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ICD10に基づくフレイル評価、予後不良を予測/Lancet

 高齢の入院患者フレイルをスクリーニングし、予後不良のリスクが高い患者群を同定できる評価スコア「Hospital Frailty Risk Score:HFRS」が、フランス・Lyon Teaching HospitalのThomas Gilbert氏らによって開発された。HFRSは、病院の管理システムに国際疾病分類第10版(ICD-10)コーディングが用いられていれば利用可能で、システムに組み込めば自動的に判定できるようになるという。著者は、「低コストかつICD-10に基づく体系的な方法であり、予後不良のフレイルに対する適切なケアの提供に有用である」とまとめている。Lancet誌2018年5月5日号掲載の報告。ICD-10コードに基づくHFRSを約2万2,000例を基に作成 研究グループは、フレイルの特徴を有し予後不良のリスクが高い高齢者を日常診療データから同定する方法の確立を目的として、3段階アプローチを用い、ICD-10コードに基づくHFRSを開発し検証した。 はじめに、英国NHS傘下の病院の全入院患者に関する情報を含むHospital Episode Statistics入院患者データベースを用い、2013年4月1日~2015年3月31日に退院した75歳以上の高齢患者を抽出し(開発コホート2万2,139例)、ICD-10コードおよび医療資源の利用(入院日数および入院医療費)に基づいてクラスター分析を行い、フレイルの特徴を有する患者群を同定した。次に、この患者群で大きな比率を占めているICD-10コードを用い、HFRSを作成した。最後に、検証コホートにおいて、HFRSが緊急入院後の予後不良をどの程度予測するか、また、他の臨床的なフレイル評価スケールとどの程度一致するかについて確認した。ICD-10コードに基づくHFRS高値群で30日死亡のリスク高 開発コホートにおいて、フレイルと診断される高齢者は明らかな一群を形成しており、この群では緊急入院日数が2年間で33.6日と最も多かった。対して2番目に緊急入院日数が多かったのは急性心臓疾患患者群であったが、同日数は23.0日であった。 全国的な検証コホート(101万3,590例)において、ICD-10コードに基づくHFRSが15超の高リスク群20万2,718例(20.0%)では、5未満の低リスク群42万9,762例(42.4%)と比較し、30日死亡率(オッズ比[OR]:1.71、95%信頼区間[CI]:1.68~1.75)、長期入院率(OR:6.03、95%CI:5.92~6.10)および30日以内の再入院率(OR:1.48、95%CI:1.46~1.50)が高いことが認められた。これら3つのアウトカムに関するHFRSの判別力を示すC統計量は、それぞれ0.60、0.68および0.56であった。 ICD-10コードに基づくHFRSは、FriedおよびRockwoodの尺度と中程度に一致しており(κスコアは、それぞれ0.22[95%CI:0.15~0.30]および0.30[95%CI:0.22~0.38])、Rockwood Frailty Indexと中程度の一致が認められた(ピアソン相関係数0.41、95%CI:0.38~0.47)。

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16)エリプタ(レルベア、アノーロ)【手順編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、エリプタ(レルベア、アノーロ)の吸入手順を説明します。手順としては、片手で本体を持ち、もう片手でカバーを開ける→小窓の数字が減ったのを確認する→呼吸を整え、ゆっくり十分に息を吐く→吸入口をしっかりくわえる→下を向かず、背筋を伸ばし、勢いよく深く吸う(そのとき舌を下げて喉の奥を広げる)→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒間息を止め、薬剤を定着させる→鼻からゆっくり息を吐く→吸入口を清浄し、カバーを閉める→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)。●主な製剤(2015年3月時点のデータ)エリプタ(レルベア、アノーロ)

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指導医が語る心得のような本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第5回

【第5回】指導医が語る心得のような本どうも、タイトルを見て「あたりまえ体操」を思い出したナウい呼吸器内科医です。本書のフランケンシュタインを例に挙げた奇抜なまえがきを読みながら、これは期待できそうだなと読みはじめました。『救急外来 診療の原則集―あたりまえのことをあたりまえに』坂本 壮/著. シーニュ. 20172ページ目で「あ、これいい本だな」と思いました。なぜかといえば、最初の原則が、「焦ってはいけない!」だったのです。私は救急外来を専門にしているわけでも何でもないのですが、急変時に心掛けているのは焦らないことです。ある時、病棟で心肺停止になった患者さんがいました。そこに居合わせた若手医師は、「CPAだ! きゅ、救急カート持ってきてー! ルートとって! 除細動器ー! 挿管の準備してー!」と声を上げ、周囲のスタッフがドタバタになったことがありました。焦りが新たな焦りを生み、落ち着いてやれば1分で終わることに2分かかり、およそ実動的とは程遠い心肺蘇生でした。そんな時、10年目の循環器内科医が登場して、「落ち着け、おまえが焦ってたら進むものも進まない」とクールに決めながら、ルートがとれなくて難渋しているスタッフを横目に中心静脈をものの10秒で確保して、「この患者さんの基礎疾患を知っている人、教えてください」とつぶやきました。ほ、ほ、ほれてまうやろー!って……あれ、何の話だっけ。いや、書評をしているんだった。とにかく、最初の原則にその焦らないことを書いていたので、筆者のポリシーが五臓六腑に染みわたりました。もしこの本に結核のことが書かれていたら完璧だな…と上から目線で読んでいると、68ページにアッター! 「根拠のない楽観は禁物です」という名言が書いてあって、出典が『シン・ゴジラ』とかおしゃれなコラムに仕上がっています。最後の項目にDNARを持ってきたのは、筆者のこだわりでしょう。私も、DNAR=何もしないということではない、と常々感じており、筆者の意見に心から賛同しました。終末期の患者さんにDNARというタグをペタっと付けるのは簡単です。しかしタグを付けられた人への対応は決して一様ではありません。ケースバイケースに考えなければいけない。それは、救急であろうと緩和ケアであろうと同じです。この医学書は、マニュアル本ではありません。指導医が研修医とランチを食べながら話す、心得みたいなものです。かといって、左や右に極端に偏った意見をまとめたものではなく、ものすごくバランスがとれています。マニュアルとマインドの中間と思ってもらえればよいでしょう。不幸にも救急を研修していた時代に指導医に恵まれなかったすべての医師は、一読の価値あり!『救急外来 診療の原則集―あたりまえのことをあたりまえに』坂本 壮/著出版社名シーニュ定価本体4,200円+税サイズA5版刊行年2017年内容の一部をご覧いただけます 関連コンテンツ(CareNet.com)困ったときに慌てない! 救急診療の基礎知識  BEST(Basic Emergency Safety Technique) approachJapan Physical Club 2015 セクション3 俺の必殺フィジカル~意識障害を左右差で診断!

