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切り傷の縫合処置(手術器具、糸、針の選択)【漫画でわかる創傷治療のコツ】第5回

第5回 切り傷の縫合処置(手術器具、糸、針の選択)《解説》お待たせしていましたが、今回は、縫合の主役である手術器具の選択について、知っておくべきポイントを説明していきます。形成外科の縫合で使われる器械は、外科系の他科よりも繊細で細かい操作が可能なものが多いです。とはいっても、人によって好みが分かれるので、一例として参考にしていただければと思います。(1)器械の選択持針器(じしんき)へガール型、マチュー型などがあります。通常、形成外科では3−0~7−0といった細手の針付き縫合糸を使用することが多く、繊細な操作がしやすいへガール型を使います。一方、これより太く、大きな針を使う縫合糸や、弾機針(針の根元が糸を通しやすい構造になっているもの)に絹糸などを掛けて使用する場合は、マチュー型を使用します。大きな針を繊細なヘガール型でつかむと器具が傷むので注意しましょう。鑷子、スキンフック形成外科では、先が細くなっている鑷子(セッシ、ピンセット)の中でも小さいものを使います。マッカンドー、アドソン、ビショップハーモンの3種類が代表的で、大きさで適切なものを選んでいきます。それぞれ、先端部に「鈎(こう)」がついている有鈎と、ついていない無鈎があります。ほかに、形成外科や皮膚科は、スキンフックもよく使います。どれを使うにせよ、組織をがっちりつかんではいけません! 皮膚の縫合、剥離に用いる鑷子は、好みにもよりますが、「有鈎」が多いです。皮膚を直接つかむのではなく、漫画の図のように皮下組織をつかみます。または、スキンフック(有鈎)の鈎を引っ掛けて使います。剪刀やメスも必要に応じて使用しますが、ここでの説明は省きます(解説は別の回で行う予定です)。そのほか、縫合セットには筋鈎やモスキート鉗子、メッツェンバウム剪刀などもあると安心です。(2)縫合糸の選択縫合糸の種類について、大きく分けると吸収糸と非吸収糸に分けられます。天然素材(わが国では絹糸のみ)か合成素材かでも分かれますが、外来で取り扱う創傷の縫合においては、ほぼ合成繊維の糸しか使いません。また、それぞれモノフィラメント(単繊維糸)とマルチフィラメント(多繊維の撚糸)があります。図1:縫合糸の種類非吸収性縫合糸:治癒後の抜糸が必要なので、表皮組織を中心に使用モノフィラメントの成分としては、ナイロン、ポリプロピレン、ポリブテステル、ポリフッ化ビニリデンなど(商品名:エチロン、ノバフィル、プロリーンなど)がありますが、ポリアミド系のナイロンは使用頻度が高く、多くの病院に置いてあると思います。マルチフィラメントの成分にはナイロンとポリエステル(同:サージロン、ベアブレードなど)があります。吸収性縫合糸:生体内で加水分解を受けて吸収されるため、主に真皮・皮下組織に使用モノフィラメントの成分としては、ポリジオキサノン、ポリグリコネート、ポリグレカプロン25など(商品名:PDSII、マクソン、モノクリルなど)、マルチフィラメントの成分は、ポリグラクチン910やラクトマー9-1など(同:バイクリル、ポリゾーブなど)が使われています。より吸収時間が短くなるように加工されている製品もあります。種類によって、強度持続時間や吸収日数が異なるので、必要に応じて選びます。たとえば、頬部の真皮縫合は6-0吸収性合成モノフィラメント糸、表皮縫合は7-0非吸収性合成モノフィラメント糸など。強度が持続するものは傷痕を小さくし、創部がきれいになるメリットがありますが、細菌感染などによる縫合糸膿瘍のリスクもあるので、メリット・デメリットのバランスを考えて選びましょう。(3)針の選択針の形状(と、使用する糸の太さ)は、図のようにパッケージに表示されています。形成外科では、皮膚表面や軟部組織を扱うことが多いです。皮膚の縫合では糸付きの角針、とくに逆三角形の3/8円の弱彎針がよく使われます。深部の縫合になると1/2円の強彎または5/8円の強強彎が便利です。裂けてしまいそうな組織、たとえば口腔内の粘膜などには丸針を使うこともあります。図2:縫合針の分類そのほか、糸を切るための糸切りばさみ(眼科用セーレ、太めの糸であればクーパー)、出血などを拭く滅菌ガーゼなども忘れずに準備しましょう。また、今回紹介した内容は、あくまでも縫合をするために必要な最低限のセットなので、デブリードマンなど追加の処置をする場合は、道具も適宜追加してください。参考1)McCarthy J.G. Introduction to plastic surgery. Plastic Surgery. Vol 1. Philadelphia:W. B. Saunders Co.;1990.p.42-53.2)小林 寛伊. 縫合材料の歴史と問題点. 医科器械学雑誌. 1975;45:627−634.3)日本医療用縫合糸協会ホームページ4)波利井 清紀ほか監修. 形成外科治療手技全書I 形成外科の基本手技1. 克誠堂出版;2016.5)菅又 章 編. PEPARS(ペパーズ)123 実践!よくわかる縫合の基本講座<増大号>. 全日本病院出版会;2017.6)上田 晃一 編. PEPARS(ペパーズ)88 コツがわかる!形成外科の基本手技―後期臨床研修医・外科系医師のために―. 全日本病院出版会;2014.

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新学期に向けてCOVID-19感染対策の提言/感染研

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のデルタ株の猛威に社会が混乱している。とくに小児などの低年齢層のCOVID-19感染者数の増加により、新学期を前に学校・塾などの教育機関は、生徒を受け入れるべきか、リモートで授業を行うべきかの判断に悩み、その扱いは全国的に感染の強弱もあり一律ではない。 こうした状況の中で国立感染症研究所は、「乳幼児から大学生までの福祉施設・教育機関(学習塾等を含む)関係者の皆様への提案」を8月26日に公開した。 提案では、教職員の感染予防法の習熟やICTの活用の推進、ワクチン接種、体調確認アプリの活用など具体的な取り組みが示されている。中学生以上では部活などで広がる可能性 はじめに代表的な所見として下記の8つを示している。・10代以下の感染者数が増加傾向にある。保育所・幼稚園において、これまで保育士・教員における感染の検出が主であったが、園児の感染例が増加している・とくに小学生を中心とする授業の場で、教職員を発端とした、比較的規模の大きなクラスターが複数発生した・小学校において、児童を端緒とした、同じクラス内などの規模の小さな感染伝播は多く見受けられたが、児童間の感染伝播が規模の大きなクラスターに至ったケースは確認できなかった・障害児通所支援事業所での感染が各地で散発しており、長期化する場合がある・学習塾における比較的規模の大きなクラスターが散見される・中学生以上では、部活動など・寮生活において、適切なマスク着用や身体的距離の確保などの感染予防策の不十分な生徒・学生間の長時間に渡る交流が、感染伝播に寄与していた。とくに部活動などにおいて、最近は大会や遠征時のクラスターが複数発生した・感染しても無症状・軽症が多く行動範囲も広い大学生は市中で感染が拡大する要因の一部を占める・とくにデルタ株流行後、小児から家庭内に広がるケースが増えている予防は、今までの感染予防策の徹底とワクチン接種の両輪で 次に共通する対策に関する提案として、具体的な事項が示されている。・初等中等段階ではやむを得ず学校に登校できない児童生徒などに対する学びの保障を確保することを主目的として、加えて高等学校・大学ではオンライン(オンデマンド)の促進により、理解をより高める側面を含めて、ICTなどを活用した授業の取組を進める・教職員(塾を含む)それぞれがCOVID-19の感染経路に基づいた適切な予防法、消毒法について習熟し、園児・児童・生徒・学生、保護者、自施設に出入りする関係者に対して正しく指導できるようにする・上記を目的とした、地域の感染管理専門家(感染管理認定看護師など)からの指導・協力を仰ぐ体制を構築する・教職員、園児・児童・生徒・学生は、全員が出勤・登園・登校前の体調の確認、体調不良時のすみやかな欠席連絡および自宅待機時の行動管理をより徹底する。中学生以下の有症時には受診を原則とする・各施設の健康管理責任者は、当該施設の教職員、園児・児童・生徒・学生がCOVID-19の検査対象になった場合の情報を迅速に把握する。対象者の検査結果判明まで、範囲を大きく、たとえばクラス全体として、園児・児童・生徒・学生・教職員などに対して感染予防に関する注意喚起を厳重に行う・対象者が陽性となった場合の施設のスクリーニング検査の実施と施設内の対策は保健所からの指示に従う。流行状況などによって、保健所による迅速な指示が困難な場合には、クラス全体など幅広な自宅待機と健康観察、有症状時の医療機関への相談を基本に対応する。体調確認アプリ(例:N-CHAT)や抗原定性検査の活用は、施設における発生時の自主的な対応として有用である・教室、通学バス(移動時全般)、職員室などにおける良好な換気の徹底に努める。施設内では、効率的な換気を行うための二酸化炭素センサーの活用も推奨される・塾では児童・生徒・学生・講師などの体調管理を徹底した上で、密にならない工夫とともに換気の徹底(とくに入れ替わり時。場合によって二酸化炭素センサーの活用)、リモート授業の活用も検討することが推奨される・人の密集が過度になるリスクが高いイベント(文化祭、学園祭、体育祭など)においては延期や中止を検討し、感染リスクの低い、あるいはリスクを低減できると考えられたイベントについては事前の対策を十分に行う・教職員は、健康上などの明確な理由がなければ、新型コロナワクチン接種を積極的に受ける・部活動については日々の体調の把握や行動管理への注意を基本とした活動を行う一方で、やむを得ず県境をまたいだ遠征が必要な場合には、2週間前から引率者、児童・生徒における上記注意事項の遵守を強化し、出発前3日以内(できるだけ出発当日)を目途に、抗原定量検査あるいはPCR検査を受ける・大会遠征時には教職員を含む引率者や児童・生徒ともに、競技外での他校との交流は部活動の範囲に留める・これまで以上に保健所との連携(報告や相談)を強化する。保健所が多忙を極める場合、とくに発生時の対応については、当センター(感染研)は保健所と連携を取りながら施設へ助言を行うことも可能である

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子供たちはどこで感染しているのか/厚労省アドバイザリーボード

 全国的に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のデルタ株による感染者数が増加している。デルタ株の特徴は、広範かつ強力な感染力であり、陽性者も従来の高齢者や基礎疾患のある者から若年・中年層へと変化している。こうした社会環境の中で、新学期を控え、子供たちをこのまま就学をさせてよいかどうか、社会が揺れている。 8月25日に開催された厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第49回)の資料で、「3~18歳の新型コロナウイルスの感染場所等」が示された。自宅と学校とではどちらで感染数が多いか 調査はHER-SYSデータを用いて、年齢階級別(3~5歳、6~12歳、13~15歳、16~18歳)の感染場所について、それぞれの割合を算出した。なお、感染場所の入力率が非常に少ないという点に留意が必要(期間は2021年4月1日~2021年7月22日)。また、COVID-19陽性者のうち、17.8%が感染場所抽出可能であり、そのデータを利用した。 調査の結果、下記の事項が判明した。・3~15歳は自宅での感染が多かった。・児童・生徒については、年齢が上がるほど学校などでの感染が多くなっていた。・4月~7月にかけて直近になるほど、児童・生徒の学校などでの感染の割合は低くなっており、自宅での感染の割合が高くなっていた。・幼児(3~5歳)の感染場所は、自宅が最も多く、続いて福祉施設(児童)・学校などでの感染が多かった。 年齢階級別による感染の多い場所は下記の通り(上位2つ)。・3~5歳:自宅(59.8%)、福祉施設[児童](19.8%)・6~12歳:自宅(76.6%)、学校など(14.6%)・13~15歳:自宅(60%)、学校など(33%)・16~18歳:学校など(45.7%)、自宅(39.4%) 以上より、3~15歳は自宅での感染が多かったが、児童・生徒は年齢が上がるほど学校などでの感染が多かった。

