循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:289

深部静脈血栓症後の弾性ストッキング、2年以上が理想的/BMJ

 近位深部静脈血栓症(DVT)患者に対する弾性ストッキングによる圧迫療法(ECS)は、2年以上が理想的であることが示された。オランダ・ユトレヒト大学のG C Mol氏らが多施設単盲検非劣性無作為化試験OCTAVIAの結果、報告した。1年治療群の2年治療群に対する非劣性が認められなかったという。ECSはDVT患者の血栓後症候群予防のために用いられるが、至適期間は明らかではない。現行ガイドラインでは、24ヵ月間の使用としているが、最近の試験で、この現行戦略に疑問符を呈し、より短期間とする提案がなされていた。BMJ誌オンライン版2016年5月31日号掲載の報告。

急性内科疾患への長期抗血栓療法は有効?/NEJM

 Dダイマー高値の急性内科疾患患者に対し、経口抗Xa薬のbetrixaban長期投与とエノキサパリン標準投与について比較検討した結果、有効性に関する有意差は認められなかった。英国キングス・カレッジ・ロンドンのAlexander T. Cohen氏らが国際多施設共同二重盲検ダブルダミー無作為化試験「APEX」の結果、報告した。急性内科疾患患者は、静脈血栓症(VT)の長期的リスクを有するが、抗血栓療法の適切な継続期間については明らかになっていない。NEJM誌オンライン版2016年5月27日号掲載の報告。

女性の片頭痛は心血管疾患のリスク因子/BMJ

 女性においては、片頭痛は心血管疾患の重要なリスク因子と考えるべきであるという。ドイツ・ベルリン大学附属シャリテ病院のTobias Kurth氏らが、20年以上追跡した前向きコホート研究の米国看護師健康調査II(Nurses' Health Study II:NHS II)のデータを解析し、片頭痛と心血管イベントとの間に一貫した関連が認められたことを踏まえて報告した。片頭痛は虚血性脳卒中のリスク増加と関連していることは知られていたが、冠動脈イベントや心血管死との関連はほとんど示されていなかった。著者は、「今後、片頭痛患者の将来の心血管疾患リスクを低下させる予防的戦略を明らかにするため、さらなる研究が必要である」とまとめている。BMJ誌オンライン版2016年5月31日号掲載の報告。

抗凝固薬選択のためのリスク予測モデルを開発/BMJ

 無作為化試験でダビガトランまたはワルファリン治療を受ける人の血栓塞栓症の推定発生率は、ルーチンケアを受ける人で観察された発生率と近接しており、一方、重大出血の発生率は、過小に評価していることが、米国ハーバード・メディカル・スクールのShirley V Wang氏らが2万1,934例のデータを解析し、報告した。心房細動患者における血栓塞栓症や重大出血のリスクについては、CHADS2やHAS-BLEDという確立されたリスクスコアがあり、ベースラインでのリスク推定、および抗凝固薬治療の導入ガイドとして用いられている。しかし、これらのスコアでは、抗凝固薬の選択肢は不明である。一方で、最近の無作為化試験により、ダビガトランまたはワルファリン治療下での血栓塞栓症および重大出血の推定リスクが示されており、研究グループは、それらのデータを統合解析することで、新たなリスクモデルの開発を試みた。BMJ誌オンライン版2016年5月24日号掲載の報告。

日本人の死因の約6割を占めるNCD関連疾患、改善のカギは…

 不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒…。これらは、さまざまな疾患の入り口になりうる悪しき生活習慣だが、その改善により予防可能な疾患の総称であるNCD(non-communicable diseases、WHOの定義では「非感染性疾患」)への関心が世界的に高まっている。5月31日、NCD関連疾患の啓発や情報提供を行っている塩野義製薬株式会社が、国内のNCD関連疾患患者を対象にした実態調査の結果をまとめた。同日のセミナーに登壇した寺本 民生氏(帝京大学臨床研究センター)は、患者自身の疾患や治療に関するリテラシーの低さを指摘し、「前向きな治療意識と生活満足度が疾患コントロール意識と密接につながっている。医療従事者や家族、地域コミュニティの関わりなども含めたトータルケアが重要」と述べた。