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コレステロールの吸収と合成を阻害する初の配合錠「アトーゼット配合錠LD/HD」【下平博士のDIノート】第1回

コレステロールの吸収と合成を阻害する初の配合錠「アトーゼット配合錠LD/HD」今回は、高コレステロール血症治療薬「エゼチミブ/アトルバスタチンカルシウム水和物配合錠LD/HD(商品名:アトーゼット)」を紹介します。コレステロールの吸収と合成をともに阻害するため、単独投与よりもLDLコレステロール値を低下させる可能性、また、1剤の服用で済むのでアドヒアランス向上や患者負担の軽減が期待できます。<効能・効果>高コレステロール血症、家族性コレステロール血症の適応で、2017年9月27日に承認され、2018年4月23日より販売されています。本剤は、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬であるエゼチミブと、HMG-CoA還元酵素阻害薬であるアトルバスタチンの配合剤です。異なる作用機序の成分を配合することで、小腸でのコレステロールおよび植物ステロールの吸収阻害作用と、肝臓でのコレステロール合成阻害作用により、血液中のコレステロールを低下させることが期待されます。なお、本剤を高コレステロール血症、家族性コレステロール血症治療の第1選択薬として用いることはできません。<用法・用量>通常、成人には1日1回1錠を食後に経口投与します。エゼチミブ/アトルバスタチンの含量は、LD錠が10mg/10mg、HD錠が10mg/20mgとなっており、アトルバスタチンの用量は、年齢、症状により適宜増減可能です。高コレステロール血症の場合はアトルバスタチンとして最大20mg、家族性高コレステロール血症の場合は最大40mgまで増量できます。<臨床効果>日本人高コレステロール血症患者309例を対象とした国内第III相二重盲検比較試験において、ベースラインからのLDLコレステロール変化率は、エゼチミブ10mg+アトルバスタチン10mg併用群はエゼチミブ10mgおよびアトルバスタチン10mgの各単独群との間、エゼチミブ10mg+アトルバスタチン20mg併用群はエゼチミブ10mgおよびアトルバスタチン20mgの各単独群との間に有意差が認められました。<副作用>国内の臨床試験では、臨床検査値異常を含む副作用が272例中4例(1.5%)に認められています。主な副作用は、胃炎、腹部膨満感、便秘などの消化器症状と、ALT増加、AST増加、γ-GTP増加、Al-P増加などの臨床検査値異常でした。<患者さんへの指導例>1.コレステロール吸収を抑える成分と、コレステロール合成を抑える成分の2種類が配合され、心血管系疾患の危険性を少なくすることが期待できます。2.一緒に飲んではいけない薬や避けたほうがよい薬がありますので、ほかに服用している薬があれば、必ず医師・薬剤師に伝えてください。3.手足のしびれ、筋力低下、筋肉痛、赤褐色の尿など[横紋筋融解症の前駆症状]がみられた場合や、これまでと違うだるさ、食欲不振、吐き気、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる症状[肝機能低下]がみられた場合はすぐに連絡してください。<Shimo's eyes>本剤を高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症の第1選択薬として使用すること、またはアトルバスタチン以外の同効薬の単独投与(ゼチーア錠も該当)からの切り替えは、原則として認められていないので注意が必要です。切り替えが下記に該当しない場合は疑義照会をする必要があります。【LD錠の適用】(1)エゼチミブ10mg+アトルバスタチン10mg併用、(2)アトルバスタチン10mgで効果不十分な場合【HD錠の適用】(1)エゼチミブ10mg+アトルバスタチン20mg併用、(2)アトルバスタチン20mg、(3)エゼチミブ10mg+アトルバスタチン10mg併用またはエゼチミブ/アトルバスタチン配合錠LDで効果不十分な場合本剤の薬価はLD錠、HD錠ともにゼチーア錠と同額のため、ゼチーア錠とリピトール錠あるいは後発のアトルバスタチン錠をそれぞれ単剤で併用するよりも医療費が軽減されます。アドヒアランスの向上も期待できるので、両剤を必要とする患者さんにとってメリットを感じやすいでしょう。通常、新薬の発売から1年間は14日分しか投与できないという処方日数制限がありますが、本剤の場合、既存薬のゼチーア錠とリピトール錠の併用療法は実質的に1年以上の臨床使用経験があるため、処方日数制限の対象外となっています。

