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小学生の貧血、校長への報奨金で改善

 健康サービスの提供者に、助成金のほかに成果に応じた報奨金を支払うことで、子どもの貧血が改善される可能性があることが、米国スタンフォード大学医学部のGrant Miller氏らが中国の農村地域で行った調査で示された。開発途上国には、健康状態の改善に寄与する安価で優れた効果を持つ技術やサービスはあるものの、それを遂行し普及させる技能が一般に弱いとされる。目標の達成に対して、その方法を問わずに支払われる報奨金は、サービスの提供における創造性や技術革新の促進に向けた動機づけを強化する可能性があるが、開発途上国ではこれまで、健康アウトカムに直接的に準拠した、能力に応じた報奨金の有効性の評価は行われていなかったという。BMJ誌2012年8月18日号(オンライン版2012年7月27日号)掲載の報告。報奨金の効果をクラスター無作為化試験で評価研究グループは、中国農村地域の子どもの貧血の改善における、健康サービス提供者への職能に応じた報奨金の支払いの効果を評価するために、クラスター無作為化試験を実施した。対象は、無作為に選ばれた中国北西部の農村地域の小学校72校(3,553人、4~5年生、9~11歳)。これらの学校が、以下の4つの群に無作為に割り付けられた。1)介入を行わない群、2)校長が貧血に関する情報のみを受け取る群(情報群)、3)校長が貧血の情報と無条件の助成金を受け取る群(助成金群)、4)校長が貧血情報と助成金に加え、生徒の貧血が改善した場合に報奨金を受け取る群(報奨金群)。助成金は、学校運営予算だけでは貧血対策費が賄えない学校に生徒1人当たり1日1.5円(赤身肉55~85gを購入できる)が拠出された。報奨金は、貧血生徒が非貧血と診断されると1人当たり150円が校長に支払われた(貧血生徒が半減した場合、月給の約2ヵ月分に相当)。非介入群に27校(1,623人)、情報群に15校(596人)、助成金群に15校(667人)、報奨金群には15校(667人)が割り付けられた。貧血はヘモグロビン濃度<115g/L(<11.5g/dL)と定義した。報奨金群で貧血が24%低下生徒の平均ヘモグロビン濃度は、非介入群に比べ情報群が1.5g/L(95%信頼区間[CI]:-1.1~4.1、p=0.245)上昇し、助成金群は0.8g/L(同:-1.8~3.3、p=0.548)、報奨金群は2.4g/L(同:0~4.9、p=0.054)上昇した。報奨金群では、平均ヘモグロビン濃度の2.4g/Lの上昇により貧血生徒が24%減少した。約20%の学校が本試験とは別の報奨金の支払い制度に参加していたが、情報群と報奨金群ではこれらの制度との相互作用が認められた。すなわち、既存の報奨金制度に参加していない学校に比べ、参加校の情報群ではヘモグロビン濃度が9.8g/L(95%CI:4.1~15.5、p=0.01)、報奨金群では8.6g/L(同:2.1~15.1、p=0.07)上昇していた。著者は、「報奨金の支払いは、健康アウトカムの改善に中等度の効果を有することが示唆された」と結論しており、「他の動機づけや既存の報奨金との相互作用を把握することが重要であり、これを理解しないとせっかくの増強された効果を見逃すことになる」と指摘している。

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うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける?

 わが国の気分障害患者は増加の一途をたどっている。気分障害の中でも、躁病エピソードとうつ病エピソードを繰り返す双極性障害の診断・治療への関心は高い。治療に関しては、双極性障害の適応を有する薬剤が最近いくつか承認された背景もあり、日本うつ病学会は本年(2012年)3月末に双極性障害治療ガイドラインの改訂を行っている。一方、診断に関しては、躁症状や軽躁状態を把握することが難しく、うつ病と診断されるケースも少なくない。Perugi氏らは、双極性障害の診断ツールとして開発され、国際的にテストされているHCL-32(Hypomania Checklist-32)の有用性を検討し、Psychopathology誌オンライン版2012年8月7日号で報告した。 対象として、DSM-IV基準により大うつ病と診断された571例(563例が適格)が継続的に登録され、多施設共同横断観察研究を行った。躁病エピソード(躁症状、軽躁状態)はHCL-32で評価し、うつ病エピソード(抑うつ症状、不安症状)はZungうつ病自己評価表にて評価した。主な結果は以下のとおり。・119例の患者は双極性障害(Ⅰ型またはⅡ型)と診断された。・HCL-32トータルスコアおよび14のサブスコアにおいて、双極性障害患者の躁病エピソードの発生は大うつ病患者に比べ有意に高く、感度は0.85、特異性は0.78であった。・若干の偽陽性がみられるものの、HCL-32は大うつ病患者における過去の軽躁病エピソードの把握に有用であると考えられる。関連医療ニュース ・双極性障害の再発予防に有効か?「Lam+Div療法」 ・双極性障害患者に対するオランザピン単剤 or 併用の忍容性 ・双極性障害に対する薬物療法レビュー

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バンデタニブが局所進行性/転移性分化型甲状腺がんのPFSを延長:無作為化二重盲検第2相試験

 放射性ヨード耐性の進行性分化型甲状腺がんに対する有効な標準的治療はまだない。Sophie Leboulleux氏らは、RET、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、上皮成長因子受容体(EGFR)のシグナル伝達のチロシンキナーゼ阻害薬であるバンデタニブが、無作為化二重盲検第2相試験によって、局所進行性または転移性分化型甲状腺がんに対する有効性を示したことを報告した。著者らは、この疾患に対するチロシンキナーゼ阻害薬のさらなる研究が必要であるとしている。The Lancet Oncology誌オンライン版2012年8月13日号に掲載。 本試験は、ヨーロッパの16施設において、18歳以上の局所進行性または転移性分化型甲状腺がん(乳頭がん、濾胞がん、または低分化がん)の患者が登録され、バンデタニブ群(バンデタニブ300mg/日)またはプラセボ群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。主要エンドポイントは、intention-to-treat集団における無増悪生存期間(PFS)である(治験責任医師の評価に基づく)。 主な結果は以下のとおり。・2007年9月28日~2008年10月16日に、バンデタニブ群72例、プラセボ群73例が割り付けられた。・データカットオフ(2009年12月2日)までに、113例(78%)の患者が進行(バンデタニブ群52例[72%]、プラセボ群61例[84%])、40例(28%)が死亡した(バンデタニブ群19例[26%]、プラセボ群21例[29%])。・PFS中央値は、バンテタニブ群11.1ヵ月(95%信頼区間[CI]:7.7~14.0)、プラセボ群5.9ヵ月(4.0~8.9)であり、バンデタニブ投与によりPFSが延長した(ハザード比[HR]:0.63、60%CI:0.54~0.74;片側p=0.008)。・Grade3以上の主な有害事象は、QTc延長(バンデタニブ群10例[14%]対プラセボ群0例)、下痢(7例[10%]対0例)、無力症(5例[7%]対3例[4%])、疲労(4例[5%]対0例)であった。・治療関連の重篤な有害事象により、バンデタニブ群では2例(皮膚転移による出血および肺炎)、プラセボ群では1例(肺炎)が死亡した。

