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101.

急性期統合失調症、24種の抗精神病薬をネットワークメタ解析/Lancet

 急性期統合失調症の薬物療法では、抗精神病薬の有効性には各薬剤間で臨床的に意義のある小~中の違いが存在し、忍容性はドパミンパーシャルアゴニストが全般的に良好で、新たな薬剤クラスのムスカリン受容体作動薬xanomeline-trospium(ドパミン受容体を主な標的としない初めての抗精神病薬[2024年にFDA承認])はドパミン拮抗薬にみられる有害作用を伴わないものの、コリン作動性および抗コリン作動性の有害事象を引き起こすことが、ドイツ・ミュンヘン工科大学のJohannes Schneider-Thoma氏らの調査で示された。研究の成果はLancet誌2026年2月28日号に掲載された。24種の抗精神病薬のネットワークメタ解析 研究グループは、急性期統合失調症に対する抗精神病薬の有効性と忍容性に関して、統計学的有意性だけでなく臨床的に重要な治療効果を重視した最新知見の提示を目的に、系統的レビューとネットワークメタ解析を実施した(ドイツ研究振興協会などの助成を受けた)。 対象とした抗精神病薬は、ドパミン受容体遮断薬を主とする23種と、ムスカリン受容体作動薬xanomeline-trospiumの24種の薬剤であった。医学関連データベースを用いて、2024年7月26日までに発表された、これらの薬剤に関する試験の論文を抽出した。適切な無作為化が行われた試験のみを解析に含めた。 主要アウトカムは、評価尺度で測定された統合失調症の全体的症状(有効性)とし、変量効果モデルを用いた頻度論的ネットワークメタ解析で分析した。副次アウトカムは、さらに32項目の有効性および忍容性のアウトカムで構成された。有効性はクロザピンが最も高い 438件の無作為化臨床試験を解析の対象とした。このうち388件(参加者7万8,193例[女性2万8,448例・36.4%、男性4万9,745例・63.6%]、年齢中央値37.28歳[四分位範囲:33.58~40.50]、二重盲検試験315件[81%])が、少なくとも1つのアウトカムについて使用可能なデータを提供した。5,117件の中国の試験が特定されたが、その多くで、著者が問い合わせに応答しなかったか、方法論上の懸念が報告されていたため、採用されたのは24件のみだった。 主要アウトカムに関して、256件の二重盲検試験(参加者5万8,948例)が使用可能なデータを提供した。 24種の抗精神病薬のすべてが、プラセボに比べ症状を軽減し、各薬剤の標準化平均差(SMD)は、クロザピンの-0.90(95%信頼区間[CI]:-1.03~-0.77)からlumateperoneの-0.23(95%CI:-0.39~-0.06)の範囲であった。 とくに、クロザピン、amisulpride(SMD:-0.68、95%CI:-0.81~-0.55)、オランザピン(-0.57、-0.62~-0.52)、リスペリドン(-0.53、-0.57~-0.48)は、他の3種以上の抗精神病薬より有効性が高かった。xanomeline-trospium(-0.57、-0.76~-0.37)の有効性は上位6番目だった。 また、23種の抗精神病薬のすべてが、プラセボに比べ陽性症状を軽減し(SMD:-0.90[95%CI:-1.06~-0.73]~-0.16[-0.67~0.34])、陰性症状も軽減した(-0.65[-0.95~-0.34]~-0.16[-0.27~-0.05])。体重増加が83%で 有害事象は、各薬剤で多岐にわたっていた。ドパミンパーシャルアゴニスト(アリピプラゾール、ブレクスピプラゾール、cariprazine)は、有効性では上位に含まれなかったが、全体としてドパミン拮抗薬よりも良好な忍容性を示した。 22種の抗精神病薬のうち12種(55%)で、コリン作動性有害事象のオッズがプラセボより高く、「非常に小さい」以上のオッズ比(OR)は、xanomeline-trospiumの4.11(95%CI:2.27~7.43)からスルピリドの1.27(0.40~4.02)の範囲であった。 また、24種の抗精神病薬のうち18種(75%)で、抗コリン作動性有害事象のオッズがプラセボより高く、ORはゾテピンの3.55(95%CI:1.31~9.66)からリスペリドンの1.28(1.03~1.59)の範囲であった。 プラセボと比較した体重増加は、23種の抗精神病薬のうち19種(83%)にみられ、平均差はゾテピンの3.21kg(95%CI:2.21~4.22)からペロスピロンの0.51kg(-1.36~2.39)の範囲だった。 著者は、「本研究で明らかとなった各種抗精神病薬の有効性の臨床的に意義のある違いについては、臨床ガイドラインにおいて、より強調し具体的に記述すべきであり、個別の薬剤選択の際には忍容性の重要な差異を考慮する必要がある」「今後の研究では、xanomeline-trospiumの有効性を確認するために、他の抗精神病薬との直接比較を行うべきである。また、統合失調症の初期段階におけるクロザピン使用に関する先進的な試験を実施し、アウトカムの改善や疾患の慢性化の予防効果を確立する必要がある」としている。

102.

