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新型コロナウイルスあれこれ(5)【Dr. 中島の 新・徒然草】(319)

三百十九の段 新型コロナウイルスあれこれ(5)現在も世間はコロナ一色。私は手製のエクセルの表を眺めては溜息をついている毎日です。毎日のように発表されるニューヨーク、東京、大阪の感染者数や死亡者数のみならず、ノーガード戦法のブラジルの数値も入力して動向を見守っています。明るい話としては、累積死亡者数のdoubling timeがニューヨーク、東京、大阪で徐々に延び始めていること。私の計算間違いでなければ、1週間前と比べて現在のニューヨークが3.6日から6.0日に、東京が6.7日から11.7日に、大阪が7.0日から12.0日に、それぞれdoubling timeが延びました。これまで指数関数的に増えていた累積死亡者数が、徐々に直線的になってきたことを示します。厳戒態勢のニューヨークはともかく、東京や大阪の何が効を奏したのか。総理大臣の緊急事態宣言なのか、東京・大阪の両知事の必死の自粛要請が効いたのか?とはいえ、諸外国に比べて少ない日本のPCR検査数は常に批判にさらされているところ。普通の間質性肺炎での死亡とされた中に新型コロナウイルスによる死亡例が混ざっていて、カウントされていない、という可能性もあります。さて、医療機関でのコロナ対応は地域によって違いが大きいことと思います。大阪医療センターで私や周囲がどうやっているのか、簡単に述べましょう。まず、大阪府からの要請が色々あります。「〇〇の症例を△△人お願いします」という府からの指示。この、〇〇の部分と△△の部分がどんどん変化していきます。もちろん、状況に応じて各医療機関の役割や守備範囲が変わるのは当然のこと。でも、昨日まで対応していた症例に今日からは応需できない、ということがしばしばあり、患者さんや地域の先生方には迷惑をおかけしております。例えるならば、友軍が攻撃されているのに加勢にいけないもどかしさ、心が痛みます。本当にすみません。思わぬ患者さんからPCR陽性が出る、というのもコロナの特徴かもしれません。別の疾患で受診した人が翌日から熱と咳が出始め、まさかと思いつつ調べたらPCR陽性!慌てて関係した職員を休ませたり検査したり。幸い、私の知るかぎりで職員からPCR陽性者は出ていません。でも、いつ出てもおかしくない状況です。そんな中、無症状~軽症者のための宿泊施設確保は朗報です。大阪府はとりあえず400室確保し、いずれは3,000室にするとのこと。そうすれば、病院が中等症~重症患者さんだけに注力することができます。武漢やイタリアのような悲惨な状況だけは避けなくてはなりません。さて、新型コロナウイルスは我々の働き方も強制的に改革してしまいました。近所の人や患者さんに聞くと、多くの人が在宅勤務になっています。ある人の職場は2チームに分けられ、一方がやられても他方で持ちこたえるという作戦。別のIT系企業の人は、週1回、荷造りに会社に行くだけだとか。病院でも会議がほとんどなくなりました。さらに歓送迎会や研修会、学術集会もなくなったので、本来業務に集中できます。外来診療も電話で済ませて処方箋を郵送するので効率的です。体の不自由な方の多い脳外科では、患者さんからも好評です。もちろん、検査のある患者さんや体調不良の方は来院するので問題ありません。我々自身も従来の働き方を大きく変えられる気がします。最後に、このコロナ・パンデミック、いつ終息するのでしょうか?昨日、エレベーターで一緒になった看護師さんにいきなり尋ねられました。中島「僕は梅雨の時期に下火になり、夏が来たら終わるんじゃないかと思うよ」ナース「ホントですか?」中島「単なる推測やけどな。コロナは日本の高温多湿の夏を越えられんやろ」ナース「やったあ!」中島「でも夏の間は南半球に潜んでいて、秋になったらまた出てくるんじゃないかな」ナース「ええーっ!」中島「結局、毎年ワクチンを打つことになるんじゃないかな」ナース「1回で済まないんですか?」中島「インフルエンザも毎年ワクチン打っとるがな。あれがインフルとコロナの2本だてになるだけや」無責任な予想を披露したところで最後に1句 真夏きて コロナを倒して おくなはれ 

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第3回 コロナ禍で露呈した医療界と政府の“ソーシャルディスタンス”

新型コロナウイルスの感染拡大が広がる大阪府で、府保険医協会は診療所・病院への影響を把握するため、緊急アンケートを実施した。4月8日現在の速報値(診療所分)によると、外来患者数が「減った」との回答が8割超にのぼったという。また、感染の疑いのある患者の来院が「あった」とする回答が半数近い中、外来において「他医院受診を促す」「遠慮してもらう」とした診療所は計2割程度。保健所が機能不全に陥っている中、地域医療を担う多くの開業医が、マスクや消毒薬が不足しながらも、新型コロナの感染疑いのある患者の診療に当たらざるを得ない実態がうかがえる。コロナ禍は医療機関の経営も悪化させている。患者が陽性反応を示せば、開業医は濃厚接触者になり、2週間の休診となる。外来患者が減れば、開業間もない診療所などはスタッフに給与が払えないので、休診にせざるを得ない。また、臨時休校により子どもの面倒をみるため職員が出勤できなくなり、診療を縮小したり休診したりせざるを得ないケースもある。都内で聞いた話だが、体調が悪くなった人が医療機関を訪れたところ、本来の休診日ではないのに複数の医療機関が休診していたという。コロナ以外で受診する患者の診療態勢にも悪影響が出ているのだ。医療崩壊が危惧される中、主な医療関連団体は3月下旬から安倍首相や加藤厚労相らに要望書を提出している。四病院団体協議会は3月26日、オーバーシュート(爆発的な感染拡大)に備えた感染対策を提案。日本看護協会は3月30日と4月1日、看護職員の確保策推進などを要望。全国公私病院連盟は4月2日に病院への緊急財政支援を、6日には緊急事態宣言を求めた。全国自治体病院協議会など6団体で構成する「地域医療を守る病院協議会」は4月10日、医療機関や医療者への経済的支援などを要望した。一方、日本医師会は2月から早くも動き出していた。横倉 義武会長は2月27日、医療現場で不足する医療資機材の確保と迅速な配備などを求める要望書を安倍首相に手渡している。4月1日には「医療危機的状況宣言」を公表し、緊急事態宣言を出すべき時期との考えを示した。横倉会長は同3日にも安倍首相と会談し、新型コロナ対応などについて意見交換を行っている。横倉会長は、安倍首相との“近さ”が評価されている。しかし、これだけ安倍首相と複数回の会合を持っても、医療機関への配慮はなかなか見えて来ず、緊急事態宣言の発令(4月7日)は日医の医療危機的状況宣言が出てから6日後だった。病院経営者の間から、日医に対する批判が漏れ聞こえて来る。日医内では「バランスが取れていて、性格が穏やかなので仕えやすい」との声も聞くが、“コロナ戦争下の指導者”としてはどうなのだろうか。そもそも日医に限らず、政府の専門家会議による「医療崩壊危機」の再三の訴えですら、どれほどのインパクトを感じていたのか疑問なのが安倍政権のスタンスである。いずれにせよ、この歴史的とも言える危機的状況において、医療界と政府が“ソーシャルディスタンス”を取っている場合ではない。

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COVID-19情報、一般市民はTVニュースからが8割/アイスタット