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福島県南相馬市・大町病院から(9) 南相馬に患者を戻して本当に大丈夫なのか

南相馬市大町病院佐藤 敏光2012年8月28日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。南相馬市大町病院の佐藤です。入院患者数は72名となりました。8月から定床が80床から104床に増えました。24床が急に増えたのは療養型病床を開けるようになったからです。療養型は30:1の看護基準で良く、72時間以内の夜勤時間も当てはめなくても良いそうです(月8回:2交代制のため1回16時間×8=128時間以内の枠はあり)。これは看護師不足の南相馬の病院にとっては良いことのように見えますが、実際は看護師の過重労働を課しているようなものです。看護助手さんができることはお願いしていますが、急性期以上に手のかかる患者がいることは事実です。実際、医療区分を上げる?ため、1日8回以上喀痰吸引を行い、PEGやバルーンカテが入っていても週1回入浴させ、福島県立医大の先生には、外来が終わった6時過ぎに『褥瘡回診』をしていただいています。そのような『企業努力』をしないと、慢性期を持つ民間病院は成り立っていかないのです。急性期に厚く、慢性期に冷たい診療報酬(入院基本料)が、慢性期病院の普及の妨げになり、双葉病院のような精神科病院に多くの慢性期患者が集まっていたのではなかったでしょうか。小野田病院の菊地院長先生は原発事故が起こらないことを前提としないと復興は進まないとおっしゃっていました。少し空いた急性期に群馬県に預けた患者さん達を戻し、少しづつ慢性期に移していく方法は、私を含め病院経営者は誰でも考えることです。この問題で8月初めに開かれた医局会は大きく揉めました。一人の医師から”福島第一原発がまだ不安定な時期に患者を戻して、本当に大丈夫なのか、避難マニュアルもできていないのに万が一原発が危なくなったときに昨年のようなことが繰り返されるのではないか”と発言があり、帰還計画の見直しが必要となりました。この医師は昨年の311時に、少なくなった看護師の代わりになって食事の世話、オムツの取り替え、体位変換などやってくれた医師でした。患者が全員避難完了後は、市内の避難所を廻り、食事の炊き出しなどを手伝っていたことを後から知りました。極限の苦労を体験したから言える重い言葉でした。避難マニュアル作成は私の仕事でした。緊急時避難準備区域解除前に作成された南相馬市の避難マニュアル( http://expres.umin.jp/mric/hinanzissikeikaku.pdf  )は、自宅にいる市民を対象としており、施設に入っている介護老人や入院患者については施設任せ、病院任せになっています。1年以内には完成をと知り合いの医師の病院の災害対策マニュアルを取り寄せましたが、職員の勤務について、原発事故の際には地震や火事の場合とは明らかに異なる対応をとらなければいけないことが分かり、つまづいてしまいました。以前のjisin-iryou netにも投稿しましたが、本院には震度6以上や火事の発生時には電話連絡網を通じて職員に集まるような内規があります。311時には津波に遭った市民に対応するため、非番の職員までもかけつけてくれました。1号機が爆発した後にも、市立病院を訪れた広島大星教授の屋内退避していれば大丈夫との言葉を信じ、病院に来る患者に対応していました(透析は3月17日まで継続)。3月14日に3号機が爆発した後は東電の子会社に勤める夫などから南相馬も危ないとの情報が流れると、あっという間に職員がいなくなってしまいました。屋内退避についても当時は外出について曖昧でした。車での通勤くらいは大丈夫ということでしたが、3月12日夜から15日午後までは南相馬の空間放射線濃度は福島県の中で(20km圏内を除いて)一番高かったのです。避難せずに通勤を続けた職員1人がWBCを受け、Ce137が検出された(2回目で検出されなくなりました)ことは前にもお伝えしましたが、新地から通う別な職員が今回初めてWBCを受け、Ce137が検出されたことを聞かされました。新地は空間放射線濃度は低いし、家庭菜園も作っていない、一緒に受けた夫や子供さんからは検出されなかったと。考えられるのは往復1時間あまりかかる通勤の間に車内に入った空気しかありません。今度福島第一原発が危機的状況に陥ったら、爆発する前に若い職員を避難させなければいけない、患者もできるだけ早く(ヘリコプターを使い)避難させなければいけない(30km圏内飛行禁止はナンセンスだと思います)、動かせない患者がいたら、その家族に食事の介助やオムツの交換をお願いする、群馬県から患者さんを戻すときにはそのくらいのことは(家族に)話しておきたいと思います。最近、吉田昌郎福島第一原発前所長がビデオレターで述べていることです。(六道輪廻サバイバル日記から)--これから第1原発や福島県はどうあるべきか?◆そういう次元の高い話になると今すぐに答えがないが、やっぱり発電所をどうきちっと安定化させるかがベースだ。そこができていない中で、地元にお帰りいただくわけにはいかないので、そこが最大の(課題だ)。これは事故当時も言っていたが、日本国中だけでなく世界の知恵を集めて、より発電所、第1原発をより安定化させることが一番求められている。いろいろなだれの責任うんぬんということもきちっとやるべきだが、やはり発電所を少しでも安定させる。それには人も必要だし、技術もいろいろな知恵が必要だ。そこに傾注するということが重要なことだと思う。そのうえで、地元の方々に(通常の)生活に戻っていただけるか考えることができる。いずれにしても現場を落ち着かせる、安定化させることが一番重要な責務だ。私はちょっとまだ十分な体力がないが、戻ったらそういう形で現場のために力を届けたい。--引用ここまで最少人員を残し、原発処理にあたった吉田前所長の福島県民に対する詫びの言葉と優しさが込められた話だと思います。

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ESC(欧州心臓病学会) 2012速報

注目のESC Congress 2012開催。循環器領域のホットライン、臨床試験結果はもちろん、今年は、東日本大震災に関する発表なども予定され、例年以上に注目度が高くなっています。その中から、ケアネットでは、臨床に役立つ興味深い演題を厳選してお届けします。開催期間中は毎日新しい演題を更新しますので、ご期待ください。コンテンツ

