ふるさと納税、最も高額な寄付金と返礼品は?/医師1,000人に聞きました

提供元:ケアネット

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公開日:2021/07/07

 

 2008年から始まった「ふるさと納税」。言葉としては定着しているようだが、実際に医師の間にはどの程度浸透しているのだろうか。今回、医師の1回あたりの最高寄付金額や申込みの多い返礼品についてアンケート調査を行った。その結果、利用率は83%、人気の返礼品は肉類であることが明らかになった。また、1回の寄付金額が100万円以上と回答したのは14人(利用者の1.7%)だった。一方、ふるさと納税を利用していない17%における大半の理由は“面倒くさい”だったが、「地元の税収を減らしたくない」「趣旨に賛同できない」などの意見も挙げられた。

寄付最高額は300万円、100万円以上で寝具やテレビをセレクト

 今回の医師による平均寄付金額は50,001~100,000円が最多で、その回答者の多くは肉類(和牛、ブランド牛など)や魚介類(かに、うなぎ、いくら)などを受け取っていた。一般に目を向けると、NTTコム リサーチが昨年9月に全国20歳以上の男女1,122人に行った調査1)では、寄付金額は1回あたり5,001~10,000円が最多で、平均寄付回数は10.5回。回答者の6割強が肉類を、5割が魚介・海産物類を選んでいた。寄付金額は違えども肉類は最も人気の返礼品だと言えそうだ。

<主な返礼品と1回あたりの平均寄付金額>
・肉類(平均:7万5,163円、範囲:1万~65万円)
・魚介・海産物類(同:5万9,560円、同:1万2,000~100万円)
・家電・電子機器(同:24万409円、同:2万~300万円)
・家具/寝具(同:24万4,651円、同:2万~300万円)
・お米(同:10万6,759円、同:1万~20万円)
・果物**(同:4万5,628円、同:5,000~30万円)
*パソコン、iPad、テレビなど
**いちご、メロン、ぶどう、マンゴーなど


思わず目をひく返礼品

 泉佐野市をはじめとする複数自治体で、特産物とは無関係なAmazonギフト券などを寄付金額以上の品物として返礼していたことが一時騒然となった。この問題を受け総務省は「2019年6月1日以降の返礼品は“寄付金に占める返礼品割合が3割以下”かつ“地場産品のみとする”」と厳格に定めている。これを機に各自治体は試行錯誤を重ね、各地の特色を生かしたさまざまな返礼品を用意しており、今回の回答者にも日本の伝統工芸品やマニアにはたまらない体験型の商品を受け取っている人がいた。

<一例>カッコ内は寄付金額
・真珠(30万円)
・切子細工(7万円)
・マラソン出走権(10万円)
・二条城10年入場証(100万円)

ふるさと納税を始めたタイミング

 ふるさと納税を行っている人は全体の8割強を占めているが、臨床研修医の多い20代を除く各世代のおよそ1割が2020年以降に始めていた。たまたまそのタイミングだったのか、はたまたコロナ禍が影響したのかは不明であるが、ふるさと納税に対してコロナが追い風になったことは1つの要因として考えられるのではないだろうか。また、近年ではふるさと納税をお中元やお歳暮として贈答する例も増えている。ただし、返礼品だとわかってしまうため家族間や親しい間柄の贈り物に限定したほうが良さそうだ。

アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。
『ふるさと納税、医師はいくら寄付してる?』

(ケアネット 土井 舞子)