糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:153

1型糖尿病、コントロール良でも死亡リスク2倍/NEJM

 血糖コントロール(糖化ヘモグロビン値)6.9%以下であった1型糖尿病患者の全死因死亡/心血管系の原因による死亡は、適合一般集団の2倍であることが、スウェーデン・NU-Hospital OrganizationのMarcus Lind氏らによる検討の結果、明らかにされた。同国で1998年1月1日以降に登録された1型糖尿病患者(罹病期間 20.4年)を対象とした8.0年追跡した観察研究の結果で、同リスクは血糖コントロールが不良であったほど高く、9.7%以上の患者では全死因死亡は8.51倍、心血管系死亡は10.46倍であったという。これまで、1型糖尿病患者のレベル別血糖コントロールと全死因死亡/心血管系死亡との関連は明らかになっていなかった。NEJM誌2014年11月20日号掲載の報告より。

低用量アスピリンで心血管イベント一次予防せず~高リスク日本人高齢者/JAMA

 アテローム性動脈硬化症のリスク因子を持つ日本人高齢者への、1日1回低用量アスピリン投与について、心血管イベントの一次予防効果は認められないことが示された。早稲田大学特命教授の池田康夫氏らが、約1万5,000例について行った非盲検無作為化比較試験「JPPP試験」の結果、明らかになった。試験は、追跡期間中央値約5年の時点で中止されている。JAMA誌2014年11月17日号掲載の報告。

糖尿病患者へのルーチンCCTA、CADリスク低下せず/JAMA

 冠動脈疾患(CAD)について症状のない糖尿病患者(1型または2型)への、冠動脈CT血管造影(CCTA)によるルーチンのCADスクリーニングに疑問を呈する所見が報告された。スクリーニング実施群の全死亡や非致死的心筋梗塞発生などが、標準的な糖尿病治療群と比べて有意な減少に結び付かなかったという。米国・Intermountain Medical Center Heart InstituteのJoseph B. Muhlestein氏らが行った無作為化試験FACTOR-64の結果、示された。CADは糖尿病患者において心血管イベント発生や死亡の重大要因であるが、心筋梗塞や冠動脈系による死亡の前に症状がみられない頻度が高い。JAMA誌オンライン版2014年11月17日号掲載の報告。

Low Dose AspirinにNet Clinical Benefitはない! ~Negativeな結果、しかし、わが国にとってはPositiveな試験(解説:平山 篤志 氏)-282

 先日、シカゴで行われたAHAにて日本発の大規模臨床試験がLate Clinical Braking Trialで取り上げられた。高血圧、脂質異常症、あるいは糖尿病を持つ65~85歳の高齢者1万4464人を対象に、平均5年間のアスピリンの1次予防効果を検討した試験であった。オープンラベル試験ではあったが、データ解析がブラインドで行われ、1次エンドポイントである心血管死、脳梗塞、心筋梗塞の発症には差がなかったという結果であった。

糖尿病患者へのインフルエンザ予防接種、HbA1c値は抗体保有に影響するのか

 インフルエンザA(H1N1)pdm09ワクチンは、1回の接種で、糖尿病患者の免疫力を十分なレベルまで高めることができ、HbA1c値は抗体保有割合に悪影響を及ぼさないことが、大阪市立大学の江川 裕美氏らによる研究で明らかになった。ただし、高齢者やBMIが低い患者では、免疫応答が低下する可能性があるという。Human vaccines & immunotherapeutics誌2014年5月号の報告。

女性は男性より有害な心血管代謝プロファイルを示す―日本の糖尿病患者

 日本人の糖尿病患者は、男性よりも女性のほうが有害な心血管代謝プロファイルを示すことが、兵庫医科大学の若林 一郎氏による研究で明らかになった。日本の糖尿病女性は、男性よりも腹部肥満、高脈圧、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、メタボリックシンドロームの有病率が高いという。Journal of women's health誌オンライン版2014年11月14日号の報告。