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患者・家族とのトラブル、どう解決すべき!? 2017年“モンスターペイシェント”事情

“モンスターペイシェント”という言葉が使われるようになって久しいですが、診療で対応した患者やその家族とのトラブルや事件は後を絶ちません。「モンスター化させないことが大切」とは言うものの、実際皆さんどのように対応していますか? 医師1,000人から聞いたその実態と、対応策とは…。結果概要2人に1人以上が暴言や暴力、“通常の域を超え、診察に著しい影響を及ぼすレベル”の要求やクレーム経験あり全体では55.1%の医師が「経験がある」と回答した。2013年にケアネットが行った同調査では67.1%であったのと比較してやや減少したものの、依然として2人に1人以上が何らかの経験があることがわかった。経験の頻度は、1年に1度以下が最も多かったが、「月に1度」以上の人があわせて11.5%にのぼり、わずかではあるが「週に2~3度以上」(1.3%)と答えた人も。暴言、ネットへの誹謗中傷の書き込み、なかには立件レベルの事案も内容としては、「スタッフの対応が気に食わないなどのクレーム」が最も多く(47.2%)、「自分を優先した診療ほか、待ち時間に関する要求・暴言を吐く」(33.4%)、「治療法・薬剤を指定するなど、自分の見立てを強硬に主張」(30.3%)、「不要な投薬・過剰な投薬を要求」(23.6%)などが続いた。とくに悪質なケースとしては、「『訴える』『殺す』『暴力団関係者を連れてくる』『マスコミに流す』などと脅迫」(18.3%)や、「自身やスタッフに暴力を振るう」(15.1%)などがあり、「看護師の首を跡が残るくらい絞めた」「病室で拳銃を発砲」といったエピソードも寄せられた。3割超で対応マニュアル・ガイドライン整備。現場では警察OBが活躍、悪質なケースでは110番通報も患者やその家族とトラブルになった場合の最終的な対応として、およそ3人に1人が「以後の診察を拒否した」と回答。以下、「他の医師と担当を交代」(18.7%)「転院させた」(17.8%)などが続いた。一方、「とくに対応はしなかった」人は33.4%にのぼり、全選択肢の中で最も多い回答だった。「なるべく話を妨げずに聞き、嵐が去るのを待つ」など、ひたすら傾聴するというコメントも少なくなかったが、「カルテに詳細を記録する」「ICレコーダーは必須」などの証拠保全策、「すぐに対応部署に介入してもらう」「警察への通報を躊躇してはいけない」などの回避策も挙がった。また、「警察OBを雇用している」との回答は14.0%で、対応を一任できる安心感があるとのコメントが多かった。このほか、ネットの掲示板への誹謗中傷の書き込みや、患者のストーカー化など、精神的負担を強いられるエピソードも複数見られた。設問詳細診療で関わった患者・家族とのトラブルが発端となった事件が後を絶ちません。医療現場では今、何が起こっているのでしょうか。そこで、患者・家族からの暴言や暴力、通常の域を超えた要求やクレームにまつわる経験や対応について、皆さんが日常診療の中で遭遇した実例や対応策を、ぜひお聞かせください。Q1.患者・家族から暴言・暴力、その他“通常の域を超えている、診察に著しく影響を及ぼすレベル”の行動や要求、クレームを受けたことがありますかあるないQ2.(Q1で「ある」と回答した方のみ)その頻度について最も近いものをお答え下さい週に2~3度以上週に1度半月に1度月に1度2~3ヵ月に1度半年に1度1年に1度それ以下Q3.(Q1で「ある」と回答した方のみ)その内容について当てはまるものをすべてお答え下さい(複数回答可)自分を優先した診察ほか、待ち時間に関する要求・暴言を吐く「空いている」などの理由で、時間外・夜間診療を繰り返す診察を受けずに投薬のみ要求不要な投薬・過剰な投薬を要求治療法・薬剤を指定するなど、自分の見立てを強硬に主張検査・診察・食事・内服等を拒否入院を強要退院を拒否治療費・入院費を払わない「スタッフの対応が気に食わない」などのクレーム事実と異なることを吹聴(SNSへの書き込みなども含む)土下座など度を越した謝罪を要求「訴える」「殺す」「暴力団関係者を連れてくる」「マスコミに流す」などと脅迫自身やスタッフに暴力を振るうQ4.(Q1で「ある」と回答した方のみ)上記の患者・家族への対応で、ご経験があるものをお答え下さい(複数回答可)他の医師と担当を交代転院させた以後の診察を拒否弁護士・司法書士等に相談警察に相談警察に通報、出動を要請した患者の対応に参って体調を崩した退職したとくに対応はしなかったQ5.院内で設けられている対応策について当てはまるものをお答え下さい(複数回答可)対応マニュアルやガイドラインがある対策システムがある防犯・対策セミナーや訓練を実施している院内で事例を共有している対応担当者を決めている担当部署を設置している警察OBを雇用している弁護士・司法書士に相談する体制をとっている「警察官立寄所」のステッカー・看板等を掲示しているICレコーダー・カメラ等を設置しているとくに対応策をとっていないQ6.コメントをお願いします(具体的なエピソードや解決方法、対策ノウハウ、院内体制など何でも結構です)コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)エピソード夫が暴力団関係者であると脅され、患者に有利になるよう診断書を書くことを強要された(50代、整形外科)。ほか、診断書の内容についてのクレーム・過度の要求2件。入院中に無断外出しアルコールを飲んだうえ、暴言をはかれた。スタッフの協力によって解決したが、そのために使った時間と体力、精神力は大きなものだった(30代、神経内科)。ほか、無断外出によるトラブル2件。酔っ払い相手で困った経験がある。殴られ、刑事事件とした(40代、消化器内科)。ほか、直接暴力を受けたというコメント2件。救急外来での対応に不満を持ち、いったん帰宅して包丁を持って来院した患者がおり、以来救急外来に監視カメラが設置された(50代、麻酔科)。ほか、救急・夜間診療でのトラブル5件。ミュンヒハウゼン症候群の患者への対応に苦慮。精神神経科医や臨床心理士のサポートが不足している病院が少なくないように感じる(50代、内科)。ほか、精神疾患や認知症患者への対応についてのコメント7件。生活保護受給者が、売買目的で不必要な薬を大量に要求してくることが毎日のようにある(50代、泌尿器科)。ほか、生活保護受給者に関するトラブル4件。治療が家族の見立て通りに進まないことへの苦言から、威嚇行為に発展したことがある(30代、膠原病・リウマチ科)。ほか、家族への対応でのトラブル7件。患者にストーカー状態でつきまとわれ、病棟まで追いかけてこられた(30代、皮膚科)。ほか、ストーカーまがいのトラブル1件。ネット上の口コミで辛辣な書き込みをされて困っている(50代、内科)。ほか、ネット上での誹謗中傷1件。対策<複数での対応>問題がありそうな患者に対応するときは医師以外に看護師、事務スタッフを横に置き、必ずメモを取り、カルテにも記載する(60代、産婦人科)。基本的には別のスタッフが対応したり、複数で対応することで鎮静化することが多い(50代、循環器内科)。ほか、複数での対応が有効というコメント46件。<情報共有・専任部署の設置>上位の責任者を決めておくことは必須(50代、神経内科)。ほか、上司・院長などへの報告システムが重要とのコメント12件。日ごろから問題に発展しそうな事例についての情報共有と対策検討が不可欠(40代、精神科)。ほか、情報共有が重要というコメント34件。専任の医療安全部看護師が対応する(40代、内科)。ほか、クレーム対応部署等専任者・部署の設置39件。医療安全カンファレンスを定期的に開催している(20代、臨床研修医)。ほか、研修会等の開催5件。院内放送で、職員が集まるシステムになっている(50代、糖尿病・代謝・内分泌内科)、ほか、院内放送の活用5件。<接遇・態度>理不尽な要求は対応できないとはっきり伝え、以後は警察等を通すように言う(50代、内科)。ほか、毅然とした態度が重要というコメント23件。できるだけ入院や手術治療前に対応する(40代、消化器外科)。ほか、早め早めの対応が重要というコメント7件。患者が興奮している時は、なるべく刺激するようなことを言わない(60代、リハビリテーション科)、なるべく話しを妨げずに聞いて落ち着くのを待つ(50代、皮膚科)。ほか、まずは傾聴・丁寧な姿勢で臨むというコメント30件。<記録・録音>目の前でICレコーダーで記録を取っていることを見せている(40代、腎臓内科)。ほか、ICレコーダーが有効とのコメント3件。言葉を選んで話し、カルテに詳細に記録を残す。カルテ開示を念頭に置き、冷静に記載する(50代、皮膚科)。ほか、カルテへの詳細記録が有効とのコメント6件。<マニュアル・ガイドライン>マニュアルを各部署に配布し、理不尽な要求には応じないよう徹底している(50代、消化器内科)。ほか、マニュアルについてのコメント21件。<弁護士・警察・警備会社>トラブルが起こりそうな場合は、弁護士に連絡する体制をとっている(40代、消化器内科)。ほか、弁護士への相談体制が重要とのコメント5件。病院が警察OBと契約し、暴力事例への不安が軽減された(50代、循環器内科)。ほか、警察OBの雇用・常駐が有効とのコメント15件。違法な行為があればすぐに通報する(40代、小児科)。ほか、躊躇せず、すばやい通報が重要とのコメント6件。警備会社の自動通報システムが有効(60代、精神科)。ほか、民間警備会社の活用4件。