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ナイアシン/laropiprant併用の忍容性に疑問符。導入期間を含めおよそ1万5千例が脱落:HPS2-THRIVE試験

8月26日の「クリニカルトライアル&レジストリ・アップデート I」セッションでは、HPS2-THRIVE試験の安全性中間解析が報告された。今回の発表は主に安全性に関する中間解析報告であり、忍容性に疑問を投げかけるものとなった。オックスフォード大学(英国)のJane Armitage氏が報告した。本試験は、ナイアシンによる動脈硬化性イベント抑制効果を検討する試験である。「LDL-C低下療法+ナイアシン」による心血管系イベント抑制作用は、昨年のAHAで報告された二重盲検試験AIM-HIGH (Atherothrombosis Intervention in Metabolic Syndrome with Low HDL/High Triglycerides and Impact on Global Health Outcomes)で、すでに否定されている。しかしAIM-HIGHの試験規模は登録数3,424例であり、HPS2-THRIVEに比べると小さい。またナイアシンによる顔面潮紅で二重盲検化が破られぬよう、対照群にも低用量のナイアシンを服用させていた。一方、HPS2-THRIVEは、laropiprant(ナイアシンによる顔面潮紅抑制剤)で潮紅抑制を図っているため、プラセボ群はナイアシンを全く服用していない。AIM-HIGHと異なり、純粋な「ナイアシン vs プラセボ」の比較が企図されている。HPS2-THRIVE試験の対象は、心筋梗塞、脳卒中、PVDあるいは冠動脈疾患合併糖尿病例である。ナイアシン/laropiprant(2g/日)群とプラセボ群に無作為化された。HDLコレステロール(HDL-C)を増加させるナイアシンが血管系イベントを抑制させるか、現在も二重盲検法で追跡中である(ただし全例、シンバスタチン 40mg/日(±エゼチミブ 10mg/日)によるLDLコレステロール(LDL-C)低下療法を受けている)。本試験では無作為化前、適格となった38,369例に、導入期間として8週間ナイアシン療法(ナイアシン/laropiprant)を行った。その結果、33.1%にあたる12,696例が脱落(服用中止)していた。うち76.9%(9,762例)は、薬剤が脱落の原因とされた。脱落理由として明らかな症状は、皮膚症状、消化管症状、筋症状などである。上記を経て、最終的に25,673例が無作為化された。42.6%は中国からの登録である。平均年齢は64.4歳、83%が男性だった。78%に冠動脈疾患、32%に脳血管障害、13%に末梢動脈疾患を認め、33%が糖尿病例(重複あり)だった。今回、「中間安全性解析」として報告されたのは、無作為化後平均3.4年間における試験薬服用中止例の割合とその理由である。ナイアシン療法群では、無作為化後さらに、24.0%(3,084例)が新たに脱落していた(15.7%が服用薬関連)。プラセボ群は15.4%である(服用薬関連は7.5%)。群間差の検定なし。ナイアシン療法群で発現率の高かった有害事象は、「皮膚症状」(5.1%)、「消化器症状」(3.6%)、「骨格筋症状」(1.6%)、「糖尿病関連」(0.9%)、「肝障害」(0.7%)である。いずれもプラセボ群よりも高い数値だった。ただし「肝障害」には一過性のものが含まれている。そのため重篤な肝障害に限れば、ナイアシン療法群、プラセボ群とも発現率は0.1%となった。また、ナイアシン療法群では「筋障害」発現率が0.54%と、プラセボ群の0.09%に比べ有意に高かった(リスク比:5.8、95%信頼区間:3.1~10.7)。この「筋障害」の増加は、主として中国人におけるリスク増加の結果だった(ナイアシン療法群:1.13% vs プラセボ群:0.18%)。Armitage氏によれば、2013年には臨床転帰を含む最終報告が行われるという。来年の結果報告が待たれる。関連リンク

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糖尿病例の高リスク病変に対するPCI──、DES時代でもCABGに対する非劣性は証明できず:CARDia試験延長5年間追跡

8月27日の「クリニカルトライアル&レジストリ・アップデート II」セッションにおいて、CARDia(Coronary Artery Revascularisation in Diabetes)試験の延長5年間の追跡成績が報告された。当試験は、糖尿病例の高リスク冠動脈病変に対する予後改善作用を、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と冠動脈バイパス術(CABG)の間で比較した無作為化試験である。当初予定した1年間の追跡で、CABGに対するPCIの非劣性が証明されなかったため追跡期間を延長し(中央値:5.1年間)、今回の報告に至った。しかし、PCI群の約7割が薬物溶出ステント(DES)を用いていたにもかかわらず、CABGに対するPCIの非劣性は確認できなかった。そのため、DES登場前のBARI試験において示唆された「糖尿病例多枝病変ではCABGのほうが良好」との知見を覆すには至らなかった。イースト・アングリア大学(英国)のRoger Hall氏が報告した。CARDia試験の対象は、多枝病変、あるいは左前下行枝に複雑病変を認め、血行再建の適応があった糖尿病510例である。平均年齢は64歳、男性が74%を占めた。糖尿病罹患期間は10年。3枝病変は62%に認めた。これら510例は、CABG群(254例)とPCI群(256例)に無作為に割り付けられた。CABG群では、平均2.9枝に対しバイパスが行われた。グラフトの94%は左内胸動脈だった。一方PCI群では、平均3.6本のステントが留置された。うち69%はDES(シロリムス溶出)であった。第一評価項目は「死亡、初発の心筋梗塞および脳卒中」で、CABGに対するPCIの「非劣性」証明が目的とされた。しかし、結果としてCABGに対するPCIの「非劣性」は認められず、CABG群に比べPCI群では、一次評価項目のハザード比が増加傾向を示した(ハザード比:1.34、95%信頼区間:0.94~1.93)。有意差に至らなかったのは「検出力不足のため」とHall氏は説明している。事実、この症例数でも「十分な検出力を有する」(原著論文)とされた評価項目「一次評価項目+血行再建術再施行」のリスクは、PCI群で有意かつ著明に高かった(ハザード比:1.56、95%信頼区間:1.14~2.14)。また「非致死的心筋梗塞」リスクも、PCI群で有意に高かった。以上よりHall氏は、「多枝病変を認める糖尿病患者に対する、ルーチンなPCIを支持する明確なエビデンスは得られなかった」と述べた。一方、本試験では前出BARI試験と異なりPCI群における死亡の有意増加は認めなかったため、明らかにPCIが適している病変では考慮してもよいとの考えを示した。関連リンク

