糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:129

肥満遺伝子は減量介入の効果に影響するのか/BMJ

 脂肪量および肥満関連(fat mass and obesity associated:FTO)遺伝子のマイナーアレルは、生活様式の変容や薬剤による減量介入の効果に影響を及ぼさないことが、英国・ニューカッスル大学のKatherine M Livingstone氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2016年9月20日号に掲載された。肥満は公的医療の主要な負担であり、有病率は世界的に増加している。FTO遺伝子ホモ接合体(rs9939609)のマイナーアレルは、肥満のリスク増加と関連することが報告されている。

食事・身体活動を監視する装着型デバイス、減量効果は?/JAMA

 肥満者の減量法として、標準的な生活様式への行動療法的介入に、食事や身体活動を監視してフィードバックを提供する装着型デバイス(wearable device)を加えても、減量効果はむしろ低下することが、米国・ピッツバーグ大学のJohn M Jakicic氏らが行ったIDEA試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2016年9月20日号に掲載された。食事療法や身体活動を強化する介入の短期的な減量効果が確認され、この効果の長期的な維持が課題とされる。標準的な介入への装着型デバイスの追加により、長期的な減量効果が改善する可能性が示唆されている。

2型糖尿病患者、若いほどGERDが多い

 日本人の2型糖尿病患者において、プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2受容体拮抗薬(H2RA)の使用に関係なく、若年が独立して胃食道逆流症(GERD)に関連する可能性が示唆された。愛媛県内の関連病院による多施設共同研究である道後Studyにおける解析を愛媛大学の池田 宜央氏らが報告した。Digestive diseases and sciences誌オンライン版2016年9月22日号に掲載。

週1回の新規GLP-1受容体作動薬、心血管リスクを低下/NEJM

 心血管リスクが高い2型糖尿病患者において、プラセボと比較しsemaglutideの投与により心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中の発生リスクが26%有意に低下し、プラセボに対するsemaglutideの非劣性が確認された。米国・Research Medical CenterのSteven P. Marso氏らが「SUSTAIN-6試験」の結果、報告した。規制ガイダンスの規定によりすべての新規糖尿病治療薬は心血管系への安全性を立証する必要があるが、約1週間という長い半減期を持つGLP-1受容体作動薬semaglutideの心血管への影響はこれまで不明であった。NEJM誌オンライン版2016年9月15日号掲載の報告。

妊娠糖尿病の診断、至適な血糖値とは?/BMJ

 妊婦では、血糖値の上昇に応じて臨床的に重要な周産期の有害なアウトカムのリスクが全般的に増加するが、このリスク増大の明確な閾値はみられないことが、英国・ブラッドフォード健康研究所のDiane Farrar氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2016年9月13日号に掲載された。妊娠糖尿病では、有害な周産期アウトカムが拡大するリスクが増大し、母子の長期的な健康に影響を及ぼす可能性がある。治療により、これらのアウトカムのリスクは軽減するが、妊娠糖尿病を定義する至適な血糖値の閾値は明らかにされていないという。

新規センサー式血糖測定器、1型糖尿病の低血糖時間を短縮/Lancet

 コントロール良好な1型糖尿病患者について、新たなセンサー式の速報型血糖モニタリング(flash glucose-monitoring)システム「Freestyle Libre」を用いることによって、使用開始前と比べて1日の低血糖時間が約1.4時間短縮できることが示された。既存のセルフモニタリングシステムと比べて、同時間短縮の差は1.24時間あったという。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のJan Bolinder氏らが、多施設共同無作為化対照非盲検試験の結果、明らかにし、Lancet誌オンライン版2016年9月12日号で発表した。

ピオグリタゾンと膀胱がんの関連はいかに…(解説:吉岡 成人 氏)-589

2016年3月末、英国のプライマリケアのデータベースを利用して、14万5,806例の新たに治療を開始した2型糖尿病患者を解析したデータにおいて、ピオグリタゾン投与群ではそれ以外の薬剤治療群と比較してハザード比で1.63(95%信頼区間:1.22~2.19)倍、膀胱がんの発症が多いことがBritish Medical Journal誌に報告された。