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適切なMg摂取でうつ病リスクが低下

 いくつかの疫学研究では、食事によるマグネシウム(Mg)とカルシウム(Ca)摂取と、うつ病リスクとの関連が評価されている。しかし、これらの研究結果は、依然として議論の余地が残っている。中国・Qingdao UniversityのBingrong Li氏らは、これらの関連性および食事によるMg摂取とうつ病リスクとの用量反応関係を調査するため、メタ解析を行った。The Australian and New Zealand journal of psychiatry誌2017年3月号の報告。 複数のデータベースより、2016年9月までに公表された文献を検索した。95%信頼区間(CI)のプールされた相対リスクは、ランダム効果モデルを用いて算出した。出版バイアスは、Egger検定とfunnel plotを用いて推定した。用量反応関係は、制限3次スプライン関数により評価した。 主な結果は以下のとおり。・現在のメタアナリシスには、12文献より17件の疫学研究が含まれた。・これらの研究のうち、Mg摂取とうつ病リスクとの関連を評価した研究は11件、Ca摂取との関連を評価した研究は6件であった。・最も高い摂取量と最も低い摂取量を比較すると、プールされた相対的うつ病リスクは、Mgで0.81(95%CI:0.70~0.92)、Caで0.66(95%CI:0.42~1.02)であった。・食事によるMg摂取量は、アジアで実施された研究(相対リスク:0.57、95%CI:0.44~0.74)、エネルギー摂取量の調整研究(相対リスク:0.73、95%CI:0.58~0.92)において、うつ病リスク低下と有意に関連していた。・用量反応分析では、食事によるMg摂取とうつ病リスクとの間に非線形関係のエビデンスが認められ、最大リスク低下は320mg/日で認められた。 著者らは「中等度のMg摂取がうつ病リスク低下と関連することが示された。この結果は、より大きなプロスペクティブコホート研究で確認する必要がある」としている。関連医療ニュース 魚を食べると認知症は予防できるのか たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

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オラパリブがBRCA変異陽性卵巣がんの希少疾病用医薬品に指定