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喫煙による難聴リスク~日本の大規模コホート

 わが国の職域多施設研究であるJapan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study(J-ECOH Study)において、喫煙が難聴(とくに高音域)リスクと関連することが示された。この喫煙による過剰リスクは、禁煙後、比較的短期間で消失するという。Nicotine & Tobacco Research誌オンライン版2018年3月14日号に掲載。 本研究は、難聴リスクと喫煙状況・喫煙量・禁煙との関連を検討した、わが国の大規模コホート研究である。ベースライン時に難聴を認めなかった20~64歳の労働者5万195人を最大8年間追跡した。純音聴力検査を毎年実施し、1kHzおよび4kHzにおける難聴について調べた。喫煙と難聴の関連はCox比例ハザード回帰モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中、3,532人に高音域の難聴、1,575人に低音域の難聴が発症した。・生涯非喫煙者と比較した現在喫煙者のハザード比(HR)は、高音域の難聴で1.6(95%信頼区間:1.5~1.7)、低音域の難聴で1.2(同:1.1~1.4)であった。・高および低音域の難聴リスクは、どちらも1日喫煙本数と共に増加した(傾向のp<0.001)。・過去喫煙者のHRは、高音域の難聴で1.2(同:1.1~1.3)、低音域の難聴で0.9(同:0.8~1.1)であった。・難聴リスクは禁煙により低下し、禁煙後5年未満の群においても低下していた。

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緑内障患者、オンライン利用技術とアドヒアランスに相関みられず

 オンライン上に医療情報が普及するにつれて、患者のオンラインの情報源へのアクセスと経験を踏まえることが重要となる。米国・ミシガン大学のPaula Anne Newman-Casey氏らの調査によれば、より若く、アドヒアランス不良な患者は、医師のアドバイスなしで緑内障の情報源をオンラインで検索するものの、その内容にしばしば満足感が得られないようである。著者は、「医師が疾患の自己管理指導の提供を推奨するうえで、質の高い緑内障のオンライン情報源が作成されるべきである」とまとめている。Telemedicine and e-Health誌オンライン版2018年4月23日号掲載の報告。 研究グループは、緑内障患者のオンライン利用技術に違いがあるかどうか、また、アドヒアランスがオンライン教育の経験と関連するかどうか調査を行った。緑内障治療薬を1種以上使用する成人緑内障患者164例を対象に、人口統計や患者背景、Morisky Adherence Scaleの調査を完了し、緑内障の情報源にオンラインを利用するかアンケートを実施した。 オンライン情報へのアクセス、アドヒアランスおよび年齢の相違を、カイ2乗検定、フィッシャーの正確確率検定および2標本t検定で比較した。 主な結果は以下のとおり。・調査対象者の平均年齢は、66歳であった。・26%は、アドヒアランスが不良であった。・80%は、オンライン情報へのアクセスが良好であった。・73%のアクセス能力が高い患者は、緑内障の情報をオンラインで希望したが、医師からオンライン情報源に誘導されていたのはわずか14%であった。・アクセス能力とアドヒアランスに、関連性は認められなかった(p=0.51)。・アドヒアランス不良の患者は、アドヒアランス良好の患者より若かった(平均年齢58歳 vs.66歳、p=0.002)。・アドヒアランス不良の患者には、オンライン検索に対してネガティブな感情が認められた(68% vs.42%、p=0.06)。

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COPDへの配合吸入剤、身体活動にも効果

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、慢性気管支炎や肺気腫を伴う肺の炎症性疾患であり、2018年4月、ガイドラインが5年ぶりに改訂された。日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は、わが国のCOPD患者を対象に、長時間作用性抗コリン薬であるチオトロピウム(商品名:スピリーバレスピマット)と、長時間作用性β2刺激薬との配合剤であるチオトロピウム/オロダテロール(同:スピオルトレスピマット)の吸入剤の効果を比較検討したVESUTO試験の結果を発表した。この結果は、2018年5月1日付のInternational Journal of COPD誌に掲載された。 本研究は、わが国のCOPD患者184例を対象に、チオトロピウム/オロダテロール群とチオトロピウム群それぞれの呼吸機能、運動耐容能、身体活動性に対する効果を、クロスオーバーデザインで6週間にわたり比較検討したもの。 主な結果は以下のとおり。・治療開始後6週時点の、投与60分後における最大吸気量は、チオトロピウム/オロダテロール群が1.990L、チオトロピウム群が1.875Lであり、群間差は115mL(p<0.0001)と、チオトロピウム/オロダテロール群で有意に改善した。・運動耐容能をみた6分間歩行距離は、全体集団では両群に差が認められなかったが、%FEV1(対標準1秒量)が50%未満の患者集団、6分間歩行試験を完遂できた患者集団では、チオトロピウム/オロダテロール群で有意に距離を延長した(後解析)。・身体活動性は、全体集団では両群に差が認められなかったが、3軸加速度計の装着が2日以上かつ1日の装着時間が8時間以上あった患者集団では、チオトロピウム/オロダテロール群において、2METs以上の1日平均活動時間が有意に長かった(後解析)。・有害事象は、両群ともに同程度の発現割合であり、懸念すべき有害事象は認められなかった。 治験調整医師代表の平田 一人氏(大阪市立大学医学部附属病院 病院長)は、「チオトロピウム/オロダテロールが、呼吸機能のみならず、6分間歩行試験でチオトロピウムを上回る効果を、身体活動性でも一定の条件下でチオトロピウムよりも活動時間を延ばすことが示されたことは価値のある結果だと思う」とコメントしている。■参考日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 プレスリリース■関連記事COPD新ガイドライン、第1選択薬など5年ぶり見直し

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うつ病に対するアリピプラゾールとセルトラリン併用療法の二重盲検ランダム化比較試験