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家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)〔FH:familial hypercholesterolaemia〕

1 疾患概要■ 定義家族性高コレステロール血症(Familial Hypercholesterolemia:FH)は、low-density lipoprotein(LDL)受容体経路に関わる遺伝子変異のために、LDL代謝に遅延を来し、高LDL-C血症による動脈硬化が若年齢より進行する遺伝病である。FHは、高low density lipoprotein (LDL)コレステロール血症、皮膚および腱黄色腫、若年性動脈硬化症による冠動脈疾患を三主徴とし、LDL受容体経路に関わる遺伝子の1つのアレルに病的変異を持つものをFHヘテロ接合体、2つのアレルに病的変異を持つものを、FHホモ接合体という1)。■ 疫学FHホモ接合体患者は以前には100万人に1人の頻度とされていたが、現在は30万人に1人以上の頻度であると推定されている。FHホモ接合体は、指定難病とされ、令和元年の受給者証所持者数は320人である。■ 病因FHは、LDL受容体経路に関わる遺伝子の変異、すなわち、LDL受容体の病的遺伝子変異、あるいはPCSK9の機能獲得型変異、アポリポタンパクBの病的遺伝子変異により、LDL受容体蛋白が欠損しあるいはその機能が大きく障害されて、高LDL-C血症が引き起こされる先天的疾患である。通常は血漿LDLの約70%が肝臓で代謝される。FHホモ接合体患者では約10%に低下しており、低下の程度に反比例して血漿LDL濃度は上昇し、血管壁へのコレステロールの沈着のリスクが高まる。■ 症状身体所見としては、皮膚や腱にLDL由来のコレステロールが沈着し、皮膚黄色腫、腱黄色腫と呼ばれる。黄色腫の頻度は、LDL-C値の上昇の度合いと期間の長さに比例する。黄色腫は、皮膚では肘関節、膝関節の伸側、手首、臀部など、機械的刺激が加わる部位に多く発生する(図1)。腱黄色腫はアキレス腱のものが一番良く知られており、診断に用いられるが、手背伸筋腱にも発生する。図1 HoFH患者の皮膚黄色腫所見画像を拡大する■ 分類LDL受容体経路に関わる遺伝子の変異による遺伝病であり、原因遺伝子としてはLDL受容体の病的変異が1番多いが、PCSK9機能獲得型変異、アポリポタンパクBの病的変異も報告されている。同一の遺伝子の同じ変異が2つ存在する真性ホモ接合体、同じ遺伝子に異なった変異を認める複合ヘテロ接合体、別の遺伝子に変異を認めるダブルヘテロ接合体もFHホモ接合体と考えられている(図2)。図2  FHホモ接合体の遺伝子変異の組み合わせ■ 予後FHホモ接合体の動脈硬化症としては、大動脈弁上狭窄、弁狭窄、冠動脈狭窄が乳幼児期に出現し、進行する。未治療では30歳までに狭心症、心筋梗塞、突然死を引き起こすことが知られている。胸部大動脈、腹部大動脈や肺動脈にも強い動脈硬化を引き起こす。そのため、冠動脈狭窄に対するPCI、CABG、大動脈弁上狭窄・弁狭窄に対する大動脈弁置換術が必要になる例も多い。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)血清LDL-C値は370~1,000mg/dLである。FHの血清中に増加しているコレステロールは主にLDLであり、IIa型の高脂血症病型を示す例が多い。身体症状としては、皮膚黄色腫の存在、家族歴として両親がFHヘテロ接合体であることなどが、診断上の根拠となる。線維芽細胞やリンパ球におけるLDL受容体活性の低下(正常の20%以下)、LDL受容体遺伝子変異により診断を下すことも可能であるが、正確な診断をするには、遺伝子解析を行うことが重要である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)FHホモ接合体の治療の基本は、冠動脈疾患など若年齢から起きる動脈硬化症の発症および進展の予防であり、早期診断と適切な治療が最も重要である。FHホモ接合体のLDL-C値の治療目標値は、一次予防で100mg/dL、二次予防で70mg/dLである。これらの目標値に向けて、多くの薬剤やLDLアフェレシス治療を組み合わせ、LDL-C値をできる限り低下させることが重要である。また、動脈硬化の危険因子である、糖尿病、高血圧、高トリグリセリド血症などは、厳格にコントロールする。FHホモ接合体は、薬剤に対する反応性が悪いことが多いが、まずはスタチンを開始、増量、さらにエゼチミブを加えてその反応性を観察する。さらにPCSK9阻害薬エボロクマブ(商品名:レパーサ)140mgを2週間に1回皮下注射で行う。FHホモ接合体の中でもLDL受容体活性がまったくないタイプ(negative type)では効果を認めないが、活性がわずかに残っているタイプ(defective type)であればある程度の効果が期待できる3)。効果が十分でない場合には、エボロクマブ420mgのオートミニドーザーを用いて2週間に1回皮下注射で行う。これらの薬剤の効果が十分でない場合、MTP阻害薬ロミタピド(同:ジャクスタピッド)が適応になる。MTP阻害薬は、開始前に脂肪摂取制限の栄養指導を行い、5mgから徐々に増量する。LDL-Cの低下効果とともに、下痢や肝機能障害などの副作用をチェックしながら、至適用量を決定する。さらに、LDL-C値のコントロールを行うためには、1~2週間に1回のLDL-アフェレシス治療が必要な場合も多い。FHホモ接合体に対する薬物療法は、LDLアフェレシス開始前の乳幼児に対して行い、LDLアフェレシス開始後の患者に対しては、治療施行にて低下したLDLの再上昇を抑制する補助的な目的で行う。4 今後の展望1)Angiopoietin-Like Protein 3(ANGPTL3)抗体医薬(evinacumab)ANGPTL3は、機能低下型変異により、低LDL-C、低TG、低HDL-C血症を示し、冠動脈疾患リスクも低いことが知られていた。ANGPTL3抗体医薬が、FHホモ接合体に効果があることが示され、全世界で治験が進行中である4)。2)PCSK9 siRNA(inclisiran)siRNAを用いてPCSK9の産生を抑制する薬剤の開発が行われている5)。1回の注射で6ヵ月間、LDL-C値の低下を認める薬剤であり、すでに欧州で承認されており、わが国では治験が進行中である。5 主たる診療科小児科、代謝内科、循環器内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「原発性脂質異常症に関する調査研究班」(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)原発性脂質異常症の予後調査(PROLIPID)(医療従事者向けのまとまった情報)難病情報センター 家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本動脈硬化学会 家族性高コレステロール血症について(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本動脈硬化学会 家族性高コレステロール血症紹介可能施設(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報難治性家族性高コレステロール血症患者会(患者とその家族および支援者の会)1)Defesche JC,et al. Nat Rev Dis Primers. 2017;3:17093.2)Nohara A, et al. J Atherosclr Thromb. 2021;28:665-678.3)Raal FJ, et al. Lancet Diabetes Endocrinol. 2017;5:280-290.4)Dewey FE, et a. N Engl J Med. 2017;377:211-221.5)Ray KK, et al. N Engl J Med. 2017;376:1430-1440.公開履歴初回2021年8月30日

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先生!その縫合の目的は何ですか?~縫合の歴史と目的~【漫画でわかる創傷治療のコツ】第4回

第4回 先生!その縫合の目的は何ですか?~縫合の歴史と目的~《解説》さて、前回から切り傷の縫合処置について解説していますが、まずは準備段階として、創部確認~局所麻酔~消毒を中心にお話ししました。今回は、実際の縫合処置に入る前のアイスブレイクとして、縫合処置の歴史と目的を確認しておきましょう。そもそも、縫合は何のために行われるのでしょうか? 創面積の縮小が1つの目的ではありますが、組織の欠損が大きくなければ、縫合しなくても適切な軟膏処置などで傷自体は治ります。縫合するということは、組織の一部が血行不良となるので、誤った処置はむしろ創縁の壊死や創離開の原因となり、治癒が遅くなることさえあるのです。では、わざわざ異物である縫合糸を使って縫合する理由は何でしょうか。縫合は、大きく分けると、皮膚表面を縫う縫合と皮下(真皮も含む)を縫う縫合の2つがあります。これらの縫合によって、創傷の一次治癒を達成できるだけでなく、最小の瘢痕形成にとどめられるという利点があります。切り傷によって、本来の生体構造にはない空間(死腔)ができると、そこに浸出液や壊死組織がたまって感染源になってしまいます。感染すると傷の治りが遅れ、一次治癒が阻害されて傷痕が残ります。つまり、適切な縫合処置をすることで、傷の治りが良く(早く)なるだけでなく、傷自体も小さくすることができるのです!次回は、実際の縫合処置を行うために用意する道具(器械、糸、針)について説明します!参考1)McCarthy J.G. Introduction to plastic surgery. Plastic Surgery. Vol 1. Philadelphia: W. B. Saunders Co.;1990.p.42-53.2)小林寛伊. 縫合材料の歴史と問題点. 医科器械学雑誌. 1975;45:627−634.3)日本医療用縫合糸協会ホームページ

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カレには言えない私のケイカク【結婚をすっ飛ばして子どもが欲しい!?そのメリットとリスクは?(生殖戦略)】Part 1