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抗凝固療法下の抗血小板療法DAPTよりもクロピドグレル単剤が出血リスクが低い:WOEST試験

心房細動(AF)など、抗凝固療法が必要な患者にステント留置を行う場合、抗血小板療法はアスピリン・クロピドグレル併用(DAPT)よりもクロピドグレル単剤のほうが、心血管系イベントを増加させることなく出血性合併症を有意に抑制することを、WOEST (What is Optimal antiplatelet and anticoagulant therapy in patients with oralanticoagulation and coronary stenting) 試験が明らかにした。この点を検討した初の無作為化試験である。8月28日の「ホットラインIII」セッションにて、聖アントニオ病院(オランダ)のWillem Dewilde氏が報告した。WOEST試験の対象は、抗凝固療法を1年以上継続し、無作為化後すぐに経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が予定されていた18歳以上の563例である。重篤な出血既往例は除外されている。平均年齢は70歳、約8割が男性だった。抗凝固療法を必要とする疾患の70%近くをAFが占めた。また抗凝固薬は7割がワルファリンだった。PCIの内訳は、薬物溶出ステントDES(ベアメタルステント [BMS]との併用含む )が70%弱、BMS単独が30%となっていた。これら563例は抗凝固療法を継続のうえ、DAPT群(284例)とクロピドグレル単剤群(279例)に無作為に割り付けられた。DAPT群ではアスピリン80mg/日+クロピドグレル75mg/日、クロピドグレル単剤群では75mg/日を服用した。抗血小板薬の服用期間は、BMS留置例では最低1ヵ月間(最大でも1年間)、DES留置例では最低1年間とした。その結果、一次評価項目である「1年間の全TIMI出血」は、DAPT群:44.9%に対しクロピドグレル単剤群では19.5%と有意に低値となっていた(ハザード比:0.36、95%信頼区間:0.26~0.50;p

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安定冠動脈疾患に対するFFRガイド下のPCI、薬物療法を上回る予後改善作用:無作為化試験FAME 2

心筋血流予備量比(FFR)を用いて心筋虚血を確認できれば、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の予後改善作用は薬物治療単独を著明かつ有意に上回ることが、無作為化試験FAME 2の結果、明らかになった。8月28日の「ホットライン III」セッションにてOLVクリニック(ベルギー)のBernard De Bruyne氏が報告した。COURAGE試験以来、疑問視されてきた「安定冠動脈疾患に対するPCIの有用性」だが、面目を一新した形だ。FFRは、冠動脈狭窄に起因する心筋虚血の良い指標である。FFRガイドを加えたPCIはすでに、従来の冠動脈造影に基づき行うPCIに比べ、急性虚血性心疾患亜急性期からの虚血性心イベントを有意に抑制することが報告されている(FAME試験)。FAME 2試験に登録されたのは、冠動脈造影所見から薬物溶出ステント(DES)の適応と考えられた安定冠動脈疾患1,220例(1~3枝病変)である。うち、FFR(≦ 0.80)にて心筋虚血が確認された888例が、「薬物治療+PCI」群(PCI群:447例)と「薬物治療」単独群(441例)に無作為に割り付けられた。なお、FFR>0.80の332例は、薬物治療のみで観察した(非虚血薬物治療群)。本試験はPCI群における早期の優位性が明らかになったため、早期中止となった。追跡期間平均値は各群ともおよそ200日だった。まず一次評価項目である「死亡、心筋梗塞、緊急冠血行再建術施行」 だが、PCI群で薬物治療単独群に比べ相対的に68%有意に減少した(ハザード比 [HR]:0.32、95%信頼区間 [CI]:0.19 ~0.53;p

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震災後の心血管系イベント発症、疾患によりタイムコースが異なる:東日本大震災

2011年3月11日、未曾有の大地震と津波がわが国を襲った。東日本大震災の被災地では、医療従事者、消防など関係者は激務の中であっても、詳細な記録を残すことを厭わなかった。その結果、震災・津波という大きなストレス後の、各種疾患の発症パターンは必ずしも一様ではないことが明らかになった。28日の「ホットライン III」セッションにて、東北大学循環器内科教授の下川宏明氏が報告した。これまでも、大地震後の突然死,心筋梗塞や肺炎の発症増加を観察した報告は存在する。しかし、今回下川氏らが企図したのは、「より大規模」、「より長期の経過観察」、「より幅広い心血管系疾患を対象」とする調査である。同氏らは、宮城県医師会とともに、2008年~2011年の2月11日~6月30日(15週間)における疾患発症情報を集めるため、県下12の広域消防本部から救急搬送に関するデータの提供を受けた。調査対象とした疾患は「心血管系全般」とし、「心不全」、「急性冠症候群(ACS)」、「脳卒中」、「心肺停止」が挙げられた。加えて、「肺炎」についても調査した。まず、上記疾患はいずれも、大震災後,著明な発症増加が認められた。下川氏は、今後同様の大ストレス下では、上記疾患全てに、医療従事者は備える必要があると述べた。また肺炎を除き、発症リスクに対し、年齢(75歳以上、75歳未満)、性別(男、女)、居住地(内陸部、海岸部)で有意な差は認められなかった。肺炎発症リスクは、海岸部で有意に増加していた。津波の影響が原因と、下川氏は考察している。興味深いのは、震災後急増したこれら疾患発症率が、正常に戻るパターンである。3つの類型が観察された。すなわち、1)速やかに発症数が低下する(ACS)、2)速やかに発症数が減少するも,余震に反応して再び増加する(脳卒中、心肺停止)、3)発症数増加が遷延し、長期にわたり発症が減少しない(心不全、肺炎)──の3つである。特にACSは震災発生3ヶ月後、震災前3年間の同時期に比べても発症率は著明に低くなっていた。震災によりACS発症が前倒しになった可能性があると、下川氏は指摘している。記者会見において、脳卒中とACSのパターンが異なる理由について質問が出た。同じくアテローム血栓症を基礎にするのであれば、同様の正常化パターンが予測されるためである。これに対し下川氏は、機序については今後の課題であると述べている。当初同氏らは、震災後に脳卒中が増加したのは、ストレスによる昇圧が脳出血を増やしたためだろうと考えていた。しかしデータを解析すると、地震に反応して増加していたのはもっぱら脳梗塞であり、脳出血の増加は認められなかった。ストレスによる凝固能亢進が示唆される。最後に下川氏は、宮城県の医師会、消防本部,そして日本循環器学会に謝意を示し発表を終えた。指定討論者であるルードイッヒ・マキシミリアン・ミュンヘン大学(ドイツ)のGerhard Steinbeck氏は、東日本大震災のようなストレスが心血管系疾患に及ぼす影響が、発生直後の数日間のみならず、数週間、数ヵ月持続する点に大いに注目していた。関連リンク

