりうる可能性が示唆された。(ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・アルツハイマー病の治療実態調査―仏データバンク― ・軽度認知障害の診断・治療に有効な評価尺度 ・“日本老年精神医学会”震災後の新たな地域連携

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ピオグリタゾンと膀胱がんリスクとの関連

 カナダ・ユダヤ総合病院(モントリオール市)のLaurent Azoulay氏らの検討で、2型糖尿病患者では膀胱がんのリスクがピオグリタゾン(商品名:アクトスほか)の使用により増大することが示された。チアゾリジン系経口血糖降下薬であるピオグリタゾンと膀胱がんについてはその関連が指摘される一方で否定的な見解もみられる。この問題解決のために地域住民ベースの観察試験がいくつか実施されたが、相反する結果が得られており、さらなる検討が求められている。BMJ誌2012年6月23日号(オンライン版2012年5月31日号)掲載の報告。膀胱がんリスクとの関連を後ろ向きコホート内症例対照試験で評価 研究グループは、ピオグリタゾンと2型糖尿病患者における膀胱がんの発症リスクの増大との関連を検証するために、レトロスペクティブなコホート内症例対照(nested case-control)試験を実施した。英国の600以上のプライマリ・ケア施設が参加する一般診療研究データベースを使用した。対象は、1988年1月1日~2009年12月31日の間に、新たに経口血糖降下薬による治療を開始した2型糖尿病患者であった。フォローアップ期間中の膀胱がんの発症状況を調査し、膀胱がんと診断された個々の患者と出生年、試験登録年、性別、フォローアップ期間をマッチさせた最大20人を対照とした。ピオグリタゾンの投与期間および総投与量と、膀胱がんの発症リスクとの関連を評価した。リスクとベネフィットを評価する際は留意すべき 新規の経口血糖降下薬使用患者11万5,727例のうち、フォローアップ期間中に470例が膀胱がんと診断された(89.4例/10万人・年)。このうちフォローアップ期間が1年以上の376例と、マッチさせた6,699人の対照について解析した。 全般的に、ピオグリタゾンの使用は膀胱がんのリスク増大と有意に関連した(率比:1.83、95%信頼区間[CI]:1.10~3.05)。使用期間が長くなるほどリスクが増大し、24ヵ月以上投与された患者(率比:1.99、95%CI:1.14~3.45)および総投与量が28,000mg以上の患者で最もリスクが高かった(率比:2.54、95%CI:1.05~6.14)。 著者は、「ピオグリタゾンの使用により2型糖尿病患者における膀胱がんのリスクが増大する」と結論付け、「同じチアゾリジン系薬剤のrosiglitazoneではリスクの増大は認めなかった。リスクが明確に増大するのは、投与期間24ヵ月以降、総投与量が28,000mg以上に達してからで、以前の観察試験ではこの点が過小評価された可能性があり、リスクとベネフィットを評価する際は留意すべき」と指摘している。

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新たな冠動脈疾患の予測モデル、有病率が低い集団でも優れた予測能

オランダ・エラスムス大学医療センターのTessa S S Genders氏らが新たに開発した冠動脈疾患の予測モデルは、有病率が低い集団においても優れた予測能を示すことが、同氏らが実施した検証試験で確認された。検査前確率は、患者にとって最も有益な検査法を決めるのに有用とされる。ACC/AHAやESCの現行ガイドラインでは、安定胸痛がみられる患者における冠動脈疾患の検査前確率の評価には、Diamond and ForresterモデルやDuke臨床スコアが推奨されているが、いずれの方法にもいくつか欠点があるという。BMJ誌2012年6月23日号(オンライン版2012年6月12日号)掲載の報告。新規予測モデルの予測能を後ろ向き統合解析で検証研究グループは、有病率の低い集団における冠動脈疾患の検査前確率の評価に有用な予測モデルを開発するために、個々の患者データのレトロスペクティブな統合解析を行った。ヨーロッパおよび米国の18施設から、冠動脈疾患の既往歴のない安定胸痛患者が登録された。CTあるいはカテーテルベースの冠動脈造影所見に基づき、低有病率または高有病率の集団に分類した。主要評価項目は閉塞性冠動脈疾患(カテーテル冠動脈造影で1つ以上の血管に≧50%の狭窄)とした。