日本における妊娠および授乳中のブレクスピプラゾール投与、その安全性を評価

 ブレクスピプラゾール(BPZ)は、本邦において2018年に承認された抗精神病薬であり、現在では統合失調症うつ病、アルツハイマー病に伴うアジテーションに対する適応を取得し、広く臨床応用されている薬剤である。しかし、BPZを使用している母親から生まれた乳児に対する授乳中の影響は、これまでよくわかっていなかった。東北大学の福田 朱理氏らは、授乳中の母親によるBPZ使用の安全性を評価した。Breastfeeding Medicine誌オンライン版2026年2月6日号の報告。 2018~23年、東北大学病院において3組の母子を評価した。各母親は、妊娠中および出産後1ヵ月以内の授乳期間中、BPZ単剤療法(1~2mg/日)を継続していた。母子の健康状態、ならびに新生児および乳児の離脱症状または有害事象に関するデータを診療記録から収集した。 主な結果は以下のとおり。・3例すべての新生児および乳児において、離脱症状および重篤な有害事象は認められなかった。・3例すべての新生児および乳児において、軽度の新生児黄疸および座瘡が認められたが、これらはBPZ使用とは無関係と判断された。・しかし、粉ミルクによる授乳が時折必要であったことから、BPZが乳汁分泌量を減少させた可能性が示唆された。 著者らは「授乳中のBPZ単剤療法(1~2mg/日)は、産後1ヵ月以内の新生児および乳児に離脱症状または重篤な有害事象を引き起こさないことが示唆された。この初期のエビデンスは、BPZ単剤療法を受けている母親の母乳育児に関する意思決定に役立つ可能性がある」と結論付けている。

103.

片頭痛に対するCGRP関連抗体薬、2年間の長期治療継続の有用性評価

 スペイン・バルセロナ自治大学のEdoardo Caronna氏らは、片頭痛におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)関連抗体の長期的有効性と治療持続性および2年間の治療継続に関連するベースライン特性を明らかにするため、プロスペクティブコホート観察多施設レジストリ研究を実施した。Neurology誌2026年2月24日号の報告。 治療期間が24ヵ月に到達した群(ON群)における1ヵ月当たりの頭痛日数(MHD)の変化をベースラインと比較した。6、12、18、24ヵ月の4つの時点における治療反応パターンを解析した。持続的効果の定義は、4つの時点のうち3つ以上でMHDが50%以上減少した場合とした。ON群と、効果不十分のため中止した群(OFF群)のベースライン特性を比較した。 主な結果は以下のとおり。・ON群の患者は1,340例(年齢中央値:48.0歳[範囲:41.0〜55.0歳]、女性:81.7%)。・ベースラインにおけるMHD中央値は20.0(13.0〜28.0)日であった。・24ヵ月到達時点でMHDが50%以上減少した患者の割合は60.4%(1,340例中809例)。・24ヵ月到達時点で持続的効果が認められた患者の割合は53.8%(264例中142例)。・ON群(1,340例)と比較しOFF群(1,057例)は、ベースラインのMHD(20.0[13.0〜28.0]vs.25.0[16.0〜28.0])が統計学的に有意に高く、片頭痛の前兆(16.2%vs.22.9%)、うつ病(22.8%vs.37.9%)、肥満(7.2%vs.19.1%)を有する患者の割合が高かった(各々、p<0.001)。 著者らは「CGRP関連抗体によるMHDは、2年間で持続的に減少した。治療開始の遅延、片頭痛の前兆、うつ病、肥満は、治療継続に悪影響を及ぼす可能性がある」とまとめている。

104.

歯や口の困りごとがうつ病と関係?日本人成人1.5万人を追跡調査

 メンタルヘルス対策は精神症状そのものに焦点が当てられてきた一方で、日常生活に身近な身体的要因との関連は十分に検討されてこなかった。そうした中、日本人成人約1万5,000人を1年間追跡した縦断研究により、歯や口の困りごとによって口腔関連QoL(OHRQoL)が低い人ほど、その後にうつ病が発症しやすいことが示された。研究は、岡山大学学術研究院医療開発領域の竹内倫子氏、学術研究院医歯薬学域予防歯科学分野の江國大輔氏、東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野の田淵貴大氏らによるもので、詳細は1月4日付で「Journal of Clinical Medicine」に掲載された。 うつ病は世界的に大きな疾病負担をもたらす精神疾患であり、その発症には年齢、社会的孤立、慢性疾患、生活習慣、QoLなど多様な要因が関与する。近年、歯の欠損や口腔痛、歯周病、OHRQoLとうつ病との関連も報告されているが、多くは横断研究にとどまり、因果関係は明らかでない。本研究は、うつ病のない成人を対象に、口腔の健康状態およびOHRQoLがその後のうつ病の発症と関連するかを縦断的に検討することを目的とした。 本研究では、2022年および2023年に実施された「Japan COVID-19 and Society Internet Survey(JACSIS調査)」のデータを用いて解析を行った。ベースライン時点でうつ病の自己申告がない20歳以上の参加者1万5,068人を解析対象とした。うつ病は、2回の調査間における自己申告に基づいて判定した。OHRQoLは、Oral Health Impact Profile(OHIP)の短縮版である日本語版OHIP-14を用いて評価した。口腔の健康状態については、歯の喪失、歯周病、口腔痛、過去1年間の歯科受診の状況により評価を行った。これらの要因とうつ病発症との関連について、社会人口学的要因および行動要因を調整したロジスティック回帰分析を用い、オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出した。 追跡調査の結果、1年後に218人(1.45%)が「うつ病がある」と回答した。「うつ病がある」と回答した群と、「うつ病がない」と回答した群の背景因子を単変量で比較したところ、歯科受診状況やOHRQoL(OHIP-14)、年齢、性別、社会経済状況、生活習慣に加え、孤独感、社会的孤立、生活満足度、睡眠薬・抗不安薬の使用など、多くの心理社会的要因に差が認められた。 次にこれらの因子を独立変数、うつ病発症を従属変数として二項ロジスティック回帰分析を行った。その結果、OHRQoLが低いほど、うつ病を発症するリスクが有意に高いことが示された(OR 1.02、95%CI 1.00~1.04、P=0.039)。このほか、年齢が若いこと(OR 0.97、95%CI 0.96~0.99、P<0.001)、趣味や文化活動への参加(あり:OR 2.22、95%CI 1.50~3.30、P<0.001)、睡眠薬または抗不安薬の常用(現在使用:OR 3.51、95%CI 2.27~5.44、P<0.001)、孤独感の増大(OR 1.22、95%CI 1.14~1.30、P<0.001)、生活満足度の低さ(OR 0.90、95%CI 0.84~0.97、P=0.005)、および自己評価による健康状態の不良(OR 2.92、95%CI 1.81~4.72、P<0.001)も、うつ病の発症と関連していた。 さらに構造方程式モデリングによる解析では、OHRQoLの低下が、その後のうつ病の発症と関連する過程において、孤独感や社会的孤立、生活満足度、主観的健康感といった心理社会的要因が重要な媒介役を果たしていることが示された。OHRQoLは、これらの要因を介した間接的な影響に加え、うつ病発症への直接的な影響も認められた。 著者らは、「うつ病を自己申告していなかった人を追跡した結果、口腔関連QoLが低い人ほど、その後にうつ病が発症しやすいことが示された。この関連は、年齢や生活習慣などの要因を考慮した後も認められ、さらに孤独感や社会的つながり、生活満足度といった心理社会的要因が、その関係の一部を仲介している可能性がある」と述べている。 なお、本研究は自己申告に基づくオンライン調査であり、未評価の交絡因子や追跡期間の短さといった制約があるため、うつ病の評価とOHRQoLとの関連については因果的解釈に注意が必要であるとしている。