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大について、一般市民の意識の実態を知る目的に、株式会社アイスタット(代表取締役社長 志賀保夫)は、「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」を行った。 アンケートは、業界最大規模のモニター数を誇るセルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の会員で20~79歳の300人を対象に調査を実施したもの。 同社では今後も毎月定期的に定点調査を行い、その結果を報告するとしている。●調査概要 形式:WEBアンケート方式 期日:2020年3月20日 対象:セルフ型アンケートツール“freeasy”の登録者300人(20歳以上)■アンケート結果の概要・新型コロナウイルス感染症拡大について、約7割の人が「怖い」と思っている・新型コロナウイルス予防対策の実施は58.7%で、過半数を超えている・予防対策で行っている1位は「手洗い」、2位は「マスク着用」、3位は「うがい」・新型コロナウイルスの正しい情報を取得できていると思う割合は47.0%で半数(5割)に満たない状況・新型コロナウイルス情報の入手経路は、「TV などのニュース」が 80.3%でもっとも多い・新型コロナウイルスの拡大は、収入面に不安を与えているが43.0%・「持病あり」は、「新型コロナウイルスの拡大は怖い」「予防対策を実施している」「正しい情報を取得できている」でもっとも多い結果・咳・くしゃみをした後、痛い視線を感じる割合は、約4に1人(24.0%)■アンケート結果の詳細  質問1の「新型コロナウイルス拡大について、どう思いますか」では、「怖い」(69.7%)、「どちらでもない」(17.3%)、「怖くない」(13.0%)の回答結果であり、年齢別では「怖い」は70代でもっとも多かった。 質問2の「新型コロナウイルス予防対策を実施してますか」では、「実施している」(58.7%)、「どちらでもない」(23.7%)、「実施していない」(17.7%)の回答結果だった。 質問3の「新型コロナウイルス感染症予防策として行っていることはなんですか(複数回答)」では、「手洗い」(80.7%)、「マスク着用」(57.7%)、「うがい」(49.3%)、「アルコールなどでの消毒」、「集会などに参加しない」、「不要な外出を控える」の順で多かった。40代では「とくに対策をしていない」が17.7%と危機感の希薄化がうかがわれた。 質問4の「新型コロナウイルス感染症の正しい情報を取得できていると思う」では、「取得できてる」(47.0%)、「どちらでもない」(38.0%)、「取得できていない」(15.0%)の回答結果だった。とくに20~30代(21.4%)が「取得できていない」と一番多く回答し、情報取得に差があることが判明した。 質問5の「新型コロナウイルス感染症の情報をどのような経路で入手していますか(複数回答)」では、「TVなどのニュース」(80.3%)、「ネットのニュース」(42.3%)、「TVなどのワイドショー」(34.0%)の順で多く、かかりつけのクリニックなどの医療者からは4.3%、保健所からは1.3%と医療機関からの情報取得は少なかった。 質問6の「新型コロナウイルス感染症の拡大は、あなた自身の収入面に不安を与えていますか」では、「不安である」(43.0%)、「どちらとも言えない」(30.0%)、「不安でない」(27.0%)の回答で、半数近くは不安を抱えているという回答だった。 質問7の「あなたには持病がありますか(複数回答)」では、「高血圧」(23.7%)、「糖尿病」(9.0%)、「喘息を含む呼吸器病」(4.7%)の順で多く、約6割は「とくに無い」と回答していた。 質問8の「人混みや交通機関で、咳やくしゃみをしたときに、他人から痛い視線を感じることがある」では、「ある」(24.0%)、「どちらでもない」(31.3%)、「ない」(44.7%)の回答数で、とくに20~30代の32.1%が「ある」と感じていて多かった。

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中国でのCOVID-19、第2波の潜在的可能性は/Lancet

 中国では2020年1月23日に全国的な新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019、COVID-19)拡散防止措置を実施後、国内の主な感染地域における感染者の再生産数(1人の感染者が生産する2次感染者数、Rt)は1未満へと大幅に減少し維持されていたことを、中国・香港大学のKathy Leung氏らが報告した。しかしながら、ウイルス再生産数のリスクは高く、とくに海外から持ち込まれるリスクが高いとして、著者は「潜在的な第2波に備えてRtと致死率の厳格なモニタリングを行いつつ、健康と経済活動の最適なバランスを取ることが必要である」としている。Lancet誌オンライン版2020年4月8日号掲載の報告。感染症モデルで第2波の可能性を検証 COVID-19のアウトブレイクを招いた中心地の湖北省武漢市を除くと、中国本土における感染者数は2020年3月18日時点で1万3,415例であり、死者は120例と報告されている。1月23日からは、全国的に大規模な公衆衛生上の介入を実施してアウトブレイクの食い止めを図っており、研究グループは、武漢市以外の主要地域におけるCOVID-19の第1波の感染状況と疾患重症度の評価を行った。 具体的に北京、上海、深セン、温州およびCOVID-19感染確認者数が多い10の中国地方都市について、瞬間的Rtを推算した。また、北京、上海、深セン、温州と全31地域について致死率(cCFR)を推算した。 感染症モデル「SIR(susceptible-infectious-recovered)モデル」を用いて、流行第1波後の拡散防止措置緩和による、第2波の可能性を検証した。第2波後には再度の拡散防止措置が必要に 調査対象の全市・省において、1月23日に拡散防止措置が実施された後、Rtは大幅に減少し、その後は1未満に維持されていた。 cCFRは、湖北省で5.91%(95%信頼区間[CI]:5.73~6.09)だったのに対し、湖北省以外では0.98%(0.82~1.16)と、およそ5分の1にとどまっていた。 また、感染の流行が小規模な段階で介入を緩和すれば、指数関数的に感染者数は増えていく(Rt>1)と推算されたこと、再び積極的拡散防止措置を実施しなければ、緩和以前の状態に戻すことは困難になることが示されたという。

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重症COVID-19へのremdesivir、68%で臨床的改善か/NEJM

 抗ウイルス薬remdesivirを、重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者53例(日本からの症例9例を含む)に投与したところ、36例(68%)で臨床的改善がみられた。米国・シダーズ・サイナイ医療センターのJonathan Grein氏らが、remdesivirの人道的使用によるコホート分析データを、NEJM誌オンライン版2020年4月10日号で発表した。<試験概要>・対象:COVID-19感染による重度急性呼吸器症状を呈する入院患者で、酸素飽和度≦ 94%もしくは酸素補充を受けている患者・治療概要: remdesivirの10日間投与(1日目に負荷投与量として200mg、その後 9 日間は100mgを1日1回静脈内投与)・観察期間:投与開始から28日間 本研究では、評価項目は事前に設定されていない。しかし分析の一環として、酸素補充の必要レベルの変更、退院、remdesivirの投与中止につながった有害事象(報告ベース)、死亡など、主要な臨床的事象の発生率を定量分析。本研究での臨床的改善を、WHOの「R&Dブループリント(戦略対策計画)」の推奨に従い、(1)退院、(2)入院や酸素補充の必要レベルなどで評価する6段階の評価基準でベースラインから2段階以上の改善の、少なくともどちらかを満たす場合と定義している。 主な結果は以下のとおり。・2020年1月25日~3月7日に少なくとも1回remdesivirを投与された61例のうち、8例のデータが除外された(7例で治療後のデータがなく、1例は投与エラーのため)。・データが分析された53例のうち、22例が米国、22例がヨーロッパまたはカナダ、9例が日本の症例。年齢中央値は64歳(四分位範囲:48~71)、40例(75%)が男性であった。・remdesivir投与開始前の症状持続期間の中央値は12日間。ベースライン時に30例(57%)が人工呼吸器、4例(8%)が体外式膜型人工肺(ECMO)を使用していた。・40例(75%)で10日間のフルコースの投与が実施され、10例(19%)は 5~9日間、3例(6%)は5日未満であった。・追跡期間中央値は18日間。この間、36例(68%)で酸素補充の必要レベルが改善し、人工呼吸器使用者30例のうち17例(57%)が抜管した。・Kaplan-Meier分析の結果、観察期間中に認められた臨床的改善の累積出現率は84%(95%信頼区間[CI]:70~99)。臨床的改善がみられた症例の割合は、侵襲的換気療法実施例(非侵襲的換気療法実施例に対するハザード比[HR]:0.33、95%CI:0.16~0.68)、70歳以上で低かった(50歳未満に対するHR:0.29、95%CI:0.11~0.74)。・25例(47%)が退院し、7例(13%)が死亡。死亡リスクは、70歳以上(70歳未満に対するHR:11.34、95%CI:1.36~94.17)、ベースライン時の血清クレアチニン値が相対的に高い症例(mg/dL ごとのHR:1.91、95%CI:1.22~2.99)、侵襲的換気療法実施例(非侵襲的換気療法実施例に対するHR:2.78、95%CI:0.33~23.19)で高い傾向がみられた。・32例(60%)がフォローアップ中に有害事象を報告した。最も一般的な有害事象は、肝酵素値の上昇、下痢、発疹、腎障害、低血圧。12例(23%)で多臓器不全症候群、敗血症性ショック、急性腎障害、低血圧等の深刻な有害事象が発生し、これらはベースライン時に侵襲的換気を受けていた症例で報告された。・4例が治療途中で投与が中止され、その理由は既存の腎機能障害の悪化が1例、多臓器不全が1例、肝酵素値の上昇が2例(うち1例は斑状丘疹状皮疹発現)であった。 著者らは、コホートサイズの小ささ、フォローアップ期間の短さ、無作為化対照群がないこと等の本研究の限界に触れ、支持療法の種類や施設での治療プロトコル、入院のしきい値の違いなどが、結果に寄与している可能性を指摘。そのうえで、今回の分析からはremdesivirが重症Covid-19患者に臨床的利益をもたらす可能性が示唆されたとし、進行中の無作為化プラセボ対照試験の結果が待たれるとしている。(ケアネット 遊佐 なつみ)専門家はこう見る:CLEAR!ジャーナル四天王