予測モデルは、基本モデル(年齢、性別、症状、有病率の高低)、臨床モデル(基本モデルの因子、糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙)および拡張モデル(臨床モデルの因子、CT冠動脈造影によるカルシウムスコア)で構成された。低有病率の集団のデータセットを用いて、交差検証法(cross validation)による解析を行い、識別能(C統計量)、キャリブレーション、純再分類改善度(net reclassification improvement; NRI)ついて評価した。冠動脈カルシウムスコアを加えると予測能がさらに改善解析の対象となった5,677例(男性3,283例[平均年齢58歳]、女性2,394例[同:60歳])のうち、5,190例(91%)でCT冠動脈造影が施行され、1,634例(31%)が閉塞性冠動脈疾患と診断された。このうち1,083例(66%)にカテーテル冠動脈造影が施行され、886例(82%)に閉塞性冠動脈疾患が確認された。CT冠動脈造影で閉塞性冠動脈疾患がみられなかった3,556例のうち、526例にカテーテル冠動脈造影が施行され、閉塞性冠動脈疾患が否定されたのは498例(95%)だった。全体として、カテーテル冠動脈血管造影が施行されたのは2,062例(36%)で、そのうち閉塞性冠動脈疾患と診断されたのは1,176例(57%)であった。単変量および多変量解析では、すべての予測因子が疾患の発現と有意に関連した。臨床モデルの予測能は、基本モデルに比べ優れていた(交差検証されたc統計量が0.77から0.79に改善、NRI:35%)。拡張モデルの冠動脈カルシウムスコアは主要な予測因子であった(同:0.79から0.88に改善、102%)。著者は、「年齢、性別、症状、心血管リスクなどから成る新たな予測モデルにより、有病率が低い集団における冠動脈疾患の検査前確率の正確な予測が可能となった。この予測モデルに冠動脈カルシウムスコアを加えると、予測能がさらに改善された」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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「一般名処方加算」新設、その後の実施率は

今回の「医師1,000人に聞きました」、テーマは “一般名処方”。2012年4月より、2012年4月の診療報酬改定における後発医薬品使用促進策の一つとして「一般名処方加算」が新設されたことは先生方ご存知の通りです。この改定を受けて先生方の意識はどう変化したのか?「4月以降実施するようになった」医師は全体でどれくらい?病院と診療所、実施率はどう違う?CareNet.comで2011年12月に実施した一般名処方の実施率調査も比較しながらご覧ください。結果概要はこちらコメントはこちら設問詳細「一般名処方」についてお尋ねします。4月6日付の『日刊薬業』によると、『4月の診療報酬改定で加算点数が新設されたことをきっかけに、全国各地で一般名処方を含む処方箋が増加している。当初は加算新設の効果に懐疑的な見方もあったが、改定施行直後からクリニックを中心に一般名処方が広がっているもようだ。この急増ぶりに東京都薬剤師会は3日付で、処方医や薬局薬剤師が一般名処方に不慣れな中では調剤過誤につながる恐れもあることから、傘下薬局に注意喚起の事務連絡を出した。4月の診療報酬改定では後発医薬品使用促進策の一つとして「一般名処方加算」が新設。医師が一般名処方を含む処方箋を発行した場合、交付1回当たり2点を保険請求できるようになった。一般名処方を含む処方箋について全国の調剤薬局からは、「前年に比べ2割ほど増加した」(札幌市の調剤薬局)、「すごく多い。混乱している」(広島県の調剤薬局チェーン)との声が出ている。大阪府薬剤師会の乾英夫副会長は「府内でも増えている。混乱しているのは確か」と話す。東京都薬は「一般名記載の処方薬を含む処方箋がかなり多い。ここまで来るとは思っていなかった」(事務局)と、予想以上の急増を指摘している。台東区の薬局の薬剤師は「一般名処方の処方箋は全体の25~30%。処方箋発行元医療機関の約9割が一般名処方を出している」と説明する。(略)』とのこと。そこで先生にお尋ねします。Q1. 先生の勤務施設では、一般名処方を行なっていますか?1.行なっている2.一部行なっている3.行なっていないQ2. Q1で「行なっている」「一部行なっている」と回答した先生にお尋ねします。