糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

エスプレッソコーヒー、男性が飲むとコレステロール値が上がる?

 「コーヒーは身体に良い」という論文報告が散見されるも、コーヒー豆に含まれるジテルペン(とくにカフェストール、カーウェオール)が血清コレステロールを上昇させてしまうという報告もある。だが、このジテルペンの影響はコーヒーの抽出方法によって異なる。そこで今回、ノルウェー・トロムソ大学のAsne Lirhus Svatun氏らがコーヒーの抽出方法、なかでも研究数の少ないエスプレッソコーヒー(短時間で高圧抽出)と血清総コレステロール(S-TC:serum cholesterol)との関連性を調査した。その結果、エスプレッソコーヒーの消費量は、S-TCの増加と関連しており、女性と比較して男性のほうが有意に強い関連が示された。また、ボイルド/プランジャーコーヒー摂取の場合は男女ともにS-TCが増加し以前の研究で示された結果と同様だったが、フィルターろ過コーヒーに至っては女性でS-TCがわずかに増加したことが示された。Open Heart誌4月号掲載の報告。  研究者らは、ノルウェー北部で行われた横断研究であるトロムソ研究第7回調査(n=2万1,083、40歳以上[平均年齢:56.4歳])の人口データを使用。多変量線形回帰モデルを使用して、エスプレッソコーヒーの消費量とS-TCの関連を調査し、性別とコーヒー消費量の関連などを評価した。

新型コロナ感染者、糖尿病リスクが高まる

 COVID-19罹患後にさまざまな疾患にかかりやすくなる可能性が示唆されているが、それに糖尿病が加わる可能性がある。米国・VAセントルイス・ヘルスケアシステムのYan Xie氏らによるコホート研究の結果が、The Lancet Diabetes & Endocrinology誌2022年5月号に掲載された。  本研究では、米国退役軍人省の全国データベースを用いて、2020年3月1日~2021年9月30日にCOVID-19検査で陽性となり、その後30日間生存した群(COVID-19群)18万1,280例、同じ期間に登録した対照群(411万8,441例)、2018年3月1日~2019年9月30日に登録した過去対照群(428万6,911例)からコホートを構成した。どちらの対照群も、SARS-CoV-2感染は認められなかった。

健康的な植物性食品により糖尿病リスク低下―メタボロミクス解析

 生体内の代謝産物を網羅的に解析する、メタボロミクスという手法による研究から、健康的な植物性食品ベースの食事スタイルが糖尿病発症リスクを抑制することが明らかになった。米ハーバードT. H.チャン公衆衛生大学院のFrank Hu氏らによる研究で、詳細は「Diabetologia」に4月8日掲載された。  これまでの疫学研究から、健康的とされる植物性食品主体の食生活が、2型糖尿病発症リスクの低さと関連することが示されている。ただし、食習慣を反映すると考えられる血液中の代謝産物プロファイルから、その関係を解析した研究はまだ十分に行われていない。Hu氏らは、米国で行われている3件の大規模疫学研究のデータを統合し、この点を検討した。

医師の会食・飲み会参加について、医師1,000人の意見

 医師の会食参加について、ニュースで取り上げられる時もあるが、医師自身はどのように捉えているのだろうか。今回、会員医師1,000人に、最近の会食への参加状況と感染対策について意見を聞いた。  「直近1ヵ月で、3人以上の会食(同居家族を除く)に参加した回数をお教えください」という問いに対し「0回」と回答したのは、飲酒を伴わない会食で806人(81%)、飲酒を伴う会食で757人(76%)であり、どちらも「0回」と答えた医師は全体の68%だった。会食への参加が1回以上と回答した医師のうち、1~2回参加した人は飲酒を伴うかどうかにかかわらず75%を超え、3回以上参加した医師は少数だった。

脳内の「小さな」善玉コレステロールがアルツハイマー病を防ぐ?

 粒子サイズの小さい高比重リポ蛋白(HDL)が、脳脊髄液中に多く存在していると、アルツハイマー病のリスクが低下する可能性を示した論文が、「Alzheimer's & Dementia: The Journal of the Alzheimer's Association」に4月13日掲載された。上席著者である米南カリフォルニア大学(USC)ケック医学校のHussein Yassine氏は、「脳内の小粒子HDLをカウントしたのは本研究が初めて」と述べている。  HDLは、いわゆる“善玉コレステロール”と呼ばれるHDL-Cを運搬するためのリポ蛋白。HDL-Cの値が高いことは動脈硬化のリスクが低いことと関連しており、さらに認知機能の高さとも関連する可能性を指摘した研究報告もある。しかし、認知機能についての研究の結果は一貫性がなく、メタ解析では両者の関連は示されなかった。これに対してYassine氏らは、HDLの粒子サイズの違いに着目。脳脊髄液や血液中の小粒子HDLを計測し、認知機能との関連を検討した。

