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術後のAcute Pain Serviceを利用できない患者には経口オピオイド療法を

 術後痛など急性痛に対応するAcute Pain Service(APS)を受けない、すなわち局所麻酔法や患者自己管理鎮痛法を受けることができない患者は、激しい術後疼痛に苦しむ。こうした患者に対しては経口オピオイド療法が有効であり、治療アルゴリズムは外科病棟で実行可能であることがドイツ・ミュンスター大学病院のE.M. Pogatzki-Zahn氏らによる前向き観察研究で示された。Der Schmerz誌オンライン版2013年1月17日号の掲載報告。 耳鼻咽喉科、外傷外科および一般外科で手術を受ける患者を対象に、徐放性(CR)オキシコドン、速放性(IR)ヒドロモルフォンを含む経口オピオイド、および非オピオイド性鎮痛薬からなる経口療法を実施した。 手術当日術前および手術後12時間毎に最高4日間、CRオキシコドンを投与した。疼痛スケール(0~10)が安静時3または体動時5を上回り患者の希望があった場合、IRヒドロモルフォンで治療した。 手術当日および手術後4日間の計5日間アンケートを用いて評価した。また、同様の調査を手術後6ヵ月および12ヵ月に行った。 主な結果は以下のとおり。・計275例が登録された(耳鼻咽喉科163例、外傷外科82例、一般外科30例)。・疼痛スケール中央値は、安静時3以下および体動時5以下であった。・外傷外科手術を受けた患者は、耳鼻咽喉科手術および一般外科手術を受けた患者と比較してより多くのCRオキシコドンを必要とした(p<0.001)。・一般外科および外傷外科手術を受けた患者は、耳鼻咽喉科手術を受けた患者より便秘の頻度が高かった。・嘔吐は手術の種類に関係なく、手術当日20~30%からその後は10%以下まで減少した。・重篤な有害事象は観察されなかった。・手術前のうつ病スコアが高かった患者はそうでない患者に比べ、手術直後により大きな痛みを報告した。・手術後6ヵ月および12ヵ月に持続性の術後痛を訴えた患者は、それぞれ11例(15.7%)および7例(14.9%)であった。これらの患者は、手術後1日目の急性痛が大きかった。

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マンモグラフィ検診の過剰診断率情報が、受診動向に影響/BMJ

 乳がんのマンモグラフィ検診の過剰診断について知る一般女性は少なく、高い過剰診断率に関する情報は検診の受診動向に影響を及ぼす可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のJolyn Hersch氏らの検討で示された。マンモグラフィ検診では、生存中には臨床的に発現しない病変を検出する過剰診断のリスクがあるが、このリスクの程度には大きな幅がある。乳がんの過剰診断の社会的認知度は低く、一般の女性が過剰診断にどう対応するか、検診の選択の際にこれらの情報をどう活用するかに関するエビデンスはほとんどないという。BMJ誌2013年1月26号(オンライン版2013年1月23日号)掲載の報告。過剰診断の認識が、検診に対する考え方に及ぼす影響を評価 研究グループは、マンモグラフィ検診における過剰診断(生存中には臨床的に発現しない病変の検出)の実態に関する情報への女性の反応を調査し、過剰診断の認識が検診に対する考え方や意向に及ぼす影響を評価する質的研究を行った。 対象は、乳がんの既往歴のない40~79歳の女性50人で、教育歴や検診への参加歴はさまざまであった。 これらの女性が、過剰診断に関する説明を受け、過剰診断率がそれぞれ1~10%、30%、50%とする論文データと、検診がもたらすベネフィットに関するエビデンスに基づく情報を提供された。その後、グループでディスカッションを行った。慎重な情報伝達の必要性を強調すべき 50人の女性のうち、40~49歳が19人、50~69歳が16人、70~79歳は15人であった。マンモグラフィ検診歴のある女性は31人(62%)だった。 乳がんの過剰診断について事前に知っていた女性は少なかった。過剰診断の事実を知って多くの女性が驚きの反応を示したが、ほとんどが問題を理解した。 過剰診断への反応やその程度はさまざまであった。最も高い過剰診断率(50%)の場合、受診の意志決定の際はより慎重な態度が必要と考える女性がいたのに対し、過剰診断率が低~中(1~10%、30%)の場合は、女性の考え方や意向に及ぼす影響は少なく、多くの女性が検診への姿勢に変化を示さなかった。 過剰診断の情報を得ることで、別の検診法への関心や、検診でみつかったがんを治療するか、別のアプローチ[経過観察(watchful waiting)など]を考慮するかという問題への関心を示した女性もいた。 情報の受け止め方もさまざまであった。多くの女性は、過剰診断について自分で考えることが重要であり、受診の可否の選択に情報を活かそうと考えたが、誰かに検診を受けるよう強く薦めてもらいたいと考える女性も多かった。 著者は、「さまざまな社会経済的背景を持つ女性たちは、マンモグラフィ検診の過剰診断の問題を理解し、関連情報の価値を判断した。検診の受診への意思には、過剰診断率の情報が大きな影響を及ぼした」とまとめ、「過剰診断は多くの人びとにとって初耳で、思いがけないものである。それゆえ、十分に考えずに検診や治療の可否の決定をしている可能性があるため、慎重な情報伝達の必要性を強調すべきである」と指摘している。

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パニック障害 + 境界性パーソナリティ障害、自殺への影響は?

 これまでの研究では、境界性パーソナリティ障害(BPD)、パニック発作(PA)、パニック障害(PD)といった個々の疾患と自殺企図との関係は明らかされている。しかし、併発した際の自殺企図との関係はよくわかっていない。カナダ・マニトバ大学のDanielle L Turnbull氏らはこれらの疾患の併存による影響を検討した。The Journal of nervous and mental disease誌2013年2月号の報告。 対象患者は、アルコールおよび関連疾患に関する全国疫学調査(NESARC)のWEVE2のデータより抽出した34,653例を用いた。BPD(562例)、PA(253例)、PD(255例)、BPD+PD(146例)、BPD+PA(119例)と自殺企図との関係についてロジスティック回帰分析を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。・BPD、PD、PAは自殺企図と関連していた。・BPD+PD またはBPD+PAでは、BPD単独と比較し、自殺企図との関連がわずかではあるが増加した。・自殺企図との関連は、感情調整不全をコントロールしたのち大幅に減少した。・境界性パーソナリティ障害では、自殺予防を見据え、感情調節不全のコントロールが重要であると考えられる。関連医療ニュース ・日本人統合失調症患者における自殺企図の特徴は? ・空中浮遊微粒子濃度は自殺企図・統合失調症増悪に影響を及ぼす ・境界性パーソナリティ障害患者の症状把握に期待!「BPDSI-IV」は有用か?