今回のキーワード選択的シングルマザー精子バンク社会的不妊毒親ピアサポート生殖心理女系社会「社会間競争」最近、結婚しないで子どもを生む有名人がたびたび話題になっていますね。そんな彼女たちは、選択的シングルマザーと呼ばれています。これは、離婚後や未婚で仕方なくシングルマザーになるのではなく、結婚しないことを最初から自ら選んで子どもを持つ女性を意味します。とくに、海外の先進国では、彼女たちがどんどん増えています。結婚しないで子どもを持つメリットは何でしょうか? 逆に、そのリスクは何でしょうか? 選択的シングルマザーは日本でも増えていくのでしょうか? 少子化への1つの解決策にはならないでしょうか?これらの答えを探るために、今回は、ラブコメディの映画「カレには言えない私のケイカク」を取り上げます。この映画を通して、これからの生殖のあり方、そして生殖の未来を、生殖戦略という視点で一緒に考えてみましょう。結婚しないで子どもを持つメリットは?主人公はゾーイ。ニューヨークでペットショップを経営する独身女性。彼女は、ずっと理想の男性を追い求めてデートを繰り返してきました。そして、その愛の結晶である子どもを待ち望んでいました。しかし、そんな男性はいつまで経っても現れません。彼女は「いろんな可能性を考えて、最も合理的な結論に至った」と言います。まず、男友達に「(セックスしないで)ただ精子だけちょうだい」と迫ります。しかし、理解されません。そして、産婦人科病院へ行き、精子バンクから提供された精子によって、人工授精に挑むのです。それでは、まず、結婚しないで子どもを持つメリットを大きく3つ挙げてみましょう。(1)結婚というハードルがなくなる産婦人科病院からの帰り道、ゾーイはスタンに出会います。その後、彼の猛烈なアプローチによって、彼女は彼を好きになってしまいます。同時に、人工受精での妊娠が判明してしまい、どうすれば良いかと思い悩むのでした。そして、とうとう彼女は、彼に「(精子バンクから提供された精子で)妊娠してるの」「子どもが欲しかったの。タイムリミットになるのが怖かったの」と打ち明けます。1つ目のメリットは、結婚というハードルがなくなることです。つまり、時間切れにならずに、産みたいときに産めるようになります。結婚しないということは、結婚するための時間と労力(コスト)がかからなくなるということです。もちろん、多くの人は結婚相手に巡り会いたいと思っているでしょう。しかし、そうならない現実もあります。すると、子どもを産みたくても産めなくなります。これは、子どもを身体的に産めない身体的不妊に対して、社会的に産めないという点で社会的不妊と呼ばれています。また、最初から結婚を望まない人もいます。セックスを望まない人もいます。同性愛の人もいます。それでも、子どもが欲しい女性のために、精子バンクがあるのです。なお、現時点で、日本では精子の提供や売買を規制する法律はありません。一方で、日本の精子バンクは、日本産婦人科学会が登録する施設にありますが、その対象は不妊の夫婦に限定されています。よって、独身女性が精子の提供を受けるには、海外の精子バンクから購入する、知人の男性から譲り受ける、SNSを介したボランティアから譲り受けるなどの方法があります。ただし、知人男性から譲り受ける場合、父親を認知しないこと、養育費(養育義務)を請求しないこと、そして子育てへの介入(養育権)を受け付けないことを明確にする必要があります。また、ボランティアから譲り受ける場合、遺伝負因や性感染症などの安全面が不透明であるという問題があります。(2)結婚生活を維持する負担がなくなるゾーイは、友達から「あなたのことを30年知ってるけど、あなたは人を信用しないよね。精子ドナーは完璧な相手ね。だって絶対に裏切らないから」と指摘されます。2つ目のメリットは、結婚生活を維持する負担がなくなることです。実際に、共同生活をすれば、それぞれの生活の仕方の違いから、夫婦げんかに発展することは多々あります。そうならないように、日々話し合いをする必要があります。しかし、共同生活をしないということは、その時間と労力(コスト)がかからなくなるということです。もちろん、最初から結婚していないので、離婚の心配もありません。親権で争う必要もありません。養育費の交渉をする必要もありません。なぜなら、最初から当てにしていないからです。(3)自分の思い通りの子育てができるゾーイは、産婦人科医からシングルママの会という自助グループを紹介され、参加します。そこで、シングルマザーたちに「私たちは、シングルであり、ママであることにプライドがあるの。養子縁組でも、人工授精でも同じよ。子どもを望み、自力で実現したっていう点でね」と説かれます。3つ目のメリットは、自分の思い通りの子育てができることです。これは、夫がいなくて、「自力」で人生設計をして初めて可能になります。この心理は、実際に、「男性は中途半端に育児に関わってほしくない」という選択的シングルマザーの発言から、うかがい知ることができます。そもそも、先ほどにも触れた夫婦げんかの原因で多いのが、子育てへの価値観の違いであるという現実もあります。次のページへ >>

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カレには言えない私のケイカク【結婚をすっ飛ばして子どもが欲しい!?そのメリットとリスクは?(生殖戦略)】Part 2

結婚しないで子どもを持つリスクは?結婚しないで子どもを持つメリットは、結婚というハードルがなくなる、結婚生活を維持する負担がなくなる、自分の思い通りの子育てができるということであることが分かりました。それでは、そのリスクは何でしょう? 大きく3つ挙げてみましょう。(1)子育てへのサポートが脆弱になるゾーイとスタンは、すったもんだの末、一緒に暮らすようになります。そして、スタンは、精子バンクによって生まれてきた双子の育児を献身的にするのです。もしも、スタンがいなかったら、ゾーイはいきなり自分だけで双子の育児をすることができるでしょうか?1つ目のリスクは、子育てへのサポートが脆弱になることです。これは、身体的にだけでなく、経済的に、そして心理的にもです。もしも、タイミング悪く、自分が病気を患ったらどうしましょうか? 仕事の収入が不安定になったら、どうしましょうか? そして、子どもに障害が見つかったら、どうしましょうか? これらの起こりうる事態をあらかじめシミュレーションする必要があります。(2)子どもを私物化してしまう産婦人科病院で、ゾーイは、産婦人科医から「あなたとCRM-1014(精子が入った容器に記載された登録番号)の間には素敵な赤ちゃんができますよ」と励まされます。この産婦人科医は、まったく悪気はないのでしょうが、私たちには命がモノ扱いにされているように感じてしまいます。この映画では描かれていませんでしたが、その後に妊娠したゾーイは、スタンとの恋愛を最優先して、黙って中絶する選択肢だってありえるわけです。2つ目のリスクは、子どもを私物化してしまうことです。実際に、精子バンクのホームページでは、精子ドナーの身長、体重、血液型、人種、肌や目の色、髪の色や髪質、IQ、学歴、職業などがすべてカタログ化され、値段が付いています。あたかも商品のようです。これは、生まれる前だけでなく、生まれた後もです。たとえば、子どもに障害が見つかったら、どうなるでしょうか? 実際に、海外では、ある同じドナー精子によって生まれた子どもたち(ドナー兄弟)が、高い確率で自閉症を発症していたため、精子バンクが訴訟を起こされたというケースもあります。これは、「注文したのと違う」「不良品だ」「返品したい」という発想になってしまう危うさがあります。そして、これは、虐待のリスクでもあります。また、自分だけが子育てを独り占めできるということは、その子育てが独りよがりになる危うさがあります。子育てについて夫婦で話し合いをしなくて済むメリットの裏返しのリスクです。これは、毒親になるリスクでもあります。なお、毒親の心理の詳細については、関連記事1をご覧ください。(3)子どものアイデンティティが揺らぐスタンは、生まれてきた双子の育ての父親になりました。この双子は、スタンを実の父親と思うでしょう。しかし、テリング(真実告知)をすれば、どうなるでしょうか? 彼らは、思春期になったら、生みの父親を知りたくなります。そして、分からない場合は、どうなるでしょうか?3つ目は、子どものアイデンティティが揺らぐことです。思春期になると、より抽象的な思考ができるようになります。そして、自分のルーツや自分らしさなど、自分探しをするようになります。アイデンティティの確立です。この時、精子バンクによって生まれた子どもは、「お金で買ったモノから生まれた」というレッテルを払いぬぐうために、精子ドナー探しをするようになります。実際に、精子ドナーの身元を明らかにすることは、子どもの人権(出自を知る権利)として、すでにいくつかの先進国では制度化しており、日本でも制度化しようとする動きがあります。さらに、その子どもが生みの父親を知り、その認知を求めることは現実的にありえます。これは、精子ドナーの死後に、遺産相続のトラブルを引き起こす可能性があるということです。これを回避するためには、精子ドナーを独身主義(非婚)の人に限定する必要があるでしょう。選択的シングルマザーがうまく行くにはどうすればいいの?結婚しないで子ども持つリスクは、子育てへのサポートが脆弱になる、子どもを私物化してしまう、子どものアイデンティティが揺らぐことであることが分かりました。それでは、これらのリスクを踏まえて、選択的シングルマザーがうまく行くにはどうすれば良いでしょうか? 主に3つのサポートが挙げられます。(1)実父母からのサポート1つ目は、実父母からのサポートです。たとえば、近くに住むか同居して、定期的にも臨時的にも子育ての身体的な負担を肩代わりしてもらうことを確約することです。いざというときは、経済的なサポートをしてもらうことです。もともと、日本では里帰り出産や離婚後に出戻りをする文化があるので、実父母からの抵抗は少ないでしょう。これは、子育てのサポートが脆弱になるリスクを減らします。また、結果的に、実父母が子育てに介入することになるので、子どもを私物化してしまうリスクを減らすこともできるでしょう。(2)ピアサポートゾーイが参加したシングルママの会では、自助グループとして、シングルマザーたちだけが、励まし合ったり、時には出産に立ち会うなど、お互いに助け合っています。2つ目は、仲間からのサポート、つまりピアサポートのことです。これは、自分に仲間ができることで、心理的な安心感が得られることです。心理的な面での子育てのサポートが脆弱になるリスクを減らします。海外ではすでに大きな団体がありますが、日本では小規模な交流会などがあるようです。(3)ソーシャルサポート3つ目は、社会制度としてのサポート、つまりソーシャルサポートです。残念ながら、現時点では、海外の先進国に比べて、日本の子育て支援は極めて限られています。とくに、シングルマザーの貧困は社会問題になっています。これが、少子化対策として、海外から遅れを取っている原因であると指摘されています。少子化対策のためにも、子育て支援を拡充することが望まれます。たとえば、妊娠・出産、保育、義務教育、医療など、成人までかかる子育ての費用をほぼ無償にすることです。そして、児童手当は、家計が潤うくらいのインセンティブをつけることです。子育ても1つの労働と考えれば、当然のことと言えます。これは、結果的に、選択的シングルマザーの子育てへのサポートが脆弱になるリスクも減らすでしょう。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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カレには言えない私のケイカク【結婚をすっ飛ばして子どもが欲しい!?そのメリットとリスクは?(生殖戦略)】Part 3