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:デイヴィド・フレドリクソン)は、現在開発中のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤オラパリブが、「BRCA遺伝子変異陽性の卵巣」を予定される効能・効果として、2017年3月24日、厚生労働大臣より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けたと発表した。 オラパリブは、ファースト・イン・クラスのポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、DNA損傷応答(DDR)経路に異常を来したがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導する。生殖細胞系BRCA (gmBRCA) 遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がんを対象にオラパリブとプラセボを比較した、国際共同第III相臨床試験SOLO-2において、無増悪生存期間(PFS)の大幅な延長を示している(19.1ヵ月 vs.5.5ヵ月、HR:0.30、95%CI:0.22〜0.41、p<0.0001)。 卵巣がんは本邦において、毎年約9,000人が罹患しており、2014年の患者数はおよそ2万6,000人と報告されている。遺伝性のBRCA遺伝子変異陽性卵巣がんは、推定患者数が3,500人未満ときわめて希であるものの、散発性の卵巣がんとは異なる病態的特性を持ち、HBOC(Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome:遺伝性乳がん・卵巣がん症候群)という疾患概念の一部として認識されている。しかし、BRCA遺伝子変異陽性の卵巣がんに対する分子生物学上の特性を考慮した治療薬剤は、本邦ではまだ承認されていない。アストラゼネカ株式会社プレスリリースはこちら

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ニボルマブ、再発・転移頭頸部がんに承認

 小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は2017年3月24日、抗PD-1抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)が「再発又は遠隔転移を有する頭頸部」に対する国内製造承認事項一部変更の承認を得たと発表。 頭頸部がんの国内における年間患者数(甲状腺がんを除く)は2万4,000人と推定されている。再発または遠隔転移を有する頭頸部がんに対しては、プラチナ製剤による化学療法が第1選択として推奨されているものの、大多数の患者で局所に病勢進行が、50%以上の患者で3年以内の再発が認められている。プラチナ製剤投与後、早期に再発または遠隔転移が認められた患者に対しては、既存治療のなかで全生存期間(OS)の延長が検証されている薬剤はなく、新たな治療選択肢が期待されている。 日本人を含む再発または転移性頭頸部がん患者を対象とした国際共同試験(ONO-4538-11/CA209141)において、対照群のOSが5.06ヵ月であったのに対し、ニボルマブは7.49ヵ月(95%CI:5.49~9.10)であり、ニボルマブが有意にOSを延長した(HR:0.70、97.73%CI:0.51~0.96、p=0.0101)。また、当試験におけるニボルマブの安全性プロファイルは、これまでの臨床試験の結果と一貫していた。(ケアネット 細田 雅之)参考小野薬品工業株式会社プレスリリースブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社ニュースリリースONO-4538-11/CA209141(CHECKMATE-141)試験(Clinical Trials.gov)

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もはや「秘め事」ではない!? 患者1,000万人超の慢性便秘の考え方

 排便頻度が著しく少なく、それが原因のQOL低下を自覚するものの、便秘が医師の治療や処方を必要な疾患であると認識している人はどれほどいるのだろうか。その証拠に、セルフメディケア商品の市場規模が300億円超といわれているのが慢性便秘である。3月23日、都内でこの慢性便秘をめぐる医療の現状をテーマにしたプレスセミナーが開かれた(主催:漢方医学フォーラム)。セミナーに登壇した中島 淳氏(横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授・診療部長)は、「医師と患者の双方が、まずは便秘を『病気』として認識するとともに、適切な初療により慢性化させないことが重要だ」と述べた。 現在、国内における全人口の約14%(2~27%)が慢性便秘であるとみられている。若年~中年層では圧倒的に女性に多いが、65歳以上の高齢層になると男女共にその割合は急激に増える。ただし、排便回数が月2回以下という重症便秘は女性に多い。また近年では、小児期のトイレトレーニングが不十分などの理由で、子どもの便秘が増える傾向があるという。 旅行などの短期的な環境変化だけでなく、進学や就職、結婚などによる生活変化で排便習慣が乱れ、一過性の便秘となる人は少なくないが、この段階で適切な治療を行えば問題ない。適切な治療とは何か。食事指導や治療薬の処方もさることながら、医師の問診による原因究明が肝要である。 中島氏によると、患者が排便に関する悩みを打ち明けても、「わずかでも出ているなら問題ない」「排便回数が多いのは便秘ではないので問題ない」など、多くの医師の判断基準が「回数」にあるため、訴えの本質を見逃しがちになっているという。「たとえ毎日排便があっても、過度の怒責や排便後の残便感や不快感、頻回便なども、患者にとってはQOL低下につながる切実な悩みである。これを症状として聞く姿勢がなければ、治療へとつながっていかない」と中島氏は述べる。 先述した300億円超という膨大な便秘関連薬市場は、セルフメディケアで解消しようとする患者の多さを物語っているが、この中には医療機関で症状を打ち明けるも適切な治療を受けられず、市販薬をのみ続けた結果、慢性便秘を重症化させてしまう患者も少なくないという。 これまで、わが国における慢性便秘治療に使われてきたのは、もっぱら酸化マグネシウムと刺激性下剤の2種であったが、新規便秘薬としてルビプロストンやリナクロチド(いずれも保険適応)が発売され、治療をめぐる潮流にも変化がみられる。 中島氏は、さらなる選択肢として漢方薬の使用を挙げた。具体的には、(1)大黄甘草湯(2)麻子仁丸(3)潤腸湯(4)桂枝加芍薬大黄湯(5)防風通聖散(6)大建中湯の6種(作用の強い順に記載)を、患者の症状やニーズに合わせて使い分けることを勧めている。 中島氏は現在、慢性便秘に特化したガイドライン作成委員会メンバーとして策定に当たっており、今夏を目途に発刊を目指しているという。中島氏は、「専門医のみならず、かかりつけ医においても、初療で適切な治療を行うことの重要性をガイドランに盛り込む方針。便秘の苦しみを訴える患者の声に耳を傾け、医療機関での失望経験が慢性便秘患者を増やしている現状は改めるべき」と述べた。

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ACS後のP2Y12阻害薬+低用量リバーロキサバンの安全性/Lancet

