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うつ病治療と食事パターン

 栄養精神医学の分野は、急速に成長している。当初は、メンタルヘルスにおけるビタミンや微量栄養素の効果について焦点が当てられてきたが、ここ10年間では食事パターンにも焦点が当てられている。うつ病のような最も一般的な精神疾患において、費用対効果の高い食事療法による介入の可能性は、潜在的に大きな影響を及ぼすため見過ごされるべきではない。ポルトガル・コインブラ大学のMariana Jesus氏らは、うつ病における食事パターンの影響について検討を行った。Current Pharmaceutical Biotechnology誌オンライン版2018年9月25日号の報告。うつ病予防に食事パターンが重要な役割を果たす 古典的な文献レビューを実施し、2010~18年のうつ病およびうつ症状における食事パターンの影響に焦点を当てた研究を抽出した。 うつ病と食事パターンの影響について検討した主な結果は以下のとおり。・基準に合致した研究は、10件抽出された。・ほとんどの研究において、健康的な食事パターン(果実、野菜、赤身肉、ナッツ、全粒穀物が豊富、加工食品や糖質食品が少ない)と各年齢層におけるうつ病やうつ症状との間に逆相関関係が認められた(一部の著者は、女性のみ統計学的に有意であると報告している)。・ほとんどの研究は、横断的調査デザインであり、因果関係の推定が困難であったが、ランダム化比較試験においても、同様な結果が得られていた。 著者らは「正確な病因経路は不明であるが、食事パターンとうつ病との関連は、十分に確立されている。伝統的な食事のような健康的な食事パターンによる食事療法は、うつ病および抑うつ症状の予防および補助療法において重要な役割を果たすと考えられる」とし、「高品質の食事パターンとうつ病および抑うつ症状のリスクとの関連性を確認するためには、より大規模なランダム化比較試験を実施する必要性がある」としている。

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第4回 DICへのアンスロビンP500の査定/セロクエル錠処方に伴うHbA1c検査の査定/腫瘍マーカー検査の査定/C型慢性肝炎検査の査定【レセプト査定の回避術 】

事例13 DICへのアンスロビンP500処方の査定アンチトロンビンIII低下を伴うDICで乾燥濃縮人アンチトロンビンIII(商品名:アンスロビンP)500注射用3瓶を点滴静注した。●査定点アンスロビンP500注射用3瓶が査定された。解説を見る●解説アンスロビンP500注射用の添付文書に「アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)→アンチトロンビンIIIが正常の70%以下に低下した場合は、通常成人に対し、ヘパリンの持続点滴静注のもとに、本剤1日1,500単位(又は30単位/kg)を投与する」と記載があります。アンチトロンビンIII検査が先月末に行われ、アンスロビンP500注射用投与時の月にはアンチトロンビンIII検査が施行されていませんでした。このケースでは、アンスロビンP500注射用投与時の月に症状詳記に「〇月〇日+検査数値」を記載することが必要でした。事例14 セロクエル錠処方に伴うHbA1c検査の査定統合失調症で、クエチアピン(商品名:セロクエル錠)を25mg 2T投与し、HbA1cの検査を請求した。●査定点HbA1c検査が査定された。解説を見る●解説セロクエル錠の添付文書の副作用に「著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重大な副作用が発現し、死亡に至る場合があるので、本剤投与中は、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと」と警告されているため、HbA1c検査を施行しました。しかし、その場合でも、「糖尿病の疑い」の病名がないと査定されます。ここでは処方のつど、病名を追記するよりも、症状詳記での記載が求められます。事例15 腫瘍マーカー検査の査定初診月の病名で胃潰瘍、胃がんの疑いでCEA、CA19-9の検査を請求した。●査定点CEA、CA19-9が査定された。解説を見る●解説「点数表の解釈」の腫瘍マーカーに、「診療及び腫瘍マーカー以外の検査の結果から悪性腫瘍の患者であることが強く疑われる者に対して、腫瘍マーカーの検査を行った場合に、1回に限り算定する」となっています。他の検査が施行されていない場合でCEA、CA19-9だけを請求すると査定の対象になります。また、他院からの紹介の場合では、「〇〇医療機関から〇月〇日に紹介された」と記載することが求められています。事例16 C型慢性肝炎検査の査定C型慢性肝炎でHCV核酸検出とHCV核酸定量の検査を請求した。●査定点HCV核酸定量が査定された。解説を見る●解説「点数表の解釈」の微生物核酸同定・定量検査に、「HCV核酸検出とHCV核酸定量を併せて実施した場合には、いずれか一方に限り算定する」と通知があるため、両検査の請求は認められません。

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初回エピソード精神疾患患者に対する長時間作用型抗精神病薬の有効性