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スパイロメトリーの活用状況などに関するアンケート

対象ケアネット会員の医師 呼吸器科162名、内科738名方法インターネット調査実施期間2013年1月24日~1月31日Q1呼吸機能を測定するスパイロメーターをお持ちですか?Q2(Q1.で「はい」と回答した先生にお聞きします)COPDスクリーニングの目的でスパイロメーターはどのくらいの頻度で使用されていますか?Q3COPDの診断・治療を行う際に、日本呼吸器学会による「COPD診断と治療のためのガイドライン」を参考にしていますか?Q4COPDの診断・治療を行う際に「GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)」を参考にしていますか?2013年1月ケアネット調べ

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月1回のペギネサチド、週1~3回のエポエチンに非劣性/NEJM

 貧血を伴う血液透析患者に対し、赤血球造血刺激因子製剤(ESA製剤)のペギネサチド(本邦未承認)の月1回投与が、エポエチン週1~3回の投与と同程度の効果であることが明らかにされた。米国・Hofstra North Shore–LIJ School of MedicineのSteven Fishbaneらが第3相オープンラベル無作為化試験「EMERAL1、2」を行った結果、報告した。NEJM誌2013年1月24日号掲載より。ペギネサチド月1回投与とエポエチン週1~3回投与を比較 研究グループは、血液透析患者1,418例を対象にした、2つのオープンラベル無作為化試験(EMERAL 1:693例、EMERAL 2:725例)を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方の群にはペギネサチドを月1回投与し、もう一方の群には継続してエポエチンを週1~3回投与した。投与量は、ヘモグロビン値を10.0~12.0g/dLに維持するように調節し、52週以上継続した。 主要エンドポイントは、試験開始時のヘモグロビン値から評価期間(29~36週)の平均ヘモグロビン値への変化量の平均値とした。 また、心血管イベントに関する安全性について、EMERAL 1、2と、血液透析をしていない患者を対象にした別の2つの試験を併せて評価した(被験者総数2,591例)。同安全性評価に関するエンドポイントは、総死亡、心筋梗塞と、うっ血性心不全、不安定狭心症、不整脈による重度有害事象の複合とした。安全性に関する複合イベント発生リスクも、有害事象リスクも同等 その結果、ペギネサチドはエポエチンと比較してヘモグロビン値の維持について、事前に規定した基準により非劣性であることが認められた。主要エンドポイントのヘモグロビン値の平均群間差は、EMERAL 1が-0.15g/dL(95%信頼区間:-0.30~-0.01)、EMERAL 2が0.10g/dL(同:-0.05~0.26)だった。 また安全性に関する複合エンドポイント発生率も、非透析患者も合わせた4試験の結果では、ペギネサチド群22.3%に対し、エポエチン群21.6%と、ハザード比は1.06(同:0.89~1.26)だった。EMERAL1、2の結果では、同ハザード比は0.95(同:0.77~1.17)だった。 有害事象、重度有害事象の発生率も、EMERAL試験の各治療群で同程度だった。プールコホート解析でも、心血管安全性についてペギネサチドと対照ESAは同程度であった。

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ドネペジル+メマンチン、アルツハイマー病への効果はどの程度?

 アルツハイマー病(AD)において、メマンチンとコリンエステラーゼ阻害薬との併用はどの程度のベネフィットが期待できるのか。米国・マサチューセッツ総合病院のAlireza Atri 氏らは、AD患者におけるドネペジルとメマンチンの併用療法の有効性と安全性について検討を行った。その結果、両薬剤の併用は統計学的有意かつ臨床的に意義のある効果をもたらし、忍容性も良好であることを報告した。Alzheimer's Research & Therapy誌オンライン版2013年1月21日号の掲載報告。 本研究では、中等度から高度のAD患者および中等度のAD患者において、固定用量のドネペジルにメマンチンを追加した併用療法の有効性と安全性を評価するためPost hocメタアナリシスを行った。固定用量のコリンエステラーゼ阻害薬にメマンチン20mg/日またはプラセボを追加して比較検討した24週間無作為化二重盲検プラセボ対照試験2件の解析を行った。解析対象はMini-Mental State Examination(MMSE)スコア20点未満で、ドネペジル10mg/日による治療を受けている510例。内訳は、中等度から高度のAD患者(MMSE:5~19点、MOD-SEVサブグループ)と中等度AD患者(MMSE:10~19点、MODサブグループ、367例)であった。有効性については、認知、機能および全身状態に関する各尺度を用いて評価した。さらに、有効性に関する3つのドメインと安全性(治療関連有害事象)のベースラインからの低下が同時に認められた場合、これを「顕著な臨床的悪化」として評価した。 主な結果は以下のとおり。・24週時点のMOD-SEVサブグループにおける成績:ドネペジルにメマンチンを追加投与した患者は、プラセボを追加投与した患者と比べて認知(p<0.0001)、機能(p=0.02)、全身状態(p=0.010)が有意に良好で、標準化平均差(SMDs)はそれぞれ0.36、0.21、0.23であった(途中で脱落した症例も解析対象から除外せずに評価)。・24週時点のMODサブグループにおける成績:MOD-SEV サブグループと同様、メマンチンを追加投与した患者は、プラセボを追加投与した患者と比べて認知(p=0.008)、機能(p=0.04)、全身状態(p=0.008)が有意に良好で、SMDs はそれぞれ0.28、0.21、0.28であった。・両サブグループともドネペジルにメマンチンを追加した患者は、プラセボを追加投与した患者と比べて「顕著な臨床的悪化」を認めた患者が有意に少なかった(MOD-SEV:8.7%対20.4%、p=0.0002/MOD:5.9%対15.0%、p=0.006)。・有害事象の発現頻度は両群間で同程度であった。関連医療ニュース ・認知症患者における「せん妄診断」有用な診断ツールは… ・認知症患者に対する抗精神病薬処方の現状は? ・認知症ケアでプライマリケア・リエゾンに求められる3つのポイント

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経口アザチオプリン、難治性小児アトピー性皮膚炎にベネフィットをもたらす可能性