選択的シングルマザーは日本でも増えていくの!?選択的シングルマザーがうまく行くための対策として、実父母からのサポート、ピアサポート、そしてソーシャルサポートがあることが分かりました。それでは、選択的シングルマザーは、海外の先進国と同じように日本でも増えていくでしょうか?その可能性は高いと思われます。それどころか、子育て支援などの大胆な政策によっては少子化対策へのウルトラCの解決策になる可能性も秘めています。そもそも少子化対策がうまくいっている先進国の多くは、子育て支援が手厚く、婚外子が多い国でもあります。これは、時代の流れ、もっと言えば、進化の流れとも言えそうです。それでは、ここから、その理由を、子育ての起源を踏まえて、進化心理学的に3つの段階に分けて、解き明かしてみましょう。(1)母親が子育てをする10数億年前に太古の原始生物が誕生してから、自分の遺伝子を残すように行動する種が進化の歴史の中で現在までに生き残りました。逆に言えば、遺伝子を残すように行動しない種は、その遺伝子が残らないわけなので、そもそも現在に存在しないです。この生殖は、食べることや安全を守るなどの生存と並ぶ動物の根源的な行動です。約2億年前に哺乳類が誕生してから、その母親は子どもに自分の乳を与えて育てるというメカニズム(哺乳)を進化させました。1つ目の段階は、母親が子育てをすることです。ちなみに、それを動機付けるのが、生殖心理です。この詳細については、関連記事2をご覧ください。(2)子育てのために結婚する700万年前に人類が誕生し、二足歩行によって手の自由ができたことで、獲った食料を余分に持ち帰ることができるようになりました。そして、男性はその食料を女性にプレゼントして、そのお返しとして、女性がその男性とセックスして、生まれた子どもを育てるように進化しました(性別役割分業)。300万年前に人類が森から草原に出て行ってから、頭が徐々に大きくなっていったことに伴い、生まれるときに母親の産道を通るために、未熟児で生まれるように進化しました(生理的早産)。すると、生まれた赤ちゃんは草原で一定期間寝たきりになります。しかし、動物の生存競争のなかで、獲物として狙われるのは一番小さくて弱い個体、つまり赤ちゃんや子どもです。自然界の頂点にいるライオンでさえ、その子どもは母親が目を離したすきにハイエナなどのほかの動物にあっさり捕食されます。言うまでもなく、人類の赤ちゃんもです。それを防ぐために、父親が、母親と一緒に生活して、子どもを協力して守るようになりました。これが、結婚(一夫一妻型の生殖)の起源であり、家族の起源です。その後、血縁で集まって部族をつくり、より協力行動を進化させていきました。これが、社会(社会脳)の起源です。2つ目の段階は、子育てのために結婚することです。一方、人間に近い種であるチンパンジーやゴリラは違いました。チンパンジーの生態環境は、エサが密集した森の中です。オスとメスが出会いやすく、不特定のオスと不特定のメスが生殖を行う乱婚(多夫多妻型の生殖)になりました。ゴリラの生態環境は、エサが少なく散在した森の中です。オスとメスが出会いにくく、特定の1頭のオスと特定の複数のメスが集まるハーレム(一夫多妻型の生殖)をつくるようになりました。どちらにしても、その子どもたちは森の中で守られていたので、人類ほど夫婦として、そして集団として協力行動が進化しなかったと考えられます。(3)結婚しなくても子育てできる20世紀後半の情報革命から、男女平等(男女共同参画)が高まり、とくに先進国で経済的に自立する女性が増えていきました。そんな女性は、男性の経済的サポートを必要としなくなります。3つ目の段階は、結婚しなくても子育てができることです。もともと私たちには、結婚(協力の約束)をしたから子どもをつくるという考え方が文化的に根付いています。しかし、進化心理学的に考えると、逆です。子どもをつくったから結婚する(子どもを守るために協力する)のです。現代の社会では、結婚という形式に目が行き過ぎて、協力して子育てをするという中身に目が行かなくなっています。言い換えれば、結婚は、そもそも夫婦が協力して子育てをするための手段であり、目的そのものではありません。よって、必ずしも協力する必要がなくなった現代の社会構造では、もはや結婚の意味は薄れていくでしょう。ましてや、結婚していてもしてしなくても、ソーシャルサポートとして子育て支援が充分に得られれば、なおさらです。また、とくに実母(祖母)がその娘の子育てのサポート(孫育て)をするのは、もともと包括的な生殖適応度を上げるように進化した結果と考えられています(おばあさん仮説)。よって、選択的シングルマザーが実母、本人、子どもの3世代による女系家族をつくることは、持続可能な新しい家族の形になるでしょう。これは、カップル文化が強い欧米と比べて、親子文化の強い東アジアでは、とくにです。未来の生殖戦略は?人類の生殖の進化の歴史から、選択的シングルマザーが、これからの社会構造(生態環境)で適応的であることが分かりました。非婚(生涯未婚)が増えている日本では、とくにです。さらに長期的には、選択的シングルマザーは、未来の生殖として多数派になる可能性も秘めています。ただし、これは同時に、人類から父親がいなくなっていき、女系社会になっていくことを意味します。現在の価値観では受け入れにくいかもしれませんが、未来では当たり前になっているかもしれません。そもそも、自然界では、人類のような一夫一妻型の生殖のほうが珍しいので、その可能性は否定できません。ここから、精子バンクの登場を踏まえて、人類の生殖戦略の未来を、チンパンジーやゴリラと比べて、精子レベルで掘り下げてみましょう。(1)チンパンジー-精子間競争チンパンジーの生殖戦略は、乱婚(多夫多妻型)です。よって、生殖適応度が高いのは、より数が多くてより動きが速い精子をつくる妊孕性の高い個体になります。これは、精子間競争です。そのため、精子をよりつくり出すため、チンパンジーの睾丸はかなり大きいです。(2)ゴリラ-個体間競争ゴリラの生殖戦略は、ハーレム形成(一夫多妻型)です。よって、生殖適応度が高いのは、オス同士のケンカで勝つために、より気性が荒くてより大きい体格の個体になります。これは、個体間競争です。そのため、ゴリラのオスとメスの体格差はかなり大きいです。一方で、精子間競争がないので、睾丸はかなり小さいです。ちなみに、チンパンジーは、個体間競争がないため、オスとメスの体格差はほとんどありません。(3)人類-「社会間競争」人類の生殖戦略は、結婚(一夫一妻型)です。よって、生殖適応度が高いのは、男性と女性が協力行動を維持する個体になります。さらに言えば、時として不倫という裏切り行動もすることです。つまり、人類の生殖は、チンパンジーほど相手を特定していないわけではなく、ゴリラほど相手を特定しているわけでもないです。そのため、人間の男女の体格差にしても、睾丸の大きさにしても、ゴリラとチンパンジーの中間になっています。なお、不倫の心理の詳細については、関連記事3をご覧ください人類の生殖において、その結婚相手は、本人の意思以上に、親や親族などの部族集団(社会)の評価によって、ある程度決められてきました。これは、「社会間競争」と言えるでしょう。現代は、本人の意思が尊重されています。しかし、その判断基準はどうでしょうか? 結局、社会で望ましいとされるスペック(要素)が内面化されています。たとえば、男性なら、高身長、高収入です。女性なら、美しさと若さです。ひと言で言えば、「周りに見せて恥ずかしくない」「ちゃんとした」相手です。とくに、世間体を気にする集団主義の根強い日本では、なおさらです。これまで、これらの男性と女性の望みがお互いに叶わなければ、生殖は成り立ちませんでした。ところが、精子バンクの登場によって、女性にとっては、その望みをお金で解決できる時代が来ています。たとえば、金髪、青い目、高身長、高IQ、大学院卒、医師、スーパーモデルなど、精子ドナーのランキングで人気の「アイテム」を課金によって手に入れることができます。これからの人類の生殖戦略は、より望ましい精子ドナーが選ばれる点で、ゴリラ的でしょう。精子レベルのハーレムです。選ばれない精子(男性)は、ハーレムに君臨できなかった多数のオスゴリラです。一方、第一子と第二子の精子ドナーは必ずしも同じく選ばれない点で、その生殖戦略はチンパンジー的でもあるでしょう。精子レベルの乱婚です。さらに、精子ドナーのランキングを、国家が操作したらどうなるでしょうか? 一部の独裁国家などが、国家に従順で優秀な精子ドナーを選抜したり、逆に国家に反逆的な家族や親族がいる精子ドナーを排除することも可能になるわけです。これは、新たな優生思想が強まる可能性もあります。「私のケイカク」とは?この映画「カレには言えない私のケイカク」のもともとのタイトルは「バックアッププラン」です。さらに当初は「プランB」というタイトルで公開が予定されていました。つまり、ゾーイにとってのプランAは理想の男性と結婚して子どもをつくること、そしてプランBは精子バンクを利用して子どもをつくることでした。さらに、その先も想像できます。加齢により身体的不妊になった場合のプランCとして、自分の凍結卵子と精子バンクによる提供精子で体外受精をすることです。そして、凍結卵子のストックがなくなった場合のプランDとして、自分の男兄弟による提供精子と卵子バンクによる提供卵子を使って体外受精をすることです。男兄弟を精子ドナーとするのは、甥っ子(姪っ子)を産むという認識が得られ、血のつながりを意識できるからです。なお、厳密には、ゾーイには男兄弟がいないキャラクターとして設定されています。最後に、出産できなくなった場合のプランEとして、代理出産が考えられます。しかし、現在、代理出産は、人権問題から各国が次々と禁止しているため、現実的ではないでしょう。このように、壮大な生殖戦略が、ゾーイの「私のケイカク」として考えられるわけです。少なくとも、精子バンクの利用は、卵子バンクや体外受精と違って、その手軽さから、良いか悪いかは別にして、規制がしにくい現実があります。かつてある政治家が「女性は子どもを産む機械だ」と発言して厳しく批判されました。精子バンクの発展によって、未来では逆に「男性は種をつくる植物だ」と発想されてしまう危うさもあるでしょう。そんな偏った社会にならないためにも、私たちは、ゾーイとスタンのようにお互いを思いやれる、そして協力し合える社会を築いていくことがますます重要であると言えるのではないでしょうか? そして、そのためにも、私たちは、もっと生殖について話題にして、多くの議論をしていくことが必要なのではないでしょうか? この記事がその判断材料の1つになれば、幸いです。1)生殖医療はヒトを幸せにするのか:小林亜津子、光文社新書、20142)ルポ生殖ビジネス:日比野由利、朝日新聞出版、20153)「選択的シングルマザー」とは?未婚のまま出産を選ぶ女性の生き方:志水なほみ、All About 20th暮らし、2020<< 前のページへ■関連記事八日目の蝉【なぜ人を好きになれないの?毒親だったから!?どうすれば良いの?(好きの心理)】コウノドリ(その2)【なんで子どもがほしいの? 逆になんでほしくないの?(生殖心理)】昼顔【不倫はなぜ「ある」の?どうすれば?】Part 2

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「えっ!こんなに高く売れるの!?」、専任契約前の「見せ値」に注意【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第24回

第24回 「えっ!こんなに高く売れるの!?」、専任契約前の「見せ値」に注意漫画・イラスト:かたぎりもとこ医業承継案件を仲介する仕事は、不動産の仲介と似ている部分があります。それは、まず売り手から「専任契約」を獲得するための営業に注力する、という点においてです。専任契約は、医業承継の仲介業者を1社に絞って買い手探しを行うことです。仲介業者にとってはこの専任契約によって他社に先を越される可能性がなくなり、営業的に大きなメリットがあります。一方、売り手から見ると、この専任契約にはメリットとデメリットの双方があります。【メリット】専任契約を結んだ仲介業者が自院の案件に注力する。他社に成約される可能性がなくなって成約率が上がるため、非専任契約の案件よりも優先して取り組む。【デメリット】専任契約中は他社に依頼ができない。専任契約をした仲介業者の力量が低い場合には、承継が失敗に終わるリスクがある。そして、この専任契約を締結するために、多くの仲介業者が行っているのが「最初に設定する売却額を高くする」という手法です。売り手は「そんなに高い値段で売ってくれるのか!」と期待するあまり、仲介業者を選択する際のほかの重要な比較軸を忘れてしまうのです。こうした点も不動産の売買と似ているのではないでしょうか。こうしたいわゆる「見せ値」で専任契約を獲得した仲介業者は、その後に「もう少し売却額を下げましょう」と提案をします。もちろん、相場並みの売却額に設定していたものの相手が見つからないので売却額を下げる、という提案は仲介業者の通常業務の範囲であり、問題はありません。注意すべきは、契約前にあり得ないような高額な売却額を設定しておいて、専任契約を結んだ後から大きく下げる、という悪質なケースです。売り手の方には、ぜひとも「売却額以外」の仲介業者を選ぶ基準を知っていただきたいと思います。私たちは、医業承継の仲介において、最も重要な点は「成約率」だと考えています。適切な価格を提示し、適切な買い手を紹介するからこそ、成約率が向上するのです。専任契約を持ち掛けられた際は、ぜひこうした多角的な視点をもって、業者を比較検討してください。