 昭和大学の上島 国利氏らは、セルトラリン100mg/日で効果不十分なうつ病患者を対象に、アリピプラゾール併用またはプラセボ併用による有効性および安全性の比較検討を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2018年4月16日号の報告。 本研究は、スクリーニング期間、8週間のセルトラリン治療期間(単盲検、25~100mg/日)、6週間のアリピプラゾールまたはプラセボ併用期間(二重盲検)で構成された。対象は、DSM-5で定義されたうつ病診断患者。セルトラリン治療後の非治療反応患者は、アリピプラゾール併用群(アリピプラゾール3~12mg/日とセルトラリン100mg/日)またはプラセボ併用群(プラセボとセルトラリン100mg/日)にランダムに割り付けられた。主要有効性エンドポイントは、ベースラインから6週までのMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)総スコアの平均変化量とした。 主な結果は以下のとおり。・合計412例の患者が、アリピプラゾール併用群(209例)またはプラセボ併用群(203例)にランダムに割り付けられた。・MADRS総スコアの平均変化量は、プラセボ併用群(-7.2)と比較し、アリピプラゾール併用群(-9.2)で有意に大きかった(p=0.0070)。・アリピプラゾール併用群およびプラセボ併用群において、10%以上で発現した治療上の有害事象は、鼻咽頭炎(各々、13.4%、11.3%)およびアカシジア(各々、12.9%、3.4%)であった。・アリピプラゾール併用群で発現した治療上の有害事象は、すべて軽度~中等度であった。・治療上の有害事象による治療中断は、アリピプラゾール併用群で1.9%、プラセボ併用群で1.5%と、いずれも低値であった。・安全性評価において、アリピプラゾール併用群は、プラセボ併用群と比較し、顕著な問題は認められなかった。 著者らは「セルトラリン100mg/日での治療で効果不十分なうつ病患者では、アリピプラゾール併用療法は有用であり、忍容性も良好であった」としている。■関連記事SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬の比較アリピプラゾール増強が有効な治療抵抗性うつ病患者の3つの特徴

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抗血小板薬2剤併用、CABG後グラフト開存率を改善/JAMA

 チカグレロル+アスピリンによる抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)は、アスピリン単剤に比べ、冠動脈バイパス術(CABG)後1年時の伏在静脈グラフトの開存率を改善することが、中国・上海交通大学医学院附属瑞金医院のQiang Zhao氏らが行った多施設共同試験(DACAB試験)で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年4月24日号に掲載された。CABG後の伏在静脈グラフトの開存に及ぼす、アスピリン+P2Y12受容体拮抗薬によるDAPTの効果については、いくつかの小規模な短期的臨床試験で相反する結果が報告されているという。1年後のグラフト開存率を3群で比較 研究グループは、CABG後の伏在静脈グラフトの開存におけるチカグレロル+アスピリンおよびチカグレロル単剤の効果を、アスピリン単剤と比較する非盲検無作為化試験を実施した(AstraZeneca社の助成による)。 対象は、年齢18~80歳の待機的CABGの適応例であった。緊急血行再建術、他の心臓手術の併用、CABG後にDAPTまたはビタミンK拮抗薬を要する患者や、重篤な出血のリスクを有する患者は除外された。 被験者は、CABG後24時間以内にチカグレロル(90mg×2回/日)+アスピリン(100mg/日)、チカグレロル単剤(90mg×2回/日)、アスピリン単剤(100mg/日)を投与する群に1対1対1の割合で無作為に割り付けられ、1年間の治療が行われた。 主要アウトカムは、1年後の伏在静脈グラフトの開存(FitzGibbon分類:GradeA[狭窄<50%])とし、割り付け情報を知らされていない審査委員会が独立に判定を行った。探索的な事後解析として、グラフト非閉塞(GradeA+B[狭窄≧50%])の評価も行った。開存の評価には、マルチスライスCT血管造影法または冠動脈血管造影法を用いた。 2014年7月~2015年11月の期間に、中国の6つの3次病院に500例が登録された。2剤併用群に168例、チカグレロル単剤群に166例、アスピリン単剤群には166例が割り付けられた。1年グラフト開存率:88.7%、82.8%、76.5% ベースラインの全体の平均年齢は63.6歳で、91例(18.2%)が女性であった。461例(92.2%)が試験を完遂した。 1年時のグラフト開存率は、併用群が88.7%(432/487グラフト)、チカグレロル単剤群が82.8%(404/488グラフト)、アスピリン単剤群は76.5%(371/485グラフト)であった。併用群とアスピリン単剤群の差は12.2%(95%信頼区間[CI]:5.2~19.2)であり、有意な差が認められた(p<0.001)のに対し、チカグレロル単剤群とアスピリン単剤群の差は6.3%(-1.1~13.7)と、有意差は認められなかった(p=0.10)。 7日時のグラフト開存率には、併用群とアスピリン単剤群(94.9 vs.91.1%、p=0.11)、チカグレロル単剤群とアスピリン単剤群(94.3 vs.91.1%、p=0.17)のいずれの比較においても、有意な差はみられなかった。 事後解析では、1年時のグラフト非閉塞率は、併用群がアスピリン単剤群に比べ高かった(89.9 vs.80.6%、p=0.006)が、チカグレロル単剤群とアスピリン単剤群(86.1 vs.80.6%、p=0.17)には差がなかった。また、7日時の非閉塞率は、併用群とアスピリン単剤群(95.3 vs.92.8%、p=0.26)、チカグレロル単剤群とアスピリン単剤群(95.7 vs.92.8%、p=0.16)のいずれの比較においても、有意な差はなかった。 主要有害心血管イベント(MACE:心血管死+非致死的心筋梗塞+非致死的脳卒中)は、併用群が3例(1.8%)、チカグレロル単剤群が4例(2.4%)、アスピリン単剤群は9例(5.4%)で発現し、大出血は併用群が3例(1.8%)、チカグレロル単剤群は2例(1.2%)に認められた。 著者は、「相対的な出血リスクの評価には、患者数を増やしたさらなる検討を要する」としている。

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全国の麻疹患者は累積で100例超に

 国立感染症研究所(NIID)の「IDWR感染症発生動向調査速報(2018年第17週:4月23日~4月29日)」(5月9日付)によると、第17週までの全国での麻疹の累積報告数は102例となり、引き続き増加傾向であることが明らかになった。NIIDはまた、5月11日の「IDWR感染症発生動向調査週報(2018年第16週:4月16日~4月22日)」にて、「帰国後の海外渡航者に対しては、2週間程度は麻疹発症の可能性も考慮して健康状態に注意することが重要である」と注意喚起している。 第17週の全国の麻疹発生状況は次のとおりである。・麻疹12例〔麻疹(検査診断例9例、臨床診断例0例)、修飾麻疹3例〕・感染地域:沖縄県4例、愛知県6例、東京都1例、埼玉県1例・累積報告数:102例〔麻疹(検査診断例58例、臨床診断例14例)、修飾麻疹30例〕■参考NIID国立感染症研究所:IDWR 感染症発生動向調査週報NIID国立感染症研究所:IDWR 感染症発生動向調査速報厚生労働省:感染症情報(麻しんについて)■関連記事全国の麻疹患者は累積で67例麻疹の流行、どう対応する

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統計のそこが知りたい!