 長期アウトカムに影響を及ぼす初回エピソード精神疾患(FEP)患者の治療を最適化するうえで、非定型抗精神病薬の異なる有効性プロファイルは、重要なポイントとなる。スペイン・University Hospital Marques de ValdecillaのMarcos Gomez-Revuelta氏らは、FEPに対するアリピプラゾール、ziprasidone、クエチアピン治療の臨床効果について、3年間のフォローアップのうえ、比較検討を行った。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2018年9月12日号の報告。 本研究は、2005年10月~2011年1月にプロスペクティブランダム化オープンラベル試験として実施された。薬物治療ナイーブの初回エピソード患者202例を対象に、アリピプラゾール群(78例)、ziprasidone群(62例)、クエチアピン群(62例)にランダムに割り付け、3年間のフォローアップを行った。主要評価項目は、すべての原因による治療中止とした。臨床効果の分析は、intention-to-treat分析に基づき実施した。 主な結果は以下のとおり。・3年間のフォローアップ期間中の全体的な脱落率は、19.3%であった。・各群の治療中止率は、アリピプラゾール群73.08%、ziprasidone群79.03%、クエチアピン群95.16%であり、有意な差が認められた(χ2=11.680、p=0.001)。・効果不十分、アドヒアランス不良、副作用における統計学的に有意な差は、すべての原因による治療中止までの時間的有意差を判断するための3年間のフォローアップにおいて観察された(Log-Rank=32.260、p=0.001)。・眠気/鎮静(χ2=9.617、p=0.008)および睡眠持続時間(χ2=6.192、p=0.004)の増加において、各群に有意な差が認められた。・錐体外路症状のプロファイルに、有意な差は認められなかった。・アリピプラゾール群では、ベンゾジアゼピン使用率が高かった。 著者らは「FEP患者に対するクエチアピン治療は、非有効性のための治療中止率が高かった。治療中止パターンの違いを特定することは、FEP後の治療選択を最適化することに寄与すると考えられる」としている。■関連記事初回エピソード統合失調症患者における抗精神病薬治療中止に関する20年間のフォローアップ研究初回エピソード統合失調症患者における抗精神病薬中止後の長期的な影響初回エピソード統合失調症、LAIは経口薬より優る

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日本人小中学生のインターネット利用とうつ病や健康関連QOLとの関連

 病的なインターネット使用は、主に中学生を対象に研究されており、小学生を対象としたデータはほとんどない。弘前大学の高橋 芳雄氏らは、小中学生における、問題のあるインターネット使用状況(病的および不適切なインターネット使用を含む)とメンタルヘルスや健康関連QOLとの関連について調査を行った。Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology誌オンライン版2018年9月25日号の報告。 対象は、日本の中規模都市にある公立の小学校・中学校に通う、小学生3,845人および中学生4,364人。問題のあるインターネット使用の評価には、Young's Diagnostic Questionnaireスコアを用いた。 主な結果は以下のとおり。・病的なインターネット使用は、小学生で3.6%、中学生で7.1%であった。不適切なインターネット使用は、小学生で9.4%、中学生で15.8%であった。・問題のあるインターネット使用は、小学4年生~中学2年生で一貫して増加した。・また、中学1、2年生で、問題のあるインターネット使用が急激に増加した。・問題のあるインターネット使用児は、適切なインターネット使用児よりも、重度のうつ病や健康関連QOL低下を来すことが明らかとなった。 著者らは「病的なインターネット使用は、小学生でさえ珍しいものではなく、病的および不適切なインターネット使用は、重度のメンタルヘルスの問題や健康関連QOL低下を引き起こす。問題のあるインターネット使用およびそれに関連するリスク因子に対する教育的な予防介入を、これからの子供たちに提供することが重要である」としている。■関連記事スマホ依存症になりやすい性格タイプ青年期からの適切な対策で精神疾患の発症予防は可能か若者の新型うつ病へのアプローチとなりうるか

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日本人教師における仕事のストレスと危険なアルコール消費の性差に関する横断研究

 多くの教師は、仕事に関連するストレスや精神障害のリスクが高いといわれている。また、教師の飲酒運転や危険なアルコール消費(hazardous alcohol consumption:HAC)は、社会問題となっている。そして、燃え尽き症候群、職業性ストレス、自己効力感、仕事満足度に関する教師間の性差が報告されている。大阪市立大学の出口 裕彦氏らは、日本の教師における、認識された個人レベルの職業性ストレスとHACとの関連について性差を明らかにするため、検討を行った。PLOS ONE誌2018年9月20日号の報告。 2013年に実施された横断研究より、非飲酒者を除く男性教師723名と女性教師476名を対象とした。認識された個人レベルの職業性ストレスの評価には、Generic Job Stress Questionnaire(GJSQ)を用いた。HACの定義は、男性教師でエタノール280g/週以上、女性教師で同210g/週以上とした。多重ロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・HACは、男性教師の16.6%、女性教師の12.4%で認められた。・平均年齢は、男性教師46.9±10.9歳、女性教師39.9±12.3歳であった。・職務分類別では、学校教師が最も一般的であった(男性:48.7%、女性:86.3%)。・中程度のストレスレベルを有する男性教師では、調整されたモデルの使用により、管理職からのソーシャルサポートとHACとの関連が認められた(OR:0.43、95%CI:0.23~0.8)。・高度なストレスレベルを有する女性教師では、調整されたモデルの使用により、仕事量の変動とHACとの関連が認められた(OR:2.09、95%CI:1.04~4.24)。 著者らは「本研究では、HACは、男性教師において管理職からのソーシャルサポートと負の関連があり、女性教師においては仕事量の変動と正の関連が認められた。教師のHAC予防戦略を策定する際には、性差を考慮する必要がある」としている。■関連記事職業性ストレス対策、自身の気質認識がポイント:大阪市立大うつ病の寛解率、職業で差があるか認知症になりやすい職業は