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モデルナ製ワクチン、12~17歳に対する安全性と有効性を確認/NEJM

 mRNA-1273ワクチン(Moderna製)は、12~17歳の若年者において良好な安全性プロファイルと、若年成人(18~25歳)と同等の免疫反応を示し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防に有効であることが認められた。米国・DM Clinical ResearchのKashif Ali氏らが、mRNA-1273ワクチンの第II/III相プラセボ対照比較試験「Teen COVE試験(Teen Coronavirus Efficacy trial)」の中間解析結果を報告した。2021年4月1日~6月11日における米国12~17歳のCOVID-19発生率は、約900/10万人とされるが、若年者におけるmRNA-1273ワクチンの安全性、免疫原性および有効性は不明であった。NEJM誌オンライン版2021年8月11日号掲載の報告。12~17歳3,732例を対象に、プラセボと比較 研究グループは、健康な12~17歳の若年者3,732例を、mRNA-1273ワクチン群(2,489例)またはプラセボ(生理食塩水)群(1,243例)に2対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ1回100μgを28日間隔で2回接種した。 主要評価項目は、mRNA-1273の安全性ならびに、免疫反応の非劣性(18~25歳の若年成人を対象とした第III相試験との比較)。副次評価項目は、COVID-19発症予防または、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の無症候性感染に対する有効性などとした。安全性は良好、免疫原性は若年成人に対して非劣性 1回目および2回目接種後に高頻度にみられた非自発的な報告による副反応は、mRNA-1273群が注射部位痛(それぞれ93.1%、92.4%)、頭痛(44.6%、70.2%)、疲労(47.9%、67.8%)、プラセボ群が同様に注射部位痛(それぞれ34.8%、30.3%)、頭痛(38.5%、30.2%)、疲労(36.6%、28.9%)であった。mRNA-1273またはプラセボに関連した重篤な有害事象の報告はなかった。 若年成人に対する若年者のSARS-CoV-2疑似ウイルス中和抗体価の幾何平均抗体価比は、1.08(95%信頼区間[CI]:0.94~1.24)、血清反応の絶対差は0.2ポイント(95%CI:-1.8~2.4)であり、非劣性基準を満たした。 2回目接種の14日後におけるCOVID-19発症例は、mRNA-1273群では報告されなかったが、プラセボ群では4例確認された。

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「セレニカR」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第65回

第65回 「セレニカR」の名称の由来は?販売名セレニカR顆粒40%セレニカR錠200mgセレニカR錠400mg一般名(和名[命名法])バルプロ酸ナトリウム(JAN)効能又は効果○各種てんかん(小発作・焦点発作・精神運動発作ならびに混合発作)およびてんかんに伴う性格行動障害(不機嫌・易怒性等)の治療。○躁病および躁うつ病の躁状態の治療。○片頭痛発作の発症抑制。用法及び用量〈各種てんかん(小発作・焦点発作・精神運動発作ならびに混合発作)およびてんかんに伴う性格行動障害(不機嫌・易怒性等)の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉通常、バルプロ酸ナトリウムとして400~1200mgを1日1回経口投与する。ただし、年齢、症状に応じ適宜増減する。〈片頭痛発作の発症抑制〉通常、バルプロ酸ナトリウムとして400~800mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減するが、1日量として1000mgを超えないこと。警告内容とその理由設定されていない禁忌内容とその理由禁忌(次の患者には投与しないこと)〈効能共通〉1.重篤な肝障害のある患者2.カルバペネム系抗生物質を投与中の患者3.尿素サイクル異常症の患者[重篤な高アンモニア血症があらわれることがある。]〈片頭痛発作の発症抑制〉4.妊婦又は妊娠している可能性のある女性※本内容は2021年8月18日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2020年9月改訂(第20版)医薬品インタビューフォーム「セレニカ®R顆粒40%、セレニカ®R錠200mg/R錠400mg」2)興和株式会社:製品情報検索

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脊髄性筋萎縮症で初の経口治療薬エブリスディ発売/中外製薬

 中外製薬株式会社は、8月12日に乳幼児では最も頻度の高い致死的な遺伝性疾患である脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬であるリスジプラム(商品名:エブリスディ)のドライシロップ60mgの販売を開始した。本製品はSMAで初の経口の治療薬であり、患者・患児の治療での利便性の向上が期待される。 SMAは、脊髄の運動神経細胞の変性により筋萎縮や筋力低下を示す遺伝性の神経筋疾患。乳幼児では最も頻度の高い致死的な遺伝性疾患で、乳児期から小児期に発症するSMAの患者数は10万人あたり1~2人とされる。SMAの原因遺伝子はSMN遺伝子で、SMN1遺伝子の機能不全に加え、SMN2遺伝子のみでは十分量の機能性のSMNタンパクが産生されないため発症する疾患。 リスジプラムは、SMN(survival motor neuron)タンパクの欠損につながる5番染色体の変異によって引き起こされる、SMAを治療するためにデザインされたSMN2スプライシング修飾剤。SMNタンパクレベルを増加させ、維持することでSMAを治療するよう設計されている。SMNタンパクは全身にみられ、運動神経と運動機能の維持に重要な働きをする。リスジプラムは、2020年8月に米国で、2021年3月に欧州で承認を取得し、わが国では同年6月23日に製造販売承認を取得している。 同社では、「本治療薬は、乳児から成人までの広い年齢層で有効性を示し、経口剤のため在宅治療が可能となる。SMAの患者とその家族の皆様に、新たな治療選択肢によるこれまでにない価値を届けられるように、適正使用の推進に努めていきたい」と抱負を語っている。製品概要販売名:エブリスディ ドライシロップ 60mg一般名:リスジプラム効能・効果:脊髄性筋萎縮症用法・用量:通常、生後2ヵ月以上2歳未満の患者にはリスジプラムとして、0.2mg/kgを1日1回食後に経口投与する。通常、2歳以上の患者にはリスジプラムとして、体重20kg未満では0.25mg/kgを、体重20kg以上では5mgを1日1回食後に経口投与する。薬価:エブリスディ ドライシロップ60mg 97万4,463.70円/1瓶承認日:2021年6月23日薬価基準収載日:2021年8月12日販売開始日:2021年8月12日

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小児に対する向精神薬の使用とリスク

 メンタルヘルスの問題と関連する自殺企図は、成人および小児において増加している。メンタルヘルスに問題を抱える患者が増加しているため、成人だけでなく小児においても向精神薬の使用が増加している。しかし、小児に対する向精神薬の使用は、潜在的な有害リスクと関連している可能性がある。米国・Le Bonheur Children's HospitalのKiley Hunter氏らは、米国中毒管理センター協会(AAPCC)の国立中毒データシステム(NPDS)に報告されたデータを用いて、小児に対する向精神薬使用の傾向とアウトカムについて、調査を行った。Clinical Toxicology誌オンライン版2021年7月1日号の報告。 2009~18年にAAPCCのNPDSに報告された18歳以下の小児のデータをレトロスペクティブにレビューした。非定型抗精神病薬、bupropion、buspirone、クロニジン、リチウム、メチルフェニデート、ミルタザピン、MAO阻害薬、選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、トラゾドン、三環系抗うつ薬の単回投与について、調査を行った。 主な結果は以下のとおり。・小児に対する向精神薬使用に関するNPDSへの報告は、10年間で35万6,548件であった。・最も報告数が多かった薬剤はSSRI(34%)、次いで非定型抗精神病薬(17%)、メチルフェニデート(15%)であった。・0~12歳では適応外使用が多かったが(79%)、13~18歳では適応に準じた使用が多かった(76%)。・SSRI使用の68%の症例は、無症候性であった。・クロニジンおよびbupropionの使用による臨床効果では、中程度(29%)から高度(25%)の割合が高かった。・全体として以下29例の死亡が確認された。そのうち、19例(65%)は青年患者であった。 ●非定型抗精神病薬:4例 ●bupropion:10例 ●リチウム:1例 ●SNRI:1例 ●SSRI:7例 ●三環系抗うつ薬:6例 著者らは「小児に対する向精神薬の潜在的に有害な使用を防ぐために、予防戦略が求められる」としている。

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リスジプラム、I型の脊髄性筋萎縮症に有効/NEJM

 I型脊髄性筋萎縮症(SMA)の乳児において、リスジプラムは歴史的対照と比較して、運動マイルストーンの達成割合が高く、運動機能が改善した乳児の割合も優れることが、米国・ハーバード大学医学大学院のBasil T. Darras氏らが行った「FIREFISH試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2021年7月29日号に掲載された。I型SMAは進行性の神経筋疾患で、生後6ヵ月までに発症し、特徴として、支えなしで座位を保持できない、運動神経細胞生存(SMN)蛋白の不足が認められる。リスジプラムは経口投与が可能な低分子薬で、SMN2のメッセンジャーRNA前駆体スプライシングを修飾し、血中の機能性SMN蛋白の増加をもたらすとされる。2部構成の非盲検試験の第2部の結果 本研究は、I型SMA乳児におけるリスジプラムの安全性と有効性の評価を目的とする2部構成の非盲検臨床試験で、第1部は用量設定試験(既報)であり、第2部では第1部で決定された用量の臨床効果と安全性が歴史的対照と比較された(スイスF. Hoffmann-La Rocheの助成による)。この試験には10ヵ国14施設が参加し、今回は第2部の結果が報告された。 対象は、生後28日~3ヵ月に症状が発現し、登録時に生後1~7ヵ月のI型SMAの患児であった。リスジプラムは、生後5ヵ月以上の乳児には0.2mg/kg/日が投与され、5ヵ月未満の乳児は初回用量0.04または0.08mg/kg/日で投与が開始され、1~3ヵ月で0.2mg/kg/日となるように調節された。嚥下が可能な乳児には経口投与が行われ、不可能な乳児には栄養チューブを用いてボーラス投与された。 主要エンドポイントは、投与開始から12ヵ月後に、支えなしで座位を5秒以上保持できることとした。主な副次エンドポイントは、フィラデルフィア小児病院乳児神経筋疾患検査スコア(CHOP-INTEND:0~64点、点数が高いほど運動機能が良好)が40点以上、CHOP-INTENDスコアのベースラインから4点以上の増加、Hammersmith乳児神経学的検査のセクション2(HINE-2、0~26点、点数が高いほど運動機能が良好)で評価した運動マイルストーン(蹴る、頭部の制御、転がる、座る、這う、立つ、歩く)の改善、恒久的人工呼吸管理のない生存とした。副次エンドポイントは、I型SMA乳児40例の自然経過データの90%信頼区間(CI)の上限値との比較を行った。主要および主な副次エンドポイントがすべて改善 主解析の臨床的カットオフ日(全患児が、12ヵ月の投与期間を終了、試験中止、死亡のいずれかに達する)は2019年11月14日であり、41例が登録された。登録時の年齢中央値は5.3ヵ月(範囲:2.2~6.9)で、54%が女児であった。ベースラインのCHOP-INTENDスコア中央値は22.0点(範囲:8.0~37.0)、HINE-2スコア中央値は1.0点(範囲:0.0~5.0)であった。39例(95%)が嚥下可能だった。 投与開始から12ヵ月後の時点で、支えなしで座位を5秒以上保持できた患児は12例(29%、95%CI:16~46、自然歴データ[5%]との比較でp<0.001)であり、これは本疾患では達成されていないマイルストーン(画期的出来事)であった。 12ヵ月後に、主な副次エンドポイントを達成した乳児の割合を、歴史的対照のCI上限値と比較したところ、CHOP-INTENDスコア40点以上は、56%(23/41例)および17%、CHOP-INTENDスコアのベースラインから4点以上の増加は90%(37/41例)および17%、HINE-2による運動マイルストーンの奏効は78%(32/41例)および12%、恒久的人工呼吸管理のない生存は85%(35/41例)および42%であった(いずれの比較とも、p<0.001)。 48件の重篤な有害事象が報告された。最も頻度の高い重篤な有害事象は、肺炎(13例[32%])、細気管支炎(2例[5%])、筋緊張低下(2例[5%])、呼吸不全(2例[5%])であった。 著者は、「I型SMA乳児におけるリスジプラムの長期的な安全性と有効性を明らかにするには、より長期で大規模な試験が求められる」としている。