大好評をいただいた「わかる統計教室」に引き続き、医学統計のわかりにくい部分を解説する新コーナーの登場です。このコーナーでは、医学論文を読むに当たって多くの人が疑問に思うこと、勘違いしやすいことを取り上げ、簡潔にわかりやすく解説していきます。最初にこのコーナーで理解し、さらに「わかる統計教室」で詳しく学習していただければ、さらに理解は進みます。統計解析の専門家、志賀 保夫氏(株式会社アイスタット)に解説いただきます。●くわしい統計の学習は わかる統計教室

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第1回 「標準偏差」と「標準誤差」の使い分けは【統計のそこが知りたい!】

第1回 「標準偏差」と「標準誤差」の使い分けは論文、図などでよく目にする標準偏差(standard deviation:SD)と、よく似た統計用語に標準誤差(standard error:SE)があります。今回は、両者をどのように使い分けているのかについて解説します。※本稿では、標準誤差と標準偏差とが類似しているので、混乱を避けるため本文では「標準誤差」を「標準誤差(SE)」あるいは「SE」と表します。■標準偏差の働きを考える標準偏差とは何かを考えてみましょう。ご存じのように、ある薬剤の効果に関する試験を行った結果、得られたデータの散らばりの程度を数値で示すことができれば、その値を比較することによって薬剤を評価することができます。その散らばりの程度を示す数値のことを「標準偏差(standard deviation:SD)」といいます。注意が必要なのは、標準偏差は平均値と比べて、「どれだけばらついているか?」「差が大きいか?」を求めた数値ですので、データの分布が偏っていて外れ値があり、平均値と中央値が大きく異なるような場合は、このデータの代表値として平均値を用いるのは適切ではありません。その結果、標準偏差も外れ値に対して強く影響を受け、大きな値になってしまいます。次に標準誤差(SE)について考えてみましょう。標準誤差(SE)とは、標準偏差(SD)を√nで割った値です。上の式からもわかるように、標準誤差(SE)は必ず標準偏差よりも小さくなります。■母集団を知るために必要な尺度は何か?標準誤差(SE)は必ず標準偏差よりも小さくなりますので、標準誤差(SE)を用いてグラフなどを作成したほうがデータのバラツキが少ないように見えるので見かけがよくなります。実際に、多くの医学論文などで標準誤差(SE)が使われていますが、決して見かけをよくするために標準誤差(SE)を用いているわけではありません。もう一度、前述の式をよく見てみましょう。標準偏差が大きいと、外れ値があったり、試験の結果として得られるデータのバラツキが大きいということです。したがって、標準偏差は小さいほうが良いわけです。では、サンプルサイズnの大小関係については、どう考えればよいでしょうか。母集団のことを知るためには、サンプルサイズnは大きいほうが良いですね。標準誤差(SE)の式を見てください。標準偏差、nがどのような場合、標準誤差(SE)は小さくなるでしょうか?標準偏差が小さく、nが大きいときに標準誤差(SE)が小さくなります。つまり、データの散らばり程度とサンプルサイズnの大きさを考慮して求められた標準誤差(SE)は、母集団のことを知るためのバロメーターとなるのです。ですから、標準誤差(SE)は重要だということです。■誤差について考える簡単な事例で具体的にみてみましょう。次の図「薬剤Aと薬剤Bの平均値棒グラフ」は、論文で見る機会が多いと思います。図 薬剤Aと薬剤Bの平均値棒グラフ薬剤A、Bそれぞれの平均値に示されているエラーバーを見てください。これが誤差(エラー)を表していることはおわかりだと思いますが、その意味は何でしょうか。エラーバー(error bar)は、データの誤差(エラー)の程度を表すためのもので、±標準偏差、±標準誤差(SE)、パーセンタイル(percentile)、95%信頼区間(confidence interval:CI)などが使い分けられています。この図はどちらも同じデータを表したもので誤りではありません。しかし、エラーバーの長さが(1)と(2)で違います。つまり、論文の図あるいは説明文には、エラーバーが何を表しているかを明確に記さなければなりません。では、今回のテーマに戻り、標準偏差と標準誤差(SE)の使い分けについて考えてみましょう。エラーバーに標準偏差を用いるのは、標準偏差はデータのバラツキそのものを示す指標ですから、純粋にデータのバラツキを示したい、あるいは比べたいというときは標準偏差を使うべきです。たとえば、対象者がどのような特徴を持っていたのかを記述するときです。±標準偏差はおおよそデータの2/3が含まれる範囲としてかまいません。±1.96×標準偏差であれば、データのおおよそ95%が含まれます。これらの目安は、データが正規分布に従うときはかなり正確ですが、そうでないときには用いることはできません。身近な例では、人間ドッグ受診後に渡される臨床検査値の正常範囲は、健常人の95%が含まれる区間となっていることはよく知られています。一方、標準誤差(SE)は母集団のことを知るためのバロメーターですので、母集団の平均の区間推定量となります。ですから、母平均の推定をしたい、あるいは比べたいというときは標準誤差(SE)を示せばよいのです。母平均ですから、多くの論文で標準誤差(SE)が用いられているのです。●標準偏差の算出方法(1)個々のデータから平均値を引く。求められた値を「偏差(deviation)」という。(2)個々の偏差を平方する。(「偏差×偏差」)。求められた値を「偏差平方(squared deviation)」という。(3)求められたn例の偏差平方を合計する。合計の値を「偏差平方和(sum of squared deviation)」という。(4)偏差平方和をn数(n例)で割る。求められた値を「分散(variance)」という。(5)分散のルートを計算する。求められた値を「標準偏差(SD)」という。●標準誤差(SE)の算出方法■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション1 母集団、n数、サンプル数、サンプルサイズとはセクション5 標準誤差(SE)とは第4回 ギモンを解決! 一問一答質問3 標準偏差と標準誤差の違いは何か?