 難治性小児アトピー性皮膚炎に対する経口アザチオプリン(商品名:アザニンほか、アトピー性皮膚炎には適応外)は、ベネフィットがある可能性を、米国・ジョージタウン大学医学部のMaura Caufield氏らが無作為化試験の結果、報告した。欧米ではアザチオプリンは、難治性アトピー性皮膚炎などでステロイドを節減する薬物として処方されるが、小児アトピー性皮膚炎での適正使用とモニタリングについては、前向きデータが限られており、Caufield氏らは、アザチオプリンの治療反応とモニタリングのあり方について検討した。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年1月号(オンライン版2012年8月11日号)の掲載報告。 研究グループは、アザチオプリンの治療反応を評価し、治療中にTPMT(thiopurine methyltransferase)活性を繰り返し測定することの必要性、および6-チオグアニンヌクレオチド(6-TGN)ならびに6-メルカプトプリン(6-MP)の代謝レベルの測定が有用であるかについて調べた。 重症難治性アトピー性皮膚炎の小児を対象に、経口アザチオプリンを投与し、前向きに追跡。疾患重症度は、SCORing AD指数によって判定した。 TPMTはベースラインで測定した後、症状の改善や十分な効果が得られない場合、あるいは治療反応が認められた場合に、6-TGNや6-MPとともに繰り返し測定した。 主な内容は以下のとおり。・被験児は12例であった。・アザチオプリン治療は、1例を除いた全患者の臨床的改善と関連していた。・有害事象はほとんどみられなかった。・3例では、治療中のTPMT活性に有意な変化がみられた。そのうち2例は軽度な低下を示し、1例は中間値から標準値へと増大する酵素誘導性を示した。・一方、こうした変化(臨床的効果と逆相関を示すような変化)は、6-TGNあるいは6-MP値ではみられなかった。・著者は、本試験が小規模であり限界があるとした上で、「難治性小児アトピー性皮膚炎治療において、アザチオプリンはベネフィットがある可能性が示された」と結論。また、「TPMT活性の反復評価が治療未反応あるいは反応の評価に有用であり、さらなる試験の根拠となりうる。対照的に、治療期間中のチオプリン代謝活性の測定は臨床的に役立たなかった」と報告した。

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経口マルチキナーゼ阻害薬レゴラフェニブ、難治性GISTの予後を改善:GRID試験/Lancet

 標準治療で病勢が進行した切除不能または転移性消化管間質腫瘍(GIST)の治療において、レゴラフェニブ(承認申請中)はプラセボに比し無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが、米国ダナファーバーがん研究所のGeorge D Demetri氏らの検討で示された。これまでに、GISTに対する有効性が証明された薬剤としてイマチニブとスニチニブがあるが、転移性GISTのほとんどは最終的にこれらの薬剤に抵抗性となり、致死的な病勢の進行をきたす。レゴラフェニブは新規の経口マルチキナーゼ阻害薬で、腫瘍の血管新生(VEGFR1-3、TEK)、発がん(KIT、RET、RAF1、BRAF、BRAFV600E)、腫瘍の微小環境(PDGFR、FGFR)の調整に関与するプロテインキナーゼの活性を遮断するという。Lancet誌2013年1月26日号(オンライン版2012年11月22日号)掲載の報告。標準治療抵抗性例に対する有用性をプラセボ対照無作為化試験で検討 GRID(GIST—regorafenib in progressive disease)試験は、イマチニブとスニチニブを含む治療後に病勢が進行した切除不能または転移性のGIST患者におけるレゴラフェニブの有効性と安全性を評価する国際的な多施設共同プラセボ対照無作為化第III相試験。 日本を含む17ヵ国57施設から、組織学的にGISTが確証され、イマチニブとスニチニブを含む治療後に病勢が進行した切除不能または転移性の病変を有し、PS(ECOG)0~1の症例が登録された。これらの患者が、レゴラフェニブ160mg/日(経口投与)と最善の対症療法(BSC)を施行する群またはプラセボとBSCを行う群に2対1の割合で無作為に割り付けられた。治療は、3週投与1週休薬の4週を1コースとして、病勢進行、許容できない毒性、患者の希望による中止となるまで継続することとした。 主要評価項目はPFSであった。治療割り付け情報は、試験資金出資者、患者、担当医にはマスクされたが、プラセボ群の患者が病勢進行した場合は、非盲検下にレゴラフェニブにクロスオーバーすることとした。PFSが有意に73%改善 2011年1月4日~8月18日までに199例が登録され、レゴラフェニブ群に133例(年齢中央値:60歳、男性:64%、PS0:55%、3ライン以上の全身治療歴:44%、18ヵ月以上のイマチニブ治療歴:67%)が、プラセボ群には66例(同:61歳、64%、56%、41%、83%)が割り付けられた。 データのカットオフは2012年1月26日。プラセボ群の56例(85%)が病勢進行によりレゴラフェニブ群にクロスオーバーされた。 独立中央審査委員会判定によるPFS中央値は、レゴラフェニブ群が4.8ヵ月と、プラセボ群の0.9ヵ月に比べ有意に改善した[ハザード比(HR):0.27、95%信頼区間(CI):0.19~0.39、p<0.0001]。担当医判定によるPFS中央値もレゴラフェニブ群7.4ヵ月、プラセボ群1.7ヵ月(HR:0.22、95%CI:0.14~0.35、p<0.0001)と有意差を認め、プラセボからレゴラフェニブにクロスオーバーされた56例のPFS中央値は5.0ヵ月だった。 全生存期間(OS)中央値は両群間に有意な差はみられなかった(HR:0.77、95%CI:0.42~1.41、p=0.199)。 治療関連有害事象は、レゴラフェニブ群の98%(130/132例)、プラセボ群の68%(45/66例)に認められた。最も高頻度にみられたGrade 3以上のレゴラフェニブ関連有害事象は、高血圧23%(31/132例)、手足症候群20%(26/132例)、下痢5%(7/132例)であった。 著者は、「標準治療で病勢が進行した転移性GIST患者の治療において、レゴラフェニブの経口投与はプラセボに比べPFSを有意に改善した」とまとめ、「われわれの知る限り、本試験は高度に難治性のGIST患者の治療においてキナーゼ阻害薬のベネフィットを確認した初めての臨床試験である」と報告している。