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そして父になる(その3)【これからの親子の絆とは?(生殖の物語)】Part 1

今回のキーワード少子化DNA鑑定生殖医療生殖の物語ステップファミリー共同育児(アロペアレンティング)その2では、映画「そして父になる」を通して、血縁心理の起源を精神医学的に解き明かしました。血のつながりにこだわるのは、父親であることが確実ではない(父性の不確実性)、年を重ねると保守化する(社会脳)、自分に似ている子どもをかわいく思う感覚を知ってしまう(排他性)、子育てに多くのコストをかける(格差)という4つの進化心理学的な原因があることが分かりました。それにしても、現代の社会では、実は血のつながりへのこだわりが強まっているようです。それは、なぜでしょうか? そして、私たちはどうすればいいでしょうか? これらの答えを探るために、今回は、引き続きこの映画を通して、これからの親子の絆を生殖の物語としてとらえ直してみましょう。なんで血のつながりへのこだわりが強まっているの?現代の社会では、実は血のつながりへのこだわりが強まっているようです。それは、なぜでしょうか?ここから、その原因を3つ挙げてみましょう。(1)子どもの数が少なくなったから-少子化雄大は、慶多を含めて、子どもが3人います。一方、良多は、琉晴1人だけです。子どもの数だけでみれば、良多は生殖の適応度が低く、心に余裕がないと言えるでしょう。逆に言えば、雄大は生殖の適応度が高く、比較的に余裕があると言えます。つまり、血のつながりへのこだわり度は、「子どもの数が少ない男性>子どもの数が多い男性」と言えます。これも、「良多>雄大」の順番を支持します。血のつながりへのこだわりが強まっている原因として、1つ目は、子どもの数が少なくなったからです(少子化)。合計特殊出生率は、1945年の戦後しばらくまで4.00台後半でしたが、2020年には1.36にまで下がり続けています。つまり、かつては子どもが4、5人いるのが当たり前だったのに、現代は、1人か2人になってしまいました。実際に、戦後しばらくまでは、子どもが数人いる状況で、妻が浮気をして1人くらい婚外子がいても、許される傾向にありました。そのわけは、すでに血のつながりのある子が多くいる男性ほど、婚外子ができたために離婚してシングルファーザーになるよりも、婚外子がいながらも結婚生活を維持する方が、無事に実子たちの子育てができる、つまり生殖適応度が高いからです。なお、浮気の心理の詳細については、関連記事1をご覧ください。(2)血のつながりがはっきりするようになったから-DNA検査慶多と琉晴の取り違えが判明したのは、小学校入学前の血液型検査でした。そして、確定検査であるDNA鑑定で、「生物学的親子でない」と結論付けられます。血のつながりへのこだわりが強まっている原因として、2つ目は、DNA鑑定によって血のつながりがはっきりするようになったからです。血のつながりがあるかを検査によって確かめられるということは、裏を返せば、血がつながっていないかもしれないという不安を煽ることになります。逆に言えば、検査技術がない近代までは、血のつながりは確かめようがなく、ぼんやりとしたものだったでしょう。実際に、養子を血縁関係があるような跡取りと見なすこと(擬制)や、生後間もない他人の子どもを実子として引き取って虚偽の出生届を出す「藁の上の養子」(実子入籍)は、珍しくありませんでした。(3)血のつながりのある子を生めなかった人が生めるようになったから-生殖医療この映画のノベライズ版では、良多とみどりは、2人目不妊であることが明かされています。不妊治療をするということは、それだけ血のつながりへのこだわりを強めることになるでしょう。血のつながりへのこだわりが強まっている原因として、3つ目は、生殖医療によって血のつながりのある子を生めなかった人が生めるようになったからです。不妊治療は、やり続けると止められなくなる依存症(嗜癖)の要素があります。とくに、次こそ妊娠して今までの高額な治療費を無駄にしないようにしたいと思う、ギャンブル依存症における負け追いの心理があります。それだけのめり込んでいるため、逆に、養子という選択肢は発想すらできなくなるようです。実際に、子どもを欲する不妊夫婦の調査において、養子縁組みや里親制度によって育ての親になるのは、不妊治療をしなかった人は76%と高いのに、不妊治療をした人は56%(不妊治療により出産したケースは除く)と低い結果になっています。また、不妊治療中の人たちへの別の調査では、養子縁組や里親制度について考えたことがあるのは31%にとどまり、考えたことがないのは69%の大多数でした。これらの結果から、不妊治療をする夫婦は、不妊治療をしない夫婦よりも、結果的に養子縁組みや里親制度による育ての親にならなくなっています。つまり、不妊治療をするというプロセスによって、なおさら血のつながりへのこだわりが強まり、育ての親になることをその後により望まなくなっている可能性が示唆されます。もちろん、不妊治療をしない人は、もともと血のつながりにあまりこだわらず、育ての親になることに抵抗がない、逆に不妊治療をする人はもともと血のつながりに強くこだわり、育ての親になることに抵抗があるという、もともとの違いによる結果である可能性もあります。なお、不妊の心理の詳細については、関連記事2をご覧ください。次のページへ >>

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そして父になる(その3)【これからの親子の絆とは?(生殖の物語)】Part 2

私たちはどうすればいいの?血のつながりへのこだわりが強まるのは、子どもの数が少なくなった(少子化)、血のつながりがはっきりするようになった(DNA鑑定)、血のつながりのある子を生めなかった人が生めるようになった(生殖医療)という3つの現代の社会的な原因があることが分かりました。そんな現代の社会構造の中、私たちはどうすればいいのでしょうか? 3つのワンシーンを通して、生殖の物語として考えてみましょう。(1)いろんな生殖の物語を知る慶多と琉晴の取り違えが起こったのは、実は当時勤務していた看護師が、子連れの男性との再婚によって育ての母親になったストレスの腹いせによるものでした。その事実が、その看護師の告白によって明らかになります。その後に、良多はその看護師の家に押しかけますが、小学生くらいの彼女の育ての息子が出てきて、良多の前でにらみながら立ちはだかります。良多から「おまえは関係ないだろ」と言われても、ひるまず「関係ある。ぼくのお母さんだもん」と言い返します。そして、彼のその気迫を目の当たりにして、良多は打ちひしがれるのでした。1つ目、いろんな生殖の物語を知ることです。それまでの良多は、実績、学歴、血のつながりなどの形あるものしか信じておらず、小学校のお受験の面接の模範解答のような「普通の家族」「正しい家族」「ちゃんとした家族」にとらわれていました。そして、血のつながりがあるという理由でだけで、琉晴を無理やり懐かせようとしていました。しかし、血のつながらない親子の強い絆を見せ付けられ、彼の価値観の根本が揺らいだのでした。私たちも、良多のような頭でっかちの思考回路に陥ることがあるかもしれません。しかし、いろんな生殖の物語を知った時、親子の絆は、血のつながりだけで存在するものではなく、情によって育むものであることに気付かされます。(2)自分の生殖の物語を知る慶多と琉晴の交換から数週間が経ち、良多は、カメラのモニターでメモリーに残っている写真をたまたま見ていた時、良多の書類を読んでいる背中や寝顔をいくつもこっそりと慶多に撮られていたことに気づきます。そのカメラには、「慶多の記憶の中のパパ」が映っていたのでした。それを見て、良多は涙が溢れ、いても立ってもいられなくなるのでした。2つ目は、自分の生殖の物語を知ることです。愛着の心理でも触れましたが、子どもが親からしばらく離れていると「禁断症状」が出るのと同じように、実は親も長年一緒にいた子どもからしばらく離れていると、血がつながっていてもいなくても「禁断症状」が出るのです。親プリンティングと同じように、「子プリンティング」ができてしまうのでしょう。つまり、情も依存行動(嗜癖)であると言えます。この詳細については、関連記事3をご覧ください。私たちも、子どもの思いをきっかけに、自分の情に気付かされることがあるでしょう。愛着と情が相互作用していると考えれば、自分の生殖の物語は、自分だけでつくるものではなく、子どもと一緒になってつくりあげるものであることに気付かされます。(3)自分の生殖の物語を書き換える良多とみどりは、慶多を迎えに行くために、琉晴を連れて、前橋の斎木家を急に訪ねます。逃げ出す慶多から「パパなんか、パパじゃない」と怒って言われながらも、追いかける良多は「でもな、6年間はパパだったんだよ。出来損ないだけど、パパだったんだよ」「もうミッションなんか終わりだ」と言い、優しく抱きしめます。3つ目は、自分の生殖の物語を書き換えることです。良多にとって、新生児取り違え事件に巻き込まれたことは、不運な生殖の物語でした。しかし、良多は、その後に慶多と一時期離ればなれになることで、慶多への深い情を再確認します。そこには、血のつながりがないものの、深い情で結ばれた親子の絆が確かにあります。慶多との出会いに意味を見いだすという新たな生殖の物語が始まっています。また、慶多へのミッションは、良多自身へのミッションでもあったのです。それは、慶多を能力があるから愛するのではなく、ありのままに愛するようになる良多の自己成長です。逆に、この事件がなければ、良多は、彼の父親と同じように、毒親のままだったでしょう。また、愛着の臨界期の観点から、琉晴が良多やみどりに懐くことは簡単ではないと説明しました。その一方で、良多やみどりが琉晴に情を深めることはできるでしょう。実際に、みどりは琉晴と一緒に過ごすうちに「琉晴がかわいくなってきた」と良多に言います。つまり、親にとっての「子プリンティング」は、何歳までという臨界期ではなく、あくまでいつからでも可能なのです。だからこそ、養子縁組や里親制度により育ての親になれるのです。つまり、血のつながりのある琉晴との再会に意味を見いだすという新たな生殖の物語も始まっています。「そして父になる」とは?-これからの親子の絆ラストシーンで、慶多と琉晴を中心に、野々宮家と斎木家のみんなが、笑い合って、1つの家の中に入っていく様子は、感動的です。慶多と琉晴のために、生活スタイル(価値観)の違う2つの家族が1つになろうとする象徴的なシーンです。かつて、良多の父親が「早く交換して、二度と相手の家族とは会わないことだな」と言うセリフとは、真逆の展開です。私たちは、ラストシーンから良多のその後に思いを馳せるでしょう。これから、野々宮家と斎木家はもっと交流が増えるでしょう。お互いの子育てについて、もっと意見を言い合うでしょう。東京と前橋は離れているので、近いうちに、良多は前橋に引っ越すでしょう。前橋のみどりの広い実家に同居するなどの考えも頭を巡らせているでしょう。生殖の物語は、血のつながりにこだわりつつも、血のつながりだけで存在するものではなく、血がつながっていない子どもとも一緒に、そして周りの大人とも一緒に豊かにしていくものであり、書き換えていくものであることに気付かされます。そもそも、子連れ再婚などの家族では、血のつながりよりも一緒にいることに重きが置かれています。そんな新しくつくる家族は、ステップ(階段)を上がることになぞらえて、ステップファミリーと呼ばれています。良多と琉晴を中心とする家族は、より広い意味でステップファミリーと言えるでしょう。それは、同時に、原始の時代から近代まで広く行われていた、大家族で子育てをするという共同育児(アロペアレンティング)を彷彿とさせます。この映画は、限られた上映時間の中で、父親の視点に焦点を絞っています。逆に、母親の視点、子どもの視点での描写が少ないため、リアリティの点から、もの足りなさを感じることがあるかもしれません。ただ、この映画の良多の視点を通して、遺伝的なつながりを超えた、運命的なつながりを感じることが、私たちのそれぞれの生殖の物語を考えることであり、これからの親子の絆を考えることであると言えます。そして、それこそが、「そして父になる」物語であり、「そして母になる」物語でもあり、「そして家族になる」物語でもあると言えるのではないでしょうか?1)養子縁組の社会学、野辺陽子、新曜社、20182)進化と人間行動:長谷川寿一など、東京大学出版会、20003)ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年:奥野修司、文春文庫、20024)脳に刻まれたモラルの起源:金井良太、岩波書店、2013<< 前のページへ■関連記事昼顔【不倫はなぜ「ある」の?どうすれば?】コウノドリ(その1)【なんで不妊治療はやめられないの? その心理的なリスクは?(不妊の心理)】カインとアベル(後編)【なんで嫉妬は「ある」の?どうすれば?】