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保険薬局は非営利法人にすべきか?【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第1回 

最近、保険薬局が国民の保険料や税金を株主に還元することは問題であり、保険薬局は非営利法人に限定すべきとの主張を聞くことがあります。皆さん知ってのとおり、現在、薬局の多くは株式会社です。この指摘は、株式会社が保険薬局を運営していることに対してのものと考えてよいでしょう。よく、株式会社は誰のものかという議論がありますが、法的な「所有と経営の分離」という考えをもとにすれば、株式会社は株主のものと考えるのが一般的でしょう。だからと言って、株主が株式会社を全面的に自由にできるのではなく、取締役の選任ができたり、利益の分配が受けられたりするという意味です。だからこそ、株式会社は誰のものかという議論になるわけですが。株式会社と薬局法人の併存ならアリ?さて、今回は保険薬局が株主に、国民の保険料や税金を還元することについて指摘がありましたが、これは利益の配当が問題にされています。また、会社を清算した場合、残余財産分配の問題もあるかもしれません。ご存じのとおり、病院などを開設する医療法人は非営利とされ、配当は禁止されています。そのため、薬局も同様に非営利法人とすべきとの主張は以前からありました。取締役への報酬支払いであれば、働くことへの対価と見ることができますが、株主への配当に関して、保険料などが使われるのは適切ではないということなのかもしれません。これまでも、非営利で薬局を行う法人を薬局法人などと呼び話題になったことがありました。保険調剤だけに限るのであればそのような考えもわかりやすいですが、一般的な薬局では保険調剤と別に一般用医薬品の販売なども行っていますし、株式会社であるため、その他の事業を行っている場合も多くあります。薬局は、以前から小売りの一面があり、昨今言われる「健康サポート薬局」などの考えが進んでいけば、保険調剤だけでは完結しないでしょう。そう考えると、保険薬局を原則非営利として、医療事業などだけを行う医療法人のように、業務を限定するのは難しいかもしれません。そういう意味では、現在の保険薬局が保険調剤のみを行っているように見られているからこその指摘とも言えそうです。また、実際に、すでにこれだけ多くの株式会社が経営している保険薬局を、すべて非営利にするのはなかなか難しいように思いますし、思い切った規制をすると法的にも問題がありそうので、実現するのは容易ではありません。そのため、すぐに薬局法人などの議論が具体的に開始するとは思えませんが、既存の株式会社は据え置きと認めた上で、今後、法人の一形態として薬局法人なるものが認められる可能性はあるかもしれません。調剤報酬改定では、大手チェーン全体の収益を下げるような動きもあるようですが、営利がだめと言うなら、中小も大手も本来は関係がなく、全保険薬局の問題とも思えます。今後、どれだけ大きな議論になるかはわかりませんが、動きに注目しておいてもよいかもしれません。

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手術関連死、最も少ないのは50代女性外科医/BMJ

 手術の技能は、外科医が職歴を重ね、技術や経験を蓄積することで向上するが、手先の器用さの衰えや知識の旧態化により低下する可能性が指摘されている。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校の津川 友介氏らは、メディケア受給者のデータを解析し、年長の外科医による治療を受けた患者は、若年外科医の治療を受けた患者に比べ死亡率が低く、外科医の性別で手術関連死に差はないことを示した。研究の成果は、BMJ誌2018年4月25日号に掲載された。年長の外科医と若い外科医の技能の優劣については相反するエビデンスがあり、最近のカナダの1州で実施された研究では、女性外科医は男性外科医に比べ手術関連死が少ないことが示唆されているという。4万5,826人の外科医の手術を受けた89万2,187例を解析 研究グループは、外科医の年齢別、男女別の患者死亡率の評価を目的とする観察研究を行った(米国国立衛生研究所[NIH]の助成による)。 2011~14年に、米国の救急病院で20種の非待機的大手術(major non-elective surgeries)のうち1つを受けた、65~99歳のすべての出来高方式メディケア受給者を対象とした。 主要アウトカムは手術関連の患者死亡率とした。手術関連死は、患者と外科医の背景因子および病院の指標変数で調整した、入院中または手術後30日以内の死亡と定義した。 4万5,826人の外科医(平均年齢:50.5歳、男性:4万1,192人[89.9%]、女性:4,634人[10.1%])による治療を受けた89万2,187例が解析に含まれた。患者死亡率は、50代の女性外科医が最も低い 全体の手術関連の患者死亡率は6.4%(5万6,803/89万2,187)であった。外科医の年齢別の調整済み患者死亡率は、40歳未満が6.6%(95%信頼区間[CI]:6.5~6.7%)、40~49歳が6.5%(6.4~6.6%)、50~59歳が6.4%(6.3~6.5%)、60歳以上は6.3%(6.2~6.5%)であり、年齢が高いほど死亡率が低かった(傾向のp=0.001)。 一方、女性外科医と男性外科医で、手術関連の患者死亡率に有意な差は認めなかった(補正死亡率:6.3 vs.6.5%、補正オッズ比:0.97、95%CI:0.93~1.01、p=0.14)。また、外科医の性別で層別化すると、患者死亡率は男女とも、60歳以上の女性を除き外科医の年齢が上がるほど低下し、手術関連死亡率が最も低いのは50代の女性外科医だった。 疾患の重症度別の補正手術関連死亡率は、高リスク例では外科医の年齢が高いほど低かった(p=0.01)が、中等度リスク例および低リスク例では有意な差はみられなかった。また、男女間に、重症度別の死亡率の差は認めなかった。 さらに、手術件数が多い外科医では、年齢が高いほうが手術関連死亡率は低かったが、手術件数が少ないまたは中程度の外科医では、年齢と死亡率に関連を認めなかった。 著者は、「若年外科医のほうが死亡率が高いという知見からは、外科医の研修終了後の職歴の早期における監視、監督の強化が有用と考えられ、さらなる実証的研究が求められる。また、アウトカムは男女の外科医で同等であることから、手術を受ける患者は外科医の性別にかかわらず、質の高いケアを受けていることが示唆される」としている。

