全国の病院の品質管理体制の実態は?

提供元:ケアネット

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公開日:2010/04/08

 



株式会社ケアレビューは6日、急性期病院の品質(医療の質)管理状況に関する調査を実施し、調査結果を報告した。

この調査は、同社が運営する急性期病院の診療実績比較サイト『病院情報局』(http://hospia.jp/)で情報提供している全国1,500あまりの急性期病院(DPC参加病院)を対象として、「治療結果の分析」「患者満足度調査」「職員満足度調査」の実施状況を尋ねることにより、病院の品質管理体制の実態を調査したもの。調査方法は郵送によるアンケート調査で、調査期間は2010年2月1日~3月10日。有効回答は472病院から得られた(回答率30.3%)。

「患者満足度調査」は9割以上の病院で実施されているが、「治療結果の分析」や「職員満足度調査」は半数以上の病院では実施されていないことが明らかになった。実施サイクルでみると、毎月継続的な管理が行われている病院は、「治療結果の分析」では17%、「患者満足度調査」では6%にとどまっていた。また、「職員満足度調査」を毎年実施している病院は20%にとどまっている。

調査や分析の結果について、病院のホームページで情報提供している病院は、「治療結果」は9%、「患者満足度」は10%、「職員満足度」は1%にとどまっていた。病院内での情報提供を合わせると、「患者満足度」は8割弱の病院で情報提供されているが、「治療結果」については7割近くの病院で情報提供が行われていないことがわかったという。

今回の調査結果を受けて同社は、「今回の調査は、日本の病院の中でも先進的なマネジメントが行われていることが期待されるDPC参加病院を対象としましたが、残念ながら多くの病院で管理体制面の遅れが懸念される調査結果となりました。とくに、治療結果の分析さえも行われていない病院では、品質(医療の質)改善への組織的な取組みも不十分であることが想定されます。」と述べている。

詳細はこちら
http://www.carereview.co.jp/2010/04/post-41.html