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第3回 慶應義塾大学病院の集団感染でわかった「行動変容」の難しさ

40人でパーティ、18人が陽性こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件について、あれやこれや書いていきたいと思います。さて、東京の街は大変なことになってきました。緊急事態宣言の後、東京都は飲食店に対し、営業は午後8時まで、お酒の提供は午後7時までにしてくれ、と要請しました。多くの飲食店は売上減を少しでもカバーしようと、テイクアウトメニューやお弁当の提供を始めています。私がよく行く焼肉屋も急遽、お弁当を開始していましたが、店主は「焼け石に水だよ」と暗い顔でした。安倍首相は、接客を伴う飲食店の利用や企業への出勤者削減などのさまざまな行動の自粛要請を7都府県だけでなく、全国に広げる考えです。オフィス街に人がいないので、お弁当のニーズもそれほど期待できそうにありません…。今週気になったのは、慶應義塾大学病院の集団感染のニュースです。4月6日、同病院は「院内で研修医の新型コロナウイルスの集団感染が発生し、18人が陽性と確認された」と発表しました。それによれば、3月31日に初期研修を修了した研修医1人の感染が確認されたため、接触の可能性が高い研修医99人を2週間の自宅待機とし、PCR検査を実施したところ、6日までに18人の感染が判明した、とのことです。世間が問題視したのは研修医たちの行動です。3月26日、研修医たちは約40人で初期研修修了の打ち上げパーティを開いていたのです。26日といえば、東京都の小池百合子知事が、夜間の外出を控えるよう要請した翌日。同院でも、医師らに会食をしないよう周知し、研修修了後の懇親会もしないよう注意喚起をしていた矢先の出来事でした。慶應義塾大学病院は「研修医のとった行動は患者を守るべき医療者として許されない行為であり、医師としての自覚が欠如していたと言わざるを得ない」と6日に謝罪文を出しています。なお、同病院は4月14日現在、初診・救急は原則停止。再診も化学療法・免疫療法を含め、治療計画上必要な診療以外は基本停止しています。「自粛要請」だけで乗り切れるのか……さて、このニュース、「医師として情けない!」という批判が全国で上がったのですが、4月9日発売の週刊文春は、より詳細にパーティの様子や感染の経緯を報道しています。そこでは、多数の院内感染が発生した台東区の永寿総合病院に出入りしていた研修医の指導医が感染源ではないか、と推測されています。その指導医に付いていた研修医1人がまず感染。この研修医はパーティを欠席しましたが、それ以前にほかの研修医にうつしたとみられ、うつされた研修医が参加したことで一気に広がった、とみられています。パーティは午後9時過ぎからなんと、朝方まで続いたとのことです。同病院では、研修医と濃厚接触した100人ほどの医師も2週間の自宅待機となり、同病院の診療機能や関連病院の人事にも多大な影響を及ぼしているようです。同様のニュースは、京都からも届いています。4月7日、京都大学医学部附属病院で医師、研修医、事務職員ら95人が病院側の自粛要請にもかかわらず、会食を行ったり国内旅行をしたりしていた事実が判明したのです。病院は関係者全員に2週間の自宅待機を命じています。学生が羽目を外すのはよくあることですが、よりによって偏差値最高レベルの慶應義塾大学医学部で最新医学をみっちり学んだ若者が、この時期に「3密」の飲み会を長時間にわたって開いていたという事実は、重いものがあります。ちなみに、慶應義塾大学医学部は厚生労働省の鈴木康裕医務技官の出身校です。新型コロナ対策を指揮する医系技官トップの母校で起こった不祥事、というわけです。首相以下、政府対策本部の専門家会議の医師も口を酸っぱくして強調する「行動変容」。実際にそれを国民に促すのがいかに難しいか、それをこの事件は教えてくれました。「夜8時で飲み屋は終了」を「夜8時までは飲めるから5時から飲もう」と“前向き”に考える人は少なくないのでは。医学部で感染症の怖さをみっちり学んだはずの若者ですらこの体たらくなのですから…。今後、さまざまな「自粛要請」だけで果たして難局を乗り切れるのか。またまた心がざわついている今日この頃です。

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COVID-19への対応を医療機関向けに公開/国立国際医療研究センター

 ほぼ全国で患者が確認されつつある新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、COVID-19の国内発生の初期から本感染症患者の診療にあたってきた国立国際医療研究センター(NCGM)は、医療機関向けに「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する当院の対応」を公開した。 本コンテンツでは、・入院患者(外来も準ずる)における COVID-19の感染対策 ・手術室における感染対策・個人防護具装着方法・個人防護具脱衣方法について、コンパクトかつ重要なポイントのみ記載され、臨床現場で使いやすいものとなっている。 今後のCOVID-19診療で参考にしていただきたい。

