サイト内検索|page:1071

検索結果 合計:36567件 表示位置:21401 - 21420

21401.

第6回 「モノから人へ」を誤解していないか?【週刊・川添ラヂオ】

動画解説「モノから人へ」。薬剤師の仕事のあり方に関して、最近よく耳にする言葉です。川添先生は、この方向性を基本的に支持しながらも、少し間違えて理解している薬剤師がいるのではないか?と危惧します。フィジカルアセスメントはもちろん重要です。しかし、薬剤師の基本はやはり調剤。フィジカルアセスメントが完璧でも、薬というモノをしっかり扱えない薬剤師は優秀な薬剤師ではありません。川添先生は言います。「モノから人へ」ではなく…さて、何でしょう?

21402.

不眠症におけるデュアルオレキシン受容体拮抗薬とその潜在的な役割に関するアップデート

 現在の不眠症に対する薬物治療は、すべての不眠症患者のニーズを十分に満たしているわけではない。承認されている治療は、入眠および睡眠維持の改善において一貫して効果的とはいえず、安全性プロファイルも複雑である。これらのことからも、追加の薬物療法や治療戦略が求められている。初期研究において、一部の不眠症患者に対して、デュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA)が追加の薬物治療選択肢として有用であると示されている。米国・セント・トーマス大学のKayla Janto氏らは、DORAとその潜在的な役割について、既存の文献を調査しアップデートを行った。Journal of Clinical Sleep Medicine誌2018年8月15日号の報告。 DORAに関する既存の文献は、PubMedデータベースより、「オレキシン受容体拮抗薬」「almorexant」「filorexant」「lemborexant」「スボレキサント」の検索キーワードを用いて検索を行った。検索対象は、英語の主要な研究論文、臨床試験、レビューに限定した。 主な結果は以下のとおり。・不眠症治療においてオレキシン受容体系を標的とすることは、より一般的に用いられるGABA作動性催眠鎮静薬治療に対する追加および代替的な薬物治療である。・現在の文献において、その有効性が示唆されているものの、まだ十分に確立されていない。・前臨床報告では、アルツハイマー病と不眠症を合併した患者に対する治療の可能性が示唆されている。 著者らは「DORAは、不眠症に対する追加の治療選択肢として使用可能である。いくつかの不眠症サブタイプにおいて、その安全性および有効性をきちんと評価するために、より多くの臨床試験が必要とされる。不眠症に対する既存治療とのhead-to-head比較研究が求められている」としている。■関連記事日本人高齢不眠症患者に対するスボレキサントの費用対効果分析不眠症へのスボレキサント切り替えと追加併用を比較したレトロスペクティブ研究不眠症患者におけるスボレキサントの覚醒状態軽減効果に関する分析

21404.

風疹にいま一度気を付けろっ! その1【新興再興感染症に気を付けろッ!】

ケアネットをご覧の皆さま、こんにちは。国立国際医療研究センター 国際感染症センターの忽那です。本連載「新興再興感染症に気を付けろッ!」、通称「気を付けろッ」は「新興再興感染症の気を付け方」についてまったりと、そして時にまったりと、つまり一貫してまったりと学んでいくコーナーです。忘れたころにやってくる「風疹」月日が経つのは早いもので、前回のラッサ熱から5ヵ月が経ちました。その間にコンゴ民主共和国でエボラ出血熱が流行し、終息し、そしてまたコンゴ民主共和国の別のところで流行し、そして現在落ち着いてきているところです。光陰矢の如し、ということで感染症の世界も刻一刻と疫学が変化しているわけです。当初、隔週の連載で、ということで始まったこの「新興再興感染症に気を付けろッ!」ですが、もはや5ヵ月間原稿を書かなくともまったく心が揺るがない「無の境地」に達することができました。これもひとえに読者の皆さま(少数のマニア)のおかげです。今後とも本連載を、どうぞよろしくお願い申し上げます。さて、そんな中、わが国でまた「風疹」が流行しようとしています。東京都、千葉県を中心に8月から症例数が増加してきています。2018年9月11日時点での報告数は362例となっており、これは昨年の4倍のペースです(国立感染症研究所 感染症疫学センター発表)。今回もワクチン未接種者の30~40代が罹患風疹といえば思い出されるのは2013年の大流行です。5年前も関東を中心に1万7千人を超える感染者が出たことは、記憶に新しいことと思います1)。このときは45例もの先天性風疹症候群が報告されました。前回の流行では中年男性が77%を占めたわけですが、今回の流行でも30~40代の男性に多いことがわかっています。これはなぜかと言いますと、この世代の男性(1962~1978年度生まれ:2018年現在39~55歳)は、定期接種として風疹ワクチンを接種していないからであります! 図1は、前回の流行時に風疹に罹患した男性患者を風疹ワクチン接種歴ごとに見たものです。画像を拡大するご覧のとおり、見事なまでに30~40代に集中しており、かつ症例の95%以上が「ワクチン接種歴不明、なし、1回」のいずれかです。「風疹の予防のためにはワクチンを2回接種すべしッ!」ということが、この結果からもはっきりとわかるわけです。ちなみに今回の流行でも東京都の報告によりますと30~40代の男性に多く、ワクチン接種歴不明、なし、1回の方が多いとのことです(東京都感染症情報センター)。ワクチン接種の重要性については前回の流行時にさんざん強調され、「免疫のない人はワクチンを打ちましょうッ!」つって各メディアでも取り上げられていたわけですが、流行が去ってしまえば皆、風疹ワクチンや先天性風疹症候群のことなんか忘れてしまい…結果としてわれわれは同じ過ちを繰り返しているわけです。結局のところ私たちは前回の流行から何も学んでいなかったのではないでしょうか…はっきり言ってわれわれ医療従事者一人ひとりにできることなんて、感染症の流行の前には手も足も出ないのではないか…そんな無力感にさいなまれる医療従事者も多いのではないでしょうか。そんな皆さまのために、5年前にわれわれ有志が作った超チープな風疹啓発動画(いまや完全に黒歴史)を見ていただきましょう。風疹の流行を止めるためにどうですか。めっちゃ寒いでしょう。でも何というか、若気の至りなりに「風疹の流行を止めよう!」という思いが伝わってきませんか。ちょうど当時は林修先生の「今でしょ!」が流行ってたんでしょうね。今では「今でしょ!」って言ってる人は見かけなくなりましたけど、むしろ今こそ風疹ワクチンを接種するべきタイミングでありまして、林修先生にはいま一度「今でしょ」リバイバルを巻き起こしてほしいところであります。再度確認、ワクチンの重要性画像を拡大する図2 母子手帳の予防接種歴を確認しましょうポスターこの流行を前回のような規模にしないためには、予防接種が重要であることがおわかりいただけたかと思います。では、患者さんが風疹ワクチンを接種しているかどうかという予防接種歴を確認するためにはどうすればよいかですが…几帳面な人はご自身の母子手帳を持っていると思いますので、母子手帳を確認し、風疹ワクチンの接種について記載があるかどうか確認しましょう。国立国際医療研究センター 国際感染症センターでは、「母子手帳の予防接種歴を確認しましょうポスター」を作成しております(図2)。こちらのポスターはホームページからダウンロードできますので、啓発にご活用ください。下の白い四角のところに施設名や連絡先を記載して使っていただいて結構です。そして、もし母子手帳がなくて予防接種歴がわからない場合は…抗体価を測定して低ければ接種するという方法もありますが、もう抗体価の測定をせずに打ってしまうというのも手です。仮に接種歴や十分な抗体があった場合も免疫が強化されるだけですから問題ありません。明確な接種歴が合計2回となるように接種を行いましょう。そして、これを機に風疹だけでなく麻疹、おたふくかぜ、水痘の接種歴についてもキャッチアップを行いましょう!風疹ワクチンについては、これまた国際感染症センター制作「ももたんの風疹教室」を要チェックですッ! ももたん萌え~。風疹ワクチンを打つ前に ~ももたんの風疹教室~次回は、流行する風疹の患者を早期に診断するために「成人の風疹臨床像」についてご紹介しますッ!1) CDC. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2013;62:457-462.