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大企業が考える従業員のヘルスケア-企業の健康戦略

12月8日(土)慶應義塾大学・信濃町キャンパスにおいて山本雄士氏(株式会社ミナケア 代表取締役)主催による「山本雄士ゼミ」の第8回(後期第3回)が開催された。今回はケーススタディに「Pitney Bowes: Employer Health Strategy」(ピッツニーボウズの健康戦略)を取り上げ、ディスカッションを行った。山本雄士ゼミは、ハーバード・ビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得した山本氏をファシリテーターに迎え、ケーススタディを題材に医療の問題点や今後の取り組みをディスカッションによって学んでいく毎月1回開催のゼミである。アメリカに本社をおく「ピッツニーボウズ」(以下、PBと略す)は、郵便・書類の管理サービス会社として130カ国で事業を展開。従業員は全世界で36,000人、年間売上高は60億ドルの大企業である。うちアメリカ国内の従業員(26,000人)は、4つのグループ(本社勤務、外勤社員等)に分類されて、会社が負担する医療保険等で区分けがなされている。従業員の医療関連での負担支出をみると、医療費1億5千万ドル以上を負担、これを減らすべくさまざまな健康プログラムを用意し、従業員の健康確保と支出削減を考えている。今回は、この取り組みをメインテーマとしてゼミを行った。従業員の病気がもたらす企業への影響はじめにPBの概要を確認したうえで、山本氏より「なぜPBは健康への取り組みを始めたのか?」という問いが発せられた。これに対しゼミ生より、「業務パフォーマンス向上のため」や「コストスコア圧縮のため」、「組織の人的資産の維持」などの回答が寄せられた。これらを受けて、アメリカの企業の一般的な医療保険の概要が説明され、日本と異なり、企業はかなり自由に医療保険の契約交渉ができること、従業員にとって医療保険は非常に大きな福利厚生で労働のインセンティブとなっていることが解説された。PBは、実際に過去、疾病リスクの高い集団を特定し、これに対応するため保険商品を再契約したりするなどしてコスト削減を行ったことが紹介された。続いて山本氏から「あなたが、PBのCEOだとして会社の健康戦略をコスト削減も含めてどう推進するか?」とアイデアを募って話しが進められ、PBが実践した従業員への健康管理の取り組みについてふれた。最後に山本氏より、「アメリカでは医療保険の契約内容により受ける医療に差がでる仕組みで、きちんとアウトカム評価をしているためにこうしたことができる。日本でも企業が医療保険の費用を負担している以上、こうした何か評価できる指標が必要ではないか!」と問題を提起し、今回のゼミを終えた。

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地域でのケア移行、改善介入で不必要な入院が減少/JAMA

 米国メディケア患者は治療移行の間に、不必要な再入院など害悪をもたらす過失に見舞われているという。Colorado Foundation for Medical CareのJane Brock氏らケア移行プロジェクトチームは、ケア移行改善の介入によってメディケア診療報酬支払対象患者の再入院や入院が低減するのかを検証した。JAMA誌2013年1月23日号の掲載報告。14介入地域と50対照地域の比較で、ケア移行改善介入の効果を検討 研究グループは、14の介入地域と50の対照地域について、ケア移行改善実施前(2006~2008年)と実施以降(2009~2010)について、メディケア受給者1,000人当たりの全要因30日再入院率を主要アウトカムとして検討を行った。副次評価項目は、同30日入院率と、全要因30日再入院率/退院率などを含んだ。 14介入地域群のメディケア受給者は、地域により2万2,070人~9万843人にわたった。 介入は、質改善委員会(QIO)が地域組織によるエビデンスベースの改善策が実行しやすいよう技術協力を行い、参加者、実行力、有効性と有害反応のモニタリングを行った。全要因30日再入院率、同入院率は介入により減少 結果、全要因30日再入院率(1,000受給者当たり)は、介入地域群では介入前は15.21であったが介入後は14.34に、対照地域群ではそれぞれ15.03、14.72であった。両群の介入前後の変化の差は0.56/1,000/1地域(95%信頼区間:0.05~1.07、p=0.03)で、介入地域群のほうが再入院率が大きく減っていた。 入院率については、介入地域群では介入前82.27、介入後77.54であり、対照地域群では82.09、79.48であった。両群の介入前後の変化の差は2.12/1,000/1地域(95%信頼区間:0.47~3.77、p=0.01)で、介入地域群の入院率のほうが大きく減っていた。 退院率に対する再入院率の平均値は、介入地域群では介入前18.97%、介入後18.91%であった。対照地域群は18.76%、18.91%で、両群の介入前後の変化に有意差は認められなかった(0.22%、95%信頼区間:-0.08~0.51、p=0.14)。 プロセスコントロールチャートにより、改善は介入直後に始まったことが確認できた。

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大腸がん患者の生存率とウオーキングなどの活動時間との関連

 がんの治療中や治療後の運動が安全で忍容性があることは、ランダム化試験により報告されている。しかし、大腸がんにおけるレクリエーション的な身体活動(ウオーキング、ジョギング、テニス、サイクリングなど)と生存率の関連は明らかではない。米国のPeter T Campbell氏らは、大腸がん患者の身体活動時間と余暇を座って過ごす時間について、死亡率との関連を調査した。その結果、身体活動時間が長いと死亡率が低く、座って過ごす余暇時間が長いと死亡のリスクが高くなることを報告した。Journal of clinical oncology誌オンライン版2013年1月22日号に掲載。 著者らは、1992~1993年のベースライン時に大腸がんではなかった成人の集団から、2007年半ばまでに侵襲的非転移性大腸がんと診断された2,293例を同定した。彼らに、がん診断前(ベースライン時)とがん診断後に、レクリエーション的な身体活動時間と座って過ごす余暇時間を含む詳細なアンケートを行った。 主な結果は以下のとおり。・大腸がん診断後の追跡期間中(最長16.1年)、846例が死亡し、うち大腸がんによる死亡は379例であった。・レクリエーション的な身体活動が8.75 MET(metabolic equivalent)時間/週以上(ウオーキングに換算して約2.5時間/週以上)の群では、3.5MET時間/週以下の群に比べて、すべての原因による死亡率が低かった(診断前の身体活動:相対リスク[RR] 0.72、95%CI 0.58~0.89、診断後の身体活動:RR 0.58、95%CI 0.47〜0.71)。・座って過ごす余暇時間が6時間/日以上の群では、3時間/日未満の群と比較して、すべての原因による死亡率が高かった(診断前の座っていた時間:RR 1.36、95%CI 1.10~1.68、診断後の座っていた時間:RR 1.27、95%CI 0.99~1.64)。