一般名処方に関して、以下当てはまるものを全てお答え下さい。これまで行なっていなかったが、4月以降行なうようになった以前から行なっていたが、4月以降増えたレセコンの設定で自動的に一般名処方となる後発薬のある薬剤はほぼ全てを一般名処方としている処方薬のうち少なくとも1種類は一般名処方としている処方箋の書き方に難しさを感じるどの後発薬を調剤するかは調剤薬局に任せる調剤薬局からの問合せが増えた当てはまるものはないQ3. Q1で「行なっていない」と回答した先生にお尋ねします。今後一般名処方を行なう予定はありますか?1.行いたい2.薬剤によっては一般名処方でも良い3.行いたくないQ4.コメントをお願いします。今回の診療報酬改定、ご勤務施設の方針、処方箋を書く際やレセコンについて感じること、一般名処方の浸透に対してのお考えなど、一般名処方に関することでしたらどういったことでも結構です。アンケート結果Q1. 先生の勤務施設では、一般名処方を行なっていますか?Q1で「行なっている」「一部行なっている」と回答した先生にお尋ねします。一般名処方に関して、以下当てはまるものを全てお答え下さい。Q3. Q1で「行なっていない」と回答した先生にお尋ねします。今後一般名処方を行なう予定はありますか?2012年6月15日(金)~20日(水)実施有効回答数:1,000件調査対象:CareNet.com医師会員結果概要一般名処方を行なっている医師は3割超、前回調査時より倍増 診療所医師では半数を超える勤務施設での現在の実施状況では、「行なっている」との回答が15.1%(昨年5.7%)、「一部行なっている」が19.3%(同11.5%)。何らかの形で実施している医師は17.2%から34.4%と、昨年12月の調査時と比較すると倍増した結果になった。また、そうした医師に状況を尋ね「これまで行なっていなかったが、4月以降行なうようになった」との回答が60.8%。「以前から行なっていたが4月以降増えた」が14.8%であった。また施設規模別で見ると、病院医師で合計30.1%、診療所医師で56.0%の実施率となった。今後について、現在行なっていない医師の6割が「行いたい」「薬剤によっては」と回答一方、現在「行なっていない」と回答した医師に今後の意向を尋ねたところ、「薬剤によっては一般名処方でも良い」51.4%、「行いたくない」40.5%、「行いたい」8.1%という結果となった。『後発薬の信頼性に問題がある』『商品名で覚えていたものを新たに覚えなおすのは難しい』といった回答が多く見られた。「行いたい」とした中では、『自動変換してくれるなら』『面倒なので』など、レセコンに関するコメントを寄せた医師が多かった。「後発薬のある薬剤はほぼ全て一般名処方」としている医師は11.6%その他、現在行なっている医師の状況として「レセコンの設定で自動的に一般名処方となる」との回答が16.3%いる一方で、「処方箋の書き方に難しさを感じる」との回答が16.0%とほぼ同程度となった。「処方箋のうち少なくとも1種類は一般名処方としている」は15.7%、「後発薬のある薬剤はほぼ全てを一般名処方としている」との回答が11.6%。CareNet.comの会員医師に尋ねてみたいテーマを募集中です。採用させて頂いた方へは300ポイント進呈!応募はこちらコメント抜粋 (一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「成分・効能が同じでも患者さんの方からすれば違ったものと捉えることが多いようです。医療費高騰の観点からのみでジェネリックにするのは考え物です。」(60代,病院勤務,リハビリテーション科)「後発品と先発品で適応疾患が異なるのが問題。当院では一般名では印字できないのですべて手書きになります。一般名処方は現状では普及しないと思います。」(50代,病院勤務,精神・神経科)「後発品の数が多すぎて、後発品の商品名で処方しても薬局によっておいているものが違い、その度変更可かどうかと問い合わせがくる。それも面倒なのだが、一般名はなじみがなく処方する際に手間がかかる。先発品の名称で処方しても、「変更可」とチェックを入れれば一般名処方と意味は同じになると思うので、かならずしも一般名でなくていいと思う。もう少し現場のことを考えてほしい。」(30代,病院勤務,外科)「仕事が煩雑になり大変迷惑。」(40代,病院勤務,精神・神経科)「処方された薬剤名を電子カルテに残したほうが良いと思うので手間が増えている。」(50代,その他,内科)「処方箋が長くなるので、印刷されているとはいえ、見づらい。