21405.

膀胱内のチューインガムを摘出したビックリアイデア【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第123回

膀胱内のチューインガムを摘出したビックリアイデア いらすとやより使用 膀胱異物って基本的に自慰で行うものが多いので、それなりに細長いものを入れるというのがゴールドスタンダードになっているんですが、まれに「こんなモン入れるんかい!」という症例が存在します。今回紹介するのは、チューインガムです。 重村克巳ほか. 膀胱異物(チューインガム)の1例. 泌尿器科紀要. 48:2002;229-230.症例は、60歳の男性です。数ヵ月前から、前立腺肥大のような頻尿・排尿困難がみられていました。直腸診でも「前立腺肥大だろう」という所見があったそうです。しかし、膀胱造影検査をすると前立腺の膀胱への突出がある以外に、おかしな陰影欠損があったそうです。膀胱内に異物様の欠損があったのです。膀胱鏡を行うと、膀胱内に白色浮遊物がありました。フヨフヨ。どこかで見たことがある、この白いヤツ。よくよく問診してみると、「以前からチューインガムを噛んで細くし、それを冷蔵庫で冷却して、自慰目的で尿道内に挿入していた」と患者さんが告白したではありませんか。これは、チューインガムなのか!!いやぁ、冷蔵庫で冷却したチューインガムを入れるというのは、なかなか奇抜なアイデアですね。というわけで、膀胱内にフヨフヨしているチューインガムを鉗子で取ろうとするのですが、なかなかつかまらない。つかまっても、ガムがビヨーンと伸びるだけ。ええい、イライラする!何かいいアイデアはないのか。主治医はいろいろ考えたに違いありません。そこである案が出てきました。この男性が挿入したときと同じように、ガムって冷却したら硬くなりますよね。じゃあ、膀胱鏡の灌流液をキンキンに冷やせばよいのではないか。そうすれば、ガムは硬くなるだろう。「グッドアイデア!」ということで、冷蔵庫で凍らせた生食水を混ぜて氷水を作り、膀胱内に注入しました。すると、膀胱内のフヨフヨしていたガムがカチっと固化し、見事鉗子で摘出することができたのです。ちなみに、かなりの量のチューインガムが勝脱内に挿入されていたそうです。「もう、こんなことやりません」と約束したのかどうかはわかりませんが、この患者さんは1ヵ月後に再度排尿困難を主訴に来院したそうで。「原因に心当たりは?」と聞くと、モジモジと隠しているそぶりがありました。「まさか…」と再度膀胱鏡検査を施行したところ、再び膀胱内に大量のチューインガムがあったそうです。歴史は繰り返す。

21406.

日本の地方救急診療における認知症者の臨床的特徴

 岡山大学の田所 功氏らは、救急診療における認知症者の臨床的特徴を明らかにするため、検討を行った。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2018年8月21日号の報告。 岡山県・倉敷平成病院の救急診療を受診した認知症者をレトロスペクティブに検討を行った。2014~17年の3年間に救急診療を受診した患者1万6,764例のうち、認知症者2,574例(15.4%)に焦点を当てた。 主な結果は以下のとおり。・認知症者の平均年齢は、84.9±0.1歳であり、これは全救急診療受診患者の平均年齢58.1±0.2歳よりも非常に高かった。・認知症者の入院率は54.9%であり、非認知症者の2倍以上(23.3%、p<0.01)高く、75歳以上の非認知症者(44.3%)よりも高かった。・救急診療受診および入院の最も主要な原因は、感染症(42.4%)、転倒(20.9%)であった。・認知症者の入院期間は、脳卒中、転倒、感染症、てんかん、湿疹、意識喪失、その他の原因または脱水によって延長された。・延長日数は脳卒中(64.0±5.3日)および転倒(51.9±2.1日)が、感染症、てんかん、湿疹、意識喪失、その他の原因(各々のp<0.001)または脱水(p≦0.005)よりも長かった。 著者らは「認知症者は、救急診療を受診することが多く、非認知症者よりも、高年齢、高入院率であり、とくに脳卒中および転倒により入院期間が長くなる」としている。■関連記事年間37%の認知症高齢者が転倒を経験!:浜松医大精神疾患患者、救急受診の現状は急性期病院での認知症看護、その課題は:愛媛大

21407.