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新型コロナ、感染研による評価済みウイルス検出試薬一覧

 新型コロナウイルスの感染拡大傾向は依然続いており、精度や汎用性の高いウイルス検出が喫緊の課題である。国立感染症研究所(以下、感染研)は4月9日、同所の病原体検出マニュアルに基づく方法(以下、感染研法)などで検査精度を比較した結果を公表した。PCR検査「SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出」は3月6日付で保険適用され、保健所を経由せずに検査依頼を行うことが可能となり、民間検査機関の検査能力の増強にもつながっている。 結果は以下の通り。 感染研が用意した臨床検体による陽性一致率及び陰性一致率(陽性:10検体、陰性:15検体)(1)LightMixR Modular SARS-CoV(COVID19) E-gene、LightMixR Modular SARSCoV(COVID19) N-gene1):ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社・通常の検査方法(逆転写及び遺伝子増幅に1時間以上)<結果>陽性一致率:100%(10/10)  陰性一致率:100%(15/15)1)LightMixR Modular SARS-CoV(COVID19) E-geneおよびLightMixR Modular SARSCoV(COVID19) N-geneを使い、両方もしくはいずれかで陽性となったら、「SARS-like コロナウイルス陽性」と判定。(2)LightMixR Modular SARS-CoV(COVID19) E-gene2):ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社・通常の検査方法(逆転写及び遺伝子増幅に1時間以上)<結果>陽性一致率:100%(10/10)  陰性一致率:100%(15/15)2)LightMixR Modular SARS-CoV(COVID19) Egeneのみで判定した評価。(3)新型コロナウイルス検出 RT-qPCR キット:BGI社・通常の検査方法(逆転写及び遺伝子増幅に1時間以上)<結果>陽性一致率:100%(10/10)  陰性一致率:100%(15/15)(4)FLUOROSEARCHTM Novel Coronavirus (SARSCoV-2) Detection Kit:医学生物学研究所・通常の検査方法(逆転写及び遺伝子増幅に1時間以上)<結果>陽性一致率:100%(10/10)  陰性一致率:100%(15/15)(5)TaqMan SARS-CoV-2 Assay Kit v2 (Multiplex):ライフテクノロジーズジャパン株式会社・通常の検査方法(逆転写及び遺伝子増幅に1時間以上)<結果>陽性一致率:100%(10/10)  陰性一致率:100%(15/15)(6)Loopamp 2019-nCoV検出試薬キット:栄研化学社・迅速な検査方法(逆転写及び遺伝子増幅が1時間未満)<結果>陽性一致率:90%(9/10)  陰性一致率:100%(15/15)(7)SARS-CoV-2 GeneSoC ER杏林:杏林製薬・迅速な検査方法(逆転写及び遺伝子増幅が1時間未満)<結果>陽性一致率:90%(9/10)  陰性一致率:100%(15/15)(8)SmartAmp 2019新型コロナウイルス検出試薬:株式会社ダナフォーム・迅速な検査方法(逆転写及び遺伝子増幅が1時間未満)<結果>陽性一致率:90%(9/10)  陰性一致率:100%(15/15)(9)新型コロナウイルスRNA検出試薬Genelyzer KIT:キヤノンメディカルシステムズ(株)・迅速な検査方法(逆転写及び遺伝子増幅が1時間未満)<結果>陽性一致率:90%(9/10)  陰性一致率:100%(15/15)独自の臨床検体による陽性一致率及び陰性一致率(陽性:10検体、陰性:15検体)(1)2019新型コロナウイルス検出試薬キット:株式会社 島津製作所・通常の検査方法(逆転写及び遺伝子増幅に1時間以上)<結果>陽性一致率:100%(10/10)  陰性一致率:100%(15/15)

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疲れを巡る最新研究(後編)…身体の疲れ?精神疾患?PCR検査で判別する時代に

講師紹介前編へストレスが疲労感を減らす!?近藤講演などで驚かれるのが、「ストレスが疲労感を減らしている」とお話ししたときです。確かにストレスには「疲労を増す」イメージがあるので、意外な感じがすると思います。ここでは、ストレスと呼ばれているものを、その原因である「ストレッサー」とその結果生じる身体の反応「ストレス応答」という2つに分けて考えてみましょう。脳がストレスの原因となるストレッサーを感知すると、脳の視床下部が反応し、副腎からコルチゾールとアドレナリンが出ます。これがストレス応答です。コルチゾールには抗炎症作用があって疲労感の原因である炎症性サイトカインの産生を抑えます。一方のアドレナリンには興奮作用があり、この2つの物質が作用する結果として、疲労感が減ります。つまり、疲労感は身体に「休め」というブレーキをかける役割を担い、ストレス応答は「行け」とアクセルを踏む役割を担うことで、両者がバランスを取っているのです(図4)。皆さんもあまりにも仕事が忙しいと、逆にしばらく疲れを感じなかった、という経験をされたことがあるのではないでしょうか。これは、仕事のプレッシャーがストレッサーとなってストレス応答を誘導し、疲労感を抑制してしまっている状態だと考えられます。画像を拡大するやりがちな「かえってマイナス」の疲労回復法近藤しかし、視床下部や副腎は消耗しやすい組織です。使い続けるうちにコルチゾールが減少して疲労抑制効果がなくなり、強い疲労感が前面に出てきます。ここで気を付けたいのは身体の疲労がマックスなのに疲労感をあまり感じない状態でいるため、「ストレスを解消しなきゃ」と考えて、さらに身体に負担をかける行動をとってしまうことです。具体的には、強度のスポーツ、長い入浴など、身体に負担をかける行為が挙げられます。このようなストレス解消法は、身体の疲労がある場合は避けたほうがよいのです。お薦めは、散歩や軽めの運動、音楽を聴く、きれいな景色を見るなど、「身体に負担をかけないストレス解消法」です。一方、「病的疲労」といって、身体がまったく疲れていないのに、脳が疲労感を持つケースもあります。これはうつ病などの中枢神経疾患が原因で起こる場合が多く、労働や運動で生じる身体の疲労とは異なる治療が必要となります。「身体の疲労」と「病的疲労」の見分け方近藤では、どうやって身体の疲労と病的疲労を見分ければよいのでしょう?また、ヘルペスの話に戻りましょう。前回、リン酸化した疲労因子が増えてタンパク質を合成できなくなり、臓器の働きが低下したり機能障害が起きたりすることが身体の疲れの原因、と説明しました。疲労因子が増加すればHHV-6やHHV-7の再活性化が起こり、唾液中に大量のウイルスが放出されます。つまり、「唾液中のHHV-6やHHV-7が増加していれば、身体が疲れている証拠」だといえるわけです。実際、労働時間の異なるヒトの唾液を採取し、ヒトヘルペスウイルス(HHV-6、HHV-7)を測定して比較したところ、「週40時間以上労働している人」(身体が疲労している人)は40時間未満労働している人(健康な人)に比べて、大幅に唾液中のウイルス量が多いことがわかりました。一方で、うつ病や筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群など、「身体の疲労」以外の要因から疲労感を訴えるケースでは、ウイルス量は健康な人と比べて同じかむしろ減る傾向がありました。つまり、「強い疲れ」という主訴の患者のHHV-6やHHV-7の量を検査することで、内科的治療がよいのか精神科的疾患や神経内科的疾患を考慮すべきなのかが、すぐに判断できるというわけです(図5)。画像を拡大するこの検査は、新型コロナウイルスで有名になったPCR検査です。HHV-6/HHV-7のPCR検査は保険適用外であり、まだ限られた医療機関でしか扱っていませんが、医療者の皆さんの関心の高まりと今後の広がりを期待しています。地味だけど確実な「疲労回復法」はこれ近藤「いろいろ言ってるけれど、結局どうやったら疲れはとれるの?」というのが皆さんの最も知りたいことかと思います。疲労の原因となる疲労因子はリン酸化したelF2αでした。このリン酸化をリセットして正常な状態に戻す「eIF2α脱リン酸化酵素」というものがあります。疲労因子に対して「疲労回復因子」と呼んでいます。疲労回復因子は、軽い運動によって誘導されます。また、疲労回復因子の誘導を助ける食品は、納豆・チーズ・玄米・大麦・玉ネギ・カレーに使うターメリックなどが挙げられます。また、ビタミンB1が不足すると疲労回復因子が誘導されにくくなります。これらの共通点は「抗酸化作用が強くない」こと。いわゆる「疲労回復」のイメージがあるニンニク・ウナギ・赤身肉などはこの抗酸化作用が強いので、前回にお話ししたように疲労感をとるだけの「見せかけの疲労回復」になる可能性があるのです。「疲労回復因子(eIF2α脱リン酸化酵素)」の誘導を助ける食品をしっかり摂取して、軽い運動をし、ストレスを軽減するためのリラックス法を行うというのが、地味ながらも正しい疲労回復法だと考えられます。医療者の皆さんも疲労とその機序を知り、患者さんや皆さん自身の診療やケアに、ぜひ役立ててください。書籍紹介『疲労ちゃんとストレスさん』にしかわたく(漫画・原作)・近藤一博(監修・原作)河出書房新社近藤氏の長年の研究成果と疲労に関する複雑な仕組みを、漫画家のにしかわ氏がストーリー&漫画化。疲労がどのように起きるのか、どのように回復するのか、擬人化されたキャラクターたちでわかりやすく解説した一冊。

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第3回 医療従事者対象、抗マラリア薬のCOVID-19曝露前予防試験が始まる