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心房細動例においてワルファリンを上回るアピキサバンの有用性──、腎機能低下例でも維持される;ARISTOTLEサブ解析

新規Xa阻害薬アピキサバンは心房細動(AF)例において、腎機能の高低にかかわらず「脳卒中・全身性塞栓症」をワルファリンよりも抑制し、ワルファリンと比較した「大出血」リスクは、腎機能が低下するほど減少する可能性が示された。28日の「クリニカルトライアル&レジストリー・アップデートIII」セッションにて、J.W.ゲーテ大学(ドイツ)のStefan H. Hohnloser氏が、大規模試験ARISTOTLEのサブ解析として報告した。ARISTOTLE試験の対象は、脳卒中リスク因子を有する心房細動患者18,201例である。「血清クレアチニン(Cr)値>2.5mg/dL」あるいは「クレアチニン・クリアランス<25mL/分」の腎機能低下例は除外されている。これら18,201例は アピキサバン群(9,120例)とワルファリン群(9,081例)に無作為化され、二重盲検法で追跡された。アピキサバンの用量は5.0mg×2/日を基本としたが、「血清クレアチニン(Cr)値≧1.5mg/dL+他危険因子」などの出血高リスク例では、2.5mg×2/日に減量した。ワルファリン群の目標INRは、一律「2~3」である。今回の解析では、腎機能の高低別にアピキサバンの有効性と安全性が評価された。腎機能の評価には推算糸球体濾過率(eGFR)を用い、「50 (mL/分/1.73m2)以下」、「50~80 (mL/分/1.73m2)」、「80 (mL/分/1.73m2)超」の3群に分けて比較した。まず有効性として、一次評価項目である「脳卒中・全身性塞栓症」リスクを検討した。全例での検討ではワルファリン群に比べ相対的に21%、アピキサバン群で有意な減少が認められたイベントである。その結果、Cockroft-Gault式、CKD-EPI式、シスタチンCから推算したいずれのeGFRで評価しても、腎機能の高低はアピキサバンによる「脳卒中・全身性塞栓症」作用に有意な影響を及ぼしていなかった。「総死亡」で検討しても同様だった。一方、安全性については、腎機能低下例でアピキサバンがより優れる可能性が示された。Cockroft-Gault式、CKD-EPI式いずれのeGFRで評価しても、アピキサバン群における「大出血」リスクはeGFRが低値となるほど、ワルファリン群に比べ減少する有意な傾向が認められた。そこでCockroft-Gault式、CKD-EPI式で求めた「eGFR」と「大出血リスク」をそれぞれ連続変数としてプロットしてみると、いずれのeGFRも、低下に伴う大出血リスクの増加傾向は、アピキサバン群に比べワルファリン群で有意に大きかった。ただし、シスタチンCから推算したeGFRの高低は、アピキサバン群における大出血リスクに有意な影響を与えなかった。アピキサバン群ではeGFRの高低にかかわらず一貫して、ワルファリン群に比べ有意なリスク減少が観察された。Hohnloser氏は「腎機能の低下したAF例に対し、アピキサバンはワルファリンよりも有効かつ安全かもしれない」と結んだ。関連リンク

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(10)〕 糖尿病患者の生命予後に関連する因子

糖尿病患者の死亡に関連するリスク因子を検討したTRIAD (Translating Research Into Action for Diabetes) study (McEwen LN et al. Diabetes Care. 2007; 30: 1736-1741.)では、総死亡と関連するリスクとして、高齢、低収入、長期の(9年以上)罹病期間、BMI26未満、性別(男性)、喫煙、腎疾患が統計学的に有意な因子として報告されている。本論文ではFramingham Offspring Study(FOS) など5つの長期コホート研究(観察期間:7~28年)についてpooled analysis を行い、40歳以上で糖尿病を発症した2,625人についてBMI 25未満を正常体重、BMI 25以上を過体重と分類して、全死亡、心血管死、非心血管死を主要アウトカムとしてその臨床背景を検討した成績である。“Obesity paradox…” 血圧、脂質、ウエスト周囲径、喫煙について補正を行った際の死亡に関するハザード比は、正常体重/過体重で総死亡は2.08(95%信頼区間:1.52-2.85)、非心血管死は2.32(95%信頼区間:1.55-3.48)と正常対照群で2倍以上となったが、心血管死については1.52(95%信頼区間:0.89-2.58)と統計学的な有意差は認めなかったと報告されている。 今回の検討では、BMI 25未満での糖尿病の発症が多いアジア系の人種を除いており、糖尿病を発症した時点で何らかの悪性疾患が潜んでいる可能性を除くため、糖尿病を発症後2年以上の経過を追跡できたものや、登録時点に比較してBMIが2kg/m2以上低下している症例も除外している。長期にわたるコホート研究が対象であるため、データ収集の間隔も2~5年とばらつきはあるが、末期腎不全や心血管疾患の患者では非肥満者よりも肥満者のほうが生命予後は良い(”obesity paradox”)という報告とも一致する内容である。 欧米人の非肥満患者における糖尿病の発症に関連している遺伝因子、脂肪組織の分布やアディポカイン、炎症反応、膵β細胞機能などがどのように関連し、生命予後とどう結び付くのか、また、運動量や運動能力(fitness)の関与はないのかなど、「肥満=悪」とは簡単につながらない「何か」を思わせるpooled analysisである。

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「痛み」の診療に関する緊急アンケート その4 ~非がん性痛に対するオピオイド使用実態【整形外科編】~

対象ケアネット会員の整形外科医師208名方法インターネット調査実施期間2012年8月16日~8月23日Q1.非がん性の痛みに対し、オピオイドを使用することはありますか?Q2. Q1 で「B.使用しない」とお答えになった先生にお伺いします。非がん性の痛みに対し、オピオイドを使わない理由を教えてください。(いくつでも)Q3.今後、非がん性の痛みに対し、オピオイドの使用を継続、または新たに使い始めるにあたって、必要な情報がありましたら、教えてください。(自由記入)【必要な情報(一部抜粋)】保険でけずられないか?/便秘、吐き気に対する予防薬投与の保険適応について、はっきりした返答がほしい。慢性疼痛症例にオピオイドを使用した場合に、離脱できるのか?/処方をやめるに際しての患者のうまい誘導の仕方。/依存症とやめ方に不安あり、既往先行品との違いを説明ほしい/休薬の具体例副作用への対応/副作用の防止方法を具体的に教えてください。/副作用情報/副作用の発生率/副作用軽減のための対策使い方/適応/どのような患者に処方したらよいのかが分からない。/どの程度の疼痛に対してオピオイドが適応になるのか 術後鎮痛についてガイドラインみたいなオピオイド使用のマニュアルがあれば知りたいです。信頼できるメーカーからの説明がほしい他のクスリが効かない場合【ご意見(一部抜粋)】長期に使用するのに問題がある副作用がなくなればテレビ新聞などでよくでてくればみなもなれて使えるようになる。年数が必要オピオイドの適応症例があれば、使用する予定である

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現役CEOが医学生に語るキャリア形成、キャリア構築のコツ!

