サイト内検索|page:1608

検索結果 合計:36509件 表示位置:32141 - 32160

32141.

直近10年で視覚障害が21%増加、長期糖尿病患者29%増大が関連の可能性/JAMA

 直近10年間で米国では、20歳以上の成人の非屈折性視覚障害者が21%増加しており、原因として同時期に有意な有病率の上昇がみられた糖尿病がリスク因子として関連している可能性を、米国・ジョンズホプキンス大学のFang Ko氏らが報告した。米国では直近10年間で糖尿病や糖尿病性網膜症のような眼の後遺症を伴う慢性疾患の増加が報告されていた。Ko氏らは、糖尿病は視覚障害と強く関連することから、より若い世代で非屈折性視覚障害が増えているのではないかと仮説を立てて検証試験を行った。JAMA誌2012年12月12日号より。非屈折性視覚障害保有率と全身性リスク因子を1999-2002年と2005-2008年で比較 研究グループは、非屈折性視覚障害保有率を推定し、人口統計学的因子と、糖尿病との診断を含む全身性リスク因子と関連を明らかにすることを目的とし、米国全国健康・栄養調査(NHANES)の入院外患者のデータ(代表サンプルとして1999-2002年9,471例と、2005-2008年1万480例の20歳以上の成人に関する質問表、臨床検査および診察の記録)を用いて検証した。 非屈折性視覚障害は、自動屈折計にて20/40未満(日本の単位で0.5未満)の視力の者とした。主要評価項目は非屈折性視覚障害とした。糖尿病歴10年以上の人が29%増加、白人では133%増加 結果、20歳以上成人で非屈折性視覚障害加重保有率は、1999-2002年の1.4%から2005-2008年の1.7%に21%増加し(p=0.03)、20~39歳の白人(ヒスパニック系除く)では0.5%から0.7%と40%増加していた(p=0.008)。 多変量解析において、統計的に有意なリスク因子は、1999~2002年では、年齢[年間オッズ比(OR):1.07、95%信頼区間(CI):1.05~1.09)、貧困(同:2.18、1.31~3.64)、無保険(同:1.85、1.16~2.95)、糖尿病歴10年以上(同:1.93、1.15~3.25)であった。2005-2008年は、年齢(同:1.05、1.04~1.07)、貧困(同;2.23、1.55~3.22)、高校未満の教育レベル(同:2.11、1.54~2.90)、糖尿病歴10年以上(同:2.67、1.64~4.37)であった。 診断から10年以上の糖尿病患者は、全年齢総計で2.8%から3.6%へと29%増加していた(p=0.02)。20~39歳の白人(ヒスパニック系除く)では0.3%から0.7%へと133%増加していた(p<0.001)。

32142.

オキシトシン鼻腔内投与は、統合失調症患者の症状を改善

 統合失調症患者に対して、オキシトシンを投与することで症状改善につながるとの先行研究がある。しかし、それらは短期間の研究にとどまっており、統合失調症患者に対するオキシトシン投与について、3週間超のエビデンスは存在しなかった。イラン・テヘラン医科大学Roozbeh精神病院のAmirhossein Modabbernia氏らは、リスペリドンによる治療を受けている統合失調症患者にオキシトシン鼻腔内スプレーを8週間併用し、有効性と忍容性についてプラセボと比較検討した。その結果、オキシトシン鼻腔内投与により統合失調症患者の症状、なかでも陽性症状が著明に改善されることを報告した。CNS Drugs誌オンライン版2012年12月12日号の掲載報告。 本研究は、統合失調症患者におけるオキシトシン鼻腔内スプレーの有効性と忍容性を評価することを目的とした、8週間にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照試験。DSM-IV-TRにて統合失調症と診断され、リスペリドン固定用量(5または6mg/日)の治療を少なくとも1ヵ月以上受けている患者40例(18~50歳男女)を対象とし、オキシトシン群またはプラセボ群に無作為に割り付けた。オキシトシン鼻腔内スプレーは、最初の1週間は20 IU(5スプレー)を1日2回投与し、以降は40 IU(10スプレー)を1日2回、7週間投与した。ベースライン時、2、4、6、8週後に、陽性・陰性症状評価尺度(Positive and Negative Syndrome Scale:PANSS)により評価を行った。主要アウトカムは、治療終了時におけるPANSSスコアの2群間の差とした。主な結果は以下のとおり。・全患者がベースライン後1回以上の評価を受け、37例(オキシトシン群19例、プラセボ群18例)が試験を完了した。・反復測定分散分析によると、PANSS総スコア[F(2.291,87.065) = 22.124、p<0.001]および陽性スコア[F(1.285,48.825) = 11.655、p = 0.001]、陰性スコア[F(2.754,104.649) = 11.818、 p < 0.001]、総合精神病理[F(1.627,61.839) = 4.022、 p = 0.03]サブスケールについて、相互作用による有意な効果がみられた。・8週後までに、オキシトシン群はプラセボ群に比べ、PANSSサブスケールの陽性症状について著明かつ有意な改善を示した(Cohen's d=1.2、スコアの減少20%vs. 4%、p<0.001)。・オキシトシン群はプラセボ群に比べ、PANSSサブスケールの陰性症状(Cohen's d=1.4、スコアの減少7%vs. 2%、p<0.001)、総合精神病理(Cohen's d=0.8、スコアの減少8%vs. 2%、p=0.021)においても統計学的に有意な改善を示したが、臨床的にはその差が実感されなかった。・オキシトシン群はプラセボ群に比べ、PANSSの総スコア(Cohen's d=1.9、スコアの減少11%vs. 2%、p<0.001)において有意な改善を示した。・有害事象の発現状況は、2群間で同程度であった。・以上のことから、リスペリドン併用下のオキシトシン鼻腔内投与は、統合失調症患者のとくに陽性症状を、忍容性を保ちつつ有効に改善することが示された。・本パイロット試験で得られた興味深い知見は、より大規模な母集団を用いて再現する必要がある。関連医療ニュース ・統合失調症治療にニコチン作動薬が有効である理由とは? ・統合失調症患者の認知機能改善にフルボキサミンは有効か? ・統合失調症の遂行機能改善に有望!グルタミン酸を介した「L-カルノシン」

32143.