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ウステキヌマブ、尋常性乾癬患者のBMI値を上昇させない

 慢性尋常性乾癬患者の治療において、ウステキヌマブ(商品名:ステラーラ)投与を受けた患者は、インフリキシマブ(同:レミケード)治療を受けた患者と比べてBMI値が上昇しなかったことが、イタリア・ヴェローナ大学のP. Gisondi氏らによる前向きコホート研究の結果、示された。同疾患患者では、肥満症など代謝障害がみられる頻度が高い。体重増加は、抗TNF-α治療が引き起こしている可能性が指摘されていたが、一方でIL-12/23阻害薬であるウステキヌマブについて体重への影響は明らかではなかった。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年1月16日号の掲載報告。 本研究は、ウステキヌマブが慢性尋常性乾癬患者のBMI値の変化と関連するかを調べることを目的とした前向き多施設共同研究である。 ウステキヌマブ治療を受ける群とインフリキシマブ治療を受ける群の、7ヵ月間のBMI値の変化について比較した。 主な内容は以下のとおり。・ウステキヌマブ治療群は79例、インフリキシマブ治療群は83例であった。・インフリキシマブ治療群はウステキヌマブ群と比較して7ヵ月後に、BMI値(平均±SD:2.1%±4.5 vs. 0.1%±3.3)、体重(同:2.5kg±3.3 vs. 0.6kg±1.1)の有意な上昇が認められた(いずれもp<0.001)。・2%以上BMI値が上昇した被験者は、インフリキシマブ治療群は45%であった。これに対してウステキヌマブ群は11%であった(p=0.01)。・多変量解析において、インフリキシマブの使用を除いたその他の臨床的指標はいずれもBMI値上昇の予測因子であった。・7ヵ月時点で、ベースラインからの改善50%達成(PASI 50)の割合は、インフリキシマブ治療群96%、ウステキヌマブ治療群82%であった。同75%達成(PASI 75)は、それぞれ69%、58%であった。両群間においてPASI 50とPASI 75の達成率に差は認められなかった。・著者は上記の結果を踏まえて、「両治療群のBMI値上昇の差は、両治療のバイオロジックの違いによる可能性がある」と結論している。

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妊娠中のH1N1インフルエンザワクチン接種、発症リスクを7割減/NEJM

 妊娠中の2009インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染症パンデミックの罹患は、胎児死亡リスクを約2倍増大する一方、妊娠中に同ワクチンを投与した人では、インフルエンザを発症した人の割合は約7割少なかったことが報告された。ノルウェーのNorwegian Institute of Public HealthのSiri E. Haberg氏らが、H1N1ウイルスが流行した2009~2010年に妊娠中だった女性12万人弱について行った試験で明らかにしたもので、NEJM誌2013年1月24日号(オンライン版2013年1月16日号)で発表した。2009パンデミックでは、ワクチン接種後に胎児死亡が散発的に報告されたことで、妊婦へのワクチン接種の安全性について懸念が持ち上がっていた。胎児死亡率は1,000児中4.9児 研究グループは、ノルウェーの全国登録名簿などを用いて、2009~2010年に妊娠中だった11万7,347例について調査を行った。被験者のインフルエンザワクチン接種の有無、出産アウトカム、パンデミック前後や期間中の状況などについて調べ、Cox回帰モデルを用いて、H1N1ウイルス感染やワクチン接種と胎児死亡率についての関連を分析した。 その結果、胎児の死亡は570例で、胎児死亡率は1,000例中4.9だった。被験者のうち単胎妊娠は11万3,331人で、そのうち胎児の死亡は492例(1,000例中4.3)だった。妊婦のワクチン投与で発症リスクは7割減、胎児死亡リスク減少では有意差みられず パンデミック期間中に妊娠第2・第3期だった妊婦は4万6,491例で、そのうちインフルエンザワクチン接種を受けた人の割合は54%だった。 妊娠中のインフルエンザワクチン投与は、インフルエンザ発症率を約7割減少した(補正後ハザード比:0.30、95%信頼区間:0.25~0.34)。 妊婦のうちインフルエンザの臨床的診断を受けた人では、胎児死亡率は約2倍に増大した(補正後ハザード比:1.91、同:1.07~3.41)。 妊娠中のワクチン投与によって、胎児死亡リスクは減少する傾向が認められたものの、有意差は認めらなかった(補正後ハザード比:0.88、同:0.66~1.17)。 これらの結果を踏まえて著者は、「ワクチン接種自体は胎児死亡とは関係がない。むしろパンデミック期間中のインフルエンザ関連の胎児死亡リスクを低減する可能性がある」と結論した。

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抗うつ薬を使いこなす! 種類、性、年齢を考慮

 抗うつ薬の血中濃度は種類ごとに、性および年齢の影響を有意に受けている。このことが、ドイツ・ヴュルツブルク大学病院のS. Unterecker氏らによる自然条件下にて評価した治療薬物モニタリング(TDM)の結果、明らかにされた。抗うつ薬のTDMデータの評価は多くの場合、精神疾患の既往や身体的合併症のない均一サンプルを選択して行われており、日常診療では限界を有する可能性があることから、研究グループは自然条件下にての評価を行った。Journal of Neural Transmission誌オンライン版2012年12月20日号の掲載報告。 研究グループは、自然条件下にて抗うつ薬のTDMデータを評価し、すべての臨床的関連を明らかにすることを目的とした。TDM解析はレトロスペクティブの手法にて、2008~2010年の3年間を対象とし、標準的な臨床設定における抗うつ薬の用量補正後血中濃度について、性と年齢の影響を調べた。 主な結果は以下のとおり。・TDM解析に組み込まれたサンプルおよび数は下記であった。  アミトリプチリンとノルトリプチリン(AMI+NOR)693例  シタロプラム(CIT)160例  クロミプラミンとN-クロミプラミン(CLO+N-CLO)152例  ドキセピンとN-ドキセピン(DOX+N-DOX)272例  エスシタロプラム(ESC)359例  フルオキセチンとN-フルオキセチン(FLU+N-FLU)198例  マプロチリン(MAP)92例  ミルタザピン(MIR)888例  セルトラリン(SER)77例・女性では、AMI+NOR(32%)、CIT(29%)、DOX+N-DOX(29%)、MIR(20%)の用量補正後血中濃度が有意に高かった。・60歳超では、AMI+NOR(21%)、CIT(40%)、DOX+N-DOX(48%)、MAP(46%)、MIR(24%)とSER(67%)の用量補正後血中濃度が有意に高かった。・両方の極値群の比較において、女性60歳超群の用量補正後血中濃度が、男性60歳以下群と比較してAMI+NOR(52%)、CIT(78%)、DOX+N-DOX(86%)、MIR(41%)と顕著に高いことが示された。・抗うつ薬の血中濃度は種類ごとに、性および年齢の影響を有意に受けており、相加効果を考慮しなければならない。・TDMは、自然な臨床設定下でも高用量治療による副作用リスクを低下するために推奨される。関連医療ニュース ・【ポール・ヤンセン賞2012】うつ病に対するミルタザピンvs他の抗うつ薬 ・SSRI、インスリン抵抗性から糖尿病への移行を加速! ・【学会レポート】抗うつ効果の予測と最適な薬剤選択

