ニルセビマブがRSウイルスの高リスク乳児に有効/第II/III相MEDLEY試験

提供元:ケアネット

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公開日:2021/07/16

 

 アストラゼネカは、RSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)感染の高リスク乳児を対象にニルセビマブの安全性と忍容性を評価した第II/III相のMEDLEY試験において、良好な結果を示したことを7月8日付けのプレスリリースで発表した。

 ニルセビマブはアストラゼネカとサノフィにより開発中のアストラゼネカ独自の半減期延長(YTE)技術を用いた長時間作用型抗体。乳幼児に直接免疫を与え、RSウイルスに対する感染予防効果を発揮させる可能性がある。

 今回良好な結果を示したMEDLEY試験は、早産児およびシナジスによる治療が適格な高リスク乳幼児を対象とし、ニルセビマブの安全性および忍容性の評価を目的とした無作為化二重盲検シナジス対照第II/III相試験。2019年7月~2021年5月までの期間に、RSウイルス流行シーズンを初めて迎えた約925例の乳幼児に対し、ニルセビマブまたはシナジスの投与を行って評価した。ニルセビマブの安全性として投与後360日間の有害事象(TEAEs)および重篤な有害事象(TESAEs)の発現頻度を、慢性肺疾患(CLD)に罹患した乳児、先天性心疾患(CHD)に罹患した乳児、早産児のいずれか1つ以上に該当する乳児に対して評価したところ、試験下で発現したTEAEsもしくはTESAEsの発現率は両治療群間で同様だった。
*高リスク乳幼児:CLD/CHDを発症していない在胎35週以内の乳児、もしくはCLDまたは血行動態に異常のあるCHD発症の早産児と定義。

 なお、ニルセビマブは第III相のMELODY試験(RSウイルスの流行シーズンを初めて迎えた健康な後期早産児および正期産児において、プラセボと比較し、RSウイルスに起因する診療を要した下気道感染症(LRTI)の発症頻度をみたもの)も評価中である。

(ケアネット 土井 舞子)

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