 急性冠症候群(ACS)患者に対する低用量経口抗凝固薬リバーロキサバンとP2Y12阻害薬との併用、すなわちデュアル・パスウェイ抗血栓療法は、従来のアスピリンとP2Y12阻害薬との併用(抗血小板薬2剤併用療法:DAPT)と比較し、臨床的に重大な出血リスクに差はないことが示された。米国・デューク大学医学部のE Magnus Ohman氏らが、P2Y12阻害薬との併用薬はアスピリンより低用量リバーロキサバンが安全かを検証したGEMINI-ACS-1試験の結果を報告した。ACS後のDAPTに第Xa因子阻害薬であるリバーロキサバンを追加すると、死亡と虚血イベントは減少するが、出血が増加する恐れがあることが示唆されている。しかし、アスピリンの代わりに低用量リバーロキサバンをP2Y12阻害薬と併用する抗血栓療法の安全性は、ACS患者でこれまで評価されていなかった。Lancet誌オンライン版2017年3月18日号掲載の報告。CABGに関連しない臨床的に重大な出血を評価 GEMINI-ACS-1試験は、多施設共同無作為化二重盲検比較第II相試験として、21ヵ国371施設で実施された。対象は、不安定狭心症、心電図上の虚血変化または血管造影で確認されたアテローム性責任病変のいずれかを伴う心臓バイオマーカー陽性の、非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)またはST上昇型心筋梗塞(STEMI)の18歳以上の患者であった。 ACS発症による入院後10日以内に、置換ブロック法(ブロックサイズ4)を用いて、使用予定のP2Y12阻害薬で層別化し、アスピリン(100mg/日)群またはリバーロキサバン(2.5mg、2回/日)群に1対1の割合で無作為に割り付け、二重盲検下で180日以上治療を行った。P2Y12阻害薬(クロピドグレルまたはチカグレロル)の選択については、無作為化はせず、研究者の好みや各国の利用状況(試験期間中、日本では未承認)に基づいて選択された。 主要評価項目は、390日目までの冠動脈バイパス術(CABG)に関連しない臨床的に重大な出血(TIMI出血基準の大出血、小出血、治療を要する出血)で、intention-to-treat解析で評価した。低用量リバーロキサバン群とアスピリン群で同等 2015年4月22日~2016年10月14日に、ACS患者3,037例が無作為化された(アスピリン群1,518例、リバーロキサバン群1,519例)。1,704例(56%)はチカグレロル、1,333例(44%)はクロピドグレルが用いられた。 治療期間中央値は291日(IQR:239~354)であった。TIMI出血基準のCABGに関連しない臨床的に重大な出血は、全体で154例(5%)、リバーロキサバン群とアスピリン群の頻度は80/1,519例(5%) vs.74/1,518例(5%)で、同程度であった(HR:1.09、95%信頼区間[CI]:0.80~1.50、p=0.5840)。 著者は研究の限界として、患者は無作為化前に安定したDAPTを受ける必要があったりACS発症から無作為化までに約5日の遅れが生じたこと、対象患者の多くが白人であったことなどを挙げながら、「この新しい抗血栓療法の有効性と安全性を検証するため、さらに大規模で十分な検出力のある治験が必要である」とまとめている。

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リバーロキサバン、VTE再発リスクを有意に低下/NEJM

 6~12ヵ月間の抗凝固薬投与を完了した静脈血栓塞栓症(VTE)患者において、リバーロキサバンの治療用量(20mg)または予防用量(10mg)はいずれも、アスピリンと比較し、出血リスクを増加させることなく再発リスクを有意に低下させることが認められた。31ヵ国244施設で実施された無作為化二重盲検第III相試験「EINSTEIN CHOICE」の結果を、カナダ・マックマスター大学のJeffrey I Weitz氏らが報告した。抗凝固療法の長期継続はVTEの再発予防に有効であるが、出血リスクの増加が懸念されることから、6~12ヵ月以上の抗凝固療法には抵抗感も強い。長期治療時の出血リスクを減少するため、低用量の抗凝固薬あるいはアスピリンの使用が試みられているが、どれが効果的かはこれまで不明であった。NEJM誌オンライン版2017年3月18日号掲載の報告。リバーロキサバン2用量とアスピリンの有効性および安全性を比較 研究グループは、2014年3月~2016年3月に、ワルファリンまたは直接経口抗凝固薬(DOAC)による6~12ヵ月の治療を完了した18歳以上のVTE患者3,396例を、リバーロキサバン20mg、10mgまたはアスピリン100mgの各投与群(いずれも1日1回)に1対1対1の割合で無作為に割り付け、12ヵ月間投与した。 有効性の主要評価項目は、致死的または非致死的な症候性再発性VTE、安全性の主要評価項目は大出血(2g/dL以上のヘモグロビン低下、2単位以上の赤血球輸血または致死的)とした。解析にはCox比例ハザードモデルを使用し、診断(深部静脈血栓症/肺塞栓症)で層別化も行った。リバーロキサバンで症候性再発性VTEの相対リスクが約70%減少 3,365例がintention-to-treat解析に組み込まれた(治療期間中央値351日)。 致死的/非致死的症候性再発性VTEの発生は、リバーロキサバン20mg群が1,107例中17例(1.5%)、リバーロキサバン10mg群が1,127例中13例(1.2%)、一方、アスピリン群では1,131例中50例(4.4%)であった(リバーロキサバン20mg群 vs.アスピリン群のハザード比[HR]:0.34、95%信頼区間[CI]:0.20~0.59/リバーロキサバン10mg群 vs.アスピリン群のHR:0.26、95%CI:0.14~0.47、いずれもp<0.001)。 大出血の発生率は、リバーロキサバン20mg群0.5%、リバーロキサバン10mg群0.4%、アスピリン群0.3%、重大ではないが臨床的に問題となる出血はそれぞれ2.7%、2.0%および1.8%であった。有害事象の発生率は3群すべてにおいて同程度であった。 本研究では、治療用量での抗凝固薬長期投与を必要とする患者は除外されていた。また、試験期間が最大12ヵ月と短かった。著者は「より長期にわたる継続投与の有益性を検証するさらなる試験が必要である」とまとめている。

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ソムリエ魂【Dr. 中島の 新・徒然草】(163)