105.

うつ病予防に有効な魚の摂取量は?

 韓国・慶熙大学のEunje Kim氏らは、魚類摂取とうつ病および妊娠関連うつ病のリスクとの関連性を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Nutrients誌2025年12月18日号の報告。 2023年11月まで公表された論文をPubMed、Embaseよりシステマティックに検索した。抽出された5,074件の論文のうち、35件の観察研究をメタ解析に含めた。ランダム効果モデルを用いて、効果推定値を相対リスク(RR)と対応する95%信頼区間(CI)として統合した。さらに、用量反応解析および層別サブグループ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・魚類摂取とうつ病リスクの間に有意な逆相関が認められた(RR:0.79、95%CI:0.73~0.86)。・妊娠関連うつ病についても同様の関連が認められた(RR:0.78、95%CI:0.69~0.89)。・層別解析では、魚類摂取量が68.4g/日以上の研究においてのみ、うつ病リスクが統計的に有意に低下することが示された(RR:0.75、95%CI:0.67~0.84)。・一方、魚類摂取量が少ない研究(68.4g/日未満)では有意な関連は認められなかった(RR:0.83、95%CI:0.69~1.01)。これは、閾値効果の可能性を示唆している。・さらに、用量反応解析では、魚類摂取量が15g/日増加するごとにうつ病リスクが6%低下することが示唆された。 著者らは「魚類摂取がうつ病予防のための調整可能な因子であること、そして68.4g/日以上を閾値とする可能性が示された。本結果は、食事ガイドラインや公衆衛生戦略への示唆となりうるであろう」としている。

106.

コーヒーは片頭痛のリスク因子か?

 コーヒー摂取と頭痛との関連性については、依然として議論が続いている。カフェインは、鎮痛作用と血管収縮作用を有しているが、過剰摂取は頭痛の有病率上昇と関連しているといわれている。台湾・高雄医学大学のPin-Rong Chen氏らは、台湾の大規模コホートにおいて、コーヒー摂取と頭痛の関連性を調査するため、横断研究を実施した。International Journal of Medical Sciences誌2026年1月1日号の報告。 台湾バイオバンクより30〜70歳の2万7,109例の参加者からデータを取得した。頭痛の状態とコーヒー摂取パターン(種類、頻度、1日当たりの摂取量など)は、構造化質問票を用いて評価した。関連性の評価には、多変量ロジスティック回帰モデルを用いた。 主な内容は以下のとおり。・参加者のうち、頭痛を訴えた例は19.7%であった。・コーヒーの摂取は、頭痛のオッズ比増加と有意な関連が認められた(オッズ比:1.21、95%信頼区間:1.14〜1.29、p<0.001)。・ブラックコーヒー、ノンデイリークリーマー入りコーヒー、ミルク入りコーヒーを含むすべての種類のコーヒーは、頭痛リスクの上昇と関連していた。・1日1杯、2杯、3杯以上のコーヒーの摂取も、頭痛のオッズ比増加と関連していた。・コーヒーの頻繁な摂取(毎日または毎週)は、頭痛のオッズ比増加と関連していたが、毎月の摂取は関連していなかった。・サブグループ解析では、65歳以上、糖尿病、高血圧、うつ病、アルコールや紅茶の摂取歴のある例において、コーヒーの摂取と頭痛の間に有意な関連は認められなかった。 著者らは「コーヒーの摂取量と頻度の両方が頭痛の発症率増加と関連していることが示唆された。とくに、頭痛を起こしやすい例にとっては、個別のカフェイン摂取の推奨が重要である」としている。

107.

日本における統合失調症、患者と介護者の負担は?