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歯周炎とアルツハイマー病リスクが関連

 歯周病が、軽度認知障害(MCI)・主観的認知低下(SCD)・アルツハイマー病(AD)のリスク増加の一因となるかどうかを検証するために、スウェーデン・カロリンスカ研究所のJacob Holmer氏らが症例対照研究を実施した。その結果、辺縁性歯周炎と早期認知障害およびADとの関連が示唆された。Journal of Clinical Periodontology誌オンライン版2018年10月5日号に掲載。 本研究は、スウェーデンのHuddingeで3年間にわたって実施された。カロリンスカ大学病院のカロリンスカ・メモリークリニックで、連続した154例を登録し、3つの診断群(AD、MCI、SCD)をまとめて「症例」とした。年齢および性別がマッチした76人の認知的に健康な対照を、Swedish Population Registerを介して無作為にサンプリングした。すべての症例および対照は、臨床検査およびX線検査を受けた。潜在的な交絡因子を調整したロジスティック回帰モデルに基づいて統計解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・対照群より症例群で、口腔健康状態不良および辺縁歯槽骨喪失が多くみられた。・症例群は、広範な辺縁歯槽骨喪失(オッズ比[OR]:5.81、95%信頼区間[CI]:1.14~29.68)、深い歯周ポケットの増加(OR:8.43、95%CI:4.00~17.76)、う蝕(OR:3.36、95%CI:1.20~9.43)に関連していた。

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日本人統合失調症患者の喫煙率に関する大規模コホートメタ解析

 統合失調症患者の喫煙は、世界的に一般集団と比較してより多くみられるが、日本での研究結果では矛盾が生じていた。最近では、一般集団の喫煙率は徐々に低下している。金沢医科大学の大井 一高氏らは、日本人の統合失調症患者を対象に、喫煙率の大規模コホートメタ解析を行った。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2018年9月17日号の報告。 対象は、喫煙状況に関する日本の大規模コホートメタ解析より、統合失調症患者1,845例および一般集団19万6,845例、25年に及ぶ12件の研究より、統合失調症患者842例および精神医学的に健康な対照者766例(著者らの研究による、統合失調症患者301例および対照者131例を含む)。 主な結果は以下のとおり。・著者らのケースコントロールサンプルでは、統合失調症患者において、健康な対照者よりも有意に高い喫煙率が認められた(p=0.031)。・統合失調症患者のヘビースモーカーの割合(p=0.027)および1日の喫煙本数(p=0.0082)は、健康な対照者よりも有意に高かった。・統合失調症の喫煙者において、非定型抗精神病薬の投与量と1日の喫煙本数との間に正の相関が認められた(p=0.001)。・メタ解析では、統合失調症患者は男性(OR:1.53、p=0.035、統合失調症患者:52.9%、一般集団:40.1%)、女性(OR:2.40、p=0.0000108、統合失調症患者:24.4%、一般集団:11.8%)の両方において、一般集団よりも高い喫煙率が認められた。・男性の統合失調症患者は、男性の健康な対照者よりも高い喫煙率が認められたが(OR:2.84、p=0.00948、統合失調症患者:53.6%、健康な対照者:32.9%)、女性では統計学的に有意な差は認められなかった(OR:1.36、p=0.53、統合失調症患者:17.0%、健康な対照者:14.1%)。・男女両方において、統合失調症患者は、一般集団(OR:1.88、p=0.000026)および健康な対照者(OR:2.05、p=0.018)よりも高い喫煙率が認められた。・これらの割合は、患者が登録された年に影響を受けなかった(p>0.05)。・1日当たりの喫煙値は、統合失調症患者22.0、一般集団18.8であった。 著者らは「日本における10年以上のデータに基づくと、日本人の統合失調症患者は、一般集団および健康な対照者よりも、喫煙する可能性が約2倍高いことが示唆された」としている。■関連記事統合失調症患者は、なぜ過度に喫煙するのか統合失調症患者とタバコ、どのような影響を及ぼすのか?統合失調症発症予測に喫煙が関連

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認知症と自殺との関係

 認知症と診断された患者における自殺念慮の存在、促進因子、保護因子について、英国・プリマス大学のGary Hodge氏が、文献レビューおよびデータ統合を行った。本レビューでは、どのような因子が自殺念慮のリスク上昇に影響を及ぼすかを考慮し、認知症での死亡を議論する際、選択の道徳性と倫理性への反映を試みた。Dementia(London, England)誌オンライン版2018年9月14日号の報告。 認知症における自殺念慮に関連するデータを判断するため、批判的な解釈統合モデルを用いた。サンプルフレームを用いて、抽出されたデータの品質と関連性を評価し、批判的な解釈統合を構築した。8つの主要論文よりデータ抽出を行った。 主な結果は以下のとおり。・本レビューおよびデータ統合は8つの統合結果から構築され、2つの結論が導き出された。・第1に、認知症および臨床的うつ症状と診断された患者において、自殺念慮のリスクが大幅に増加していた。・第2に、認知症と診断された患者とその家族において、終末期の話し合いが一般的に行われていた。 著者らは「死、とくに自殺念慮についての話し合いは難しいテーマであるが、認知症診断により複雑さが増したとしても、死についての話し合いは可能である。しかし、これらの会話は、個別化と慎重さが必要である。そして、本人の病前希望、事前の決定や選択を尊重し、“生きる権利”と“死ぬ権利”について、継続的に話し合う必要もある」としながら、「これらの話し合いを始める前に、新規および早期の認知症診断などの自殺念慮のリスク要因やうつ病などの精神的な合併症を認識し、対処する必要がある」としている。■関連記事なぜ、フィンランドの認知症死亡率は世界一高いのか認知症における抗コリン薬負荷と脳卒中や死亡リスクとの関連認知症者への向精神薬投与は死亡率を高めているか