百六十三の段 ソムリエ魂10年以上前に、某有名ホテルのソムリエの話を聴く機会がありました。大変印象深い話だったので、記憶にしたがって再現したいと思います。某ホテルの創業は1800年代。当時、ホテルというものの存在自体が日本人には知られていませんでした。メインダイニングはフランス料理で、そこにはソムリエとやらがいるそうだ、といったレベルだったことは想像に難くありません。だから、何もかもが手探り状態。某ホテルも、ソムリエを自前で養成するしかありませんでした。そもそもソムリエとは何ぞや?そこから始まったそうです。で、考えに考えて出した某ホテルの結論。ソムリエとは、「ゲストを楽しませ、ホストの顔を立てる」そういう存在だ、ということです。どういうことか?ホテルでの会食には、すべからくゲストとホストがいるわけです。食事に招かれた人と、招いた人のことですね。そして、ワインの知識を駆使してゲストを楽しませ、ホストの顔を立てる、それがソムリエの役目なのだそうです。こうして某ホテルは、何とか最初の8人のソムリエを育てあげました。この8人には、ブドウをかたどったソムリエバッジが授与され、その8個すべてが違う形だったと聞いています。さて、時は2000年代。現代のソムリエはこう語りました。「ゲストを楽しませ、ホストの顔を立てる」これは今も当ホテルの精神として息づいております。だから皆さん、ワインの知識をお持ちでなくても何も心配いりません。ホストとして注文するときには、このようになさってください。まず、ホストには値段のついたメニューをお渡しいたします。予算が気になることと思いますので、ゲストに見えないように、そっと「この辺りで」と値段を指で差してください。そうしたら私が「〇〇はどうでしょうか?」と、その辺りの値段のワインを提案いたします。「じゃ、それで頼む」と言っていただいたら、後はこちらにお任せ下さい。「このお料理にはぴったりのワインですよ」とか、「貴重な最後の1本が残っていました!」とか、ゲストを楽しませるよう、ソムリエが食事の場を盛り上げさせていただきます。「ゲストを楽しませ、ホストの顔を立てる」これが創業以来、100年以上変わらない当ホテルのモットーでございます。その日はテーブルマナーとかいろいろな話を聴きましたが、この話が一番印象に残っています。さすが某有名ホテル、サービス業を極めていると思わされました。われわれの業界もサービス業の一面がありますが、そのことをどう表現したらいいのでしょうか?なんかうまい一言が欲しいところですね。最後に1句ソムリエの 語るサービス 奥深し

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親の精神疾患を子供はどう思っているか

 重度の精神疾患リスクを有する無症候性の人(臨床ステージ0)に対する潜在的な介入研究は、遺伝子カウンセリングや確立された疾患を有する成人患者に焦点が当てられてきた。英国・NTW NHS TrustのJo Davison氏らは、双極性障害(BD)リスクを有する青年を対象にインタビューを行った。Early intervention in psychiatry誌オンライン版2017年2月11日号の報告。 両親がBDを有する無症候性の子孫(OSBD:7例)およびBDとは無関係な両親(PBD:6例)を対象に、対話による顕在的および潜在的な課題を調査するため、インタビューを定性的に分析した。 主な結果は以下のとおり。・両群の中核課題は、自身のBD発症リスクの大きさに関して無知であり、自分よりも家族の健康に対する心配が大きかった。・両親は、子供にBDが遺伝するかどうかについての不確実性に対処するうえでの不安を示し、このリスクを減らそうとする願望は、部分的な罪悪感と両親の責任感によりもたらされた。PBDは、専門的な臨床OSBDサービスの導入を支持した。・対照的に、OSBDの優先事項は、BDを持つ両親の対処に関するアドバイスであった。OSBDは、一般的な非臨床的ピアサポートを好み、専門家によるケアよりも不名誉に感じないと考えていた。 著者らは「BDリスクを有する若者が求める介入は、日常的に相談を行う人と異なる可能性があり、そのことを表現できるようにすべきであることが強調された。注目すべきは、OSBDは両親のBDに関する臨床対話が、ストレスレベルを増加させるよりも、むしろ減少させると考えていることであった」としている。関連医療ニュース 双極性障害に対する抗けいれん薬の使用は自殺リスク要因か 双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント うつ病から双極性障害へ移行しやすい患者の特徴

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日本初、TAVIの5年結果が明らかに:PREVAIL JAPAN

 日本における、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)の最初のピボタル研究であるPREVAIL JAPAN試験の5年結果が、Circulation Journal誌2017 March 17号に発表された。この結果はまた、大阪大学の澤 芳樹氏により、第81回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Trialセッションにて発表された。 PREVAIL JAPAN試験には、日本の3施設から手術不能な重度大動脈弁狭窄症(AS)患者64例が登録された。患者の平均年齢は84.3歳、女性65.6%、STSスコア9.0であった。 経大腿動脈アプローチ(TF)および心尖部アプローチ(TA)は、それぞれ37例の患者および27例であった。試験にはSAPIEN XTの23mmと26mmのみが用いられた。  主な結果は以下のとおり。・5年間の全死亡率は52.7%、TFでは51.3%、TAでは56.3%であった。 ・5年間の全脳卒中リスクは15.8%、TFでは8.9%、TAでは25.5%であった。・5年間の主要心血管脳有害事象(MACCE)は58.0%、TFでは51.3%、TAでは69.2%であった。・術後、大動脈弁面積(AVA)は有意に増加(p<0.001)、圧較差(PG)は有意に減少(p<0.001)し、追跡期間中安定していた。 ・1週間時点の大動脈逆流症(AR)と全死亡増加との相関はみられず、AR軽度(+2)以上の5年後の全死亡率は69.1%に対し、ARなし(0)と少量(+)の全死亡率は48.3%であった(p=0.184)。・STSスコアによる死亡率は4未満で20.0%、4~8で45.3%、8超では65.0%であった。