 統合失調症は重篤な精神疾患であり、臨床的、経済的、そして人道的に大きな影響を及ぼす。日本ベーリンガーインゲルハイムのFumiko Ono氏らは、日本における統合失調症患者と介護者への負担を評価するため、文献レビューを行った。Schizophrenia誌オンライン版2026年1月20日号の報告。 2013~23年のPubMed、医中誌、CiNii、J-STAGE、Cochraneデータベースおよび2018~23年の医師会、政府機関、患者団体からの補足資料から該当データを収集した。本レビューでは、統合失調症患者と介護者が経験する疫学、臨床管理、社会的、人道的、そして経済的負担に焦点を当てた。 主な内容は以下のとおり。・本レビューでは、156件の学術雑誌論文、73件の会議録、37件の追加データソースを特定した。・頻発する併存疾患として肥満、うつ病、2型糖尿病が注目されていた。・統合失調症における認知機能障害は、統合失調症簡易認知評価(BACS)によって評価され、zスコア-2.1で重度の機能障害を示した。・社会的孤立や退院後サポートの不足など、長期入院に関連する問題も報告されていた。・認知機能の改善、セルフケアの促進、地域社会との連携強化を目的とした介入が、早期再入院リスクを低下させる重要な因子として特定された。・介護者は、とくにプレゼンティーイズム(出勤しているが業務遂行能力が低下している状態)により、著しい生産性の低下を経験しており、年間約240万円の損失につながったと推定された。・さらに、統合失調症の包括的な負担に対処するための啓発キャンペーン、教育プログラム、多職種連携アプローチといった、関係者主導の取り組みが十分でないことが明らかとなった。 著者らは「日本における統合失調症の多面的な負担が明らかとなり、患者、介護者、医療従事者、政策立案者など多様な関係者が関与する、協調的かつエビデンスに基づいた対策の緊急の必要性が示唆された。統合失調症に伴う負担を軽減し、医療を改善するためには、必要な介入と関係者の関与とのギャップを埋めるためのさらなる研究が求められる」としている。

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中年日本人男性における就寝前の水分摂取が睡眠や抑うつ症状に及ぼす影響

 日中の適切な水分摂取はメンタルヘルスを向上させることが知られている。しかし、就寝中への影響はいまだ明らかになっていない。産業技術総合研究所の甲斐田 幸佐氏らは、就寝前の白湯摂取が睡眠パラメーターおよび抑うつ気分に及ぼす影響を明らかにするため、本研究を実施した。PLoS One誌2026年1月6日号の報告。 本研究は日本人2,000人を対象に、就寝前の水分摂取とうつ病自己評価尺度(CES-D)を用いて測定した抑うつ気分との関連を明らかにするため、質問票を用いて調査を行った(Study1)。また、就寝直前に280mLの白湯を摂取した場合と、就寝前2時間以上何も摂取しない場合の影響を比較した(Study2)。 主な内容は以下のとおり。・Study2の結果、就寝直前の白湯摂取は、翌朝の抑うつ気分を軽減し、レム睡眠潜時を延長させ、レム睡眠時間を短縮させることが示唆された。・しかし、白湯摂取は夜間頻尿の可能性を増加させた。 著者らは「メリットとデメリットのバランスを取ることは重要ではあるものの、就寝前に普通の水を飲む習慣は、主観的ウェルビーイングを高めるシンプルで効果的な手段である」としている。

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抗精神病薬誘発性体重増加に最も有効な介入は〜ネットワークメタ解析

 統合失調症は、思考、感情、行動に影響を及ぼす重篤な精神疾患であり、世界人口の0.32%が罹患していると報告されている。抗精神病薬による治療は統合失調症の症状管理に不可欠であるが、患者の約半数が体重増加を経験しており、治療アドヒアランスの低下やさらなる健康合併症につながる可能性がある。エジプト・Zagazig UniversityのMohamed Ezzat M. Mansour氏らは、抗精神病薬誘発性体重増加に対する薬理学的および非薬理学的介入の安全性および有効性を明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2025年12月24日号の報告。 本研究は、PRISMAステートメントに基づき実施した。公表された研究をPubMed、Scopus、Web of Science、Cochrane Libraryから2025年7月まで検索した。対象研究は、ランダム化プラセボ対照試験のみとした。身体測定値と安全性プロファイルに焦点を当て評価した。主要アウトカムは体重変化とし、副次的アウトカムはウエスト/ヒップ比、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径とした。 主な結果は以下のとおり。・55件(2,977例)の研究をメタ解析に含めた。・通常治療群と比較し、体重減少に最も効果的な治療法である可能性が高い上位3つの介入は、セマグルチド(平均差[MD]:-13.5、95%信頼区間[CI]:-17.3~-9.57)、メトホルミン+NutriEx(MD:-6.34、95%CI:-9.85~-2.9)、ニザチジン(MD:-5.46、95%CI:-7.77~-2.76)であった。・非薬理学的介入では、すべての介入において有意な体重減少が認められた(p<0.05)。 著者らは「体重増加とBMIの減少において、セマグルチドが最も効果的な治療法である可能性が高いことが明らかとなった。リラグルチドは、軽度の副作用との関連が認められた。非薬理学的アプローチにより焦点を当てた追加試験が今後求められる」としている。

110.