その痛み、がんだから? がん患者の痛みの正体をつきとめる

 がん治療の進歩により“助かる”だけではなく、生活や就労に結びつく“動ける”ことの大切さが認識されるようになってきた。そして、がん患者の多くは中・高齢者であるが、同年代では、変形性関節症、腰部脊柱管狭窄症、そして骨粗鬆症のような運動器疾患に悩まされることもある。2018年9月6日、 日本整形外科学会主催によるプレスセミナー(がんとロコモティブシンドローム~がん時代に求められる運動器ケアとは~)が開催され、金沢大学整形外科教授 土屋 弘行氏が、がん治療における整形外科医の果たすべき役割について語った。骨転移の現状と治療方法 骨転移は多くのがんで発生する。なかでも臨床的に問題となる骨転移の年間発生数は、肺>乳腺>前立腺>腎>大腸>肝臓>甲状腺>胃の順で多く、患者数は10~15万人とも言われている1)。また、骨転移は身体の中心部の骨(背骨、骨盤、大腿骨近位・遠位)で起こりやすい。このような患者はがん治療の主治医から、「骨転移部分が全身に広がっているため、ベッド上で動かないように」「麻痺します」「動くと折れます」などといった内容の指導を受ける場合が多く、土屋氏は「整形外科医へのコンサルがないままの症例が多い」と整形外科医の介入状況を指摘。さらに、同氏は「現在、Performance Status(PS)が3、4に該当する患者には積極的ながん治療を行わない。つまり、がんの治療は動けるレベルの患者だけに留まっている。“がん”という言葉は通常の医療行為に大きな先入観を与え、正しい診断や適切な治療の妨げになる場合がある」と、危惧した。 骨転移による骨の変化には溶骨型、硬化型、混合型の3種類があり、多くの患者はこれらが原因で骨折や脊髄圧迫をきたし、疼痛や麻痺によって動けなくなってしまう。骨転移の主な治療法には、鎮痛薬(オピオイド製剤)、放射線治療などがあり、近年、その価値が再認識されているのが手術治療である。 手術治療はQOLの改善を目的とし、疼痛の減少・消失などのほか、生命予後の改善にも繋がるため、積極的緩和医療に位置づけられるようになった。手術が有効ながんに代表される腎がんは、骨の転移をきちんと治すことで生命予後が改善することが証明されており、同氏は「骨転移の病巣部を人工関節に置換することが積極的に行われている」と述べた。骨転移にキャンサーボードの活用を がん診療連携拠点病院の要件を達成する上で、キャンサーボードの実施は必須となる。全国の整形外科研修施設(1,423施設)を対象とした「整形外科研修施設におけるがん診療実態調査」によると、がん診療連携拠点病院の約60%の施設において整形外科医の参加がみられ、全体では約50%の施設で参加していた。骨転移に対する手術については、がん診療連携拠点病院の90%が自施設で対応可能という回答結果が得られた。このほかに、整形外科医に骨転移診療に関わってほしいという他診療科や施設からの要望は、がん診療連携拠点病院では全体で60%もみられた。この結果を踏まえ、同氏は「骨転移に特化したキャンサーボードを行う病院も増えてきている」と述べた。しかし、「残念なことに、現時点で整形外科医がキャンサーボードに呼ばれるのは、疼痛コントロールが悪化した時がほとんど」と付け加えた。整形外科が骨転移患者へ果たすべき役割 土屋氏は、このようながん患者の現状を踏まえ、以下の役割を整形外科医に提言した。 ・運動器の専門家として装具治療や手術を行い、痛みの軽減や機能回復を行う ・骨質の維持や改善、抗がん剤による末梢神経障害の改善や緩和に寄与 ・がん患者の日常生活の維持・改善、がん治療の治療継続に役割を果たす ・がん患者の痛みを見分け、骨折や麻痺を予防・治療し、移動能力を改善する役割  を担う ・運動器の専門家として“がん”に関わる運動器の問題解決に役割を果たすがんとロコモティブシンドローム 整形外科医の診療は、時代と共に外傷治療から変形性関節症などの高齢化に対する診療、そしてがん治療に関わるQOLの向上へと変遷している。がんとロコモティブシンドロームを『がんロコモ』と名付け、がんによる運動器の問題、がんの治療による運動器の問題、がんと併存する運動器疾患の進行に対して学会が立ち上がった今、同氏は「がん患者全員に理解してもらうためには、がん治療を行う時点での啓発を求める。医師同士の連携だけではなく、薬剤師らによる呼びかけも必要である」と、整形外科医の今後のあり方とがんロコモに取り組む重要性を呼びかけた。 なお、整形外科学会は平成30年より10月8日を『運動器の健康・骨と関節の日』と名称を改めている。■参考1)厚生労働省がん研究助成金「がんの骨転移に対する予後予測方法の確立と集学的治療法の開発班」編.骨転移治療ハンドブック.金原出版;2004.p.3‐4ロコモチャレンジ!推進協議会骨転移診療ガイドライン■関連記事ロコモってなんですか?(患者向けスライド)第29回「ロコモティブシンドローム」回答者:NTT東日本関東病院 整形外科 大江 隆史氏

21408.