レベチラセタムは末梢性の鎮痛・抗浮腫作用を示す

 セルビア・ベオグラード大学のRadica M. Stepanovic-Petrovic氏らは、ラット炎症性疼痛モデルを用いて、レベチラセタムの末梢局所における鎮痛・抗浮腫作用とその作用機序について検討した。その結果、レベチラセタムはオピオイド受容体、アドレナリン受容体、アデノシン受容体、5-HT受容体を介して末梢性の鎮痛作用を示すことが明らかになった。Anesthesia & Analgesia誌2012年12月号(オンライン版2012年11月9日号)の掲載報告。 本研究は、ラット炎症性疼痛モデルにおいて、レベチラセタムの炎症局所における鎮痛・抗浮腫作用ならびにその作用機序を検討することを目的とした。ラット足底(paw)皮下にカラゲナンを注射して炎症性浮腫を惹起させ、レベチラセタム(200~1,000nmol/paw)および各種受容体アンタゴニストの鎮痛作用を足圧痛法により評価した。さらに、レベチラセタムの浮腫に及ぼす影響を体積変動測定法により測定した。検討した各種受容体アンタゴニストは以下。オピオイド受容体アンタゴニスト:ナロキソン(75~300nmol/paw)、CTAP(1~5nmol/paw)アドレナリン受容体アンタゴニスト:ヨヒンビン(130~520nmol/paw)、BRL 44408(50~200nmol/paw)、MK-912(5~20nmol/paw)アデノシン受容体アンタゴニスト:カフェイン(500~1,500nmol/paw)、DPCPX(3~30nmol/paw)5-HT受容体アンタゴニスト:メチセルギド(10~100nmol/paw)、GR 127935(50~200nmol/paw)GABA受容体アンタゴニスト:ビククリン(400nmol/paw) 主な結果は以下のとおり。・レベチラセタムは、用量依存的かつ有意な疼痛閾値の低下、足浮腫抑制作用を示した。・レベチラセタム(1,000nmol/paw)の鎮痛作用は、GABA受容体アンタゴニストのビククリンで抑制されなかった。一方で、オピオイド受容体アンタゴニスト、アドレナリン受容体アンタゴニスト、アデノシン受容体アンタゴニスト、5-HT受容体アンタゴニストにより有意に抑制された。・ラットの対側後足にレベチラセタム、各種受容体アンタゴニストを投与した場合に効果が観察されなかったことから、これらの作用は末梢性であると考えられた。・以上のことから、レベチラセタムは末梢局所で鎮痛ならびに抗浮腫作用を示し、その作用はオピオイド受容体、アドレナリン受容体、アデノシン受容体、5-HT受容体を介したものであることが示唆された。レベチラセタムは、全身性の副作用および薬物相互作用の出現を低く抑え、炎症性疼痛を改善させうる。■関連記事とくにうつ病患者は要注意?慢性疼痛時のオピオイド使用レベチラセタム、部分てんかん患者に対する1年間の使用結果レビュー疼痛治療「プラセボでも一定の効果が」臨床試験に課題も抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証

32144.

〔CLEAR! ジャーナル四天王(40)〕 RA系抑制薬同士の併用はメリットなく、むしろ有害

レニン-アンジオテンシン(RA)系阻害薬としては、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)および直接的レニン阻害薬(アリスキレン)があるが、これまでONTARGET試験などで、ACE阻害薬とARBの併用は、ACE阻害薬単独に比べて心血管合併症予防効果が認められず、むしろ有害事象が増加するのみという結果が示されている。今回の結果も、RA系抑制薬同士の併用はメリットがなく、有害であることを明瞭に示した点で意義のある試験である。 このトライアルを企画した意図としては、本試験のプロトコールどおり、すでにACE阻害薬あるいはARBを服用している高血圧または高リスク症例に対して、アリスキレンを上乗せすることで、さらなるメリットが得られる可能性を期待していたと思われる。しかし、本試験の結果は直接的レニン阻害薬の存在意義そのものが危うくなる結果であり、期待は大きく崩れた。 対象例のうち、より高リスクの症例では、より多くの降圧薬に加えて抗血小板薬やスタチン薬が処方されている。しかも、対象症例の試験開始時点の収縮期血圧140mmHg以上は40.8%、拡張期血圧85mmHg以上は12.2%にすぎないということは、血圧管理もかなりなされていることになる。さらに、アリスキレン追加群の血圧下降度について、プラセボ群と比べて群間差が収縮期血圧1.3mmHg/拡張期血圧0.6mmHgということから、追加によってもさらなる降圧が見込めるわけではないことも示した。 むしろRA系同士の併用は、高カリウム血症という危険な有害事象を招く可能性があることを教えてくれた貴重なトライアルである。 やはり降圧薬併用の基本は、降圧機序の異なる薬剤同士を少量ずつ組み合わせことである。 今後、この試験の結果はガイドラインでもきちんと活かされ、かつ保険上でも併用禁忌として記載され広く臨床医に周知されるべきである。

32145.