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統合失調症または双極性障害患者におけるアリピプラゾール経口剤と持効性注射剤の服薬アドヒアランスの比較

 リアルワールドにおける統合失調症または双極I型障害患者(BD-I)に対する長時間作用型持効性注射剤抗精神病薬(とくに、アリピプラゾール持効性注射剤月1回製剤400mg[AOM400]のような新規薬剤)と経口抗精神病薬のアドヒアランスを比較した研究は、あまり行われていない。米国・Partnership for Health Analytic ResearchのTingjian Yan氏らは、アリピプラゾールの経口剤と持効性注射剤の服薬アドヒアランスについて、比較を行った。Advances in Therapy誌オンライン版2018年9月11日号の報告。 2012年1月~2016年6月までのTruven MarketScanデータを用いた2つのレトロスペクティブコホート分析より、AOM400による治療を受けたか経口抗精神病薬単独療法から他の治療に移行した、統合失調症またはBD-I患者を抽出し服薬アドヒアランスと服薬中止について比較を行った。アドヒアランスは、調査開始から1年間における服薬日数の割合(PDC)0.8以上と定義した。AOM400および経口抗精神病薬と服薬アドヒアランスとの関連は、線形回帰モデルを用いて調べた。服薬中止までの時間およびリスクは、ベースライン時の共変量で調整した後、Kaplan-Meier曲線およびCox回帰を用いて推定した。マッチしたコホートを作成するため、傾向スコアマッチングと完全一致マッチングを組み合わせて感度分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・最終コホートサイズは、統合失調症患者ではAOM400群408例、経口抗精神病薬群3,361例、BD-I患者ではAOM400群413例、経口抗精神病薬群1万5,534例であった。・統合失調症患者の調整平均PDCは、AOM400群が経口抗精神病薬群より高く(0.57 vs.0.48、p<0.001)、服薬中止リスクは、AOM400群より経口抗精神病薬群が高かった(ハザード比[HR]:1.45、95%信頼区間[CI]:1.29~1.64)。・BD-I患者の調整平均PDCについても、AOM400群が経口抗精神病薬群より高かった(0.59 vs.0.44、p<0.001)が、服薬中止リスクに関しては、経口抗精神病薬群がAOM400群より高かった(HR:1.71、95%CI:1.53~1.92)。 著者らは「リアルワールドにおいて、統合失調症またはBD-I患者に対するAOM400治療は、経口抗精神病薬治療と比較し、PDC0.8以上の服薬アドヒアランス良好な割合が有意に高く、治療中止までの期間も有意に延長された」としている。■関連記事抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか実臨床における抗精神病薬持効性注射剤のメリット持効性注射剤と経口薬の比較分析、どんなメリットがあるか

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うつ病に対するアリピプラゾール増強療法の実臨床における有効性と安全性

 増強療法は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の適切な用量で十分な治療反応を有するうつ病患者に対する治療選択肢であるが、日々の実臨床における適用についてはあまり知られていない。昭和大学の上島 国利氏らは、実臨床において、従来の抗うつ薬治療で効果不十分な日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール増強療法の有効性および安全性について、プロスペクティブ多施設観察研究を実施した。Current medical research and opinion誌オンライン版2018年9月12日号の報告。 主要評価項目は、ベースラインから試験終了までのMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)日本語版の総スコア平均変化量とした。有害事象のモニタリングにより、安全性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・安全性評価対象患者は1,103例、有効性評価対象患者は1,090例であった。・試験終了時のMADRS総スコアの平均変化量は、-14.9±12.3であった(ベースライン比較:p<0.001)。・寛解率は、6ヵ月目の34.5%から12ヵ月目の43.3%に上昇し、継続治療のさらなる有効性が示唆された。・アリピプラゾール増強療法の有効性には、主要な抗うつ薬(パロキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、ミルナシプラン、デュロキセチン、ミルタザピン、エスシタロプラム)のタイプによる変化が認められなかった。・寛解達成の可能性を高める要因は、ベースライン時のMADRS総スコア33ポイント未満、うつ病エピソードからアリピプラゾール治療開始までの期間176日未満であった。・1つ以上の有害事象を経験した患者の割合は24.8%であったが、新たな安全性の問題は検出されなかった。 著者らは「寛解達成に関連する要因を考慮すると、実臨床での、うつ病または抑うつ症状を有する日本人患者に対するアリピプラゾール増強療法は、有効かつ安全であると考えられる」としている。■関連記事アリピプラゾール増強が有効な治療抵抗性うつ病患者の3つの特徴SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較治療抵抗性うつ病、抗うつ薬併用 vs. 抗精神病薬増強

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第1回 痛みの概説【エキスパートが教える痛み診療のコツ】