フランスでの小規模試験の結果を受け、不整脈等の副作用が懸念されつつも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への効果が期待される抗マラリア薬・クロロキンやヒドロキシクロロキン。これらの薬剤を、医師や看護師等の医療従事者があらかじめ服用することでCOVID-19を予防できるかどうかを調べる、英国オックスフォード大学主催の大規模試験(COPCOV)が上手く行けば来週22日にも同国で始まります1,2)。試験は欧州・アジア・アフリカの3大陸で、医療従事者4万人を募って実施されます。アジアから参加する被験者はクロロキンかプラセボを3ヵ月間服用し、アフリカと欧州ではクロロキンではなくヒドロキシクロロキンが投与されます。被験者は1日2回体温を測り、ほかに症状があればそれらと共にアプリやウェブサイトを介して報告します。報告されたそれらデータに基づいて、クロロキンかヒドロキシクロロキン服用群とプラセボ群で、感染者の数や感染後の重症度、罹病期間が比較されます。「もしクロロキンやヒドロキシクロロキンに感染予防効果があって医療従事者がそれらを服用することができれば、医療に計り知れない恩恵をもたらす」と同試験を助成するウェルカム トラスト(Wellcome Trust)の代表Jeremy Farrar氏は言っています。COPCOV試験のような曝露前予防(PrEP)試験に加え、COVID-19患者と図らずも接触した医療従事者や家族等にヒドロキシクロロキンを短期間投与することで、COVID-19の発症を防いだりより軽症で済ませられるかどうかを調べる曝露後予防(PEP)の取り組みも始まっています。スペインのバルセロナで先月3月中旬に始まったHCQ4COV19試験では3)、COVID-19患者をHIV薬ダルナビル/コビシスタットとヒドロキシクロロキンで治療することに加えて、COVID-19患者と15分超過ごした経験がある人にヒドロキシクロロキンを7日間投与するPEPの効果も調べられています。同様の試験は米国のミネソタ州、ワシントン州、ニューヨーク州でも始まっています。先週10日、GoogleとAppleはそのようなPEP効果検証試験に役立つであろうCOVID-19接触者検出スマートフォン技術の共同開発を発表しました4,5)。行動が顕わになる恐れがあるGPSデータのような位置情報に基づくのではなく、各人が持つスマートフォンどうしがどれだけ接近したかをBluetooth通信を利用して記録することで、COVID-19患者が接触した人を突き止める機能が、数ヵ月以内に利用可能になるとのことです。上述のスペインでのHCQ4COV19試験にはCOVID-19患者への接触者1,000人以上がすでに参加しており、ヒドロキシクロロキンによるPEP群と非PEP群のひとまずの比較結果は、早くも今週15日頃に判明する見込みです。テクノロジー業界の2大巨頭が手を組んで開発されるプライバシー重視のCOVID-19接触者検出技術は、PEPの効果の更なる検証や検証後のPEPの普及を大いに助けるでしょう。参考1)Trials of drugs to prevent coronavirus infection begin in health care workers / Science2)COPCOV試験(ClinicalTrials.gov)3) HCQ4COV19試験(ClinicalTrials.gov)4)Apple and Google partner on COVID-19 contact tracing technology / Google5)AppleとGoogle、 新型コロナウイルス対策として、 濃厚接触の可能性を 検出する技術で協力 / アップル

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COVID-19への喫煙の影響~71研究の系統的レビュー

 喫煙者は、過去に流行した中東呼吸器症候群(MERS)の死亡率が高かったー。それを踏まえ、今回、米国・ハーバード大学のConstantine I Vardavas氏らは、喫煙情報を含むCOVID-19に関する研究についてシステマティックレビューを実施した。その結果、喫煙はCOVID-19の負の進行と有害転帰にもっとも関連している可能性が高いことが示された。Tabacco induced diseases誌オンライン版3月20日号掲載の報告。喫煙者がCOVID-19の重篤な症状を示す可能性は1.4倍高かった 研究者らは2020年3月17日、2つのデータベース(PubMed、ScienceDirect)を使用して2019年と2020年に公開された研究から文献検索を実施した。評価項目は、疾患の重症度、人工呼吸器の必要性、集中治療室(ICU)入室と死亡、喫煙とCOVID-19の転帰の関係性であった。 喫煙情報を含むCOVID-19に関する研究についてシステマティックレビューを実施した主な結果は以下のとおり。・検索により合計71研究を抽出、うち66件が除外された。残った5研究はすべて中国(4件は武漢、1件は中国本土全体)で実施されていた。・5研究の母集団はCOVID-19患者で、サンプルサイズは41〜1,099人だった。・重症度を評価し、5研究の中で最も大きな研究によると、ICUのサポート、人工呼吸器を必要とする患者、または死亡患者には喫煙歴を有する者(禁煙者、現在喫煙中の両方含む)の割合が高く、重症例でも喫煙者の割合が高かった。・非喫煙者と比較して、喫煙者がCOVID-19の重篤な症状を示す可能性は1.4倍高かった(リスク比[RR]=1.4、95%信頼区間[95%CI]:0.98〜2.00)。・また、非喫煙者と比較して、喫煙者のCOVID-19によるICU入室の可能性、機械的換気の必要や死亡率は約2.4倍高かった。(RR=2.4、95%CI:1.43~4.04)。

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アクテムラ、日本国内COVID-19肺炎対象のP3試験開始へ/中外

 2020年4月8日、中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:小坂達朗氏)は、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体(一般名:トシリズマブ、商品名:アクテムラ)での、日本国内における重症新型コロナウイルス肺炎(COVID-19肺炎)を対象とした国内第III相臨床試験の実施について発表した。アクテムラは炎症性サイトカインの一種であるIL-6の作用を阻害 アクテムラの第III相試験については、海外では、米国、カナダおよび欧州を含む世界における重症COVID-19肺炎の入院患者約330例を対象として、プラセボと標準的な医療措置の併用と比較する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相臨床試験(COVACTA試験)の実施をロシュ社が発表している。 アクテムラは炎症性サイトカインの一種であるIL-6の作用を阻害する働きを持つ、中外製薬が創製した国産初の抗体医薬品。国内において、点滴静注製剤は6つの適応症(キャッスルマン病、関節リウマチ、全身型若年性特発性関節炎[sJIA]、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎[pJIA]、腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群、成人スチル病)で、皮下注製剤では3つの適応症(関節リウマチ、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎)で承認を取得している。

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第3回 COVID-19対策、全国の病院の医療提供状況を公開