関節疾患にみる慢性疼痛

関節痛の概要・特徴痛みを呈する関節で最も多いのが膝関節、次いで肩こりを含めた肩関節が多い。股関節では骨形成不全などがあると痛みが発症するが、膝関節や肩関節に比べて頻度は低い。また、肩関節、手関節および肘関節の痛みの訴えはそれ以上に少なく、治療上も問題になることは多くない。関節痛の原因としては変形性関節症が最も多く、次に痛風、偽痛風、関節リウマチなどの炎症性関節炎、そして感染性関節炎となる。関節痛の多くは、慢性的なケースが多く、継続して痛みがあるか亜急性的に痛みが悪化する患者さんが多い。関節痛のリスク因子には、下肢(股関節、膝関節、足関節)のアライメントの異常(関節の歪み)や肥満、筋力低下がある。日本人にはO脚が多いため、膝の内側が摩耗しやすく、体重増や筋力低下により摩耗が進むと関節痛がさらに悪化するというのはその典型といえる。関節痛の原因関節痛についても、痛みの原因を明らかにし、その原因に対処していくことが必要である。変形性関節症の場合、過労時や荷重時の痛みが多く、安静時痛がない。ちなみに、安静時痛のある場合は、関節リウマチや痛風などの炎症性関節炎や細菌感染などの化膿性関節炎などのこともあるので注意が必要である。炎症性関節炎の場合、痛みの原因となる内科疾患を明らかにする必要がある。痛風であれば熱感や発赤が認められるが関節液の濁りは少なく、採血でCRPおよび尿酸値の高値が認められる。偽通風であれば関節液からピロリン酸が検出される。炎症性関節炎では、感染性関節炎と鑑別しにくい場合もある。化膿性関節炎では、熱感、発赤が非常に強く、白血球は10万レベルになる。一方、炎症性関節炎であれば上がっても白血球は数千から1万程度である。また、化膿性関節炎の関節液では白色の膿が確認されるが、炎症性関節炎の関節液は少し濁っている程度である。炎症性、感染性が除外された場合、単純X線所見と併せて変形性関節症と診断することになる。また、胆嚢疾患や心疾患などの内科疾患が原因で肩関節が痛む関連痛が報告されているが、整形外科に来院する場合もあるので注意が必要である。変形性関節症の特徴的X線所見骨棘形成関節裂隙の狭小化軟骨下骨の硬化関節裂隙の消失関節痛の治療変形性関節症はセルフリミティングな疾患であり、ある程度までしか進行せず自然治癒力が期待できるため治療の緊急性は少ない。NSAIDsで効果を期待できるため、治療初期の2週間ほどはNSAIDsを処方して様子をみて、運動療法を行う。長期にわたり鎮痛効果が必要な場合は、NSAIDsの長期服用による腎障害や胃潰瘍の発現を考慮し、弱オピオイド鎮痛薬の併用あるいは切り替えを検討する。また、変形性関節症ではX線の所見と痛みの程度は必ずしも一致せず、進行した例でも薬物療法や運動療法が有効な場合がある。関節破壊が進展し十分な保存療法を行っても症状の改善が得られず、患者さんの希望するレベルの生活に障害がある場合などは手術の適応を検討する。炎症性関節炎の場合、原因となる内科疾患、関節リウマチであればその治療を、痛風であれば尿酸値を下げるなど、その疾患の治療を行う。感染性疾患は治療に緊急性を要する場合が多い。たとえば化膿性関節炎では、関節破壊が進行し、さらに敗血症で死亡する危険があるため緊急手術を要する。運動療法の積極導入ある程度痛みが軽減したら、運動療法、筋力トレーニング、関節可動域改善のトレーニングを行う。痛みがあると、その部位の筋力が低下していることが多く、運動療法で筋力を回復するだけでも随分痛みが改善することが多い。変性疾患で軟骨が摩耗している変形性膝関節症であれば、むしろ運動療法することでが機能が回復するとされている1)。「痛み=安静」という意識を変え、症状改善のためには、少し痛みが残っていても動くことを勧めるのも治療選択肢であろう。代表的な運動療法としては、肩関節周囲のコッドマン体操や滑車体操、膝関節の大腿四頭筋訓練、股関節の股関節周囲筋筋力体操などがある。いずれの場合も運動療法を導入する際は、管理下の運動療法といって、PTや整形外科医の指導・監視下で行うことが基本であり、その際には、整形外科医との連携を図っていただくべきであろう。高齢者の肩の腱板断裂関節痛とは異なるが整形外科では高齢者の肩の腱板断裂という疾患が近年多くみられるため紹介する。この疾患は、急に肩が動かなくなり、夜も寝られない程の肩の痛みを訴える。しかしながら、単純X線検査では診断がつきにくく、内科からの紹介も多い。検査としてはドロップアームサインがある。腕を上げてバンザイはできるが、肩の腱板が切れているため腕をおろしてゆくと保持できず途中でドロップする。つまり、棚の上の物が取れなくなるが、腕をおろした状態では問題がないため字は書ける。治療として、NSAIDsで痛みをある程度軽減してから、手術療法が必要なければ運動療法により肩の可動域を保持する。症例ごとに最適の疼痛診療を目指す整形外科領域の疼痛の診療にはさまざまなピットフォールがあるが、どんな場合でも痛みの原因を明らかにし、それぞれの症例に適した診療が必要となる。また、疼痛患者さんはどの診療科を受診するかわからず、他診療科からの紹介も多い。整形外科と他診療科が連携して、患者さんの痛みをうまくコントロールしていくことが、超高齢化社会に入っていくこれからの医療には重要なのではないだろうか。参考文献1)岩谷 力 (監修)ほか 変形性膝関節症の保存的治療ガイドブック;メジカルレビュー社2006年

32146.

「潰瘍性大腸炎の治療における医師と患者の意識比較」について

11月29日(木)、「潰瘍性大腸炎の治療における医師と患者の意識比較」をテーマに、丸ビルコンファレンススクエア(東京・千代田区)においてメディアセミナーが開催された(主催:キョーリン製薬ホールディングス株式会社)。今回のテーマは、患者数が増加を続ける「潰瘍性大腸炎」。この診療の第一線で活躍する渡辺守氏(東京医科歯科大学大学院消化器病態学消化器内科 教授)を迎え、その疫学、最新の診療、「医師と患者の意識の差」調査結果を述べるとともに、後半では患者との対談を行った。増加する「潰瘍性大腸炎」の現状講演では、渡辺氏が「潰瘍性大腸炎」について、症状として下痢や血便、腹痛があること、20~30歳代の若年で好発すること、再燃と寛解を繰り返し、ADLを著しく下げること、厚生労働省難治性疾患であり、推定患者数も14万人を超えることなどが説明された。次に、渡辺氏が行った医師と患者の治療への意識調査の結果について、次のように報告した。●対象医師=354名(同疾患患者を5名以上診療している消化器内科、外科、大腸肛門科の医師)患者=206名(定期的に受診し、薬物療法を受けている同疾患の患者)●目的患者、医師の意識比較を行うことで患者満足度が高い対応やコミュニケーションを導く●方法インターネットでのアンケート●結果(主に差異が大きい点について)「最初に診断された時の『潰瘍性大腸炎』に関する説明は?」では、医師は「治りにくい慢性疾患」と説明しているのに対し、患者は「難病ではあるが、治りにくいとは思っていない」と回答。「医師からの病気や治療について、十分な説明があったかどうか」では、医師が認識しているよりも、患者は十分な説明を受けていると実感しており、医師が思う以上に理解度が高いことがわかった。「医師に対する不満や不安」では、医師は対応の不十分さを強く認識する傾向がある半面、患者の6割以上は不満や不安をもっていないことがわかった。「(患者は)医師に伝えたいことをどの程度伝えられているか」では、医師は「伝えることができている」と考えているのが半数以下であるのに対し、患者は7割以上が「伝えることができている」と認識していることがわかった。「潰瘍性大腸炎治療における患者満足度(10点満点で評価)」について、医師が考えている(6.4点)よりも患者(6.9点)は現状の治療・診療行為に満足していることがうかがえた。「(治療薬である)5-ASA製剤の服薬状況」については、多くの医師が患者は処方された通り服用していないと考えているのに対し、患者の7割は処方された通りに服用していることがわかった。「5-ASA製剤を処方どおりに服薬しない理由」については、医師が症状軽快による患者の自主的な中断と考えているのに対し、患者は単純な飲み忘れと回答。以上、アンケートでわかった医師と患者の意識のギャップを比べると、医師が思うほど患者は悲観的ではなく、疾患をよく理解しており、服薬コンプライアンスも守られていることが示唆された。治療へのモチベーションが上がる言葉とは次に、渡辺氏が診療をしている患者との対談となり、医師と患者の意識の違いについてテーマに沿った内容の話合いが行われた。最初に患者の治療経過について説明が行われ、血便が端緒となり一般内科での診療後に専門医に紹介。そこで行われたステロイドの頻回使用でひどく治療が難渋したことが話された。「診断されて病名の告知がされた時の心境について」尋ねたところ、「悩んだ時期もあり、なかなか受け入れられなかったが、よくなる病気といわれて気持ちが軽くなった」と答えた。さらに「治療に関して」尋ねたところ、現在は薬の継続服用の徹底指導を受けているとのことで、ステロイドからメサラジンへ移行したとのことであった。診療で一番印象に残った言葉について尋ねると「『よくなる病気』という言葉で、治療へのモチベーションが上がった」と答えた。続いて診療でのコミュニケーションについての話題となり、渡辺氏が「治療で大変なことは何ですか」と尋ねたところ、「肉体的に精神的にも治療成果が出てこないとつらい」との回答だった。薬の服用に関して、「1日2回ではどうか」と尋ねたところ、「現在服用に支障はないので、3回でも2回でも変わりはない」との回答。また、「日常生活について」聞いたところ、「食生活もその他のことも今まで通りできている。とくに食事制限もない」とのことであった。「医師とのコミュニケーションで大事なこと」については、「医師の指導を守ること。特に服薬に関しては厳守した方がよい」と回答を述べた。最後に渡辺氏より、「患者は医師を信用して、服薬コンプライアンスを守るようにして欲しい。自己流で治療をしないこと、自分で判断して服薬の中断などをしないことが大切。中断した場合は医師にきちんと伝えるようにしていただきたい」と述べ、セミナーを終えた。

32147.