院外心停止、ラリンジアルチューブvs.気管内挿管/JAMA

 院外心停止(OHCA)の成人患者において、気管内挿管(ETI)と比較しラリンジアルチューブ(LT)挿入のほうが、72時間生存率が有意に高いことが示された。米国・テキサス大学健康科学センター ヒューストン校のHenry E. Wang氏らが、多施設共同プラグマティック・クラスター無作為化クロスオーバー試験「PART」の結果を報告した。救急医療の現場では、OHCA患者に対し一般的にETIあるいはLTなどの声門上気道器具の挿入が行われるが、OHCA患者の高度気道確保について最適な方法は明らかになっていなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「LTはOHCA患者の最初の気道確保戦略として考慮されうるだろう。ただし、試験デザイン、実行状況、ETI遂行の特性などの点で限定的な結果であり、さらなる検証が必要である」とまとめている。JAMA誌2018年8月28日号掲載の報告。LTとETIの有効性を救急医療でのOHCA患者約3,000例で比較 研究グループは、OHCA患者への最初の気道確保戦略として、LTとETIの有効性を比較する目的で、Resuscitation Outcomes Consortiumに参加している救急医療サービス(EMS)27機関を13の集団に無作為化し、各集団内でLT→ETIまたはETI→LTに割り付けた(3~5ヵ月間隔でクロスオーバー)。2015年12月1日~2017年11月4日の期間に、OHCAで高度気道確保を要すると予測された成人患者3,004例が登録され、1,505例がLTを、1,499例がETIを受けた。最終追跡調査は2017年11月10日であった。 主要評価項目は72時間生存率、副次評価項目は自己心肺再開率、生存退院率、神経学的良好退院率(修正Rankin Scaleスコアが≦3)、有害事象などで、intention-to-treat解析を行った。 登録患者3,004例(年齢中央値64歳[四分位範囲:53~76]、男性1,829例[60.9%])のうち、3,000例が主要解析に組み込まれた。LT群の初回挿管成功率90.3%、72時間生存率18.3%で、いずれもETI群より良好 救急医療サービスにおける初回挿管成功率はLT群90.3%、ETI群51.6%であった。また、72時間生存率はLT群18.3%、ETI群15.4%であった(補正後群間差:2.9%、95%信頼区間[CI]:0.2~5.6、p=0.04)。 副次評価項目は、自己心拍再開率がLT群27.9%、ETI群24.3%(補正群間差:3.6%、95%CI:0.3~6.8、p=0.03)、生存退院率がそれぞれ10.8%、8.1%(2.7%、0.6~4.8、p=0.01)、神経学的良好退院率が7.1%、5.0%(2.1%、0.3~3.8、p=0.02)であった。 有害事象については、中咽頭部/下咽頭部外傷(0.2% vs.0.3%)、気道浮腫(1.1% vs.1.0%)、肺炎/肺臓炎(26.1% vs.22.3%)にLT群とETI群で有意差は認められなかった。

21409.

責任病変のみのPCIで心原性ショックを伴うAMIの転帰は?/NEJM

 心原性ショックを伴う急性心筋梗塞(AMI)患者において、責任病変のみに経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した患者のほうが多枝血管PCIを施行した患者より、30日時点の死亡/腎代替療法のリスクが低く、1年後も両群で死亡率に差はないことが、CULPRIT-SHOCK試験の1年追跡結果で明らかとなった。ドイツ・ライプチヒ大学のHolger Thiele氏らが報告した。同試験では、30日複合リスク(死亡または腎代替療法を要する重症腎不全)について、即時多枝血管PCIより責任病変のみのPCIで低いことが示されていた。NEJM誌オンライン版2018年8月25日号掲載の報告。責任病変単独PCIと多枝PCIの1年後の転帰をAMI患者約700例で比較 CULPRIT-SHOCK試験では、欧州の83施設にて心原性ショックを伴う多枝病変のAMI患者706例が、責任病変のみにPCIを施行する責任病変単独PCI群と、責任病変と同時に非責任病変に対してもPCIを施行する多枝PCI群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、無作為化後30日以内の死亡または腎代替療法を要する重症腎不全の複合エンドポイント。事前定義された1年時の副次評価項目は、全死因死亡、心筋梗塞再発、再血行再建術、うっ血性心不全による再入院、死亡/再梗塞の複合、死亡/再梗塞/心不全による再入院の複合などであった。責任病変単独PCI群で、1年死亡率は低い傾向、再血行再建術と心不全再入院は多い すでに報告されているとおり、主要評価項目である30日時点の複合エンドポイント発生率は、責任病変単独PCI群45.9%、多枝PCI群55.4%であった(p=0.01)。 1年時において、死亡は責任病変単独PCI群で50.0%(172/344例)、多枝PCI群で56.9%(194/341)に発生した(相対リスク:0.88、95%信頼区間[CI]:0.76~1.01)。再梗塞率は、責任病変単独PCI群1.7%、多枝PCI群2.1%(相対リスク:0.85、95%CI:0.29~2.50)、死亡/再梗塞の複合エンドポイントは、それぞれ50.9%および58.4%であった(相対リスク:0.87、95%CI:0.76~1.00)。再血行再建術については、責任病変単独PCI群のほうが多枝PCI群より頻度が高く(32.3% vs.9.4%、相対リスク:3.44、95%CI:2.39~4.95)、心不全による再入院も同様に責任病変単独PCI群のほうが高い結果であった(5.2% vs.1.2%、相対リスク:4.46、95%CI:1.53~13.04)。

21410.