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糖尿病網膜症の白内障手術後、ネパフェナクが有用

 糖尿病網膜症を有する患者における白内障手術後のネパフェナク0.3%点眼投与は、予期せぬ安全性に関わるイベントの発生を伴うことなく、術後黄斑浮腫のリスクを低下し、視力改善にも寄与することが示された。米国・クリーブランドクリニックのRishi P Singh氏らが、2件の第III相無作為化臨床試験の結果を分析し報告した。「試験の結果は、同患者の白内障手術後のネパフェナク0.3%点眼投与について、臨床的ベネフィットがあることを示すものであった」と報告している。Ophthalmology誌オンライン版2017年3月4日号掲載の報告。 糖尿病患者の白内障手術後の臨床的アウトカムについて、1日1回のネパフェナク0.3%点眼投与の有効性と安全性を溶媒と比較する検討が、2件の前向き無作為化多施設共同二重盲検溶媒対照試験にて行われた。試験1には615例が、試験2には605例が参加。被験者は、1日1回のネパフェナク0.3%投与または溶媒投与群に1対1の割合で割り付けられ、手術前日から90日間にわたって投与を受けた。 有効性の主要評価項目は、白内障手術後90日以内の、黄斑浮腫(ME:中心領域網膜厚が術前ベースラインから30%以上増加)発症患者の割合(%)と、最高矯正視力(BCVA:術前ベースラインから14日間で15 letter以上改善し、90日間改善が継続)を達成した患者の割合(%)とした。副次評価項目は、術前ベースラインから90日間および60日間での15 letter以上の改善や3ヵ月間の安全性の確認などとした。 主な結果は以下のとおり。・ネパフェナク0.3%投与群は溶媒投与群と比べて、術後90日間のME発症率が有意に低かった。試験1(2.3% vs.17.3%、p<0.001)、試験2(5.9% vs.14.3%、p=0.001)、プール解析(4.1% vs.15.9%、p<0.001)。・ネパフェナク0.3%投与群は溶媒投与群と比べて、ベースラインから14日間で15 letter以上改善し90日間継続したBCVA達成患者の割合も有意に高かった。試験1では61.7% vs.43.0%(p<0.001)、試験2は48.8% vs.50.5%(p=0.671)、プール解析では55.4% vs.46.7%(p=0.003)であった。・90日間で15 letter以上改善のBCVA達成患者の割合は、試験1ではネパフェナク0.3%投与群が有意に高かった(77.2% vs.67.7%、p=0.009)が、試験2では同程度であった(65.4% vs.65.9%、p=0.888)。60日間で同改善の患者の割合も、同様の傾向が示された(試験1:76.2% vs.64.7%[p=0.002]、試験2:68.9% vs.62.1%[p=0.092])。・予期せぬ有害イベントは観察されなかった。

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認知機能低下が懸念されるスタチン、運動併用が有効か

 スタチン使用と認知機能低下との関連が懸念されている。熊本大学循環器内科の研究グループでは、既に軽度の認知機能低下のある冠動脈疾患(CAD)患者におけるパイロット研究から、スタチンと定期的な運動の併用が認知機能障害の改善に役立つ可能性を報告した。Internal medicine誌オンライン版2017年3月17日号に掲載。 軽度の認知機能低下を伴うCAD患者43例を連続して登録し、スタチン治療と共に院内で週1回の有酸素運動を5ヵ月間実施した。血清脂質および運動能力を測定し、また、mini-mental state examination(MMSE)を用いて認知機能を評価した。 主な結果は以下のとおり。・軽度の認知機能低下を伴うCAD患者において、治療後、LDLコレステロール値が有意に減少し、最大運動能力(負荷)が有意に増加した。・スタチンと運動の併用療法により、コホート全体でMMSEスコア中央値(範囲)が24(22~25)から25(23~27)に有意に増加した(p<0.01)。・BMIの変化とMMSEスコアの変化との間に有意な負の相関がみられた。・治療後、BMIが減少した群ではMMSEスコアが有意に改善したが、BMIが増加した群では改善しなかった。・試験開始時にすでにスタチンを投与されていた患者は、スタチンを投与されていなかった患者よりも有意にMMSEスコアが改善した。・65歳以上・性別・糖尿病の有無で調整された多変量ロジスティック回帰分析において、 スタチンと運動の併用療法期間におけるBMI減少はMMSEスコア上昇と有意に相関していた(オッズ比:4.57、95%信頼区間:1.05~20.0、p<0.05)。

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乳製品摂取増と高血圧リスク低下は関連せず/BMJ

 乳製品の1日摂取量と収縮期血圧・高血圧症リスクについて、逆相関の関連は認められないことが、遺伝子レベルで検討した無作為化試験の結果、示された。これまでの観察研究で、乳製品の摂取量と収縮期血圧や高血圧症リスクの低下との関連が示されていたが、その因果関係については不明だった。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のMing Ding氏らによる検討で、BMJ誌2017年3月16日号で発表された。 ラクターゼ持続症と関連の一塩基多型rs4988235で操作変数法を実施 研究グループは、CHARGE コンソーシアムのコホートである、22試験の被験者合わせて17万1,213例と10の前向き試験の被験者2万6,119例を対象に、メンデル無作為化試験を行った。ラクターゼ持続症と関連する一塩基多型rs4988235を操作変数とし、乳製品摂取と収縮期血圧・高血圧症リスクとの因果関係を検証した。メタ解析でもより多くの乳製品摂取量は収縮期血圧・高血圧症と無関係 LCT-13910(ラクターゼ持続症遺伝子)rs4988235のCC遺伝子型(完全ラクターゼ欠損症と関連)に比べ、CT/TT遺伝子型(TT遺伝子型はラクターゼ持続症、CT遺伝子型はある種のラクターゼ欠損症と関連)は、乳製品のより多量の摂取(1日量約55g)との関連が認められた(p<0.001)。しかし、収縮期血圧値との有意な関連はみられず(p=0.09)、高血圧症リスクとの関連も認められなかった(オッズ比[OR]:1.01、95%信頼区間[CI]:0.97~1.05、p=0.27)。 操作変数のLCT-13910 rs4988235を用いた検討では、同遺伝子が規定する乳製品摂取量と収縮期血圧とに関連性は認められず(β=1.35、95%CI:-0.28~2.97mmHg/1日1回量)、高血圧症リスクとも無関連だった(OR:1.04、95%CI:0.88~1.24)。 さらに公表されている8つの無作為化試験について行ったメタ解析で、乳製品の1~12ヵ月間における、より多量の摂取による収縮期血圧値変化への有意な影響は認められなかった(対照群との比較で、β=-0.21、95%CI:-0.98~0.57mmHg)。 観察試験の解析では、乳製品の摂取量/日の増加が、収縮期血圧値の-0.11(同:-0.20~-0.02、p=0.02)mmHgの低下の変化と関連していたが、高血圧症リスク低下との関連は認められなかった(オッズ比:0.98、同:0.97~1.00、p=0.11)。