地中海食、心血管イベントの2次予防にも有用/Lancet

 心血管イベントの2次予防において、地中海食は低脂肪食よりも優れていることが、スペインのレイナ・ソフィア大学病院で実施された単施設の無作為化臨床試験「CORDIOPREV試験」で示された。同病院のJavier Delgado-Lista氏らが報告した。地中海食は心血管イベントの1次予防に有効であることが知られているが、2次予防に関するエビデンスは乏しかった。著者は、「今回の結果は、臨床診療に関連しており、2次予防における地中海食の摂取を支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2022年5月4日号掲載の報告。

PCSK9阻害薬、エゼチミブは心血管リスクを低減/BMJ

 エゼチミブまたはPCSK9阻害薬は、忍容最大用量のスタチン投与中あるいはスタチン不忍容の、心血管リスクがきわめて高い/高い成人において、非致死的な心筋梗塞(MI)および脳卒中を抑制可能なことが示された。同リスクが中程度および低い患者では認められないという。米国・Houston Methodist DeBakey Heart & Vascular CenterのSafi U. Khan氏らがシステマティックレビューとネットワークメタ解析の結果を報告した。BMJ誌2022年5月4日号掲載の報告。

時間限定カロリー制限食は単純カロリー制限食の体重減少効果を越える効果を持つか否かはなはだ疑問である!―(解説:島田俊夫氏)

現代社会は食生活に関して利便性を重視し、食事の内容(質・量)に関しては無関心になっているのでは? このため外食産業が繁栄し、私たちは食事の質よりも利便性をますます重視する傾向が強くなっている。本質に立ち返り、私たちが生きていくためにはエネルギーが必要でそのソースを食物に依存していることを忘れてはいけない。NEJM誌2022年4月21日号掲載の中国の南方医科大学のDeying Liu氏等の論文は139人中118人(84.9%)が受診ノルマを達成した肥満者をランダムに2群に分け、単純カロリー制限食群と(食事時間限定+カロリー制限)食群の2群に分類し、12ヵ月の経過から腹囲、BMI、体脂肪、除脂肪体重、血圧、代謝危険因子等についてベースラインデータと12ヵ月後の各データとの群内差および群間差を比較した結果を報告した。研究の狙いは単純食事カロリー制限食群と(食事時間限定+カロリー制限)食群との間で介入方法に基づく差があるか否かを標的とした研究である。結果は概ね同等で両群間に有意差を認めなかった。もちろん食事制限による減量効果は両群でほぼ同等に認められた。また、副作用についても両群間に差は認められなかった。

毎日のコーヒーは心臓の健康と長生きをもたらす?

 毎日の2〜3杯のコーヒー摂取は、心疾患や危険な心拍リズム(不整脈)のリスク低下だけでなく、長生きとも関連することが、3件の研究から明らかにされた。この傾向は、心血管疾患の有無にかかわりなく認められたという。アルフレッド病院およびベーカー心臓・糖尿病研究所(オーストラリア)のPeter Kistler氏らによるこの研究結果は、米国心臓病学会年次学術集会(ACC.22、4月2〜4日、米ワシントン/オンライン開催)で報告される予定。  1件目の研究は、UKバイオバンクのデータを用いて、心疾患の既往のない38万2,535人の男女を10年間追跡し、コーヒー摂取と心疾患や脳卒中発症との関連を検討したもの。対象者の平均年齢は57歳で、その半数が女性だった。毎日のコーヒー摂取量については質問票の回答を基に、0杯、1杯未満、1杯、2〜3杯、4〜5杯、5杯超の6群に分類された。その結果、コーヒー摂取のベネフィットが最も大きかったのは1日に2〜3杯の摂取で、冠動脈疾患、心不全、不整脈、全死亡のリスクが10〜15%低下することが明らかになった。また、脳卒中や心臓関連死のリスクが最も低かったのは、コーヒーを1日に1杯摂取している人だった。

オンライン診療入門~導入の手引き~第1版を公表/日医

 日本医師会・長島 公之常任理事が、『オンライン診療入門~導入の手引き~』作成について定例記者会見で報告した。本手引きは、かかりつけ患者に情報通信機器を用いたオンライン診療の実施を検討している医師を対象に必要な情報をとりまとめたもので、今後現場の意見などを踏まえ、適宜更新される予定。関連情報は日本医師会ホームページにまとめられている。  長島氏は、「オンライン診療は、地域で患者さんに寄り添うかかりつけ医が、必要に応じて対面診療と適切に組み合わせて行うことで、患者さんの安全性と利便性を向上させることができる」と日医としての考えを述べた。