新規PCSK9阻害薬、LDL-C値を用量依存性に抑制:LAPLACE-TIMI 57試験/Lancet

 新規のコレステロール低下薬であるAMG 145は、高コレステロール血症患者のLDLコレステロール(LDL-C)値を用量依存性に低下させることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のRobert P Giugliano氏らが実施したLAPLACE-TIMI 57試験で示された。心血管疾患の1次および2次予防のいずれにおいても、LDL-Cはリスク因子として確立されている。前駆蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)は、LDL受容体に結合してその分解を促進し、LDL-C値を上昇させる。AMG 145はPCSK9に対し高親和性に結合するヒトモノクローナル抗体で、第I相試験ではプラセボに比し1回投与後1週間で最大64%、週1回反復投与で最大81%のLDL-C値低下効果が示されている。Lancet誌2012年12月8日号(オンライン版2012年11月6日号)掲載の報告。スタチン服用患者における有用性をプラセボ対照無作為化第II相試験で評価 LAPLACE-TIMI 57試験は、スタチン服用中の高コレステロール血症患者に対するAMG 145の有用性を評価するプラセボ対照無作為化第II相用量決定試験。 対象は、年齢18~80歳、LDL-C値>2.2mmol/L(≒85.1mg/dL)でスタチンを継続的に服用している患者とした(エゼチミブ服用中の患者も含む)。これらの患者が、AMG 145 を2週ごとに70mg、105mg、140mgまたはプラセボを皮下注射する群、および4週ごとに280mg、350mg、420mgまたはプラセボを皮下注射する群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、ベースラインから治療12週までのLDL-C値の変化率とした。鼻咽頭炎、咳嗽、悪心の頻度が高かったが、Grade 3以上は認めず 2011年7月18日~12月22日までに、5ヵ国(米国、カナダ、デンマーク、ハンガリー、チェコ)78施設から631例(年齢中央値62.0歳、女性51%、BMI中央値29.0kg/m2、エゼチミブ服用率9%)が登録され、AMG 145を2週ごとに70mg投与する群に79例、105mg投与群に79例、140mg投与群に78例、プラセボ群には78例が、4週ごとに280mg投与する群に79例、350mg投与群に79例、420mg投与群に80例、プラセボ群には79例が割り付けられた。 治療12週の時点で、2週投与法、4週投与法ともにLDL-C値が用量依存性に有意に低下した。すなわち、2週投与法では70mg投与群で41.8%[95%信頼区間(CI):-47.2~-36.5、p<0.0001]、105mg投与群で60.2%(同:-65.6~-54.9、p<0.0001)、140mg投与群で66.1%(同:-71.5 ~-60.7、p<0.0001)低下した。また、4週投与法では280mg投与群で41.8%(同:-47.6~-36.1、p<0.0001)、350mg投与群で50.0%(同:-55.7~-44.3、p<0.0001)、420mg投与群で50.3%(同:-56.0~-44.6、p<0.0001)低下した。 有害事象の発現頻度はAMG 145群が58%(277/474例)、プラセボ群は46%(71/155例)で、AMG 145群で頻度が高かったのは鼻咽頭炎(10%、プラセボ群は7%)、咳嗽(3%、同:2%)、悪心(3%、同:0.6%)であったが、両群間に有意な差はなかった。治療関連有害事象の頻度はAMG 145群が8%(39/474例)、プラセボ群は7%(11/155例)で、重篤なもの(Grade 3)や生命を脅かすもの(Grade 4)は両群ともに認めなかった。 著者は、「PCSK9の阻害は脂質管理の新たなモデルとなる可能性がある」と結論づけ、「今回の結果は、心血管疾患リスクの高い患者における長期的な臨床効果と安全性を評価する第III相試験の実施を正当化するもの」と指摘する。

32148.

中等度~重度のにきび、家族歴、BMI、食生活が影響?

 イタリアのAnna Di Landro氏らGISED Acne Study Groupは、にきびの原因には、遺伝的要因と環境的要因が関与している可能性があるとして、思春期および若年成人を対象に、それら要因と中等度~重度にきびリスクとの関係について調べた。その結果、家族歴とBMI、食事内容が中等度~重度にきびのリスクに影響を与えている可能性が示されたと報告した。Journal of the American Academy of Dermatology誌2012年12月号の掲載報告。 GISED(Gruppo Italiano Studi Epidemiologici in Dermatologia)は、中等度~重度のにきびの新規診断症例に関して、家族歴、個人の習慣、食事性因子、月経歴の影響を評価するため、イタリアの皮膚科外来診療所で症例対照研究を行った。 症例は、中等度~重度のにきびと新規診断された患者205例で、対照被験者は、にきび以外で受診した、にきびがない(あるいは、あっても軽症の)患者358例であった。 主な結果は以下のとおり。・中等度~重度のにきびは、一等親血縁者でのにきび既往歴と強い関連が認められた(オッズ比:3.41、95%CI:2.31~5.05)。・リスクは、BMIが低い人では低下し、女性よりも男性で顕著な影響が認められた。・喫煙による関連は、みられなかった。・牛乳を週に3ポーション以上消費する人では、消費量が多いほどリスクが上昇した(オッズ比:1.78、95%CI:1.22~2.59)。・その関連は、全乳よりもスキムミルクでより特徴的であった。・魚の消費は、保護作用と関連していた(オッズ比:0.68、95%CI:0.47~0.99)。・月経変数と、にきびリスクとの関連はみられなかった。・本試験は、皮膚科学的対照被験者の選択において、また対照群の軽症患者の組み込みで一部オーバーマッチングの可能性があった。・以上の結果から、家族歴、BMI、食生活は、中等度~重度にきびのリスクに影響する可能性があった。環境および食事要因による影響について、さらに調査を行う必要がある。

32149.