7月7日(土)慶應義塾大学信濃町キャンパスにおいて山本雄士氏(株式会社ミナケア 代表取締役)主催による「山本雄士ゼミ」の第4回が開催された。今回は、ノバルティス ファーマ株式会社 代表取締役社長である三谷宏幸氏をゲストに迎え、日本と世界のキャリア形成の違いやリーダーシップ論などを中心に話を聞いた。山本雄士ゼミは、ハーバード・ビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得した山本氏をファシリテーターに迎え、ケーススタディを題材に医療の問題点や今後の取組みをディスカッションによって学んでいく毎月1回開催のゼミである。産業構造の大転換講演では、三谷氏が自身のキャリアを述べた後、国際ビジネスマンとしての視点から現在の日本の産業と世界、そして医療について語った。はじめに日本の産業構造の変化について、以前なら市場は国内だけ見ていればよかったが、今では全世界を見なくてはならなくなったこと、そして、外国からの文化の流入と融合への取り組みが必要となったことなど、三谷氏の分析的視点から語られた。講演では、大手家電メーカーを例に説明し、「日本企業は時代のニーズへの対応が不得意であり、視野狭窄で国内市場しか目が向いていなかった(ガラパゴス化)。その結果、今日のような事態を招いた」と語った。日本的思考法、グローバルの思考法「日本的思考とグローバルの思考」の違いについて説明し、「日本では文化の同質性から『あ・うんの呼吸』で仮説から一気に結論までもっていくが、グローバル思考では文化が異なるため仮説から論証を積み上げて結論までもっていく。論理的な思考というものがきちんとなされている。また、組織構成とキャリアパスの違いから日本企業はなあなあの仲良しクラブになりがちだが、グローバル企業では個々人の責任の所在を明らかにし、リスクを選び、リスクに見合った利益を手にする考え方が主流である」と日本と外資系企業の違いを説明した。そのうえで、外資系企業の強さについて、その要素は3つあり、(1)規模、(2) 開発力、(3) 人材と企業文化であるとした。具体的に、製薬メーカーであれば規模が大きいほど研究・開発力が大きくなる。そして、開発に関して「規模で劣る日本の製薬メーカーが、研究・開発の分野の絞り込みをできていないところが心配だ」とコメントするとともに、(3) 人材と企業文化についてはリーダーシップ論とキャリア形成法を交えて詳しく説明を行った。求められるリーダーとは?三谷氏が以前所属していたGE(ゼネラル・エレクトリック)を例に「リーダーに求められる資質」として「『外部思考、想像力、専門性、明瞭な思考、包容力』の5つの資質が、大人数を納得させ、動かす資質である」と説明。そして、リーダーに求められる能力として「専門知識、ビジネス知識、企業価値にもとづく行動規範、リーダーシップ」が必要だと説明した。次に、混同されがちな「リーダー」と「管理職」の違いを説明し、「リーダーはアクセルであり、ビジョンを重視し、柔軟性をもっている。管理職はブレーキであり、ロジックを重視し、一貫性をもっている」とその差異を説明した。最後に主体的なキャリア構築の勧めとして、「継続的に挑戦し、学んでいくマインドが大切である」と述べ、次の言葉を聴講者に贈り、講演を終えた。“Control your destiny or someone else will”(自分の運命は自分で選べ)                                                                -Jack Welch(GE 元CEO)引き続き、質疑応答となり、多くの参加者が質問を寄せた。――人材教育は日本企業と外国企業のどちらがよいか?決して日本が劣っているわけではない。しかし、外資の戦い方やさまざまなプレゼンテーションの仕方は勉強になるし、ロジカルな思考も強くなれる。――社長になるための資格は?社長になる方程式はないので自分で作るしかない。ただロジカルな思考ができる面で、理系は有利だと思う。また、現場は人間性、リーダー力を養う場になるので現場に出て修行を積むことも大事。現場での人の動かし方や苦労を知り、失敗することで成功への意欲が出てくる。――キャリアを変えるために行うべきことは何か?キャリアの変更については、「自分の強み、将来の予想、過去の成功例」を見出すことだと思う。同じグループだけを見ているのではダメ。自分自身でいえば、自己実現の充足が今のポジションをもたらしている。学ぶことを止めないこと、私は、自分の学びの確認に海外を見ている。――医療業界で若手が元気になるには?日本の研究環境も変わりつつあるが、まだ世界レベルではないように思う。たとえば米国のボストン近郊のケンブリッジは大学、企業の研究所、ベンチャーが集積していて、研究者がお互いに刺激し合っている。日本では、価値を転換して臨床研究の評価を上げるなども必要だと思う。――医療の世界へ来た動機と今後の抱負以前いたGEで医療に関わり、興味があった。機会があれば挑戦したいと思い医療の世界に来た。これからも、さらなる自己実現と周りの人が驚くようなスピードで経営を行っていきたいと思う。『医療イノベーション 5か年戦略』とディスカッション後半のディスカッションでは、資料に『医療イノベーション 5か年戦略(案)』(医療イノベーション会議・発行)と『平成24年度診療報酬改定の概要』(厚生労働省・発行)を使い、前者の立案に参加した山本氏が、内容の要旨と今後の医療施策の動向について説明した。資料から「人口動態変動で今後は高齢者が増加し、死亡率が増加する(少子多死時代の到来)。この社会環境の中で医療をどう位置づけるかが問題。今までの日本は、低コストで効率のよい医療を提供していたが、今では国家財政的に厳しい時代に来ている」と将来への論点を提示した。次に『医療イノベーション5か年戦略』の内容を詳説し、「政府として今までの議論を基に、今後志向することは何か」を説明した。とくに今回「『広い視点から医療技術評価のあり方を検討する』、『予防から終末期に至る包括的なケアを考える』という2つの事柄が入ったことは画期的なこと」と述べた。この後、質疑応答となり、資料の内容やゼミの活動についてさまざまな質問が寄せられた。たとえば「今回の『医療イノベーション』の特色は何か?」という質問に「いままで基本理念がなかったが、健康長寿、産業振興(医薬品の開発)、世界への発信という3つを明記した。また、PDCAサイクルによるチェック機能を入れたところが大きな特色」と回答した。また、「日本の医療に明るさが見えない。さまざまなゼミや研究会で出された提案が、なかなか政策に反映されず、政府の審議会だけで決まってしまうことに、とても歯がゆさを感じている」という感想に対して、「このゼミは、いろいろな世代、立場の人が集まって議論する場であり、なかには中央省庁の方も出席されている。声が届かないことはないと思う。また、ゼミの場は、いわば道場であり、ゼミでの議論を自分のものにして、実現できるようになっていってもらいたい。今後はゼミでの議論も踏まえて、政策提言できる動きもしていきたい」と述べ、ゼミを終了した。なお今後のスケジュールは次の通り(いずれも16:00~19:00の開催予定)。第5回 9月8日(土):ワイス(製薬会社のケーススタディ)第6回 10月13日(土):後期ガイダンス&クリーブランド・クリニック(アメリカの病院のケーススタディ)第7回 11月10日(土):『医療戦略の本質』の読書会&西ドイツ頭痛センター(ドイツの病院のケーススタディ)第8回 12月8日(土):ピッツニーボウズ(アメリカの医療保険者に関するケーススタディ)第9回 1月12日(土)(仮):外部講師による講演会第10回 2月9日(土)(仮):セダケア(地域のヘルスケアシステムのケーススタディ)●ゼミ公式HP http://yamamoto.umin.jp/●ゼミ公式Facebook http://www.facebook.com/#!/groups/226064334073359/●講演者経歴■関連リンク・三谷宏幸氏著作『世界で通用するリーダーシップ』・山本雄士氏著作『医療戦略の本質』『奇跡は起こせる わが子を救うため、新薬開発に挑戦したビジネスマン』