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過去半年間にヒヤリ・ハットを経験した医師は60%以上

 昨年12月の日本医療機能評価機構の発表によると、同年7-9月の四半期に報告を受けた医療事故情報が2004年10月に分析を始めて以降、過去最多の814件だったという。ケアネットが行った、ケアネット・ドットコム会員の医師1,000人に対して行ったアンケート調査では、医師の約64%が半年以内にヒヤリ・ハットを経験していることがわかった。アンケート結果の詳細は、5日に報告した。 調査は2013年1月17日~18日に、インターネット上で実施したもの。有効回答数は1,000件。 日々の診療でのヒヤリ・ハットの経験頻度について尋ねたところ、『週に一度』(5.7%)『月に一度』(26.3%)を合わせ3人に1人が月に一度以上は何らかの形でヒヤリ・ハットに遭遇していると回答した。一方『なし』とした医師は全体の14.4%。内容別では『薬剤の処方・投与』『治療・処置』『転倒・転落』と続くが、「報告は形式的で成果が上がっていない。誤薬と転倒のみが表立っていて、もっと問題視すべき事象は表に出ないまま」「報告数を増やすため些細なものも報告している」などの他、「“報告すること”が目的化してしまい、有効な対策の検討にはつながっていない」といった声も挙がった。 さらに、ヒヤリ・ハットに遭遇した場合の報告の有無について尋ねると、全体の41.1%が『全て報告する』と回答。その他の医師の“報告しない理由”として、『レポート作成に手間がかかるため』46.0%、次いで『院内に報告の仕組みがないため』『報告しても事故予防に役立たないと思うため』と続く。『責任追及される、評価・懲罰に関わるため』とした医師は全体の2.2%。しかしその内訳は勤務施設によって異なり、診療所・クリニックにおいては『報告の仕組みがない』が約6割に上った。 また、報告が防止策につながっているのか、責任追及や懲罰についてなど、具体的なエピソードも、あわせて公開した。「ヒヤリ・ハット」、先生は報告してますか?記名or匿名?電子or紙?実態大公開http://www.carenet.com/enquete/dr1000/024.html

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日本で行われたARBの大規模試験に関する論文が撤回

 1日、欧州心臓病学会の学会誌であるEuropean Heart Journal誌の編集者らは、KYOTO HEART Studyに関する主要論文を同誌から撤回したと発表した。KYOTO HEART Studyは、日本人のハイリスク高血圧患者を対象にARBバルサルタンの追加投与による心血管イベントに対する有用性を検討した大規模臨床試験。編集者らは撤回理由について「この論文に発表されたデータの一部に重大な問題があった」としている。European Heart Journalhttp://eurheartj.oxfordjournals.org/content/early/2013/02/04/eurheartj.eht030.full KYOTO HEART Studyについては、昨年12月にもサブ解析結果に関する論文2報が、日本循環器学会の学会誌であるCirculation Journal誌から撤回されていた。

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「ヒヤリ・ハット」、先生は報告してますか?記名or匿名?電子or紙?実態大公開