小児急性胃腸炎動向からみえたノロウイルスワクチン開発の鍵

 長崎大学大学院のHoa Tran TN氏らは、小児(18歳以下)の急性散発性胃腸炎におけるノロウイルス遺伝子型分布を明らかにするため、2000年以降の発表論文のシステマティックレビューを行った。その結果、直近10年でGII.4、GII.3が大勢を占めるようになっており、その背景には世界的なGII.4変異型の出現があること、またノロウイルスはロタウイルス感染胃腸炎の減少と相反する形で小児急性胃腸炎での重要度を増している傾向が認められることなどを報告した。著者は、有効なノロウイルスワクチン開発には、GII.4、GII.3株に対する獲得免疫の提供が欠かせないとまとめている。Journal of Clinical Virology誌オンライン版2012年12月4日号の掲載報告。 ノロウイルスは世界的な流行性または散発性急性胃腸炎の原因である。研究グループは、過去20年間、感度の高い分子診断技術の開発がノロウイルス分子疫学の解明に革命をもたらしたものの、ノロウイルス株タイプと散発性胃腸炎との関連については十分に解明されていないとして、ノロウイルスの疫学的解析を行った。 2000年以降に行われた試験報告についてシステマティックレビューを行い、散発性急性胃腸炎の小児(18歳以下)におけるノロウイルス遺伝子型の分布状況を明らかにした。 主な結果は以下のとおり。・遺伝子グループでみるとGIIの占める割合が最も高く、すべての散発的な感染症のうち96%を占めていた。・遺伝子型でみるとGII.4の分布が最も優勢で、カプシド遺伝子型では70%を、ポリメラーゼ遺伝子型では60%を占めていた。次いで、GII.3(カプシド遺伝子型で16%)、GII.b(ポリメラーゼ遺伝子型で14%)であった。・最も頻度の高い組換え型ORF1.ORF2インター遺伝子型は、GII.3カプシド遺伝子型との結合によるGII.b、GII.12およびGII.4ポリメラーゼ遺伝子型で、同定されたすべての遺伝子型の19%を占めていた。・ここ10年間は、GII.4の突然変異の分布が勝っていた。現在までにGII.4/2002、GII.4/2004、GII.4/2006b、GII.4/2008、GII.4/2006bと続いてきている。・直近10年間の小児の散発性急性胃腸炎では、遺伝子型GII.4、GII.3の分布が優勢であった。その動きは、GII.4変異型ノロウイルスの世界的な出現で最も顕著であった。・小児予防接種プログラムの導入に伴ってロタウイルス疾患負荷が減少するに従い、相対的にノロウイルスが小児急性胃腸炎の原因における重要度を増している可能性がうかがえた。・有効なノロウイルスワクチン開発には、カプシド遺伝子型GII.4、GII.3株に対する獲得免疫提供が必要である。

32150.

HPV DNA検査の子宮頸部病変検出能は、細胞診よりも良好/BMJ

 子宮頸がん検診における子宮頸部病変の検出能は、ヒトパピローマウイルス(HPV)DNA検査が従来の細胞診よりも高いことが、フィンランドがん登録のMaarit K Leinonen氏らの検討で示された。HPV DNA検査は細胞診に比べ感受性が高く、子宮頸部の進行性病変をより早期に検出するが、非進行性病変をも検出するリスクがあるという。ほとんどのHPV感染は重大な細胞異型を引き起こすことなく迅速に消退するため、HPV検査陽性例は即座に確定診断や治療を要するわけではなく、細胞診の質が高い国では、これら陽性例に対するパパニコロー塗抹標本検査が適切なスクリーニング戦略と考えられている。BMJ誌2012年12月8日号(オンライン版2012年11月29日号)掲載の報告。HPV DNA検査、細胞診の検出能を前向き無作為化試験で評価 研究グループは、HPV DNA検査および従来の細胞診による子宮頸部の前がん病変、がん病変の検出率を比較するプロスペクティブな地域住民ベースの無作為化試験を行った。 対象は2003~2007年にHPV検査を推奨された25~65歳のフィンランド人女性で、HPV DNA検査を受ける群または細胞診を受ける群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。HPV DNA検査の陽性例は細胞診を受けることとした。 主要評価項目は、5年後の2回目の検査または2008年12月31日までの子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)、上皮内腺がん(AIS)、浸潤がん(ICC)の検出率とし、細胞診に対するHPV DNA検査のハザード比(HR)を算出した。HRはCIN1が1.53、CIN2が1.54、CIN3/AISが1.32、ICCは0.81 HPV DNA検査群に10万1,678人、細胞診群には10万1,747人が割り付けられた。平均フォローアップ期間3.6年の時点で、前がん病変またはがん病変が検出されたのはHPV DNA検査群が1,010人、細胞診群は701人だった。 CIN 1(軽度異形成)の検出のHRは1.53〔95%信頼区間(CI):1.28~1.84〕、CIN2(中等度異形成)のHRは1.54(同:1.33~1.78)、CIN3(高度異形成、上皮内がん)またはAISのHRは1.32(同:1.09~1.59)と、HPV DNA検査の検出能が有意に優れたが、ICCのHRは0.81(同:0.48~1.37)であり2つの検査法に有意な差は認めなかった。 25~34歳の女性における5年間のCIN3またはICCの累積ハザード(累積検出率)は、HPV DNA検査が0.0057(95%CI:0.0045~0.0072)、細胞診は0.0046(同:0.0035~0.0059)、35歳以上の女性ではそれぞれ0.0022(同:0.0019~0.0026)、0.0017(0.0014~0.0021)であった。 著者は、「HPV DNA検査は細胞診よりも子宮頸部病変の検出能が高いことが示された。CIN3またはAISの検出率は、25~34歳、35歳以上の女性のいずれもがHPV DNA検査で高率だったが、35歳以上では両検査の絶対差は小さなものであった」とまとめ、「年齢や検査間隔を十分に考慮して検診対象を選択すれば、HPV DNA検査によって全体的な子宮頸部前がん病変の検出率が、わずかとはいえ改善する可能性がある。一方、これらの知見は、フィンランドは任意型検診の質が高いことを考慮したうえで解釈する必要がある」と指摘している。

32151.

統合失調症治療にニコチン作動薬が有効である理由とは?