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アジスロマイシン、非嚢胞性線維症性気管支拡張症の増悪を抑制:EMBRACE試験

 アジスロマイシン(商品名:ジスロマック)は、嚢胞性線維症を原因としない気管支拡張症におけるイベントベースの増悪の予防治療として有効なことが、ニュージーランド・Middlemore病院(マヌカウ市)のConroy Wong氏らが実施したEMBRACE試験で示唆された。気管支拡張症は好中球性の気道炎症、慢性的な細菌感染、繰り返す肺の病態の増悪で特徴づけられ、大量の喀痰を伴う重篤な咳嗽や進行性の肺機能低下、QOL低下をきたし、死亡率の上昇をもたらす可能性がある。アジスロマイシンは抗炎症作用および免疫調節作用を有するマクロライド系抗菌薬で、嚢胞性線維症の病態の増悪を抑制することが示されている。Lancet誌2012年8月18日号掲載の報告。気管支拡張症に対する効果をプラセボ対照無作為化試験で評価EMBRACE(Effectiveness of Macrolides in patients with BRonchiectasis using Azithromycin to Control Exacerbations)試験は、非嚢胞性線維症に起因する気管支拡張症の治療において、アジスロマイシンは増悪率を低減して肺機能を増強し、健康関連QOLを改善するとの仮説の検証を目的とする二重盲検プラセボ対照無作為化試験。2008年2月12日~2009年10月15日までに、ニュージーランドの3施設に、抗菌薬治療を要する増悪の既往歴があり、高解像度CT検査で気管支拡張症と診断された18歳以上の患者が登録された。これらの患者が、アジスロマイシン500mgあるいはプラセボを週3日(月、水、金曜日)、6ヵ月間投与する群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、6ヵ月の治療期間中のイベントベースの増悪率、気管支拡張薬投与前の1秒量(FEV1)のベースラインからの変化、St George呼吸器質問票(SGRQ:0~100点で表し値が低いほど良好、4点以上の変化で臨床的に有意と判定)総スコアの変化の複合エンドポイントとした。増悪率が有意に改善、FEV1、SGRQ総スコアは改善せず141例が登録され、アジスロマイシン群に71例、プラセボ群には70例が割り付けられた。治療期間中の増悪率はアジスロマイシン群が0.59/人と、プラセボ群の1.57/人に比べ有意に改善した(率比:0.38、95%信頼区間[CI]:0.26~0.54、p<0.0001)。拡張薬投与前FEV1は、アジスロマイシン群はベースラインから変化はなく、プラセボ群では0.04L低下したが、この差は有意ではなかった(群間差:0.04L、95%CI:-0.03~0.12、p=0.251)。さらに、SGRQ総スコアの変化についても、アジスロマイシン群は5.17点の低下、プラセボ群は1.92点の低下で、有意差は認めなかった(群間差:-3.25点、95%CI:-7.21~0.72、p=0.108)。著者は、「6ヵ月間のアジスロマイシン治療は、増悪率の低下に加え、初回増悪までの期間もプラセボ群に比し有意に延長し、これらの改善効果は治療終了後6ヵ月の時点でも継続していた。SGRQの症状関連項目の改善効果も確認された。それゆえ、アジスロマイシンは1回以上の増悪歴のある非嚢胞性線維症性気管支拡張症における増悪の予防治療の新たな選択肢である」と結論し、「長期治療の場合は、マクロライド系抗菌薬への耐性の発現を十分に考慮して患者を選択すべきである」と指摘している。

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低・中所得国は男性喫煙率が高く、女性の開始年齢が若年化:30億人の解析