第1回 痛みの概説痛みは、古来より病気の兆候の中でも最も多く、医療・医学の原点です。今日でも人類を苦しめている大きな病気因子でもあります。この痛みを意味する英語の“Pain”はラテン語のPoena、ギリシャ語のPoineより由来しております。元来はPenalty あるいはPunishmentを意味しておりました。処罰の1つの方法として、痛みを受けさせられることは、昔からごく自然になされていたことと推察されます。このように、痛みは人類の誕生とともに歩んできたにもかかわらず、現在においても感覚としての「痛み」をなかなか科学的な研究対象として取り上げにくいのが実態です。その原因の1つには、聴覚や視覚など他の感覚と異なって、複数の人が痛みを同時に同程度に共有することが不可能であることが挙げられております。そのために痛みを客観的に把握することがきわめて困難であります。米国では、2001~2010年までを「痛みの10年」として、痛みの研究や治療に膨大な国家予算を費やし、痛み患者への対策を検討しました。これは、ともすれば痛みを口実に「怠惰さの隠れ蓑にしているのではないか」との世間の目を気にしている痛みの患者への救いであるとともに、痛み患者の就労不能や意欲低下、また、その看護などによる年間の経済的損失が米国ではおよそ8兆円にのぼるとの試算に向け、この深刻な問題に対する政策でもありました。国際疼痛学会(IASP)は、痛みとは「実際の組織損傷、あるいは潜在的な組織損傷と関連した、または、このような組織損傷と関連して述べられる不快な感覚的・情動的体験」と定義しています。しかしながら、この定義からしても痛みの実体を認識することは難しいのです。むしろ痛みを機序別による分類から考えるほうが、わかりやすいかもしれません。それでは、痛みの発生する原因機序別に従って分類してみましょう。侵害受容性疼痛針で刺したり、金鎚で叩いたりしたときに感じる痛みです。神経自由終末の侵害受容器に一定以上の痛み刺激が加わることによって、痛みインパルスが発生します。その痛みインパルスが脊髄を経由して上位中枢に伝達され、大脳皮質第2次体性感覚野に到達すると痛みとして認識されます。この痛みインパルスを伝導するのは、Aδ線維とC線維です。Aδ線維は表に示されているように、C線維より太いので伝達速度が速くなります。おそらくは向こう脛を机の角に打ち付けたときに、最初にドンと来る痛みを感じて、その後しばらくしてジーンとするいやな痛みを感じたことを経験されたことがあるでしょう。最初の痛みがAδ線維経由の痛み(1次痛)で、その後がC線維経由の痛み(2次痛)です。がんによる疼痛も侵害受容性疼痛と考えられ、がん細胞が神経末端を刺激することによって痛みが生じます。表 侵害受容性疼痛の種類・伝導速度・主な受容器画像を拡大する神経障害性疼痛帯状疱疹後神経痛(PHN)に代表される痛みです。帯状疱疹ウイルスによって、神経線維そのものが破壊される結果により、神経自由終末ではなく異所性に痛みインパルスが発生するために、痛みとして感じます。触覚などのインパルスを伝達する太い神経線維(Aβ)が減少して、代わりに痛み感覚を伝達する細い神経線維(C線維)に置き換わるために、触覚も痛みとして感じます。本来の痛み刺激ではない、筆などによる柔らかい刺激を痛みとして感じるアロディニアの症状が見られます。心因性疼痛(非器質性疼痛)痛みが長く持続すると、抑うつなどの心因的症状が進展して、それが痛みをさらに増悪することになります。また、いやなことが続くと身体のどこかに痛みを感じる「身体表現性疼痛」と言われる非器質的な疼痛が現れることがあります。このように、最初から心因性(非器質性)に痛みを感じることもあります。現代では、この「心因性疼痛」もかなりの頻度で見られるようです。このように、臨床的な痛みの分類として、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛(図)が存在しますが、痛みの開始時には、これらをある程度明確に分類できるでしょう。しかしながら、痛みが長期間持続してくると、これらが1つになってしまうために痛みの治療が著しく困難となります。この意味からも痛みには早期からの治療が必要でありますし、患者さんも我慢すべきではありません。図 臨床的な痛みの分類の概念*画面をクリックして動画を視聴ください1)Erlanger J,Gasser HS. Electrical signs of nervous activity.Philadelphia;University of Pennsylvania Press:1937.2)Burgess PR, Perl ER, Iggo A(ed). Somatosensory system. New York;Springer:1973.p.29-78.3)花岡一雄、ほか. 現代鍼灸学. 2005:5;59-68.4)河谷正仁 編集. 痛み研究のアプローチ. 新興交易医書出版部;2006.p.15-18.5)花岡一雄. 東京都医師会雑誌.2007:60;6-10.今後の掲載予定侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛、急性痛と慢性痛、痛みの悪循環などを総論的に解説後、各論として全身、頭頸部、胸部、腹部など部位別にさらに詳しくレクチャーしていきますのでご期待ください。次回は、「急性痛と慢性痛」について説明します。

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双極性障害治療における新規非定型抗精神病薬の薬理学的および臨床的プロファイル