 米国・Western New York Stem Cell Culture and Analysis CenterのM.K. Stachowiak氏らは、マウス試験の結果、FGF受容体シグナル伝達の変異が統合失調症に結びつく発達異常の中心的な役割を果たしており、統合失調症の治療についてニコチン作動薬が有効であることを示唆する知見を得た。Schizophrenia Research誌オンライン版2012年12月8日号の掲載報告。 統合失調症は、複数の神経システムの構造や結びつき、化学的作用を特徴とする神経発達障害であり、脳の発達障害は、成人期の初期に表れる臨床的な疾患症状よりずっと以前の妊娠期間中に確立されるとみられている。一方で、統合失調症には多数の遺伝子が関連しており、大半の患者に共通してみられる変異遺伝子の存在が認められていない。著者は、さまざまな変異遺伝子が統合失調症患者の脳でみられる複合的な一連の障害にどのように結びつくのかを検証した。 主な内容は以下のとおり。・著者は、さまざまな変異遺伝子からつくられるタンパク質が、共通の神経発達経路に収束し、複数の神経回路や神経伝達システムの発達に影響するのではないかと仮説を立てた。・そのような神経発達経路は、Integrative Nuclear FGFR1 Signaling(INFS)であった。・INFSには多様な神経性シグナル(直接的な遺伝子再プログラミングで、有糸分裂後に肝幹細胞や神経前駆細胞、未成熟な神経細胞の成長に直接働きかける)が集積される。・さらに、FGFR1とそのパートナータンパク質は、統合失調症と結びついた遺伝子が機能する複数の上位経路と結びつき、それらの遺伝子と直接的に影響し合う。・FGF受容体シグナル伝達の障害があるトランスジェニックマウスにより、複数の重要なヒト擬態統合失調症の特徴(神経発生的成因、出生時の解剖学的異常、行動症状の遅延発症、疾患の複数領域にわたる欠損、定型・非定型抗精神病薬とセロトニン拮抗薬およびニコチン受容体作動薬による症状の改善)が実証された。関連医療ニュース ・第一世代 vs 第二世代抗精神病薬、初回エピソード統合失調症患者に対するメタ解析 ・日本人女性の統合失調症発症に関連する遺伝子が明らかに ・統合失調症の遂行機能改善に有望!グルタミン酸を介した「L-カルノシン」

32152.

乳がんのリスクにおけるアルコールと葉酸の影響は?~日本人での研究

 葉酸は、アルコールとの相互作用により、多くのがんのリスクに影響を及ぼすことが示唆されているが、これらの因子がアジア人の乳がんリスクに及ぼす影響については十分に検討されていない。今回、閉経前および閉経後の日本人女性の乳がん患者1,754例とコントロール3,508例におけるケースコントロール研究の結果が、European journal of cancer prevention誌オンライン版2012年11月20日号に報告された。 Tania Islam氏らは、自己申告による飲酒量・食事による葉酸摂取量と、乳がんリスクとの関連を検討した。その結果、アルコール摂取により乳がんのリスクが増大する一方で、葉酸摂取量が多いと日本人の乳がんのリスクが減少することを報告した。著者らは、これら2つの因子は相互に作用しており、飲酒による乳がんリスクの増加が葉酸摂取量の増加により減らせるかもしれないと考察し、さらに葉酸やアルコールの影響は、腫瘍のサブタイプによって異なる可能性があるとしている。 主な結果は以下のとおり。・飲酒量は乳がんリスクと関連しており、非飲酒者に対する23g/日以上の飲酒者のオッズ比は1.39(95%信頼区間:1.07~1.80)であった。・葉酸摂取量と全乳がんリスクの間に有意な逆相関が認められ、葉酸摂取量について最も高い三分位では最も低い三分位に比べオッズ比が0.79(95%信頼区間:0.68~0.93、傾向p=0.004)であった。・葉酸摂取量の最も低い三分位では、非飲酒者に対する23g/日以上の飲酒者のオッズ比は1.58(95%信頼区間:1.06~2.33)であったが、葉酸摂取量の多い第2三分位と第3三分位では、飲酒量にかかわらず乳がんリスクの有意な増加は認められなかった。

32153.

双極性障害の再発予防に対し、認知療法は有効か?

 双極性障害患者は薬物療法を継続してもなお、再発するケースが少なくない。再発抑制を目指し、近年注目されているのがマインドフルネス認知療法(MBCT)である。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のT Perich氏らは、12ヵ月間のフォローアップを行ったランダム化比較試験により、双極性障害患者の治療におけるMBCTの有用性を検証した。Acta psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2012年12月9日号の報告。 対象はDSM-IVで双極性障害と診断された患者95例。通常療法+MBCT実施群48例と通常療法単独群47例に無作為に割り付けた。主要評価項目は、DSM-IVの大うつ病、軽躁、軽躁エピソードの再発までの期間、モントゴメリー/アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、ヤング躁病評価尺度(YMRS)とした。副次的評価項目は再発回数、うつ病・不安ストレススケール(DASS)、特性不安尺度(STAI)とした。 主な結果は以下のとおり。・気分エピソードの最初の再発までの期間、12ヵ月間の再発合計回数は両群間で有意な差が認められなかった(ITT解析)。・MADRS、YMRSのスコアも両群間で有意な差は認められなかった。・STAIの不安状態スコアにおいては、両群間に有意な差が認められた。・DASSのアチーブメントサブスケールの治療反応時間に有意な差が認められた。・今回の試験では、MBCTは主要評価項目に対する有用性は認められなかったものの、双極性障害に併存する不安症状の軽減に対し有効である可能性が示唆された。関連医療ニュース ・アリピプラゾールが有用な双極性障害の患者像とは? ・うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける? ・双極性I型障害におけるアリピプラゾールの有効性-AMAZE試験より-

32154.

〔CLEAR! ジャーナル四天王(39)〕 新しいからよいと言えるか?:新規経口抗凝固薬による静脈血栓塞栓症治療

一般論として、1つの臨床的仮説に対する検証が1回の「無作為化二重盲検試験」により行われるよりも、世界各地にて複数の「無作為化二重盲検試験」が多数施行され、その結果をメタ解析する方法のほうが、臨床的仮説の検証法としては質が高いと言える。少なくとも、1つの無作為化比較試験にて証明された仮説が、他の試験により否定されなければ、その仮説が正しい可能性が高いと結論できる。 本メタ解析にて検証された臨床的仮説は何であろうか? 主論文中に明確に仮説が示されず、読者が読みながら設定される仮説を考える研究はよくない。本研究ではリバーロキサバン、アピキサバン、ダビガトランなどの複数の新規経口抗凝固薬とワルファリンの急性静脈血栓症予防、治療試験をメタ解析している。複数の新規経口抗凝固薬を包括し、従来の標準治療であるワルファリンと比較したのかと思わせる部分もあるが、新規経口抗凝固薬間の差異を論じている部分もある。 筆者の推測であるが、この論文は1つの臨床的仮説をメタ解析により明確に証明しようとの意図のもとに書かれたのではなく、数多くの臨床試験の結果を集積して、その中から仮説を生み出そうとして作成された論文に見える。一般的な意味の1つの臨床的仮説を「軸」としたわれわれが通常理解しているメタ解析ではなく、新規経口抗凝固薬の試験がたくさん行われたので、その試験の結果をたくさん集めて何が見えるかを考えよう、とのスタンスで施行されたメタ解析なのであろう。このような解析は「メタ解析」というより多数の試験の「集合解析」とも呼ぶべきである。 試された仮説が明確でない。したがって、結論も明確ではない。それでも、ワルファリンとの比較において、「新規経口抗凝固薬」が必ずしも優れているわけではないことを示している。個別の試験では新規経口抗凝固薬が、ワルファリンに勝る有効性を示した試験もあった。しかし、複数の試験の結果を「集合」させて解析すると新規経口抗凝固薬の優位性は明確ではない。新薬の価格が著しく高いことを考えると、ワルファリンから新規経口抗凝固薬への標準治療の転換は急性静脈血栓症でも起こらないだろうな、と思わせる試験結果であった。

32155.