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院長が倒れた!残された家族は書類探しに大わらわ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第23回

第23回 院長が倒れた!残された家族は書類探しに大わらわ漫画・イラスト:かたぎりもとこ医業承継における売り手は高齢の方が多く、現場では「院長が急に体調不良となり、計画より早く譲渡を進めなければならない」というケースが珍しくありません。このような場合は、主にご家族が院長代理として医業承継を支援する仲介業者とやりとりすることになります。診療所の経営に関わってきたご家族であればよいのですが、そうではない場合には往々にして下記のような問題が生じます。買い手側から提出を依頼された資料(財務データなど)が見つからないトップ面談ができないため、医師同士でしかわからない患者層や診療情報を買い手に伝えられず、買い手側は譲受の判断ができない売り手の院長の病状が悪く、意識がない場合などは契約を締結できない(契約締結後に意識が戻り、契約無効の主張をするケースがありうるため)過去には、このような状況であっても、買い手がリスクを負って譲渡が成立するケースもありました。ただし、リスクを負うため、譲渡対価は通常よりもはるかに安価になるケースがほとんどです。具体的には、2,000万円程度の譲渡額が見込める案件であっても500万円程度に設定する、といった価格感になってしまいます。こうしたリスクは気付きにくいものですが、「医業承継は早くから家族を巻き込んで準備すべき」とお勧めする理由の1つは、こんなところにもあるのです。

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第69回 「骨太」で気になった2つのこと(後編) 制度化4年目にして注目集める地域医療連携推進法人の可能性

首都圏に緊急事態宣言再発令も手詰まり感、ロックダウン法制化も現実味こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。オリンピックの競技が佳境に入る中、新型コロナ感染症の新規感染者数もうなぎ登りになって来ました。首都圏の病床の逼迫具合も深刻さを増しており、菅 義偉首相が繰り返し国民に約束してきた「安全、安心」のオリンピック開催は既に破綻状態と言えます(オリンピック関係者の陽性者も増えています)。7月28日、東京都の新規感染者数が初めて3,000人を超え、3,177人と発表された日、テレビ朝日系列の報道ステーションは興味深い指摘をしていました。約1ヵ月前に厚生労働省が発表したシミュレーションでは、緊急事態宣言を出した場合、東京都の7月の新規感染者数は1,000人程度のピークで留まり、その後は減少していく、という予測だったそうです。一方、緊急事態宣言を出さずに人流も減らなかった場合は、28日の段階で3,000人規模になり、その後も上昇する、という予測でした。つまり、現在の東京の感染状況は、「緊急事態宣言を出さなかった場合の予測」とほぼ同じになっているのです。それにも関わらず、8月2日から埼玉、千葉、神奈川の各県と大阪府に再び緊急事態宣言が発令されました。もはや感染拡大を抑える効果がほとんどない緊急事態宣言は、国が国民に感染拡大の責任の一部を押し付けるためのエクスキューズのようにも見えます。政府が首都圏での緊急事態宣言発令を決定する前日の7月29日には、日本医師会、日本病院会など9つの医療関係団体が、緊急事態宣言の対象を全国にすることも検討するよう、政府に求める緊急声明を発表しています。年初から散々、コロナ対応病床不足や地域での連携不足を指摘され、その反省のもと医療体制を整えてきたはずなのに、この慌てぶりは何なのでしょう。政府も日医をはじめとする医療関係団体も、ワクチン接種に過大な期待をかける一方で、デルタ株の恐ろしさ(7月末に明らかになった疾病対策センターの内部資料では「デルタ株はより重篤な症状を引き起こし、水痘と同じくらい容易に蔓延するとみられる」とされています)を甘く見ていたのではないでしょうか。7月30日の政府の基本的対処方針分科会では、将来的にはロックダウン(都市封鎖)を可能とする法整備の検討を求める声も出たようです。菅首相はこの時点では否定的な考えだったとのことですが、このまま感染拡大が収まらなければ、日本でもロックダウンの法制化があるかもしれません。8月2日に開かれた関係閣僚会議では、重症患者や重症化リスクの高い人には、必要な病床を確保するとともに、それ以外の人は自宅療養を基本とし、症状が悪化すれば、すぐに入院できる体制を整備する方針が示されました。自宅などを医師が往診した場合、診療報酬が950点増額されるとのことですが、これで新たに往診を始めよう、件数を増やそうという医療機関がそれほど出てくるとは思えません(往診に取り組んでいるところはもうやっているでしょう)。むしろ、コロナ患者の往診や訪問診療に慣れておらず感染対策も不十分な医師の新規参入は、逆に地域で感染を拡大させる危険性すらあります。「かかりつけ医」と「地域医療連携推進法人」をフィーチャーさて、前回に続き、政府が臨時閣議で決定した「経済財政運営と改革の基本方針2021」(「骨太の方針2021」)について、気になったことを書いていきます。「骨太の方針2021」では、感染症拡大の緊急時の対応を、より強力な体制と司令塔の下で推進する考えが示されました。中でも医療提供体制については、感染症に対応するため、医療定休体制の「平時」と「緊急時」の体制を迅速・柔軟に行うべき、としています。そのための具体的方策としては「かかりつけ医」と「地域医療連携推進法人」がフィーチャーされています。前回は日本医師会が頑なに制度化を反対する「かかりつけ医」について書きました。今回はもう一つの要となりそうな制度、地域医療連携推進法人について考えてみたいと思います。連携推進法人制度を活用し、病院の連携・機能強化と集約化進める「骨太の方針2021」では、地域医療連携推進法人について「第3章 感染症で顕在化した課題等を克服する経済・財政一体改革」の中で、「今般の感染症対応の検証や救急医療・高度医療の確保の観点も踏まえつつ、地域医療連携推進法人制度の活用等による病院の連携強化や機能強化・集約化の促進などを通じた将来の医療需要に沿った病床機能の分化・連携などにより地域医療構想を推進する」と明記されました。地域医療連携推進法人制度がスタートして4年、当初は「単なる医療機関の統廃合の促進策」「経済的なメリットがほとんどなく手を挙げるところは少ないのでは」などと医療関係者の多くから揶揄され、認定される数も全国で年数法人程度と超スローペースでした。しかしここに来て、コロナ禍の中、地域医療連携推進法人に参加している病院・施設間で、コロナ患者の重症度による患者振り分けを行っているところも出てきており、より有機的な医療連携のモデルとして改めて着目されています。コロナ禍にあっても設立を検討する医療法人や自治体が増えていると聞きます。制度ができる前から、各地で地域医療連携推進法人の設立をサポートしてきた知人の医療コンサルタントは、閣議決定直後、「雌伏4年、やっと連携法人の時代がやって来る!」とわざわざ連絡してきたくらいでした。危機感を持つ医療法人同士が連携と効率化を自発的に進める仕組みでは、地域医療連携推進法人とはいったいどんな制度なのでしょうか。簡単におさらいしておきましょう。この制度は、「医療機関相互の機能の分担および業務の連携を推進し、地域医療構想を達成するための一つの選択肢」として、2015年の医療法改正で創設が決まり、2017年4月から制度がスタートしました。「競争よりも協調を進め、地域において質が高く効率的な医療提供体制を確保」するため、それまで個々の経営理念、方針に基づき運営されてきた複数の病院などを一つの方向性に導き、より良い機能分担や連携、経営効率化を進めるための仕組みが制度に盛り込まれています。元々は「ホールディングカンパニー型」を提案もっとも、国は当初、違った思惑と目的を持って制度化を検討していました。今から8年前の2013年8月、「社会保障制度改革国民会議報告書」は、「地域における医療・介護サービスのネットワーク化を図るためには、当事者間の競争よりも協調が必要であり、その際、医療法人等が容易に再編・統合できるよう制度の見直しを行うことが重要である」とし、制度改革の一例としてホールディングカンパニー型を提案しました。そもそも医療法人には、合併制度はあるもののハードルが高く、一方、公的病院は合併制度自体が存在しません。こうした状況を踏まえての提案でした。その後、2014年6月に閣議決定した「日本再興戦略(改訂2014)」で、「複数の医療法人や社会福祉法人等を、社員総会等を通じて統括し、一体的な経営を可能とする『非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)』を創設する」として新制度創設に向けて議論が本格的に動き出しました。しかし、紆余曲折を経て、最終的には現行の医療法の枠組みの中で「新型法人」として検討が進み、地域の医療機能の連携強化や資源効率化のための手段、という役割が全面に出された今の制度に落ち着いたわけです。「地域医療構想を達成するための一つの選択肢」という役割も付与されています。地域医療連携推進法人の3つの業務地域医療連携推進法人の主な業務内容は、1)統一的な医療連携推進方針の決定2)医療連携推進業務等の実施3)参加法人の統括の3つです。1)の「統一的な医療連携推進方針」とは、複数の医療機関で、診療内容や病床機能、在宅復帰への流れなどについて統一した方針を定めるということです。核となる2)の「医療連携推進業務」は、診療科・病床の再編、医療従事者らの共同研修、医師の配置換え、医薬品等の共同交渉・共同購入、医療機器の共同利用等、かなり幅広い業務が認められています。なお、診療科・病床の再編に関しては、参加法人内の病院間の病床の融通も可能です。ある病院で産科病床を閉めて病床が余った場合、他の病院のがんの病床の増床に振り向ける、といったこともできるわけです。経営者のセンスが試される「医療連携推進業務等の実施」つまり、参加した医療法人が有する病院間で、診療科や医療機能の棲み分けを行い、より効率的に地域医療を展開するためのツールが地域医療連携推進法人なのです。医師ばかりでなく、看護師や診療放射線技師などの医療スタッフを必要に応じて法人間で融通したり、地域フォーミュラリーを策定して薬剤を共同購入したりしている地域医療連携推進法人もあります。参加法人の了解を取り、「医療連携推進業務」をどこまで広げられるかが活用のポイントであり、経営者のリーダーシップやセンスが試される制度と言えるでしょう。北海道から鹿児島県まで28法人が認定2021年7月1日現在、北は北海道から南は鹿児島県まで28法人が地域医療連携推進法人として認定されています。厚生労働省のサイトには、その一覧が掲載されています。各都道府県の当該サイトでは、個々の地域医療連携推進法人の詳細を見ることもできます。大病院を核に中小病院や介護保険施設などが集まり、地域包括ケアシステムの構築を視野に入れるもの(山形県の日本海ヘルスケアネットなど)から、へき地において医師の確保に主眼を置くもの(広島県の備北メディカルネットワークなど)、県立病院と民間病院の統合をスムーズに進める前段階として認可を受けたもの(兵庫県のはりま姫路総合医療センター整備推進機構)まで、制度の活用の仕方はさまざまです。大学病院が主導して地域医療連携推進法人をつくる例もあります。愛知県の藤田医科大学が中心となってつくった尾三会や、大阪府の関西医科大学が主導してつくった北河内メディカルネットワークなどがそれに当たります。大学病院から退院する患者の受け皿整備が狙いとみられます。各地の地域医療連携推進法人に共通するのは、将来への危機感を持つ病院が生き残りをかけて集まっていることです。国や都道府県が進める地域医療構想では医療機能の棲み分けや、経営効率化が進まないことから、リーダーシップのある病院経営者が地域の医療機関を説得し、地域医療連携推進法人の設立を考えるケースもあるようです。日医は「株式会社の参入につながる」と懸念を表明地域医療連携推進法人は、医療法において5年ごとに制度見直しを行うことが決まっており、2022年度から厚労省は制度見直しに着手する予定です。政府の「成長戦略フォローアップ工程表」では、国は2021年度中に資金融通等の制度面・運用面の課題を把握し、2022年度から検討を踏まえ措置する、とされており、地域医療連携推進法人の取り組みに対しインセンティブが働くような制度に改善されるでしょう。そうなると、生き残りをかける地域の医療機関にとっては、なくてはならない制度になる可能性もあります。もっとも、「骨太」で脚光を浴び、制度も改善の方向で動き始めた一方で、日本医師会はこの制度の普及・発展にはあまり乗り気ではないようです。中川 俊男会長は6月23日の定例記者会見で「骨太の方針2021」に明記された事項に対する日医の見解を説明しましたが、地域医療連携推進法人については、国や都道府県主導M&Aの推進、更には病院経営への株式会社の参入につながることへの懸念を表明したとのことです。医療機関が自主的に連携を強化し、機能の役割分担をしようという動きをも牽制するとは、相変わらずの守旧派ぶりと言えるでしょう。そう言えば、この制度がスタートしたばかりの2017年、九州のある県の医療審議会に、乳がん専門病院と泌尿器科の専門病院同士が地域医療連携推進法人を設立しようと認定を申請したことがありました。しかし、結果は「認定見送り」でした。書類等は完全に揃っていたにもかかわらず「見送り」となった理由は、「地元の医師会への事前の挨拶がなかったなど、医師会への配慮不十分だったため」(乳がん専門病院理事長の話)とのことでした。前回のかかりつけ医の制度化だけでなく、地域医療連携推進法人にまで横槍を入れる日本医師会。未曾有の医療危機にあっても変革をことごとく嫌うその姿勢には、正直呆れるほかありません。

