糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:130

低脂肪vs.低炭水化物ダイエット、体重減効果は?/JAMA

 健康的低脂肪(HLF)ダイエットと健康的低炭水化物(HLC)ダイエットについて、12ヵ月後の体重減効果は同等であることが、米国・スタンフォード大学のChristopher D.Gardner氏らが、609例を対象に行った無作為化比較試験で示された。また遺伝子型やダイエット開始前のインスリン分泌能は、いずれの食事療法の体重減効果とも関連がみられなかったという。結果を踏まえて著者は、「疾病の素因と仮定される遺伝子型およびインスリン分泌能は、HLFとHLCのどちらが至適な食事療法かを識別するのには役立たないようだ」とまとめている。JAMA誌2018年2月20日号掲載の報告。

慢性疾患でがん罹患・死亡リスクが大幅増/BMJ

 糖尿病などの慢性疾患への既往や、血圧・コレステロールといった心血管疾患などのマーカーの異常は、がん罹患リスク、がん死亡リスクの増大と関連することが明らかにされた。慢性疾患は、がん罹患の5分の1以上を、がん死亡の3分の1以上を占めることも示された。一方でこうした慢性疾患に関連したがんリスクは、適度な運動により、40%近く低下することも示されたという。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのHuakang Tu氏らが、40万例超を対象に行った前向きコホート試験の結果で、BMJ誌2018年1月31日号で発表された。

カナグリフロジン、心不全入院を低下も心血管系入院は同等/BMJ

 2型糖尿病の治療において、SGLT2阻害薬カナグリフロジンは、クラスが異なる他の3つの経口薬(DPP-4阻害薬[DPP-4i]、GLP-1受容体作動薬[GLP-1RA]、スルホニル尿素[SU]薬)と比べて、心不全による入院リスクは30~49%低いことが、また急性心筋梗塞/脳卒中による入院リスクは同程度であることが示された。米国・ハーバード大学医学大学院のElisabetta Patorno氏らが、大規模な住民ベースの後ろ向きコホート試験を行い明らかにしたもので、BMJ誌2018年2月6日号で発表した。これまで、カナグリフロジンの心血管安全性を評価した「CANVAS試験」などの結果において、同薬は心不全による入院リスクの低減効果を示しており、今回3種の糖尿病治療薬と直接比較を行うことで、その効果が確認された。

敗血症性ショックに対するグルココルチコイドの投与:長い議論の転機となるか(解説:吉田 敦 氏)-813

敗血症性ショックにおいてグルココルチコイドの投与が有効であるかについては、長い間議論が続いてきた。グルココルチコイドの種類・量・投与法のみならず、何をもって有効とするかなど、介入と評価法についてもばらつきがあり、一方でこのような重症病態での副腎機能の評価について限界があったことも根底にある。今回大規模なランダム化比較試験が行われ、その結果が報告された。

座りっぱなしの人の糖尿病対策あれこれ

 2018年1月23日、日本イーライリリー株式会社と日本交通株式会社は、共同で「ライフスタイルに合わせた糖尿病の治療と対策セミナー」を都内において開催した。セミナーには、糖尿病患者、糖尿病予備群、健康に興味がある日本交通株式会社のタクシードライバーが参加。医師、管理栄養士、フィジカルトレーナーの3人の専門家から糖尿病診療と対策についてレクチャーを受けた。

重症肥満への外科治療、そのリスクとベネフィット/JAMA

 肥満外科手術を受けた重症肥満患者は、内科的治療を受けた患者と比較すると臨床的に重大な合併症リスク増大と関連しているが、その半面、肥満関連の併存疾患のリスクが低いことが明らかにされた。ノルウェー・Vestfold Hospital TrustのGunn Signe Jakobsen氏らが中央値6.5年間追跡したコホート研究の結果で、JAMA誌2018年1月16日号で発表された。これまで、両者の有益なアウトカムおよび有害なアウトカムとの関連は、明らかにされていなかった。結果を踏まえて著者は、「臨床決定プロセスにおいて、合併症リスクは考慮されなければならない」とまとめている。

高齢者のスタチン非順守に関連する因子~メタ分析

 高齢者のスタチン服用における非順守や中断には、非白人、喫煙、低収入、高い患者負担金、1次予防などが関連することを、オーストラリア・Monash大学のRichard Ofori-Asensoらが報告した。著者らは「金銭的・社会的バリア、疾患リスクに関する患者の認識、ポリファーマシーなど、潜在的に修正可能な因子を対象とした介入によって、高齢者のスタチン服用を改善する可能性がある」としている。The Journals of Gerontology誌Series Aオンライン版2018年1月19日号に掲載。

肥満DM患者に胃バイパス手術を加える必要性は?/JAMA

 肥満を伴う2型糖尿病患者に対して、生活習慣介入に力点を置いた医学的管理のみを行った場合と比べて、ルーワイ胃バイパス術を併用したほうが、5年追跡時点の糖尿病の3つの評価項目(HbA1c、脂質、収縮期血圧)は、有意に良好さを維持していたことが示された。米国・ミネソタ大学のSayeed Ikramuddin氏らが、2つの無作為化試験「Diabetes Prevention Program」と「LookAHEAD試験」(それぞれ介入期間は2年)の被験者の観察フォローアップの延長試験の結果、報告した。ルーワイ胃バイパス術は、糖尿病をターゲットとした治療として有効性が確立しているが、効果の持続性については明らかになっていなかった。JAMA誌2018年1月16日号掲載の報告。

糖尿病になりやすい民族…(解説:吉岡成人 氏)-806

糖尿病の発症リスクには人種間差があり、コホート研究では、白人に比べアジア人やヒスパニック、黒人で糖尿病の発症率が高いことが知られている。また、中年女性を対象とした米国におけるNurses’ Health Study(NHS)では、18歳以降の5kgの体重増加に伴う糖尿病の発症リスク(相対リスク)について、白人が1.37であるのに対し、黒人1.38、ヒスパニック1.44、アジア人では1.84と、アジア人はわずかな体重増加でも糖尿病を発症しやすいことが報告されている(Shai I, et al. Diabetes Care. 2006;29:1585-1590.PMID: 16801583)。