 双極性障害の有病率は、65歳以上の高齢成人では変化しており、コミュニティ住民の1%、入院患者の8~10%に及ぶといわれている。リチウムやバルプロ酸を含む古典的な薬剤は、最近のランダム化比較試験(RCT)で示唆されているように、有意な抗操作用を有するが、高齢者の双極性障害治療においては、非定型抗精神病薬の使用が注目されている。新規非定型抗精神病薬は、一般的な成人双極性障害患者に対する忍容性および有効性について関心が高まっている。カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のAkshya Vasudev氏らは、高齢双極性障害患者に対する新規非定型抗精神病薬の有効性および忍容性について、システマティックレビューを行った。Drugs & Aging誌オンライン版2018年9月6日号の報告。 MEDLINE、EMBASE、PsycINFO、コクランライブラリー電子データベースを用いて、システマティックに検索を行った。65歳超の高齢者における任意の双極性障害エピソード(躁病エピソード、うつ病エピソード、混合エピソードを含む急性期または維持期)の治療に対し、2002年以降に米国FDAで承認された新規非定型抗精神病薬(ブレクスピプラゾール、cariprazine、lurasidone、iloperidone、アセナピン、パリペリドン、アリピプラゾール)をプラセボまたは他剤と比較したRCTを特定しようと試みた。しかし、調査した薬剤のいずれについてもRCTデータを見つけられなかったため、調査基準を変更し、55歳以上の研究および事後解析研究を含めた。 主な結果は以下のとおり。・lurasidoneに関する2つの事後解析研究では、高齢双極性障害患者の急性期および維持期の治療において、合理的な安全性および有効性プロファイルが示唆されたが、薬理学的データは認められなかった。・経口アセナピンおよびアリピプラゾールの追加療法に関するオープンラベル試験のデータでは、両剤ともに高齢双極性障害患者のうつおよび躁症状に対する十分な忍容性および有効性が示唆された。したがって、これら2剤に関するRCTを実施することは急務である。・高齢双極性障害患者にブレクスピプラゾール、cariprazine、iloperidone、パリペリドンを使用した研究は、見つからなかった。■関連記事双極性障害に対するアリピプラゾールの評価~メタ解析双極性障害の補助治療オプションに関する情報のアップデート双極性障害、リチウムは最良の選択か

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日本における精神科病床への新規入院患者の在院日数に関する研究

 新たに入院した精神疾患患者が、どのように医療資源を消費しているかを正確に理解することは、精神科医療に携わる臨床家や政策立案者にとって重要である。東京都医学総合研究所の奥村 泰之氏らは、日本における新たに入院した精神疾患患者のパターンおよび在院日数について調査を行った。Journal of epidemiology誌オンライン版2018年9月15日号の報告。 厚生労働省が構築している、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を活用し、レトロスペクティブコホート研究を実施した。2014年4月~2016年3月に、精神病床へ新たに入院したすべての患者60万5,982例(1,621病院)について、入院から地域に退院するまでの日数を評価した。 主な結果は以下のとおり。・1ヵ月当たりの平均入院患者数は、2014年度で2万5,024例、2015年度で2万5,475例であった。・入院患者数には季節的な傾向が認められ、夏期(7月)にピークを迎えた。・患者全体における退院率は、90日以内で64.1%、360日以内で85.7%であり、入院料の種別により大きく異なっていた。・たとえば、精神科救急入院料の90日以内の退院率によって131病院を5群に分類すると、最下位の病院群における退院率は46.0~75.3%であるのに対し、最上位の病院群における退院率は83.6~96.0%であった。・同様に、認知症治療病棟入院料の90日以内の退院率によって486病院を5群に分類すると、最下位の病院群における退院率は0.0~23.4%であるのに対し、最上位の病院群における退院率は47.7~87.7%であった。・都道府県ごとに360日以内の退院率に違いが認められた。たとえば、退院率が最も高い地域は東京都の90.5%であり、退院率が最も低い地域は山口県の78.0%であった。 著者らは「NDBを活用することにより、精神病床へ新たに入院した患者における、入院料種別の累積退院率や病院レベルの退院率が初めて明らかとなった。本結果により、政策担当者がより実効性の高い施策立案をすることにつながり、臨床家が全国における自施設の退院率を理解し、より現実的な目標設定に活用できると期待される。なお、本結果には、精神病床入院患者の20%程度を占める生活保護受給者が含まれていないため、一般化可能性には留意が必要である」としている。■関連記事統合失調症の再入院に対する抗精神病薬の比較精神科病棟への長期入院の予測因子は入院から地域へ、精神疾患患者の自殺は増加するのか

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男性の飲酒とうつ病との関係

 一般集団における男性のうつ病と飲酒の縦断的な相互関係について、韓国・中央大学校のSoo Bi Lee氏らが、調査を行った。Alcohol and alcoholism誌2018年9月1日号の報告。 対象は、2011~14年のKorean Welfare Panelより抽出した20~65歳の成人男性2,511例。アルコール使用障害特定テスト韓国版(AUDIT-K)スコアに基づき、対照群2,191例(AUDIT-K:12点未満)、飲酒問題群320例(AUDIT-K:12点以上)に分類した。時間経過とともに連続測定された飲酒問題とうつ病との相互関係を調査するため、自己回帰的なcross-laggedモデル分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・飲酒とうつ病との関係は、時間経過とともに安定していた。・対照群では、飲酒問題とうつ病との間に有意な因果関係は認められなかったが、飲酒問題群では、前年の飲酒が2、3、4年後のうつ病に有意な影響を及ぼしていた。 著者らは「飲酒問題群では、対照群と比較し、うつ病と飲酒の4年間に及ぶ相互の因果関係が認められた。通常の飲酒では、縦断的なうつ病と飲酒との相互関係は認められなかったが、飲酒問題群では、飲酒は時間経過とともにうつ病を増強させた。飲酒問題はうつ病発症のリスク因子であり、一般集団におけるアルコール使用の問題や抑うつ症状を有する患者のアルコール使用歴には、より注意すべきである」としている。■関連記事うつ病とアルコールとの関係:2014年英国調査よりアルコール以外の飲料摂取とうつ病リスクアルコール摂取量削減のためのサービングサイズ変更効果

