呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:67

既治療のEGFR陽性扁平上皮NSCLCに対するsintilimab+ベバシズマブ+化学療法の有用性(ORIENT-31)/ESMO2022

 EGFR-TKI治療歴のあるEGFR陽性の扁平上皮非小細胞肺がん(Sq NSCLC)患者に対して、抗PD-1抗体sintilimab、ベバシズマブバイオシミラー、化学療法の併用療法は化学療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を延長した。第III相試験ORIENT-31の第2回中間解析結果として、中国・上海交通大学のShun Lu氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO2022)で報告した。 ・対象: EGFR-TKI治療歴のあるEGFR陽性のSq NSCLC患者 ・試験群(1):sintilimab+IBI305(ベバシズマブバイオシミラー)+ペメトレキセド+シスプラチン(158例) ・試験群(2):sintilimab+ペメトレキセド+シスプラチン(158例) ・対照群:ペメトレキセド+シスプラチン(160例) ・評価項目: [主要評価項目]PFS [副次評価項目]客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、奏効期間(DoR)

コロナ陽性判定後の鼻洗浄で重症化リスクが1/8に!?

 新型コロナウイルスの陽性判定後であっても、1日2回の鼻洗浄によって入院や死亡のリスクが低減することが、米国・Augusta UniversityのAmy L Baxter氏らにより報告された。新型コロナウイルスはACE2受容体に結合して細胞内に侵入することが知られているが、ACE2受容体にまだ結合していないウイルスを洗い流すことで、重症化を防ぐことができる可能性がある。Ear, Nose & Throat誌オンライン版2022年8月25日掲載の報告。  解析対象は、2020年9月24日~12月21日に実施された新型コロナウイルスのPCR検査で陽性となり、24時間以内に登録された55歳以上のハイリスク患者79例。平均年齢63.7±8.34歳、女性が36例(45.6%)、非ヒスパニック系白人が56例(70.9%)、平均BMIが30.3±6.75であった。

遺族にNGな声かけとは…「遺族ケアガイドライン」発刊

 2022年6月、日本サイコオンコロジー学会と日本がんサポーティブケア学会の合同編集により「遺族ケアガイドライン」が発刊された。本ガイドラインには“がん等の身体疾患によって重要他者を失った遺族が経験する精神心理的苦痛の診療とケアに関するガイドライン”とあるが、がんにかかわらず死別を経験した誰もが必要とするケアについて書かれているため、ぜひ医療者も自身の経験を照らし合わせながら、自分ごととして読んでほしい一冊である。  だが、本邦初となるこのガイドラインをどのように読み解けばいいのか、非専門医にとっては難しい。そこで、なぜこのガイドラインが必要なのか、とくに読んでおくべき項目や臨床での実践の仕方などを伺うため、日本サイコオンコロジー学会ガイドライン策定委員会の遺族ケア小委員会委員長を務めた松岡 弘道氏(国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科/支持療法開発センター)を取材した。

新型コロナワクチンの効果、減弱してもブースター接種で再び回復

 米国では現在、オミクロン株が標的に含まれる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の改良型ワクチンのブースター接種(追加接種)が行われている。こうした中、この接種のタイミングが適切であることを示した研究結果を、米オハイオ州立大学のShan-Lu Liu氏らが、「The New England Journal of Medicine」に9月7日報告した。  米食品医薬品局(FDA)は8月下旬、モデルナ社製とファイザー社製の新たな新型コロナウイルスワクチン(オミクロン株対応2価ワクチン)をブースター接種に使用することを承認した。これを受け、米国ではこれらのワクチンを9月から接種できるようになった。新たなブースター接種用ワクチンは、従来型の新型コロナウイルスに加えてオミクロン株に対しても防御効果を発揮するように設計されている。

ファイザーのBA.4/5対応2価ワクチン、6ヵ月~4歳用1価ワクチン承認/厚生労働省

 厚生労働省は10月5日、ファイザーのオミクロン株BA.4/5に対応した追加接種用の新型コロナウイルス2価ワクチンについて承認事項の一部変更の特例承認をしたこと、および同社の生後6ヵ月~4歳用の新型コロナウイルス1価ワクチンを特例承認したことを発表した。  接種対象者が12歳以上であるオミクロン株BA.4/5対応の2価ワクチンの販売名は「コミナティRTU筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.4-5)」となる。