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そして父になる(その2)【なんで血のつながりにこだわるの?(血縁心理の起源)】Part 1

今回のキーワード父性の不確実性社会脳排他性配偶者防衛父性の確証女性差別その1では、映画「そして父になる」を通して、親子観を精神医学的に解き明かしました。親子観は、親にとっては、血のつながり(血縁の心理)と情(子育ての心理)があることが分かりました。そして、子どもにとっても、情(愛着)と血のつながり(アイデンティティ)であることが分かりました。そして、子どもにとっての親子の絆は、血のつながりよりも情のほうが大きいことが分かりました。それでは、そもそもなぜ血のつながりにこだわるのでしょうか? そして、今、なぜ血のつながりへのこだわりが強まっているのでしょうか? これらの答えを探るために、今回は、引き続きこの映画を通して、血のつながりへのこだわり、つまり血縁心理の起源を進化心理学的に掘り下げてみましょう。なんで血のつながりにこだわるの?良多は血のつながりにこだわっています。彼の父親はもっとこだわっています。一方、ゆかりはあまりこだわっていません。みどりは良多に従っているだけで、本音はゆかりと同じくこだわっていないようです。雄大はゆかりの言いなりになっているだけで、態度がはっきりしていませんが、良多ほどこだわっていないようです。そして、良多の継母は、継母になるくらいなので、ほとんどこだわっていません。もちろん、先ほど説明した通り、琉晴と慶多はまったくこだわっていません。つまり、血のつながりへのこだわりの度合いは、良多の父親>良多>雄大>みどりとゆかり>良多の継母>琉晴と慶多の順と言えそうです。それでは、なぜこのような血のつながりへのこだわりに違いがあるのでしょうか? 端的に言えば、なぜ血のつながりにこだわるのでしょうか?そのヒントは、ゆかりがみどりに漏らした、あるセリフにあります。それは、「似てないのよ、一人だけ」「口の悪い友達が『浮気したんだろう』って。ひどいこと言うなあって思ってたけど。まさかねえ」です。ここから、その原因を進化心理学的に4つ挙げて、血縁心理の起源に迫ってみましょう。(1)父親であることが確実ではないから-父性の不確実性約700万年前に人類が誕生し、約300万年前に父親が子育てに参加して、家族をつくるようになりました。これが家族の起源であり、父性の起源です。なお、父性の心理の詳細については、関連記事1をご覧ください。この時、子育てに労力(コスト)をかけたのに、その子どもが妻とその浮気相手の子どもであった場合、どうでしょうか? 何とも思わない、つまり血のつながりにこだわらない父親は、自分の子孫を残せません。そうなると、そんな種が現在に存在するのは難しいでしょう。これは、生殖の適応度を下げていると言い換えられます。生殖とは、自分の遺伝子を次世代に残すために、自分の子どもを生んで、その子がまた生殖できるように育て上げることです。血のつながりにこだわる原因として、1つ目は、母親と違って父親は子どもの父親であることが確実ではないからです(父性の不確実性)。一方、女性は、子どもが自分のお腹から生まれてくるので、自分がその子の母親であることは、確実です。つまり、女性よりも男性は、ゆかりの言うその「まさか」に敏感になり、子どもの顔つきや体つきなど似ていること、つまり血のつながりにこだわるようになります。こうして生殖の適応度を上げるでしょう。まとめると、血のつながりへのこだわり度は、男性>女性と言えます。これは、「良多の父親と良多と雄大>みどりとゆかりと良多の継母」の順番を支持します。なお、自然界では、人類の浮気と似た生殖戦略として、托卵があります。これは、自分の卵をほかの個体の親に托して、代わりに子育てをさせる動物の習性です。カッコウやホトトギズなどの鳥類をはじめ、魚類や昆虫類にもみられます。托卵する個体は、自分の子どものエサの取り分がもらえるため、生殖の適応度を上げる一方、托卵される個体は、自分の子どものエサの取り分が減るため(種によっては自分の卵を排除されてしまうため)、生殖の適応度を下げてしまいます。そこで、托卵される個体は、ほかの個体の卵を見分けて除去する習性を身に付けるようになり、生殖の適応度を維持しようとします。人類の男性が似ているかどうか、つまり血のつながりにこだわる心理は、まさにこの卵の識別能力と同じく、進化の産物と言えます。浮気にせよ、托卵にせよ、私たちを含む現在に生きているすべての動物は、このような生殖戦略の「戦い」の生き残りであるということは間違いないでしょう。次のページへ >>

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そして父になる(その2)【なんで血のつながりにこだわるの?(血縁心理の起源)】Part 2

(2)年を重ねると保守化するから-社会脳約300万年前に人類が家族をつくるようになってから、さらに家族を最小単位として血縁で集まった部族をつくるようになりました。これが、社会の起源です。この時、部族という社会の中で、助け合うために周り人たちとうまくやっていこうとする心理が進化しました(社会脳)。この心理は、子育てをする親世代、さらに孫の育児のサポートをする祖父母世代で、より高まっていきました。血のつながりにこだわる原因として、2つ目は、年を重ねると保守化するからです。保守とは、個人の自由や権利を重んじるリベラル(革新)とは対照的に、血のつながりをはじめとした社会の秩序を重んじる心理です。脳科学的にも、年齢が高くなるほど、脳内に占めるいわゆる感情中枢(扁桃体)の割合が相対的に大きくなり、保守化することが分かっています。実際に、良多が30歳代に対して、彼の父親は60歳代です。つまり、先ほどの子どもにとっての親子観も合わせると、血のつながりへのこだわり度は、高齢男性>若年男性>男児と言えます。これは、「良多の父親>良多と雄大>琉晴と慶多」の順番を支持します。(3)自分に似ている子どもをかわいく思う感覚を知ってしまうから-排他性約300万年前以降に人類が部族をつくるようになってから、災害、犯罪、戦争などによって親を失った子どもを、部族内の助け合いの心理(社会脳)から、部族の誰かが代わりに育てるようになったでしょう。これが、養子の起源です。この時、子どもがいない人は、養子たちを公平に育てるでしょう。一方、実子がすでにいる人は、養子よりも実子が自分に似ていることでかわいく思えてしまい、不公平に育てるリスクが高まるでしょう。なぜなら、先ほどもご説明しましたが、生み子(実子)に比べて育ての子(継子)が虐待死に至るリスクは、数倍から数十倍に跳ね上がるからです。血のつながりにこだわる原因として、3つ目は、自分に似ている子どもをかわいく思う感覚を知ってしまうからです(排他性)。実際に、見た目や言動が似ていることで、同調や共感の心理が高まり、親密感が増すことが分かっています。これは、体臭についても言えるでしょう。つまり、自分と似ている人に好感を持つということです。これは、脳内ホルモン(オキシトシン)との関係が指摘されています。逆に言えば、自分と似ていない人には、相対的に好感を持たないです。つまり、オキシトシンは、似ている人への親密性を高める「愛情ホルモン」であると同時に、似てない人への排他性を高める「差別ホルモン」であるというわけです。実際に、成人した養子本人(里子も含む)への親子観の調査(対象者が7名と少ないながら)において、実子がいない3人全員が自分も養子の育ての親になる意向があると回答したにもかかわらず、実子がすでにいる4人は養子の育ての親になる意向がないと回答しました。これは、もともと養親に育てられたことで血のつながりにこだわらないように影響を受けていたのに、実子を生んだことで血のつながりにこだわるように回帰していったことが考えられます。養子は、あくまで実子ができない場合の次善の策であることが分かります。つまり、血のつながりへのこだわり度は、実子がいる人>実子がいない人と言えます。これは、「みどりとゆかり>良多の義理の母親」の順番を支持します。なお、自分と似ている、つまり共通点のある相手には、親近感を抱く心理は、一緒にいたらコストが少なくて済むからであるという考え方(社会的交換理論)があります。これは、血縁のある人に親近感を抱く心理につながっているとシンプルに考えることもできるでしょう。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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