精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:351

統合失調症の自殺にプロラクチンは関連するのか

 ホルモンの調節不全は、さまざまな精神障害における自殺の危険因子と関連している。甲状腺ホルモンやプロラクチンは、統合失調症の病態生理に影響を及ぼしている。インド・ジャワハルラール医学教育研究大学院研究所のJancy Jose氏らは、統合失調症患者における甲状腺ホルモンとプロラクチンレベルを分析し、疾患の重症度や自殺リスクとの関連を調査した。Clinica chimica acta; international journal of clinical chemistry誌オンライン版2015年2月10日号の報告。

新薬の投与量はどのように設定されているのか

 フランス・聖マルグリット病院のN. Simon氏らは、新規薬剤の投与量設定におけるファーマコメトリクス分析の応用について概説した。その主旨は、臨床の場で直面しうる、すべての状況での薬剤反応を把握することが重要であり、その手段としてファーマコメトリクス分析が利用可能ということである。具体的には、過剰曝露を避けつつ最大限の効果を達成する投与量の決定に、薬物動態(PK)モデリング、薬力学(PD)モデリング、そしてPK-PDモデルリングというステップを踏み、最終的にモンテカルロ・シミュレーションを実施して最適な投与量が決定されるという。Encephale誌オンライン版2015年3月9日号の掲載報告。

抗うつ薬の副作用発現を予測するために

 抗うつ薬の代謝において、シトクロムP450酵素は重要な役割を担っている。これら酵素の高度に多様な性質は、抗うつ薬の代謝率の変動と関連しており、P450の遺伝子型判定を利用した推奨治療の決定につながる可能性がある。しかし、P450遺伝子の違いが治療効果に影響を及ぼすかどうかは明らかになっていない。英国のキングス・カレッジ・ロンドンのKaren Hodgson氏らは、P450遺伝子型および抗うつ薬の血清濃度と副作用との関連を検討した。Psychopharmacology誌オンライン版2015年3月12日号の報告。

ペルフェナジン、他の抗精神病薬との違いは

 ペルフェナジンはハロペリドール同様、古典的なフェノチアジン系抗精神病薬で、長年にわたり使用されており、北部ヨーロッパおよび日本での使用頻度が高い。ドイツ・デュッセルドルフ大学のBenno Hartung氏らは、統合失調症患者に昔から使用されているペルフェナジンの有効性と安全性を明らかにするため、これまでの研究をレビューした。その結果、検討した試験はすべて非常に質の低いエビデンスであったが、ペルフェナジンが他の抗精神病薬と同様の有効性と安全性を示すことを報告した。そのうえで、安価で使用頻度の高いペルフェナジンの特性を明確にする、さらなる研究の必要性を指摘した。Cochrane Database Systematic Reviewオンライン版2015年3月6日号の掲載報告。

オランザピンの代謝異常、アリピプラゾール切替で改善されるのか

 統合失調症患者では、抗精神病薬で誘発される代謝異常の頻度が高い。そして、そのために心血管疾患を生じやすい。このことを念頭に、インド・スリナガル医科大学のRayees Ahmad Wani氏らは、オランザピンでメタボリックシンドロームを発症した安定期統合失調症患者における、アリピプラゾール切り替え後のさまざまな代謝パラメータへの影響を、非盲検試験で調査した。Neuropsychiatric disease and treatment誌オンライン版2015年3月13日号の報告。

男性更年期障害、うつ病との関連は

 男性更年期は、中年期の男性における身体的、精神的、情緒的健康の変化を経験する状態である。しかし、男性更年期とうつ病などの精神症状との関連はまだ明らかになっていない。イラン・テヘラン大学のShahla Khosravi氏らは、男性更年期の症状(AMSスケールで評価)とうつ病との関連を検討した。Aging clinical and experimental research誌オンライン版2015年3月12日号の報告。

統合失調症へのECT、アジア諸国での実態調査

 2001~2009年のアジア人統合失調症患者に対する電気痙攣療法(ECT)の使用について、中国・澳門大学のYu-Tao Xiang氏らは調査を行った。その結果、過去10年間で中国において使用が増大していた一方、その他アジアの国および地域では低調に推移していた実態を報告した。結果について著者は、「アジアにおけるこの使用のばらつきの原因について、さらなる調査を行う必要がある」とまとめている。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2015年2月23日号の掲載報告。

多面的な介入、認知機能改善や維持に有効/Lancet

 認知症リスクが高い高齢者に対して、食事や運動などの生活習慣および血管リスクモニタリングといった多面的な介入を行うことで、認知機能の改善あるいは維持が可能であることが実証された。フィンランド国立健康福祉センターのTiia Ngandu氏らが、同国一般市民を対象とした二重盲検無作為化対照比較試験FINGERの結果、報告した。Lancet誌オンライン版2015年3月11日号掲載の報告より。

急性期病院での認知症看護、その課題は:愛媛大

 認知症は公衆衛生上の大きな問題であり、ますます多くの認知症患者が合併症治療のために急性期病院へ入院している。一方で、急性期病院における認知症患者の看護に関する問題は、明らかにされてこなかった。愛媛大学の福田 里砂氏らはフォーカスグループインタビュー(FGI)を用いた質的研究を行い、主な問題として、さまざまな問題や困難が相互に作用して悪循環に陥っていること、看護師は矛盾を感じながらもそのような状況に対応するため最善を尽くしていることの2点を示した。International Journal of Qualitative Studies on Health and Well-being誌オンライン版2015年2月24日号の掲載報告。

難治性しゃっくり、抗精神病薬で治るのはなぜか

 しゃっくりは横隔膜のリズミカルな不随意運動であり、延髄や脊柱上の吃逆中枢の神経核機能阻害などさまざまな条件により引き起こされる。しゃっくりの病態に関与する神経伝達物質や受容体は十分に定義されていないが、ドパミンは重要な役割を果たすと考えられている。難治性のしゃっくりの治療には、クロルプロマジンや他の抗精神病薬が使用されることがあるが、その有効性は限られている。島根県・清和会西川病院の西川 正氏らは、難治性しゃっくり患者のエピソードを紹介した。Annals of general psychiatry誌オンライン版2015年3月5日号の報告。