コンピューター入力できない項目(例えば、不均等な服用、汎用しない頓服項目)など、つい書き加えるのを忘れる。医療機関はたいへんな思いをして2点しか加算されない。薬局ばかりが得をしていると感じている。」(40代,診療所勤務,精神・神経科)「移行期は作業が増えるが、将来的には効率的かと思う。」(30代,病院勤務,精神・神経科)「病院全体の問題なので当科の一存では決められない。やるならやるでいいし、やらなくても良い。」(50代,病院勤務,泌尿器科)「一般名処方をしてでも2点を稼がなければいけない保険制度に問題あり。一般名処方が一般化すればやがては2点加算も無くなり、逆に商品名処方だと減点される方向に動くだろう。製薬メーカーのMR活動は消滅。対薬局MS活動が中心になるだろう。医薬品の精度、安全性はどのように担保し、薬害時の補償はどうするのだろうか。」(50代,病院勤務,泌尿器科)「一般名を調べるのに時間をとられて、業務に支障あり。 」(50代,病院勤務,整形外科)「血圧関係では、慣れたARBを使用したいので一般名処方はしたくない。」(60代,その他,産婦人科)「一般名で構わないと思うが、この無理やりなやり方には反発を感じる」(40代,診療所勤務,精神・神経科)「点眼ビンの使いやすさや点眼時の刺激などが各薬剤にて全く異なるので、眼科的にはなじまない」(40代,診療所勤務,眼科)「調剤薬局からの問い合わせが多く、非常に手間を感じている」(30代,診療所勤務,腎臓内科)「一般名処方出来る薬と出来ない薬があるので、混乱している。4月に入って直ぐに後発薬のあるものすべてを一般名処方に変えたが月の半ばでレセコン会社から半分以上出来無いとの連絡があり戻して混乱した。その根拠が分からない。」(50代,その他,眼科)「加算につながることなので、経営上やらざるを得ないが、露骨なジェネリックへの誘導措置であり、気分はあまりよくない。」(40代,診療所勤務,内科)「電子カルテが、製品名を入力しても一般名が選べるとか、サポート機能が充実すれば一般名処方はやぶさかではない」(50代,病院勤務,外科)「自分がわざと安いジェネリック薬を選んで処方しても,薬局で高いジェネリックに変更されている.これまでと逆のことがおこっている.」(30代,病院勤務,神経内科)「いままでよりわかりやすくていいです。ただ、患者さんに商品名を伝えるべきなのか、一般名にするのかは、どちらにしても名前が変わってくることが多いため、患者がどう感じているか心配ではある。」(30代,診療所勤務,膠原病科)「商品名に慣れ親しんだ患者さんやベテラン医師に受け入れられるまで時間はかかると思うが、一般名処方をすると、先発品と後発品を同じ名前で処方できる、一般名で学んだ薬学の知識を新人医師がそのまま使えるというメリットがある。いずれ世間は一般名処方に移行していくと思う。」(30代,病院勤務,呼吸器科)「他の医療機関から来た患者の処方を見るときは、一般名処方の方が、聞いたこともないジェネリック薬品の製品名よりはるかに良いと思います。」(50代,診療所勤務,代謝・内分泌科)「電子カルテの動きが遅くなるため実施していない。」(40代,診療所勤務,耳鼻咽喉科)「いちいち薬局からこの薬にしましたと連絡を受けるのは面倒」(60代,その他,泌尿器科)「後発品の普及をさせたい意図はわかるが 現場の状況を厚生省はよく検討して欲しい」(30代,病院勤務,麻酔科)「いろいろな医療機関で様々な薬を処方されていてその患者が入院した場合何の薬を処方されていたのか調べるのが大変な労力がいる。またすべて同じ効果があるのか疑問。」(60代,病院勤務,外科)「レセコンでは一般名→商品名、商品名→一般名いずれも変換できますので、特に困ることはないのですが、保険点数2点ですからねえ、労力の割には報われないような気がします。」(50代,病院勤務,外科)「一般名が複雑な名称の場合があり(例えばxxxxリン酸塩、など)、また馴染みの少ない名称の場合も少なくなく、処方ミスに繋がる可能性がある。」(50代,病院勤務,代謝・内分泌科)「アップデートの必要がある情報が山のように有るので、覚えないですむ情報に時間を費やすのはさけたい」(40代,病院勤務,外科)「他施設から紹介されてくるケースで、後発品の処方がなされているケースだと何が投与されているのか一々調べなければならない。それなら一般名処方のほうがましに感じる。 」(40代,病院勤務,整形外科)「電子カルテのソフトで対応していかないと,何の薬が出ているのかわからないので,医療事故の原因になるはず…」(50代,病院勤務,呼吸器科)「薬剤師、医師とも不慣れな一般名より、商品名での処方が良いと考えている。