迷走神経刺激療法が治療抵抗性うつ病の症状を長期にわたり改善

 治療抵抗性うつ病は、埋め込み型デバイスによって脳と内臓を結ぶ迷走神経に電気刺激を送る迷走神経刺激療法(VNS)により改善する可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。このデバイスによる治療で症状の改善が認められた患者の約80%が2年後もその状態を維持し、さらに20%以上は、2年後には抑うつ症状がほぼ消失していたという。米ワシントン大学セントルイス校治療抵抗性気分障害センター所長のCharles Conway氏らによるこの研究結果は、「International Journal of Neuropsychopharmacology」に1月13日掲載された。研究グループによると、VNSは以前からうつ病治療に有望とされており、米食品医薬品局(FDA)は、てんかんおよびうつ病の治療としてVNSを承認済みである。 Conway氏は、「2年後に5人に1人の患者が実質的に寛解状態であったことには、われわれも驚いた。うつ病のような複雑な疾患でこうした結果が得られたことから、この治療法の将来には大きな希望を感じている」とニュースリリースで語っている。さらに同氏は、「重度の治療抵抗性うつ病を対象とした研究では、効果が長期的に持続することは非常にまれであり、まして2年後まで続く例などなかったことを考えると、今回の結果は極めて異例だ。症状が改善した患者が、その状態を維持しているのだ」と付け加えている。 今回の研究では、4種類以上の抗うつ薬による治療に反応しなかった中等度から重度のうつ病を有する成人患者214人(平均年齢55.2歳)を対象に、補助療法としてのVNSの効果が検討された。患者は、英国のLivaNova USA社が製造した「VNS Therapy System」と呼ばれる埋め込み型デバイスを装着し、盲検下で12カ月間、さらにオープンラベル条件下で12カ月間、VNSを受けた。研究グループは、治療から12カ月時点で、抑うつ症状(3種類の指標で評価)、日常生活機能、生活の質(QOL)、これら3領域を統合した三領域複合指標、および全般的改善度(CGI-I)の改善が、18カ月時点および24カ月時点でも維持されているのかを評価した。 その結果、12カ月時点で意味のある改善(少なくとも30%改善)以上を達成した対象者の割合は、指標ごとに差があり、最も低かったのは抑うつ状態の評価尺度の1つであるモンゴメリー・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)での43.6%、最も高かったのは三領域複合指標での80.0%であった。12カ月時点で意味のある改善を達成した対象者のうち、18カ月時点および24カ月時点でもその改善を維持していた割合は、18カ月時点で78.0〜89.2%、24カ月時点で79.2〜89.6%であった。7種類の指標を統合して見ると、12カ月時点で意味のある改善を達成した対象者のうち、その改善を維持していた割合の中央値は、18カ月時点で83.1%、24カ月時点で81.3%であった。 なお、研究グループによると、本研究の目的の一つは、米国メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)が、将来的なVNSの保険適用を判断するためのエビデンスを提供することだという。VNSは、現状では治療費が非常に高額であり、多くの患者にとって利用が難しい。CMSがこの治療をカバーすれば、多くの民間保険会社も追随すると研究グループは見ている。 Conway氏は、「この試験で対象とされた治療抵抗性うつ病患者の重症度は、過去の臨床試験の対象患者と比べてはるかに重症だと思われる。こうした患者には、現状では他に治療選択肢がないため、有効な治療法が切実に求められている。慢性的で重度の障害を伴うこのような疾患では、たとえ部分的な改善であってもそれが人生を大きく変える。今回、VNSによりその改善効果が持続することが示された」と述べている。

111.

6種類のSSRIの安全性プロファイル比較

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、現在のうつ病の薬物治療において中心的な薬剤であるが、実臨床における安全性プロファイルの比較に関しては、依然として情報が不足している。エビデンス不足は、臨床の意思決定や患者アウトカムに深刻な影響を及ぼす。中国・Bayer PharmaceuticalsのAdrian Chin Yan Chan氏らは、主要な6つのSSRIに関する安全性を分析するため、グローバルファーマコビジランス分析を実施した。Cureus誌2025年12月8日号の報告。 WHOの個別症例安全性報告データベースであるVigiBaseを用いて、主要な6つのSSRI(セルトラリン、fluoxetine、パロキセチン、citalopram、エスシタロプラム、フルボキサミン)に関する34万2,000件超の報告を含む包括的なファーマコビジランス分析を実施した。臨床的に関連する7つの安全性ドメイン(抗コリン作用、性機能障害、代謝作用、錐体外路症状、睡眠障害、離脱症候群、心伝導異常)について、情報成分(IC)値を用いた不均衡解析を実施した。 主な内容は以下のとおり。・各SSRI間で安全性プロファイルに有意な異質性が認められた。また、薬力学的特性と有害事象パターンの間には明らかな相関が認められた。・パロキセチンは、抗コリン作用、性機能障害、体重増加、離脱症候群の発生率が最も高かった。これは、ムスカリン性M1受容体への高い結合親和性(Ki:108nM)と相関していた。・citalopramは、心伝導異常の増加を示した。・fluoxetineは、錐体外路症状の増加を示した。・SSRIの半減期と離脱症候群の報告数との間に強い逆相関が認められた。 著者らは「本解析により、SSRIはそれぞれ異なる安全性プロファイルを示しており、それが薬力学的特性と相関していることが明らかとなった。この結果は、同クラスのSSRIを均質な治療薬群としてみなす従来の考え方に疑問を投げかけるものであった。これらの知見は、個々の患者のリスク因子に基づいた精密な処方アプローチを支持するものであり、エビデンスに基づいたSSRI選択のためのメカニズムに関する知見となりうる」と結論付けている。

112.

うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法、不安レベルにより有効性に違いはあるか

 うつ病患者でよくみられる不安症状は、治療反応の低下と関連している。ブレクスピプラゾールの8週間第IV相オープンラベル試験「ENGAGE試験」において、抗うつ薬への治療反応が不十分なうつ病患者に対するブレクスピプラゾール0.5~2mg/日補助療法により、ライフ・エンゲージメント、抑うつ症状、不安症状の改善が認められた。大塚カナダファーマシューティカルのFrancois Therrien氏らは、臨床的に関連するサブグループにおけるブレクスピプラゾール補助療法の有用性を、ベースライン不安レベル別に明らかにするため、ENGAGE試験の事後解析を実施した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2025年12月29日号の報告。 ベースラインの不安に関するサブグループは、7項目の全般性不安障害評価尺度(GAD-7)の総スコアに基づき、なし/軽度(10未満)、中等度(10~14)、重度(14超)に分類した。各サブグループにおいて、10項目の自己記入式うつ症状尺度(IDS-SR10)のライフ・エンゲージメントサブスケールスコア、IDS-SR総スコア、その他の有効性アウトカムの変化を評価した。安全性についても解析した。 主な結果は以下のとおり。・ブレクスピプラゾール補助療法を受けた患者120例のうち、ベースライン時点での不安症状が、なし/軽度は30例(25.0%)、中等度は43例(35.8%)、重度は47例(39.2%)であった。・IDS-SR10ライフ・エンゲージメントサブスケールスコアおよびIDS-SR総スコアは、ベースラインから8週目までの全サブグループにおいて改善が認められた(nominal p<0.001)。・その他の有効性エンドポイントについても改善が認められた(全サブグループでnominal p<0.05)。・治療下での有害事象の発現率は、76.7%(なし/軽度)、72.1%(中等度)、57.4%(重度)であった。・新たな安全性シグナルは認められなかった。 著者らは「ブレクスピプラゾール補助療法は、ベースラインの不安レベルにかかわらず、患者のライフ・エンゲージメントおよび抑うつ症状の8週間にわたる改善と関連していた。この観察結果は、不安症状の有無にかかわらず、うつ病患者の治療におけるブレクスピプラゾール補助療法の臨床的意思決定を支持している」としている。