2型糖尿病に対するアリスキレン追加投与/NEJM

 慢性腎臓病もしくは心血管疾患、または両方を有し標準的治療(ACE阻害薬またはARB)を受ける2型糖尿病の患者に対する、直接的レニン阻害薬アリスキレン(商品名:ラジレス)追加投与に関する試験の結果が報告された。デンマーク・コペンハーゲン大学のHans-Henrik Parving氏らが、8,500人超について行ったプラセボ対照二重盲無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2012年12月6日号(オンライン版2012年11月3日号)で発表された。ACE阻害薬またはARBにアリスキレン1日300mg投与またはプラセボを追加投与 研究グループは2007~2010年にかけて、36ヵ国の医療機関を通じ、2型糖尿病の患者8,561人を無作為に2群に分け、ACE阻害薬またはARBに加えて、一方にはアリスキレン(1日300mg)を、もう一方にはプラセボを併用投与し比較検討した。 主要エンドポイントは以下の複合イベントで、心血管死または初回心停止(その後蘇生)までの期間、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心不全による予定外入院、末期腎不全、腎不全起因の死亡、腎代替療法必要性の発生(透析および移植が不可能または非導入)、血清クレアチニン値のベースラインからの倍増だった。 被験者の平均年齢は64~65歳、女性は31~33%だった。心血管・腎イベント発生率を比較 試験は、第2回中間効果解析後に早期に中止された。追跡期間の中央値は32.9ヵ月で、その間、主要エンドポイントが発生したのは、アリスキレン群783例(18.3%)、プラセボ群732例(17.1%)だった(ハザード比:1.08、95%信頼区間:0.98~1.20、p=0.12)。腎機能に関する副次エンドポイントは、6.0%vs. 5.9%(同:1.03、0.87~1.23、p=0.74)だった。 収縮期・拡張期血圧は追跡期間中に上昇したが、アリスキレン群がプラセボ群より低く、群間格差はそれぞれ1.3mmHgと0.6mmHgだった。平均アルブミン-クレアチニン比の減少幅も、アリスキレン群がプラセボ群より大きく、群間格差は14ポイント(同:11~17)だった。 血清カリウム値が6mmol/L以上となる高カリウム血症は、11.2%vs. 7.2%、低血圧症は12.1%vs. 8.3%だった(p<0.001)。 研究グループは試験結果を受けて、2型糖尿病患者へのアリスキレンの標準的治療への追加投与の有効性は支持されず、むしろ有害の可能性があると結論している。

32156.

日本人女性におけるマンモグラフィー検診は生存率向上に効果があるのか?

 マンモグラフィー検診の有効性については、主に欧米諸国の研究によって実証されている。東北大学の河合賢朗氏らは、検診でスクリーニングされた中間期乳がんの40~69歳の日本人女性における累積生存率と乳がんによる死亡リスクについて、乳房視触診とともにマンモグラフィー検診を実施した群、乳房視触診単独群、自己検診群の3群に分け評価した。その結果、40~69歳の日本人女性においては、生存率と乳がんによる死亡リスクの観点からは、乳房視触診とマンモグラフィー検診を実施するほうがマンモグラフィー単独や自己検診より効果的である可能性が報告された。Breast Cancer誌オンライン版2012年12月14日号に掲載。 本研究では、1995年4月1日~2002年12月31日に宮城県対がん協会検診プログラムに参加した12万6,537人の女性(検診者数35万8,242人)のリストと宮城県地域がん登録を照合し、乳房視触診とマンモグラフィー検診群429人、乳房視触診単独群522人、自己検診群3,047人を評価した。 フォローアップ期間は、死亡または2007年12月31日までとし、生存率はKaplan-Meier法により推定した。乳がんによる死亡のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)の推定にはCox比例ハザードモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・乳房視触診とマンモグラフィー検診群、乳房視触診単独群、自己検診群の5年生存率はそれぞれ96.8%、92.7%、86.6%であった。・乳がんによる死亡のHR(95%CI)は、乳房視触診とマンモグラフィー検診群で乳がんが検出された女性と比較して、40~49歳では、乳房視触診のみで検出された女性が2.38(0.72~7.94)、自己検診で検出された女性が4.44(1.42~13.89)であった。50~69歳では、乳房視触診のみで検出された女性が3.00(1.63~5.50)、自己検診で検出された女性が4.51(2.69~7.56)であった。

32157.

中年期の広範囲の慢性疼痛リスク、少年期の知能指数1SD低下につき1.26倍上昇

 精神的因子は、慢性疼痛に関わる因子の一つと考えられていることから、英国・サウサンプトン大学のCatharine R. Gale氏らは、中年期の慢性疼痛について、少年期の知能との関連について調査した。その結果、少年期知能指数が低値になるほど中年期の慢性疼痛リスクは上昇すること、そのリスク上昇は、BMIが高いほど、また社会経済的階層が低くなるほど有意であることが明らかになったという。Pain誌2012年12月号の掲載報告。 研究グループは、1958年英国生まれの人を登録した全国小児発達サーベイから、男女6,902人について、少年期の知能と、成人期の慢性疼痛リスクとの関連について調査した。 被験者は、11歳時に一般知能指数試験を受け、45歳時点で、広範囲の慢性疼痛について、米国リウマチ学会診断基準(ACR)に基づく評価が行われた。ログ二項式回帰を用いて、性および潜在的な交絡因子、媒介因子を補正しリスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を算出し評価した。 主な結果は以下のとおり。・ACR基準に基づく広範囲の慢性疼痛リスクは、知能指数が低下するほど段階的に上昇した(線形傾向p<0.0001)。・性補正後解析において、知能指数1SD低下に対する慢性疼痛のRRは1.26(95%CI:1.17~1.35)であった。・多変量後方段階的回帰解析において、少年期知能は、社会階級、教育達成レベル、BMI、喫煙状態、精神的ストレスとともに、慢性疼痛の独立した予測因子であり続けた(RR:1.10、95%CI:1.01~1.19)。・中年期の広範囲の慢性疼痛リスクに対する少年期知能の低さの影響は、BMIが高くなるほど、また社会経済的位置付けがより低くなるほど有意であった。・少年期に高い知能を有する男女はともに、成人期に慢性疼痛を報告する頻度は低いようである。

32158.