現状の「どちらでも良い」という中途半端な状態がもっとも危険。」(50代,その他,外科)「当院の処方は全て自動的に(変更不可)になっている」(50代,診療所勤務,整形外科)「いまだ過渡期になるのでしょうか?かなり前から議論されていますが、いまだに統一した見解、取り決めがなされていないのは疑問に思います」(40代,病院勤務,麻酔科)「これだけ医療ミスが問題とされているのに、 わざわざ一般名にしてミスをするリスクをあげる必要性があるのだろうか?」(40代,病院勤務,膠原病科)「医師になったばかりの頃は、一般名の処方の方が判りやすかったが、段々、経験を積むにつれて、メーカーごとに違う薬剤名の方に慣れ親しんで行った。だから、これから医師になる人々にとっては一般名処方は良い傾向だと思う。」(50代,病院勤務,産婦人科)「一般名のほうがよいが、コメディカル(看護師など)の方々にも浸透するにはまだまだ時間が掛かると思う」(30代,病院勤務,その他)「コンピュータで一般名が選択できるので処方は簡単。」(30代,診療所勤務,産婦人科)「院内処方なので、一般名にするメリットは感じない。制度でそうするというのなら従うが、慣れるまではしんどいな。」(40代,病院勤務,精神・神経科)「処方された薬剤に関する責任の所在を明確にしてほしい」(40代,病院勤務,精神・神経科)「長い目で見れば、製品名と一般名の2種類を記憶する必要がなくなるので、一般名処方は推進されるべきと思います。 」(30代,病院勤務,腎臓内科)「今から、以前覚えた商品名に対する一般名を覚える余力がない。」(40代,病院勤務,血液内科)「後発薬の場合、実際に効果が違うように思うものがあるのも確かであり、指定が必要なものもあるかと思います。 また、患者さん側も薬の名前が違うことに不安を感じるのでは。 混乱を招かないためにも後発薬は一般名そのものや一般名をもじったものにして欲しいものです。」(30代,病院勤務,整形外科)「現場が混乱し、インシデントの原因となるので、一般名処方が必要だとか一般名が定着しているものに限って行なうべきと思います。」(30代,病院勤務,整形外科)「この制度はおかしい。「後発品への変更可」から、「後発品への変更不可」に変化し、ここで一般名にしたところで、現場が混乱するだけ。後発品変更不可としない処方箋に2点つくようにしさえすればよかったのに」(40代,病院勤務,内科)「先発薬にこだわりたい。」(40代,病院勤務,内科)「たった2点のためやるかと思うと、情けないです。」(40代,診療所勤務,産婦人科)「昔ながらによく使用している薬剤を、一般名でいまさら覚えるのがおっくうです。」(40代,病院勤務,呼吸器科)「電子カルテのオプション整備費としてかなりの金額が必要ですので、考慮中です。」(60代,病院勤務,消化器科)「一般名をすぐに連想させるような商品名であると覚えやすいため使用してもよいと考える」(20代,病院勤務,産婦人科)「以前は紛らわしい名前の薬の書き間違いによる医療事故が取りざたされていましたが、ジェネリックや一般名処方ではますます間違いが増えることが明らかです。(処方している医師仲間が言っているので間違いないです。)今は患者の命よりも医療費の抑制が優先される時代なんだと理解しています。」(50代,病院勤務,呼吸器科)「とくに勤務施設からの指示はありませんが、ジェネリック医薬品の採用品がころころ変わるこの頃、一般名での処方のほうが便利かもしれない」(40代,病院勤務,内科)

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糖尿病発症年齢別にみた、膵臓がんのリスク因子

糖尿病は、膵臓がん(PaC)のリスク因子とされているが、最近では、糖尿病自体がPaCの初期兆候として考えられている。今回、東京大学の水野氏らの研究で、糖尿病発症年齢に応じたPaCのリスク因子が明らかになり、PaCの初期兆候とこれらリスク因子を組み合わせることが、PaCのスクリーニングに有用である可能性が示された。(J Gastroenterol 誌オンライン版2012年6月28日付)対象は、PaCと診断された40例の糖尿病患者と、悪性腫瘍のない120例の糖尿病患者。糖尿病の発症年齢に応じて、PaCの初期兆候とリスク因子について分析した。主な結果は以下のとおり。 ・対象者の糖尿病発症年齢ピークは、40~45歳と60~65歳であった。そこで、糖尿病発症年齢別に早期発症型(

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