<先週の動き>1.COVID-19対策、全国の病院の医療提供状況を公開2.COVID-19軽症患者の病院以外での療養が開始3.BCGの接種ミスによる健康被害発生4.国内の病院で相次ぐ新型コロナウイルスの院内感染事例5.医療と介護の連結解析データ、10月から第三者提供される見通し1.COVID-19対策、全国の病院の医療提供状況を公開新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、4月8日、政府が全国の入院病床を有する病院(20床以上)の医療体制を毎日把握するシステムをβ版として公開した。全国各地の医療機関が、外来・入院・救急・透析・化学療法での受け入れ制限などを行っているか否かが開示され、地図上で確認できる。5月からは本格稼働を開始予定で、今後さらに、空床情報、人工呼吸器の稼働数、PCR検査の判定の状況、医師・看護師と事務職員の数など、届け出をもとに、各医療機関の緊急患者の受け入れや入院の余裕があるかを把握できるようになる見込み。(参考)新型コロナウイルス感染症対策関係:全国医療機関の医療提供体制の状況を公開しました(β版)(政府CIOポータル)政府、8000病院一元把握 医療崩壊防止へ自治体に情報(日本経済新聞)2.COVID-19軽症患者の病院以外での療養が開始新型コロナウイルス感染者の増加に伴い、4月に入って救急医療現場での医療崩壊が危惧されており、東京、神奈川、大阪、愛知など全国の10都県で、新型コロナウイルス入院患者のうち、軽症・無症状の患者向けに施設を確保している。東京都では4月7日から患者受け入れが開始され、大阪府でも13日からホテルなどの宿泊施設への受け入れが開始される見通し。軽症者や無症状の人の療養のために、看護師2人が24時間常駐し、日中は医師が待機して、患者の健康管理を行う。今回の対策は、医療機関における重症患者の治療を優先し、軽症者についてはホテルなど療養先を振り分けて、医療崩壊を防ぐ狙いで行われる。(参考)軽症者受け入れ4600室止まり 10都県 感染爆発の備えに懸念(日本経済新聞)3.BCGの接種ミスによる健康被害発生BCGの接種実施国では新型コロナウイルス関連肺炎の発生件数が少ないという報道により、BCGがCOVID-19に有効だとする説が浮上し、日本でも接種を求める動きが増えている。しかし先日、わが国の医療機関において、成人に対してBCGの予防接種を皮下注射で行ない、発熱や蕁麻疹、血尿といった健康被害が生じている。BCGは管針法による経皮接種が絶対であり、通常のワクチンと同様に皮下注射を行なってはならない。BCGワクチンの添付文書には、「本剤は、経皮接種用の濃厚なワクチンであり、もし皮内等に注射すると強い局所反応を呈するので、絶対に注射してはならない」との記載があり、当然これに従って接種を行うべきである。ちなみにメーカーによると、3月末には通常の3倍出荷され、新型コロナウイルス関連報道により、これまでとは異なった出荷動向だという。なお、BCGの新型コロナウイルスへの効果は検証中であり、現時点では定期予防接種の対象外患者に対して接種した場合、健康被害が発生したとしても、PMDAによる医薬品副作用被害救済制度の給付対象とならないので注意が必要だ。(参考)乾燥BCGワクチン(経皮用・1人用)添付文書(PMDA)新型コロナ予防しようと…BCGワクチン接種ミス 成人に“絶対禁止”の皮下注射(毎日新聞)最近の BCG ワクチンと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する報道に関連して ~乳児へのBCGワクチンの優先接種のお願い~(日本小児科学会)4.国内の病院で相次ぐ新型コロナウイルスの院内感染事例4月に入ってから、大学病院を含む急性期病院だけでなく、介護施設を含め、複数の医療機関において、院内感染事例の報告が相次いでいる。多くは患者を介しての感染と考えられるが、送別会などの開催により、医療従事者間でのクラスター発生報告もあり、残念でならない。介護施設などから救急搬送を受け入れる病院側としては、警戒態勢をとっていても完全に防ぐのは困難なので、対応するスタッフを媒介する院内での感染を水際で対策していくしかない。当然だが、院内感染が発生した場合は、外来・救急の受け入れ中止、予定手術の延期など、地域医療や患者への影響が甚大だ。すでに多くの医療機関や介護施設では面会禁止などの対処をとっており、医療従事者はこれまで以上に感染防止策を徹底すべきだ。海外では、介護施設で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、適切な対応をしなかった場合、入所者の3分の1が死亡したという報告(NEJM)もあり、注意が必要である。(参考)新型コロナ 医療者153人感染 「院内」複数で 10都道府県集計(毎日新聞)コロナ院内感染疑い、全体の1割 検査徹底で封じ込めを(日経新聞)McMichael TM, et al. N Engl J Med. 2020 Mar 27. [Epub ahead of print]5.医療と介護の連結解析データ、10月から第三者提供される見通し厚生労働省では、介護保険法の改正、医療医保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」(以下、「改正法」と表記)が、第198回通常国会において成立し、10月1日の施行に向けて、データベースの供の準備に入った。改正介護保険法にも、匿名データの第三者提供について規定を設けており、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)と介護保険総合データベース(介護DB)の連結解析データの提供開始のために、必要な事項(提供対象者の範囲、データ利用者側の講ずべき安全管理措置義務、利用料など)の規定整備が進む。従来は、大学教員や行政関係者など、一部の研究目的でしかデータが得られなかったが、今後、医療・介護連結データを利用して、医療・介護サービスの質の向上やアウトカムの検証などが可能になると考えられる。また、2022年4月にはDPCデータベースについても、NDB・介護DBと連結することが目標となっており、今後、このデータベースから医薬品の研究開発、疫学研究、医療経済研究などが進むことが予見される。(参考)要介護認定情報・介護レセプト等情報の提供に関する有識者会議(第8回)資料(厚労省)「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」の施行に向けた検討について(報告)(厚労省 老健局老人保健課)「要介護認定情報・介護レセプト等情報の提供に関するガイドライン」改正について(同)

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閣議決定を機に見直されたCOVID-19対策の特例【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第18回

新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大しており、皆さんにもいろいろな影響が出ていると思われます。そのような中、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、オンラインなどによる診療、服薬指導などに関する通知が発出され、それに基づく運用がされてきました。・参考:厚生労働省医政局医事課 厚生労働省医薬・生活衛生局総務課 事務連絡「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて」令和2年2月28日「新型コロナウイルスの感染拡大防止策としての電話や情報通信機器を用いた診療等の臨時的・特例的な取扱いについて」令和2年3月19日しかし、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月7日閣議決定)において、非常時の対応として、オンライン・電話による診療、服薬指導が活用されるよう制度を見直し、できる限り早期に実施することとされ、令和2年4月10日に新たな通知が発出されました。本通知の発出に伴い、これまで出されていた前記の通知は廃止となっていますので、今後は本通知に従う必要があります。・厚生労働省医政局医事課 厚生労働省医薬・生活衛生局総務課 事務連絡「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」令和2年4月10日処方箋の備考欄に「0410対応」と記載本通知では、初診の場合もオンラインなどでの診療が可能とされており、これまで以上にオンラインなどでの診療が利用される可能性があります。薬剤については、医療機関を受診した患者が電話やオンラインでの服薬指導を希望する場合には、医療機関から患者が希望する薬局に処方箋情報をファクシミリなどで送付します。この際、医療機関においては送付先の薬局をカルテに記録し、処方箋の備考欄に「0410対応」と記載した上で処方箋原本を薬局に送付することとなります。薬局においては、先の通知と同様に、処方箋の原本ではなく、ファクシミリなどによる処方箋情報に基づいての調剤が例外的に可能となり、可能な時期に医療機関から処方箋原本を入手し、このファクシミリなどによる処方箋情報とともに保管することとされています。また、「薬剤師が、患者、服薬状況等に関する情報を得た上で、電話や情報通信機器を用いて服薬指導等を適切に行うことが可能と判断した場合には、当該電話や情報通信機器を用いた服薬指導等を行って差し支えないこととする」(本通知5ページ)とされており、この情報の例として以下が挙げられています。(1)患者のかかりつけ薬剤師・薬局として有している情報(2)当該薬局で過去に服薬指導等を行った際の情報(3)患者が保有するお薬手帳に基づく情報(4)患者の同意の下で、患者が利用した他の薬局から情報提供を受けて得られる情報(5)処方箋を発行した医師の診療情報(6)患者から電話等を通じて聴取した情報注射薬や吸入薬など、手技が必要な薬剤については、患者の理解に応じてオンラインなどでの服薬指導が可能か判断することとされ、オンラインなどでの服薬指導が困難と判断して対面での指導を促すことは、応需義務(薬剤師法21条)には反しないとされています。その他、実施の際の留意点として、オンラインなどでの服薬指導について十分に説明し記録することや、事前に薬剤情報提供文書などをファクシミリなどにより送付してから服薬指導を行うこと、薬剤の到着時に再度服薬指導をすることなどを、必要に応じて行うこととされています。なりすまし防止対策や、薬剤の配送、服薬指導などで使用する機器・薬剤の配送方法などを周知するなどの留意点にも言及されていますので、本通知に目を通し、内容に沿った運用をすることが求められます。なお、オンライン服薬指導などを行う場合であっても、対面での服薬指導が必要になる場合があることなどから、本通知に基づく取り扱いは、かかりつけ薬剤師・薬局や、当該患者の居住地域内にある薬局により行われることが望ましいとされています。また、今回の特例における調剤報酬については、通常の場合と同様に算定可能とされており、本通知においても同様となるようです。・参考:厚生労働省保険局医療課 事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その2)」令和2年2月28日「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その10)」令和2年4月10日改正薬機法と特例措置本年9月1日には、一部オンライン服薬指導を認める改正薬機法が施行されますが、それを待たずに、現況を鑑み上記のような対応が認められています。また、本通知では、初めて調剤した薬剤でない場合であっても、必要に応じて「ウ 薬剤交付後の服用期間中に、電話等を用いて服薬状況の把握や副作用の確認などを実施する」、「エ 上記で得られた患者の服薬状況等の必要な情報を処方した医師にフィードバックする」とされており、改正薬機法によって義務付けられる服用期間中のフォローや努力義務となる医師などへの情報提供のような内容が要求されています。今回は特例として、このような措置が認められていますが、改正薬機法の施行を意識して運用を検討することも引き続き考えるべきでしょう。オンライン服薬指導に関する薬機法施行規則の改正についても先日公布されていますので、目を通しておきましょう。・参考:厚生労働省令第五十二号 令和2年3月27日「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則等の一部を改正する省令」