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iFRガイドPCI、FFRガイドに比べ非劣性/NEJM

 安定狭心症または急性冠症候群(ACS)の患者に対し、iFR(instantaneous wave-free ratio:瞬時血流予備量比)ガイド下の血行再建術は、FFR(fractional flow reserve:冠血流予備量比)ガイド下に比べ、術後12ヵ月以内の主要有害心イベント(MACE)発生リスクは非劣性であることが示された。スウェーデン・ルンド大学のMatthias Gotberg氏らが、2,037例の患者を対象に行った無作為化比較試験の結果、明らかにした。これまでに、小規模試験でiFRとFFRの診断精度が同等であることは明らかになっているものの、iFRとFFRガイド下での血行再建術に関する臨床アウトカムについては不明であった。NEJM誌オンライン版2017年3月18日号掲載の報告。12ヵ月以内のMACE発生率を比較 研究グループは、Swedish Coronary Angiography and Angioplasty Registry(SCAAR)から、安定狭心症またはACSで、冠状動脈狭窄の生理学的ガイド下評価が適応の2,037例を対象に、非盲検多施設共同無作為化比較試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方の群にはiFRガイド下で、もう一方にはFFRガイド下で、それぞれ血行再建術を実施した。 主要エンドポイントは、全死因死亡・非致死的心筋梗塞・術後12ヵ月以内の予定外の血行再建術の複合だった。 術中の胸部不快感はiFR群で大幅に減少 主要エンドポイントの発生は、iFR群1,012例中68例(6.7%)、FFR群の1,007例中61例(6.1%)であり、イベント発生率差の95%信頼区間の上限値が、非劣性マージンとして事前に規定した3.2ポイント以内で、iFR群の非劣性が示された(イベント発生率差:0.7ポイント、95%信頼区間[CI]:-1.5~2.8、非劣性のp=0.007、ハザード比:1.12、95%CI:0.79~1.58、p=0.53)。この結果は、主なサブグループの検討でも同様に認められた。また、心筋梗塞、標的血管血行再建術、再狭窄、ステント血栓症の発生率も、両群で同等だった。 なお、術中に胸部不快感を訴えた患者の割合は、FFR群が68.3%だったのに対し、iFR群では3.0%と有意に低率だった(p<0.001)。

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境界性パーソナリティ障害併発、自殺に対する影響は

 最近の研究によると、精神病的体験と自殺行動との間には強い関連があることが報告されている。しかし、境界性パーソナリティ障害(BPD)は一般的な精神疾患と頻繁に併発し、再発の自殺行動や精神病的体験に関連しているにもかかわらず、この関係におけるBPDの役割について研究したデータはない。アイルランド王立外科医学院のI Kelleher氏らは、BPDや一般的な精神疾患との相互関係を含む、精神病的体験と自殺企図との関連を調査した。Acta psychiatrica Scandinavica誌2017年3月号の報告。 2007年の層別化されたイギリス世帯の多段確立サンプルである成人精神医学的罹患率調査より、16歳以上の国民サンプルを用いて行った。対象者の、一般的な精神疾患、BPD(臨床的および無症候)、自殺行動、精神病的体験を評価した。 主な結果は以下のとおり。・全サンプルの約4%(323例)が精神病的体験を有していた。・精神病的体験は、自殺企図のオッズ増加と関連していた。 ●BPD(OR:2.23、95%CI:1.03~4.85) ●一般的な精神疾患あり(OR:2.47、95%CI:1.37~4.43) ●一般的な精神疾患なし(OR:3.99、95%CI:2.47~6.43) ●BPD、一般的な精神疾患どちらもなし(OR:3.20、95%CI:1.71~5.98) 著者らは「精神病的体験は、精神病理の有無にかかわらず、自殺行動の高オッズと関連していた。この関係は、臨床的または無症候BPDでは説明できない」としている。関連医療ニュース 日本成人の自殺予防に有効なスクリーニング介入:青森県立保健大 自殺企図後も生き続けるためのプロセス 双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント

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夜間高血圧に対するARB/CCB併用の効果をICTモニタリングで証明~日本循環器学会

 夜間血圧の上昇は心血管イベントの増加につながることから、近年、夜間血圧が注目されている。自治医科大学の星出 聡氏は、2017年3月17~19日に行われた第81回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Trialセッションにおいて、情報通信技術(ICT)による夜間血圧モニタリングによって、コントロール不能な夜間高血圧症に対する2パターンのアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)併用療法を評価したNOCTURNE試験の結果を報告した。この結果は、Circulation Journal誌に同時掲載された。 患者はARB療法(イルベサルタン100mg/日)を行ってもベースライン時の夜間血圧が120/70mmHg以上の患者411例。患者はARB/カルシウム拮抗薬(CCB)併用群(イルベサルタン100mg+アムロジピン5mg)とARB/利尿薬併用群(イルベサルタン100mg+トリクロルメチアジド1mg)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、試験開始4週後(ベースライン)と12週後の夜間家庭血圧の変化である。 主な結果は以下のとおり。・夜間収縮期血圧は、ARB/CCB群は128.3mmHgから113.9mmHgに(p<0.0001)、 ARB/利尿薬群は128.3から117.9mmHg(p<0.0001)に、両群とも有意に低下した。・両群間の変化を比較すると、ARB/CCB群-14.4 mmHg、 ARB/利尿薬群-10.5mmHgと、ARB/CCB群で有意に低下していた(p<0.0001)。・サブグループ解析では、糖尿病、慢性腎臓病、高齢者(65歳超)を除き、ARB/CCB群で優れていた。・ICTベースの夜間家庭血圧モニタリングは、睡眠中も患者の客観的な夜間血圧測定を把握することができ、臨床試験に実用可能であった。

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チョコレート好きな人は脳卒中になりにくい!?