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大地震から4年後における青年期のPTSD有病率

 2008年の四川大地震から4年以上経過した時点における青年期の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の有病率とその因子について、中国・四川大学のQiaolan Liu氏らが、調査を行った。Disaster medicine and public health preparedness誌オンライン版2018年9月12日号の報告。 大地震を経験した2校の中学校の青年1,125例を対象に3年間フォローアップを行った。53ヵ月後に精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-IV)および中国精神障害分類(CCMD-2-R)に基づく自己評価PTSD尺度をまとめ、決定因子データを収集した。決定因子の分析には、ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・PTSD有病率は、23.4%であった。・PTSDのリスク因子は、年上(オッズ比[OR]:1.52、95%信頼区間[CI]:1.20~1.92)、地震による家族の死亡または負傷(OR:1.61、95%CI:1.09~2.37)であった。・中等度から重度の一般的なメンタルヘルスの問題を有する青年は、PTDS症状を有する可能性が高かった(OR:3.98~17.67、すべてのp<0.05)。・ポジティブコーピングは、青年が年を重ねた際のPTSDの保護因子であったのに対し、自尊心は、年齢にかかわらずPTSDの保護因子であった。 著者らは「大地震を経験した青年のPTSD症状は、長期間持続するように思われる。この症状を緩和するためには、長期的な介入が必要である」としている。■関連記事東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大身体活動がPTSDに及ぼす影響震災と精神症状、求められる「レジリエンス」の改善

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禁煙のための電子タバコ、ニコチン依存症での役割

 電子タバコ(電子ニコチン送達システム:ENDS)は、若者の間で一般的なタバコ製品となりつつある。電子タバコには、有害物質の低減や禁煙に効果的であるとのエビデンスもあるが、議論の余地は残っている。電子タバコが、ニコチン依存者の喫煙の減少や禁煙に対してどのように寄与するかは、ほとんど知られていない。米国・ノースダコタ大学のArielle S. Selya氏らは、ニコチン依存症に対する電子タバコの有効性について検討を行った。Nicotine & Tobacco Research誌2018年9月4日号の報告。 若年成人(おおよそ19~23歳)コホートを4年にわたり調査した。電子タバコの使用と従来型タバコの喫煙頻度との関係、ニコチン依存度の違いがこの関係にどのような影響を及ぼすかについて、変数係数モデル(VCM)を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。・直近ではなく生涯にわたり、高レベルのニコチン依存者における電子タバコの使用は、従来型タバコを同時に喫煙する頻度の少なさと関連していた。・しかし、非依存的な電子タバコの使用者は、未使用者よりも、従来型タバコを喫煙する頻度がわずかに高かった。・電子タバコ使用者の約半数は、禁煙目的のために電子タバコを使用していた。・禁煙目的での電子タバコ使用者において、電子タバコの使用頻度は、将来の従来型タバコの喫煙頻度の減少と関連が認められなかった。 著者らは「電子タバコは、高度なニコチン依存を有する若年成人の喫煙者において、禁煙を補助する可能性がある。しかし、非依存者では逆の反応がみられており、非喫煙者の電子タバコ使用は、避けるべきであることが示唆された。また、多くの若者が、禁煙目的で電子タバコを使用していたが、電子タバコによる自発的な禁煙への取り組みは、将来の喫煙減少や禁煙と関連が認められなかった」としている。■関連記事世界61ヵ国のタバコ依存症治療ガイドラインの調査青年期の喫煙、電子タバコ使用開始とADHD症状との関連精神疾患発症と喫煙の関連性

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治療抵抗性統合失調症の初回エピソードに関する長期フォローアップコホート研究