前立腺がんに対する術後放射線療法の長期結果:EORTC trial 22911/Lancet

 前立腺がんに対する根治的前立腺全摘術後の放射線療法により、10年後の生化学的無増悪生存が経過観察よりも改善したが、有害事象の発現率が高く、70歳以上では死亡率が有意に上昇したことが、フランス・A Michallon大学病院のMichel Bolla氏らが実施したEORTC trial 22911の長期追跡の結果から明らかとなった。前立腺がんは前立腺被膜を超えて進展したり、精嚢浸潤がみられる場合(pT3)は局所再発リスクが10~50%と報告されている。本試験の5年の追跡結果では、術後放射線療法により生化学的および臨床的な無増悪生存がいずれも有意に改善することが示されている。Lancet誌2012年12月8日号(オンライン版2012年10月19日号)掲載の報告。無作為化第III相試験の長期追跡結果 EORTC trial 22911は、未治療の前立腺がんに対する術後放射線療法の有用性を、経過観察(wait-and-see)との比較において検討した無作為化対照比較第III相試験。研究グループは、今回、5年追跡時の成果が10年後も維持されているかについて解析を行った。 対象は、75歳以下、cT0~3、全身状態(PS)0~1の前治療歴のない前立腺がん患者で、術後放射線療法を施行する群と経過観察群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。 放射線療法は根治的前立腺全摘術後16週以内に開始し、腫瘍床に5週間で総線量50Gyを25回分割照射した後、ブースト照射として1週間で10Gyを5回分割照射した。経過観察は、生化学的な病勢進行[2週間以上の間隔を空けた2回の検査で前立腺特異抗原(PSA)値が0.2μg/L以上上昇]が確認されるまで継続することとした。 主要評価項目は生化学的な無増悪生存のイベント発生率とした。臨床的無増悪生存は臨床検査および画像検査で評価した。70歳以上ではむしろ有害な可能性も 1992年11月~2001年12月までに欧州の37施設から1,005例が登録され、術後放射線治療群に502例(年齢中央値65歳、PS0 93.8%、短期的術前ホルモン療法10.0%、術前PSA中央値12.3μg/L)が、経過観察群には503例(同:65歳、94.0%、10.1%、12.5μg/L)が割り付けられた。追跡期間中央値は10.6年(2ヵ月~16.6年)だった。 術後放射線治療群の生化学的無増悪生存関連のイベント発生率は39.4%(198/502例)と、経過観察群の61.8%(311/503例)に比べ有意に良好であった[ハザード比(HR):0.49、95%信頼区間(CI):0.41~0.59、p<0.0001]。 晩発性の有害事象(全Grade)の10年累積発現率は、術後放射線治療群が70.8%(95%CI:66.6~75.0)と、経過観察群の59.7%(同:55.3~64.1)に比し有意に高かった(p=0.001)。 著者は、「中央値10.6年の追跡結果により、標準的な術後放射線療法は経過観察に比べ生化学的無増悪生存や局所コントロールを有意に改善し、5年追跡時の成果が10年後も維持されていたが、臨床的無増悪生存の改善効果は持続していなかった」と結論し、「探索的解析では、術後放射線療法により70歳未満および切除断端陽性例で臨床的無増悪生存が改善されたが、70歳以上の患者では死亡率が経過観察よりも有意に高く(p<0.0001)、むしろ有害な可能性が示唆された」と考察している。

32159.

手術待機中のOA患者が心に描く期待はICFモデルと合致

 変形性膝関節症(OA)患者が心に描く疾患描写(mental representations)は、国際生活機能分類(International Classification of Functioning Disability and Health:ICF)の機能・障害・健康モデルで用いられる用語と整合性が取れており、ICFの3つの構成概念(障害度、活動度、社会参加)がOA患者にとって重要であることが明らかにされた。英国・アバディーン大学のBeth Pollard氏らが、両者の一致について検証した研究の結果、報告した。Disability and Rehabilitation誌オンライン版2012年11月21日号の掲載報告。 本研究は、OA患者が心に描く疾患描写とICFモデルとの整合性について調べることを目的とし、人工関節置換術を受けることになっているOA患者202例を対象に郵送アンケートにて行われた。 アンケートでは被験者に、人工関節置換術に期待していることを尋ね、心に描く疾患描写(心象)を測った。2人の専門家が、それらを判定して、主要なICFの構成概念[障害(I)、活動性の制限(A)、社会参加への制限(P)]の該当項目に分類した。 主な結果は以下のとおり。・2人の専門家による判定の一致度は高かった。また、各ICF構成概念に分類された被験者の心的表象数は同程度であった。・手術待機中の患者の心象と、主なICFモデルのバイオメディカルな路線とは一致していた(IからA、次いでPへなど)。・そのことは、OA患者は暗黙のうちに、バイオメディカルな障害発生モデルを適用していることを示唆した。そのモデルは、治療や介入が、障害から回復するためだけでなく、活動性の制限、さらには間接的に社会参加への制限に効果をもたらす可能性があるというものであった。・一方で、その方法は、ICFモデルの3つの構成概念の発生要因の関連を調べる新たな道筋を提供するものでもあった。

32160.

アレルギー性接触皮膚炎はアトピー性皮膚炎と併存しやすい可能性

 より低年齢(0~5歳)の子どもほど、パッチテストでよくあるハプテンに対して陽性反応を示す割合が高率であり、またアレルギー性接触皮膚炎はアトピー性皮膚炎と併存しやすい可能性があることが明らかにされた。イタリア・ヴェローナ大学のDonatella Schena氏らが、小児のアレルギー性接触皮膚炎について、アトピー性皮膚炎の有無別に調査を行い報告した。Dermatitis誌2012年11月号の掲載報告。 著者は、「小児のアレルギー性接触皮膚炎の有病率や原因は、時代や地域性により異なるものである」としたうえで、小児のアレルギー性接触皮膚炎のアレルゲンを調べ、アレルギー性接触皮膚炎とアトピー性皮膚炎との関連についても調べた。 7年間にわたって小児349例(0~15歳)にパッチテストを行うコホート研究を実施した。 主な結果は以下のとおり。・パッチテストの結果、69.3%が1つ以上のアレルゲンに対して陽性反応を示した。69.8%で関連アレルゲンが認められた。・感作ありの割合が最も高率であったのは0~5歳児(86例、女子64%)の76.7%であった。次いで、6~10歳児(70%、157例、女子47.8%)であり、11~15歳(106例、女子59.4%)では62.3%であった。・最もよくみられたアレルゲンは、ニッケル(16.3%)であり、コバルト(6.9%)、Kathon CG(5.4%)、重クロム酸カリウム(5.1%)、フレグランスミックス(4.3%)、ネオマイシン(4.3%)と続いた。・大半の発症は、上肢と手(31%)で認められた。・被験児の約3分の1には、アトピー性皮膚炎もあった。・アレルギー性接触皮膚炎は、アトピー性皮膚炎のある小児でより多く認められた。・パッチテスト陽性は、アトピー性皮膚炎のある子どもでは55.3%(関連アレルゲン50%)であり、アトピー性皮膚炎のない子どもでは76.9%(同77.5%)であった。・感作性物質は、アトピー性皮膚炎のない子どもでもみられるものであった。

検索結果 合計:36509件 表示位置:32141 - 32160