 チョコレート摂取は心臓血管に有益な効果をもたらす可能性があるが、前向きコホート研究でのエビデンスは少ない。今回、わが国の大規模コホート研究であるJPHC study(主任研究者:国立がん研究センター 津金昌一郎氏)において、チョコレート摂取と脳卒中リスクの関連を前向きに調査したところ、女性でのみ有意な逆相関を支持する結果が報告された。Atherosclerosis誌オンライン版2017年3月4日号に掲載。 本研究では、1995年および1998年のベースライン時に、心血管疾患・糖尿病・がんではなかった44~76歳の男性3万8,182人と女性4万6,415人を、それぞれ2009年および2010年末まで追跡調査した。138種類の飲食品を含む自記式食物摂取頻度調査法を用いて、各参加者のチョコレート摂取に関するデータを入手した。また、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、チョコレート摂取に関連する脳卒中のハザード比(HR)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値12.9年で、脳卒中の発症が3,558件にみられた(脳梗塞2,146件、出血性脳卒中1,396件)。・年齢・BMI・ライフスタイル・食事摂取量・他の危険因子の調整後、女性において、チョコレート摂取が脳卒中リスク低下に有意に関連していた(HR:0.84、95%CI:0.71~0.99)。・男性における関連は有意ではなかった(HR:0.94、95%CI:0.80~1.10)。・上記の関連性は、男女とも、脳卒中のサブタイプで同様であった。・しかしながら、残存交絡は除外できなかった。

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中国2億人の調査が示すPM10の死亡への影響/BMJ

 中国における粒子状大気汚染の死亡への影響を調べた大規模調査の報告が、中国疾病予防センター(CCDC)のPeng Yin氏らにより発表された。38の大都市の人口2億人超について調べたもので、疾患別死亡でみると、呼吸器・循環器疾患の死亡への影響が他の疾患死への影響と比べてより大きく、60歳未満と比べて60歳以上のほうが粒子状大気汚染の死亡への影響を強く受けていることが示された。また、そうした影響は都市間でばらつきがみられ、人口規模の大きな都市のほうが影響は小さく、南部にある都市と比べると北部にある都市のほうが均等に影響を受けていることも明らかにされた。これまで中国では大気汚染の影響への関心は高かったが、複数都市を対象とした分析調査はほとんど行われていなかったという。BMJ誌2017年3月14日号掲載の報告。2010~13年の死亡記録35万例超のデータを分析 調査は中国の大都市における、粒子状大気汚染(粒子直径10μm未満、またはPM10)の死亡への短期的影響を推定すること、および都市間の影響の不均一性を探索することを目的とし、一般化されたラグ構造線形モデルを用いて時系列データを分析した。 中国の27行政区38都市(住民2億人超)を対象とし、CCDCのDisease Surveillance Point Systemから得た、2010年1月1日~2013年6月29日の38都市の死亡記録35万638例(男性20万912例、女性14万9,726例)について分析した。 主要評価項目は、1日当たりの全死因死亡数、呼吸器・循環器疾患死亡数、非呼吸器・循環器疾患死亡数で、粒子状大気汚染と死亡の関連を推定するために用いたそれぞれの人口統計学的集団で調べた。PM10濃度が高い都市のほうが影響はわずかだが低下 調査対象期間中の、日中のPM10濃度は、全調査都市平均で92.9μg/m3(SD 46.3)であった。最も高かったのは、新疆ウイグル自治区のウルムチ市で136.0μg/m3、最も低かったのは河北省の秦皇島市で66.9μg/m3であった。平均して1日当たりの死亡は8.6例で、うち呼吸器・循環器疾患死亡は4.4例であった。 結果、日中のPM10濃度が10μg/m3上昇で、1日当たりの死亡数は0.44%(95%信頼区間[CI]:0.30~0.58%)増大することが示された。また、前日からの2日間でPM10値が3分の1および3分の2低下しても、死亡増大との関連は統計的に有意なままであった。 PM10の呼吸器・循環器疾患死亡への影響は、10μg/m3当たり0.62%(0.43~0.81%)と推定された。他の疾患死では0.26%(0.09~0.42%)であった。 PM10曝露の影響は、男性よりも女性のほうが大きく、また年齢別では60歳以上のほうが60歳未満と比べて粒子状大気汚染に対して脆弱であることも示された。 PM10の影響は都市間でばらつきがあり、PM10濃度が高い都市のほうが影響はわずかだが低かった。

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抗血小板薬シロスタゾール、認知症リスク低下の可能性

 抗血小板薬が、認知機能に対する予防効果を有するかはよくわかっていない。台湾・高雄医学大学のShu-Yu Tai氏らは、アジア人における、cAMPホスホジエステラーゼ3阻害薬である抗血小板薬シロスタゾールの使用と認知症リスクとの潜在的な関連を検討した。Neurotherapeutics誌オンライン版2017年2月13日号の報告。 台湾の全民健康保険データベースより、2004年1月~2009年12月にシロスタゾールでの治療を開始した認知症でない患者を分析した。参加者は、年齢、性別、併存疾患、併用薬により層別化した。重要なアウトカムは、すべての原因による認知症とした。累積シロスタゾール投与量は、非使用患者と比較して1日量の四分位で層別化した。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時、認知症でない40歳以上の患者9,148例を対象とし、分析を行った。・シロスタゾールを使用していた患者(2,287例)は、非使用者(6,861例)と比較し、認知症リスクが有意に低下していた(調整後HR[aHR]:0.75、95%CI:0.61~0.92)。・とくにシロスタゾール使用は、用量依存的に認知症発現率の低下と関連していた(p for trend=0.001)。・サブグループ解析では、虚血性心疾患(aHR:0.44、95%CI:0.24~0.83)、脳血管疾患(aHR:0.34、95%CI:0.21~0.54)の診断を有するシロスタゾール使用患者において、認知症リスク低下が示された。 著者らは「本結果より、シロスタゾール使用が、認知症発症リスクを低下させる可能性があり、累積投与量が多いほどリスクが低下することを示唆している。これらの知見は、無作為化試験において、さらに検討すべきである」としている。

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