診療中、検査中、手術中、「おっと危ない」と心のなかでつぶやいたこと、ありませんか?「ひょっとしてとんでもない事態になっていたかも」と大汗をかいても、喉元過ぎれば…でまた繰り返してしまったり。最近は「とにかく報告をあげろ」という病院も増えているようですが、果たして防止策につながっているのか?責任追及や懲罰は?具体的なエピソードと共に、一挙公開します!コメントはこちら結果概要3人に1人が月に一度以上ヒヤリ・ハットを経験、最も多いシーンは『薬剤の処方・投与』日々の診療でのヒヤリ・ハットの経験頻度について尋ねたところ、『週に一度』(5.7%)『月に一度』(26.3%)を合わせ3人に1人が月に一度以上は何らかの形でヒヤリ・ハットに遭遇していると回答。一方『なし』とした医師は全体の14.4%。内容別では『薬剤の処方・投与』『治療・処置』『転倒・転落』と続くが、「報告は形式的で成果が上がっていない。誤薬と転倒のみが表立っていて、もっと問題視すべき事象は表に出ないまま」「報告数を増やすため些細なものも報告している」などの他、「“報告すること”が目的化してしまい、有効な対策の検討にはつながっていない」といった声も挙がった。経験医師の約6割が『報告しないことがある』、最も多い理由は『レポート作成が手間』そうしたケースに遭遇した場合の報告の有無について尋ねると、全体の41.1%が『全て報告する』と回答。その他の医師の“報告しない理由”として、『レポート作成に手間がかかるため』46.0%、次いで『院内に報告の仕組みがないため』『報告しても事故予防に役立たないと思うため』と続く。『責任追及される、評価・懲罰に関わるため』とした医師は全体の2.2%。しかしその内訳は勤務施設によって異なり、診療所・クリニックにおいては『報告の仕組みがない』が約6割に上った。報告システムの電子化進むが、「かえって面倒」との声も施設の報告体制・安全対策として、4割近い医師が『スタッフ用マニュアル』『定期会議での検討・分析』『研修・セミナー』があると回答。当事者を明らかにするか否かについては、『記名式』35.5%、『匿名式』17.2%であった。報告手段については『紙ベース』44.9%、『電子化された報告システム』32.3%となったが、電子化システムの導入について施設別に見ると、一般の病院では26.5%だったのに対し、参加登録申請医療機関では60.2%、報告義務医療機関では70.1%となった。しかし前述の“報告しない理由”で『レポート作成が手間』とした医師は、報告義務医療機関では66.3%に上り「紙ベースの時のほうが報告しやすかった」「面倒なシステムだと、文化以前の段階で敬遠されてしまう」といった声も見られた。設問詳細ヒヤリ・ハットおよびその報告についてお尋ねします。昨年12月21日のCB医療介護ニュースによると、『日本医療機能評価機構は20日、今年7-9月の四半期に報告を受けた医療事故情報が、同機構が医療事故情報収集・分析・提供事業を始めた2004年10月以降で最多の814件だったことを明らかにした。(中略)同機構によると、9月末現在、報告が義務付けられている国立病院や特定機能病院など「報告義務対象医療機関」は273施設で、自主的に事業に参加している「参加登録申請医療機関」は637施設。7-9月は、157施設の報告義務対象医療機関から計726件、29施設の参加登録申請医療機関から計88件が報告された。同機構の担当者は、前年の報告数が約2800件に上ったことや、今回、四半期としての記録を更新したことから、「事故を報告する文化が定着しつつあるのではないか」と話している(略)』とのこと。医療事故につながる事例として「ヒヤリ・ハット」あるいは「インシデント」があります。日本医療機能評価機構による「ヒヤリ・ハット」の定義は以下です。(1)医療に誤りがあったが、患者に実施される前に発見された事例。(2)誤った医療が実施されたが、患者への影響が認められなかった事例または軽微な処置・治療を要した事例。ただし、軽微な処置・治療とは、消毒、湿布、鎮痛剤投与等とする。(3)誤った医療が実施されたが、患者への影響が不明な事例。そこで先生にお尋ねします。Q1.日々の診療におけるヒヤリ・ハットのご経験について過去1年間で最も近い頻度をお選び下さい。週に一度月に一度半年に一度年に一度なし(Q1で「なし」を選んだ方以外)Q2.どのような場面でヒヤリ・ハットを経験しましたか?当てはまること全てをお選び下さい。治療・処置薬剤の処方・投与ドレーン・チューブ類の使用転倒・転落検査医療機器の使用輸血その他(Q1で「なし」を選んだ方以外)Q3.経験したヒヤリ・ハットへの報告の有無についてお答え下さい。全て報告している報告しないことがある全く報告しない(Q3「全て報告している」を選んだ方以外)Q4.報告しない理由について最も当てはまるものをお選び下さい。レポート作成等に手間がかかるため責任追及されるあるいは評価・懲罰に関わるため報告しても事故予防に役立たないと思うため院内に報告の仕組みがないためその他Q5.ご勤務施設のヒヤリ・ハット報告体制、および医療安全対策について当てはまることを全てお選び下さい。電子化された報告システムを導入している報告書は紙ベースである報告は匿名式である報告は記名式である報告されたヒヤリ・ハットに関し定期的な会議にて検討・分析している報告件数・内容などが集計され院内に発表される医療安全に関わる研修・セミナーを実施しているスタッフ用医療安全マニュアルがある上記全て当てはまらないQ6. コメントをお願いします(具体的なエピソード、防止策、報告に関する勤務施設内での対応方針、報告したことによる評価・責任追及・懲罰の有無、その他ご意見など何でも結構です)F1. 先生が勤務されている施設を以下からお選び下さい。おわかりにならない先生は「上記以外」からお選び下さい。「報告義務医療機関」とは国立高度専門医療センター及び国立ハンセン病療養所独立行政法人国立病院機構の開設する病院学校教育法に基づく大学の付属施設である病院(病院分院を除く)特定機能病院「参加登録申請医療機関」とは上記以外で医療事故情報収集等事業の参加に希望する医療機関報告義務医療機関参加登録申請医療機関上記以外の病院(20床以上)上記以外の一般診療所・クリニック(19床以下)その他F2. 年代F3. 診療科2013年1月17日(木)~18日(金)実施有効回答数1,000件調査対象CareNet.com会員コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「報告自体が医師の負荷を増しているのが悩ましい」(40代,内科,上記以外の病院)「同じような失敗が性懲りもなく繰り返されるが、対策を立てると減少する事例、患者サイドの要因が大きくなかなか減少しない事例がある。」(40代,脳神経外科,上記以外の病院)「報告システムはあるが形式的で結局なにも成果があがっていない。 誤薬と転倒のみが表立っていてもっと問題とするべき事項は表に出ないまま終わっている」(50代,神経内科,報告義務医療機関)「薬剤名の間違い(電子カルテで上下の段にある薬を誤って処方してしまう)がほとんど」(60代以上,耳鼻咽喉科,上記以外の一般診療所・クリニック)「他職種のヒヤリハットであっても、全て医師が患者や家族に説明する体制になっていてなんとなく腑に落ちないときがある」(40代,精神・神経科,上記以外の病院)「どの程度から報告したらよいか悩むことがある。今回、報告しなかったのは子どもが診察室の椅子で暴れて落ちそうになったことであり、ヒヤリハットの定義に当てはまらないと思われるが、転落してケガをしたら報告しなくてはならない。小児科であり、今回と同様のことをすべて報告していたらきりがない。以前の病院では、名前を伏せたレポートを冊子化しており、“こんなことが起こりうるのか”“このように注意したらよいのか”など参考になることがあった。レポートを提出することで注意されたり非難されたりしたことは一切なかったので、その環境はレポートを提出しやすくなるので大切」(60代以上,小児科,上記以外の病院)「ただ単に報告するだけでは、重大事故は防げないと思う。重大事故が既に過去に生じているから「ヒヤリ・ハット」と認識できるのであり、それだけでは新たな重大事故防止に不十分であると思うからです。報告することが目的のように勘違いされている風潮があります。重大事故を想像・想定する一歩進めたKYT(危険予知トレーニング)をもっと重視するべき」(50代,外科,上記以外の病院)「エピソードの報告があっても、原因・対応策の真剣な取り組みが見られないし、指導する者が居ない」(60代以上,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「医師は本来業務が煩雑で、ヒヤリ・ハットが多いが、忙しすぎていちいち報告できないのが現状」(40代,内科,上記以外の病院)「インシデント・アクシデントの報告は病院にとって宝であり、原則責任追及や懲罰はなく、特に発見者や対応策の提示者には表彰があります。」(40代,内科,上記以外の病院)「ピリン禁忌の患者にピリン系薬剤を処方し薬剤師より注意された。」(40代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「電子カルテを最近導入したが,処方の際に小数点が落ちてしまったり,前回処方をコピーしようとして 前々回の処方をコピーしたりすることがある。