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下腿潰瘍、表在静脈逆流への早期焼灼術で迅速な治癒/NEJM

 静脈疾患は、下腿の潰瘍形成の最も一般的な原因である。英国・ケンブリッジ大学病院のManjit S. Gohel氏らは、表在静脈逆流への早期の静脈内焼灼術は待機的な静脈内焼灼術に比べ、静脈性下腿潰瘍の治癒を迅速化し、潰瘍のない期間を延長することを示した(EVRA試験)。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年4月24日号に掲載された。圧迫療法は、静脈性潰瘍の治癒を改善するものの、静脈高血圧の根本原因を治療するものではない。表在静脈逆流の治療は潰瘍の再発率を低下させるが、表在静脈逆流への早期静脈内焼灼術が、潰瘍の治癒に及ぼす効果は明らかにされていない。早期静脈内治療の役割を評価 EVRA試験は、静脈性下腿潰瘍患者への圧迫療法の補助療法としての、表在静脈逆流への早期静脈内治療の役割を評価する多施設共同無作為化対照比較試験である(英国国立健康研究所[NIHR]医療技術評価プログラムの助成による)。 2013年10月~2016年9月の期間に、英国の20施設に450例の静脈性下腿潰瘍患者が登録された。参加者は、圧迫療法を受け、無作為割り付け後2週間以内に表在静脈逆流への早期静脈内焼灼術を受ける群(早期介入群:224例)、または圧迫療法を受け、潰瘍が治癒後あるいは治癒しない場合は無作為化割り付け後6ヵ月時に、待機的に静脈内焼灼術を考慮する群(待機的介入群:226例)に割り付けられた。 主要アウトカムは、潰瘍が治癒するまでの期間とした。副次アウトカムは、24週時の潰瘍治癒率、1年時の潰瘍再発率および潰瘍がない期間の長さ(無潰瘍期間)、患者報告による健康関連QOLであった。潰瘍治癒までの期間:56日 vs.82日、無潰瘍期間:306日 vs.278日 ベースラインの平均年齢は、早期介入群が67.0±15.5歳、待機的介入群は68.9±14.0歳で、女性はそれぞれ43.3%、46.9%であった。静脈性下腿潰瘍の治癒に影響を及ぼすと考えられる潰瘍の持続期間や大きさ、深部静脈血栓症の既往歴は両群でほぼ同様だった。 早期介入群は、待機的介入群に比べ潰瘍治癒までの期間が短く、潰瘍治癒を達成した患者が多かった(潰瘍治癒のハザード比[HR]:1.38、95%信頼区間[CI]:1.13~1.68、p=0.001)。潰瘍治癒までの期間中央値は、早期介入群が56日(95%CI:49~66)、待機的介入群は82日(69~92)だった。 24週時の潰瘍治癒率は、早期介入群が85.6%、待機的介入群は76.3%であった。事後解析における12週時の潰瘍治癒率は、それぞれ63.5%、51.6%であった。また、全体の1年以内の潰瘍治癒率は89.7%(404/450例)で、早期介入群は93.8%(210/224例)、待機的介入群は85.8%(194/226例)であり、群間差は8.0ポイント(95%CI:2.3~13.5)だった。 1年以内に潰瘍治癒を達成した404例のうち、フォローアップ期間終了前に再発した患者の割合は、早期介入群が11.4%(24/210例)、待機的介入群は16.5%(32/194例)であった(再発率の群間差:0.08イベント/人年、95%CI:-0.02~0.18)。また、1年時の無潰瘍期間中央値は、306日(IQR:240~328)、278日(175~324)だった(p=0.002)。 疾患特異的QOLを評価するAberdeen Varicose Vein Questionnaireのスコアでは、明確な差はないものの、全般に早期介入群で低く、良好な傾向がみられた。EQ-5D-5Lにも、明らかな差は認めなかった。また、静脈内焼灼術の手技に関連する最も頻度の高い合併症は、疼痛および深部静脈血栓症であった。 著者は、「静脈内治療を早期に行えば、潰瘍がより迅速に治癒することが示された」とまとめ、「このベネフィットは、質の高い圧迫療法の有無にかかわらず観察され、これは両群とも治癒率が良好であったことの説明となる可能性がある。また、有効性が高い圧迫療法は無作為化試験以外では一般的ではないと考えられ、リアルワールドでは治癒までにもっと長い期間を要する。したがって、早期静脈内治療による潰瘍治癒の改善効果は、実臨床のほうが本試験よりも高い可能性がある」と考察を加えている。

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オランザピンおよびリスペリドンの体重増加に関するメタ解析