 統合失調症患者の約3分の1は、最終的に治療抵抗性統合失調症(TRS)へ移行する。TRSに至るまでの時間経過は患者により異なるが、これらの変動に関する詳細は、明らかとなっていない。千葉大学の金原 信久氏らは、TRSへの移行に、分岐点が存在するかを判断するため、TRS患者と非TRS患者の初回エピソード精神病(FEP)のコントロール達成までに要した時間について比較を行った。BMC Psychiatry誌2018年9月3日号の報告。 対象は、統合失調症患者271例。臨床評価に基づき、TRS群(79例)または非TRS群(182例)に割り付けられた。初回入院期間や改善度などのFEP治療に関連する臨床的要因をレトロスペクティブに評価した。 主な結果は以下のとおり。・初回入院期間(治療開始から退院するまでの時間として定義)は、両群間で有意な差が認められなかった(TRS群:平均87.9日、非TRS群:平均53.3日)。・初回入院時の機能の全体的評価(Global Assessment of Functioning:GAF)スコアの改善度は、TRS群が非TRS群よりも有意に低かった(50点vs.61点)。・TRS群の約半数は、FEPの急性発症パターンを示し、入院期間も長かった(平均169日)。・入院を必要としなかったTRS群の残り半数は、明確な精神病エピソードがなく、入院することなく治療導入を行うような、潜行的な発症パターンを示した。 著者らは「TRSへ移行する患者は、FEP中の改善が困難な可能性がある。TRSへの移行パターンは、2種類あると考えられる。1つは、難治性の陽性症状およびFEPをコントロールするまでに長期間を要する場合。もう1つは、潜在的または潜行的な発症および初回治療に対し治療反応不良を示す場合」としている。■関連記事難治性統合失調症患者に対する治療戦略:千葉大治療抵抗性統合失調症へ進展する重要な要因とは:千葉県精神科医療C治療抵抗性統合失調症は予測可能か

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薬剤耐性てんかん患者に対するEPA、DHAの無作為化二重盲検比較試験

 オメガ3脂肪酸(EPA、DHA)は、神経機能の維持および調整に重要な役割を果たしていると知られており、抗けいれん効果を有するとのエビデンスがある。スーダン・ハルツーム大学のFatma A. S. Ibrahim氏らは、薬物治療抵抗性てんかん患者の発作率に対するEPA、DHAの効果について検討を行った。Epilepsy & Behavior誌オンライン版2018年8月28日号の報告。 薬物治療抵抗性てんかん患者99例(5~16歳:85例、17~45歳:14例)を対象に、二重盲検ランダム化プラセボ対照臨床研究を実施した。対象患者は、DHA群33例(DHA 417.8mg+EPA 50.8mgカプセル)、EPA群33例(EPA 385.6mg+DHA 81.2mgカプセル)、プラセボ群33例(高オレイン酸ヒマワリ油)にランダムに割り付けられ、それぞれ1年間治療を継続した。主要評価項目は、発作率に対する治療効果とした。患者の1ヵ月当たりの発作回数をモデル化するため、ランダム効果負の二項分布回帰モデルを用いた。共変量(性別、年齢、研究参加時の1週間当たりの発作率、発作のタイプ、研究参加時に併用していた抗てんかん薬の数)で調整した後、発作発生率比に対する治療効果を検討した。 主な結果は以下のとおり。・試験を完了した患者は、59例(59.6%)であった。・1ヵ月当たりの平均発作回数は、EPA群で9.7±1.2回、DHA群で11.7±1.5回、プラセボ群で16.6±1.5回であった。・年齢、性別、発作のタイプで調整後の発作発生率比は、プラセボ群と比較し、EPA群で0.61(95%CI:0.42~0.88、p=0.008、42%減少)、DHA群で0.67(95%CI:0.46~1.0、p=0.04、39%減少)であった。・EPA群とDHA群の間で、発作発生率比に差は認められなかった(p=0.56)。・EPA群、DHA群ともに、プラセボ群と比較し、発作のない日数が有意に多かった(p<0.05)。 著者らは「EPAおよびDHAは、薬物治療抵抗性てんかん患者の発作頻度の減少に有効であることが示唆された」としている。■関連記事低用量EPA+DHA、てんかん発作を抑制治療抵抗性焦点性てんかんに対する第3世代抗てんかん薬補助療法の間接比較難治性てんかん重積状態への有用な対処法

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治療抵抗性うつ病に対する精神療法の有効性に関するメタ解析

 大うつ病に対する治療および管理は、大幅な進歩を遂げた。しかし、第1選択の抗うつ薬治療または心理社会療法で治療反応が得られる患者は、50%未満である。治療抵抗性うつ病(TRD)に対する精神療法に関する対照研究数が増加し、うつ病患者に対する精神療法が、治療選択肢として好まれている現状を考慮し、オランダ・マーストリヒト大学のSuzanne van Bronswijk氏らは、TRDに対する精神療法の有効性を調査するため、メタ解析およびメタ回帰分析を行った。Psychological Medicine誌オンライン版2018年8月24日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・合計25の比較を含む21件の研究において、7種類の精神療法に関する検討が行われていた。・精神療法と通常治療を比べた3つの比較では、通常治療(TAU)と精神療法との間に有意なベネフィットは認められなかった。・併用治療(TAU+精神療法)とTAUとを比べた22の比較では、併用治療において、エフェクトサイズ0.42(95%CI:0.29~0.54)の中程度の効果が認められた。・メタ回帰分析では、集団療法vs.個人療法と同様に、ベースライン時の重症度と治療効果に正の関連が認められた。・出版バイアスは、認められなかった。・最も調査が行われていた治療は、認知行動療法、対人関係療法、マインドフルネスに基づく認知療法、精神療法の認知行動分析システムであった。 著者らは「TRDの治療ガイドラインにおいて、通常治療に対して、薬理学的および神経刺激的治療に加えて精神療法を追加することは正当であり、治療困難なうつ病患者により良い影響を及ぼすと考えられる」としている。■関連記事SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較うつ病への薬物療法 vs.精神療法 vs.併用療法日本人治療抵抗性うつ病患者へのCBT併用試験とは:FLATT Project治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのかを検証

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