電子カルテの操作性や,日付順に記載内容が表示されない など,電子カルテそのもののできが悪いとしか言いようがない。」(50代,小児科,報告義務医療機関)「昔なら問題にすらならないようなことまで、問題にされる傾向である。」(50代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「事故を起こした個人の責任とせず、組織で再発防止を考える最近の流れに、大いに賛成しています。 昔は、ひどかった・・・。」(40代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「ミスは誰にでもあるので、個人的な責任を問わないという姿勢も大事だとは思うが、明らかにミスを繰り返す傾向のある人もいる。その人に対して、どう対応すればいいのか?」(50代,小児科,上記以外の病院)「事故を報告する文化の醸成が重要、文化のないところにシステムを構築しても機能しないのではないかと思う。それと、報告システムの手間の軽減策、あまりに面倒なシステムだと、それが足かせとなって文化以前の段階で敬遠されてしまう。」(50代,消化器科,報告義務医療機関)「後日、重要なものについては医療安全管理室から事情聴取がある。」(60代以上,麻酔科,その他)「codeblueの館内放送が流れない部屋があったり、ブレーキの壊れた車椅子で院外に出た患者が危うく交通事故に合いそうになったりなど。」(60代以上,救急医療科,その他)「対策はしても責任追及はしない。あまりに報告が少ない部署は、むしろ要注意。」(50代,整形外科,上記以外の病院)「オカーレンスレポートを提出した事がありますが、某教授から退職するように強要されました。責任を追及しないなんて全くの嘘ですので。」(50代,循環器科,上記以外の一般診療所・クリニック)「責任追及ではないので、報告することで病院機能改善の方向に向かうと考えている。」(50代,耳鼻咽喉科,参加登録申請医療機関)「自身も含めインシデント・アクシデントの報告・連絡・相談は思うように行かない・・というのが実感」(40代,内科,上記以外の病院)「玄関前が凍結しており、患者が転倒することがあった。打撲程度であり、患者家族にも理解をしてもらえた。それ以後、翌朝凍結が予想されるときには診察終了時に玄関前に凍結防止剤(塩)を散布し、朝には湯をかけて凍結転倒しないよう配慮している。」(50代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「報告件数・内容などが集計され院内に発表され対策会議にて再発予防策を策定しています。」(50代,泌尿器科,上記以外の病院)「自分自身、規格違いの内服薬の誤処方、静注薬の過量投与などを起こしたことがあるが、インシデントが起きたことを患者に説明すると、院長名の文書で具体的な改善策を求められ、患者側の意識が以前より高くなっていると感じる。当院ではレベル3b以上では、緊急に医療安全管理委員会が開かれて対応を協議している。報告は原則として安全管理システムの向上を目的としており、当事者の責任追及や懲罰はなされないのが通常の対応であるが、分析によって明らかに当事者個人の対応に問題があった場合はあり得る。」(50代,小児科,参加登録申請医療機関)「以前勤めていた病院で、手術中のエピソード(腰椎麻酔下での血圧低下と一過性の呼吸抑制のため一時術野から手をおろし対応)を報告したら、現場を知らない事務方に医療事故対応をとられる寸前のところだった。県立大野病院の事件の直後の頃である。ヒヤリ・ハットの報告も大事だが、関わるすべての人にきちんと責任をもってもらいたい。」(40代,産婦人科,上記以外の一般診療所・クリニック)「絶対ベッド上安静の患者(認知症なし)が勝手にベッドから降りようとして転倒した。 少ないスタッフでの看護にも限界あり。」(40代,整形外科,上記以外の病院)「外来での処方忘れや、看護師への細かい指示の行違い等、報告しているとキリがない。これらを無くすることは現実的には無理だと思う。 報告すべき事例と、しなくても良い事例の線引きが困難である。 」(40代,循環器科,報告義務医療機関)「ヒヤリハットの範囲が不明確である。処方での入力ミス(非危険薬):用法用量などがキーの入力ミスで 入力後気づく、あるいは薬剤師からの疑義解釈で気づくなどの場合、ヒヤリハットといえるか必ずしも明確でない(手書きでは起こらないことが電カルでは頻繁に起こる)。」(60代以上,リウマチ科,上記以外の病院)「電子カルテシルテムの様式が煩雑でハードルが高い」(50代,眼科,参加登録申請医療機関)「無床クリニックでの安全体制って、皆様いかが取り組んでいらっしゃるのか、知りたいところです。」(40代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「研修医は直属の上司がはっきりしないため、報告システムが確立していない。」(30代以下,内科,報告義務医療機関)「よく似た名前の患者は、呼名で確認しても患者がハイと返事するので困った。番号で呼ぶのが良いかもしれない。」(50代,腎臓内科,上記以外の病院)「定期的に発信していかないと、報告数が減少してしまいます。報告者への責任や懲罰はありませんが、個別にはいろいろともめる原因になっているようです。」(40代,産婦人科,参加登録申請医療機関)「日常業務に差し支えのない程度の簡単な報告様式にするか、事務が書いてくれるなどしてくれるといいのだが。」(30代以下,産婦人科,報告義務医療機関)「外来処方時の日数間違えなどは登録していません。 入院中の点滴オーダー忘れや検査で有害事象が起きたときはすべて報告しています。」(30代以下,循環器科,その他)「当院では報告しても周囲に報告やお知らせなどせず、反映されていない」(40代,整形外科,報告義務医療機関)「もっと簡単なフォーマットになっていればいいと思います。」(40代,その他,報告義務医療機関)「うちの施設では、犯人探しになってしまうことが多い」(40代,呼吸器科,上記以外の病院)「電子カルテになって、電子化された報告システムになったが、紙ベースのときの方が報告しやすかった」(50代,外科,上記以外の病院)「懲罰はないが、あまりにひどい場合には依願退職した人もいる。」(60代以上,放射線科,参加登録申請医療機関)「報告による評価・責任追及・懲罰の有無はないとされているが、長期的に見た場合、全くヒヤリハット報告がない医師と、正直にすべて報告した医師とで、本当に評価の差が無いのか不安。」(30代以下,小児科,その他)「報告はある程度保存したあとは、残さないというルールでなければ報告は増えないと思います。」(40代,整形外科,上記以外の病院)「どこの病院でも医師からのインシデントレポート(ヒヤリ・ハット)は少ない。関係者が複数の場合、だれが報告を上げるかでも病院幹部の考え方が違っており統一されていない点が問題である。医療評価機構などが報告数を上げることを目的にしているように医師には思えてくるのではないか?真の医療の質の向上に結びついているという実感がないことが多いため報告しない可能性が高いと思う。」(50代,小児科,参加登録申請医療機関)「安全に対する対策費の増額が必要であるが、現状の医療環境の中で捻出が困難」(50代,消化器科,その他)「ワクチンの打ち間違えは痛かった。院長である以上、スタッフ全員に目を配らなければ。」(50代,小児科,上記以外の一般診療所・クリニック)「看護師による誤投薬で責任を取らされたことがあり腑に落ちない」(30代以下,呼吸器科,上記以外の病院)「処方箋の記入間違いがどうしても減らず困っています。」(50代,内科,参加登録申請医療機関)「医者は基本的にインシデント報告をしない人が多い気がします」(30代以下,精神・神経科,報告義務医療機関)「報告により責任追及は行われないことになっているが、誰が見ても防げる単純なミスなどはみっともないと思われるのは通常。どこまでを報告範囲とすべきか、決まっていないものもあり、手術時間の延長についても報告されない場合とされる場合がある」(40代,外科,報告義務医療機関)「MRM委員会と事例検討会が毎月開催されています。」(40代,呼吸器科,その他)「ヒューマンエラーは決してゼロにはならないとの観点から、ヒヤリハットの報告システムは重要と考える。しかし、報告したことや情報を収集したことで満足し、業務内容の改善等に生かされないのであれば意味がない。」(40代,血液内科,報告義務医療機関)「外来診察で高度の認知症のある別の患者が入室したことがあったが、診察終了までそれに気がつきませんでした。」(30代以下,皮膚科,報告義務医療機関)「病院首脳でヒヤリハット会議に出席しているメンバーに、ヒヤリハット事例の常連メンバーがおり、会議自体が形骸化している」(40代,内科,参加登録申請医療機関)「医師からの報告が少ないので、数字を増やすため、些細なものも報告している」(50代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「報告しても、防ぐ手立てがないものが多い。今後、お互いに気をつけましょうで終わってしまう。」(50代,精神・神経科,上記以外の病院)

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