呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:205

コロナは将来の肺がん死亡者数にも影響を及ぼす!?

 2020年11月30日、アストラゼネカ株式会社は、「緊急提言 新型コロナウイルス感染症流行下におけるがん検診の重要性~つづけよう、がん検診~」と題し、コロナ禍の肺がん検診の現状に関するメディアセミナーを開催した。  セミナーでは、光冨 徹哉氏(近畿大学)、弦間 昭彦氏(日本医科大学)、小西 宏氏(日本対がん協会)が登壇し、トークゲストとして三遊亭 圓楽氏が参加した。  新型コロナウイルス感染拡大に伴い、2020年1月~7月のがん検診の受診者数が前年比で55%減少した。同年4月の緊急事態宣言発出時に、厚生労働省ががん検診の受診延期を要請したが、宣言解除後も受診者数が前年同期の水準まで回復していない。この現状について、光冨氏は、検診の受診を控えたために肺がんの発見が遅れ、将来、肺がんによる死亡者数が増加する事態を懸念した。

Long-COVID:専門医が語る新型コロナ後遺症の実態

 国立国際医療研究センターの研究チームが、COVID-19回復者を追跡調査し、後遺症に焦点を当てた論文が10月に発表された(新型コロナ後遺症、4ヵ月後も続く例や遅発性の脱毛例も/国際医療研究センター)。それによると、発症から120日超の時点でも依然続く呼吸苦や倦怠感、咳などを訴えたり、数ヵ月後になって脱毛を経験したりした人がいたことがわかった。国内においては、COVID-19感染者の増加数において3度目のピークを迎えているとみられる昨今。臨床では急性期への対応が間違いなく喫緊の課題だが、感染症専門医らが「きわめて特異的」と評するCOVID-19回復後に長く続く後遺症、いわゆる“Long-COVID”はどのようなものなのか。冒頭論文の責任筆者である森岡 慎一郎氏(国際感染症センター)に話を伺った。

インフルとの鑑別を追記、COVID-19診療の手引き第4版/厚生労働省

 12月4日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」を公開した。  同手引きは診療の手引き検討委員会が中心となって作成され、第1版は3月17日に、第2版は5月18日に、第3版は9月4日に公表され、随時最新の内容に更新している。  今回の改訂では、日本産科婦人科学会の協力を得て、臨床像や院内感染対策の更新を図ったほか、検査法、薬物療法などに関する新しい知見や行政対応に関する情報を反映させている。

がんの緩和ケア、「穏やかに看取る」から「健やかに過ごす」へ/日本肺癌学会

 がん治療の進展に伴い、がん治療における緩和ケアにも変化が起きている。11月に行われた第61回日本肺癌学会学術集会では、「肺癌緩和ケアの新時代~長期治療の中での緩和~」と題したシンポジウムが行われ、演者がそれぞれの立場から現状を報告した。  演者の1人、飯塚病院連携医療・緩和ケア科の柏木 秀行氏は、がん緩和ケアの原則となる「WHO方式がん疼痛治療法」が一部改訂されたことを紹介。前版にあった「鎮痛剤使用の5原則」中の「除痛ラダーに沿って効力の順に」という記載が削除され、症状や個人に応じた個別化が緩和ケアでも進んでいる状況を紹介した。

「抗がん剤曝露調査サービス」の販売開始

 シオノギファーマは、2020年12月1日、セコム医療システムと協業し、病院で働く医療スタッフの職場での抗がん剤曝露リスクへの対策として、「セコム抗がん剤曝露調査サービス」の販売を12月1日から開始すると発表。  このサービスは、セコム医療システムが販売および受付窓口を担当、曝露対策の提案等を行うもの。シオノギファーマは抗がん剤曝露状況の試験測定を行うことで数値によるリスクの見える化を手伝う。

COVID-19パンデミック時の休校、子供の寿命に影響か

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック時、学校が休校となった国が多いが、子供たちの健康への影響はないのだろうか。米国・ワシントン大学のDimitri A. Christakis氏らが、COVID-19パンデミックに関連して生じうる損失生存年数(years of life lost:YLL)を米国の小学校の休校もしくは開校継続の条件で推定したところ、開校継続が支持される結果となった。JAMA Network Open誌2020年11月12日号に掲載。  この決定分析モデルでは、米国の疾病予防管理センター(CDC)、社会保障局、国勢調査局の2020年のデータを含む公的に利用可能なデータを使用し、休校と学歴低下との関連、学歴低下と平均余命との関連を推定した。また、COVID-19による死亡率、休校せずにCOVID-19が増加した場合に生じうる死亡率の増加も推定した。主要アウトカムはYLL。

最前線の医療従事者におけるCOVID-19発生による不安・抑うつへの影響

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、人々の健康やウェルビーイングに深刻な影響を及ぼしている。最前線でCOVID-19への対応が求められる医療従事者では、その影響はさらに大きくなると考えられる。中国・山東大学のLi-Qun Xing氏らは、最前線で勤務する医療従事者の不安、抑うつ、ストレスに対するCOVID-19の心理的影響を明らかにするため、検討を行った。The International Journal of Social Psychiatry誌オンライン版2020年10月24日号の報告。

ラムシルマブの30分投与、国内承認/日本イーライリリー

 日本イーライリリーは、2020年11月27日、抗悪性腫瘍剤ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)について、すべての適応に対する投与時間短縮に係る承認事項一部変更承認を取得した。  この承認は、ラムシルマブにおける既承認のがん種等を対象に実施された国内外の臨床試験で得られ たラムシルマブの薬物動態及び母集団薬物動態モデルを用いたモデリング&シミュレーションに基づいたもの。

ラムシルマブとエルロチニブまたはゲフィチニブとの併用、非小細胞肺がんに国内承認/リリー

 日本イーライリリーは、2020年11月27日、抗悪性腫瘍剤ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する 用法及び用量の追加に係る承認事項一部変更承認を取得した。  用法及び用量の追加の承認は、国際共同第1b/III相試験であるRELAY試験から得られた有効性及び安全性に基づいている。

新型コロナ、感染6ヵ月後も抗ウイルス抗体・中和抗体を保有/横浜市立大

 『新型コロナウイルス感染症回復患者専用抗体検査PROJECT』を立ち上げていた横浜市立大学の山中 竹春氏率いる研究グループは、12月2日に行った「新型コロナウイルス感染 6ヵ月後における抗ウイルス抗体保有および中和抗体保有調査に関する中間報告」の記者会見で、感染症回復者のほとんどが6ヵ月後も抗ウイルス抗体および中和抗体を保有していることを明らかにした。  日本初の国内最大規模の回復者データに基づく本研究は、COVID-19 回復者の一定期間後の追跡調査として『コロナ回復社専用抗体検査PROJECT』で参加者を募集。8~9月に617名の参加希望者が集まり、そのうち10月26日までに採血して検体測定を完了した376例のデータを解析した。今回の中間報告では、抗体保有率のほか、COVID-19回復者のうち、酸素投与を要した中等症・重症例のほうが軽症例よりも中和活性が高い傾向であることも示唆された。