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生成AIの使用頻度が高いほどうつや不安の重症度が高い

 生成AIの使用頻度が高いほどうつの重症度が高く、不安やイライラについても同様の傾向であったことが、米国成人における大規模インターネット調査でわかった。米国・マサチューセッツ総合病院のRoy H. Perlis氏らが生成AIの使用頻度と陰性感情症状との関連を調査した結果が、JAMA Network Open誌2026年1月2日号に掲載された。 本研究は、2025年4~5月に米国50州とコロンビア特別区で実施された18歳以上を対象としたインターネット調査のデータを使用した。参加者全員にAIの使用頻度を質問した(選択肢:「まったく使用しない」「1~2回」「月に1回程度」「週に1回程度」「週に複数回」「1日1回」「1日に複数回」)。陰性感情は、DSM-5の大うつ病性障害の個別の診断基準を含む9項目の患者健康質問票(PHQ-9)を用いて測定した。 主な結果は以下のとおり。・2万847人が参加し、平均年齢は47.3歳(SD:17.1)、女性が1万327人(49.5%)、男性が1万386人(49.8%)、ノンバイナリーが134人(0.6%)だった。・「1日1回」以上を選択した参加者は2,152人(10.3%)で、「1日1回」は1,053人(5.1%)、「1日に複数回」は1,099人(5.3%)だった。・「1日1回」以上使用している参加者のうち、1,033人(48.0%)が仕事、246人(11.4%)が学校、1,875人(87.1%)が個人利用目的で使用していると回答した。・重み付け回帰モデルでは、「1日1回」以上使用している参加者は、男性、若年成人、高学歴・高収入者、都市部在住者で有意に多かった。・社会人口統計学的に調整された回帰モデルにおいて、生成AIの使用頻度が高いほどうつ症状の重症度が高く(「1日1回」:β=1.08、95%信頼区間[CI]:0.55~1.62、「1日に複数回」:β=0.86、95%CI:0.35~1.37)、毎日使用する人は非使用者と比べ、中等度以上のうつ症状を報告する可能性が高かった(オッズ比:1.29、95%CI:1.15~1.46)。不安やイライラについても同様の傾向が観察された。・年齢別では、25~44歳(β=1.22、95%CI:0.70~1.74)または45~64歳(β=1.38、95%CI:0.72~2.05)でAI使用がうつ症状の悪化と有意に関連していた。

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アリピプラゾールLAIへの切り替えは患者満足度を向上させるのか?

 統合失調症は、治療アドヒアランスの低さを特徴とする慢性精神疾患であり、再発や機能低下につながることが少なくない。アリピプラゾール月1回投与(AOM)などの長期作用型注射剤(LAI)は、アドヒアランスを改善し、再発率を低下させることで、潜在的な解決策となる可能性がある。イタリア・University of ChietiのGianluca Mancusi氏らは、6ヵ月かけて標準治療の経口非定型抗精神病薬からAOMに切り替えた統合失調症患者における臨床的有効性、安全性、忍容性、患者満足度を評価した。Frontiers in Psychiatry誌2025年12月3日号の報告。 本研究は、非盲検単群ミラーイメージ試験として実施した。対象は、経口抗精神病薬による治療で少なくとも2ヵ月間症状が安定していた統合失調症成人患者40例。6ヵ月間の経口抗精神病薬治療期間をレトロスペクティブに評価した後、AOMへの切り替え後6ヵ月間、プロスペクティブにフォローアップ調査を実施した。臨床評価には、Investigator's Assessment Questionnaire(IAQ)、臨床全般印象度-重症度(CGI-S)、治療満足度アンケート(TSQM 1.4)を用いた。副作用は、自己申告および医師による評価ツールを用いてモニタリングした。 主な結果は以下のとおり。・最初のフォローアップ診察を完了した患者は25例。・IAQスコアは、経時的に統計的に有意な改善が認められ、全般的な臨床効果の向上が示された(6ヵ月時点:p=0.010)。・CGI-Sスコアも有意な低下が認められ、疾患重症度の低下を示した(6ヵ月時点:p<0.001)。・TSQMで測定した患者満足度は、3ヵ月および6ヵ月時点で有意な増加が認められた(p<0.001)。・AOMは忍容性が良好であり、体重増加、錐体外路症状、プロラクチン値に軽微な変化がみられたが、統計学的に有意な差は認められなかった。・とくに、陰性症状スコアの統計的に有意な改善が認められた(p=0.032)。・有害事象を報告した患者は5例(18%)であり、その多くが中等度で、治療中止には至らなかった。 著者らは「統合失調症患者における経口抗精神病薬からAOMへの切り替えは、臨床転帰、症状の重症度、治療満足度の有意な改善と関連しており、良好な安全性および忍容性プロファイルを示した。これらの知見は、早期統合失調症におけるAOMの使用を支持しており、長期的な服薬順守と機能回復を促進する可能性を示唆している。これらのベネフィットの持続性、再発予防、生活の質への影響を評価するには、さらに長期にわたる研究が求められる」としている。

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双極症におけるベネフィットを最大化させるアリピプラゾールLAI使用のタイミングは?