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新型コロナ危機に直面した米国ニューヨークの今【臨床留学通信 from NY】番外編2

番外編:新型コロナ危機に直面した米国ニューヨークの今(2)米国は、今日現在もなお世界第1位の感染者数であり、その中心は依然としてニューヨークです。驚くべきことに、ニューヨーク州で最初の患者が確認されたのは3月1日、最初の死亡者は3月14日で、そこから指数関数的に上昇し、4月12日現在の患者総数は18万人、死亡者数は9,000人超となっています1)。クオモ州知事によると、ピークは4月下旬と予想されており、外出禁止令はそこまで続く予定です。日本の緊急事態宣言とは違ってこの命令には法的拘束力があり、警官の指示に従わない場合は罰金もあるようです。外出禁止令の目的はソーシャルディスタンス(人と人の距離を約2メートル程度保つ)であり、レストランは持ち帰りのみ、通常の仕事はwork from homeとすることなどが挙げられます。ただ、外出禁止令が発令されてから2週間以上が経過し、当初より気候も穏やかになってきたことから、1人でランニンングするなど、外出している人も増えてきたように思えます。日本は首都圏を中心に緊急事態宣言が行われて1週間足らずですが、これまでの患者数の推移を見ると、ニューヨークの初期の増え方と酷似しているため、日本が同じような状況に陥らないか非常に危惧しています。さて当院(Mount Sinai Beth Israel)の現状は、4月6日現在で180人以上のCOVID-19患者を抱えており、もともと内科レジデントがカバーしている一般内科120人、ICU 16人、CCU 8人を大幅に超過しており、9割以上がCOVID-19ということになります。ここに関しては、他科のレジデントの助けもありますが、米国特有の研修システムのお蔭で、この非常事態下においても現時点では対応できています。実は、当院には100人もの内科レジデントがいます。通常の内科は、1チーム最大20人を1人の指導医(アテンディング)および1人のシニアレジデント (卒後2~3年目)、そして2~3人のインターン (卒後1年目のレジデント)で構成しています。そのため、通常の一般病棟、集中治療室以外に、レジデント外来や選択ローテーション (年に2~3ヶ月、内科系のサブスペシャリティ、例えば循環器内科コンサルタントとしてローテーションする。大学関連病院なので、大学病院でリサーチなどを集中的にする期間などに当てられる)といった別のローテーションを組み込むほどの人員的余裕があり、休暇も年間で計4週間あるので、日本に一時帰国などができたりするわけです。今回は、それらの外来や選択ローテーションをすべて潰してこの事態に対応しており、代わるがわる体調不良となった仲間のカバーに入ったりしています。また、4月に入職したての研修医が揃う日本と異なり、米国は毎年7月がメンバーの切り替えなので、ちょうど今の時期はインターンも成長してきていることから、インターン単独でも業務を分担しています。当然ながら1人当たりの負担は増えていますが、患者の受け入れ拡充に対応しています。もうひとつ、当院独自の事情として、2022年を目処に規模を縮小した上で移転予定であったため、使われていない数多くの病室があったことも、ここに来て役に立っています。現在、内科レジデントで構成されるチームは10チーム。ICUはCOVID-ICUとして平素の2~3倍、CCUも通常のICU業務をカバーする形で病床を拡大して対応しています。しかしそれでもなお足りないので、さらに今後300床増やして対応予定となっています。病院の患者当たりの医師数は日本とアメリカで格段に違うため、日本でパンデミックとなった場合、もし医療従事者間で集団感染が起きたりすれば、早々に対応しきれなくなるのではないかと危惧しています。やはり日本も、米国と同様に待機的手術等をいったん中止し、すべての科の医師が有事に備えるべき時だと考えます。参考1)2020 coronavirus pandemic in New York (state)

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今年の学術集会はいつ開催されるのか?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、3月以降多くの学術集会が延期または開催方式の変更を余儀なくされている。 一例をあげると日本整形外科学会学術総会、日本産科婦人科学会学術講演会、日本眼科学会総会、日本医学放射線学会総会、日本麻酔科学会年次学術集会、日本プライマリ・ケア連合学会学術大会などはすでにオンライン(WEB)開催を表明するなど動きをみせている。そのほか、今後のCOVID-19の拡大状況によっては、さらなる延期や従来の会合方式の見直しなどが検討されている。 CareNet.com編集部では、4月6日現在の主要学術学会の開催動向をまとめた。今後の学会参加の参考にお役立ていただきたい。■主要な学術集会の開催予定https://www.carenet.com/useful/meeting/cg002623_index.html

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COVID-19の臨時診療報酬は、外来300点/入院1,200点

 4月8日、厚生労働省からの事務連絡「PDFリンク新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その9)」により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者(疑い例を含む)の外来診療および入院管理について、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を踏まえた診療報酬上の特例的な対応が示された。外来では「院内トリアージ実施料」として300点を算定可 COVID-19患者の外来診療を行う保険医療機関において、「B001-2-5 院内トリアージ実施料(300点/回)」が算定できる。算定に当たっては、受診の時間帯によらず、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版」に従い、院内感染防止等に留意した対応を行った場合に算定可。 なお、COVID-19患者に対してのみ院内トリアージ実施料を算定する保険医療機関については、特掲診療料における施設基準等第三の四の四を満たしているものとして、届出の必要はない。入院例では「救急医療管理加算」と「二類感染症患者入院診療加算」を算定 (1)COVID-19患者の入院診療に当たっては、救急医療管理加算を算定できる患者に限り、「緊急に入院を必要とする重症患者として入院した患者」とみなされ、「A205の1 救急医療管理加算1(950点/日)」を算定できる。救急医療管理加算1は通常7日間が限度とされているが、特例として最長14日間まで算定可能。 また、COVID-19患者に対してのみ救急医療管理加算1を算定する医療機関は、基本診療料における施設基準等第八の六の二を満たしているものとして、届出の必要はない。 (2)COVID-19患者の入院診療に当たっては、第二種感染症指定医療機関の指定の有無に関わらず、「A210の2 二種感染症患者入院診療加算(250点/日)」を算定できる。なお、「A300 救命救急入院料」、「A301 特定集中治療室管理料」「A301-2 ハイケアユニット入院医療管理料」、「A301-3 脳卒中ケアユニット入院医療管理料」、「A301-4 小児特定集中治療室管理料」、「A302 新生児特定集中治療室管理料」、「A303 総合周産期特定集中治療室管理料」、「A303-2 新生児治療回復室入院医療管理料」、「A305 一類感染症患者入院医療管理料」を算定する病棟・病室については、当該加算を含むものとして、別に算定することはできない。感染症病棟・一般病棟以外での受け入れや、個室・陰圧室に関しても明記 COVID-19患者で、一般病棟入院基本料を算定している病棟に入院している者に対して、個室または陰圧室において受け入れた場合については、二類感染症患者相当の取扱いとされることから、要件を満たせば「A220-2 二類感染症患者療養環境特別加算(200~500点/日)」を算定できる。 また、感染症病棟および一般病棟のみでCOVID-19患者を受け入れることが困難で、地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟もしくは療養病棟入院基本料を算定する病棟で受け入れた場合についても、それぞれ、「在宅患者支援病床初期加算(300点/日)」または「在宅患者支援療養病床初期加算(350点/日)」を算定できる。  なお、COVID-19患者が療養病棟入院基本料を算定する病棟に入院した場合、基本診療料の施設基準等別表第五の二に規定する「感染症の治療の必要性から隔離室での管理を実施している状態」とみなしてよい。 日本医師会は、保険医療機関に向けて、本通知の周知徹底を呼び掛けている。