 低・中所得国は英米に比べ、男性の喫煙率が高く、女性の喫煙開始時期が男性と同じ年齢に若年化しつつあり、禁煙率も低いことが、米国・ニューヨーク州立大学バッファロー校のGary A Giovino氏らGATS Collaborative Groupの調査で明らかとなった。現在、喫煙に起因する死亡率は高所得国が18%、中所得国が11%、低所得国は4%だが、喫煙率は高所得国で低下傾向にあるのに対し、低・中所得国では増加し死亡率も上昇している。WHOによれば、毎年約600万人が喫煙関連の原因で死亡しており、このままでは21世紀中に世界で約10億人が喫煙が原因で若年死するとされるが、低・中所得国の喫煙状況に関する信頼性の高いデータはないという。Lancet誌2012年8月18日号掲載の報告。14の低・中所得国と英米のデータを解析GATS Collaborative Groupは、低・中所得国における成人の喫煙パターンや喫煙関連因子を評価するために、横断的な国別の世帯調査である「世界成人喫煙調査(GATS)」のデータを用いて解析を行った。2008年10月1日~2010年3月15日までに、14ヵ国(バングラデシュ、ブラジル、中国、エジプト、インド、メキシコ、フィリピン、ポーランド、ロシア、タイ、トルコ、ウクライナ、ウルグアイ、ベトナム)の15歳以上を対象に世帯調査を行い、喫煙関連情報を収集した。14ヵ国間の喫煙の重み付き点推定(weighted point estimate)と95%信頼区間(CI)を算出し、2008年の英国のGeneral Lifestyle Survey、2006~2007年の米国のTobacco Use Supplement to the Current Population Surveyのデータと比較した。喫煙率は男性48.6%、女性11.3%、禁煙率は英米で高いGATS参加国と英米を合わせた16ヵ国の約30億人が解析の対象となった。そのうち喫煙者は約8億5,200万人で、中国が3億100万人、インドが2億7,500万人を占めた。GATS 14ヵ国の喫煙率は男性が48.6%(95%CI:47.6~49.6)、女性は11.3%(同:10.7~12.0)であった。そのうち、葉巻やパイプなどを除くタバコ製品の喫煙率は男性が40.7%(範囲:ブラジルの21.6%からロシアの60.2%)、女性は5.0%(同:エジプトの0.5%からポーランドの24.4%)だった。喫煙者の多く(82%)が既製のタバコ製品を好んだが、インドやバングラデシュでは無煙タバコや巻きタバコが一般的だった。ほとんどの国では、調査時に55~64歳の女性は同年代の男性に比べ喫煙開始年齢が高かったが、25~34歳では男女間の喫煙開始時期に差はなかった。禁煙率(喫煙経験があるが調査時は喫煙していない者の割合)は中国、インド、エジプト、ロシア、バングラデシュで低く(5ヵ国全体で20%未満)、英国、米国、ブラジル、ウルグアイで高かった(5ヵ国全体で35%以上)。著者は、「GATS参加14ヵ国は英米に比べ、男性の喫煙率が高く、女性の喫煙開始時期が若年化しており、禁煙率が低いことが示された」と結論し、「これらの知見は、喫煙関連の罹病率や死亡率を低下させるには、喫煙開始の予防や禁煙の促進に向けた努力が必要とのこれまでの見解を補強するもの」と指摘している。

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せん妄の早期発見が可能に

 高齢入院患者におけるせん妄発現は患者や家族の苦痛だけでなく、入院期間の延長や医療事故、医療スタッフの負荷増大などさまざまな弊害をもたらす。そのため対応方法の確立が急がれる。せん妄に対応するためには、早期発見が重要である。海外では、せん妄評価法(Confusion Assessment Method:CAM)が一般病棟におけるせん妄の早期発見に用いられている。Thomas氏らは、高リスク患者のせん妄のスクリーニングと診断についてICD-10およびDSM-IVと比較して、CAMアルゴリズムのせん妄判定基準が有用であるかを検討した。J Am Geriatr Soc誌オンライン版2012年8月6日号の報告。 対象は、大学病院に急性期内科疾患で入院した102名(年齢:80~100歳)。CAM診断アルゴリズム4項目を使用し、記録した。せん妄の診断は、専門家のコンセンサスによりDSM-IV、ICD-10に基づき評価を行った。主な結果は以下のとおり。・79名の入院患者にせん妄スクリーニングのためCAMを実施した(せん妄有病率はDSM-IV:24% 、ICD-10:14%)。・全CAM項目のうち、「急性発症または症状の動揺」は診断のために最も重要である(DSM-IV:AUC=0.92 、ICD-10:AUC=0.83)。・CAM診断アルゴリズムは、DSM-IVとの比較において感度74%、特異性100%、AUC=0.88であり、ICD-10との比較では感度82%、特異性91%、AUC=0.85であった。・ICD-10との比較においてCAMアルゴリズムに精神運動の変化を加えることで、特異性は97%に改善したが、感度は55%に減少した(AUC=0.96)。CAMアルゴリズムでせん妄でないと識別された群のみにそれぞれ精神運動の変化を適応すると、感度91%、特異性85%に改善した(AUC=0.95)。関連医療ニュース ・がん患者のせん妄治療に有効な抗精神病薬は… ・せん妄対策に「光療法」が有効! ・気温31℃超で気分症状が再発!入院も増加

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(9)〕 小児心臓移植待機患者の生存率が独ベルリンハート社補助人工心臓で改善

小児重症心不全患者に対する機械的循環補助は、体外式心肺補助装置(ECMO)が標準的である。しかしECMOによる長期補助は困難であるために、欧米を中心に小児用補助人工心臓の臨床応用が進められている。ベルリンハート社補助人工心臓(Excor)は新生児から成人まで装着可能で、世界で800例以上の装着が行われ、1年生存率は約70%と良好である。米国・テキサス小児病院のCharles D. Fraser, Jr.らの前向き試験により、心臓移植待機リスト上位に位置する重症心不全の小児に対し、Excorは、ECMOと比べて高い生存率を示したことが報告された。しかし、重篤な合併症である大出血は40~50%、感染症50~60%、脳卒中30%と高率であった。 わが国でも平成22年7月に施行された改正臓器移植法に伴い、小児患者への心臓移植が可能となった。しかし、小児においては脳死下での臓器提供数はまだ1例で、待機期間が長期に及ぶことは免れず、小児用人工心臓は必須である。わが国では,小児用人工心臓がないために成人用の体外式人工心臓を使用しているのが現状であるが、3歳以下体重15kg未満では困難である。したがって、わが国でも早急に小容量の小児用人工心臓が承認され市販される必要がある。このような状況のなかでベルリンハート社補助人工心臓導入を目指した、医師主導治験が開始されており、26年度には承認を受けて臨床現場へ導入される予定である。また小児用植込み型補助人工心臓の研究開発も進行中であり、将来は成人と同じように小児心臓移植待機患者においても自宅療養が可能となる可能性がある。

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ケアネット白書~糖尿病編2012

株式会社ケアネットでは、このほど「ケアネット白書 糖尿病編(以下、糖尿病白書2012)」をまとめた。本調査は、2型糖尿病患者を1ヵ月に1人以上診察している医師を対象に、2012年3月にインターネット調査を実施し、その回答をまとめたものである。以下、(1)調査方法(2)患者背景(3)治療現状(4)糖尿病治療薬の選択と重要視する事項―などを中心に、「糖尿病白書2012」の概要を紹介する。CONTENTS1.調査目的と方法2.結果1)回答医師の背景2)2型糖尿病患者の背景3)2型糖尿病の治療4)薬剤の使用状況5)薬剤選択の際に重要視する項目6)新薬の情報源として役に立つもの

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