 双極症I型(BP-I)は、慢性かつ再発性の精神疾患であり、躁/軽躁状態およびうつ状態の両極端の気分スペクトルを交互に呈する特徴を有している。2015年、米国におけるBP-Iの推定年間総コストは2,000億ドルを超え、一般人口の約2.5倍に達した。これは主に急性期医療サービスの利用増加によるものであった。アリピプラゾールなどの長時間作用型注射剤(LAI)抗精神病薬が開発されたことにより、経口剤と比較して、治療順守に関する患者の負担を大幅に軽減し、一貫した投与量および治療成績の向上が可能となった。これまでのリアルワールドエビデンス研究では、統合失調症患者において、アリピプラゾール月1回注射剤(AOM)を早期に開始することによるベネフィットが示されている。しかし、BP-I患者集団における早期AOM開始の有効性は、いまだ不明であった。米国・大塚ファーマシューティカルD&CのShivanshu Awasthi氏らは、MarketScanメディケイドデータベースの請求データを用いたレトロスペクティブ解析により、リアルワールドにおけるBP-I成人患者に対するAOM 400mg(AOM 400)の有効性を診断後早期開始(180日未満)と遅延開始(365日超)の場合で比較した。Journal of Managed Care & Specialty Pharmacy誌2026年1月号の報告。 アウトカムは、1年間における救急外来、入院、外来、薬局の受診回数と関連コストとした。遅延開始者対照群として、早期、中期、遅延治療開始者における年間コストの比較には、一般化線形モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・BP-I患者866例(年齢中央値:36歳)のうち、早期開始群は161例、後期開始群は591例であった。・早期開始群は、後期開始群と比較し、救急外来受診(発症率比:0.76、95%信頼区間[CI]:0.61〜0.94)、外来薬局受診(発症率比:0.82、95%CI:0.73〜0.93)のリスクが有意に低かった。・早期開始群は、後期開始群と比較し、薬局受診コスト(1万8,787ドルvs.2万3,503ドル、p=0.03)および医療コスト(1万3,898ドルvs.1万8,277ドル、p=0.01)も低かった。・全体として、フォローアップ期間中の総医療コストは、早期開始群が後期開始群よりも大幅に低かった(3万1,086ドルvs.4万599ドル、p<0.001)。・早期開始群は、中期開始群と比較し、総医療コストが有意に低かった(3万1,086ドルvs.4万892ドル、p=0.01)。 著者らは「BP-I患者におけるAOM 400の早期開始は、後期開始と比較し、医療資源利用と関連コストの低減という大きなベネフィットをもたらす可能性がある」と結論付けている。

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うつ病予防に最適な睡眠時間が判明!

 睡眠時間とうつ病の関係は、公衆衛生上の重要な懸念事項である。中国・四川農業大学のHansen Li氏らは、米国成人における平日と週末の睡眠時間がうつ病の有病率とどのように関連しているかを調査した。International Journal of Behavioral Medicine誌オンライン版2025年12月19日号の報告。 対象は、パンデミック前の最新の米国国民健康栄養調査(NHANES)2017~20年3月より抽出された、20歳以上の成人4,089人。睡眠時間とうつ病指標との関連を調査するため、相関分析および非線形回帰分析を実施した。さらに、性別による差異の可能性を調査するため、性別ごとに層別化し、分析した。 主な結果は以下のとおり。・スピアマン相関係数および制限付き3次スプライン解析の結果、週末の睡眠時間はうつ病の有病率と相関していた。しかし、うつ病の総スコアやアノイアンスとは相関は認められなかった。・制限付き3次スプライン解析では、睡眠時間とうつ病の有病率、総スコア、アノイアンスとの間にU字型の関連が認められた。・うつ病の有病率の変曲点は、平日で約7.7時間、週末で約8.3時間であった。・睡眠時間中央値を基準とした期待オッズ比に基づくと、より良い睡眠時間は、平日7.5~7.8時間、週末8.0~8.7時間であると特定された。・この関連性には、男女差も認められた。 著者らは「本研究結果は、これまでの知見を裏付け、さらに発展させ、睡眠不足と睡眠過剰の両方がうつ病の有病率の上昇と関連していることを明らかにした。特定された睡眠時間は、性別によって若干の差異はあるものの、うつ病のリスク低減に役立つ可能性がある。また、今回の結果は、睡眠とメンタルヘルスの複雑な関係をさらに強調し、睡眠行動の週内変動にも注意を払う必要性があることを示唆している。これらの知見が、今後より洗練され、個別化されたメンタルヘルス促進戦略の開発に役立つ可能性がある」とまとめている。

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2月3日 不眠の日【今日は何の日?】

【2月3日 不眠の日】〔由来〕「不眠」について、記念日を通して不眠の改善の適切な情報発信を行うことを目的に「ふ(2)み(3)ん」(不眠)と読む語呂合わせから治療薬などの販売を行うエスエス製薬が制定した。また、同じ語呂合わせから毎月23日も「不眠の日」と制定。関連コンテンツ睡眠時無呼吸症候群アップデート【診療よろず相談TV】看護師の不眠に解決策!? シフト勤務に特化したデジタル認知行動療法の効果【論文から学ぶ看護の新常識】外来ベンゾジアゼピン減少戦略、入院中の不眠症治療標準化がポイント睡眠障害を有するうつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法の有効性眠気の正体とは?昼間の眠気は異常?/日本抗加齢医学会

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チルゼパチドは肥満症患者などの精神症状のリスクとならない