コロナ診断1週目のリスク、心筋梗塞17倍・脳梗塞23倍/Circulation

 英国・国民保健サービス(National Health Service:NHS)のデータに基づき、ブリストル大学のRochelle Knight氏ら多施設共同による、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患後の動脈血栓塞栓症、静脈血栓塞栓症、およびその他の血管イベントの長期的な発生リスクについて大規模な後ろ向きコホート研究が実施された。その結果、COVID-19の既往がある人は既往がない人と比較して、COVID-19診断から1週目の動脈血栓塞栓症の発症リスクは21.7倍、静脈血栓塞栓症の発症リスクは33.2倍と非常に高く、27〜49週目でも、それぞれ1.34倍、1.80倍のリスクがあることが判明した。とくに患者数の多かった急性心筋梗塞と虚血性脳卒中では、COVID-19診断後1週目に、それぞれ17.2倍、23.0倍リスクが増加していた。Circulation誌2022年9月20日号掲載の報告。

コロナ予防効果の長期観察、ワクチン歴・感染歴別に分析~1千万人コホート/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのプライマリシリーズ接種者は非接種者に比べて、またブースター接種ありはブースター接種なしに比べて、さらにSARS-CoV-2感染既往者は非既往者に比べ、いずれもSARS-CoV-2感染(オミクロン株を含む)や入院・死亡リスクが有意に低いことが、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のDan-Yu Lin氏らが行った、1,000万人超を対象に行ったコホート試験で明らかにされた。なお、これらの関連性は、とくに感染に対する保護効果について、時間とともに減弱が認められたことも示されている。COVID-19ワクチンの接種状況およびSARS-CoV-2感染既往と、SARS-CoV-2感染およびCOVID-19重症アウトカムリスクとの関連データは、予防戦略を導く可能性があり重視されている。JAMA誌オンライン版2022年9月26日号掲載の報告。

NSCLC1次治療、sintilimab+anlotinibの有用性(SUNRISE)/ESMO2022

 転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次療法として、抗PD-1抗体薬sintilimabとマルチチロシンキナーゼ阻害薬anlotinibとの併用療法はプラチナ化学療法に比べて奏効率(ORR)や無増悪生存期間(PFS)を改善する可能性が示された。オープンラベル多施設共同無作為化第II相試験として実施されたSUNRISE試験の中間解析の結果として、中国上海交通大学のBaohui Han氏が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2022)で報告した。 ・対象: 未治療のドライバー変異陰性StageIV NSCLC患者 ・試験群:sintilimab 200mg(day1)+anlotinib 10mg(day1~14)3週ごと(43例) ・対照群:プラチナダブレット化学療法3週ごと4~6サイクル(46例) ・評価項目: [主要評価項目]ORR [副次評価項目]奏効期間(DoR)、PFS、全生存期間(OS)、安全性

ブースター接種の入院予防効果、何日くらいで弱まる?/JAMA

 新型コロナのmRNAワクチン(以下、新型コロナワクチン)のブースター接種をすることで、どの程度の予防効果が補われ、それがどのくらい持続するかについてはあまり知られていない。そこで、シカゴ大学のJessica P. Ridgway氏らは初回ワクチン接種(2回接種)とブースター接種(3回目)でのコロナによる入院割合について評価した。その結果、ブースター接種が入院率の低下と関連した。ただし、ブースター接種からの時間経過に伴い、その関連は弱まっていったことが明らかになった。2022年9月23日JAMA誌オンライン版のリサーチレターでの報告。

コロナ2価ワクチンの安全性と免疫原性、1価と比較~第II/III相試験/NEJM

 オミクロン株対応2価ワクチン「mRNA-1273.214」(モデルナ製)は、単価ワクチンmRNA-1273よりオミクロン株に対する中和抗体反応が優れており、安全性に関する懸念は認められなかったことを、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のSpyros Chalkias氏らが、現在進行中の第II/III相試験の中間解析の結果、報告した。オミクロン株対応2価ワクチンmRNA-1273.214の追加接種の安全性および免疫原性は明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2022年9月16日号掲載の報告。  研究グループは、単価ワクチンmRNA-1273(起源株Wuhan-Hu-1のスパイクタンパク質をコードするmRNA)を2回接種(100μg)し、1回目の追加接種(50μg)を3ヵ月以上前に受けた成人を対象に、50μgの2価ワクチンmRNA-1273.214(mRNA-1273を25μg、オミクロン株B.1.1.529[BA.1]のスパイクタンパク質をコードするmRNAを25μg)を接種する群(パートG)と、50μgの単価ワクチンmRNA-1273を接種する群(パートF)に順次登録し、2回目の追加接種を行い、接種後28日時点のmRNA-1273.214の安全性、反応原性、免疫原性を評価した。