降圧目標<130/80mmHgに厳格化の見通し-新高血圧ガイドライン草案

 2018年9月14~16日、北海道・旭川で開催された第41回日本高血圧学会総会で、2019年に発行が予定されている「高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)」の草案が示された。作成委員長を務める梅村 敏氏(横浜労災病院 院長)による「日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン2019の作成経過」と題した発表で、JSH2019が「Minds診療ガイドライン作成の手引き(2014年版)」に準拠したClinical Question(CQ)方式で作成が進められたことなど、作成方法の概要が示され、高血圧診断時の血圧値の分類や降圧目標における具体的な改訂案が説明された。ACC/AHA、ESH/ESC高血圧ガイドラインが降圧目標値を相次いで引き下げ 2017年に発表された米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)高血圧ガイドラインでは、一般成人の高血圧の基準値が従来の140/90mmHg以上から130/80mmHg以上に引き下げられ、降圧目標は130/80mmHg未満とすることが推奨されている。 また、2018年8月発表の欧州高血圧学会(ESH)/欧州心臓病学会(ESC)高血圧ガイドラインでは、一般成人(65歳未満)の基準値は140/90mmHg以上とされたものの、降圧目標は120~130/70~<80mmHgとして、目標値を厳格化する形をとっていた。高血圧診断の基準値は≧140/90mmHgで従来通りとなる方針 「高血圧治療ガイドライン2019」では、まず血圧値の分類について、高血圧の基準値は従来通り140/90mmHg以上とする見通しが示された。そのうえで、正常域血圧の分類について名称と拡張期血圧の値を一部改訂予定であることが明らかになった。以下、JSH2014での分類とJSH2019での改訂案を示す。・至適血圧:120/80mmHg未満→正常血圧:120/80mmHg未満・正常血圧:120~129/80~84mmHg→正常高値血圧:120~129/80mmHg未満・正常高値血圧:130~139/85~89mmHg→高値血圧:130~139/80~89mmHg降圧目標は10mmHgずつ引き下げの見通し 「高血圧治療ガイドライン2019」では、降圧目標については、75歳未満の一般成人では、130/80mmHg未満(診察室血圧)、125/75mmHg未満(家庭血圧)とそれぞれ10mmHgずつ引き下げる方向で進められている。 糖尿病、蛋白尿陽性のCKD、安定型の冠動脈疾患といった合併症のある患者については同じく診察室血圧で130/80mmHg未満、蛋白尿陰性のCKD、脳卒中既往のほか、75歳以上の高齢患者については140/90mmHg未満とすることが草案では示された。 また講演では、久山町研究ならびに日本動脈硬化縦断研究(JALS)に基づきCVDリスク(低~中等度~高リスクの3群に分類)を層別化した表(改訂案)も示され、高値血圧を含むより早期から生活習慣介入を中心に管理していく必要性が指摘された。 最後に梅村氏は、「一般成人に対する日欧米3つのガイドラインの降圧目標値は130/80mmHg未満で共通となる見通しで、旧ガイドライン時と比較して適用対象となる患者数は増加するだろう」と述べた。 今後関連学会との調整やパブリックコメント等を経て、改訂内容について最終決定のうえ、2019年春ごろをめどに「高血圧治療ガイドライン2019」は発行される予定。〔9月21日 記事の一部を修正いたしました〕■「高血圧治療ガイドライン2019」関連記事高血圧治療ガイドライン2019で降圧目標の変更は?

21411.

やはり優れたアスピリン!(解説:後藤信哉氏)-915

 心筋梗塞後などの2次予防におけるアスピリンの有効性、安全性は確立されている。血栓イベントリスクの低い1次予防の症例群一般では、アスピリンのメリットはデメリットに勝るとはいえない。しかし、1次予防の症例群でもアスピリンの服用による心血管イベントリスクの低減効果は確立されている。多忙な医師は心血管イベントリスクも高いので、アスピリン服薬による心血管死亡率の低減効果が注目された時代もあった。 過去に血管病の既往がなくても、糖尿病の症例では心血管イベントリスクは高い。しかし、過去に施行されたランダム化比較試験では、糖尿病症例一般における心血管イベントリスク低下効果を示すことができなかった。アスピリンには糖尿病症例における心血管イベント予防効果がない(骨髄の血小板産生速度が増すから)との解釈と、ランダム化比較試験のサンプル、観察期間が不十分との解釈があった。 オックスフォード大学の研究グループは、単純な仮説検証ランダム化比較試験を大規模、長期間にて徹底的に行う。今回のASCEND研究では1万5,480例もの症例をランダム化し、7.4年にわたって観察した。アスピリン服用例ではプラセボに比較して心血管イベントの低減効果が示された(HR:0.88、95%CI:0.79~0.97)。糖尿病症例でもアスピリンの有効性を期待できることを証明した本研究のインパクトは大きい。心血管イベント発症率が一般に低下した現代社会にて、仮説検証研究を行うためには徹底的な大規模、長期間の研究が必須なのだ。 大規模、長期間の仮説検証研究は科学的真実を示す。心血管イベントの発症率を低減化するアスピリンは、重篤な出血イベントも増加させる。重篤な出血イベントはHR:1.29(95%CI:1.09~1.52)にて増加する。ASCEND研究は、糖尿病でもアスピリンには心血管イベント予防効果があることを示した。抗血小板効果があるので重篤な出血イベントも効果に相応して増加する。ASCEND研究の結果に基づいて、糖尿病一般にアスピリンを推奨することはできない。「効果もあるけど副作用もあります。どうしましょう?」と、患者とコンセンサスを作る必要がある状況に変化はない。

21412.

レールダル本社訪問記(その2)【Dr. 中島の 新・徒然草】(239)