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医師向けの投資マンガ【Dr.倉原の“俺の本棚”】第29回

【第29回】医師向けの投資マンガ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、世界のマーケットがぶっ壊れてしまいました。そのため、リーマンショック以降の株価がほとんど吹っ飛んでしまった企業もあります。赤字ではなく黒字を続けて、地道に内部留保をため込んできた企業もある中で、これはいくらなんでもやりすぎです。内部留保しすぎな日本もどうかと思いますが、今回はその財務体質の良さがCOVID-19による景気後退に耐えうる“盾”になったわけです。COVID-19の動向が今後どうなっていくかはわかりません。自然に収束していくのか、あるいは収束せずに共生の道をたどるのか。いずれにしても、人間が経済活動をしないという選択肢はないので、どこかでこの不景気を株価指数に織り込んでいくのだろうと思っています。今回の騒動により、景気後退は避けられないと思いますが、大手金融機関が信用リスクから破綻するという事態はなさそうですし、国をあげて金融緩和と財政出動を進めていることから、いずれ景気も戻ってくると私は信じています。楽天証券では、2月の証券口座開設数が初めて10万を超え、3月は2月比で3割程度増えるようです。今がチャンスとばかりに、多くの株式投資初心者が参入し始めたことを意味しています。私も、興味がある医師は今、株式投資を始めるべきだと思っています。逆に今始めないでいつ始めるんだ、と!『マンガでわかる Dr.Kの株式投資戦術―忙しい医師でもできるエビデンスに基づく投資―』Dr.K/著. 中外医学社. 2020年今日紹介するのは、医師向けの株式投資のマンガです。Dr.Kの新作になりますが、もともとある『株式投資戦術』という本をわかりやすくマンガ化したものです。初心者向きとはいえ、割安株にどう投資するかというところに踏み込んでいるため、レベルは中級者と言っても過言ではないかもしれません。とはいえ、どこぞの経済学の教科書みたいに、ワケワカメな内容が書いてあるわけではないので、株式投資を始めたい人にとってはベストブックと言えるでしょう。マンガと本文が4:6くらいの割合で、ちょうどよい感じです。主人公は大学病院の小児科医(なぜ小児科医なのかは不明)。さて、株式投資を勉強して、彼の人生はいったいどうなっていくのでしょうか。『マンガでわかる Dr.Kの株式投資戦術―忙しい医師でもできるエビデンスに基づく投資―』Dr.K /著出版社名中外医学社定価本体2,400円+税サイズA5判刊行年2020年

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主要な学術集会の開催予定

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、今春開催の多くの学術集会が延期または開催方式の変更を余儀なくされている。COVID-19終息の道筋が見えない状況の中、夏以降に開催が予定されている学術集会も軌道修正が余儀なくされ、会合方式の変更からWEB開催に移行した学術集会もある。CareNet.com編集部では、主要な臨床系医療学会の学術集会をピックアップ。現在の各学術集会の開催概要をまとめた。今後、参加予定の学会などがあれば参考にしてもらいたい(内容は7月3日現在)。主要な学術集会の開催予定第117回 日本内科学会会期 8月7日(金)~9日(日)会場 東京国際フォーラム ホールA第60回 日本呼吸器学会学術講演会会期 9月20日(日)~22日(火)会場 神戸コンベンションセンター第84回 日本循環器学会学術集会会期 7月27日(月)~8月2日(日)(オンライン開催)第50回 日本心臓血管外科学会学術総会会期 8月17日(月)~19日(水)(オンライン開催)第106回 日本消化器病学会総会会期 8月11日(火)~13日(木)(オンライン開催)第63回 日本腎臓学会学術総会会期 8月19日(水)~21日(金)会場 パシフィコ横浜アネックスホール・ノースおよびオンライン開催の併用第63回 日本糖尿病学会年次学術集会会期 10月5日(月)~16日(金)(オンライン開催)第54回 糖尿病学の進歩会期 9月2日(水)~3日(木)(オンライン開催)第93回 日本内分泌学会学術総会会期 7月20日(月)~8月31日(月)(オンライン開催)第82回 日本血液学会学術集会会期 10月9日(金)~11日(日)(オンライン開催)第42回 日本血栓止血学会学術総会会期 6月18日(木)~20日(土)(オンライン開催)第94回 日本感染症学会学術講演会会期 8月19日(水)~21日(金)会場 グランドニッコー東京(台場)ほかオンライン開催と併用第18回 日本臨床腫瘍学会学術集会会期 2021年2月18日(木)~20日(土)会場 国立京都国際会館ほか※2020年は開催予定なし第58回 日本癌治療学会学術集会会期 10月22日(木)~24日(土)会場 国立京都国際会館・グランドプリンスホテル京都第69回 日本アレルギー学会学術大会会期 9月17日(木)~20日(日)会場 国立京都国際会館第64回 日本リウマチ学会総会・学術集会会期 8月17日(月)~9月15日(火)(オンライン開催)第61回 日本神経学会学術大会会期 8月31日(月)~9月2日(水)岡山コンベンションセンターほかオンライン開催と併用第116回 日本精神神経学会学術総会会期 9月28日(月)~30日(水)会場 仙台国際センターほかオンライン開催と併用第25回 日本心療内科学会総会・学術大会2020年は開催せず、2021年に下記にて開催会期 2021年10月23日(土)・10月24日(日)会場 東北大学大学院医学系研究科星陵オーディトリウム緩和・支持・心のケア合同学術大会2020会期 8月9日(日)・10日(月)(WEB開催のみ)日本脳神経外科学会 第79回学術総会会期会場開催 10月15日(木)~17日(土)Web開催 10月15日(木)~11月末予定会場 岡山コンベンションセンターほかとオンライン開催の併用第120回 日本外科学会定期学術集会会期 8月13日(木)~15日(土)(オンライン開催)第28回 日本乳癌学会学術総会会期 10月13日(火)~15日(木)会場 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)第93回 日本整形外科学会学術総会会期 6月11日(木)~8月31日(月)(オンライン開催)第108回 日本泌尿器科学会総会会期 12月22日(火)~25日(金)会場 神戸ポートピアホテルほか第123回 日本小児科学会学術集会会期 8月21日(金)~23日(日)会場 神戸コンベンションセンターほかオンライン開催と併用第121回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会会期 10月6日(火)・7日(水)会場 岡山コンベンションセンターほか第67回 日本麻酔科学会年次学術集会会期 7月1日(水)~8月末日(WEB開催、詳細は検討中)第48回 日本救急医学会総会・学術集会会期 11月18日(水)~20日(金)会場 長良川国際会議場ほか第57回 日本リハビリテーション医学会学術集会会期 8月19日(水)~22日(土)会場 国立京都国際会館第11回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会会期 7月23日(木・祝)〜 8月31日(月)オンデマンド配信 7月23日(木・祝)〜8月31日(月)ライブ配信 8月29日(土)・30日(日)第20回 日本抗加齢医学会総会会期 9月25日(金)〜9月27日(日)会場 浜松町コンベンションホールおよびオンライン開催

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