 体重増加が抗精神病薬の投与と関連していることは、メタ解析と同様に、単一研究から報告された多くのデータにより示されている。しかし、抗精神病薬誘発性の体重増加に、潜在的な性差が認められるかについては、検討されていない。スイス・ベルン大学精神医学病院のG. Schoretsanitis氏らは、女性患者の場合、有害な薬物反応に対する感受性が高いため、男性と比較し、体重が増加しやすいのではないかとの仮説について検討を行った。Acta psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2018年3月30日号の報告。 抗精神病薬による臨床試験の中で、体重変化について男女別に報告している研究を対象に、メタ解析を実施した。抗精神病薬の使用期間により、6週間未満、6~16週間、16~38週間、38週超の4つのカテゴリに分類した。男女別にフォレストプロットを作成し、抗精神病薬の使用期間で層別化を行った。性差は、メタ回帰を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・本検討の分析には、26件の研究より、オランザピン、リスペリドン、未治療群の利用可能なデータを使用した。・オランザピンあるいはリスペリドンへの切り替えまたは使用開始の後に、男女とも著しい体重増加を来したが、メタ回帰分析においては性差が認められなかった。 著者らは「抗精神病薬誘発性の体重増加における性差に関して、現在のメタ解析では、性別の特異的なパターンの検出が妨げられている。慢性期患者に対する、短期または中期的な治療でのオランザピンまたはリスペリドンへの切り替えでは、男女ともに体重増加が認められたが、有意な性差は報告されなかった」としている。■関連記事オランザピン誘発性体重増加のメカニズム抗精神病薬の体重増加リスクランキング非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か

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難治アトピー、10年ぶりの新薬に期待

 2018年5月8日、サノフィ株式会社は、アトピー性皮膚炎(AD)に関するメディアセミナーを都内で開催した。本セミナーでは、「アトピー性皮膚炎初の生物学的製剤『デュピクセント(一般名:デュピルマブ)』治験のご報告~深刻な“Disease Burden”(疾病負荷)からの解放をめざして~」をテーマに、AD患者の経験談、新薬が拓くAD改善の可能性、治療の展望などが語られた。重症AD患者の日常生活を取り戻す可能性 田中 暁生氏(広島大学大学院 医歯薬保健学研究科 皮膚科学 准教授)が、AD標準治療とその課題、デュピルマブの投与症例などについて説明した。 ADは、皮膚バリア破壊、免疫・アレルギー異常、かゆみの3病態が互いに連動しているが、保湿剤、ステロイド外用薬、免疫抑制薬、内服抗ヒスタミン薬を適切に使用することで、重症を含めたほとんどの患者は、寛解状態(湿疹のない状態)を得ることが可能であるという。しかし、これらの治療は、毎日広範囲に外用薬を塗布するなど負担が大きいため、間違った使い方や誤解により効果が得られない例が存在する点を田中氏は指摘した。 デュピルマブは、ADの代表的な3つの病態すべてに作用し、症状を改善する可能性がある。治験を担当した同氏は、「デュピルマブにより疾患がコントロールされ、患者さんが今まで制限されていた日常生活を取り戻す症例を経験した。新たな治療選択肢の登場が、AD治療の歴史を変える転換点になることを期待する」と語った。ガイドラインを順守し、デュピルマブの適切な使用を 次に、佐伯 秀久氏(日本医科大学大学院 皮膚粘膜病態学 教授)が、デュピルマブの治験成績を説明し、AD治療における今後の期待などを述べた。 ADの評価尺度として、臨床徴候をスコア化したEASIが国際的に用いられている。国際共同第III相試験は、中等~重症の成人AD患者を対象に行われ、ステロイド外用薬(ストロング)との併用で、治療期間52週における、デュピルマブの有効性と安全性が検討された。その結果、16週時点でEASIスコアは平均80.1%低下し、その後52週まで維持された。副作用は注射部位反応、頭痛、アレルギー性結膜炎などが発現したが、重篤な有害事象は対照群と比較して、発生件数に大きな差は認められなかった(デュビルマブ群14例、対照群16例)。 デュピルマブは、2018年4月、最適使用推進ガイドラインが厚生労働省より策定され、投与対象の条件について具体的に定められている。佐伯氏は、「ADはまず標準治療をしっかり行うことが重要。デュピルマブは、重症難治例や、副作用などにより既存の薬剤を使用できない例などの、アンメットニーズを満たす薬剤として期待できる」と語った。 最後に両医師が、ADの病態は、良好な状態が長期間続くほど、その後の経過も良い傾向にあると示した。「適切な治療により症状が大きく改善され、維持できたら、徐々に薬を減らしたり、間隔を広げたりできる可能性は十分に見込めるので、AD患者は積極的に目的意識を持つことが重要」だと締めた。疾病負荷は良質なコミュニケーションで改善の可能性 ADは、増悪・寛解を繰り返す慢性疾患である。患者数の増加が続いており、2014年の総患者数は推計45万6,000人、その2~3割が中等症以上といわれている。2017年にサノフィ株式会社が行った意識調査によると、ADによる生活の質への影響は85.7%、精神面への影響は79.3%の患者が感じており、患者の疾病負荷への理解や認識は、症状改善のための大事なファクターと考えられる。 現在、治療はガイドラインに基づいて行われているが、医師とのコミュニケーションが不足しているほど、症状の改善・寛解の割合は低いままだったという。医師はこの現状を把握し、身体症状以外の負荷についてヒアリングを行うなど、患者の気持ちに寄り添ったコミュニケーションを心掛けていくことが求められる。 ADの新薬は、ここ10年間登場していなかった。デュピルマブは、従来とはまったく異なる作用機序を持つため、既存治療で効果不十分な中等~重症患者に、待ち望まれた新薬と言える。なお、同薬は現在、コントロール不良の気管支喘息に対する適応の追加を申請中。■参考サノフィ株式会社 プレスリリース認定NPO法人 日本アレルギー友の会■関連記事アトピー性皮膚炎に初の抗体医薬品発売

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