二百三十九の段 レールダル本社訪問記(その2)8月半ばにノルウェーのスタヴァンゲルにあるレールダル本社を日本人医師4人で訪問したことについては前々々回に「その1」として報告しました。今回は「その2」を述べたいと思います。おさらいになりますが、レールダルというのは心肺蘇生トレーニング用のマネキンを製作・販売している会社です。まずは20年ほど前の私自身の経験を語らせてください。当時、大阪府立中河内救命救急センターに勤務していた私は、数ヵ月に1回、4人ほどで大阪府医師会館に出かけていました。医師会館で何をしていたかというと、ウツタイン様式(院外心肺停止症例の統一記録書式)で作成された書類のチェックです。ちょうどその頃、1990年代の終わり頃から救急隊によって搬入される心肺停止症例はすべてウツタイン様式で記録することになりました。ところが救急隊員も医師も誰もその様式に慣れておらず、記載内容は大混乱。そこで大阪府全体から記入済みのウツタイン様式を医師会館に集め、皆で手分けして内容をチェックし、容易に手直しできるところは手直しし、差し戻すべきものは差し戻していました。ところが、この作業は何時間にも及び、ひたすら体力と集中力を消費するものだったのです。毎回、書類を全部処理した頃にはヘロヘロになっていました。3年間勤務した救命センターから異動になるとともに、いつしか「ウツタイン」という言葉は、積み上げられた書類の山の情景とともに私の記憶の奥底に沈んでしまいました。あれから20年、まさかレールダル本社で、その「ウツタイン」という言葉を聞かされるとは想像していませんでした。社長さんが、「そういやウツタイン修道院はこの近くなんだ。連れて行ってやろう」と言った瞬間、同行していた救急医と私は、「あ、あのウツタイン様式のウツタインですか!」と同時に声を上げました。社長さんは「そう、そのウツタインだよ」と嬉しそうな表情を浮かべていました。私が想像するに、院外心肺停止症例の統一記録書式を作成するにあたって、世界中の有名な医師たちがウツタイン修道院に集められ、そこで議論した結果がウツタイン書式に結実したのでしょう。実際に連れていってもらったウツタイン修道院というのは駐車場に車が4台ほどしか入らない小さな建物でした。しかし、中は由緒正しく立派な造りです。中島「ひょっとしてウツタイン様式を決める会議はこの部屋で行われたとか?」社長「その通りだよ! そしてウチの娘もこの部屋で披露宴を行ったんだ」中島「それは凄い!」考えてみれば、心肺蘇生トレーニング用のマネキンを製作しているレールダル社が、ウツタイン修道院での会議に関係していないはずはありません。中島「2000年頃のことですが、私は大量のウツタイン様式の書類のチェックをやっていました」社長「なぜかウツタイン様式は特に日本で愛用されたんだ」中島「そうなんですか。なんだか苦労が報われた気がします」社長「特に大阪からはウツタイン様式を用いた論文が大量に発表された。君たちが大阪から来たと聞いて、それを思い出したよ」別に私が論文を書いたわけではありませんが、それでもちょっとばかり誇らしい気分になりました。社長さんは社長さんで、案内したウツタイン修道院がはるばる地球の裏側からやってきた医師たちに大きな衝撃を与えたことに満足そうでした。ということで、ちょっと寄り道になってしまいましたが、次回こそは私たちとレールダル本社の皆さんとの意見交換の内容についてお話したいと思います。最後に1句ウツタイン 書類の山を 思い出す

21413.

第9回 かぶれやすい乳幼児の口まわりのスキンケア方法【使える!服薬指導箋】

第9回 かぶれやすい乳幼児の口まわりのスキンケア方法1)馬場 直子 著. 最新の皮膚科学に基づいた湿疹のケア. 助産雑誌;2014. 68巻8号2)五十嵐 隆(監), 大矢 幸弘(編). 国立成育医療研究センターBookシリーズ こどものアレルギー. メディカルトリビューン;2013.

21414.

ストレスやうつ病に対する朝食の質の重要性

 スペインの青少年527例を対象に、ストレスやうつ病の認知に基づき、朝食の摂取および質と、健康関連QOL(HRQOL)との関連について、スペイン・アリカンテ大学のRosario Ferrer-Cascales氏らが調査を行った。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2018年8月19日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・HRQOLでは、気分、感情、両親との関係、家庭生活について、朝食摂取の有無により差が認められた。・朝食摂取者において、HRQOLが低かった。・ストレスも同様に差が認められ、朝食摂取者において、ストレスのレベルが高かった。・朝食摂取者の朝食の質を分析したところ、良質な朝食摂取は、低質または超低質の朝食摂取と比較し、より良いHRQOLが示唆され、ストレスとうつ病のレベルも低かった。・非朝食摂取者では、朝食が低質または超低質の朝食摂取者と比較し、より良いHRQOLおよび、ストレスとうつ病が低いレベルを示した。 著者らは「本知見は、朝食摂取の有無よりも、良質な朝食を摂取することの重要性を示唆している。このことは、臨床医や栄養士にとってとくに重要であり、青少年におけるHRQOL、ストレス、うつ病に対して、朝食の質が有意に影響を及ぼすことを考慮する必要がある」としている。■関連記事魚を食べるほどうつ病予防に効果的、は本当かうつ病患者に対する地中海スタイルの食事介入に関するランダム化比較試験食生活の改善は本当にうつ病予防につながるか

21415.

北海道地震で先遣JMAT初運用

 2018年9月12日、日本医師会は、先日の平成30年北海道胆振東部地震災害対策について記者会見を行った。中川 俊男氏(同会副会長)と石川 広巳氏(同会常任理事)を中心に、災害当日からの活動内容と今後の対策について語られた。初の「先遣JMAT(日本医師会災害医療チーム)」運用から活動開始・9月6日  3時07分 北海道胆振東部地震発生  3時19分 都道府県医師会に対し、災害時情報共有システムを通して情報提供を要請  6時15分 北海道医師会 災害対策本部を設置 11時54分 日本医師会 災害対策本部(本部長:横倉 義武氏/本会会長)を設置・9月7日 15時00分 長瀬 清氏(北海道医師会長)をリーダーとする先遣JMATが苫小牧医師会を訪問・9月8日 20時30分 北海道医師会、DMAT医療救護調整本部よりJMAT2隊の派遣要請を受け、手稲渓仁会病院・勤医協中央病院のチーム派遣を決定・9月9日 10時28分 JMATが随時被災地に到着し、DMATから引き継ぎを受けて活動開始 9月11日現在、JMATはむかわ町に5グループ派遣されており、待機が1グループ。先遣JMATの活動は終了している。派遣されたメンバーの内訳は、医師8名、看護職員6名、薬剤師3名、他医療関係者4名、事務職員5名の計26名。いつ発生するかわからない地震に備え、停電への対策を 石川氏は、「今回の地震で物流が大打撃を受け、ライフラインの重要さを改めて感じた」と語り、一時北海道の全域が停電したことに触れ、「現状の医療は電力に頼らざるをえないが、停電時の選択肢を多く備えておくことが重要だ。自家発電がないような診療所などでは、自前で訓練を行っているところもあるので、見習って取り組んでほしい」と強調した。※JMATの目的と運用について JMATは、被災者の生命及び健康を守り、被災地の公衆衛生を回復し、地域医療の再生を支援することを目的とする災害医療チームである。災害発生時、被災地の都道府県医師会の要請に基づく日本医師会からの依頼により、全国の都道府県医師会が、郡市区医師会や医療機関などを単位として編成する。日本医師会の直接的な災害対応能力とする。 活動内容は、主に災害急性期以降における避難所・救護所等での医療や健康管理、被災地の病院・診療所への支援(災害前からの医療の継続)である。さらに、医療の提供という直接的な活動にとどまらず、避難所の公衆衛生、被災者の栄養状態や派遣先地域の医療ニーズの把握と対処から、被災地の医療機関への円滑な引き継ぎまで、多様かつ広範囲におよぶ。■参考公益社団法人日本医師会 防災業務計画公益社団法人日本医師会 防災業務計画 JMAT要綱■関連番組(CareNeTV)大地震発生!そのとき僕らがすべきこと‐フツウの医師のための災害医療入門‐第2回 災害時の医療体制を知る‐専門チームの役割とは ※期間限定で無料公開