 肥満症の患者にチルゼパチドを処方した場合、何らかの精神症状を伴うのであろうか。このテーマについてアメリカのペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院精神医学科のThomas A. Wadden氏らの研究グループは、SURMOUNT試験の事後解析を行った。その結果、既往の精神症状のない過体重または肥満症患者にはチルゼパチドはうつなどのリスクと関連しないことがわかった。この結果は、Obesity誌2026年1月15日オンライン版に公開された。チルゼパチドの使用で精神疾患の有害事象はプラセボとおおむね同等 研究グループはチルゼパチドの臨床試験であるSURMOUNT試験1~3より既往の主要精神病理を伴わない肥満成人を対象に、チルゼパチド投与に伴う精神科的変化を事後解析で評価した。 方法としてプラセボ対照群と比較したチルゼパチド投与群(5/10/15mgまたは最大耐容量10/15mg)の4,056例について、抑うつ症状は患者健康質問票-9(PHQ-9)により、自殺念慮(SI)および自殺行動(SB)はコロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)により測定し、神経系および精神疾患の有害事象(AE)を収集した。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時のPHQ-9スコアの平均値(SD)は、チルゼパチド群で2.7(SD3.0)、プラセボ群で2.6(SD3.1)であり、うつ病の症状は皆無またはごくわずかだった。・72週時点のスコアは、チルゼパチド投与群で1.9(SD2.7)、プラセボ群で2.4(SD3.3)だった(推定治療差[SE]:-0.6[0.1])、p<0.001。・チルゼパチド投与群では、より重症なPHQ-9カテゴリーへの移行率が低かった(18.2%vs.24.3%、p<0.001)。・C-SSRSでは、各群の0.6%がSIを報告したが、そのほとんどは低リスクと評価された。・非致死性SBは、チルゼパチド投与群で0.1%、プラセボ群では0.0%に発生した。・AEは各群でおおむね同様だった。 研究グループは、この結果から「既往の主要精神病理を伴わない過体重または肥満症患者において、チルゼパチドはプラセボと比較し、うつ病リスクの増加と関連していないことが示唆された。チルゼパチド投与群で観察された自殺念慮/自殺行為の発生率は、他のインクレチン系治療薬と同程度だった。重篤な精神疾患を有する患者におけるチルゼパチドの安全性に関しては、さらなる研究が必要」と結論付けている。

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前立腺肥大症はうつ病および不安症のリスクと関連

 前立腺肥大症(BPH)はうつ病および不安症のリスク上昇と関連しており、うつ病に対する因果関係が遺伝的根拠によって支持されるとする研究結果が、「International Journal of Psychiatry in Clinical Practice」に11月5日掲載された。 中南大学湘雅第三医院(中国)のJinjing Guo氏らは、UKバイオバンクから得られた横断的・縦断的・遺伝的データを用いて、22万9,001人を対象にBPHとメンタルヘルスとの関連を検討した。ベースラインでの関連を評価したうえで、7年間追跡した5万1,805人および14.9年間追跡した17万1,228人における前向きリスク(ハザード)も評価した。因果関係の特定にはメンデルランダム化解析を用いた。 その結果、ベースラインにおいて、BPHはうつ病および不安症のオッズ上昇と関連していることが分かった(オッズ比はそれぞれ1.42、1.44)。前向きの追跡では、BPHは7年後のうつ病および不安症の発症を予測し(同1.41、1.48)、さらに14.9年間にわたるうつ病および不安症のリスク上昇とも関連した(ハザード比はそれぞれ1.38、1.45)。サブグループ解析では、特に60歳未満、就労中、高所得、身体活動が少ない層でBPHがうつ病および不安症のリスクを有意に上昇させることが示された。双方向メンデルランダム化解析では、BPHはうつ病の原因となることが示されたが(オッズ比1.003〔95%信頼区間1.000~1.006〕)、不安症には因果関係は認められず、むしろ不安症はBPHリスクをわずかに抑制することが示された(同0.998〔0.997~1.000〕)。 著者らは、「遺伝学的解析の結果は、BPHがうつ病に及ぼす因果的寄与はごくわずかであることを示唆しており、慎重に解釈されるべきである。これらの知見は、BPHの心理的負担に関する不確実性を解消するとともに、臨床管理においてメンタルヘルスのスクリーニングおよび支援を組み込むことの重要性を強調するものである」と述べている。

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うつ病から双極症への転換リスク比較、SSRI vs.SNRI

 抗うつ薬、とくに選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の使用に伴う単極性うつ病から双極症への診断転換リスクの潜在的比較については、依然として議論が続いている。韓国・翰林大学校Ka Hee Yoo氏らは、SSRIおよびSNRIの使用と診断転換リスクとの関連性を調査した。International Journal of Psychiatry in Clinical Practice誌オンライン版2025年12月14日号の報告。 国際標準規格であるObservational Medical Outcomes Partnership-Common Data Model(OMOP-CDM)韓国版を用いて、レトロスペクティブコホート研究を実施した。対象コホートは、SNRI使用患者で構成され、比較コホートはSSRI使用患者で構成した。主要アウトカムは、抗うつ薬投与開始6ヵ月以上経過後における双極症の新規診断とした。 主な結果は以下のとおり。・傾向スコア調整後、SSRI使用患者とSNRI使用患者との間で診断転換リスクに有意な差は認められなかった。・分散ネットワーク解析では、1:1傾向スコアマッチング(ハザード比[HR]:1.28、95%信頼区間[CI]:0.90〜1.82、I2=24.1%)および1:2傾向スコアマッチング(HR:1.16、95%CI:0.88〜1.53、I2=0%)のいずれにおいても、SNRI使用患者はSSRI使用患者と比較し、診断転換リスク上昇に有意な関連が認められなかった。 著者らは「本研究では、SSRI使用患者とSNRI使用患者との間で双極症への診断転換リスクに有意差は認められなかった」としている。

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