21416.

重症の二次性MRに経皮的僧帽弁修復術の効果は?/NEJM

 重症の二次性僧帽弁閉鎖不全症(MR)患者で、薬物療法+経皮的僧帽弁修復術を受けた患者と薬物療法のみを受けた患者を比較した結果、1年時点の死亡率または予定外の入院率について有意な差はなかった。フランス・Hopital Cardiovasculaire Louis PradelのJean-Francois Obadia氏らが、MitraClip(Abbott Vascular)デバイスを用いた無作為化試験「MITRA-FR(Percutaneous Repair with the MitraClip Device for Severe Functional/Secondary Mitral Regurgitation)」の結果を報告した。NEJM誌オンライン版2018年8月27日号掲載の報告。左室駆出率が低下した慢性心不全患者では、重症の二次性MRが予後不良に関わるが、これらの患者集団において、経皮的僧帽弁修復術が臨床転帰を改善するかは明らかになっていなかった。MitraClipは2008年にEuropean Certificate of Conformity(CEマーク)を取得、本邦では2018年4月に保険適用となっている。12ヵ月時点の全死因死亡・心不全予定外入院の発生を評価 MITRA-FR試験は、フランスで行われた第III相の多施設共同無作為化非盲検試験。重症の二次性MR(有効逆流弁口面積>20mm2、または逆流量/拍>30mLと定義)で、左室駆出率15~40%、症候性心不全を有する患者を、薬物療法+経皮的僧帽弁修復術を受ける群(介入群)または薬物療法のみを受ける群(対照群)に、1対1の割合で無作為に割り付けて追跡した。 主要有効性評価項目は、12ヵ月時点の全死因死亡・心不全による予定外入院の複合であった。有意差はなく介入群54.6%、対照群51.3% 被験者は2013年12月~2017年3月に、フランス国内37施設で集められ、307例が無作為化を受け、intention-to-treat解析には各群152例が包含された。年齢は介入群70.1±10.1歳、対照群70.6±9.9歳、75歳超患者がそれぞれ33.6%、38.8%、男性患者が78.9%、70.4%。NYHA心機能分類IIが36.8%、28.9%、IIIが53.9%、63.2%、また有効逆流弁口面積は両群とも31mm2、逆流量は両群とも45mL、左室駆出率は33.3%、32.9%であった。 12ヵ月時点で、主要複合評価項目の発生が認められたのは、介入群54.6%(83/152例)、対照群51.3%(78/152例)であった(オッズ比[OR]:1.16、95%信頼区間[CI]:0.73~1.84、p=0.53)。項目別に見ると、全死因死亡の発生率は、24.3%(37/152例)vs.22.4%(34/152例)であり(HR:1.11、95%CI:0.69~1.77)、心不全による予定外入院の発生率は、48.7%(74/152例)vs.47.4%(72/152例)であった(1.13、0.81~1.56)。

21417.

入院高齢者の降圧治療、7分の1が退院時タイトに/BMJ

 非心臓系疾患で入院した高齢者の7人に1人が、退院時に降圧治療が強化されていることが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のTimothy S. Anderson氏らによる検討の結果、明らかにされた。強化となった患者の半数以上は、入院前の外来血圧コントロールが良好であった患者だという。著者は、「退院し自宅に戻った高齢者の降圧治療が有害なほど過度にならないように、より注意を払う必要がある」と指摘している。入院した患者の半数以上が、退院時には複数の外来薬物療法が必要となる。血圧の一過性の上昇は入院した成人患者では一般的であるが、入院が、高齢患者の外来降圧治療の強化につながるかどうかは、これまで検討されていなかった。BMJ誌2018年9月12日号掲載の報告。非心臓系疾患で65歳以上の高血圧患者、入院前後の処方内容を精査 研究グループは、2011~13年の米国退役軍人ヘルスシステムのデータを用いて、非心臓系で入院した高血圧を有する65歳以上の高齢患者のうち、どれくらいが退院時に降圧治療が強化されていたか、またそれらの強化に関する妥当性のマーカーを特定するため、後ろ向きコホート研究にて調べた。 主要評価項目は降圧治療の強化で、入院前の使用薬物と比べて、退院時に降圧薬の種類が増えていた、また増量となっていた場合と定義した。14%が強化、ベネフィットの有無は検討されていない? 対象被験者は1万4,915例(年齢中央値76歳[範囲:69~84歳])。そのうち9,636例(65%)が、入院前の外来血圧は良好にコントロールされていた。 全体で2,074例(14%)が、退院時に降圧治療が強化されていた。そのうち半数以上(1,082例)は、入院前の血圧コントロールが良好だった患者であった。 潜在的交絡因子補正後、入院時血圧が上昇していた患者において、退院時の降圧レジメンが強化となる関連性が強く認められた。 入院前の外来血圧コントロールが良好であった患者で、退院時に降圧レジメンが強化されていたのは、入院時に血圧上昇が認められなかった患者8%(95%信頼区間[CI]:7~9)、中程度に上昇が認められた患者24%(95%CI:21~26)、高度に上昇が認められた患者40%(34~46)であった。 タイトな血圧コントロールから得られるベネフィットが少ないと思われる(余命が限られている、認知症、転移を有するがん)患者と、ベネフィットが大きいと思われる(心筋梗塞、脳血管疾患、腎疾患の既往がある)患者において、強化率に差は認められなかった。

21418.

ニボルマブ、胸膜中皮腫の予後改善に期待

 2018年9月14日、小野薬品工業とブリストル・マイヤーズスクイブが行ったプレスセミナーで、アスベスト疾患研究・研修センター所長の岸本 卓巳氏が「胸膜中皮腫の病態・疫学・診断・治療変遷」と題して講演した。増加している中皮腫 中皮腫は中皮細胞由来または中皮細胞への分化を示す腫瘍で、胸膜、腹膜、心膜、精巣鞘膜に発生する。日本における中皮腫の発生および死亡者数は増加傾向である。2016年の中皮腫死亡者は1,550人であり、集計データの存在する1995年からみると、その数は3倍となっている。これは、戦後の経済成長期のアスベストの輸入の増加と相関しており、アスベスト曝露から40~50年経過して中皮腫死亡者数が増加したと考えられる。今後の傾向として、職業曝露による中皮腫は減少してくものの、アスベスト自体は存在しており、ビル解体などによる低濃度曝露は今後も続くため、患者数は減少しないのではないか、と岸本氏は述べる。予後不良な胸膜中皮腫、その治療がニボルマブで進化 胸膜中皮腫の予後は不良で、無治療だと生存期間(OS)は4ヵ月程度である。胸膜中皮腫の薬物治療は、80年代のアドリアマイシン・シクロホスファミド併用、90年代のシスプラチンと変遷してきたが、いずれも芳しい成績は示していない。2003年にシスプラチン・ペメトレキセド併用が登場し、OS中央値は、それ以前の9ヵ月から、12ヵ月程度に改善する。しかし、その差は3ヵ月であり、さらにシスプラチン・ペメトレキセドで進行した後の有効な治療手段が存在しなかった。胸膜中皮腫の治療がニボルマブで進化? そのようななか、胸膜中皮腫の2次治療でニボルマブの有効性が示された。国内第II相ONO-4538-41試験では、ペメトレキセド・プラチナ併用治療で進行した2次治療以降の悪性中皮腫に、ニボルマブ240mg/日単剤を2週ごと投与し、安全性と有効性を評価した。 結果、部分奏効(PR)は34例中10例(29.4%)に認められた。病型別にみると、上皮型のみならず、シスプラチン・ペメトレキセド併用が無効な肉腫型、二相型(上皮型と肉腫型が混在するもの)でも効果がみられている。OSはまだ中央値に達しておらず、無増悪生存期間(PFS)も6.1ヵ月と従来と比べ良好である。「今までの治験では、ほとんどが良くても不変(SD)。PRが10例も出ることは画期的」と岸本氏は言う。今後、シスプラチン・ペメトレキセドへの上乗せ効果、また、術前・術後補助療法への応用、CTLA-4など他の免疫治療薬との併用など、難渋してきた胸膜中皮腫治療に対し、ニボルマブのエビデンス創出が待たれる。中皮腫が抱える問題 中皮腫が抱える問題として、確定診断や病型鑑別といった診断の難しさがある。そのためか、現在でも10数%程度の誤診が報告されているという。それらの問題の解決策として、今後は、臨床医と病理医のスキルアップ、病理医の増員が重要な要素になりそうである。

21419.

被災地での診療に役立つコンテンツ

このたびの西日本豪雨、台風、北海道胆振東部地震により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。CareNet.comでは、被災地での診療に役立つコンテンツをご用意しております。被災地に入られる前の準備に、知識のブラッシュアップにご覧ください。(期間限定:10月31日まで公開いたします)

21420.

EBMの威力を痛感させたGLOBAL LEADERS試験(解説:後藤信哉氏)-914

 ステント留置後の血栓性閉塞にはアスピリン・チクロピジン併用療法が画期的効果を示した。その後、多くの抗血小板薬が冠動脈インターベンション、急性冠症候群を対象として開発された。血栓イベントを恐れるあまり、欧米では大容量の抗血小板薬が使用され、出血イベントが増えた。その結果、抗血小板薬の早期中止を求めて「必要期間短縮」を目指すランダム化比較試験が計画された。本研究でも12ヵ月のアスピリン・P2Y12受容体阻害薬(クロピドグレルまたはチカグレロル)を標準治療として、アスピリン・チカグレロル1ヵ月使用後、チカグレロル単剤にするプロトコールと比較された。実臨床に近い試験としてエンドポイントは冠動脈の閉塞を反映するQ波性心筋梗塞と総死亡とされた。 世界の実臨床を反映する試験として、試験結果以上にベースラインの各項目が興味深い。登録された症例の半数弱は急性冠症候群であった。70%以上の症例は橈骨動脈アプローチが選択されている。インターベンション施行前から75%程度の症例ではTIMI 3の血流があり、インターベンション後に99%以上になった。カテーテルの術者にとってステント血栓症、Q波性心筋梗塞に興味が集中しがちだが、これらのイベントは総死亡の半数以下であった。総死亡の詳細は示されていない。心血管死亡でなく総死亡であることに注目する必要がある。急性冠症候群、冠動脈インターベンション後の症例は血栓イベントリスクが高いとして抗血小板薬の開発標的となっていた。今回のGLOBAL LEADERS試験は半数に急性冠症候群を選択しても、冠動脈インターベンション後の症例の予後は現在の標準治療にて十分に良好であることを示した。多数の薬剤を開発し、多数のランダム化比較試験を施行した結果、疾病の予後がシステム的に改善された好例である。まさに仮説検証を繰り返し、標準治療をシステム的に改善させたEBMの威力を実感させた試験であった。

検索結果 合計:36567件 表示位置:21401 - 21420